JPH0929915A - 積層構造体 - Google Patents

積層構造体

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JPH0929915A
JPH0929915A JP7187096A JP18709695A JPH0929915A JP H0929915 A JPH0929915 A JP H0929915A JP 7187096 A JP7187096 A JP 7187096A JP 18709695 A JP18709695 A JP 18709695A JP H0929915 A JPH0929915 A JP H0929915A
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resin
acid
block copolymer
polystyrene
layer
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JP7187096A
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Katsuhiko Sumida
克彦 隅田
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル樹脂材料層とポリスチレン系樹
脂材料層との層間接着層用材料として、特に高生産性の
共押出し多層フィルム成形法において、優れた耐熱安定
性を有し、且つ実用的な接着力を発現する新規材料を提
供すること。 【解決手段】 少なくとも三層よりなり、それぞれ、順
次、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ビニル芳香族
化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体のエポキシ
化物、及び、ポリエチレン系樹脂またはポリフェニレン
エーテル系樹脂を主材として形成されてなる積層構造
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装剤、建材、電
気・電子機器用部材、情報・記録用材料等として有用な
多層フィルム、シートまたは板状体に係るものであり、
くわしくは特定の合成樹脂層間を特定の接着剤層で一体
に接合した積層構造体に関するものである。
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートで代表されるポリアルキレンテレフ
タレート樹脂(以下、ポリエステル樹脂と略記する)を
主材とするフィルム、シート、又は板状体(以下、フィ
ルム等と略記する)は、耐衝撃強さ、引き裂き強さ、耐
熱性、耐油脂性等に於て優れており、他方、GPPS、
HIPS、AS、ABS、MBS等のポリスチレン系樹
脂を主材とするフィルム等は経済性、熱性形成に優れて
はいるが、この種の材料は、耐熱性、耐油脂性におい
て、用途上の制約は避け難い。そこで、従来より、ポリ
スチレン系樹脂材料にポリエステル樹脂材料を積層し
て、ポリスチレン系樹脂材料の付加価値を高める試みが
行われてきた。その開示例の一つは、ポリステレン系樹
脂フィルムとポリエステルに樹脂フィルムを加熱圧縮な
いし熱溶着だけで積層した多層構造体である(特表平1
−500893号公報)他の一つの開示例は同種または
異種の合性樹脂材料層間の接着層として不飽和カルボン
酸またはその誘導体をビニル芳香族化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体にグラフトした変性ブロック共
重合体を使用した積層物である(特開昭55−8751
1号公報)。
【本発明が解決しようとする問題点】ポリエステル樹脂
材料とポリスチレン系樹脂材料だけを、加熱圧縮ないし
熱溶着しただけでは、該公報の実施例の結果からも明白
のごとく、実用的な接着力(剥離強さ)を得ることは困
難である。また、不飽和カルボン酸またはその誘導体グ
ラフト変性ブロック共重合体を接着層として使用する場
合においては、該変性ブロック共重合体の耐熱安定性が
問題であり、特に共押出し多層フィルム成形法のごと
く、通常は共押出しダイ温度を、樹脂押出し温度の最高
のものの条件に合わせるため、熱分解して、着色した
り、グラフトした酸成分が遊離したりして、積層物の品
質を阻害することもあり得る。本発明の目的は、ポリエ
ステル樹脂材料層とポリスチレン系樹脂材料層との層間
接着層用材料として、特に高生産性の共押出し多層フィ
ルム成形法において、優れた耐熱安定性を有し、且つ実
用的な接着力を発現する新規材料を探究することであっ
た。本発明者は、種々研究を重ねた結果、ビニル芳香族
化合物ー共役ジエン化合物ブロック共重合体のエポキシ
化物が、本発明の目的に合致することを見いだし、本発
明を完成するの至った。
【課題を解決するための手段】本発明は第1の発明とし
て、少なくとも三層よりなり、それぞれ、順次、ポリア
ルキレンテレフタレート樹脂、ビニル芳香族化合物−共
役ジエン化合物ブロック共重合体のエポキシ化物、及
び、ポリエチレン系樹脂またはポリフェニレンエーテル
系樹脂を主材として形成されてなる積層構造体を、第2
の発明として第1の発明におけるポリアルキレンテレフ
タレートとしては、特にポリブテレンテレフタレートが
好適であることを、さらに、第3の発明として、本発明
積層構造体の特に好適な製造方法を、それぞれ提示する
ものである。以下、本発明の内容について、詳述する。
本発明に供するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物
ブロック共重合体のエポキシ化物(以下エポキシ化ブロ
ック共重合体と称す)を合成するための基体となるビニ
ル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体
(以下単にブロック共重合体と称す)の組成ならびに分
子構造は下記のごときものである。ブロック重合体を構
成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチ
ルスチレン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、
1,1−ジフェニルスチレン等のうちから1種または2
種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また共
役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オ
クタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等の内から
1種、又は2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソ
プレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。ここでい
うブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBとからなるブロック共重合体をい
い、ビニル芳香族と共役ジエン化合物の共重合比は、5
/95〜70/30であり、特に10/90〜60/4
0の重合比が好ましい。ブロック共重合体の数平均分子
量は5,000〜600,000、好ましくは、10,
000〜500,000の範囲であり、分子量分布(
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)]は10以下である。またブロック重合
体の分子構造は直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれら
の任意の組みあわせのいずれであってもよい。例えば、
A−B−A、B−A−B−A、(A−B−)4Si、A
−B−A−B−A等の構造を有するビニル芳香族化合物
−共役ジエン化合物ブロック重合体である。さらにブロ
ック重合体の共役ジエン化合物の不飽和結合は部分的に
水素添加したものでもよい。ブロック重合体の製造方法
としては上記した構造を有するものであればどのような
製造方法もとることもできる。たとえば特公昭40ー2
3798号、特公昭43−17979号、特公昭46−
32415号、特公昭56−28925号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中
でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重
合体を合成することができる。さらに特公昭42−87
04号公報特公昭43−6636号公報、あるいは特開
昭59−133203号公報に記載された方法により不
活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して、本
発明に供する部分的に水添えるしたブロック共重合体を
合成することができる。上記したブロック共重合体をエ
ポキシ化することにより本発明で使用されるエポキシ化
ブロック共重合体が得られる。エポキシ化ブロック共重
合体は上記のブロック共重合体を不活性触媒中でハイド
ロパーオキサイド類、過酸類等のエポキシ化剤と反応さ
せることにより得ることができる。過酸類としては、過
ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸などが
ある。このうち、過酢酸は工業的に大量に製造されてお
り、安価に入手でき、安定度も高いので好ましいエポキ
シ化剤である。ハイドロパーオキサイド類としては過酸
化水素、ターシャリブチルハイドロパーオキサイド、ク
メンパーオキサイド等がある。エポキシ化の際には必要
に応じて触媒を用いることができる。例えば、過酸の場
合、炭酸ソーダなどのアルカリや硫酸などの酸を触媒と
して用い得る。また、ハイドロパーオキサイド類の場
合、タングステン酸と苛性ソーダの混合物を過酸化水素
と、あるいは有機酸を過酸化水素と、あるいはモリブデ
ンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイドロパーオ
キサイドと併用して触媒効果を得ることができる。エポ
キシ化剤の量に厳密な規制がなく、そのぞれの場合にお
ける最適量は、使用する個々のエポキシ化剤、所望され
るエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合体など
のごとき可変要因によって決まる。不活性溶媒として
は、原料粘度の低下、エポキシ化剤の希釈による安定化
などの目的で使用することができ、過酢酸の場合であれ
ば芳香族化合物、エーテル類、エステル類などを用いる
ことができる。特に好ましい溶媒は、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、四塩化炭
素、クロロホルムである。エポキシ化反応条件には厳密
な規制はない。用いるエポキシ化剤の反応性によって使
用できる反応温度域は定まる。例えば、過酢酸について
いえば0〜70℃が好ましく、0℃以下では反応が遅
く、70℃を越えると過酢酸の分解が起こる。又、ハイ
ドロパーオキサイドの1例であるターシャルブチルハイ
ドロパーオキサイド/モノブデン二酸化物ジアセチルア
セトナート系では同じ理由で20℃〜150℃が好まし
い。反応混合物の特別な操作は必要なく、例えば混合物
を2〜10時間攪拌すればよい。得られたエポキシ変性
共重合体の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させ
る方法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留
除去する方法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
本発明に用いるポリアルキレンテレフタレート樹脂とし
ては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)また
は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)が一般
的に使用されるが、結晶化しやすいために、延伸処理を
しなくても、充分な物性のでるPBTが、特に好適であ
る。本発明に用いるPBT樹脂としては、PBTホモポ
リマーのみに限定されるものでなく、テレフタル酸成
分、1, 4−ブタンジオール成分以外の二価酸および
/またはジオールで一部置換した共重合タイプのもので
もよい。この場合PBTの特性を維持するためにPBT
骨格が50mol%以上であることが好適である。ま
た、ヒートシール性を与える目的で融点が205℃以下
の共重合タイプのものを使用することもできる。しかし
ながら融点を150℃以下に下げようとすると、PBT
の結晶化が著しく阻害されて、ブロッキングなどの問題
が発生するために実用的なフィルムが得られなくなる。
テレフタル酸の一部と置換可能な他の二価酸としては例
えば、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドテカン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1, 4
−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ン−2, 6−ジカルボン酸、ジフェニル−4, 4’
−ジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸などが例示される。これらの二価のカルボ
ン酸又はその酸無水物は1種または2種以上使用するこ
とができる。また1, 4ブタンジオール成分の一部と
置換可能なグリコールとしては、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジブロピレングリコール、トリブロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、
1, 3−ブチレングリコール、ネオピンチルグリコー
ル、1, 5−ペンタンジオール、1, 6ーヘキサン
ジオール、ポリメチレングリコールなどの脂肪族ジオー
ル;1, 4ーシクロヘキシルグリコール、1, 4−
シクロヘキサンジメタノール、2, 2−ビス(4−ヒ
ドロキシシクロヘキシル)プロパンなどや、水素化ビス
フェノールAと、エチレンオキサイドやプロピレンオキ
サイドなどのアルキレンオキサイドとの付加物などの脂
肪族ジオール;レゾルシノール、2, 2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ピロパン、ビスフェノールAと、
エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアル
キレンオキサイドとの付加物、例えば、2, 2−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、2,
2’−ビス(4−ヒドロキシジエトキシフェニル)プロ
パン、2, 2’−ビス(4−ヒドロキシポリエトキシ
フェニル)プロパン、2, 2’−ビス(4−ヒドロキ
シプロポキシフェニル)プロパン、2, 2−ビス(4
−ヒドロキシジプロポキシフェニル)プロパンなどの芳
香族ジオールが例示される。これらの二価のアルコール
は少なくとも一種以上混合して使用できる。またテレフ
タル酸成分及び1, 4−ブタンジオール成分の一部は
ヒドロキシカルボン酸で置換されていてもよい。ヒドロ
キシカルボン酸としては、グリコール酸、オキシプロピ
オン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸;ヒドロキシ
安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸が例示さ
れ、一種以上混合して使用できる。上記ポリブチレンテ
レフタレート系樹脂は、成膜性や機械的強度などを損な
わない範囲で適宜の分子量を有していてもよい。ポリブ
チレンテレフタレート系樹脂の重量平均分子量は、通
常、約5,000〜1,000,000、好ましくは1
0,000〜500,000程度である。ポリブチレン
テレフタレート系共重合体の固有粘度は、温度25±1
℃で溶媒о−クロロフェノールを用いたとき、少なくと
も約0.5dl/g以上好ましくは0.78〜2.5d
l /g程度である。本発明のポリスチレン系樹脂主材
層について説明する。この層は実質的にポリスチレンま
たは改質されたポリスチレンから構成される。本発明の
構造体は実質的にポリスチレンフィルムまたはゴムで改
質されたポリスチレンフィルムで構成された少なくとも
ひとつの層を含む。「実質的に構成される」とは、当該
層を構成している材料の全ポリマー成分の合計に対して
計算して50重量%より多く、好ましくは70重量%よ
り多くがポリスチレンまたはゴムで改質されたポリスチ
レンで構成されているということを意味する。ポリスチ
レンは、スチレンまたはα−メチルスチレンもしくはハ
ロゲン化スチレンのようなスチレン誘導体から誘導され
た単位からなるポリマー性の化合物を包含するものであ
る。これらのポリマーはゴム、例えばポリブタジエンゴ
ムで改質されていてもよい(いわゆる耐衝撃性ポリスチ
レン)。また上記のもの以外に、70wt%より多くが
ポリスチレンであるスチレン系樹脂、例えばポリスチレ
ン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロ
ニトリル−アクリレート−スチレン共重合樹脂、アクリ
ロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体と塩素化ポリ
エチレンとのブレンド樹脂、メチルメタクリレート−ブ
タジエン−スチレン共重合樹脂、スチレン−ブタジエン
樹脂などを使用することができる。さらに上記のポリス
チレン系樹脂に代替えしてポリスチレンと相容性、親和
性のある芳香族ポリエーテル樹脂、いわゆる変性ポリフ
ェニレンエーテル(PPE)を使用することができる。
変性ポリフェニレンエーテルの市販品としては、例えば
GEプラスチック社製品「ノリル」、旭化成社製品「ザ
イロン」、三菱ガス化学社製品「ユピエース」等があ
る。本発明になるフィルム、シートなちは板状の積層構
造体は、基本的にはポリエステル樹脂層とポリスチレン
系樹脂層とを、エポキシ化ブロック共重合体層を接着層
として一体に接合したものであり、各層間の接着力(す
なわち、剥離強さ)は、15mm幅の試片で少なくとも
500g、通常1,000g以上の値が得られる。ポリ
エステル樹脂層の厚さは通常5〜2,000μmであ
り、ポリスチレン系樹脂層の厚さは5〜5,000μm
であり、エポキシ化ブロック共重合体層の厚さは5〜1
00μmで積層構造体全体としては、20〜7,000
μmの範囲であることが好ましい。本発明の構造体は、
このような構造体に関して広く知られている方法に従っ
て得ることができる。たとえば別個の押出段階で得られ
た個々の層を積層したりすることもできるが、本発明積
層構造体の製造には、特に「共押出し多層フィルム成形
法」(プラスチック加工の基礎:高分子学会編工業調査
会発行(1982))が好適であり、本発明に供する接
着層の優れた耐熱性が役立つ。また「同時射出成形」も
可能である。本発明の構造体からは、たとえば冷間変
形、熱間変形、ブロー成形などによってあらゆる所望の
物品を製造することができる。こうして、高温(圧力を
組み合わせることも可能)で異なるフィルムを互いに接
合することにより、いろいろなフィルム層間の接着が得
られる。本発明の構造体は、包装材、建材、電気・電子
機器用部材、情報記録用材料などとして各種の用途に有
用であるが、特に、従来加熱を要しない食品の包装用途
にしか使用できなかったポリスチレン系樹脂材料に、本
発明による積層構造を付加することにより、加熱処理を
伴う乳製品、肉類等の包装剤として好適になる。以下
に、実施例により、本発明の特徴をさらに詳細に説明す
るが、本発明の技術思想はこれらに限定されるものでは
ない。
【実施例】
1. 実施例および比較例の積層構造体製造のための各
層形成用主材を表1に示した。
【表1】 エポキシ−1およびエポキシ−2の合成は、下記のごと
くに行った。 エポキシ−1 攪拌後、 還流冷却管、および温度系を備えたジャケッ
ト付反応器にポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチ
レンのブロック共重合体(日本合成ゴム(株)製、商品
名:TR2000)300g、酢酸エチル1500gを
仕込み溶解した。ついで過酢酸の30wt%酢酸エチル
溶液169gを連続滴下させ、攪拌下40℃で3時間エ
ポキシ化反応を行った。反応液を常温にもどして反応器
より取り出し、多量のメタノールを加えて重合体を析出
させ、濾別後水洗し、乾燥させエポキシ変性重合体を得
た。得られたエポキシ変性重合体を重合体Aとする(重
合体のエポキシ当量は470)。 エポキシ−2 攪拌後、 還流冷却管、および温度計を備えたジャケッ
ト付反応器にポリスチレン−ポリブタジエン−ポリエチ
レンのブロック共重合体の部分水添物であるポリスチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成(株)製、商
品名:タフテックH−1041)300g、シクロヘキ
サン1,500gを仕込み溶解した。ついで過酢酸の3
0重量%酢酸エチル溶液39gを連続滴下させ、攪拌下
50℃で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常温
にもどして反応器より取り出し、多量のメタノールを加
えて重合体を析出させ、濾別後水洗し、乾燥させたエポ
キシ変性重合体を得た。得られたエポキシ変性重合体を
重合体Fとする(重合体のエポキシ当量は5,34
0)。なお、合成したエポキシ化ブロック共重合体のエ
ポキシ当量は、臭化水素酸で滴定し、下記の式より算出
した。 2. 実施例1〜6および比較例1〜4の積層シート体
の成形と層間接着強度の測定 2−1 積層シート成形 単軸押出し機を3台有するフイードポートブロック方式
共押出しTダイ成形機を用い、表2に示した層構成によ
り、PBT使用時はダイ温度を240℃、PET使用時
はダイ温度を270℃として、成形した。成形シート各
層の仕上がり厚さはいずれの場合も、ほぼ第1層50μ
m、第2層20μm、第3層180μmとした。 2−2 層間接着強度の測定 15mm巾、300mm/minの引張り速度でT型は
くり強さを測定した。測定結果を第3表に掲示した。
【表2】
【表3】
【発明の効果】叙上のごとく、本発明になる積層構造体
は、汎用ポリスチレン系樹脂フィルム0などにPBT樹
脂などの耐熱性、耐油性フィルムなどを耐熱安定性に優
れたエポキシ化ブロック共重合体を接着層として積層し
て構成されているので、層間接着力はハイレベルであ
り、加えて、高温下の共押出し多層フィルム成形法によ
り高い生産性と安全性でもって製造することができる。
本発明の積層構造体は、包装材、建材、電気・電子機用
部材、情報記録用材料などとして、各種の用途が期待で
きる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 積層構造体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装剤、建材、電
気・電子機器用部材、情報・記録用材料等として有用な
多層フィルム、シートまたは板状体に係るものであり、
くわしくは特定の合成樹脂層間を特定の接着剤層で一体
に接合した積層構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートで代表されるポリアルキレンテレフ
タレート樹脂(以下、ポリエステル樹脂と略記する)を
主材とするフィルム、シート、又は板状体(以下、フィ
ルム等と略記する)は、耐衝撃強さ、引き裂き強さ、耐
熱性、耐油脂性等に於て優れており、他方、GPPS、
HIPS、AS、ABS、MBS等のポリスチレン系樹
脂を主材とするフィルム等は経済性、熱性形成に優れて
はいるが、この種の材料は、耐熱性、耐油脂性におい
て、用途上の制約は避け難い。
【0003】そこで、従来より、ポリスチレン系樹脂材
料にポリエステル樹脂材料を積層して、ポリスチレン系
樹脂材料の付加価値を高める試みが行われてきた。その
開示例の一つは、ポリステレン系樹脂フィルムとポリエ
ステルに樹脂フィルムを加熱圧縮ないし熱溶着だけで積
層した多層構造体である(特表平1−500893号公
報)他の一つの開示例は同種または異種の合性樹脂材料
層間の接着層として不飽和カルボン酸またはその誘導体
をビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重
合体にグラフトした変性ブロック共重合体を使用した積
層物である(特開昭55−87511号公報)。
【0004】
【本発明が解決しようとする問題点】ポリエステル樹脂
材料とポリスチレン系樹脂材料だけを、加熱圧縮ないし
熱溶着しただけでは、該公報の実施例の結果からも明白
のごとく、実用的な接着力(剥離強さ)を得ることは困
難である。また、不飽和カルボン酸またはその誘導体グ
ラフト変性ブロック共重合体を接着層として使用する場
合においては、該変性ブロック共重合体の耐熱安定性が
問題であり、特に共押出し多層フィルム成形法のごと
く、通常は共押出しダイ温度を、樹脂押出し温度の最高
のものの条件に合わせるため、熱分解して、着色した
り、グラフトした酸成分が遊離したりして、積層物の品
質を阻害することもあり得る。
【0005】本発明の目的は、ポリエステル樹脂材料層
とポリスチレン系樹脂材料層との層間接着層用材料とし
て、特に高生産性の共押出し多層フィルム成形法におい
て、優れた耐熱安定性を有し、且つ実用的な接着力を発
現する新規材料を探究することであった。本発明者は、
種々研究を重ねた結果、ビニル芳香族化合物−共役ジエ
ン化合物ブロック共重合体のエポキシ化物が、本発明の
目的に合致することを見いだし、本発明を完成するの至
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は第1の発明とし
て、少なくとも三層よりなり、それぞれ、順次、ポリア
ルキレンテレフタレート樹脂、ビニル芳香族化合物−共
役ジエン化合物ブロック共重合体のエポキシ化物、及
び、ポリエチレン系樹脂またはポリフェニレンエーテル
系樹脂を主材として形成されてなる積層構造体を、第2
の発明として第1の発明におけるポリアルキレンテレフ
タレートとしては、特にポリブテレンテレフタレートが
好適であることを、さらに、第3の発明として、本発明
積層構造体の特に好適な製造方法を、それぞれ提示する
ものである。以下、本発明の内容について、詳述する。
【0007】本発明に供するビニル芳香族化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体のエポキシ化物(以下エ
ポキシ化ブロック共重合体と称す)を合成するための基
体となるビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロッ
ク共重合体(以下単にブロック共重合体と称す)の組成
ならびに分子構造は下記のごときものである。
【0008】ブロック重合体を構成するビニル芳香族化
合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレン、ジビニル
ベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニルス
チレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、中
でもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物として
は、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペ
リレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル
−1,3−ブタジエン等の内から1種、又は2種以上が
選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの
組み合わせが好ましい。ここでいうブロック共重合体と
は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA
と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBと
からなるブロック共重合体をいい、ビニル芳香族と共役
ジエン化合物の共重合比は、5/95〜70/30であ
り、特に10/90〜60/40の重合比が好ましい。
【0009】ブロック共重合体の数平均分子量は5,0
00〜600,000、好ましくは、10,000〜5
00,000の範囲であり、分子量分布(重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/M
n)]は10以下である。またブロック重合体の分子構
造は直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組
みあわせのいずれであってもよい。
【0010】例えば、A−B−A、B−A−B−A、
(A−B−)4Si、A−B−A−B−A等の構造を有
するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック重
合体である。さらにブロック重合体の共役ジエン化合物
の不飽和結合は部分的に水素添加したものでもよい。
【0011】ブロック重合体の製造方法としては上記し
た構造を有するものであればどのような製造方法もとる
こともできる。たとえば特公昭40−23798号、特
公昭43−17979号、特公昭46−32415号、
特公昭56−28925号公報に記載された方法によ
り、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳香
族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成す
ることができる。さらに特公昭42−8704号公報特
公昭43−6636号公報、あるいは特開昭59−13
3203号公報に記載された方法により不活性溶媒中で
水素添加触媒の存在下に水素添加して、本発明に供する
部分的に水添えるしたブロック共重合体を合成すること
ができる。
【0012】上記したブロック共重合体をエポキシ化す
ることにより本発明で使用されるエポキシ化ブロック共
重合体が得られる。エポキシ化ブロック共重合体は上記
のブロック共重合体を不活性触媒中でハイドロパーオキ
サイド類、過酸類等のエポキシ化剤と反応させることに
より得ることができる。
【0013】過酸類としては、過ギ酸、過酢酸、過安息
香酸、トリフルオロ過酢酸などがある。このうち、過酢
酸は工業的に大量に製造されており、安価に入手でき、
安定度も高いので好ましいエポキシ化剤である。ハイド
ロパーオキサイド類としては過酸化水素、ターシャリブ
チルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等
がある。
【0014】エポキシ化の際には必要に応じて触媒を用
いることができる。例えば、過酸の場合、炭酸ソーダな
どのアルカリや硫酸などの酸を触媒として用い得る。ま
た、ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸
と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸
を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニル
をターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して
触媒効果を得ることができる。
【0015】エポキシ化剤の量に厳密な規制がなく、そ
のぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポキ
シ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブロ
ック共重合体などのごとき可変要因によって決まる。
【0016】不活性溶媒としては、原料粘度の低下、エ
ポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で使用するこ
とができ、過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エーテ
ル類、エステル類などを用いることができる。特に好ま
しい溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベ
ンゼン、酢酸エチル、四塩化炭素、クロロホルムであ
る。エポキシ化反応条件には厳密な規制はない。用いる
エポキシ化剤の反応性によって使用できる反応温度域は
定まる。例えば、過酢酸についていえば0〜70℃が好
ましく、0℃以下では反応が遅く、70℃を越えると過
酢酸の分解が起こる。又、ハイドロパーオキサイドの1
例であるターシャルブチルハイドロパーオキサイド/モ
ノブデン二酸化物ジアセチルアセトナート系では同じ理
由で20℃〜150℃が好ましい。反応混合物の特別な
操作は必要なく、例えば混合物を2〜10時間攪拌すれ
ばよい。得られたエポキシ変性共重合体の単離は適当な
方法、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、重合体を熱水中
に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶
媒法などで行うことができる。
【0017】本発明に用いるポリアルキレンテレフタレ
ート樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂
(PET)または、ポリブチレンテレフタレート樹脂
(PBT)が一般的に使用されるが、結晶化しやすいた
めに、延伸処理をしなくても、充分な物性のでるPBT
が、特に好適である。
【0018】本発明に用いるPBT樹脂としては、PB
Tホモポリマーのみに限定されるものでなく、テレフタ
ル酸成分、1,4−ブタンジオール成分以外の二価酸お
よび/またはジオールで一部置換した共重合タイプのも
のでもよい。この場合PBTの特性を維持するためにP
BT骨格が50mol%以上であることが好適である。
また、ヒートシール性を与える目的で融点が205℃以
下の共重合タイプのものを使用することもできる。しか
しながら融点を150℃以下に下げようとすると、PB
Tの結晶化が著しく阻害されて、ブロッキングなどの問
題が発生するために実用的なフィルムが得られなくな
る。
【0019】テレフタル酸の一部と置換可能な他の二価
酸としては例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドテカン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族
ジカルボン酸;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニル−
4,4’−ジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸などが例示される。これらの二価
のカルボン酸又はその酸無水物は1種または2種以上使
用することができる。
【0020】また1,4ブタンジオール成分の一部と置
換可能なグリコールとしては、例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジブロピレングリコール、トリブロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、ネオピンチルグリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ポリメチレングリコールなどの脂肪族ジオール;
1,4−シクロヘキシルグリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシ
クロヘキシル)プロパンなどや、水素化ビスフェノール
Aと、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなど
のアルキレンオキサイドとの付加物などの脂肪族ジオー
ル;レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ピロパン、ビスフェノールAと、エチレンオキ
サイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサ
イドとの付加物、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−
ヒドロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−
ビス(4−ヒドロキシポリエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシプロポキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジプロポ
キシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオールが例示さ
れる。これらの二価のアルコールは少なくとも一種以上
混合して使用できる。
【0021】またテレフタル酸成分及び1,4−ブタン
ジオール成分の一部はヒドロキシカルボン酸で置換され
ていてもよい。ヒドロキシカルボン酸としては、グリコ
ール酸、オキシプロピオン酸などの脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸;ヒドロキシ安息香酸などの芳香族ヒドロキシ
カルボン酸が例示され、一種以上混合して使用できる。
【0022】上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂
は、成膜性や機械的強度などを損なわない範囲で適宜の
分子量を有していてもよい。ポリブチレンテレフタレー
ト系樹脂の重量平均分子量は、通常、約5,000〜
1,000,000、好ましくは10,000〜50
0,000程度である。
【0023】ポリブチレンテレフタレート系共重合体の
固有粘度は、温度25±1℃で溶媒o−クロロフェノー
ルを用いたとき、少なくとも約0.5dl/g以上好ま
しくは0.78〜2.5dl/g程度である。
【0024】本発明のポリスチレン系樹脂主材層につい
て説明する。この層は実質的にポリスチレンまたは改質
されたポリスチレンから構成される。
【0025】本発明の構造体は実質的にポリスチレンフ
ィルムまたはゴムで改質されたポリスチレンフィルムで
構成された少なくともひとつの層を含む。「実質的に構
成される」とは、当該層を構成している材料の全ポリマ
ー成分の合計に対して計算して50重量%より多く、好
ましくは70重量%より多くがポリスチレンまたはゴム
で改質されたポリスチレンで構成されているということ
を意味する。
【0026】ポリスチレンは、スチレンまたはα−メチ
ルスチレンもしくはハロゲン化スチレンのようなスチレ
ン誘導体から誘導された単位からなるポリマー性の化合
物を包含するものである。これらのポリマーはゴム、例
えばポリブタジエンゴムで改質されていてもよい(いわ
ゆる耐衝撃性ポリスチレン)。
【0027】また上記のもの以外に、70wt%より多
くがポリスチレンであるスチレン系樹脂、例えばポリス
チレン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アク
リロニトリル−アクリレート−スチレン共重合樹脂、ア
クリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン共重
合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体と塩素化
ポリエチレンとのブレンド樹脂、メチルメタクリレート
−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、スチレン−ブタジ
エン樹脂などを使用することができる。
【0028】さらに上記のポリスチレン系樹脂に代替え
してポリスチレンと相容性、親和性のある芳香族ポリエ
ーテル樹脂、いわゆる変性ポリフェニレンエーテル(P
PE)を使用することができる。変性ポリフェニレンエ
ーテルの市販品としては、例えばGEプラスチック社製
品「ノリル」、旭化成社製品「ザイロン」、三菱ガス化
学社製品「ユピエース」等がある。本発明になるフィル
ム、シートなちは板状の積層構造体は、基本的にはポリ
エステル樹脂層とポリスチレン系樹脂層とを、エポキシ
化ブロック共重合体層を接着層として一体に接合したも
のであり、各層間の接着力(すなわち、剥離強さ)は、
15mm幅の試片で少なくとも500g、通常1,00
0g以上の値が得られる。ポリエステル樹脂層の厚さは
通常5〜2,000μmであり、ポリスチレン系樹脂層
の厚さは5〜5,000μmであり、エポキシ化ブロッ
ク共重合体層の厚さは5〜100μmで積層構造体全体
としては、20〜7,000μmの範囲であることが好
ましい。
【0029】本発明の構造体は、このような構造体に関
して広く知られている方法に従って得ることができる。
たとえば別個の押出段階で得られた個々の層を積層した
りすることもできるが、本発明積層構造体の製造には、
特に「共押出し多層フィルム成形法」(プラスチック加
工の基礎:高分子学会編工業調査会発行(1982))
が好適であり、本発明に供する接着層の優れた耐熱性が
役立つ。また「同時射出成形」も可能である。本発明の
構造体からは、たとえば冷間変形、熱間変形、ブロー成
形などによってあらゆる所望の物品を製造することがで
きる。こうして、高温(圧力を組み合わせることも可
能)で異なるフィルムを互いに接合することにより、い
ろいろなフィルム層間の接着が得られる。
【0030】本発明の構造体は、包装材、建材、電気・
電子機器用部材、情報記録用材料などとして各種の用途
に有用であるが、特に、従来加熱を要しない食品の包装
用途にしか使用できなかったポリスチレン系樹脂材料
に、本発明による積層構造を付加することにより、加熱
処理を伴う乳製品、肉類等の包装剤として好適になる。
以下に、実施例により、本発明の特徴をさらに詳細に説
明するが、本発明の技術思想はこれらに限定されるもの
ではない。
【0031】
【実施例】 1.実施例および比較例の積層構造体製造のための各層
形成用主材を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【0034】エポキシ−1およびエポキシ−2の合成
は、下記のごとくに行った。 エポキシ−1 攪拌後、還流冷却管、および温度系を備えたジャケット
付反応器にポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレ
ンのブロック共重合体(日本合成ゴム(株)製、商品
名:TR2000)300g、酢酸エチル1500gを
仕込み溶解した。ついで過酢酸の30wt%酢酸エチル
溶液169gを連続滴下させ、攪拌下40℃で3時間エ
ポキシ化反応を行った。反応液を常温にもどして反応器
より取り出し、多量のメタノールを加えて重合体を析出
させ、濾別後水洗し、乾燥させエポキシ変性重合体を得
た。得られたエポキシ変性重合体を重合体Aとする(重
合体のエポキシ当量は470)。
【0035】エポキシ−2 攪拌後、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付反応器にポリスチレン−ポリブタジエン−ポリエチレ
ンのブロック共重合体の部分水添物であるポリスチレン
−ブタジエンブロック共重合体(旭化成(株)製、商品
名:タフテックH−1041)300g、シクロヘキサ
ン1,500gを仕込み溶解した。ついで過酢酸の30
重量%酢酸エチル溶液39gを連続滴下させ、攪拌下5
0℃で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常温に
もどして反応器より取り出し、多量のメタノールを加え
て重合体を析出させ、濾別後水洗し、乾燥させたエポキ
シ変性重合体を得た。得られたエポキシ変性重合体を重
合体Fとする(重合体のエポキシ当量は5,340)。
【0036】なお、合成したエポキシ化ブロック共重合
体のエポキシ当量は、臭化水素酸で滴定し、下記の式よ
り算出した。
【0037】
【数1】
【0038】2.実施例1〜6および比較例1〜4の積
層シート体の成形と層間接着強度の測定
【0039】2−1積層シート成形 単軸押出し機を3台有するフイードポートブロック方式
共押出しTダイ成形機を用い、表2に示した層構成によ
り、PBT使用時はダイ温度を240℃、PET使用時
はダイ温度を270℃として、成形した。成形シート各
層の仕上がり厚さはいずれの場合も、ほぼ第1層50μ
m、第2層20μm、第3層180μmとした。
【0040】2−2層間接着強度の測定 15mm巾、300mm/minの引張り速度でT型は
くり強さを測定した。測定結果を第3表に掲示した。
【0041】
【表2】
【0042】
【0043】
【表3】
【0044】
【0045】
【発明の効果】叙上のごとく、本発明になる積層構造体
は、汎用ポリスチレン系樹脂フィルム0などにPBT樹
脂などの耐熱性、耐油性フィルムなどを耐熱安定性に優
れたエポキシ化ブロック共重合体を接着層として積層し
て構成されているので、層間接着力はハイレベルであ
り、加えて、高温下の共押出し多層フィルム成形法によ
り高い生産性と安全性でもって製造することができる。
本発明の積層構造体は、包装材、建材、電気・電子機用
部材、情報記録用材料などとして、各種の用途が期待で
きる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも三層よりなり、それぞれ、順
    次、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ビニル芳香族
    化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体のエポキシ
    化物、及び、ポリエチレン系樹脂またはポリフェニレン
    エーテル系樹脂を主材として形成されてなる積層構造
    体。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレンテレフタレートがポリブ
    チレンテレフタレートである請求項1に記載の積層構造
    体。
  3. 【請求項3】 共押出し多層フィルム成形法により多層
    化することを特徴とする請求項1に記載の積層構造体の
    製造方法。
JP7187096A 1995-07-24 1995-07-24 積層構造体 Pending JPH0929915A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000039189A1 (en) * 1998-12-23 2000-07-06 3M Innovative Properties Company Electronic circuit device comprising an epoxy-modified aromatic vinyl-conjugated diene block copolymer
US6153307A (en) * 1998-07-30 2000-11-28 Nova Chemicals Inc. Compatibilizer and laminates containing said compatibilizer

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