JPH0929937A - オフセット印刷機 - Google Patents

オフセット印刷機

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Publication number
JPH0929937A
JPH0929937A JP17884895A JP17884895A JPH0929937A JP H0929937 A JPH0929937 A JP H0929937A JP 17884895 A JP17884895 A JP 17884895A JP 17884895 A JP17884895 A JP 17884895A JP H0929937 A JPH0929937 A JP H0929937A
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JP
Japan
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ink
roller
temperature
cooling
inking unit
Prior art date
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JP17884895A
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Kazuhiko Mine
一彦 嶺
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水なしオフセット印刷機でも長期間使用の場合
や高速度運転の場合にブランケット胴や版胴の頻繁な清
掃の為の頻繁な運転停止が不要でありブランケット胴や
版胴に余分なインキが溜まることを防止出来、余分なイ
ンキにより印刷媒体に汚れが生じることを防止出来るオ
フセット印刷機を提供することである。 【解決手段】インキ供給装置11A,11Bによりイン
キ壺16A,16Bに供給されたインキがインキ壺から
版胴14A,14Bまでインキングユニット18A,1
8Bにより供給されるオフセット印刷機であり:インキ
壷及びインキ供給装置の少なくともいずれか1つの内部
のインキ温度を測定する温度測定装置17A,17B
と;上記測定されたインキの温度に基づきインキ壷及び
インキ供給装置の少なくともいずれか1つの内部のイン
キ温度を制御するインキ温度制御装置19A,19B,
21A,21B,23A,23Bと;を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、平版オフセット
印刷を行うオフセット印刷機に関係しており、特にイン
キ供給手段によりインキ壺に供給されたインキがインキ
壺から版胴までインキングユニットにより供給されるオ
フセット印刷機に関係している。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷機で使用するインキは粘
弾性物質であり、このインキは撹拌すると粘度が低下し
て流動性が良くなり、静止させておくと粘度が増大して
流動性が悪くなるという性質を有している。
【0003】インキの流動性の変化はオフセット印刷機
で印刷される印刷物の品質に大きな影響を与える。即
ち、インキの流動性が低ければオフセット印刷機で印刷
される印刷物の画線部の濃度が薄くなる。
【0004】この為にオフセット印刷機ではインキ壺か
ら版胴までインキを供給するインキングユニット中にお
いてインキを練りながらインキを運搬している。そして
インキはインキングユニットにより練られることによっ
て温度も上昇される。
【0005】上記インキの温度変化は撹拌によるインキ
の流動性にも影響を及ぼし、インキの温度が上昇すると
撹拌によるインキの流動性が増大する傾向が大きくな
る。このようなインキの流動性の変化はオフセット印刷
機で印刷される印刷物の品質に大きな影響を与え、上記
流動性が微妙に変化しただけでオフセット印刷機のブラ
ンケット胴から印刷媒体に転移されるインキの量が変化
して印刷濃度にバラツキが生じ、オフセット印刷機で印
刷される印刷物の品質を一定に保つことが出来ない。
【0006】インキを練るとインキの温度が上昇しイン
キの流動性も高まる。しかしながら、所定時間内にブラ
ンケット胴から印刷媒体へと転移されるインキの量(即
ち、印刷速度)には上限があるので、インキの流動性が
高まりすぎるとインキ壺からインキングユニットにより
版胴まで供給されるインキの量がブランケット胴から印
刷媒体へと転移されるインキの量よりも多くなり、版胴
やブランケット胴の外周面の画線部やインキングユニッ
ト中のその他のローラの外周面にインキが溜まる。版胴
やブランケット胴においては外周面の画線部に溜まった
インキの量が上記画線部が保持可能なインキの量を越え
ると、余分なインキは上記外周面の画線部から非画線部
に流出し非画線部に付着してしまう。版胴やブランケッ
ト胴の外周面において非画線部に付着したインキは印刷
媒体に転移して、印刷媒体に汚れを生じさせる。
【0007】湿し水を使用するオフセット印刷の場合に
は湿し水の蒸発による冷却効果のお陰で版胴やブランケ
ット胴上のインキの温度が比較的安定していて、上述し
た如く印刷媒体に汚れが生じる現象はある程度抑制され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】最近では、インキング
ユニットから版胴へのインキ供給時に湿し水を使用せ
ず、版の非画線部に被覆したシリコン等の被膜によりイ
ンキを弾き、画線部のみにインキを付着させる、いわゆ
る水なしオフセット印刷機が使用されるようになって来
た。
【0009】この水なしオフセット印刷機では湿し水を
使用しないので、湿し水による冷却効果を享受すること
が出来ず、長時間の印刷や高速度運転の際には版胴やブ
ランケット胴の温度が上昇する。その結果、インキの温
度が上昇してインキの粘度が低下することによりインキ
の流動性が向上し、上述した如く印刷媒体に汚れが生じ
る現象が往々にして発生した。これはインキの流動性が
極めて高くなったことにより版の非画線部に被覆したシ
リコン等の被膜ではインキを弾くことが出来なくなった
ことが主たる原因である。
【0010】空冷または水冷の冷却装置を使用して版胴
の温度の上昇を抑制することにより版の非画線部に被覆
したシリコン等の被膜がインキを弾くことが出来なくな
る程にインキの流動性が高まることを防止することが行
なわれたが、そのような冷却装置を使用しただけでは、
上述した如く印刷媒体に汚れが生じる現象は防止できな
かった。
【0011】これは、インキの流動性の変化は温度上昇
時には早く温度低下時には遅く一旦増大したインキの流
動性が増大前の流動性の程度に戻るまでには最低2〜3
日を必要とするので、インキ壷にインキを供給するイン
キ供給手段やインキ壷やインキ壷から版胴までの間のイ
ンキングユニット中で一旦インキの温度が所定の値より
も上昇してインキの流動性が所定の値よりも上昇してし
まうと、版胴の温度の上昇を上述した如くして抑制して
インキの温度が所定の値よりも下降したとしても版胴に
おいてインキの流動性は所定の値よりも下降しないから
である。
【0012】従って水なしオフセット印刷機を長時間に
渡り使用する場合や高速度運転する場合には、ブランケ
ット胴や版胴の清掃を頻繁に行い、その度に水なしオフ
セット印刷機の運転を停止しなければならないので印刷
効率が低下するという問題が生じていた。
【0013】そして湿し水を使用する従来のオフセット
印刷の場合でも、インキ壷にインキを供給するインキ供
給手段やインキ壷やインキ壷から版胴までの間のインキ
ングユニット中で一旦インキの温度が所定の値よりも上
昇してインキの流動性が所定の値よりも上昇してしまう
と、湿し水による冷却効果だけではインキの流動性を所
定の値よりも下降させることが出来ず、上述した如く印
刷媒体に汚れが生じることになる。この場合にもブラン
ケット胴や版胴の清掃を頻繁に行い、その度に湿し水を
使用する従来の水なしオフセット印刷機の運転を停止し
なければならないので印刷効率が低下するという問題が
生じていた。
【0014】この発明は上記事情の下でなされ、この発
明の目的は、水なしオフセット印刷機であっても長期間
に渡り使用する場合や高速度運転する場合にブランケッ
ト胴や版胴の清掃を頻繁に行う為に頻繁に運転を停止し
なくてもブランケット胴や版胴に余分なインキが溜まる
ことを防止出来、余分なインキにより印刷媒体に汚れが
生じることを防止出来るオフセット印刷機を提供するこ
とであり、さらには湿し水を使用するオフセット印刷に
おいても、インキの流動性をより良く制御出来てブラン
ケット胴や版胴に余分なインキが溜まることを防止し、
余分なインキにより印刷媒体に汚れが生じることを防止
出来、より安定した印刷濃度で印刷可能なオフセット印
刷機を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述したこの発明の目的
を達成するために、この発明に従ったオフセット印刷機
は、インキ供給手段によりインキ壺に供給されたインキ
がインキ壺から版胴までインキングユニットにより供給
されるオフセット印刷機であり:インキ壷及びインキ供
給手段の少なくともいずれか1つの内部のインキの温度
を測定する温度測定手段と;温度測定手段により測定さ
れたインキの温度に基づきインキ壷及びインキ供給手段
の少なくともいずれか1つの内部のインキの温度を制御
するインキ温度制御手段と;を備えたことを特徴として
いる。
【0016】[作用]上述した如く構成されたことを特
徴とするこの発明に従ったオフセット印刷機では、イン
キ壷及びインキ供給手段の少なくともいずれか1つの内
部のインキの温度が温度測定手段により測定される。そ
して、温度測定手段により測定されたインキの温度に基
づきインキ温度制御手段がインキ壷及びインキ供給手段
の少なくともいずれか1つの内部のインキの温度を制御
する。
【0017】インキ温度制御手段が上述した如くインキ
の温度を制御することによりインキ壷内のインキを所望
の温度に保つことが出来る。これによりインキ壺から版
胴までインキングユニットにより供給されるインキの温
度が所望の温度以上になることを防止出来、湿し水を使
用する従来のオフセット印刷機でも水なしオフセット印
刷機であっても長期間に渡り使用する場合や高速度運転
する場合にインキングユニット中のインキの温度、即ち
インキの粘度、が所定の値に保たれる。従ってインキ壺
からインキングユニットへの適切なインキ供給量が一旦
設定されると、ブランケット胴や版胴等に余分なインキ
が溜まることがなく、印刷媒体に汚れが生じることもな
い。
【0018】このように構成されたことを特徴とするこ
の発明に従ったオフセット印刷機では:前記インキ供給
手段は、インキが貯蔵されるインキ貯蔵源とインキ貯蔵
源からインキ壺までインキを導くインキ分配手段とを含
んでおり、前記温度測定手段は、インキ壷,インキ貯蔵
源,そしてインキ分配手段の中の少なくともいずれか1
つの内部のインキの温度を測定し、前記インキ温度制御
手段は、インキ壷,インキ貯蔵源,そしてインキ分配手
段の中の少なくともいずれか1つの内部のインキの温度
を制御する、ことを特徴とすることが出来る。
【0019】このように構成されたことを特徴とするこ
の発明に従ったオフセット印刷機では:インキ壺から版
胴までインキを供給するインキングユニットの少なくと
も一か所で温度を測定するインキングユニット温度測定
手段と;インキングユニットを冷却する冷却手段と;温
度測定手段により測定された温度に基づき冷却手段の動
作を制御する冷却制御手段と;をさらに備えることが出
来る。
【0020】このような構成であれば、インキングユニ
ットにおいてインキの温度をより好ましいインキ流動性
を得る為により好ましく制御することが出来、ひいては
この発明に従ったオフセット印刷機で印刷される印刷物
の印刷品質をより好ましく制御することが出来る。
【0021】このように構成されたことを特徴とするこ
の発明に従ったオフセット印刷機では:前記インキング
ユニット中には回転しながら相互に接触してインキ壺か
ら版胴までインキを供給する複数のローラが含まれてい
て、前記温度測定手段は、複数のローラ中の比較的温度
が上昇しやすいローラの少なくともいずれか1つの温度
を測定することが好ましい。
【0022】これは、前述した如き撹拌の程度や温度の
変化によるインキの流動性、即ち粘度、の変化は、温度
上昇時には早く温度低下時には遅く、一旦増大したイン
キの流動性が増大前の流動性の程度に戻るまでには最低
2〜3日を必要としており、従って前記インキングユニ
ット中の複数のローラ中の比較的温度が上昇しやすいロ
ーラにおいて温度が上昇されて流動性が増大されたイン
キはブランケット胴に至るまでに温度が低下したとして
もその流動性は低下しないからである。
【0023】この為に、前記温度測定手段により比較的
温度が上昇しやすいローラの少なくともいずれか1つの
温度を測定し、上記少なくともいずれか1つのローラに
おけるインキの温度に基づいて冷却手段の動作を冷却制
御手段により制御させることにより、前記インキングユ
ニット中のインキの温度、即ち粘度や流動性、をより安
定して所定の値に保つことが可能となる。
【0024】なお本願の発明のオフセット印刷機におい
ては、前記インキングユニット中の複数のローラ中の比
較的温度が上昇しやすいローラの全ての温度を前記温度
測定手段により測定し、この測定結果に基づいて冷却制
御手段により冷却手段の動作を制御させることも当然可
能である。
【0025】前記インキングユニット中の複数のローラ
中で比較的温度が上昇しやすいローラは、インキ元ロー
ラ、インキ呼び出しローラまたはインキ受け渡しローラ
の少なくともいずれか1つである。
【0026】インキ呼び出しローラはインキ元ローラと
インキ受け渡しローラとの間でこれらに交互に接触する
よう揺動し、インキ元ローラからインキ受け渡しローラ
へとインキを移動させている。この間にインキ呼び出し
ローラがインキ元ローラとインキ受け渡しローラとに接
触することにより発生する衝撃力が、これらのローラに
比較的温度が上昇しやすい傾向を生じさせている。
【0027】前記インキングユニット中の複数のローラ
中で比較的温度が上昇しやすいローラは、バイブレーシ
ョンローラ、またはバイブレーションローラと接触する
ローラの少なくともいずれか1つでもある。
【0028】バイブレーションローラはその径方向の両
側の2本のローラに接触した状態で自身の回転中心線に
沿った方向に往復動することにより上記2本のローラと
協働してインキを練っており、この為に摩擦熱を発生し
て比較的温度が上昇しやすい傾向にある。バイブレーシ
ョンローラと接触するローラもバイブレーションローラ
との摩擦やバイブレーションローラからの熱伝導により
比較的温度が上昇しやすい。
【0029】前記インキングユニット中の複数のローラ
中で比較的温度が上昇しやすいローラは、上記複数のロ
ーラ中で互いに接触しているインキ練りローラが摩擦係
数の高い材質でその表面が覆われている場合には、互い
に接触しているインキ練りローラどうしの少なくともい
ずれか一方でもある。
【0030】互いに接触しているインキ練りローラの両
方の表面の材質が摩擦係数の低い材質、例えば金属やテ
フロン、であった場合や、一方の表面の材質が摩擦係数
の高い材質、例えばゴム等、であり他方の表面の材質が
摩擦係数の低い材質、例えば金属やテフロン、であった
場合には、これら互いに接触しているインキ練りローラ
の間には大きな摩擦熱は生じないが、互いに接触してい
るインキ練りローラの両方の表面の材質が上述した如き
摩擦係数の高い材質の場合にはこれら互いに接触してい
るインキ練りローラの間に大きな摩擦熱が生じて比較的
温度が上昇しやすい。
【0031】前述した如く構成されたことを特徴とする
この発明に従ったオフセット印刷機では、前記インキン
グユニット中に回転しながら相互に接触してインキ壷か
ら版胴までインキを供給する複数のローラが含まれてい
ている場合には、前記冷却手段は前記複数のローラ中に
前記冷却制御手段により温度が制御される冷却ローラを
有していることが出来る。
【0032】前記冷却制御手段により前記インキングユ
ニットの複数のローラ中の前記冷却手段の冷却ローラの
温度を制御することで、前記インキングユニット中のイ
ンキの温度、即ちインキの粘度と流動性と、を安定して
所定の値に保つことが出来る。
【0033】なおこの場合には、前記温度測定手段は冷
却ローラの温度を測定することが好ましい。また前記冷
却ローラは冷却媒体が通過する空洞を有していて、前記
冷却制御手段は冷却媒体の流量または冷却媒体の温度を
制御して前記冷却ローラの温度を制御することが出来
る。
【0034】このような構成の冷却ローラはインキの冷
却効率が高い。なおこの場合には、前記冷却手段は冷却
ローラに所定の温度の液体冷媒を供給し、前記冷却制御
手段は前記冷却手段が冷却ローラに供給する液体冷媒の
流量を制御する、よう構成することが好ましい。
【0035】比熱が大きい所定の温度の液体冷媒を冷却
ローラの空洞中に供給することにより、何等かの外乱に
より冷却ローラが温度変化を生じようとする傾向を押さ
えること出来る。即ち外乱に対して冷却ローラが所望の
温度を保とうとする機能を大きくすることが出来、これ
により外乱に対してインクの粘度が所望の値から変化す
ることを強く抑制することが出来、ひいては外乱に対し
てインキングユニットから版胴へのインキ供給量の変化
が生じることを強く抑制することが出来る。
【0036】前述した如く構成されたことを特徴とする
この発明に従ったオフセット印刷機では、前記温度測定
手段がさらに版の温度も測定することが好ましい。これ
は版の温度が所望の温度よりも過度に冷却されて版の画
線部に対するインキの乗りが悪くなるのを防止する為で
ある。
【0037】湿し水を使用するオフセット印刷機に使用
される版はインキが付着する画線部が非画線部に比べて
僅かに盛り上がっている平凸版であるが、湿し水を使用
しない水なしオフセット印刷機に使用される版はインキ
が付着する画線部が非画線部に比べて凹んでいる平凹版
である。このような平凹版においては、版の温度が所望
の温度よりも過度に冷却されると、インキングユニット
を介して版胴に供給されたインキも版に接触した途端に
冷却されて流動性を低下させ凹んだ画線部にインキが十
分充填されない場合が生じる。凹んだ画線部にインキが
十分充填されない部分が生じると、印刷媒体に版胴から
ブランケット胴を介して転写された画線において上記イ
ンキが十分充填されない部分の印刷に不良が発生するの
である。
【0038】しかも版胴は、断熱性に優れたブランケッ
トが巻かれているブランケット胴に比べると外部から負
荷される熱に影響される度合いが大きいので、前記温度
測定手段が版の温度を測定することは印刷品質を向上さ
せる為に重要である。以下、この発明の1つの実施の形
態に従ったオフセット印刷機の主要部を添付の図面を参
照しながら詳細に説明する。
【0039】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の1つの実施の形
態に従ったオフセット印刷機に使用される輪転機の1つ
の側面図を概略的に示しており、上記輪転機は両面印刷
用であって、また上記オフセット印刷機は水なしオフセ
ット印刷機である。
【0040】上記両面印刷用輪転機は、図示しない印刷
媒体供給手段から供給されて来た印刷媒体10の両面を
挟持する上下1対のブランケット胴12A,12Bを備
えている。なお印刷媒体10は枚葉紙の形態であること
が出来るし、円筒形状に巻装されている巻取紙から引き
出された長尺紙の形態であっても良い。また印刷媒体1
0の材質もオフセット印刷が可能な材質であれば何でも
良い。
【0041】上下1対のブランケット胴12A,12B
の夫々には、夫々を介して印刷媒体10の両面に印刷す
る画像の刷版が表面に設けられている上版ローラ14A
及び下版ローラ14Bが接触されている。
【0042】上版ローラ14Aの上方には上版ローラ1
4Aの為のインキを保持した上インキ壺16Aが配置さ
れていて、上版ローラ14Aと上インキ壺16Aとの間
には上インキ壺16Aから上版ローラ14Aへとインキ
を供給する上インキングユニット18Aが介在されてい
る。また、下版ローラ14Bの下方には下版ローラ14
Bの為のインキを保持した下インキ壺16Bが配置され
ていて、下版ローラ14Bと下インキ壺16Bとの間に
は下インキ壺16Bから下版ローラ14Bへとインキを
供給する下インキングユニット18Bが介在されてい
る。
【0043】上インキ壺16Aと下インキ壺16Bの夫
々には上インキ供給手段11A及び下インキ供給手段1
1Bにより夫々に必要な種類のインキが供給される。上
インキ供給手段11A及び下インキ供給手段11Bの夫
々は、例えばインキタンクの如きインキが貯蔵されるイ
ンキ貯蔵手段13Aまたは13Bとインキ貯蔵手段13
Aまたは13Bから対応する上インキ壺16Aまたは下
インキ壺16Bまでインキを導く例えば配管の如きイン
キ分配手段15Aまたは15Bとを含んでいる。
【0044】インキ分配手段15A及び15Bの夫々
は、開閉弁と、図示しないポンプと、対応する上インキ
壺16Aまたは下インキ壺16B中のインキの残量を検
知するインキ残量検知手段と、を含んでいて、対応する
上インキ壺16Aまたは下インキ壺16B中のインキの
残量が所定量になったのをインキ残量検知手段が検知し
たことにより図示しないポンプを所定時間動作させて上
インキ壺16Aまたは下インキ壺16B中に所定量のイ
ンキを供給する。
【0045】この発明の1つの実施の形態に従ったオフ
セット印刷機はさらに、上インキ壺16Aと上インキ供
給手段11A内のインキの温度を測定する例えば熱電対
の如き上温度測定手段17A及び下インキ壺16Bと下
インキ供給手段11B内のインキの温度を測定する例え
ば熱電対の如き下温度測定手段17Bを備えている。
【0046】上温度測定手段17A及び下温度測定手段
17Bの夫々は、上インキ壺16Aと上インキ供給手段
11Aのインキ貯蔵手段13A及びインキ分配手段15
Aの中の少なくともいずれか1つの内部のインキの温
度、または下インキ壺16Bと下インキ供給手段11B
のインキ貯蔵手段13B及びインキ分配手段15Bの中
の少なくともいずれか1つの内部のインキの温度、を測
定すれば良いが、上記1つの実施の形態に従ったオフセ
ット印刷機の上温度測定手段17A及び下温度測定手段
17Bの夫々は上インキ壺16Aと上インキ供給手段1
1Aのインキ分配手段15Aの両者の内部のインキの温
度または下インキ壺16Bと下インキ供給手段11Bの
インキ分配手段15Bの中の両者の内部のインキの温度
を測定している。
【0047】この発明の1つの実施の形態に従ったオフ
セット印刷機はまたさらに、上インキ壺16Aと上イン
キ供給手段11Aのインキ貯蔵手段13A及びインキ分
配手段15Aの中の少なくともいずれか1つの内部のイ
ンキの温度、及び少なくとも下インキ壺16Bと下イン
キ供給手段11Bのインキ貯蔵手段13B及びインキ分
配手段15Bの中の少なくともいずれか1つの内部のイ
ンキの温度、を制御する上インキ温度制御手段及び下イ
ンキ温度制御手段を含んでおり、上記1つの実施の形態
に従ったオフセット印刷機の上インキ温度制御手段及び
下インキ温度制御手段の夫々は上インキ壺16Aと上イ
ンキ供給手段11Aのインキ貯蔵手段13A及びインキ
分配手段15Aの夫々の内部のインキを加熱する電熱ヒ
ータ19A,21A,23Aまたは下インキ壺16Bと
下インキ供給手段11Bのインキ貯蔵手段13B及びイ
ンキ分配手段15Bの夫々の内部のインキを加熱する電
熱ヒータ19B,21B,23Bを備えている。
【0048】そして上インキ温度制御手段及び下インキ
温度制御手段の夫々は、上温度測定手段17Aまたは下
温度測定手段17Bにより測定された上インキ壺16A
と上インキ供給手段11Aのインキ分配手段15Aの両
者の内部のインキの温度または下インキ壺16Bと下イ
ンキ供給手段11Bのインキ分配手段15Bの中の両者
の内部のインキの温度に基づいて、このインキの温度が
所望の温度になるように電熱ヒータ19A,21A,2
3Aまたは19B,21B,23Bの発熱量を制御す
る。
【0049】なおここにおいて重要なことは、上述した
如く測定されたインキの温度が所望の温度から所定の許
容範囲を越えてはいけないことである。これはオフセッ
ト印刷機で使用するインキは粘弾性物質であり、一旦温
度が所定の値から上昇するとインキの流動性は温度が所
定の値に戻っても温度が所定の値から上昇する以前と同
じ流動性まで戻るまでには2〜3日かかるからである。
【0050】上インキングユニット18Aの構造と下イ
ンキングユニット18Bの構造は上下1対のブランケッ
ト胴12A,12Bの間の印刷媒体搬送路を挟んで略上
下対称なので、以下の説明では上インキングユニット1
8Aの構造のみを説明し下インキングユニット18Bの
構造の説明は省略する。なお、上インキングユニット1
8Aの構成部材は以上の説明からわかる通り参照符号に
Aを付けることにより指摘し、下インキングユニット1
8Bにおいて上インキングユニット18Aの構成部材に
対応する構成部材には同じ参照符号にBを付けることに
より指摘する。
【0051】上インキングユニット18Aは相互に接触
し夫々が回転している複数のローラを含んでおり、複数
のローラには:所定の速度で所定の方向に回転中に上イ
ンキ壺16Aからインキキー20Aにより所望の流量の
インキが付着されるインキ元ローラ22Aと;所定の速
度で所定の方向に回転中にインキ元ローラ22Aに間欠
的に接触しインキ元ローラ22Aからインキを呼び出す
呼び出しローラ24Aと;所定の速度で所定の方向に回
転しており呼び出しローラ24Aが間欠的に接触するこ
とにより呼び出しローラ24Aからインキが受け渡され
る受け渡しローラ26Aと;所定の速度で所定の方向に
回転しているとともに自身の回転中心線に沿った方向に
往復動し受け渡しローラ26Aに接触して受け渡しロー
ラ26Aと協働してインキを練りながら受け渡しローラ
26Aからインキを受け取る第1のバイブレーションロ
ーラ(往復ローラ1)28Aと;所定の速度で所定の方
向に回転しており第1のバイブレーションローラ28A
に接触して第1のバイブレーションローラ28Aと協働
してインキを練りながら第1のバイブレーションローラ
28Aからインキを受け取る第1の練りローラ30A
と;所定の速度で所定の方向に回転しており第1の練り
ローラ30Aと接触して第1の練りローラ30Aからイ
ンキを受け取る第2の練りローラ32A(この実施例で
は下インキングユニット18Bは第2の練りローラが省
略されている)と;所定の速度で所定の方向に回転して
おり第2の練りローラ32Aと接触して第2の練りロー
ラ32Aからインキを受け取る銅メッキローラ34A
(この実施例では第2の練りローラが省略されている下
インキングユニット18Bでは銅メッキローラ34Bは
第1の練りローラ30Bに接触している)と;所定の速
度で所定の方向に回転しており銅メッキローラ34Aと
接触して銅メッキローラ34Aからインキを受け取る第
3の練りローラ36Aと;所定の速度で所定の方向に回
転しているとともに自身の回転中心線に沿った方向に往
復動し第3の練りローラ36Aに接触して第3の練りロ
ーラ36Aと協働してインキを練りながら第3の練りロ
ーラ36Aからインキを受け取る第2のバイブレーショ
ンローラ(往復ローラ2)38Aと;所定の速度で所定
の方向に回転しており第2のバイブレーションローラ3
8Aに接触して第2のバイブレーションローラ38Aと
協働してインキを練りながら第2のバイブレーションロ
ーラ38Aからインキを受け取るとともに、上版ローラ
14Aに接触して上版ローラ14Aにインキを着ける第
1のインキ着けローラ40Aと;が含まれている。
【0052】上インキングユニット18Aの複数のロー
ラにはさらに:所定の速度で所定の方向に回転している
とともに自身の回転中心線に沿った方向に往復動し第3
の練りローラ36Aに接触して第3の練りローラ36A
と協働してインキを練りながら第3の練りローラ36A
からインキを受け取る第3のバイブレーションローラロ
ーラ(往復ローラ3)42Aと;所定の速度で所定の方
向に回転しており第3のバイブレーションローラ42A
に接触して第3のバイブレーションローラ42Aと協働
してインキを練りながら第3のバイブレーションローラ
42Aからインキを受け取る第4の練りローラ44A
と;所定の速度で所定の方向に回転しているとともに自
身の回転中心線に沿った方向に往復動し第4の練りロー
ラ44Aに接触して第4の練りローラ44Aと協働して
インキを練りながら第4の練りローラ44Aからインキ
を受け取る第4のバイブレーションローラ(往復ローラ
4)46Aと;所定の速度で所定の方向に回転しており
第4のバイブレーションローラ46Aに接触して第4の
バイブレーションローラ46Aと協働してインキを練り
ながら第4のバイブレーションローラ46Aからインキ
を受け取るとともに、上版ローラ14Aの回転方向にお
いて第1のインキ着けローラ40Aよりも下流側で上版
ローラ14Aに接触して上版ローラ14Aにインキを着
ける第2のインキ着けローラ48Aと;所定の速度で所
定の方向に回転しており第4のバイブレーションローラ
46Aに接触して第4のローラ46Aと協働してインキ
を練りながら第4のバイブレーションローラ46Aから
インキを受け取るとともに、上版ローラ14Aの回転方
向において第2のインキ着けローラ48Aよりも下流側
で上版ローラ14Aに接触して上版ローラ14Aにイン
キを着ける第3のインキ着けローラ50Aと;が含まれ
ている。
【0053】この1つの実施の形態では、上インキ壺1
6Aから上インキングユニット18Aに供給されたイン
キの量の略60%が第1のインキ着けローラ40Aを介
して上版ローラ14Aに供給されるとともに、上記イン
キの量の略20%が第2のインキ着けローラ48Aを介
して上版ローラ14Aに供給され、さらには上記インキ
の量の残りの略20%が第3のインキ着けローラ50A
を介して上版ローラ14Aに供給されている。
【0054】この1つの実施の形態の上インキングユニ
ット18Aはさらに、上版ローラ14Aの回転方向にお
いて第1のインキ着けローラ40Aよりも上流側で上版
ローラ14Aに接触して上版ローラ14Aの版面からヒ
ッキーの原因となる物体を除去するヒッキーローラ52
Aも含んでいる。
【0055】この1つの実施の形態では、インキングユ
ニット温度測定手段として第4のバイブレーションロー
ラ46Aの表面温度を上インキングユニット18Aの代
表的な温度として測定する放射温度計54Aが使用され
ており、また上インキングユニット18A中でインキ元
ローラ22A,第1のバイブレーションローラ(往復ロ
ーラ1)28A,第2のバイブレーションローラ(往復
ローラ2)38A,第3のバイブレーションローラ(往
復ローラ3)42A,第4のバイブレーションローラ
(往復ローラ4)46A,そして銅メッキローラ34A
には冷却媒体が通過する空洞が形成されている。この実
施の形態では、上記冷却媒体として所定の温度に設定さ
れた水が使用されていて、放射温度計54Aが測定した
温度に基づいて図示しない冷却制御手段が上記冷却媒体
の流量を調整することにより上述したインキ元ローラ2
2A,第1のバイブレーションローラ(往復ローラ1)
28A,第2のバイブレーションローラ(往復ローラ
2)38A,第3のバイブレーションローラ(往復ロー
ラ3)42A,第4のバイブレーションローラ(往復ロ
ーラ4)46A,そして銅メッキローラ34Aの温度を
所望の温度に調整し、ひいては上インキングユニット1
8A中のインキの温度を所望の温度に調整する。
【0056】そしてこのように上インキングユニット中
のインキの温度を所望の温度に調整する為に利用される
上述したインキ元ローラ22A,第1のバイブレーショ
ンローラ(往復ローラ1)28A,第2のバイブレーシ
ョンローラ(往復ローラ2)38A,第3のバイブレー
ションローラ(往復ローラ3)42A,第4のバイブレ
ーションローラ(往復ローラ4)46A,そして銅メッ
キローラ34Aは、インキを所望の温度に冷却する冷却
手段の一種である冷却ローラとして機能する。
【0057】このように構成されている1つの実施の形
態のオフセット印刷機においては、オフセット印刷機の
暖気運転時には、図示しない給水源から比較的高い温
度、例えば摂氏45度以上、の温水が所定量供給され
る。この際には、上インキングユニット18Aのインキ
元ローラ22A,第1のバイブレーションローラ(往復
ローラ1)28A,第2のバイブレーションローラ(往
復ローラ2)38A,第3のバイブレーションローラ
(往復ローラ3)42A,第4のバイブレーションロー
ラ(往復ローラ4)46A,そして銅メッキローラ34
Aの空洞及び下インキングユニット18Bのインキ元ロ
ーラ22B,第1のバイブレーションローラ(往復ロー
ラ1)28B,第2のバイブレーションローラ(往復ロ
ーラ2)38B,第3のバイブレーションローラ(往復
ローラ3)42B,第4のバイブレーションローラ(往
復ローラ4)46B,そして銅メッキローラ34Bの空
洞は上述した比較的高い温度の温水で満たされる。この
結果として、上インキングユニット18Aのインキ元ロ
ーラ22A,第1のバイブレーションローラ(往復ロー
ラ1)28A,第2のバイブレーションローラ(往復ロ
ーラ2)38A,第3のバイブレーションローラ(往復
ローラ3)42A,第4のバイブレーションローラ(往
復ローラ4)46A,そして銅メッキローラ34A、及
び下インキングユニット18Bのインキ元ローラ22
B,第1のバイブレーションローラ(往復ローラ1)2
8B,第2のバイブレーションローラ(往復ローラ2)
38B,第3のバイブレーションローラ(往復ローラ
3)42B,第4のバイブレーションローラ(往復ロー
ラ4)46B,そして銅メッキローラ34Bの夫々の温
度は所望の温度の近傍まで短時間で上昇される。
【0058】上インキングユニット18Aのインキ元ロ
ーラ22A,第1のバイブレーションローラ(往復ロー
ラ1)28A,第2のバイブレーションローラ(往復ロ
ーラ2)38A,第3のバイブレーションローラ(往復
ローラ3)42A,第4のバイブレーションローラ(往
復ローラ4)46A,そして銅メッキローラ34A、及
び下インキングユニット18Bのインキ元ローラ22
B,第1のバイブレーションローラ(往復ローラ1)2
8B,第2のバイブレーションローラ(往復ローラ2)
38B,第3のバイブレーションローラ(往復ローラ
3)42B,第4のバイブレーションローラ(往復ロー
ラ4)46B,そして銅メッキローラ34Bの夫々の温
度が所望の温度の近傍まで到達したことを放射温度計5
4Aによる温度測定により検知したら、上記比較的高い
温度、例えば摂氏45度以上、の温水の供給を停止する
と同時に、図示しない給水源から所望の温度、例えば摂
氏11度、の冷水が所定量供給される。
【0059】この際に、図示しない冷却制御手段は、図
1に示した放射温度計54A及び54Bが測定した実際
の温度に基づいて放射温度計54A及び54Bが測定す
る温度が所望の温度になるよう、上インキングユニット
18Aにおいて冷却ローラとして機能するインキ元ロー
ラ22A,第1のバイブレーションローラ(往復ローラ
1)28A,第2のバイブレーションローラ(往復ロー
ラ2)38A,第3のバイブレーションローラ(往復ロ
ーラ3)42A,第4のバイブレーションローラ(往復
ローラ4)46A,そして銅メッキローラ34Aに流れ
る所望の温度、例えば摂氏11度、の冷水(冷却媒体)
の夫々の流量、及び下インキングユニット18Bのイン
キ元ローラ22B,第1のバイブレーションローラ(往
復ローラ1)28B,第2のバイブレーションローラ
(往復ローラ2)38B,第3のバイブレーションロー
ラ(往復ローラ3)42B,第4のバイブレーションロ
ーラ(往復ローラ4)46B,そして銅メッキローラ3
4Bの夫々に流れる所望の温度、例えば摂氏11度、の
冷水(冷却媒体)の流量、を調整する。
【0060】この結果として上述した1つの実施の形態
のオフセット印刷機の運転中に上インキングユニット1
8Aにより上インキ壺16Aから上版胴14Aへと供給
されるインキの温度及び下インキングユニット18Bに
より下インキ壺16Bから下版胴14Bへと供給される
インキの温度の夫々をより確実に精密に所望の温度に保
つ事が出来、ひいては上記インキの粘度がより確実に精
密に所望の値に保たれるので、上インキングユニット1
8Aにより上インキ壺16Aから上版胴14Aへと供給
されるインキの量及び下インキングユニット18Bによ
り下インキ壺16Bから下版胴14Bへと供給されるイ
ンキの量の夫々をより確実に精密に所望の値とすること
が出来て、上版胴14aと上ブランケット胴12Aとの
組み合わせ及び下版胴14Bと上ブランケット胴12B
との組み合わせの夫々において印刷媒体10の両面に転
移されるインキの量との釣り合いをより確実で精密に常
に適切にすることが出来る。この為に、上記前者の組み
合わせ及び上記後者の組み合わせでインキが過剰にな
り、過剰なインキが印刷媒体10に付着して印刷媒体1
0が汚されることを確実に防止することが出来る。
【0061】しかも、上記前者の組み合わせ及び上記後
者の組み合わせに供給されたインキの温度を、上記イン
キが最も良好な状態で画線を印刷媒体10の両面に印刷
する為に必要な最も良い温度に常にすることが出来る。
【0062】なお図1に示された1つの実施の形態で
は、上インキングユニット18A及び下インキングユニ
ット18Bの夫々において一箇所の温度しか測定されて
いなかったが、上インキングユニット18Aにおいて冷
却ローラとして機能しているインキ元ローラ22A,第
1のバイブレーションローラ(往復ローラ1)28A,
第2のバイブレーションローラ(往復ローラ2)38
A,第3のバイブレーションローラ(往復ローラ3)4
2A,第4のバイブレーションローラ(往復ローラ4)
46A,そして銅メッキローラ34Aの中の上記1箇所
とは別の1箇所または複数または全部、あるいは下イン
キングユニット18Bにおいて冷却ローラとして機能し
ているインキ元ローラ22B,第1のバイブレーション
ローラ(往復ローラ1)28B,第2のバイブレーショ
ンローラ(往復ローラ2)38B,第3のバイブレーシ
ョンローラ(往復ローラ3)42B,第4のバイブレー
ションローラ(往復ローラ4)46B,そして銅メッキ
ローラ34Bの中の上記1箇所とは別の1箇所または複
数または全部の表面温度を例えば放射温度計により測定
したり、あるいは上版胴14Aあるいは下版胴14Bの
表面温度を例えば放射温度計により測定したり、あるい
は上インキングユニット18Aの中で上記1つの実施の
形態のオフセット印刷機の運転中に温度が上昇しやすい
インキ呼び出しローラ24A,インキ受け渡しローラ2
6A,第1乃至第4の練りローラ30A,32A,36
A,44A,第1のインキ着けローラ40A,第2及び
第3のインキ着けローラ48A,50Aの中の1箇所ま
たは複数または全部の表面温度を例えば放射温度計によ
り測定したり、あるいは下インキングユニット18Bの
中で上記一実施例のオフセット印刷機の運転中に温度が
上昇しやすいインキ呼び出しローラ24B,インキ受け
渡しローラ26B,第1,第3及び第4の練りローラ3
0B,36B,44B,第1のインキ着けローラ40
B,第2及び第3のインキ着けローラ48B,50Bの
中の1箇所または複数または全部の表面温度を例えば放
射温度計により測定したり、あるいは上述した全ての種
類の表面温度の幾つかの組み合わせを例えば放射温度計
により測定し、このように測定した上インキングユニッ
ト18A及び下インキングユニット18Bの夫々の少な
くとも一箇所の表面温度に基づいて上述した冷却制御手
段により上インキングユニット18A及び下インキング
ユニット18Bの夫々の温度、即ち上記夫々の中のイン
キの温度であり、粘度である、を所望の値により確実で
精密に常に維持することが出来る。
【0063】インキ呼び出しローラ24Aまたは24B
はインキ元ローラ22Aまたは22Bからインキ受け渡
しローラ26Aまたは26Bへとインクを運搬する為に
インキ元ローラ22Aまたは22Bとインキ受け渡しロ
ーラ26Aまたは26Bとの間でこれらに交互に接触す
るよう揺動するが、この間に上記接触により発生する衝
撃力により、インキ呼び出しローラ24Aまたは24B
や、インキ元ローラ22Aまたは22Bやインキ受け渡
しローラ26Aまたは26Bは比較的温度が上昇しやす
い傾向にある。
【0064】第1のバイブレーションローラ(往復ロー
ラ1)28Aまたは28B,第2のバイブレーションロ
ーラ(往復ローラ2)38Aまたは38B,第3のバイ
ブレーションローラ(往復ローラ3)42Aまたは42
B,第4のバイブレーションローラ(往復ローラ4)4
6Aまたは46Bの夫々はその径方向の両側の2本のロ
ーラに接触した状態で自身の回転中心線に沿った方向に
往復動することにより上記2本のローラと協働してイン
キを練っているが、この為に摩擦熱を発生して比較的温
度が上昇しやすい傾向にある。そしてこれら第1乃至第
4のバイブレーションローラ28A,28B,38A,
38B,42A,42B,46A,46Bと接触するロ
ーラもこれら第1乃至第4のバイブレーションローラ2
8A,28B,38A,38B,42A,42B,46
A,46Bとの摩擦や第1乃至第4のバイブレーション
ローラ28A,28B,38A,38B,42A,42
B,46A,46Bからの熱伝導により比較的温度が上
昇しやすい。
【0065】図1に示された1つの実施の形態では、第
1乃至第4のバイブレーションローラ28A,28B,
38A,38B,42A,42B,46A,46Bと接
触するローラは、第1のバイブレーションローラ28A
または28Bに対してはインキ受け渡しローラ26Aま
たは26Bと第1の練りローラ30Aまたは30Bであ
り、第2のバイブレーションローラ38Aまたは38B
に対しては第3の練りローラ36Aまたは36Bと第1
のインキ着けローラ40Aまたは40Bであり、第3の
バイブレーションローラ42Aまたは42Bに対しては
第3の練りローラ36Aまたは36Bと第4の練りロー
ラ44Aまたは44Bであり、さらに第4のバイブレー
ションローラ46Aまたは46Bに対しては第4の練り
ローラ44Aまたは44Bと第2のインキ着けローラ4
8Aまたは48Bと第3のインキ着けローラ50Aまた
は50Bである。
【0066】図1に示された1つの実施の形態ではさら
に、第1乃至第4のインキ練りローラ30Aまたは30
B,32A,36A,36B,44A,44Bは擦係数
の高い材質、例えばゴム等、により覆われているので、
これらの中で互いに接触している第1及び第2のインキ
練りローラ30A及び32Aは大きな摩擦熱が生じて比
較的温度が上昇しやすい。
【0067】さらにまた上インキングユニット18A及
び下インキングユニット18Bの夫々の冷却手段とし
て、図1に2点鎖線で示した如く上インキングユニット
18A及び下インキングユニット18Bの夫々の所望の
箇所に対応して気体噴出ノズル100を設置し、この気
体噴出ノズル100から所望の温度の気体を所望の量吹
き付けるような構造を採用することも出来る。
【0068】このような気体噴出ノズル100は、上述
した種々の構造の冷却手段と組み合わせることが可能で
ある。なお上述した如く構成されている上インキングユ
ニット18A及び下インキングユニット18Bは、湿し
水使用するオフセット印刷機にも適用可能であり、この
場合にも、上インキングユニット18A及び下インキン
グユニット18Bにおいてインキの流動性が従来の湿し
水使用するオフセット印刷機の上インキングユニット及
び下インキングユニットに比べるとより良く制御出来る
ので、従来よりもより安定した印刷濃度で印刷可能とす
ることが出来る。
【0069】また上温度測定手段17A及び下温度測定
手段17Bとして、また放射温度計54A及び54Bの
代わりにサーモグラフを使用することも出来る。さらに
上述した1つの実施の形態では、上インキングユニット
18A及び下インキングユニット18Bの夫々に冷却手
段や放射温度計54A,54Bの如きインキングユニッ
ト温度測定手段や冷却制御手段を使用しているが、これ
は本願の発明の主題として必ずしも必要なものではな
い。上インキングユニット18A及び下インキングユニ
ット18Bの夫々ではインキが練られることによりイン
キの温度が上昇するが、予め上インキングユニット18
A及び下インキングユニット18Bの夫々におけるイン
キの温度の上昇がどの程度かが分かっていれば、このイ
ンキの温度の上昇分を見越して上インキ温度制御手段及
び下インキ温度制御手段の夫々に、上温度測定手段17
Aまたは下温度測定手段17Bにより測定された上イン
キ壺16Aと上インキ供給手段11Aのインキ分配手段
15Aの両者の内部のインキの温度または下インキ壺1
6Bと下インキ供給手段11Bのインキ分配手段15B
の中の両者の内部のインキの温度に基づいて、このイン
キの温度が所望の温度になるように電熱ヒータ19A,
21A,23Aまたは19B,21B,23Bの発熱量
を制御させれば良いのである。
【0070】しかしながら、上インキングユニット18
A及び下インキングユニット18Bの夫々に冷却手段や
放射温度計54A,54Bの如きインキングユニット温
度測定手段や冷却制御手段を使用すれば、上インキ壺1
6A及び下インキ壺16Bから版胴14A及び14Bま
で上インキングユニット18A及び下インキングユニッ
ト18Bによりインキが運搬される過程でインキの温度
が所望の温度以上に上昇(即ち、インキの流動性が所望
の値以上に上昇)してしまうのを確実に抑制し、かつ上
インキングユニット18A及び下インキングユニット1
8B中における、さらには版胴14A及び14Bに到達
したインキの温度(即ち、インキの流動性)を所望の値
に精密に制御して印字品質を精密に制御することが出来
る。
【0071】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明に従ったオ
フセット印刷機によれば、水なしオフセット印刷機であ
っても長期間に渡り使用する場合や高速度運転する場合
にブランケット胴や版胴の清掃を頻繁に行う為に頻繁に
運転を停止しなくてもブランケット胴や版胴に余分なイ
ンキが溜まることを防止出来、余分なインキにより印刷
媒体に汚れが生じることを防止出来、さらには湿し水を
使用するオフセット印刷においても、インキの流動性を
より良く制御出来てブランケット胴や版胴に余分なイン
キが溜まることを防止し、余分なインキにより印刷媒体
に汚れが生じることを防止出来、より安定した印刷濃度
で印刷可能とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1つの実施の形態に従ったオフセッ
ト印刷機に使用される輪転機の1つを概略的に示す側面
図である。
【符号の説明】
10…印刷媒体、11A…上インキ供給手段、11B…
下インキ供給手段、12A,12B…ブランケット胴、
13A,13B…インキ貯蔵手段、14A…上版ロー
ラ、14B…下版ローラ、15A,15B…インキ分配
手段、16A…上インキ壺、16B…下インキ壺、17
A…上温度測定手段、17B…下温度測定手段、18A
…上インキングユニット、18B…下インキングユニッ
ト、19A,19B…電熱ヒータ、20A,20B…イ
ンキキー、21A,21B…電熱ヒータ、22A,22
B…インキ元ローラ(冷却ローラ)、21A,21B…
電熱ヒータ、24A,24B…呼び出しローラ、26
A,26B…受け渡しローラ、28A,28B…第1の
バイブレーションローラ(冷却ローラ)、30A,30
B…第1の練りローラ、32A…第2の練りローラ、3
4A,34B…銅メッキローラ(冷却ローラ)、36
A,36B…第3の練りローラ、38A,38B…第2
のバイブレーションローラ(冷却ローラ)、40A,4
0B…第1のインキ着けローラ、42A,42B…第3
のバイブレーションローラ(冷却ローラ)、44A,4
4B…第4の練りローラ、46A,46B…第4のバイ
ブレーションローラ(冷却ローラ)、48A,48B…
第2のインキ着けローラ、50A,50B…第3のイン
キ着けローラ、52A,52B…ヒッキーローラ、54
A,54B…放射温度計、100…気体噴出ノズル(冷
却手段)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキ供給手段によりインキ壺に供給さ
    れたインキがインキ壺から版胴までインキングユニット
    により供給されるオフセット印刷機であり:インキ壷及
    びインキ供給手段の少なくともいずれか1つの内部のイ
    ンキの温度を測定する温度測定手段と;温度測定手段に
    より測定されたインキの温度に基づきインキ壷及びイン
    キ供給手段の少なくともいずれか1つの内部のインキの
    温度を制御するインキ温度制御手段と;を備えたことを
    特徴とするオフセット印刷機。
  2. 【請求項2】 前記インキ供給手段は、インキが貯蔵さ
    れるインキ貯蔵源とインキ貯蔵源からインキ壺までイン
    キを導くインキ分配手段とを含んでおり、 前記温度測定手段は、インキ壷,インキ貯蔵源,そして
    インキ分配手段の中の少なくともいずれか1つの内部の
    インキの温度を測定し、 前記インキ温度制御手段は、インキ壷,インキ貯蔵源,
    そしてインキ分配手段の中の少なくともいずれか1つの
    内部のインキの温度を制御する、 ことを特徴とする請求項1に記載にオフセット印刷機。
  3. 【請求項3】 インキ壺から版胴までインキを供給する
    インキングユニットの少なくとも一か所で温度を測定す
    るインキングユニット温度測定手段と;インキングユニ
    ットを冷却する冷却手段と;温度測定手段により測定さ
    れた温度に基づき冷却手段の動作を制御する冷却制御手
    段と;を備えたことを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のオフセット印刷機。
  4. 【請求項4】 前記インキングユニット中には回転しな
    がら相互に接触してインキ壺から版胴までインキを供給
    する複数のローラが含まれていて、前記インキングユニ
    ット温度測定手段は、複数のローラ中の比較的温度が上
    昇しやすいローラの少なくともいずれか1つの温度を測
    定する、 ことを特徴とする請求項3に記載のオフセット印刷機。
  5. 【請求項5】 前記比較的温度が上昇しやすいローラ
    が、インキ元ローラ、インキ呼び出しローラまたはイン
    キ受け渡しローラの少なくともいずれか1つである、 ことを特徴とする請求項4に記載のオフセット印刷機。
  6. 【請求項6】 前記比較的温度が上昇しやすいローラ
    が、バイブレーションローラ、またはバイブレーション
    ローラと接触するローラの少なくともいずれか1つであ
    る、 ことを特徴とする請求項4に記載のオフセット印刷機。
  7. 【請求項7】 前記比較的温度が上昇しやすいローラ
    が、互いに接触しているインキ練りローラどうしの少な
    くともいずれか一方であり、 その互いに接触しているインキ練りローラは摩擦係数の
    高い材質でその表面が覆われている、 ことを特徴とする請求項4に記載のオフセット印刷機。
  8. 【請求項8】 前記インキングユニット中には回転しな
    がら相互に接触してインキ壷から版胴までインキを供給
    する複数のローラが含まれていて、 前記冷却手段は前記複数のローラ中に冷却ローラを有し
    ており、 前記冷却制御手段は、複数のローラ中の冷却ローラの温
    度を制御する,ことを特徴とする請求項3乃至請求項7
    のいずれか1項に記載のオフセット印刷機。
  9. 【請求項9】 前記冷却ローラは冷却媒体が通過する空
    洞を有していて、前記冷却制御手段は冷却媒体の流量ま
    たは冷却媒体の温度を制御して前記冷却ローラの温度を
    制御する、 ことを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1項
    に記載のオフセット印刷機。
  10. 【請求項10】 前記インキングユニット温度測定手段
    はさらに版の温度も測定する、 ことを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれか1項
    に記載のオフセット印刷機。
JP17884895A 1995-07-14 1995-07-14 オフセット印刷機 Pending JPH0929937A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014083722A1 (ja) * 2012-11-28 2014-06-05 大和グランド株式会社 オフセット印刷機を用いた印刷方法
CN104494305A (zh) * 2014-11-28 2015-04-08 无锡市晨阳彩印厂 降温隔热的油墨盒

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