JPH09301106A - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

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JPH09301106A
JPH09301106A JP8113971A JP11397196A JPH09301106A JP H09301106 A JPH09301106 A JP H09301106A JP 8113971 A JP8113971 A JP 8113971A JP 11397196 A JP11397196 A JP 11397196A JP H09301106 A JPH09301106 A JP H09301106A
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和由 西嶋
Kazuhiro Kaneko
和弘 金子
Michitaka Suzuki
道孝 鈴木
Yoshifumi Kamano
芳文 鎌野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベースプレートにカバー体を容易かつ強固に
取り付ける。 【解決手段】 ベースプレート11に、カバー体12の取付
片部42を挟持する一対の支持片部26,27を形成する。一
方の支持片部27から係止片部31を切り起こし、取付片部
42に形成した係止孔45を通して、他方の支持片部26に形
成した係合孔29に係合する。係止片部31は、エアバッグ
15の突出方向に沿った折り線で支持片部27から折曲す
る。エアバッグ15が突出する時の荷重は、折り線の長手
方向に沿った方向に加わるため、係止片部31が復帰方向
に変形しにくくなり、エアバッグ15を強固に保持でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膨張展開するエア
バッグをカバー体で覆ったエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、自動車のステアリングホ
イールなどに備えられて、乗員を衝突の衝撃から保護す
るエアバッグ装置が用いられている。このエアバッグ装
置は、ステアリングホイール本体に固定されるベースプ
レートと、このベースプレートに取り付けられたインフ
レータ(ガス発生器)と、このインフレータを覆うよう
にして折り畳まれて収納されたエアバッグと、このエア
バッグを覆ってベースプレートに取り付けられたカバー
体となどから構成されている。そして、衝突などの衝撃
を受けた際には、インフレータからエアバッグ内にガス
を急速に流入して膨張展開させ、この膨張の途中でエア
バッグが膨張する圧力によりカバー体を開裂させてエア
バッグを所定方向すなわち乗員の前方に突出させて展開
させることにより、乗員に加わる衝撃を緩和して保護す
るようになっている。また、カバー体には、エアバッグ
を覆う被覆部と、この被覆部から突設された取付片部と
が設けられ、この取付片部が、多数のリベットを用い
て、ベースプレートの周囲に形成した支持片部に固着さ
れている。
【0003】しかしながら、このようにカバー体の固定
に多数のリベットを用いる構成では、部品点数が増加す
るとともに組み立て工程が煩雑になり、製造コストの低
減が困難である問題を有している。
【0004】この点、例えば、特開平7−237517
号公報に記載された構成が知られている。そして、この
構成では、ベースプレートの支持片部をカバー体の取付
片部の端部に沿って折り返し、さらにこの支持片部をか
しめてカバー体の取付片部を挟持することにより、ベー
スプレートにカバー体を固定している。
【0005】しかしながら、このように、支持片部を折
曲するとともにかしめてカバー体の取付片部を挟持固定
する構成では、ベースプレートにカバー体を取り付けた
状態で、ベースプレートの支持片部を折曲してかしめる
工程が必要で、製造装置が複雑になるなどして、製造コ
ストの低減が困難になる問題を有している。
【0006】また、例えば、特開平7−52738号公
報に記載された構成が知られている。そして、この構成
では、カバー体の取付片部には、係着孔が形成されてい
るとともに、ベースプレートの支持片部には、取付片部
を嵌着する断面略U字状の嵌着部が形成されている。さ
らに、この嵌着部からは、カバー体の取り付け方向と直
交する方向すなわちエアバッグの突出方向と直交する方
向に沿った折り線にて係着片が切り起こし形成されてい
る。そこで、カバー体の取付片部をベースプレートの支
持片部の嵌着部に挿入して嵌着し、係着片を係着孔に挿
入して係止することにより、カバー体が抜け止めして固
定されている。
【0007】しかしながら、このように、エアバッグの
突出方向と直交する方向に沿った折り線にて切り起こし
形成された係着片にてカバー体を固定する構成では、エ
アバッグの突出時には、カバー体がエアバッグに押さ
れ、係着片の折り線を復帰変形させる方向に力が加わ
る。このため、エアバッグの突出時に係着片が変形しな
いように保持するためには、係着片を形成した嵌着部を
強固な部材で形成する必要があり、製造コストの低減が
困難になる問題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、カバー
体の固定に多数のリベットを用いる構成では、部品点数
が増加するとともに組み立て工程が煩雑になり、製造コ
ストの低減が困難である問題を有している。また、支持
片部を折曲するとともにかしめてカバー体の取付片部を
挟持固定する構成では、ベースプレートにカバー体を取
り付けた状態で、ベースプレートの支持片部を折曲して
かしめる工程が必要で、製造装置が複雑になるなどし
て、製造コストの低減が困難になる問題を有している。
さらに、エアバッグの突出方向と直交する方向に沿った
折り線にて切り起こし形成された係着片によりカバー体
を固定する構成では、エアバッグの突出時に係着片が変
形しないように保持するために、係着片を形成した嵌着
部を強固な部材で形成する必要があり、製造コストの低
減が困難になる問題を有している。
【0009】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、製造コストを低減しつつカバー体を支持部材に強
固に取り付けできるエアバッグ装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のエアバッ
グ装置は、支持部材と、この支持部材に取り付けられ、
ガスの流入により膨張展開して所定方向に突出するエア
バッグを覆うカバー体とを備え、前記カバー体には、前
記エアバッグを覆う被覆部と、この被覆部から前記所定
方向にほぼ沿って突設された取付片部と、この取付片部
に前記所定方向に交差して形成された係止受部とが設け
られ、前記支持部材には、前記取付片部に沿って設けら
れた支持片部と、この支持片部から前記所定方向にほぼ
沿った折り線にて折曲され前記係止受部に対向して係止
する係止片部とが設けられたものである。
【0011】そして、この構成では、通常時は、カバー
体がエアバッグを覆い、エアバッグの膨張展開時には、
このカバー体が破断などしてエアバッグが所定方向に突
出する。カバー体は、取付片部に形成した係止受部に、
支持片部から折曲して形成した係止片部が対向して係止
し、支持部材に取り付けられており、カバー体を支持部
材に固着する別部材の削減あるいは廃止が可能になる。
さらに、係止片部は、支持片部から、エアバッグの突出
方向にほぼ沿った折り線にて折曲されているため、エア
バッグの突出の際にカバー体を介して力が加わっても、
折り線が曲げられる方向には力が加わらず、カバー体が
保持される。
【0012】請求項2記載のエアバッグ装置は、請求項
1記載のエアバッグ装置において、係止片部には、係止
受部に面状に対向する当接部が設けられたものである。
【0013】そして、この構成では、係止片部に設けた
当接部が係止受部に面状に当接するので、カバー体が安
定して強固に保持される。
【0014】請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項
1または2記載のエアバッグ装置において、支持片部
は、相対向して設けられ、取付片部を挟持するものであ
る。
【0015】そして、この構成では、相対向した支持片
部で取付片部を挟持することにより、カバー体が安定し
て強固に保持される。
【0016】請求項4記載のエアバッグ装置は、請求項
3記載のエアバッグ装置において、相対向する支持片部
の少なくとも一方には、他方から折曲して形成された係
止片部が係合する係合部が設けられたものである。
【0017】そして、この構成では、相対向した支持片
部同士が互いに係合して連結されるため、カバー体が安
定して強固に保持される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエアバッグ装置の
一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】図2において、1は自動車のステアリング
ホイールで、このステアリングホイール1は、ステアリ
ングホイール本体2と、このステアリングホイール本体
2の乗員側すなわち正面側に取り付けられたエアバッグ
装置3となどから構成されている。なお、ステアリング
ホイール1は、適宜調節可能に傾斜したステアリングシ
ャフトに取り付けられ、通常傾斜した状態で用いられる
ものであるが、以下、エアバッグ装置3が取り付けられ
た乗員側を上側とし、車体側を下側として説明する。そ
して、ステアリングホイール本体2は、円環状のリム部
5と、このリム部5の内側に位置するボス部6と、これ
らリム部5とボス部6とを連結した複数のスポーク部7
となどから形成されている。
【0020】そして、図1に示すように、ボス部6の下
部には、ステアリングシャフトSに嵌着するボス8と、
このボス8に別体または一体に固着されたボスプレート
9とが設けられ、このボスプレート9に、図示しないホ
ーンスイッチ機構などを介してエアバッグ装置3が取り
付けられている。さらに、このボス部6の下側部は、下
部カバー10により覆われている。
【0021】また、エアバッグ装置3は、支持部材とし
てのベースプレート11と、このベースプレート11に取り
付けられるカバー体12、エアバッグ15、およびインフレ
ータ16となどから構成されている。
【0022】そして、ベースプレート11は、高剛性の金
属板をプレス形成などして、平面略矩形状をなす基板部
21と、この基板部21の外周部から所定方向としての下方
に屈曲して突設された周板部22とから略箱状に形成され
ている。また、基板部21には、円孔状のインフレータ用
通孔23が形成されているとともに、このインフレータ用
通孔23の周囲に位置して、図示しない複数の通孔が形成
されている。さらに、周板部22の両側あるいは基板部21
の下面には、図示しないブラケット部が設けられ、この
ブラケット部が、ステアリングホイール本体2のボスプ
レート9などに取り付けられている。
【0023】また、図1の断面図および図3の製造工程
図に示すように、周板部22の下端部からは、前後および
両側に位置して、それぞれ1か所あるいは複数か所から
略U字状をなす保持部25が一体に延設して形成されてい
る。すなわち、この保持部25には、周板部22に連続して
垂直状に配置された第1の支持片部26と、この第1の支
持片部26の外側に平行状に位置して所定間隔を介して離
間した第2の支持片部27と、これら支持片部26,27の下
端を連設する水平な連設片部28とが形成されている。さ
らに、第1の支持片部26には、係合部としての略矩形状
の係合孔29が形成されている。一方、第2の支持片部27
は、係合孔29に対向して上端を開放するように切り欠か
れているとともに、この切り欠いた部分には、係止片部
31が一体に切り起こし形成されている。そして、この係
止片部31は、各支持片部26,27および連設片部28に対し
て垂直に形成され、上下方向を長手方向とするほぼ直角
に折曲された折り線Bを介して、第2の支持片部27に連
設している。さらに、この係止片部31の下端部は、ほぼ
直角に折曲され、水平な当接部33が形成されている。ま
た、この状態で、第2の支持片部27に形成した係止片部
31および当接部33の一部は、第1の支持片部26に形成し
た係合孔29に挿入して係合されている。
【0024】一方、カバー体12は、図1および図2に示
すように、合成樹脂により一体的に形成され、ステアリ
ングホイール本体2のボス部6およびスポーク部7の一
部を覆う曲面形状の被覆部41と、この被覆部41の下面か
ら下方に垂直状に突設された角筒状の取付片部42とが形
成されている。そして、これら被覆部41と取付片部42の
内側との間に囲まれた部分が、エアバッグ15の収納空間
になっているとともに、このエアバッグ15の収納空間に
面して、被覆部41の下面に平面略H字状などなし脆弱な
テアライン44が形成されている。
【0025】さらに、カバー体12の取付片部42には、図
1および図3に示すように、ベースプレート11の保持部
25の位置に対応して、係止孔45が形成され、この係止孔
45の下面が、係止受部46になっている。
【0026】また、エアバッグ15は、例えば、2枚の基
布を縫い合わせて偏平な袋状に形成され、中央の底部
に、円孔状のガス流入口15a が形成されている。そし
て、このガス流入口15a から、環状の押え部材であるリ
テーナ48が挿入され、このガス流入口15a の周囲がベー
スプレート11側に押さえつけられるようになっている。
【0027】さらに、インフレータ16は、略円柱状をな
す本体部51を備え、この本体部51の外周部にフランジ部
52が突設されているとともに、このフランジ部52の上側
に位置してガスを噴射するガス噴射口53が複数形成され
ている。
【0028】次に、本実施の形態の組み立て工程を説明
する。
【0029】まず、エアバッグ15の内側に挿入したリテ
ーナ48から突設した図示しないボルトを、ベースプレー
トのインフレータ用通孔23の周囲に形成した通孔に挿入
し、また、リベットなどを用いることにより、インフレ
ータ用通孔23とガス流入口15a とを位置合わせした状態
で、エアバッグ15をベースプレート11の基板部21の上面
に取り付けるとともに、エアバッグ15が基板部21上に収
まるように小さく折り畳む。
【0030】また、図3に示すように、ベースプレート
11は、当接部33を折曲して水平にするとともに、折り線
Bは折曲せずに係止片部31を第2の支持片部27と面一に
した状態でプレス加工されており、エアバッグ15を取り
付けたこのベースプレート11の上側からカバー体12を被
せて押し込み、周板部22の外周部に取付片部42を嵌合す
る。この時、カバー体12の取付片部42の下端部が、ベー
スプレート11の保持部25の連設片部28上に当接するとと
もに、取付片部42の下部が、相対向する支持片部26,27
間に挟持される。そして、この状態で、矢印F方向に押
圧する(かしめ力を加える)と、係止片部31は、各保持
部25の折り線Bを支点としてほぼ直角に折曲され(かし
めされ、すなわち塑性変形され)、各係止片部31はカバ
ー体12の係止孔45に挿入され、係止片部31の下端部すな
わち当接部33が係止孔45の係止受部46に面状に当接す
る。さらに、この状態で、係止片部31および当接部33の
他側部は第1の支持片部26の係合孔29に係合する。
【0031】そして、この状態で、ベースプレート11の
係止片部31および当接部33が、カバー体12の取付片部42
の係止孔45に係止し、カバー体12の上側への移動を阻止
して、カバー体12のベースプレート11への取り付け作業
が完了する。
【0032】続いて、ベースプレート11の下側から、イ
ンフレータ16の本体部51の上側部をインフレータ用通孔
23およびガス流入口15a に押し込み、フランジ部52をリ
テーナ48のボルトに螺合するナットで共締めなどして固
定し、エアバッグ装置3の組み立てが完了する。
【0033】また、自動車に衝突などの衝撃が加わる
と、図示しない制御ユニットがインフレータ16を作動さ
せ、ガス噴射口53からエアバッグ15の内側にガスを急速
に噴射する。すると、エアバッグ15は急速に膨張し、こ
の膨張の圧力でカバー体12をテアライン44から開裂さ
せ、カバー体12の外側の所定方向(図1に示す矢印C方
向)すなわち上方に突出する。さらに、エアバッグ15
は、乗員の前方に膨張展開して、乗員に加わる衝撃を吸
収緩和するようになっている。
【0034】そして、本実施の形態によれば、カバー体
12は、ベースプレート11に一体に形成した保持部25に保
持されるため、別部材の多数のリベットなどを用いる必
要がなく、このリベットを削減または廃止して、製造コ
ストを低減することができる。また、カバー体12をベー
スプレート11に取り付ける作業では、ベースプレート11
の上側からカバー体12を被せて押し込み、周板部22の外
周部に取付片部42を嵌合することにより、取付片部42が
相対向する支持片部26,27間に挟持されるとともに、各
保持部25の折り線Bをほぼ直角に折曲することによりカ
バー体12を抜け止めして保持できるため、作業工程も簡
単で、自動化も容易になり、製造コストを低減すること
ができる。
【0035】また、各保持部25の係止片部31の折り線B
は、第2の支持片部27から、所定方向Aすなわちエアバ
ッグ15の突出方向に沿った折り線にて折曲されているた
め、エアバッグ15の突出の際にカバー体12が押し上げら
れ、このカバー体12を介して上方に向かう力が加わって
も、折り線Bが曲げられる方向には力が加わらず、カバ
ー体12をベースプレート11に強固に連結して保持でき
る。そこで、ベースプレート11を必要以上に剛性の高い
部材などを用いて製造する必要がなく、製造コストを低
減し、あるいは重量を軽減することができる。
【0036】すなわち、例えば、図4(a)に示すよう
に、所定方向Aに押動される部材Dについて、この所定
方向Aと直交する折り線Eで折曲した係止片部Fで係止
すると、部材Dが所定方向Aに押動される際には、折り
線Eが復帰変形する方向に荷重が加わるため、係止片部
Fの剛性を高めて変形を阻止する必要があるが、本実施
の形態では、図4(b)に示すように、折り線Bは所定
方向Aに沿って形成されているため、カバー体12が所定
方向Aに押動される際にも、折り線Bの変形を阻止する
ことができる。
【0037】さらに、本実施の形態では、第1および第
2の支持片部26,27で取付片部42を挟持するとともに、
係止片部31に設けた当接部33がカバー体12の係止受部46
に面状に当接するため、カバー体12を安定して強固に保
持することができる。なお、当接部33は、極力広い面積
でカバー体12に当接することが望ましい。
【0038】また、第1および第2の支持片部26,27を
相対向して設け、第2の支持片部27から切り起こした係
止片部31を第1の支持片部26に形成した係合孔29に係合
することにより、これら支持片部26,27および係止片部
31を互いに強固に連結し、カバー体12を安定して強固に
保持することができる。
【0039】なお、上記の実施の形態では、カバー体12
の係止受部46およびベースプレート11の当接部33を平面
状に形成したが、例えば、図5に示すように、係止受部
46aおよび当接部33a のように、一定の曲率を設けた曲
面などに形成してもよい。そして、この構成では、係止
受部46a および当接部33a の端部に発生する応力を分散
できるとともに、互いの位置を正確に組み合わせること
ができる。
【0040】また、上記の実施の形態では、ベースプレ
ート11の各保持部25にそれぞれ1個の係止片部31を形成
したが、係止片部31を複数形成してもよく、例えば、図
6に示すように、第2の支持片部27の両側部から係止片
部31,31を切り起こし、それぞれカバー体12の係止孔4
5,45に係止することもできる。
【0041】さらに、例えば、図7に示すように、第1
の支持片部26に切欠部26a を形成するとともに、係止片
部31から、この切欠部26a に係止する係着片31a を延設
することもできる。そして、この構成では、第1の支持
片部26と第2の支持片部27とが互いに離間する方向に変
形しないように保持されるため、保持部25の剛性を高め
なくとも、カバー体12を強固に保持することができる。
【0042】また、上記の各実施の形態では、係止片部
31に、係止受部46,46a に面状に当接する当接部33,33
a を形成したが、このような係止受部46,46a を形成し
ないこともできる。また、この場合には、例えば、図8
に示すように、係止片部31を波状に屈曲して、係止受部
46に対する当接面積を大きくすることもできる。
【0043】さらに、上記の各実施の形態では、相対向
する支持片部27,28をベースプレート11に一体に形成し
たが、一方あるいは両方の支持片部をベースプレート11
とは別体に形成し、いわゆるアシストプレートとするこ
ともできる。そして、このように部材を別体に形成する
ことにより、各部材の形状を単純化し、部品取りの効率
の向上あるいは製造工程の簡略化を図り、製造コストの
低減を図ることができる。
【0044】例えば、図9および図10に示すように、
ベースプレート11の周板部22の下端に沿って第1の支持
片部61を形成し、この第1の支持片部61に一対の係合部
としての係合孔62とリベット孔63を形成する。一方、こ
の第1の支持片部61とは別体に、略細長矩形板状の第2
の支持片部(アシストプレート)64を形成し、この第2
の支持片部64に一対の係止片部65を垂直な折り線Bで切
り起こし形成し、これら係止片部65の下端部を折曲して
当接部66を形成するとともに、これら係止片部65の折り
線Bの反対側に係止爪部67を形成し、さらに、第2の支
持片部64の両端近傍に一対のリベット孔68を形成する。
また、カバー体12の取付片部42にも、一対のリベット孔
69を形成する。そして、この構成では、図9に示す状態
から、各リベット孔63,68,69に図示しないリベットを
挿入してかしめるとともに、各係止片部65を折り線Bで
折曲する。すると、図10に示すように、各係止片部65
がカバー体12に形成した係止孔45および係合孔62を挿通
して係合し、当接部66がカバー体12の係止受部46に対向
するとともに、係止爪部67が第1の支持片部61の内側に
係合する。この状態で、各係止片部65を介して第1の支
持片部61と第2の支持片部64とが連結され、これら支持
片部61,64間にカバー体12の取付片部42が保持されるよ
うになっている。このような構造にしたので、リベット
の数を少なくすることができる。
【0045】また、図9および図10に示す構成では、
ベースプレート11に連設された第1の支持片部61に一対
の係合孔62を形成するとともに、別体をなす第2の支持
片部64に一対の係止片部65を形成したが、かかる構成に
限られるものではなく、例えば、図11に示すように、
ベースプレート11に連設された第1の支持片部61に一対
の係止片部65を形成するとともに、別体をなす第2の支
持片部64に一対の係合孔62を形成することもできる。ま
た、図12あるいは図13に示すように、第1の支持片
部61および第2の支持片部64にそれぞれ係合孔62と係止
片部65とを形成し、互いに係合させることもできる。
【0046】さらに、図14あるいは図15に示すよう
に、第1の支持片部61および第2の支持片部64のいずれ
か一方と、カバー体12とに長孔状の係合部としての係合
孔62a および係止孔45a を形成し、第1の支持片部61お
よび第2の支持片部64のいずれか他方に対をなして形成
した係止片部65を、これら係合孔62a および係止孔45a
に挿入して係合固定することもできる。
【0047】また、エアバッグ装置は、自動車のステア
リングホイールのみに適用されるものではなく、例え
ば、助手席前のインストルメントパネルに備える助手席
乗員用のエアバッグ装置や座席に備えるエアバッグ装置
に適用することもでき、さらに、車両以外の移動体など
に適用することもできる。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載のエアバッグ装置によれ
ば、カバー体は、取付片部に形成した係止受部に、支持
片部から折曲して形成した係止片部が対向して係止し、
支持部材に取り付けられており、カバー体を支持部材に
固着する別部材を削減あるいは廃止して、製造コストを
低減できる。また、係止片部は、支持片部から、エアバ
ッグの突出方向にほぼ沿った折り線にて折曲されている
ため、エアバッグの突出の際にカバー体を介して力が加
わっても、折り線が曲げられる方向には力が加わらず、
カバー体を強固に保持できる。そこで、支持部材を剛性
の高い部材などを用いて製造する必要がなく、製造コス
トを低減し、あるいは重量を軽減することができる。
【0049】請求項2記載のエアバッグ装置によれば、
請求項1記載の効果に加え、係止片部に設けた当接部が
係止受部に面状に対向するため、カバー体を安定して強
固に保持することができる。
【0050】請求項3記載のエアバッグ装置によれば、
請求項1または2記載の効果に加え、相対向して設けた
支持片部で取付片部を挟持することにより、カバー体を
安定して強固に保持することができる。
【0051】請求項4記載のエアバッグ装置によれば、
請求項3記載の効果に加え、相対向する支持片部の少な
くとも一方に、他方から折曲して形成された係止片部が
係合する係合部を設けたため、相対向した支持片部同士
が互いに係合して連結され、カバー体を安定して強固に
保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す
図2のA−A断面図である。
【図2】同上エアバッグ装置を備えたステアリングホイ
ールの平面図である。
【図3】同上エアバッグ装置の製造工程を示す一部の斜
視図である。
【図4】同上エアバッグ装置の作用を示す説明図であ
る。
【図5】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の製
造工程を示す一部の斜視図である。
【図6】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の製
造工程を示す一部の斜視図である。
【図7】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の製
造工程を示す一部の斜視図である。
【図8】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の製
造工程を示す一部の斜視図である。
【図9】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の製
造工程を示す一部の斜視図である。
【図10】同上エアバッグ装置を示す説明図である。 (a)は一部の縦断面図 (b)は一部の横断面図
【図11】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の
製造工程を示す説明図である。 (a)は折り線を折曲する前の状態 (b)は折り線を折曲した後の状態
【図12】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の
製造工程を示す説明図である。 (a)は折り線を折曲する前の状態 (b)は折り線を折曲した後の状態
【図13】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の
製造工程を示す説明図である。 (a)は折り線を折曲する前の状態 (b)は折り線を折曲した後の状態
【図14】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の
製造工程を示す説明図である。 (a)は折り線を折曲する前の状態 (b)は折り線を折曲した後の状態
【図15】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態の
製造工程を示す説明図である。 (a)は折り線を折曲する前の状態 (b)は折り線を折曲した後の状態
【符号の説明】
3 エアバッグ装置 11 支持部材としてのベースプレート 12 カバー体 15 エアバッグ 26,27 支持片部 29,62,62a 係合部としての係合孔 31,65 係止片部 33,33a,66 当接部 41 被覆部 42 取付片部 46,46a 係止受部 B 折り線 C 所定方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌野 芳文 静岡県富士市青島町218番地 日本プラス ト株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材と、この支持部材に取り付けら
    れ、ガスの流入により膨張展開して所定方向に突出する
    エアバッグを覆うカバー体とを備え、 前記カバー体には、前記エアバッグを覆う被覆部と、こ
    の被覆部から前記所定方向にほぼ沿って突設された取付
    片部と、この取付片部に前記所定方向に交差して形成さ
    れた係止受部とが設けられ、 前記支持部材には、前記取付片部に沿って設けられた支
    持片部と、この支持片部から前記所定方向にほぼ沿った
    折り線にて折曲され前記係止受部に対向して係止する係
    止片部とが設けられたことを特徴とするエアバッグ装
    置。
  2. 【請求項2】 係止片部には、係止受部に面状に対向す
    る当接部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の
    エアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 支持片部は、相対向して設けられ、取付
    片部を挟持することを特徴とする請求項1または2記載
    のエアバッグ装置。
  4. 【請求項4】 相対向する支持片部の少なくとも一方に
    は、他方から折曲して形成された係止片部が係合する係
    合部が設けられたことを特徴とする請求項3記載のエア
    バッグ装置。
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