JPH09301769A - 圧電性磁器組成物の製造方法 - Google Patents

圧電性磁器組成物の製造方法

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JPH09301769A
JPH09301769A JP12166396A JP12166396A JPH09301769A JP H09301769 A JPH09301769 A JP H09301769A JP 12166396 A JP12166396 A JP 12166396A JP 12166396 A JP12166396 A JP 12166396A JP H09301769 A JPH09301769 A JP H09301769A
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powder
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JP12166396A
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Teruyuki Takahashi
輝行 高橋
Yutaka Umetsu
豊 梅津
Shigeo Fukuyasu
繁夫 福安
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Dai Nippon Toryo KK
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Dai Nippon Toryo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定的かつ高い電気機械結合係数(Kp)及
び機械的品質係数(Qm)を有する、ペロブスカイト型
複合酸化物PbZrO3 ・PbTiO3 ・Pb(NbS
b)O3 及びMnOの混合酸化物からなる圧電性磁器組
成物の製造方法を提供する。 【解決手段】 Zr、Ti、Nb及びSb成分を仮焼
し、粉砕することにより、仮焼粉末を生成し、次いで、
この仮焼粉末をPb酸化物及びマンガン成分と混合し、
焼成する。また、ニオブ成分を含有するアルカリ分散液
と、チタン成分及びジルコニウム成分を液相にて混合し
てなる懸濁液とを調製する工程と、前記懸濁液をアルカ
リ分散液に滴下して共沈物を得る工程と、その共沈物を
仮焼し、粉砕することにより、仮焼粉体を製造する工程
と、その仮焼粉体に、鉛成分、アンチモン成分及びマン
ガン成分を添加して焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペロブスカイト型複合
酸化物PbZrO3 ・PbTiO3 ・Pb(NbSb)
3 及びMnOの混合酸化物からなる圧電性磁器組成物
の製造方法、特に、安定に、しかも高い電気機械結合係
数(Kp)及び機械的品質係数(Qm)を有する圧電性
磁器組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電磁器材料は、圧電トランスや、超音
波振動子、アクチュエーター、圧電トランス等に使用さ
れている。これらの用途においては、機械的品質係数
(Qm)を上げてエネルギー変換効率や、昇圧比を上げ
る一方、電気機械結合係数(Kp)を上げて昇圧比を上
げることにより、装置の小型化や、エネルギー変換効率
の改善を図るために、更なる特性の改善が求められてい
る。従来、この種の圧電性磁器組成物の製造方法として
多数の方法が提案されている。これらの方法は、次の3
種に大別される。 (1)圧電性磁器の構成元素の炭酸塩及び/又は酸化物
粉末をそのまま混合、仮焼して磁器組成物を得る乾式
法、(2)圧電性磁器の構成元素の水溶性化合物を溶解
した混合水溶液の pHを調整して各元素の水酸化物を共
沈させ、得られる共沈酸化物を仮焼して磁器組成物を得
る共沈法、及び(3)圧電性磁器の構成元素のアルコキ
シドや、有機溶剤に可溶な化合物を溶解した有機溶剤溶
液を熱分解若しくは加水分解して生成する沈殿物を仮焼
して磁器組成物を得る有機化合物法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記乾
式法は、各種組成の原料粉末を安価に製造できるため工
業的に広く採用されてはいるが、得られた磁器組成物の
粉末の粒径が大きく、しかも、粒子形状がバラバラで粒
度分布が広いため、磁器製造時の成型性及び焼結性が悪
く、高密度の磁器を得難いという問題がある。また、複
合ペロブスカイト型化合物の生成反応過程で鉛とニオブ
が優先的に反応し、副生成物としてパイロクロア相が生
成するため、これを複合ペロブスカイト型化合物の単一
相にするためには高温で仮焼しなければならず、必然的
に得られる磁器組成物粉末は表面活性が低くなり、高温
で焼成しなければ焼結しないという問題がある。しか
も、高温で焼成されると焼成中に鉛の蒸発により、組成
が変動するので、所望の電気的特性が再現性よく得られ
ないという問題がある。また、共沈法は、粒子形状及び
粒径の揃った磁器組成物粉末を比較的容易に製造し得る
利点があるが、構成元素の種類によって水酸化物の溶解
度積が異なるため、各種組成について化学量論的に組成
のコントロールされた共沈水酸化物を生成させることが
困難であり、製造可能な磁器組成物粉末の組成が限定さ
れるという問題がある。
【0004】更に、有機化合物法は、化学量論的にコン
トロールされた組成を有し、粒径が小さく、粒子形状が
揃い、焼結性に優れた磁器組成物粉末を得ることができ
るため、基準組成の磁器を製造する方法として実験室等
においては広く採用されているが、原料のアルコキシド
が極めて高価で、しかも、金属種によっては有機溶剤に
可溶なアルコキシドの合成が不可能なものもあるため、
工業的に採用することは困難である。また、アルコキシ
ドは湿気に対して非常に不安定であるため、取り扱いが
困難であるばかりでなく、湿気の影響を与えない雰囲気
で反応を行わせるために高価な反応装置が必要であると
いう問題がある。本発明は、これらの問題点を解決する
ためになされたもので、高い電気機械結合係数及び優れ
た機械的品質係数を有する圧電性磁器組成物を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記圧電
性磁器組成物の製造方法について鋭意研究を重ねた結
果、Zr、Ti、Nb及びSb成分を仮焼し、粉砕した
後、仮焼粉体を鉛成分及びマンガン成分と混合し、焼成
することにより、優れた特性を有するペロブスカイト型
複合酸化物PbZrO3 ・PbTiO3 ・Pb(NbS
b)O3 及びMnOの混酸化物を含有する圧電性磁器組
成物が得られることを見出した(第1態様)。また、本
発明者らは、別の態様として、ニオブ成分を含有するア
ルカリ分散液と、チタン成分及びジルコニウム成分を液
相にて混合してなる懸濁液とを調製する工程と、該懸濁
液を該分散液に滴下して共沈物を得る工程と該共沈物を
仮焼し、粉砕して、仮焼粉体を製造する工程と、該仮焼
粉体に鉛成分、アンチモン成分及びマンガン成分を添加
して焼成することにより、同様に、優れた特性を有する
ペロブスカイト型複合酸化物PbZrO3 ・PbTiO
3 ・Pb(NbSb)O3 及びMnOの混合酸化物を含
有する圧電性磁器組成物を製造できることを見出した
(第2態様)。本発明は、これらの新規な知見に基づい
てなされたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。第1態様の説明 本発明の製造方法における圧電性磁器組成物は、金属元
素として少なくともPb、Zr、Ti、Nb及びSbを
含むペロブスカイト型複合金属酸化物及びMnOを含有
する。本発明の第1態様においては、出発原料のZr、
Ti、Nb及びSb成分を、まず、仮焼(仮焼成)す
る。これらの成分は、ペロブスカイト型複合酸化物、A
BO3 で示されるBサイト成分と言われるものである。
この仮焼の結果、偏りのない均質な仮焼物が得られる。
Zr成分としては、焼成により、酸化物を形成すること
のできるZr成分であれば、特に制限なく、各種のZr
成分を使用することができる。このようなZr成分とし
ては、好ましくは、二酸化ジルコニア等のジルコニウム
の酸化物、更には、水酸化ジルコニウム等が挙げられ
る。Ti成分としては、焼成により、酸化物を形成する
ことのできるTi成分であれば、特に制限なく、各種の
Ti成分を使用することができる。このようなTi成分
としては、好ましくは、二酸化チタン等のチタンの酸化
物、更には、水酸化チタン等が挙げられる。
【0007】Nb成分としては、焼成により、酸化物を
形成することのできるNb成分であれば、特に制限な
く、各種のNb成分を使用することができる。このよう
なNb成分としては、好ましくは、五酸化ニオブ等のニ
オブの酸化物等が挙げられる。Sb成分としては、焼成
により、酸化物を形成することのできるSb成分であれ
ば、特に制限なく、各種のSb成分を使用することがで
きる。このようなSb成分としては、好ましくは、三酸
化アンチモンや、五酸化アンチモン等のアンチモンの酸
化物等が挙げられる。これらの金属成分の相互の配合量
は、Zr成分:Ti成分:Nb成分:Sb成分の原子比
として、通常、以下の式を満たすように配合することが
適切である。 Pb〔(Zry Ti(1-y) x (Sb1/2 Nb1/2
(1-x) 〕O3 式中、xは、好ましくは0.92≦x≦1.00、更に好ま
しくは0.93≦x≦0.98である。一方、yは、好まし
くは、0.50≦y≦0.55、特に好ましくは、0.51≦
y≦0.54である。これらの成分の仮焼は、通常、70
0〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の大気
等の酸化性雰囲気中で、通常、1〜7時間、好ましく
は、1〜4時間処理することによって行われる。
【0008】得られた仮焼物は、好ましくはボールミル
等の粉砕装置により粉砕することにより、粉体とした
後、鉛成分及びマンガン成分とともに混合し、次いで焼
成することによって、ペロブスカイト型複合酸化物Pb
ZrO3 ・PbTiO3 ・Pb(NbSb)O3 及びM
nOの混合酸化物からなる組成物が得られる。ここで使
用する鉛成分としては、焼成により、酸化物となる鉛成
分であれば、特に限定されることなく各種の鉛成分を使
用することができる。このような鉛成分としては、例え
ば、Pb3 4 (鉛丹)や、PbO等の酸化物が挙げら
れる。Pb酸化物は、(PbOとして)仮焼粉体の重量
に基づいて、通常、209〜220重量%、好ましくは
210〜219重量%、更に好ましくは211〜217
重量%の量で使用される。また、マンガン成分として
は、例えば、焼成により、酸化物となるマンガン成分で
あれば、同様に特に制限されることなく、各種のマンガ
ン成分を使用することができる。このようなマンガン成
分としては、例えば、Mn酸化物又はMn複合酸化物が
挙げられる。Mn酸化物としては、MnO2 を好ましい
ものとして挙げることができる。マンガン成分として
は、更に、例えば、炭酸マンガンや硝酸マンガン等を挙
げることができる。マンガン成分を添加することによっ
て、圧電性磁器用組成物の機械的品質係数(Qm)を改
善することができる。
【0009】これらのマンガン成分は、仮焼粉体の重量
に基づいて、通常、0.1〜3重量%、好ましくは0.1〜
2重量%の量で使用される。鉛成分(PbOとして)及
びマンガン成分(MnO2 として)の合計量は、仮焼粉
体の重量に基づいて、通常、209〜223重量%、好
ましくは210〜221重量%の量で使用される。この
ようにして得られた仮焼粉体と、鉛成分及びマンガン成
分とは、例えば、ボールミル等の粉砕装置によって混合
することによって、通常、0.1〜2.0μm、好ましくは
0.1〜1.0μm の平均粒径の混合粉体が形成される。通
常、混合を容易化するために、水を配合することが好適
である。この場合、水の量は、全重量の50〜75%、
好ましくは60〜70%が好適である。混合時間は、充
分に均一な混合が達成できる時間であれば、特に限定さ
れるものではない。通常、5〜30時間、好ましくは1
0〜25時間が採用される。得られた混合物に対する焼
成は、通常、500〜1000℃、好ましくは、600
〜900℃において、通常、2〜8時間、好ましくは3
〜7時間処理することによって行う。
【0010】このようにして得られた焼成物は、例え
ば、ボールミル等の粉砕装置によって粉砕し、本発明の
圧電性磁器組成物粉体を形成することができる。得られ
た粉体の平均粒径は、通常、0.1〜2.0μm 、好ましく
は0.1〜1.0μm である。第2態様の説明 第1の工程においては、ニオブ成分を含有するアルカリ
分散液(母液A)と、チタン成分及びジルコニウム成分
を液相にて混合してなる懸濁液(母液B)とを調製す
る。アルカリ分散液(母液A)は、例えば、五酸化ニオ
ブ(Nb2 5 )等のニオブ成分をアルカリ媒体中に分
散させることによって得られる。アルカリ媒体として
は、例えば、アンモニア水等のアルカリ媒体を挙げるこ
とができる。アルカリ分散液のpHは、好ましくは9.0〜
10.0、特に好ましくは9.5〜10.0である。ニオブ成
分は、アルカリ分散液において、例えば、0.01〜1.0
重量%、好ましくは0.01〜0.2重量%の量で配合され
る。懸濁液(母液B)の製造に使用されるTi成分とし
ては、例えば、TiCl4等の塩化物や、オキシ硝酸チタ
ン(TiO(NO3)2 )等を挙げることができる。
【0011】また、Zr成分としては、ZrCl4等の塩
化物や、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO3)2
等を挙げることができる。懸濁液(母液B)は、上記チ
タン成分を含有する溶液又は分散液と、ジルコニウム成
分を含有する溶液又は分散液とを混合することによって
調製することができる。チタン成分を含有する溶液又は
分散液、並びにジルコニウム成分を含有する溶液又は分
散液は、例えば、媒体としてのアンモニア水等にこのよ
うなチタン成分又はジルコニウム成分を配合したものが
好適である。溶液又は分散液中におけるチタン成分又は
ジルコニウム成分の濃度は、例えば、1〜5重量%が好
適である。第2の工程においては、アルカリ分散液(母
液A)を充分に攪拌しながら、懸濁液(母液B)を滴下
する。この過程で、溶液中には、沈殿が生じる。この沈
殿は、好ましくは、濾過し、例えば、アンモニア水等の
アルカリ液で洗浄し、乾燥する。第3の工程において、
得られた沈殿は、通常、800〜1000℃、好ましく
は、880〜920℃において、好ましくは、大気等の
気流中で、通常、30分〜8時間、好ましくは1〜5時
間処理することによって、仮焼粉体が得られる。
【0012】第4の工程においては、上記仮焼粉体に、
鉛成分、アンチモン成分及びマンガン成分を配合し、こ
れを混合し、次いで焼成する。鉛成分及びマンガン成分
としては、第1態様において説明したものを特に制限な
く使用することができる。また、アンチモン成分として
は、例えば、三酸化アンチモン(Sb2 3 )等を挙げ
ることができる。鉛成分は、上記仮焼粉体の重量に基づ
いて、通常、219〜222重量%、好ましくは220
〜222重量%、特に好ましくは220.4〜221.6重
量%の量で配合する。また、アンチモン成分は、上記仮
焼粉体の重量に基づいて、通常、1.0〜6.0重量%、好
ましくは1.2〜5.1重量%、特に好ましくは1.4〜5.0
重量%の量で配合する。更に、マンガン成分は、上記仮
焼粉体の重量に基づいて、通常、0.1〜3重量%、好ま
しくは0.1〜2重量%の量で配合する。上記仮焼粉体、
鉛成分、アンチモン成分及びマンガン成分の混合は、上
記第1態様で説明したように、例えば、ボールミル等の
混合装置によって行うことができる。
【0013】得られた混合物は、次いで、例えば、50
0〜900℃、好ましくは600〜800℃において、
好ましくは、大気等の酸化性雰囲気中で、通常、2〜2
0時間、好ましくは4〜10時間処理し、次いで、ボー
ルミル等の粉砕装置によって粉砕することにより、Pb
ZrTi(NbSb)O系のペロブスカイト型結晶構造
を有する複合酸化物PbZrO3 ・PbTiO3 ・Pb
(NbSb)O3 及びMnOの混合酸化物からなる圧電
性磁器組成物粉体を得ることができる。なお、上記第1
態様及び第2態様によって得られた圧電性磁器用組成物
は、好ましくは、周知の方法、例えば、ポリビニルアル
コール等の樹脂をバインダーとして使用し、加圧成形等
することによって、バルク体や、シート体等の、例え
ば、圧電磁器を作製するのに好適な形態に予め成形し、
次いで、焼成することによって、圧電性磁器を製造する
ことができる。焼成は、例えば、1000〜1300
℃、好ましくは1100〜1250℃において、通常、
2〜6時間、好ましくは2〜3時間処理することによっ
て行うことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明について、更に詳細に説明す
る。但し、本発明の範囲は、これらの実施例によって限
定されるものではない。実施例1 酸化ジルコニア0.49モル、酸化チタン0.47モル、酸
化ニオブ0.02モル及び酸化アンチモン0.02モルを正
確に秤量してボールミルに投入し(重量比は、58.3:
36.3:2.6:2.8)、2mmφのジルコニアボール30
00g及び純水600gを加えて18時間混合粉砕(平
均粒径0.8μm )した後、脱水し、900℃で2時間仮
焼し、ボールミルにより粉砕(平均粒径0.5μm )し
て、仮焼粉末を得た。この仮焼粉末と、鉛丹0.33モル
(仮焼粉末の重量に対して、221重量%)及び炭酸マ
ンガン0.02モル(仮焼粉末の重量に対して、2.15重
量%)とを秤量してボールミルに投入し、これに2mmφ
のジルコニアボール3,000g及び純水600gを加え
て18時間混合粉砕(平均粒径1.0μm )した後、脱水
し、700℃で5時間仮焼成し、ボールミルより粉砕
(平均粒径0.5μm )して圧電性磁器原料粉末を得た。
【0015】実施例2 五酸化ニオブ0.02モルのアンモニア性アルカリ分散液
(母液A)を調製した。得られたアルカリ分散液におけ
る五酸化ニオブの濃度は、0.02重量%であり、pHは9.
5であった。別に、オキシ硝酸ジルコニウム0.49モル
と、四塩化チタン0.47モルとを混合して、懸濁液(母
液B)を調製した。懸濁液(母液B)におけるオキシ硝
酸ジルコニウムの濃度は、 重量%であり、同様に、
四塩化チタンの濃度は重量%であった。得られた懸濁液
(母液B)を、攪拌下でアルカリ分散液(母液A)に滴
下して共沈物を得た。次に、得られた共沈物を約900
℃で2時間仮焼し、ボールミルより粉砕(平均粒径0.5
μm )して、仮焼粉体を調製した。次いで、この仮焼粉
体に、鉛丹0.33モル、炭酸マンガン0.02モル及び三
酸化アンチモン0.02モルを正確に秤量してボールミル
に投入し(仮焼粉体の重量に基づいて、鉛丹は、227
重量%であり、炭酸マンガンは、2.29重量%であり、
三酸化アンチモンは、2.90重量%であった)、これに
2mmφのジルコニアボール3,000g及び純水600g
を加えて、18時間混合粉砕(平均粒径1.0μm )した
後、脱水し、700℃で5時間焼成し、次いでボールミ
ルにより粉砕(平均粒径0.5μm )することにより、圧
電性磁器原料粉末を得た。
【0016】比較例1 酸化ジルコニウム0.49モル、酸化チタン0.47モル、
酸化ニオブ0.02モル及び酸化アンチモン0.02モル、
鉛丹0.33モル並びに炭酸マンガン0.02モルを正確に
秤量してボールミルに投入(重量(原子)比は、Zr:
Ti:Nb:Sb:Pb:Mn=18.05:11.24:
0.80:0.87:68.35:0.69)し、これに2mmφ
のジルコニアボール3,000g及び純水600gを加え
て、18時間混合粉砕(平均粒径1.0μm )した後、脱
水し、700℃で5時間仮焼し、次いでボールミルによ
り粉砕(平均粒径0.5μm )することにより、圧電性磁
器原料粉末を得た。応用例1 以上のように製造した圧電性磁器用原料粉末を用いて、
圧電磁器を作成し、諸電気諸特性を測定した。圧電磁器
の成形は、得られた圧電性磁器用原料粉末にポリビニル
アルコール樹脂(日本合成化学工業製ゴーセトールGH
−17(商品名))を1重量%添加し、直径10mm、厚
さ1.5mmの円盤状に加圧成型した。次いで、この成形体
を1200℃で3時間焼成し、次いで厚さ0.7mmに研磨
して、両面にAgペーストによる電極を焼きつけ、12
0℃の絶縁油に浸漬しながら、電極間に約4kV/mmの
直流電圧を印加して、分極処理を行った。次いで、素子
加工として、5×5mm、厚さ1mmの板状素子を作成し
て、試料としての電気諸特性を測定した。この試料は、
インピーダンスアナライザーHP4192Aを用いて、
電気機械結合係数(Kp)、機械的品質係数(Qm)、
誘電率(ε33T/ε0 )について夫々測定した。
【0017】
【表1】 表1 Kp(%) Qm ε33 T/ε0 密度ρ 実施例1 63 2030 1110 7.8 実施例2 63 2030 1160 7.8 比較例1 61 1830 1250 7.8
【0018】
【発明の効果】本発明では、Zr、Ti、Nb、Sb成
分を、鉛成分やマンガン成分よりも先に仮焼することに
より、仮焼複合酸化物粉末を先に形成し、これと鉛成分
及びマンガン成分を混合し、仮焼することによって、ペ
ロブスカイト型複合酸化物及びMnOの混合酸化物が生
成する。これによって、本発明により、安定的かつ高い
電気機械結合係数(Kp)及び機械的品質係数(Qm)
を有するPb(ZrTi)(NbSb)O3 を含有する
固溶体が得られる。別に、ニオブ成分を含有するアルカ
リ分散液と、チタン成分及びジルコニウム成分を液相に
て混合してなる懸濁液とを調製する工程と、前記懸濁液
を前記分散液に滴下して共沈物を得る工程と、前記共沈
物を仮焼し、粉砕して仮焼粉体を製造する工程と、該仮
焼粉体に鉛成分、アンチモン成分及びマンガン成分を添
加して焼成することにより、安定的かつ高い電気機械結
合係数(Kp)及び機械的品質係数(Qm)を有するP
b(ZrTi)(NbSb)O3 を含有する固溶体が得
られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペロブスカイト型複合酸化物PbZrO
    3 ・PbTiO3 ・Pb(NbSb)O3 と、MnOと
    の混合酸化物からなる圧電性磁器組成物の製造方法であ
    って、Zr、Ti、Nb及びSb成分を仮焼し、粉砕し
    た後、得られた仮焼粉末を鉛成分及びマンガン成分と混
    合し、次いで焼成することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 ペロブスカイト型複合酸化物PbZrO
    3 ・PbTiO3 ・Pb(NbSb)O3 と、MnOと
    の混合酸化物からなる圧電性磁器組成物の製造方法であ
    って、ニオブ成分を含有するアルカリ分散液と、チタン
    成分及びジルコニウム成分を液相にて混合してなる懸濁
    液とを調製する工程と、前記懸濁液を前記分散液に滴下
    して共沈物を得る工程と、前記共沈物を仮焼し、次いで
    粉砕して仮焼粉体を製造する工程と、該仮焼粉体に鉛成
    分、アンチモン成分及びマンガン成分を添加して焼成す
    る工程を含有することを特徴とする方法。
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Cited By (2)

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KR20010067818A (ko) * 2001-03-31 2001-07-13 이상렬 마이크로 변압기 및 그 소성방법
US6544433B1 (en) * 2000-05-04 2003-04-08 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Piezoelectric ceramic composition, and high power output transformer made of the same composition

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