JPH09301001A - 四輪駆動車 - Google Patents

四輪駆動車

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JPH09301001A
JPH09301001A JP14117096A JP14117096A JPH09301001A JP H09301001 A JPH09301001 A JP H09301001A JP 14117096 A JP14117096 A JP 14117096A JP 14117096 A JP14117096 A JP 14117096A JP H09301001 A JPH09301001 A JP H09301001A
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JP
Japan
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oil passage
liquid
vehicle
switching valve
motor
Prior art date
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Pending
Application number
JP14117096A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Watanabe
純 渡辺
Yorito Nakao
頼人 中尾
Hiroo Kitada
裕生 北田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 積雪後の駐車場や砂地において車両がスタッ
ク状態に陥った場合も、油温上昇と、作動油やゴム材等
の劣下促進を防止できる四輪駆動車を提供する。 【解決手段】 主原動機10により変速機12を介して
駆動車軸14と、液体圧ポンプ16と、従動軸28に連
動して回転する液体圧モータ20と、上記液体圧ポンプ
の吐出口と液体圧モータの吸入口とを連通接続する高圧
油路18Hと、該液体圧モータの吐出口と該液体圧ポン
プの吸入口とを連通接続する低圧油路18Lと、前記液
体圧モータに供給される液体の方向を車両の進行方向に
応じて切り換える前後進切換弁と、高圧油路と低圧油路
とを連通接続する連通油路と、この連通油路に介装され
該連通油路を開閉する駆動切換弁25を備え、前記油路
中に液体温度検出手段を配設し、液体温度が所定値を越
えると閉弁動作を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主原動機の回転
駆動力を前輪及び後輪に伝達するようにした四輪駆動車
に係り、特に、駆動力の伝達を液体圧伝動機構で行うよ
うにした四輪駆動車に関する。
【0002】
【従来技術】周知のように、悪路や不整地等で走行性能
が向上する四輪駆動車は、主原動機から複数の車軸へ駆
動トルクを配分するためにプロペラシャフト及び差動装
置を備えている。
【0003】また、近年の四輪駆動車では、路面状況の
変化に応じて駆動力を配分するために、駆動軸間にビス
カスカップリングやクラッチを採用して駆動力の配分比
率を可変にしたものも普及している。
【0004】しかし、このような機械式により駆動力配
分を可変制御する四輪駆動車は、複雑な装置構造となり
易く、また、車体フロア下を通過するプロペラシャフト
や車軸間の差動制限装置等が必要となるので重量が増大
し、車体の小型化や軽量化を阻害する虞れがある。
【0005】このような点を解決する手段として、本出
願人は、先に、特願平6−262639号に示す技術を
提案している。
【0006】この先願技術は、主原動機に駆動される駆
動車軸と、この駆動車軸に連動して回転する液体圧ポン
プと、従動車軸に連動すると共に容量変更手段として斜
板を備えた斜板式の可変容量モータと、前記液体圧ポン
プの吐出口と前記可変容量モータの吸入口とを連通接続
する高圧油路と、前記液体圧ポンプの吸入口と前記可変
容量モータの吐出口とを連通接続する低圧油路と、前記
可変容量モータの容量が減少する方向へ前記斜板を駆動
する付勢手段と、を備えた四輪駆動車に関するものであ
る。
【0007】このように構成された先願技術に係る四輪
駆動車は、駆動軸の回転数が従動車軸の回転数より増大
して四輪駆動走行を必要とする場合には、液体圧ポンプ
の吐出流量が可変容量モータの吐出流量を上回り、従っ
て、高圧油路内に高圧の作動油が供給されるので、高圧
の作動油に応じたトルクがモータ回転軸に発生し、従動
車軸に駆動トルクが配分されて四輪駆動走行状態とな
る。
【0008】また、上記先願技術に係る四輪駆動車で
は、上り坂で変速機を前進又はニュートラルに設定した
ときに、坂道で重力に従って微速度で降坂するような場
合は、前後進切換弁が前進位置となっているため、液体
圧ポンプの吐出方向と液体圧モータの吐出方向とが対向
することになり、回路の内圧が高圧になって運転者の意
図しない制動状態が発生する、という問題を有してい
た。
【0009】この問題を解決するため、本出願人は、先
に、特願平7−28235号に示す四輪駆動車を提案し
ている。
【0010】この改善された先願技術は、高圧油路と低
圧油路との間を連通する油路を設けると共に、この連通
油路を開閉する駆動切換弁を設け、変速機の前進・ニュ
ートラル・後進を検出する手段と車両の駆動状態を検出
する手段の検出結果に応じて上記駆動切換弁を制御する
ことで、変速機が前進又は後進位置で、駆動状態の場合
には、駆動切換弁を閉弁する一方、その他の場合では駆
動切換弁を連通させて運転者の意図しない制動状態を回
避し、運転者の意図に応じた運転性を確保している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人が
先に提案した四輪駆動車にあっては、積雪後の駐車場や
砂地において車両が脱出できずスタック状態に陥った場
合において、車両が殆ど停止状態で連続的に後輪にトル
ク伝達を行っている状態では、前輪の空転によるポンプ
吐出流量のほとんどは、後輪が停止状態であるとリリー
フ弁やポンプ及びモータ内のリークで消費されて発熱量
が増大するため、油温が上昇し、装置内の作動油やゴム
材等の劣下を早めてしまう、という問題を有していた。
【0012】この発明は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、例えば、積雪
後の駐車場や砂地において車両が脱出できずスタック状
態に陥った場合であっても、油温が所定値以上に上昇す
ることを防止し、作動油やゴム材等の劣下促進を防止す
ることができる四輪駆動車を提供しようとするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明にあっては、主原動機により変速機を介し
て駆動される第一車軸と、該第一車軸に連動して回転す
る液体圧ポンプと、従動軸に連動して回転する液体圧モ
ータと、上記液体圧ポンプの吐出口と液体圧モータの吸
入口とを連通接続する高圧油路と、該液体圧モータの吐
出口と該液体圧ポンプの吸入口とを連通接続する低圧油
路と、前記液体圧モータに供給される液体の方向を車両
の進行方向に応じて切り換える前後進切換弁と、前記液
体圧ポンプと液体圧モータとの間で前記高圧油路と低圧
油路とを連通接続する連通油路と、この連通油路に介装
され該連通油路を開閉する駆動切換弁と、を備えてなる
四輪駆動車を技術的前提とし、前記油路中に液体温度検
出手段を配設し、該液体温度検出手段は、検出された液
体温度が所定値を越えると閉弁禁止手段を作動させて、
上記駆動切換弁の閉弁動作を禁止するように構成したこ
とを特徴とするものである。
【0014】また、この発明にあっては、上記目的を達
成する他の手段として、主原動機により変速機を介して
駆動される第一車軸と、第一車軸に連動して回転する液
体圧ポンプと、従動軸に連動して回転する液体圧モータ
と、該液体圧ポンプの吐出口と液体圧モータの吸入口と
を連通接続する高圧油路と、該液体圧モータの吐出口と
液体圧ポンプの吸入口とを連通接続する低圧油路と、前
記液体圧モータに供給される液体の方向を車両の進行方
向に応じて切り換える前後進切換弁と、前記液体圧ポン
プと液体圧モータとの間で前記高圧油路と低圧油路とを
連通接続する連通油路と、この連通油路に介装され該連
通油路を開閉する駆動切換弁と、前記主原動機によって
第一車軸が駆動されていることを検出する駆動状態検出
手段と、この駆動状態検出手段により第一車軸に主原動
機の駆動力が入力されていないと判断されたときに上記
駆動切換弁を連通位置へ切り換える制御手段と、を備え
てなる四輪駆動車を技術的前提とし、前記油路中に液体
温度検出手段を配設し、該液体温度検出手段は、検出さ
れた液体温度が所定値を越えると閉弁禁止手段を作動さ
せて、上記駆動切換弁の閉弁動作を禁止するように構成
したことを特徴とするものである。
【0015】この発明において、前記液体温度検出手段
と閉弁禁止手段は、油温が所定値以下ではオンであり、
かつ、所定値を越えるとオフとなる油温スイッチで構成
するのが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態例】以下、添付図面に示す実施の形
態例に基づき、この発明を詳細に説明する。
【0017】図1は、この発明を、前輪駆動車をベース
とした四輪駆動車に適用した場合の概略構成図を示して
いる。
【0018】同図中、符号10は原動機としてのエンジ
ンであり、このエンジン10の回転駆動力が変速機12
を介して前輪側差動装置13に入力されると共に、この
差動装置13の出力側に駆動車軸としての前車軸14を
介して前輪15が連結されている。
【0019】前輪側差動装置13は、ディファレンシャ
ルギアケース13aに形成されたリングギア13bが変
速機12の出力側に連結されたギア12aと噛合して回
転駆動し、このディファレンシャルギアケース13a内
に形成された一対のピニオンシャフト13cにピニオン
13dが取付けられ、これらピニオン13dに一対のサ
イドギア13eが噛合し、これらサイドギア13eに第
一の駆動軸としての前車軸14が連結されている。
【0020】また、ディファレンシャルギアケース13
aに形成されたリングギア13bが、これと噛合するギ
ア13fを介して液体圧ポンプとしての吸入絞り型ピス
トンポンプ16の回転軸16aに連結されている。
【0021】この吸入絞り型ピストンポンプ16は、そ
の吸入口16bがリザーバタンク17内に配設されたス
トレーナ17aに連結されていると共に、流路としての
低圧配管18Lを通じて2位置4ポートの前後進切換弁
用の電磁方向切換弁19のタンクポートTに接続され、
吐出口16cが流路としての高圧配管18Hを通じて上
記電磁方向切換弁19のポンプポートPに接続されてい
る。
【0022】尚、上記吸入絞り型ピストンポンプ16
は、回転軸16aの回転方向によって吸入口と吐出口と
が入れ替わることはなく、その吐出流量は、図2に示す
特性曲線L1で示すように、車速が「0」から所定値V
aに達するまでの間では、車速の増加に比例して増加
し、所定値Va以上では最大吐出流量QMAX で飽和する
ように設定されている。
【0023】前後進切換弁用の上記電磁方向切換弁19
は、ソレノイド19aが非通電状態であるノーマル位置
でポンプポートPを出力ポートAに連通接続すると共
に、タンクポートTを出力ポートBに連通接続し、ソレ
ノイド19aが通電状態であるオフセット位置では、ポ
ンプポートPを出力ポートBに連通接続すると共に、タ
ンクポートTを出力ポートAに連通接続されている。
【0024】上記出力ポートA,Bは、液体圧モータと
しての斜板式可変容量モータ(以下、可変容量モータと
略称する。)20の流入・流出ポート20a,20bに
接続されており、ノーマル位置では、高圧配管18Hの
高圧油を可変容量モータ20の流入ポート20aに供給
し、また、低圧配管18Lを流出ポート20bに連通さ
せて、可変容量モータ20の回転軸20cを前進走行時
の回転方向、例えば、左側面から見て時計方向に回転駆
動し、逆に、オフセット位置では、高圧配管18Hの高
圧油を可変容量モータ20の流出ポート20bに供給
し、低圧配管18Lを流入ポート18aに連通させて、
可変容量モータ20の回転軸20cを前進走行時の回転
方向、例えば、左側面から見て反時計方向に回転駆動す
る。
【0025】尚、上記電磁方向切換弁19は、上記可変
容量モータ20に内蔵され、出力ポートA及びBが配管
を介することなく可変容量モータ20の流入・流出ポー
ト20a,20bに連結されている。
【0026】また、上記電磁方向切換弁19のソレノイ
ド19aへの通電は、ソレノイド19aが、シフトレバ
ー(図示せず)で後進を選択したときにオン状態となる
シフト位置検出スイッチ19bを介して直流電源19c
に接続されることにより、前進走行時には非通電状態に
制御され、また、後進走行状態では通電状態に夫々制御
される。
【0027】さらに、上記吸入絞り型ピストンポンプ1
6の吸入口16b及び吐出口16c間には、トルク制限
手段としての吸入絞り型ピストンポンプ16の吐出圧上
限を定めるリリーフ弁21が介装されている。
【0028】また、吸入絞り型ピストンポンプ16と電
磁方向切換弁19との間における高圧配管18Hと低圧
配管18L間を連通接続する連通配管22Aには、低圧
配管18L側から高圧配管18H側への液体の流れを許
容する逆止弁23が介装されていると共に、連通配管2
2Aと並列に配設された連通配管22Bには、上記逆止
弁23と並列に固定オリフィス24が接続されている。
【0029】さらに、連通配管22Cには駆動切換弁2
5が配設され、この駆動切換弁25はノーマルオープン
の電磁式切換弁等で構成されており、該駆動切換弁25
は、ソレノイド25aの励磁状態で閉弁して連通油路を
閉鎖する一方、非励磁状態では開弁して連通し、この駆
動切換弁25は後述する制御手段により開閉制御され
る。
【0030】即ち、上記駆動切換弁25の制御手段は、
先ず、変速機2のニュートラル位置を検出するニュート
ラルスイッチ25cと、アクセルペダル(図示せず)の
踏み込み状態に基づいて運転者の駆動意図を検出するス
ロットルスイッチ25dと、これらと直列に繋がれた液
体温度検出手段としての油温スイッチ25eと、を主体
として構成され、該駆動切換弁25のソレノイド25a
は、電源25bとの連結状態をこれらのニュートラルス
イッチ25c,スロットルスイッチ25d,油温スイッ
チ25eにより選択されて駆動される。
【0031】そして、上記スロットルスイッチ25d
は、上記アクセルペダルが踏み込まれるとオンし、アク
セルペダルを離すとオフとなるように構成されており、
このスロットルスイッチ25dには、ニュートラルスイ
ッチ25cが直列に配設され、変速機2のギアポジショ
ンがニュートラルにある場合にはオフとなり、その他の
場合、即ち、前進又は後進位置にある場合にはオンとな
る。
【0032】尚、変速機2がマニュアル式の場合には、
スロットルスイッチ25dに代えて、クラッチペダルが
踏み込まれたことを検出するクラッチスイッチ(図示せ
ず)で構成してもよい。
【0033】一方、上記油温スイッチ25eは、配管内
の作動油温度が所定値を越えた場合にオフとなり、越え
ないときにはオンとなる。この油温スイッチ25eは、
上記駆動状態検出用スイッチと直列に配設されているた
め、油温が所定値を越えた場合には、前記駆動状態に係
らず駆動切換弁25のソレノイド25aが通電されるこ
とはなく、駆動切換弁25は連通状態を維持する。これ
らのスイッチの作動に応じた駆動切換弁25の開閉駆動
を図3に示す。
【0034】一方、可変容量モータ20の回転軸20c
には、ギア20dが取付けられ、このギア20dに、後
輪側差動装置27のディファレンシャルギアケース27
aに形成されたリングギア27bが噛合されている。
【0035】この後輪側差動装置27は、前記前輪側差
動装置3と略同様の構成を有し、ディファレンシャルギ
アケース27a内に形成された一対のピニオンシャフト
27cにピニオン27dが取付けられ、これらピニオン
27dに一対のサイドギア27eが噛合し、これらサイ
ドギア27eに後車軸28に後輪29が連結されてい
る。
【0036】次に、この形態例に係る四輪駆動車の動作
を説明する。
【0037】今、車両が乾燥路面等の高摩擦係数路で停
車して、上記エンジン10がアイドリング状態にある制
動状態で前進走行を開始する場合には、シフトレバーを
前進走行側に切り換えることにより発進可能状態とす
る。
【0038】このとき、後進走行側のシフト位置検出ス
イッチ19bはオフ状態を維持するため、上記電磁方向
切換弁19のソレノイド19aは非通電状態を維持し
て、切換位置が図1に示すノーマル位置を継続し、ま
た、ニュートラルスイッチ25cはオンとなる。
【0039】この状態で、ブレーキペダルを解放してア
クセルペダルを踏み込むと、スロットルスイッチ25d
はオンとなり、また、エンジン10の回転力が変速機1
2を介して前輪側差動装置13に伝達され、この前輪側
差動装置13で前輪15を前進方向に回転駆動すること
により前進走行を開始する。
【0040】このときには、吸入絞り型ピストンポンプ
16の回転軸16aが回転駆動することにより、この吸
入絞り型ピストンポンプ16から回転速度に応じた吐出
流量の作動油が吐出される。この吐出された作動油は、
高圧配管18Hと電磁方向切換弁19を介して可変容量
モータ20の流入ポート20aに吸入され、流出ポート
20bから吐出される。
【0041】ここで、車両が低速領域(0〜V1の車
速)で走行する場合には、吸入絞り型ピストンポンプ1
6と可変容量モータ20の吐出流量は、図2に示したよ
うに、可変容量モータ20の吐出流量が吸入絞り型ピス
トンポンプ16と比較して大きくなるように設定されて
いるので、通常走行により後輪29と前輪15とが同一
回転速度で回転駆動する状態では、後輪側にはトルクが
殆ど伝達されない。
【0042】次に、凍結路や降雪路等の低摩擦係数路で
発進する場合には、先ず、前輪15が回転駆動される
が、低摩擦係数路であるため、前輪15がスリップし
て、前輪15と後輪29との間に前輪15が高回転速度
となる回転速度差が生じる。
【0043】これにより上記吸入絞り型ピストンポンプ
16からの吐出流量が可変容量モータ20の吐出流量を
上回ることになるため、油温が所定値を越えていない場
合であれば、ニュートラルスイッチ25c,スロットル
スイッチ25d及び油温スイッチ25eともオンにな
り、駆動切換弁25は閉弁されているので、可変容量モ
ータ20の抵抗が負荷となり高圧油路18Hの作動油圧
が上昇する。
【0044】この状態では、可変容量モータ20は、高
圧油路18Hの供給圧力に応じた駆動トルクを発生し、
この駆動トルクを後輪差動装置27を介して後輪29に
伝達するので、車両は四輪駆動状態で前進走行する。
【0045】しかし、積雪後の駐車場や砂地において車
両が脱出できずスタック状態に陥った場合、車両が殆ど
停止状態で、後輪に連続的にトルク伝達を行っている状
態では、前輪の空転によるポンプ吐出流量の殆どは後輪
29が停止状態であるとリリーフ弁21やポンプ16及
びモータ20内のリークで消費されることになるので発
熱量が増大し、油温が上昇する。
【0046】そして、油温が所定値に達した場合は、油
温スイッチ25eがオフとなるため駆動切換弁25は開
弁し、高圧油路18Hと低圧油路18Lが連通状態とな
り、ポンプ16の吐出流量は連通油路22Cを介し循環
するため、高圧油路18Hに油圧は発生せず後輪へのト
ルク伝達がなくなり、それ以上の油温の上昇は防止され
る。
【0047】その後、油温が低下すれば再び油温スイッ
チ25eはオンとなり、駆動切換弁25が閉弁可能にな
るので、後輪へのトルク伝達が可能となる。
【0048】次に、車両を後進させる場合には、シフト
レバーを後進位置に切り換えることにより、シフト位置
検出スイッチ19bがオン状態となるため、電磁方向切
換弁19のソレノイド19aが通電状態となり、切換位
置がノーマル位置からオフセット位置に切り換わる。
【0049】これにより高圧油路18Hの作動油は可変
容量モータ20の流出ポート20bに供給され、流入ポ
ート20aから吐出される作動油を低圧油路18Lに戻
すことにより、可変容量モータ20の回転軸20cを前
進走行時とは逆転させて、後輪29を逆転させる。
【0050】このため、後進時においてもニュートラル
スイッチ25c,スロットルスイッチ25d,油温スイ
ッチ25eの検出状態に応じて前進時と全く同様の作用
が実行される。
【0051】また、坂道で重力に従って微速度で降坂す
るような場合は、スロットルスイッチ25d,ニュート
ラルスイッチ25c,クラッチスイッチ(マニュアル
車)の検出状態に応じて駆動切換弁25は開閉され、運
転者の意図に応じた運転性を確保することもできる。
【0052】即ち、傾斜路面を前進して登坂した後に、
変速機2を前進位置に設定したままアクセルペダル(図
示せず)を離し、マニュアル車においては、クラッチペ
ダル(図示せず)を踏み込むと共に、ブレーキを解放し
て、重力に従って傾斜路面を後進する場合、変速機2は
前進位置を保持するため、後進検出スイッチ19bはオ
フとなって、電磁方向切換弁19は通電されず、ノーマ
ル位置を保持する。
【0053】一方、この場合、ニュートラルスイッチ2
5cはオンとなっているが、スロットルスイッチ25d
はオフとなるため、駆動切換弁25は開弁状態となり、
高圧油路18Hと低圧油路18Lは連通油路22Cを介
して連通される。
【0054】車両の後進に応じて液体圧ポンプ16は、
前記したように回転方向に関係なく作動油を高圧油路1
8H側へ吐出し、モータ20は逆転駆動されることによ
りやはり高圧油路18H側へ作動油を吐出するが、駆動
切換弁25が開弁されているため、連通油路22Cを介
して作動油は排出され、高圧油路18Hに油圧は発生し
ない。従って、運転者の意図しない制動が加わることが
なく、後進が可能になる。
【0055】本形態例では、油温検出手段及び駆動切換
弁閉弁禁止手段として油温スイッチ25eを用いること
で、装置の簡便化を図っているが、この発明にあっては
これに限定されるものではなく、検出手段として熱電対
やサーミスタ等のセンサーを用い、閉弁禁止手段として
前記センサからの信号を基に駆動切換弁25への通電状
態を制御するコントローラを用いて構成してもよい。
【0056】また、上記形態例では、後輪側差動装置2
7を設けた場合を例にとり説明したが、この発明にあっ
てはこれに限定されるものではなく、該後輪側差動装置
27を省略し、これに代えて、左右後輪29の左右車軸
に個別に可変容量モータを設けて構成してもよい。
【0057】さらに、上記形態例では、前輪駆動車をベ
ースとした四輪駆動車を例にとり説明したが、この発明
にあっては、後輪駆動車をベースとした四輪駆動車に適
用しても同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、車
両がスタックし連続高負荷状態で使用された場合、油温
検出手段により油温が所定値に達したところで駆動切換
弁を連通することでポンプ吐出流量を循環させるように
構成されているため、高圧側配管における昇圧をなくす
ることができ、それ以上の油温上昇を防止することがで
きると共に、作動油やゴム材等の劣化の促進を有効に防
止することができる。
【0059】また、請求項2に記載された発明によれ
ば、請求項1に記載の発明の効果に加え、変速機の前進
やニュートラルまたは後進を検出する手段と車両の駆動
状態を検出する手段の検出結果に応じて駆動切換弁を制
御することで、変速機が前進又は後進位置で駆動状態の
場合には駆動切換弁を閉弁する一方、その他の場合では
駆動切換弁を連通させるように構成されているので、運
転者の意図しない制動状態を確実に回避することがで
き、運転者の意図に応じた運転性を確保することができ
る。
【0060】さらに、請求項3に記載された発明によれ
ば、液体温度検出手段および閉弁禁止手段が油温スイッ
チで構成されているので、装置の構成を簡略化して低コ
スト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態に係る四輪駆動車の概
略的な構成説明図である。
【図2】同四輪駆動車の液体圧ポンプ及び液体圧モータ
の吐出流量特性を示す特性線図である。
【図3】同四輪駆動車に適用したスロットルスイッチと
ニュートラルスイッチと油温スイッチの出力に基づく駆
動切換弁の位置を示すマップ図である。
【符号の説明】
10 エンジン(主原動機) 14 前車軸(駆動車軸) 16 液体圧ポンプ 28 後車軸(従動車軸) 20 可変容量モータ 18H 高圧油路 18L 低圧油路 20c モータ回転軸 25 駆動切換弁 25a 駆動切換弁ソレノイド 25b 直流電源 25c ニュートラルスイッチ 25d スロットルスイッチ 25e 油温スイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主原動機により変速機を介して駆動され
    る第一車軸と、該第一車軸に連動して回転する液体圧ポ
    ンプと、従動軸に連動して回転する液体圧モータと、上
    記液体圧ポンプの吐出口と液体圧モータの吸入口とを連
    通接続する高圧油路と、該液体圧モータの吐出口と該液
    体圧ポンプの吸入口とを連通接続する低圧油路と、前記
    液体圧モータに供給される液体の方向を車両の進行方向
    に応じて切り換える前後進切換弁と、前記液体圧ポンプ
    と液体圧モータとの間で前記高圧油路と低圧油路とを連
    通接続する連通油路と、この連通油路に介装され該連通
    油路を開閉する駆動切換弁と、を備えてなる四輪駆動車
    において、前記油路中に液体温度検出手段を配設し、該
    液体温度検出手段は、検出された液体温度が所定値を越
    えると閉弁禁止手段を作動させて、上記駆動切換弁の閉
    弁動作を禁止することを特徴とする四輪駆動車。
  2. 【請求項2】 主原動機により変速機を介して駆動され
    る第一車軸と、第一車軸に連動して回転する液体圧ポン
    プと、従動軸に連動して回転する液体圧モータと、該液
    体圧ポンプの吐出口と液体圧モータの吸入口とを連通接
    続する高圧油路と、該液体圧モータの吐出口と液体圧ポ
    ンプの吸入口とを連通接続する低圧油路と、前記液体圧
    モータに供給される液体の方向を車両の進行方向に応じ
    て切り換える前後進切換弁と、前記液体圧ポンプと液体
    圧モータとの間で前記高圧油路と低圧油路とを連通接続
    する連通油路と、この連通油路に介装され該連通油路を
    開閉する駆動切換弁と、前記主原動機によって第一車軸
    が駆動されていることを検出する駆動状態検出手段と、
    この駆動状態検出手段により第一車軸に主原動機の駆動
    力が入力されていないと判断されたときに上記駆動切換
    弁を連通位置へ切り換える制御手段と、を備えてなる四
    輪駆動車において、前記油路中に液体温度検出手段を配
    設し、該液体温度検出手段は、検出された液体温度が所
    定値を越えると閉弁禁止手段を作動させて、上記駆動切
    換弁の閉弁動作を禁止することを特徴とする四輪駆動
    車。
  3. 【請求項3】 前記液体温度検出手段と閉弁禁止手段
    は、油温が所定値以下ではオンであり、かつ、所定値を
    越えるとオフとなる油温スイッチで構成されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載
    された四輪駆動車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007517716A (ja) * 2003-12-23 2007-07-05 オーリンレーシング エー・ビー 車載装置

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