JPH09296011A - 重合体水性分散液及びその製造方法 - Google Patents

重合体水性分散液及びその製造方法

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JPH09296011A
JPH09296011A JP10922196A JP10922196A JPH09296011A JP H09296011 A JPH09296011 A JP H09296011A JP 10922196 A JP10922196 A JP 10922196A JP 10922196 A JP10922196 A JP 10922196A JP H09296011 A JPH09296011 A JP H09296011A
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潤 白髪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造粘性が小さく、ニュートニアン流動に近
い流動特性を示し、高濃度化しても優れた流動性を維持
し、更に保水性も良好なアルカリ可溶又は膨潤性重合体
水性分散液を提供する。 【解決手段】 カルボキシル基含有エチレン性不飽和単
量体(a−1)としてメタクリル酸、炭素原子数1〜8
のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−
2)としてエチルアクリレート、炭素原子数9〜20の
アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−3)
としてラウリルアクリレートを用いて、単量体混合物の
プレエマルジョンを作成し、これを重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリに可溶また
は膨潤する重合体の水性分散液に関するものである。
【0002】さらに詳しくは、重合体水性分散液にアル
カリ性物質を添加して、エチレン性重合体(A)を可溶
もしくは膨潤させることにより水性媒体を増粘し、また
はその他の結合剤(重合体樹脂等)や顔料、フィラー、
充填剤等を含有する水性媒体を増粘し、或いは重合体水
性分散液を添加することによりその配合液の粘性、保水
性を調整することを目的として使用されるものであり、
本発明の重合体水性分散液は、強い増粘効果があり、コ
ーティング用途の応用分野において優れた流動特性、保
水性を発現するものである。
【0003】
【従来の技術】水系組成物用の増粘剤は、種々の用途で
使用されており、塗料、紙塗工、繊維の裏打ち剤等のコ
ーティング加工用途で使用される場合、塗工時に良好な
流動性が要求されており、特に高せん断力を付与した場
合においても適切な粘度を維持できる性能が要求されて
いる。
【0004】一方、塗工液組成物を紙、繊維、コンクリ
ート等の多孔質基材に塗工する際には保水性が要求され
ている。この保水性とは、塗工液組成物の水保持力のこ
とであり、保水性が不足すると、塗工時に組成物中の水
分が基材に急激に浸透し、その結果組成物の固型分濃度
が上昇し、はけ塗りの場合にははけ邑が、高速塗工機で
塗工する場合にはストリークと呼ばれる細かい窪みが塗
工面に発生し、外観を著しく損なうという問題を有して
いた。
【0005】そこで従来より、流動性や保水性を改善す
る方法として、アルカリ可溶性共重合体ラテックスを用
いる方法が提案されており、例えば、特公平2−220
88号公報には、単量体としてエチレン系不飽和モノカ
ルボン酸30〜50重量%、炭素数が1〜8のアルキル
基を有するアクリル酸アルキルエステル30〜65重量
%、酢酸ビニル5〜20重量%から成る重合体ラテック
スであり、且つ該ラテックスのHLBが12.4〜1
7.9であるアルカリ可溶性共重合体ラテックスが開示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特公平2
−22088号公報に記載されたアルカリ可溶性ラテッ
クスは、アルカリ成分を添加して増粘した時の粘度が低
く、また流動性がラテックス特有の構造粘性的な流動挙
動となり、ニュートニアン流動に近い流動特性が得られ
ないものであった。
【0007】即ち、塗工時の高せん断速度下において最
適な粘度が保持され、また、生産性の向上を目的として
塗工速度をアップした場合においても平滑な塗工面を形
成する為には、塗工液組成物がニュートニアン流動に近
い流動挙動であることが好ましいが、上記従来のアルカ
リ可溶性ラテックスではこの様な性能が発現されないも
のであった。
【0008】また、該ラテックスは、塗工液組成物の固
形分濃度を高めた場合に粘度が大きく上昇する為、乾燥
性を高めるべく固形分濃度を高濃度化することが不可能
になるという欠点があり、また、保水性についても充分
ではないため、塗装面の外観を損なうという課題を有し
ていた。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、塗工液
組成物に対して優れた流動性、即ち構造粘性が小さくニ
ュートニアン流動に近い流動挙動を発現し、また、塗工
液組成物を高濃度化した場合においても流動性を保持
し、更に、優れた保水性をも兼備したアルカリ可溶性ま
たは膨潤性重合体水性分散液を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、アルカリ可溶性または
膨潤性重合体水性分散液として、重合体側鎖にカルボキ
シル基と、炭素原子数1〜8のアルキル基と、炭素原子
数9〜20のアルキル基とを有する、重量平均分子量2
0,000以上で且つゲル分率90重量%以下のエチレ
ン性重合体を用いることにより、良好な流動性、保水性
を同時に付与し、さらに、塗工液組成物を高濃度化した
時にも流動性を保持することを見いだし、本発明を完成
するに至った。
【0011】即ち、本発明は、重合体側鎖にカルボキシ
ル基と、炭素原子数1〜8のアルキル基と、炭素原子数
9〜20のアルキル基とを有する、重量平均分子量2
0,000以上で、且つ、ゲル分率90重量%以下のエ
チレン性重合体(A)と、水性媒体(B)とを必須成分
とすることを特徴とする重合体水性分散液、及び、カル
ボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)と、
炭素原子数1〜8のアルキル基を含有するエチレン性不
飽和単量体(a−2)と、炭素原子数9〜20のアルキ
ル基を含有するエチレン性不飽和単量体(a−3)とを
必須の成分として、水性媒体(B)中で重合することを
特徴とする重合体水性分散液の製造方法に関する。
【0012】本発明の重合体水性分散液におけるエチレ
ン性重合体(A)中のカルボキシル基は、後述するアル
カリ性(塩基性)物質で中和されることにより重合体自
体の親水性を増大させ、重合体を水性媒体に可溶または
膨潤させるために用いられるものである。
【0013】エチレン性重合体(A)中のカルボキシル
基の含有量は、特に制限を受けるものではないが、重合
体をアルカリ性物質で水性媒体に可溶または膨潤させる
ためには酸価で150以上含まれることが好ましい。即
ち、カルボキシル基の含有量がエチレン性重合体(A)
中に酸価で150以上においては、アルカリ性物質を添
加させた際の重合体の水への溶解性が向上し、目的とす
る水性媒体の粘度を上昇させるという効果が顕著なもの
となる。
【0014】一方、得られる塗工液組成物に配合した時
の流動性、即ち液組成物を高せん断速度下で塗工する際
に適正な粘度を保持するという面から、エチレン性重合
体(A)中のカルボキシル基の含有量は酸価で400以
下とすることが好ましい。即ち、カルボキシル基の含有
量がエチレン性重合体(A)中に酸価で400以下にお
いては、アルカリ性物質を添加させた際の粘度の過度の
上昇を防止できる他、流動挙動がよりニュートニアン流
動に近くなる。
【0015】即ち、アルカリ性物質で可溶または膨潤し
て塗工液組成物を増粘させる効果、並びに、流動性との
バランスの点からエチレン性重合体(A)の酸価が15
0〜400の範囲であることが好ましい。
【0016】ここで、酸価とは、エチレン性重合体
(A)中に含まれるカルボキシル基の量を表す数値で、
エチレン性重合体(A)1g中に含まれる遊離カルボキ
シル基を中和するために要する水酸化カリウムのmg数
であり、測定は後述する実施例にて示される条件で実施
される。
【0017】次に、エチレン性重合体(A)の分子量
は、塗工液組成物に十分な粘度を付与するという点か
ら、重量平均分子量で20,000以上である。即ち、
重合体の重量平均分子量が20,000未満の場合は、
アルカリ性物質を添加した場合においても塗工液組成物
に良好な粘度を付与することが困難になる。
【0018】ここで重量平均分子量とは、エチレン性重
合体(A)を構成するポリマーを溶媒(テトラヒドロフ
ラン)に溶解してゲル・パーミエーション・クロマトグ
ラフ(GPC法)で測定することにより行われるポリス
チレン換算での重量平均分子量を示し、測定は後記の実
施例にて示される条件で実施される。
【0019】エチレン性重合体(A)の重量平均分子量
は、20,000以上であれば特に限定されず、例えば
分子量を高くするためにエチレン性重合体(A)を三次
元に架橋せしめていてもよいが、但しエチレン性重合体
(A)のアセトン不溶解分で表されるゲル分率が90重
量%以下である必要がある。
【0020】即ち、エチレン性重合体(A)のゲル分率
が90重量%を越えると、アルカリ性物質を添加した際
に重合体が水性媒体に可溶または膨潤し難くなり、塗工
液組成物に良好な粘性を付与するとが困難になる。
【0021】本発明におけるエチレン性重合体(A)の
ゲル分率とは、エチレン性重合体(A)を構成するポリ
マーがどの程度架橋結合に関与しているかということを
示す指標となるものであり、これは上記ポリマーの溶剤
不溶解分(重量%)を測定することにより表される。
【0022】具体的には、エチレン性重合体(A)また
はエチレン性重合体(A)を含む水性分散液からポリマ
ーの皮膜を形成し、これをアセトンに浸漬して架橋結合
に関与しないポリマーを溶出させ、残存するアセトン不
溶解分を測定することにより行われ、測定方法は後記の
実施例にて示される条件で実施する方法が挙げられる。
【0023】次に、エチレン性重合体(A)は、重合体
側鎖にカルボキシル基の他、炭素原子数1〜8のアルキ
ル基と、炭素原子数9〜20のアルキル基とを必須の成
分として有する。
【0024】重合体側鎖に導入される炭素原子数1〜8
のアルキル基は、エチレン性重合体(A)の酸価を前述
の如く適正な範囲にして重合体の親水性を調整し、エチ
レン性重合体(A)にアルカリ性物質を添加した際に、
重合体を溶解もしくは膨潤させて塗工液組成物に最適な
粘度を付与するために使用されるものである。
【0025】炭素原子数1〜8のアルキル基として具体
的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso
−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の直
鎖状、分岐状または環状のアルキル基が挙げられる。
【0026】特に、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチ
ル基、tert−ブチル基等の炭素原子数1〜4のアル
キル基を側鎖に導入した場合、重合体水性分散液にアル
カリ性物質を添加した際の粘度の上昇を大きくすること
ができるため好ましく、その中でも、特に、メチル基、
エチル基を導入した場合に前述の粘度上昇効果が大きい
ため好ましい。
【0027】重合体側鎖に導入される炭素原子数1〜8
のアルキル基の含有量は、エチレン性重合体(A)中の
カルボキシル基、アルキル基の全モル数に対するモル比
で30〜75モル%の範囲で含まれることが好ましい。
【0028】即ち、炭素原子数1〜8のアルキル基が3
0モル%以上の場合、重合体水性分散液にアルカリ性物
質を添加した際のアルカリ可溶性またはアルカリ膨潤性
が良好なものとなり、一方、炭素原子数1〜8のアルキ
ル基が75モル%以下の場合には、導入されるカルボキ
シル基の含有量を適量に調整できる点から、この場合も
重合体水性分散液にアルカリ性物質を添加した際のアル
カリ可溶性またはアルカリ膨潤性が良好なものとなる。
【0029】一方、重合体側鎖に導入される炭素原子数
9〜20のアルキル基は、エチレン性重合体(A)側鎖
に疎水性基として導入され、この疎水性基を導入するこ
とにより重合体水性分散液にアルカリ性物質を添加した
際の粘度の上昇を大きくすることができ、カルボキシル
基の導入量を酸価で400以下に抑制した場合において
も塗工液組成物に十分な粘度を付与することができる。
【0030】また、炭素原子数9〜20のアルキル基を
導入した場合の増粘物の流動特性は、導入されていない
ものと比較して、構造粘性的な流動挙動が小さくなり、
高せん断速度下において最適な粘度を保持することがで
きる。
【0031】即ち、上述の炭素原子数9〜20のアルキ
ル基をエチレン性重合体(A)に導入することにより、
酸価を400以下とした場合においても優れた増粘効果
が得られ、且つ、流動特性として構造粘性の小さいニュ
ートニアン粘性に近い塗工液組成物が得られる。
【0032】さらに、炭素原子数9〜20のアルキル基
を導入した場合、その他の結合剤(重合体樹脂等)や顔
料、フィラー、充填剤等と混和した塗工液組成物に優れ
た保水性を付与できる。
【0033】このような炭素原子数9〜20(但しエス
テル結合の炭素原子は除く)のアルキル基として具体的
には、ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル
基、セチル基、ステアリル基等の直鎖状または分岐状ア
ルキル基;ジシクロペンタニル基、イソボルニル基等の
環状アルキル基等が挙げられる。
【0034】特に、ノニル基、デシル基、ラウリル基、
トリデシル基、セチル基、ステアリル基等の直鎖状アル
キル基を導入した場合、重合体水性分散液にアルカリ性
物質を添加した際の粘度の上昇を大きくすることがで
き、さらに塗工液組成物の保水性の向上効果が大きいた
め好ましい。
【0035】重合体側鎖に導入される炭素原子数9〜2
0のアルキル基の含有量は、エチレン性重合体(A)中
のカルボキシル基、アルキル基の全モル数に対するモル
比で、0.1〜5モル%の範囲で含まれることが好まし
い。即ち、炭素原子数9〜20のアルキル基が0.1モ
ル%以上においては、重合体水性分散液にアルカリ性物
質を添加した際の系の粘度を上昇させる効果が顕著なも
のとなり、一方、炭素原子数9〜20のアルキル基が5
モル%以下においては、塗工液組成物の保水性が著しく
良好なものとなる。
【0036】即ち、本発明のエチレン性重合体(A)中
のカルボキシル基と、炭素原子数1〜8のアルキル基
と、炭素原子数9〜20のアルキル基との存在比は、カ
ルボキシル基/炭素原子数1〜8のアルキル基/炭素原
子数9〜20のアルキル基のモル比で、25〜70モル
%/30〜75モル%/0.1〜5モル%であること
が、エチレン性重合体(A)にアルカリ性物質を添加し
た際にアルカリ可溶性もしくはアルカリ膨潤性とし、且
つ塗工液組成物に良好な粘性、保水性を付与するという
点から好ましい。
【0037】エチレン性重合体(A)の重合体側鎖に導
入される炭素原子数1〜8のアルキル基、及び炭素原子
数9〜20のアルキル基は、重合体主鎖に直接連結され
ていてもよいし、重合体主鎖と連結基を介して連結され
ていてもよい。
【0038】重合体主鎖との連結基としては、エーテル
基、エステル基、アミド基、チオエーテル基、チオエス
テル基等が挙げられるが、エチレン性重合体(A)にア
ルカリ性物質を添加した際にアルカリ可溶性もしくはア
ルカリ膨潤性を付与し、且つ塗工液組成物に良好な保水
性を持たせるには、該連結基がエステル基であることが
好ましい。
【0039】エチレン性重合体(A)の重合体側鎖には
前述のカルボキシル基、アルキル基の他、さらに水素結
合を形成し得る官能基を導入することにより、塗工液組
成物の保水性を向上させることができ好ましい。水素結
合を形成し得る官能基として、特に、アミド基、水酸
基、ポリオキシアルキレン基、又は、スルホン酸基若し
くはサルフェート基を導入した場合、保水性の向上効果
が大きいため好ましい。
【0040】重合体側鎖に導入される水素結合を形成し
得る官能基の含有量は、エチレン性重合体(A)の全単
量体単位を100モルとした場合に、0〜20モルの範
囲で含まれることが好ましい。
【0041】即ち、水素結合を形成し得る官能基が20
モルを越える場合、重合体水性分散液製造時及び貯蔵時
の安定性が悪くなるため好ましくない。
【0042】エチレン性重合体(A)の形態は、重合体
水性分散液のpHが6以下の場合、即ち、アルカリ性物
質で可溶もしくは膨潤させる前の状態では水性媒体
(B)中に分散する粒子の形態をとるものである。
【0043】その粒子径は、特に限定されるものではな
いが、塗工液組成物に適当な粘性を付与するという観点
から、数平均の粒子径が10〜200nmであることが
好ましい。
【0044】本発明の重合体水性分散液は、エチレン性
重合体(A)と、水性媒体(B)から構成されるが、水
性媒体(B)としては、特に制限されるものではない
が、水単独であってもよいし、或いは、水と水溶性溶剤
の混合溶液でもよい。
【0045】ここで用いる水溶性溶剤としては、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピ
ロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これらの1種または
2種以上の混合物が挙げられる。水と水溶性溶剤の混合
物の場合の水溶性溶剤の割合は、重合体水性分散液の引
火の危険性、安全衛生性等の点から、或は、エチレン性
重合体(A)の分子量の低下を防止できる点から、水溶
性溶剤の割合が少ないことが好ましく、具体的には、5
重量%以下であることが好ましい。同様の理由により、
水性媒体(B)としては、水単独で用いることが最も好
ましい。
【0046】重合体水性分散液の固型分濃度は、10〜
60重量%、なかでも20〜60重量%であることが好
ましい。即ち、固型分濃度を60重量%以下とすること
により、製造時の系の粘度の異常な上昇が抑制でき、重
合体水性分散液が安定に製造できる。また、固型分濃度
を60重量%以下とすると、重合体水性分散液の粘度
(アルカリ性物質を添加する前の粘度)が各種用途で使
用する際に実用上問題とならない範囲で得られるため好
ましい。
【0047】一方、重合体水性分散液の生産性の点か
ら、固型分濃度は10重量%以上とすることが好まし
い。
【0048】このような本発明の重合体水性分散液は、
液組成物に粘度の付与が必要な用途において、粘性を付
与する添加剤として用いられ、塗料、紙塗工、繊維の裏
打ち剤等の種々の用途で使用される。
【0049】以上詳述した重合体水性分散液は、特にそ
の製造方法が特定されるものではなく、例えば、生成
したポリマーを溶解し得る媒体(有機溶剤または有機溶
剤と水の混合物等)中でエチレン性不飽和単量体の混合
物を溶液重合した後に、水性媒体に分散、或いは溶解さ
せる方法、生成したポリマーを溶解しない水性媒体中
で、エチレン性不飽和単量体の混合物を乳化重合する方
法等が挙げられる。
【0050】特に、本発明の重合体水性分散液が所望と
する諸物性を発現するためには、エチレン性重合体
(A)の重量平均分子量を20,000以上とする必要
があり、容易に製造する方法としては、前述の水性媒
体中で、エチレン性不飽和単量体の混合物を乳化重合す
る方法が好ましく、とりわけ以下に述べる本発明の製造
方法によって製造することがこのましい。
【0051】本発明の製造方法は、既述の通り、カルボ
キシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)と、炭
素原子数1〜8のアルキル基を含有するエチレン性不飽
和単量体(a−2)と、炭素原子数9〜20のアルキル
基を含有するエチレン性不飽和単量体(a−3)とを必
須の成分として、水性媒体(B)中で重合することによ
り粒子を製造することを特徴とするものであり、この方
法によれば、重量平均分子量20,000以上で且つゲ
ル分率90重量%以下のエチレン性重合体(A)を容易
に得ることができる。
【0052】カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体(a−1)としては、分子内にカルボキシル基とエチ
レン性不飽和基を有するものであれば特に限定されず、
例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマル酸、β−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)アク
リロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、もしく
はこれらの半エステルまたはこれらの塩等が挙げられ、
これらの1種または2種以上の混合物を使用することが
できる。
【0053】これらの中でも、特に、アクリル酸、メタ
クリル酸を用いた場合、塗工液配合物に良好な粘性を付
与し、また、保水性も増大するため好ましい。
【0054】カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体(a−1)の使用割合は、使用する全エチレン性不飽
和単量体100重量部中、20〜60重量部の範囲で使
用することが好ましい。
【0055】即ち、エチレン性重合体(A)の酸価を前
述の好ましい範囲150〜400とするためには、上述
の範囲でカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体
(a−1)を用いることが好ましい。具体的には、20
重量部以上にすることにより、エチレン性重合体(A)
にアルカリ性物質を添加した際のアルカリ可溶性もしく
は膨潤性がより良好になり、また、60重量部以下にお
いて、塗工液組成物に配合した際の流動特性として構造
粘性が小さくなり好ましい。
【0056】炭素原子数1〜8のアルキル基を含有する
エチレン性不飽和単量体(a−2)としては、1分子中
に炭素原子数1〜8のアルキル基(1個または2個)と
エチレン性不飽和基を含有する単量体であれば特に限定
されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−
ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オ
クチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート等のアクリル酸エステル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチ
ック酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等のモ
ノカルボン酸のビニルエステル類;ジメチルマレエー
ト、ジメチルフマレート、ジブチルフマレートもしくは
ジメチルイタコネート等の不飽和二塩基酸ジアルキルエ
ステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビ
ニルエーテル類等が挙げられ、これらの1種または2種
以上の混合物を使用することができる。
【0057】これらの中でも、特に、アクリル酸エステ
ル類、モノカルボン酸のビニルエステル類、不飽和二塩
基酸ジアルキルエステル類が、エチレン性重合体(A)
にアルカリ性物質を添加した際のアルカリ可溶性もしく
はアルカリ膨潤性の付与が容易となり、塗工液組成物に
適当な粘度を付与することができ、且つ塗工液組成物の
保水性を向上させることができるため好ましい。
【0058】特に、これらの中でも、重合体水性分散液
にアルカリ性物質を添加した際に起こり得る、エチレン
性重合体(A)の加水分解による塗工液組成物の粘度低
下を抑制するという点から、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−
ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オ
クチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート等のアクリル酸エステル類を使用する
ことが好ましい。
【0059】上記した炭素原子数1〜8のアルキル基を
含有するエチレン性不飽和単量体(a−2)の中でも、
特に炭素原子数1〜4のアルキル基を含有するエチレン
性不飽和単量体を使用した場合、エチレン性重合体
(A)にアルカリ性物質を添加した際のアルカリ可溶性
もしくはアルカリ膨潤性の付与が容易になり、塗工液組
成物に適当な粘度を付与することができ、且つ塗工液組
成物の保水性を大きく向上させることができるため好ま
しい。
【0060】炭素原子数1〜4のアルキル基を含有する
エチレン性不飽和単量体としては、例えば、前述の化合
物の中からメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)
アクリレート等のアクリル酸エステル類;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート等のモノカルボ
ン酸のビニルエステル類等が挙げられるが、ここにおい
ても、重合体水性分散液にアルカリ性物質を添加した際
に起こり得る、エチレン性重合体(A)の加水分解によ
る塗工液組成物の粘度低下を抑制するという点から、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等
のアクリル酸エステル類が好ましい。
【0061】これらの中でも、特に、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレートを使用
した場合、エチレン性重合体(A)にアルカリ性物質を
添加した際のアルカリ可溶性もしくはアルカリ膨潤性の
付与が容易となり、塗工液組成物の粘度を上昇させる効
果が大きく、本発明の重合体水性分散液の使用量を少な
くした場合においても塗工液組成物に良好な粘性を付与
でき、且つ、塗工液組成物の保水性を向上させるため好
ましい。
【0062】このような、炭素原子数1〜8のアルキル
基を含有するエチレン性不飽和単量体(a−2)の使用
割合は、使用する全エチレン性不飽和単量体100重量
部中、30〜75重量部の範囲で使用することが好まし
い。
【0063】即ち、炭素原子数1〜8のアルキル基を含
有するエチレン性不飽和単量体(a−2)の使用割合が
30重量部未満の場合、エチレン性重合体(A)の酸価
を前述の如く適正な範囲とした場合においてもエチレン
性重合体(A)にアルカリ性物質を添加した際のアルカ
リ可溶性もしくはアルカリ膨潤性を付与することが困難
になり、また、使用割合が75重量部を越える場合、導
入されるカルボキシル基の含有量が少なくなることか
ら、この場合においても重合体水性分散液にアルカリ性
物質を添加した際のアルカリ可溶性またはアルカリ膨潤
性を付与することが困難となる。
【0064】炭素原子数9〜20のアルキル基を有する
エチレン性不飽和単量体(a−3)としては、1分子中
に炭素原子数9〜20のアルキル基(1個または2個)
とエチレン性不飽和基を含有する単量体であればよく、
特に限定されるものではないが、例えば、ノニル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリ
レート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等のアク
リル酸エステル類;「ベオバ9」、「ベオバ10」(オ
ランダ国シエル社製の分岐上モノカルボン酸のビニルエ
ステル)等のモノカルボン酸のビニルエステル類等が挙
げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用す
ることができる。
【0065】これらの中でも、特に、n−ノニル(メ
タ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、
n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−トリデシル
(メタ)アクリレート、n−セチル(メタ)アクリレー
ト、n−ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖状ア
ルキル基を含有するアクリル酸エステル類を使用するこ
とが、塗工液組成物の粘度を上昇させる効果が大きく、
本発明の重合体水性分散液の使用量を少なくした場合に
おいても塗工液組成物に良好な粘性を付与でき、且つ塗
工液組成物の保水性を著しく向上させるため好ましい。
【0066】このような、炭素原子数9〜20のアルキ
ル基を含有するエチレン性不飽和単量体(a−2)の使
用割合は、使用する全エチレン性不飽和単量体100重
量部中、0.5〜10重量部の範囲で使用することが好
ましい。
【0067】即ち、炭素原子数9〜20のアルキル基を
含有するエチレン性不飽和単量体(a−2)の使用割合
が0.5重量部以上においては、重合体水性分散液にア
ルカリ性物質を添加した際の系の増粘効果が顕著なもの
となり、一方、使用割合が10重量部以下においては、
塗工液組成物に保水性を付与する効果が一層優れたもの
となる。
【0068】本発明の製造方法におけるカルボキシル基
含有エチレン性不飽和単量体(a−1)と、炭素原子数
1〜8のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体
(a−2)と、炭素原子数9〜20のアルキル基を有す
るエチレン性不飽和単量体(a−3)との使用割合は、
特に限定されるものではないが、エチレン性重合体
(A)をアルカリ可溶性もしくはアルカリ膨潤性とし、
且つ塗工液組成物に良好な粘性、保水性を付与するに
は、これら単量体の使用割合を、カルボキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体(a−1)の20〜60重量%
と、炭素原子数1〜8のアルキル基を有するエチレン性
不飽和単量体(a−2)の30〜80重量%と、炭素原
子数9〜20のアルキル基を有するエチレン性不飽和単
量体(a−3)の0.5〜10重量%とすることが好ま
しい。
【0069】また、本発明のエチレン性重合体(A)に
は、前述のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体
(a−1)、炭素原子数1〜8のアルキル基を含有する
エチレン性不飽和単量体(a−2)、炭素原子数9〜2
0のアルキル基を含有するエチレン性不飽和単量体(a
−3)の他、さらにカルボキシル基以外の水素結合を形
成し得る官能基を含有するエチレン性不飽和単量体(a
−4)を使用することにより、本発明の重合体水性分散
液を使用した塗工液組成物の保水性を向上させることが
できる。
【0070】特に、カルボキシル基以外の水素結合を形
成し得る官能基を含有するエチレン性不飽和単量体(a
−4)として、アミド基を含有するエチレン性不飽和単
量体、水酸基を含有するエチレン性不飽和単量体、ポリ
オキシアルキレン基を含有するエチレン性不飽和単量
体、又は、スルホン酸基若しくはサルフェート基を含有
するエチレン性不飽和単量体を使用した場合、保水性の
向上効果が大きいため好ましい。尚、カルボキシル基以
外の水素結合を形成し得る官能基とは、保水性の向上を
目的とし、エチレン性重合体(A)に水と親和性を持た
せることを目的としたものであり、後述するその他のエ
チレン性不飽和単量体においても、官能基を有し、且つ
その官能基が水性分散液中で水素結合を形成して保水性
の向上に寄与するものであれば、エチレン性不飽和単量
体(a−4)として使用することができる。
【0071】エチレン性不飽和単量体(a−4)の具体
例としては、例えば、アミド基を含有するエチレン性不
飽和単量体として、(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキ
シキシ(メタ)アクリルアミド、N−iso−ブトキシ
(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリル
アミド等が挙げられ、水酸基を含有するエチレン性不飽
和単量体として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリ
セロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ポリ
オキシアルキレン基を含有するエチレン性不飽和単量体
として、ヒドロキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシポリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロ
ピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキ
シポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
フェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられ、スルホン酸基及び/またはサルフェー
ト基を含有するエチレン性不飽和単量体として、ビニル
スルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、
2−メチルアリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2
−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−2−スルホプロ
ピル、(メタ)アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸
等及びこれらの塩等が挙げられ、これらの1種または2
種以上の混合物を使用することができる。
【0072】このような、水素結合を形成し得る官能基
を含有するエチレン性不飽和単量体(a−4)の使用割
合は、使用する全エチレン性不飽和単量体100重量部
中、0〜20重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0073】即ち、水素結合を形成し得る官能基を含有
するエチレン性不飽和単量体(a−4)の使用割合が2
0重量部以下においては、保水性が高められる他、重合
体水性分散液製造時及び貯蔵時の安定性も損なうことが
ないため好ましい。
【0074】さらに、必要に応じて、エチレン性重合体
(A)を架橋せしめて分子量を高くする(但し、前述の
如くゲル分率が90重量%越えない範囲で使用すること
が好ましい)ことを目的に、エチレン性不飽和基を2つ
以上持つ多官能性エチレン性不飽和単量体(a−5)を
併用することも可能であり、この多官能性エチレン性不
飽和単量体としては、例えば、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフ
タレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0075】その他のエチレン性不飽和単量体としては
上述した単量体の1種または2種以上の混合物として使
用することができる。
【0076】また、必要に応じて前述したエチレン性不
飽和単量体以外のその他のエチレン性不飽和単量体を使
用することもできる。ここで、その他のエチレン性飽和
単量体としては、エチレン性不飽和単量体(a−1)〜
(a−5)と共重合性のあるものであれば特に限定され
ず、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル類;スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルア
ニソール、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビ
ニルスチレン等の芳香族環を有するビニル系単量体類;
塩化ビニルもしくは塩化ビニリデン等のクロル化オレフ
ィン類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アク
リレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフル
オロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオ
ロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、N−イソプ
ロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル(メ
タ)アクリレート等のフルオロアルキル基含有ビニル系
単量体類;CH2=CHCOO(CH2)3[Si(CH
3)2O]nSi(CH3)3 、CH2=C(CH3)COO
C6H4[Si(CH3)2O]nSi(CH3)3 、CH2
=C(CH3)COO(CH2)3[Si(CH3)2O]n
Si(CH3)3 、CH2=C(CH3)COO(CH2)
3[Si(CH3)(C6H5)O]nSi(CH3)3 また
はCH2=C(CH3)COO(CH2)3[Si(C6H
5)2O]nSi(CH3)3(ただし、各式中のnは、0
あるいは1〜130なる整数であるものとする。)等の
ポリシロキサン結合を含有する非官能性の珪素原子含有
ビニル系単量体類;東亜合成化学(株)製のマクロモノ
マーであるAA−6、AB−6、AN−6、AS−6A
K−5等の化合物;(メタ)アクリロニトリル等の不飽
和カルボン酸のニトリル類;イソプレン、ブタジエン、
エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種
または2種以上の混合物を使用することができる。
【0077】また、その他のエチレン性不飽和単量体と
して、前述した官能基以外の官能基を含有するエチレン
性不飽和単量体を使用することも可能であり、例えば、
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエ
ーテル、4−ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド等
のエポキシ基含有重合性単量体;ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン等の加水分解性シリル基もしくはシラノール基
含有重合性単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有重合性単量
体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等の
アジリジニル基含有重合性単量体;(メタ)アクリロイ
ルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナー
トエチルのフェノール付加物等のイソシアナート基及び
/またはブロック化イソシアナート基含有重合性単量
体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−2−オキサゾリン、2−オキサゾジニルエチル(メ
タ)アクリレート等のオキサゾリン基含有重合性単量
体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等のシク
ロペンテニル基含有重合性単量体;アクロレイン等のカ
ルボニル基含有重合性単量体;アセトアセトキシエチル
(メタ)アクリレート等のアセトアセチル基含有重合性
単量体;トリメチルシリル(メタ)アクリレート、te
rt−ブチルジメチルシリル(メタ)アクリレート等の
カルボキシル基含有重合性単量体類のシリルエステル
類;1−エトキシエチル(メタ)アクリレート、1−i
so−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボ
キシル基含有重合性単量体類とα,β−不飽和エーテル
化合物とを反応せしめて得られるアセタールエステル基
を含有する重合性単量体類;2−トリメチルシロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ジメチル−tert−
ブチルシリルオキシエチル(メタ)アクリレート等の水
酸基を含有する重合性単量体類のシリルエーテル類;2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート
等のリン酸エステル基含有重合性単量体等が挙げられ、
これらの1種または2種以上の混合物を使用することが
できる。
【0078】エチレン性重合体(A)を水性媒体中で製
造する際には、乳化剤やその他の分散安定剤を使用し
て、乳化重合で実施することができる。乳化剤として
は、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤の公知のもの
ほとんどが使用できるが、重合安定性の点から陰イオン
性乳化剤、非イオン性乳化剤が好ましい。
【0079】例えば、陰イオン性乳化剤としては、高級
アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸
塩等が挙げられ、非イオン性乳化剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレンブロック共重合体等が挙げられ、これらの
1種または2種以上の混合物を使用することができる。
【0080】特に、一般的に反応性乳化剤と称される、
重合性不飽和基を分子内に有し、且つ、界面活性能を有
する乳化剤を使用すると、重合体水性分散液の製造時の
安定性が著しく向上するため好ましい。
【0081】このような反応性乳化剤としては、例えば
スルホン酸基及びその塩を有する「ラテムルS−18
0」(花王(株)製)、「エレミノールJS−2」、
「エレミノールRS−30」(三洋化成工業(株)
製)、「アントックスMS−60」(日本乳化剤(株)
製)、硫酸基及びその塩を有する「アクアロンHS−1
0、HS−20」(第一工業製薬(株)製)、「アデカ
リアソープSE−10N」(旭電化工業(株)製)、リ
ン酸基を有する「ニューフロンティアA−229E」
(第一工業製薬(株)製)等、非イオン性親水基を有す
る「ニューフロンティアN−177E」(第一工業製薬
(株)製)、「アクアロンRN−10、RN−20、R
N−30、RN−50」(第一工業製薬(株)製)等が
挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用
できる。
【0082】このような、乳化剤の使用割合は、全単量
体成分100重量部に対して、0.1〜10重量部の範
囲で用いられる。
【0083】また、乳化剤以外のその他の分散安定剤と
しては、例えば、ポリビニルアルコール、繊維素エーテ
ル、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アル
キッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミ
ド、水溶性アクリル樹脂等の合成或いは天然の水溶性高
分子物質が挙げられ、これらの1種または2種以上の混
合物を使用することができる。
【0084】エチレン性重合体(A)を重合する際の水
性媒体としては、特に限定されるものではないが、水の
みを使用してもよいし、或いは、水と水溶性溶剤の混合
溶液として使用してもよい。ここで用いる水溶性溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、
N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これら
の1種または2種以上の混合物が使用できる。水と水溶
性溶剤の混合物を使用する場合の水溶性溶剤の使用量
は、重合時の安定性の点から任意に選択することができ
るが、得られる重合体水性分散液の引火の危険性、安全
衛生性等の点、並びに、エチレン性重合体(A)の分子
量低下を抑止できる点から、水溶性溶剤の使用量は極力
少なくすることが好ましく、ぐたきてには5重量%以下
にすることが好ましい。同様の理由から、なかでも水単
独で使用することが好ましい。
【0085】また、エチレン性重合体(A)を製造する
際の水性媒体のpHは、7.0以下、より好ましくはp
H2.0〜5.0の低pH領域で乳化重合することが好
ましい。
【0086】即ち、本発明の重合体水性分散液は、アル
カリ性物質を添加して系を高pH領域、pH7.5以上
にすると、水性媒体に可溶、或いは膨潤する性質を持つ
ため、上述の如く、低pH領域で製造する必要がある。
【0087】エチレン性重合体(A)を水性媒体中で製
造する方法としては、水、単量体成分の混合物、重合触
媒、(必要に応じて乳化剤及び分散安定剤)を一括混合
して重合する方法や、単量体成分の混合物を滴下するモ
ノマー滴下法や、水、単量体成分の混合物、乳化剤を予
め混合したものを滴下するいわゆるプレエマルジョン法
等の方法により製造することができる。
【0088】特に、プレエマルジョン法で製造すること
が、重合時の安定性の点から好ましく、また、得られる
重合体水性分散液が塗工液組成物に良好な粘性を付与で
きることからも好ましい。
【0089】また、重合の際、親水性溶剤、疎水性溶剤
を加えること及び公知の添加剤を加えることも可能であ
るが、使用量は最終的に得られる硬化物に悪影響を及ぼ
さない範囲に抑えることが好ましい。
【0090】エチレン性重合体(A)の重合の際に用い
る重合開始剤としてはラジカル重合開始剤が用いられ、
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫
酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド等の有機過酸化物、過酸化水素等があり、こ
れら過酸化物のみを用いてラジカル重合するか、或いは
前記過酸化物と酸性亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリ
ウムのような還元剤とを併用したレドックス重合開始剤
系によっても重合でき、また、4,4’−アゾビス(4
−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用するこ
とも可能である。
【0091】また、エチレン性重合体(A)の分子量を
調整する必要がある場合は、エチレン性重合体(A)を
合成する際に分子量調整剤として連鎖移動能を有する化
合物、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカ
プタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノ
ール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロ
ピオン酸等のメルカプタン類、またはα−メチルスチレ
ン・ダイマー等を添加してもよい。
【0092】エチレン性重合体(A)を重合する際の重
合温度は、使用する単量体の種類、重合開始剤の種類等
によって異なるが、水性媒体中で重合する場合は通常3
0〜90℃の温度範囲が好ましい。
【0093】特に、重合時の安定性を良好に保つために
に最適な重合温度は50〜90℃、より好ましくは60
〜80℃である。
【0094】このようにして得られた本発明の重合体水
性分散液は、アルカリ性物質を添加することにより、エ
チレン性重合体(A)を可溶もしくは膨潤して水性媒体
を増粘し、またはその他の結合剤(重合体樹脂等)や顔
料、フィラー、充填剤等を含有する水性媒体を増粘し、
後述する用途分野で使用する。
【0095】アルカリ性(塩基性)物質として使用する
ものとしては、通常のものが使用でき、例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水
酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属
化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチ
ルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン等の水溶性有機アミン類等が挙げ
られ、これらの1種または2種以上の混合物を使用する
ことができる。
【0096】この様にして得られる本発明の重合体水性
分散液から塗料を作成する方法としては、特に限定され
るものではないが、例えば、顔料或いは充填剤、分散
剤、湿潤剤、グリコール等の凍結防止剤、防腐剤、消泡
剤及び水の混合物をよく練って分散させ、次いでこの混
合物に造膜助剤、本発明の重合体水性分散液を加え、さ
らにアルカリ性物質でpHが7以上に調整された結合剤
を加えてよく攪拌することにより塗料化する方法等が挙
げられる。
【0097】ここで、本発明の重合体水性分散液は、塗
料用組成物塗工時に必要な粘度を付与するために用いら
れるものであるが、該重合体水性分散液を予めアルカリ
性物質でpHを7以上にすると、粘度増加が著しく取扱
いが困難となるため、添加する際は、pHが7未満、好
ましくは6未満で、粘度が1000cps以下で使用す
ることが好ましい。
【0098】塗料用の顔料としては、通常のものが使用
でき、例えば、二酸価チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の金
属酸化物、カーボンブラック、鉄ブルー、フタロシアニ
ン系顔料、水酸化物、硫化物、硫酸塩、珪酸塩及びクロ
ム酸塩、有機マルーン顔料、青銅粉アルミニウムフレー
ク、パールエッセンス、及び各種の充填剤、例えば滑
石、重晶石、陶土及び珪藻度等が挙げられる。
【0099】かかる顔料或いは充填剤の割合は、所望の
用途、目的によるが、通常は、結合剤100重量部に対
して0.02〜2000重量部の範囲で用いられる。
【0100】また、結合剤として、具体的には、スチレ
ン−ブタジエン系重合体、メチルメタクリレート−ブタ
ジエン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系重合
体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、
酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル系重合体、
アクリル−酢酸ビニル系重合体等の水性分散液を挙げる
ことができ、これらの1種または2種以上の混合物を使
用することができる。
【0101】本発明の重合体水性分散液の割合は、所望
の用途、目的により添加量を変えて塗料用組成物の粘度
を調整するが、一般には塗料用組成物の固型分の重量に
対して、本発明の重合体水性分散液の固型分が約1/1
0000〜1/10倍となるような範囲で使用されるこ
とが好ましい。
【0102】このようにして得られた塗料は、金属塗装
用、建築塗装用、工場塗装用、一般家庭用塗料等として
使用できる。
【0103】本発明の重合体水性分散液を紙塗工用組成
物の作成に使用する場合は、顔料、結合剤の混合物に、
該重合体水性分散液を添加し、充分に攪拌した後、アル
カリ性物質でpHを調整する方法が好ましい。
【0104】紙塗工用組成物に使用される顔料として、
具体的には、クレー、タルク、サチン白、重質炭酸カル
シウム、軟質炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無機鉱物性
顔料や、ポリスチレン、尿素等を主成分とする有機顔料
が挙げられる。
【0105】また、結合剤として、具体的には、スチレ
ン−ブタジエン系重合体、メチルメタクリレート−ブタ
ジエン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系重合
体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、
酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル系重合体、
アクリル−酢酸ビニル系重合体等の水性分散液を挙げる
ことができ、これらの1種または2種以上の混合物を使
用することができる。
【0106】本発明の重合体水性分散液は、pHを7以
上にすると粘度増加が著しく、取扱いが困難となるた
め、前述の紙塗工用組成物を作成する場合は、pHを7
未満として、顔料、結合剤等と配合することが好まし
い。
【0107】従って、重合体水性分散液の粘度は、pH
7未満の時に、1000cps以下であることが好まし
い。また、重合体水性分散液のpH7未満で使用する場
合は、重合体水性分散液を予め結合剤と混合しておくこ
とも可能である。
【0108】重合体水性分散液を予め結合剤と混合して
おくと、紙塗工用組成物の作成工程を短縮することがで
きる。
【0109】本発明の重合体水性分散液の割合は、所望
の用途、目的により添加量を変えて紙塗工用組成物の粘
度及び保水性を調整するが、一般には紙塗工用組成物の
固型分の重量に対して、本発明の重合体水性分散液の固
型分が約1/10000〜1/10倍となるような範囲
で使用される。
【0110】本発明の重合体水性分散液を、紙塗工用組
成物に用いると、紙塗工用組成物に良好な流動性と、保
水性を付与することができるが、必要に応じて、ガゼイ
ン、澱粉等の天然の水溶性高分子物質を結合剤として添
加することもでき、また、カルボキシメチルセルロー
ス、アルギン酸ナトリウム等の保水剤と併用することも
可能である。
【0111】さらに、分散剤、消泡剤、滑剤、サイズ
剤、染料等の各種添加剤を適宜配合することができる。
【0112】本発明の重合体水性分散液を繊維の裏打ち
剤、例えば、カーペットのバッキング剤の作成に使用す
る場合は、充填剤、結合剤、必要に応じて分散剤、消泡
剤、老化防止剤等の混合物に、該重合体水性分散液を添
加し、充分に攪拌した後、アルカリ性物質でpHを調整
する方法が好ましい。
【0113】カーペットのバッキング剤に用いられる充
填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、タル
ク等を挙げることができるが、通常は、炭酸カルシウム
及び/またはクレーが好ましく用いられる。
【0114】かかる充填剤は、結合剤100重量部に対
して、通常、20〜700重量部の範囲で使用される。
【0115】また、結合剤として、具体的には、スチレ
ン−ブタジエン系重合体、メチルメタクリレート−ブタ
ジエン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系重合
体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、
酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル系重合体、
アクリル−酢酸ビニル系重合体等の水性分散液を挙げる
ことができ、これらの1種または2種以上の混合物を使
用することができる。
【0116】本発明の重合体水性分散液は、pHを7以
上にすると粘度増加が著しく、取扱いが困難となるた
め、前述の紙塗工用組成物を作成する場合は、pHを7
未満として、顔料、結合剤等と配合することが好まし
い。
【0117】従って、重合体水性分散液の粘度は、pH
7未満の時に、1000cps以下であることが好まし
い。また、重合体水性分散液のpH7未満で使用する場
合は、重合体水性分散液を予め結合剤と混合しておくこ
とも可能である。
【0118】重合体水性分散液を予め結合剤と混合して
おくと、カーペット用バッキング剤の作成工程を短縮す
ることができる。
【0119】本発明の重合体水性分散液の割合は、所望
の用途、目的により添加量を変えてカーペット用バッキ
ング剤の粘度及び保水性を調整するが、一般にはカーペ
ット用バッキング剤の固型分の重量に対して、本発明の
重合体水性分散液の固型分が約1/10000〜1/1
0倍となるような範囲で使用される。
【0120】本発明の重合体水性分散液を使用したカー
ペット用バッキング剤は、さらにその他の添加剤とし
て、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤、湿潤剤、安定化剤、
防腐剤等の公知の添加剤を添加することができる。
【0121】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるもので
はない。以下、例中特に断らない限り、「%」は重量
%、「部」は重量部をそれぞれ示すものとする。
【0122】実施例1 単量体混合物のプレエマルジョンを作成するために、攪
拌機を備えたプレエマルジョン混合用容器に脱イオン水
50部を入れ、レベノールWZ(花王(株)製;ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、固型分
25%)12部を添加し、攪拌して溶解した。
【0123】プレエマルジョン混合容器に、カルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)としてメタ
クリル酸50部、炭素原子数1〜8のアルキル基を有す
るエチレン性不飽和単量体(a−2)としてエチルアク
リレート45部、炭素原子数9〜20のアルキル基を有
するエチレン性不飽和単量体(a−3)としてラウリル
アクリレート5部の単量体成分を順次添加し、攪拌して
単量体混合物のプレエマルジョンを作成した。
【0124】攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度
計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水151部を
入れ、窒素を吹き込みながら反応容器内温を50℃迄昇
温した。攪拌下、単量体混合物のプレエマルジョン8
部、過硫酸アンモニウム0.1部を添加し80℃迄昇温
した。
【0125】その後単量体混合物のプレエマルジョンの
残り全量と、過硫酸アンモニウム0.1部を脱イオン水
10部で溶解した水溶液を、反応容器内温を80±2℃
に保持して60分間で滴下し重合せしめた。(エチレン
性重合体(A)の製造) 滴下終了後同温度にて30分間攪拌した。
【0126】その後内容物を冷却し、固形分濃度30.
0%になるように脱イオン水で調製し、300メッシュ
金網で濾過した。 得られた重合体水性分散液は、固型
分濃度30.0%、pH2.4、300メッシュ金網不
通過の凝集物は、1.0%(対生成分散液比)であっ
た。
【0127】実施例2〜13 単量体混合物として下記第1表の1に示されるものを用
いた以外は、実施例1と全く同様にしてエチレン性重合
体(A)の重合体水性分散液を得た。
【0128】実施例14 単量体混合物のプレエマルジョンを作成するために、攪
拌機を備えたプレエマルジョン混合用容器に脱イオン水
50部を入れ、アニオン性反応性乳化剤アクアロンHS
−1025(第一工業製薬(株)製;プロペニル基含有
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、
固型分25%)8部を添加し、攪拌して溶解した。
【0129】プレエマルジョン混合容器にカルボキシル
基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)としてメタク
リル酸40部、炭素原子数1〜8のアルキル基を有する
エチレン性不飽和単量体(a−2)としてエチルアクリ
レート55部、炭素原子数9〜10のアルキル基を有す
るエチレン性不飽和単量体(a−3)としてラウリルア
クリレート5部の単量体成分を順次添加し、攪拌して単
量体混合物のプレエマルジョンを作成した。
【0130】攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度
計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水151部を
入れ、窒素を吹き込みながら反応容器内温を50℃迄昇
温した。攪拌下、単量体混合物のプレエマルジョン8
部、過硫酸アンモニウム0.1部を添加し80℃迄昇温
した。
【0131】その後単量体混合物のプレエマルジョンの
残り全量と、過硫酸アンモニウム0.1部を脱イオン水
10部で溶解した水溶液を、反応容器内温を80±2℃
に保持して60分間で滴下し重合せしめた。(エチレン
性重合体(A)の製造) 滴下終了後同温度にて30分間攪拌した。
【0132】その後内容物を冷却し、固形分濃度30.
0%になるように脱イオン水で調製し、300メッシュ
金網で濾過した。 得られた重合体水性分散液は、固型
分濃度30.0%、pH2.5、300メッシュ金網不
通過の凝集物は、0.01%(対生成分散液比)であっ
た。
【0133】比較例1〜3 単量体混合物、及び乳化剤を下記第2表の1に示される
ものを用いた以外は、実施例1と全く同様にしてエチレ
ン性重合体(A)の重合体水性分散液を得た。
【0134】比較例4 攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を
備えた反応容器にイソプロピルアルコール100部を入
れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。攪拌
下、メタクリル酸50部、エチルアクリレート45部、
ラウリルアクリレート5部、n−ドデシルメルカプタン
5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部から
なる単量体混合物を反応容器内温を80±2℃に保ちな
がら120分間かけて滴下し重合せしめた。滴下終了後
同温度にて120分間攪拌した。その後、内容物を冷却
し、固型分濃度が50.2%の重合体の溶液を得た。得
られた重合体溶液に28%アンモニア水35部、脱イオ
ン水100部を添加して中和し、重合体水性分散液を得
た。固型濃度が30.0%になるように脱イオン水で調
整し、300メッシュ金網で濾過した。
【0135】得られた重合体水溶液は、固型分濃度3
0.0%、pH4.5、粘度150cps(BM型粘度
計にて25℃で測定)であった。この重合体水性分散液
に含まれる重合体の酸価、重量平均分子量、ゲル分率は
第2表の1に併記されるとおりであった。
【0136】第1表の1、2及び第2表中の重量平均分
子量、ゲル分率、酸価の測定は、下記の方法にて行っ
た。 <重量平均分子量>重量平均分子量はゲル・パーミエー
ション・クロマトグラフ(GPC法)により測定した。
【0137】ガラス板上に3milアプリケーターで試
料を塗工し、常温で1時間乾燥して半乾きの皮膜を作成
した。得られた皮膜をガラス板から剥し、その皮膜0.
4gをテトラヒドロフラン100gに溶解して測定試料
とした。
【0138】測定装置として日本分析工業(株)製高速
液体クロマトグラフLC−08型を用いた。カラムは、
昭和電工(株)製パックドカラムA−800P、A−8
06、A−805、A−803、A−802を組み合わ
せて使用した。
【0139】標準試料として昭和電工(株)製及び東洋
曹達(株)製の標準ポリスチレン(分子量:448万、
425万、288万、275万、185万、86万、4
5万、41.1万、35.5万、19万、16万、9.
64万、5万、3.79万、1.98万、1.96万、
5570、4000、2980、2030、500)を
用いて検量線を作成した。
【0140】溶離液、及び試料溶解液としてテトラヒド
ロフランを用い、流量1mL/min、試料注入量50
0μL、試料濃度0.4%としてRI検出器を用いて重
量平均分子量を測定した。
【0141】<ゲル分率>ゲル分率は、アセトン不溶解
分として測定した。ガラス板上に乾燥後の膜厚が0.5
mmとなるように試料を塗工し、常温で7日間乾燥した
後フィルムをガラス板から剥し、得られたフィルムを5
0mm角に切り取り試験片とした。次に、予め試験片の
アセトン浸漬前の重量(G0)を測定しておき、アセト
ン溶液中に常温で24時間浸漬した後の試験片のアセト
ン不溶解分を分離して、110℃で1時間乾燥した後の
重量(G1)を測定し、下記の方法に従ってゲル分率を
求めた。
【0142】
【式1】 G0;試験片のアセトン浸漬前の重量 G1;試験片のアセトン浸漬後の不溶解分の乾燥重量
【0143】<酸価>酸価とは、エチレン性重合体
(A)に含まれるカルボキシル基の量を表す数値で、エ
チレン性重合体(A)1g中に含まれる遊離カルボキシ
ル基を中和するために要する水酸化カリウムのmg数で
ある。
【0144】ガラス板上に3milアプリケーターで試
料を塗工し、常温で1時間乾燥して半乾きの皮膜を作成
した。得られた皮膜をガラス板から剥し、1gを精秤し
てテトラヒドロフラン100gに溶解したものを測定試
料とした。
【0145】測定方法は、水酸化カリウム水溶液による
中和滴定法で行った。試料を溶解したテトラヒドロフラ
ン溶液に、フェノールフタレインを2滴添加し、0.1
N水酸化カリウム水溶液を滴下して溶液の色が無色から
薄桃色に変化する点を終点とし、その時の水酸化カリウ
ムの消費量を測定し、そのmg数をカルボキシル基含有
重合体[A]の酸価とした。
【0146】なお、テトラヒドロフランに溶解しなかっ
た試料については、本方法での測定が不可能であるの
で、カルボキシル基含有重合体[A]製造時に使用した
カルボキシル基含有単量体の仕込量から求めた計算値を
カルボキシル基含有重合体[A]の酸価として算出し
た。
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【0149】
【表3】
【0150】第1表の1及び2、第2表の1中の重合性
単量体及び乳化剤の使用量は固型分の重量部で表示し
た。第1表の1及び2、第2表の1中の略号の正式名称
を下記に示す。
【0151】MAA;メタクリル酸 AA;アクリル酸 MA;メチルアクリレート MMA;メチルメタクリレート EA;エチルアクリレート BA;n−ブチルアクリレート 2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート LA;n−ラウリルアクリレート LMA;n−ラウリルメタクリレート SA;n−ステアリルアクリレート IB−A;イソボルニルアクリレート AM;アクリルアミド HEA;2−ヒドロキシエチルアクリレート M−230G;NKエステルM−230G NaSS;スチレンスルホン酸ナトリウム VAc;酢酸ビニル(新中村化学(株)製;メトキシポ
リエチレングリコールメタクリレート) WZ;レベノールWZ(花王(株)製;ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸塩) HS1025;アクアロンHS−1025(第一工業製
薬(株)製;プロペニル基含有ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル硫酸塩))
【0152】第3表の1〜3中の不揮発分、粘度、p
H、アルカリ増粘性、チクソ係数、粒子径の測定は、下
記の方法にて行った。
【0153】〈不揮発分濃度〉予め重量を測定したアル
ミシャーレに試料1gを精秤し、110±2.5℃に調
整された熱風循環式乾燥機で90分間加熱乾燥した。
【0154】乾燥機より取り出した試料入りのアルミシ
ャーレは、デシケーター中にて2時間放冷し、重量を測
定した。乾燥前後の試料の重量変化から不揮発分濃度を
求めた。
【0155】
【式2】 R:不揮発分濃度(%) D:試料の乾燥後の重量(g) W:試料の重量(g)
【0156】〈粘度〉内径4.5cm、深さ14.5c
mのガラス製粘度管に試料を深さ11cm迄採取し、こ
れを25±0.5℃に保ちガラス棒を用いて毎秒1回転
の速度で1分間、全体を均一に攪拌した。次に、この恒
温となった試料を、BM型回転粘度計を用いて粘度を測
定した。
【0157】〈pH〉試料を200ccビーカーに取り
pHメーターを用いて測定した。
【0158】<粒子径>粒子径の測定は、サブミクロン
粒子アナライザー;コールターN4(コールター社製)
にて測定し、数平均粒子径の値を粒子径として示した。
【0159】〈アルカリ増粘性〉試料を固型分が4g
(固型分30%の試料13.3g)となるように採取
し、脱イオン交換水で全体が200gになるように希釈
し、ガラス棒で泡が入らないように攪拌した。
【0160】試料の希釈溶液に25%アンモニア水約2
gを添加しpH:9.0±0.1に調整した。気泡が混
入している場合は、遠心分離機を用いて脱泡した。
【0161】この試料を、内径4.5cm、深さ14.
5cmのガラス製粘度管に試料を深さ11cm迄採取し
これを25±0.5℃に保ちガラス棒を用いて毎秒1回
転の速度で1分間、全体を均一に攪拌した。
【0162】次に、恒温になった試料をBM型回転粘度
計を用いて粘度を測定した。
【0163】〈チクソ係数〉試料を固型分が4g(固型
分30%の試料13.3g)となるように採取し、脱イ
オン水で200gになるように希釈し、ガラス棒で泡が
入らないように攪拌した。
【0164】試料の希釈溶液に25%アンモニア水約2
gを添加しpH:9.0±0.1に調整した。この試料
を、内径4.5cm、深さ14.5cmのガラス製粘度
管に試料を深さ11cm迄採取しこれを25±0.5℃
に保ちガラス棒を用いて毎秒1回転の速度で1分間、全
体を均一に攪拌した。
【0165】次に、恒温になった試料をBM型回転粘度
計を用いて測定回転数を変えて粘度を測定した。各回転
数の測定時間は3分間とし、測定順序は回転速度の遅い
6RPMを最初に測定し順次回転数を高くして測定し
た。
【0166】チクソ係数の算出方法は粘度計の回転数を
横軸に粘度を縦軸にそれぞれの対数を取り、各回転数の
粘度をグラフに書き、このグラフの傾斜角の勾配から算
出した。 <チクソ係数算出式>
【0167】
【式3】
【0168】
【式4】 V6:回転数6RPMの粘度 V30:回転数30RPMの粘度 V60:回転数60RPMの粘度
【0169】〈保水性〉 〔塗工組成物の調整〕塗工組成物の配合は、クレー70
部、重質炭酸カルシウム30部、ラテックス(グラビア
グレード)8部、実施例1〜14、及び比較例1〜3で
作成した重合体水性分散液0.2部を添加し、分散剤
(ポリアクリル酸ソーダ)、pH調整剤(25%アンモ
ニア水)を添加した。調整水を用いて固形分濃度62%
に成るように塗工液組成物を調整した。得られた塗工液
組成物を、上質コート原紙にブレードを用いて両面に塗
工し、乾燥後スーパーカレンダー処理を行い、塗工紙を
得た。 〔保水性試験〕保水性の測定に当たってはKaltec
Scientific社製保水度試験機を用いて測定
した。具体的な測定方法下記に示す。 濾紙、メンブランフィルター(5.0μ)上にカップ
を置き、塗工液10gを計量した。 機器にセットし、カラー上部から100KPa×100
秒の加圧を行った。 濾紙への水分転移量を測定し、g/m2単位で表示し
た。
【0170】
【表4】
【0171】
【表5】
【0172】
【表6】
【0173】
【発明の効果】本発明によれば、塗工液組成物に対して
優れた流動性、即ち構造粘性が小さくニュートニアン流
動に近い流動挙動を発現し、また、塗工液組成物を高濃
度化した場合においても流動性を保持し、更に、優れた
保水性をも兼備したアルカリ可溶性または膨潤性重合体
水性分散液を提供できる。
【0174】本発明の重合体水性分散液は、重合体水性
分散液にアルカリ性物質を添加して、エチレン性重合体
(A)を可溶または膨潤させることにより水性媒体、ま
たはその他の結合剤(重合体樹脂等)や顔料、フィラ
ー、充填剤等を含有する水性媒体を増粘し、また、その
配合液の粘性、保水性を調整することを目的として使用
することができ、具体的には、塗料、紙塗工、繊維の裏
打ち処理剤等のコーティング用途の応用分野において、
その塗工液組成物に優れた流動特性、保水性を付与する
ことができる。
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】削除
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正内容】
【0127】実施例2〜13 単量体混合物及び乳化剤として下記第1表の1に示され
るものを用いた以外は、実施例1と全く同様にしてエチ
レン性重合体(A)の重合体水性分散液を得た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0149
【補正方法】変更
【補正内容】
【0149】
【表3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正内容】
【0151】MAA;メタクリル酸 AA;アクリル酸 MA;メチルアクリレート MMA;メチルメタクリレート EA;エチルアクリレート BA;n−ブチルアクリレート 2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート LA;n−ラウリルアクリレート LMA;n−ラウリルメタクリレート SA;n−ステアリルアクリレート IB−A;イソボルニルアクリレート AM;アクリルアミド HEA;2−ヒドロキシエチルアクリレート M−230G;NKエステルM−230G(新中村化学
(株)製;メトキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート) NaSS;スチレンスルホン酸ナトリウム VAc;酢酸ビニル WZ;レベノールWZ(花王(株)製;ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸塩) HS1025;アニオン性反応性乳化剤アクアロンHS
−1025(第一工業製薬(株)製;プロペニル基含有
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩))
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0170
【補正方法】変更
【補正内容】
【0170】
【表4】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0171
【補正方法】変更
【補正内容】
【0171】
【表5】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0172
【補正方法】変更
【補正内容】
【0172】
【表6】

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体側鎖にカルボキシル基と、炭素原
    子数1〜8のアルキル基と、炭素原子数9〜20のアル
    キル基とを有する、重量平均分子量20,000以上
    で、且つ、ゲル分率90重量%以下のエチレン性重合体
    (A)と、水性媒体(B)とを必須成分とすることを特
    徴とする重合体水性分散液。
  2. 【請求項2】 炭素原子数1〜8のアルキル基及び炭素
    原子数9〜20のアルキル基が、何れもエステル結合を
    介してエチレン性重合体(A)に結合しているものであ
    る請求項1記載の重合体水性分散体。
  3. 【請求項3】 エチレン性重合体(A)が、アルカリ可
    溶性もしくはアルカリ膨潤性である請求項1または2記
    載の重合体水性分散液。
  4. 【請求項4】 エチレン性重合体(A)が、酸価150
    〜400のものである請求項1〜3の何れか1つに記載
    の重合体水性分散体。
  5. 【請求項5】 エチレン性重合体(A)の重合体側鎖の
    炭素原子数1〜8のアルキル基が、炭素原子数1〜4の
    アルキル基である請求項1または2記載の重合体水性分
    散液。
  6. 【請求項6】 エチレン性重合体(A)の重合体側鎖の
    炭素原子数1〜8のアルキル基が、メチル基又はエチル
    基である請求項1〜5の何れか1つに記載の重合体水性
    分散体。
  7. 【請求項7】 エチレン性重合体(A)の重合体側鎖の
    炭素原子数9〜20のアルキル基が、直鎖状アルキル基
    である請求項1〜6の何れか1つに記載の重合体水性分
    散液。
  8. 【請求項8】 エチレン性重合体(A)が、重合体側鎖
    のカルボキシル基と、炭素原子数1〜8のアルキル基
    と、炭素原子数9〜20のアルキル基との存在比が、カ
    ルボキシル基/炭素原子数1〜8のアルキル基/炭素原
    子数9〜20のアルキル基のモル比で、25〜70モル
    %/30〜75モル%/0.1〜5モル%である請求項
    1〜7の何れか1つに記載の重合体水性分散液。
  9. 【請求項9】 エチレン性重合体(A)が、重合体側鎖
    にカルボキシル基以外の水素結合を形成し得る官能基を
    含有するものである請求項1〜8の何れか1つに記載の
    重合体水性分散液。
  10. 【請求項10】 エチレン性重合体(A)が、重合体側
    鎖にカルボキシル基以外の水素結合を形成し得る官能基
    を含有するものであり、且つ該官能基が、アミド基、水
    酸基、ポリオキシアルキレン基又はスルホン酸基若しく
    はサルフェート基である請求項1〜9の何れか1つに記
    載の重合体水性分散液。
  11. 【請求項11】 エチレン性重合体(A)の形態が、重
    合体水性分散液のpHが6以下の時に水性媒体(B)中
    に分散する粒子状の形態であり、その数平均粒子径が1
    0〜200nmである請求項1〜10の何れか1つに記
    載の重合体水性分散液。
  12. 【請求項12】 重合体水性分散液の固型分濃度が、1
    0〜60重量%である請求項1〜11の何れか1つに記
    載の重合体水性分散液。
  13. 【請求項13】 カルボキシル基含有エチレン性不飽和
    単量体(a−1)と、炭素原子数1〜8のアルキル基を
    含有するエチレン性不飽和単量体(a−2)と、炭素原
    子数9〜20のアルキル基を含有するエチレン性不飽和
    単量体(a−3)とを必須の成分として、水性媒体
    (B)中で重合することを特徴とする重合体水性分散液
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 炭素原子数1〜8のアルキル基を含有
    するエチレン性不飽和単量体(a−2)が、炭素原子数
    1〜4のアルキル基を含有するエチレン性不飽和単量体
    である請求項13記載の重合体水性分散液の製造方法。
  15. 【請求項15】 炭素原子数1〜8のアルキル基を含有
    するエチレン性不飽和単量体(a−2)が、メチルアク
    リレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート
    である請求項13または14記載の重合体水性分散液の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 カルボキシル基含有エチレン性不飽和
    単量体(a−1)の20〜60重量%と、炭素原子数1
    〜8のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a
    −2)の30〜75重量%と、炭素原子数9〜20のア
    ルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−3)の
    0.5〜10重量%とを水性媒体中で重合する請求項1
    3〜15の何れか1つに記載の重合体水性分散液の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 カルボキシル基以外の水素結合を形成
    し得る官能基を含有するエチレン性不飽和単量体(a−
    4)を必須の成分として使用する請求項13〜16の何
    れか1つに記載の重合体水性分散液の製造方法。
  18. 【請求項18】 カルボキシル基以外の水素結合を形成
    し得る官能基を含有するエチレン性不飽和単量体(a−
    4)が、アミド基を含有するエチレン性不飽和単量体、
    水酸基を含有するエチレン性不飽和単量体、ポリオキシ
    アルキレン基を含有するエチレン性不飽和単量体、又
    は、スルホン酸基若しくはサルフェート基を含有するエ
    チレン性不飽和単量体である請求項17記載の重合体水
    性分散液の製造方法。
  19. 【請求項19】 水性媒体中での重合を、アニオン性反
    応性乳化剤の存在下に行う請求項13〜18の何れか1
    つに記載の重合体水性分散液の製造方法。
  20. 【請求項20】 水性媒体中での重合を、単量体成分の
    混合物を乳化剤及び水を用いて乳化させた乳化液滴と
    し、その乳化液滴を水性媒体に滴下して行うものである
    請求項13〜19の何れか1つに記載の重合体水性分散
    液の製造方法。
  21. 【請求項21】 水性媒体中での重合を、50〜90℃
    の温度範囲で行う請求項13〜20の何れか1つに記載
    の重合体水性分散液の製造方法。
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