JPH09301860A - 還元糖配合輸液製剤及びその滅菌方法 - Google Patents

還元糖配合輸液製剤及びその滅菌方法

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JPH09301860A
JPH09301860A JP9055790A JP5579097A JPH09301860A JP H09301860 A JPH09301860 A JP H09301860A JP 9055790 A JP9055790 A JP 9055790A JP 5579097 A JP5579097 A JP 5579097A JP H09301860 A JPH09301860 A JP H09301860A
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啓一 河上
Katsushi Watanabe
克司 渡辺
Teru Nakai
輝 中井
Katsumi Uei
勝美 上井
Rika Hamamoto
里香 濱本
Akiyo Abe
章代 阿部
Hiroaki Yamamoto
啓昭 山本
Masatoshi Inai
正敏 稲井
Seiichiro Iguchi
誠一郎 井口
Aya Bandou
綾 坂東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元糖の分解を抑制し着色を防止した安定な
還元糖配合輸液製剤を開発、提供する。 【解決手段】 還元糖を必須成分として含有する薬液
に、炭酸ガスを溶解させて滅菌することを特徴とする還
元糖配合輸液製剤の滅菌方法及び該方法により得られる
滅菌された還元糖配合輸液製剤、即ち還元糖を必須成分
として含有し、滅菌時の還元糖の分解物の生成抑制及び
着色抑制がなされている還元糖配合輸液製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は滅菌された還元糖配
合輸液製剤及びその調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、経口栄養や経管栄養が不可能であ
ったり、不十分である患者に対しては、経静脈的栄養補
給の目的から、輸液が投与されている。
【0003】かかる輸液としては、必須アミノ酸等を含
有するアミノ酸輸液、ミネラル類を含有する電解質輸
液、還元糖等を含有する糖輸液、植物油等を含有する脂
肪乳剤等が市販されており、之等は患者の症状等に合わ
せて用時に適宜混合して用いられているが、2種以上の
輸液の混合利用の場合、その混合時に細菌汚染等の問題
を伴う危険があると共に、それらの混合操作が煩雑であ
る等の問題がある。
【0004】上記問題を解決するものとして、予め2種
以上の輸液を混合して調製された輸液製剤も開発、市販
されている。しかしながら、還元糖を用いた輸液製剤で
は、該還元糖が滅菌時及び保存時に分解し、その分解物
によって輸液製剤が着色する難点がある。この難点は、
一般に輸液製剤のpHを低く保つことで改善できるが、
輸液製剤が本来体内に大量に投与されるものであること
を考慮すると、該製剤のpHは、血液のそれからあまり
かけ離れていないのが望ましく、従って、該pHはあま
り低くすることができない現状にある。
【0005】このため、還元糖を含有する輸液製剤は、
従来より一般に、pHを5〜8程度に調整され、このp
H調整とは別個に、還元糖による着色防止のための着色
防止剤として、例えばジチオグリセロールやジチオスレ
イトール等を添加して調製されている(例えば、特開平
5−9112号公報等参照)。
【0006】しかしながら、かかる着色防止剤等の栄養
補給に関連しない成分の添加配合は、それ自体決して好
ましいものではなく、できるだけ回避したいのが現状で
あり、また当該輸液製剤は硫黄臭がするという欠点があ
る。従って、着色防止剤を用いることなく、還元糖の分
解による着色を伴わない、還元糖配合輸液製剤の研究・
開発が当業界で切望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は当業界
で切望されている、着色防止剤を用いずとも、還元糖の
分解による着色を伴わないか該着色を充分に抑制でき
る、還元糖を配合した改善された安定な輸液製剤を開
発、提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記事情
に鑑み還元糖配合輸液製剤の着色防止につき鋭意研究の
結果、滅菌前に5.0〜8.5程度のpHを呈する輸液
に、その滅菌前に炭酸ガスを溶解させることにより滅菌
中の液のpHを一時的に低下させ、その後液中から炭酸
ガスを放出させることにより、何等着色防止剤を利用せ
ずとも、滅菌中及び保存中において還元糖の分解物の生
成を抑制し、着色がみごとに抑制乃至防止された還元糖
配合輸液が得られることを見出し、ここに本発明を完成
するに至った。
【0009】即ち、本発明によれば、還元糖を必須成分
として含有する薬液に、炭酸ガスを溶解させて滅菌する
ことを特徴とする還元糖配合輸液製剤の滅菌方法及び該
滅菌方法により得られる滅菌された還元糖配合輸液製
剤、殊に還元糖を必須成分として含有し且つ滅菌時の該
還元糖の分解物生成が抑制され、着色が抑制乃至防止さ
れていることを特徴とする還元糖配合輸液製剤が提供さ
れる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によれば、より好ましく
は、滅菌時のpHが3.5〜6.5の範囲である上記滅
菌方法、炭酸ガス溶解前及び滅菌後の薬液のpHが5.
0〜8.5の範囲にある上記滅菌方法、還元糖がブドウ
糖、果糖及びマルトースから選ばれる少なくとも1種で
ある上記滅菌方法が提供される。
【0011】本発明の還元糖配合輸液製剤は、着色防止
剤を添加配合せずとも還元糖の分解による着色が抑制乃
至防止されていることをその最大の特徴とし、それ以外
は従来のこの種還元糖配合輸液製剤と略々同様とするこ
とができる。
【0012】上記本発明輸液製剤において利用される還
元糖としては、汎用される各種のものでよく、好ましい
ものとしては、例えばブドウ糖、果糖、マルトース等を
例示できる。之等の還元糖は、その1種のみを単独で用
いてもよく、また2種以上を併用することもできる。
【0013】本発明還元糖配合輸液製剤の一例として
は、薬液として上記還元糖と共に脂肪乳剤を含有するも
のを挙げることができる。ここで用いられる脂肪乳剤と
しては、公知の各種のものをいずれも使用できる。これ
に用いられる油脂もまた慣用のものでよく、その例とし
ては、例えば大豆油、綿実油、サフラワー油、トウモロ
コシ油、ヤシ油、シソ油、エゴマ油等の植物油の他、タ
ラ肝油等の魚油、例えばパナセート(日本油脂社製)、
ODO(日清製油社製)等の中鎖脂肪酸トリグリセリ
ド、例えば2−リノレオイル−1,3−ジオクタノイル
グリセロール、2−リノレオイル−1,3−ジデカノイ
ルグリセロール等の化学合成トリグリセリド(Chemical
defined triglycerides)等を例示でき、之等は1種を
単独でもまた2種以上混合しても利用できる。該脂肪乳
剤に用いられる乳化剤もまた、通常医薬製剤に慣用され
るものの1種単独又は2種以上でよく、その例として
は、例えば卵黄リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、大豆
リン脂質、水素添加大豆リン脂質や例えば「プルロニッ
クF68」、「HCO−60」(いずれも商品名)等の
非イオン性界面活性剤等を例示できる。
【0014】また、本発明還元糖配合輸液製剤の他の一
例としては、薬液として上記還元糖と共に電解質を含有
するものを挙げることができる。ここで用いられる電解
質としては、通常電解質輸液として用いられている公知
の各種のもののいずれでもよい。その例としては塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナ
トリウム、乳酸ナトリウム、乳酸等を例示することがで
き、之等は通常2種以上を併用される。
【0015】上記還元糖及び脂肪乳剤又は電解質を含む
混合輸液(薬液)は、単に両者を混合することにより容
易に調製され、還元糖の添加混合は、予め脂肪乳剤又は
電解質液を調製後に行なってもよいし、脂肪乳剤又は電
解質液の調製時に行なってもよい。また、上記薬液調製
時には、必要に応じて得られる薬液のpHを所定の値に
調整・維持するための、通常汎用される各種緩衝剤やp
H調整剤等を適宜添加配合することもできる。
【0016】かくして得られる薬液の本発明に従う滅菌
方法は、該薬液に炭酸ガスを溶解させ、そのpHを低下
させた状態で実施されることが重要であり、他の操作条
件等、例えば滅菌時間、滅菌温度等は、通常のこの種滅
菌操作条件等と同様のものとすることができる。より好
ましくは、上記滅菌は、例えば102〜121℃の温度
条件下で20〜60分間加熱することにより行なわれ
る。
【0017】また、上記薬液への炭酸ガスの溶解、調製
は、例えば代表的には、薬液の入った調製タンクの空間
部を炭酸ガスで加圧し、目的のpHとした後、そのpH
と平衡の炭酸ガス率の混合ガス(窒素ガス−炭酸ガス、
空気−炭酸ガス等)又は炭酸ガス単独で加圧し、若しく
は常圧で、そのpHを保持させることにより行なうこと
ができる。その後、還元糖配合輸液が脂肪乳剤を含むも
のである場合には、薬液を輸液バッグに充填し、バッグ
の空間部を同様の混合ガス又は炭酸ガスで置換して、も
しくは無置換の条件下で、高圧蒸気滅菌、熱水滅菌又は
熱水シャワー滅菌を行なうことにより、本発明滅菌操作
を完結できる。また、還元糖配合輸液製剤が脂肪乳剤を
含まないもの、即ち還元糖と電解質との配合輸液の場合
には、薬液を輸液バッグ或いはバイアルに充填し、以降
の操作は上記と同様にすることにより本発明滅菌操作を
完結できる。
【0018】上記pH値は、上記滅菌操作による還元糖
の分解が抑制できる限り、特に制限されるものではない
が、通常好ましくは約3.5〜6.5の範囲とされるの
がよい。特に、還元糖と脂肪乳剤との配合輸液の場合
は、上記pHは約4〜6.5の範囲とするのがよく、還
元糖と電解質との配合輸液の場合は、約3.5〜6.5
の範囲とするのが好ましい。
【0019】本発明滅菌方法によれば、薬液中に溶解さ
せた炭酸ガスは、上記滅菌操作の間にも薬液中から徐々
に放出され、最終的に滅菌調製された輸液製剤のpH
は、滅菌前のそれと略々同程度のものとなる。従って調
製される本発明輸液製剤が、特に還元糖と脂肪乳剤との
配合輸液である場合は、その液性の酸性化に伴われる遊
離脂肪酸の生成による品質劣化のおそれも回避され得る
利点がある。このため、本発明の輸液製剤を収容する輸
液バッグの材質は、従来より医薬容器等に慣用されてい
る各種のガス透過性プラスチックが好ましい。その具体
例としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、架橋エチレン・酢酸ビニル共重合体、エ
チレン・α−オレフィン共重合体、之等各ポリマーのブ
レンド、之等各ポリマーの積層体等を例示できる。
【0020】かくして滅菌調製された本発明還元糖配合
輸液製剤は、従来のこの種輸液製剤と同様に、単独で若
しくは必要に応じて他のアミノ酸製剤液等と混合して、
これを必要とする患者に経静脈的に投与され、所望の栄
養補給効果等を奏し得る。
【0021】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0022】
【実施例1】下記処方に従い、精製大豆油、精製卵黄レ
シチン、ブドウ糖及び有機酸(コハク酸)に注射用蒸留
水を加え、TKホモミクサーで、70℃下に、30分間
粗乳化を行ない、その後、マントンゴーリンホモジナイ
ザー(400kg/cm2、10パス)で精乳化を行な
い、乳剤を得た。そして、1N水酸化ナトリウム水溶液
を用いて液pHを6.0に調製し、終量10リットルの
薬液を調製した。
【0023】 〈処方〉 精製大豆油 44.4 g/l 精製卵黄レシチン(大豆油に対して12%) 6.66g/l ブドウ糖 114.3 g/l コハク酸 0.2 g/l 水酸化ナトリウム(pH調整剤) 適量 注射用蒸留水 適量 上記調製タンクの空間部を炭酸ガスで加圧して液pHを
5.2とした。その後、該空間部を液pHと平衡となる
炭酸ガス率の混合ガス(炭酸ガス:窒素ガス=45:5
5)で上記pHを保持し、輸液バッグに充填し、空間部
を同様の混合ガスで置換して高圧蒸気滅菌釜に入れ、1
10℃で40分間滅菌して、本発明の還元糖と脂肪乳剤
とを配合した輸液製剤を得た。
【0024】
【実施例2】下記処方の還元糖と電解質とからなる混合
輸液3リットルを調製した。
【0025】 〈処方〉 塩化ナトリウム 6.721g/l 塩化カリウム 0.298g/l 塩化カルシウム・2H2O 0.221g/l 炭酸水素ナトリウム 2.268g/l 乳酸 0.5 g/l ブドウ糖 50 g/l 上記輸液を輸液バッグに充填し、炭酸ガスをバブリング
して輸液中に炭酸ガスを100%溶解させることによっ
て液のpHを6.19とした。次に、空間部ができない
ように輸液バッグの空気を追い出し、熱シールし、これ
を106℃で40分間高圧蒸気滅菌して、本発明の還元
糖と電解質とを配合した輸液製剤を得た。
【0026】
【実施例3】下記処方の還元糖と電解質とからなる混合
輸液3リットルを調製した。
【0027】 〈処方〉 塩化ナトリウム 0.468g/l 塩化カリウム 1.491g/l 炭酸水素ナトリウム 2.268g/l ブドウ糖 100 g/l 上記液のpHを6.40とする以外は、実施例2と同様
にして、高圧蒸気滅菌して、本発明の還元糖と電解質と
を配合した輸液製剤を得た。
【0028】
【実施例4】下記処方の還元糖と電解質とからなる混合
輸液3リットルを調製した。
【0029】 〈処方〉 塩化ナトリウム 5.553g/l 塩化カルシウム 0.331g/l 塩化マグネシウム 0.152g/l 乳酸ナトリウム 5.043g/l ブドウ糖 13 g/l 液のpHを4.94とする以外は、実施例2と同一操作
を繰り返して、本発明の還元糖と電解質とからなる混合
輸液製剤を得た。
【0030】
【実施例5】下記処方の還元糖と電解質とからなる混合
輸液3リットルを調製した。
【0031】 〈処方〉 塩化ナトリウム 1.75 g/l 塩化カリウム 1.5 g/l 乳酸ナトリウム 2.24 g/l ブドウ糖 100 g/l 液のpHを4.79とする以外は、実施例2と同一操作
を繰り返して、本発明の還元糖と電解質とからなる混合
輸液製剤を得た。
【0032】
【実施例6】実施例2で得た還元糖と電解質との混合輸
液50mlを100mlのガラスバイアルに充填し、液
pHを6.09とし、このpHを保持するためにガラス
バイアルの空間部を100%炭酸ガスで満たす以外は、
実施例2と同様にして、本発明の混合輸液製剤を得た。
【0033】
【実施例7】実施例3で得た還元糖と電解質との混合輸
液50mlを100mlのガラスバイアルに充填し、液
pHを6.36とする以外は、実施例6と同様にして、
本発明の混合輸液製剤を得た。
【0034】以下に、本発明還元糖配合輸液製剤の安定
性を調べた試験例を挙げる。
【0035】
【試験例1】実施例1において調製した本発明輸液製剤
を、60℃、相対湿度75%の条件下に14日間保存
し、輸液の着色の程度を経日的に観察した。
【0036】これは、外観を肉眼観察すると共に、輸液
試料を限外濾過を伴った遠心分離(KUBOTA MODEL KR-18
0A)で得られる水系部分の450nmにおける透過度
(T%)を島津UV−160により測定した。
【0037】また同時に、輸液試料のpH並びに該試料
中の遊離脂肪酸(FFA)含量(meq/l)及び還元糖
の酸性分解物の代表例である5−ヒドロキシメチル−2
−フルフラール(5−HMF,5-Hydroxymethyl-2-furfu
ral)含量(ppm)をそれぞれ滴定法及び液体クロマトグ
ラフィーにより測定した。
【0038】尚、比較のため、対照品として実施例1に
おいて炭酸ガスを溶解使用しない以外は同様にして、即
ち実施例1において輸液調製タンクの空間部及びバッグ
の空間部を窒素ガスのみで満たして調製した対照輸液に
ついても、上記と同一試験を行なった。
【0039】滅菌直後、7日間保存後及び14日間保存
後のそれぞれの輸液試料について、得られた結果を下記
表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】上記表1より、本発明輸液製剤は、透過率
が高く、即ち、5−HMFや他のブドウ糖分解物の精製
が顕著に抑制されており、着色の程度が非常に少ない品
質良好なものであることが判り、また、酸味を呈する糖
分解物の生成が少ないことも判る。この糖分解物の生成
が少ないことから、得られた本発明輸液製剤は、この酸
性分解物による液の酸性化も防止されており、かくし
て、保存中においても遊離脂肪酸の生成を抑制できる利
点を有することが判る。
【0042】
【試験例2】実施例2で調製した本発明輸液製剤と、比
較のため、該実施例2において炭酸ガスのバブリングを
行なわず且つpHが7.30である以外は同様にして調
製した比較輸液製剤とについて、それぞれ滅菌直後の異
性化率及びブドウ糖分解物の生成の程度を、比較検討し
た。
【0043】尚、上記異性化率測定は、高速液体クロマ
トグラフ法(島津製作所LC10A使用)によった。ま
た、ブドウ糖分解物の生成の程度は、400nm、44
5nm及び450nmにおける透過率測定(分光光度
計、日本分光株式会社、V−560使用による)及び2
84nmにおける吸光度測定(透過率測定に同じ)にて
表わした(以下、同様である) 同一サンプルにつき3回行なった試験の結果を、下記表
2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【試験例3】実施例3で調製した本発明輸液製剤と、比
較のため、同実施例3において炭酸ガスのバブリングを
行なわず且つpHが8.17である以外は同様にして調
製した比較輸液製剤とについて、それぞれ滅菌直後の異
性化率及びブドウ糖分解物の生成の程度を検討した。
【0046】同一サンプルにつき3回行なった試験の結
果を、下記表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【試験例4】実施例4で調製した本発明輸液製剤と、比
較のため、同実施例4において炭酸ガスのバブリングを
行なわず且つpHが6.60である以外は同様にして調
製した比較輸液製剤とについて、それぞれ滅菌直後の異
性化率及びブドウ糖分解物の生成の程度を検討した。
【0049】同一サンプルにつき3回行なった試験の結
果を、下記表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
【試験例5】実施例5で調製した本発明輸液製剤と、比
較のため、同実施例5において炭酸ガスのバブリングを
行なわず且つpHが6.33である以外は同様にして調
製した比較輸液製剤とについて、それぞれ滅菌直後の異
性化率及びブドウ糖分解物の生成の程度を検討した。
【0052】同一サンプルにつき3回行なった試験の結
果を、下記表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】
【試験例6】実施例6で調製した本発明輸液製剤と、比
較のため、同実施例6において炭酸ガスのバブリングを
行なわず且つpHが7.22である以外は同様にして調
製した比較輸液製剤とについて、それぞれ滅菌直後の異
性化率及びブドウ糖分解物の生成の程度を検討した。
【0055】同一サンプルにつき3回行なった試験の結
果を、下記表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】
【試験例7】実施例7で調製した本発明輸液製剤と、比
較のため、同実施例3において炭酸ガスのバブリングを
行なわず且つpHが8.31である以外は同様にして調
製した比較輸液製剤とについて、それぞれ滅菌直後の異
性化率及びブドウ糖分解物の生成の程度を検討した。
【0058】同一サンプルにつき3回行なった試験の結
果を、下記表7に示す。
【0059】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31:70) (72)発明者 濱本 里香 徳島県板野郡北島町太郎八須字新堀27−2 (72)発明者 阿部 章代 徳島県鳴門市撫養町大桑島字蛭子山199− 1 大城マンションIV204 (72)発明者 山本 啓昭 徳島県鳴門市瀬戸町明神字鳴谷104−4 (72)発明者 稲井 正敏 徳島県板野郡土成町大字郡554番地の1 (72)発明者 井口 誠一郎 徳島県鳴門市撫養町斎田字浜端西87−5 (72)発明者 坂東 綾 徳島県板野郡北島町鯛ノ浜西の須34−1 フローラルハイツNo1,201号室

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元糖を必須成分として含有する薬液
    に、炭酸ガスを溶解させて滅菌することを特徴とする還
    元糖配合輸液製剤の滅菌方法。
  2. 【請求項2】 薬液が還元糖と脂肪乳剤とを必須成分と
    して含有するものである請求項1に記載の還元糖配合輸
    液製剤の滅菌方法。
  3. 【請求項3】 薬液が還元糖と電解質とを必須成分とし
    て含有するものである請求項1に記載の還元糖配合輸液
    製剤の滅菌方法。
  4. 【請求項4】 炭酸ガス溶解時のpHが3.5〜6.5
    の範囲である請求項1に記載の滅菌方法。
  5. 【請求項5】 炭酸ガス溶解時のpHが4〜6.5の範
    囲である請求項2に記載の滅菌方法。
  6. 【請求項6】 炭酸ガス溶解前及び滅菌後の薬液のpH
    が5.0〜8.5の範囲にある請求項1〜5のいずれか
    に記載の滅菌方法。
  7. 【請求項7】 炭酸ガス溶解前及び滅菌後の薬液のpH
    が5.0〜7.5の範囲にある請求項1〜5のいずれか
    に記載の滅菌方法。
  8. 【請求項8】 還元糖がブドウ糖、果糖及びマルトース
    から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいず
    れかに記載の滅菌方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の滅菌方
    法により得られる滅菌された輸液製剤。
  10. 【請求項10】 還元糖を必須成分として含有し且つ滅
    菌時の還元糖の分解物の生成抑制及び着色抑制がなされ
    ていることを特徴とする滅菌された輸液製剤。
JP05579097A 1996-03-11 1997-03-11 還元糖配合輸液製剤及びその滅菌方法 Expired - Lifetime JP4235770B2 (ja)

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US7445801B2 (en) 2002-06-07 2008-11-04 Baxter International Inc. Stable bicarbonate-based solution in a single container

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