JPH09295946A - 医薬組成物 - Google Patents

医薬組成物

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JPH09295946A
JPH09295946A JP8145130A JP14513096A JPH09295946A JP H09295946 A JPH09295946 A JP H09295946A JP 8145130 A JP8145130 A JP 8145130A JP 14513096 A JP14513096 A JP 14513096A JP H09295946 A JPH09295946 A JP H09295946A
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JP
Japan
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active ingredient
pyrimidine
growth
pyrrolo
oxo
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Application number
JP8145130A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Awaya
昭 粟屋
Fumiaki Ito
文昭 伊藤
Koujiyun Torigoe
甲順 鳥越
Ikuo Tomino
郁夫 冨野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Pharmaceuticals Inc
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Pharmaceuticals Inc
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 創傷治療剤をインビトロ系で簡便にスクリー
ニングする方法およびその方法により見出された創傷治
療剤の提供。 【解決手段】 増殖・分化因子、成長ホルモンまたはサ
イトカイン類の生物活性を増強または修飾することが創
傷治療剤として有効であると判定する創傷治療剤のスク
リーニング方法およびそれにより見いだされた式(1)
または式(2)の化合物。 〔式(1)または式(2)において、RからRは独
立に水素または低級アルキル基、−CHCHOCH
、−CHCOR(R=CH、C、NH
)、−CH−OCOCを;Xは−N
(R10)−(R10=CH、C、Ph、−C
Ph、−CH(Ph)、−COCH、−COO
CH、−SOCH)、−CH−、−CH(CH
)−、−CH(C)−、−O−、−S−を;示
す。但しPhはフェニル基である〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な創傷治療剤お
よび創傷治療剤の新規なスクリーニング・作出方法の提
供に関する。更に詳しくは、本発明は単純なスリ傷、切
り傷などのケガによる創傷、各種の事故、災害による創
傷、火傷、熱傷、そして骨折、抜歯、手術中の患部およ
び周辺部の受傷による手術創たとえば角膜や血管や様々
な臓器の手術創及び各種臓器移植時の手術創、身体皮膚
上皮、内皮の潰瘍、ケロイドのような創傷、消化管粘膜
の組織傷害、たとえば胃粘膜障害、消化性潰瘍、炎症性
腸疾患における粘膜障害、肝細胞障害、また骨損傷、偽
関節、大腿骨骨頭壊死、靱帯損傷、歯周組織損傷、さら
には血管障害、心筋梗塞、動脈硬化、PTCA後の再灌
流障害、肺障害、腎障害など、薬物、放射線による傷
害、たとえば癌の化学療法や放射線療法にともなう口内
炎や粘膜炎など、長期間の寝たきり状態など何らかの要
因による褥瘡、痔疾などの創傷を治癒する新規な薬剤に
関する。また、本発明はこのような創傷治療剤を新たに
生み出す斬新なインビトロのスクリーニング系、スクリ
ーニング方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】前記のような各種創傷を治療する場合、
外傷については受傷部の消毒、ウエットドレッシング、
ドライドレッシングなどの創傷被覆材による処置、ある
いは手術糸による縫合などを行い、あとは生体の自然回
復力によって創傷が治癒するのを待つのみというのが実
態である。この創傷部の組織の修復・再生を積極的に促
す方策も最近ではとられるようになり、アビテン(登録
商標)が使用されたり、ヒアルロン酸スポンジのマトリ
ックス上に、コラーゲンや細胞接着分子であるラミニン
やフィブロネクチンのフラグメントなどを塗布したもの
が創傷部に貼付されてきている。
【0003】創傷治癒の過程は炎症相、増殖相・肉芽形
成期、再形成相・瘢痕成熟期に区分され、進行すると言
われる。肉芽組織形成期には繊維芽細胞、筋繊維芽細
胞、新生血管の生成が見られ、瘢痕期には増生したコラ
ーゲンが皮面に平行に再配列するとともに新生血管の減
少と再構築が見られ、組織の再編が行われる。前2相で
は各種の増殖・分化因子やサイトカイン類が、繊維芽細
胞、筋繊維芽細胞、血管内皮細胞などを含め各組織や血
小板、白血球、マクロファージなどから産生・放出さ
れ、これらが創傷治癒に重要な作用を及ぼしていると考
えられている。そして、上皮増殖因子(EGF)や塩基
性線維芽細胞増殖因子(bFGF)が、皮膚欠損創や消
化性潰瘍の治療に試験的に使用され始めている(例えば
Wolfe,M.M.ら :Gastroenterology, 106:A212,1994)。
またbFGFなどは、虚血等により障害された心筋を灌
流する新生血管を増生するべく、またHGFなどは肺障
害、肝障害、腎障害などを治療するべく外的投与が動物
で試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、創傷治癒
過程を促進するためには、生体内で実際に演じられてい
る創傷治癒の場に登場する増殖・分化因子、成長ホルモ
ンやサイトカイン類、各種接着分子類を生体に投与する
ことが実際に、また試験的に行われており、上記の物質
はすべて生体由来の物質につきるのが現状である。
【0005】これら物質、特にタンパク質類はヒトの創
傷の治療に適応しようとする場合、投与経路が限られ、
効果の持続に多くは望めないのが一般である。EGF、
bFGFも多くは局所投与を行うのが最上の方法である
かもしれない。注射投与などによる全身投与のトライア
ルはあるにしても、軟膏などによる局所投与がまず行わ
れるのが実状であろう。また増殖・分化因子、サイトカ
イン類は多機能を有し、創傷治癒のみならず、別の望ま
しくない作用を示すこともあり、投与には問題が生じる
こともある。また、前記のようなタンパク質を調製する
にはヒト型遺伝子を遺伝子工学的に処理してタンパク発
現を行わねばならず、高価なものとなり、また製薬上の
種々の問題も解決しなければならない。
【0006】
【課題を解決するための手段】これまでに開発されてい
る創傷治療剤は数少なく、またこのような現状におい
て、本発明者らは新規な優れた創傷治療剤を、タンパク
質やペプチドのみならず、特に合成化合物の中に見出そ
うと努力を開始した。創傷治療剤の候補と考えられる化
合物を、創傷治癒効果を判定する様々のインビボの実験
系を用意して、いちいちスクリーニングしてゆくこと
は、これら実験系の作製に時間と手間を必要とし、アッ
セイ・評価するのにも時間と熟練度を要するため、おい
それとは実施できない。
【0007】そこで本発明者らは創傷治癒活性を有する
物質を探索するためのインビトロ実験系を構築すること
を鋭意思案し、創傷治癒過程に関与する種々の物質のう
ち、増殖・分化因子、成長ホルモンやサイトカイン類に
着目し、これら因子にまつわる作用、手助けする作用を
有する物質をピックアップすることはどうかと着想し
た。また、手間のかかるインビボ実験系ではなく、簡便
で費用も高価でない、インビトロ系に近いインビボ実験
系を用いることも考えた。そして鋭意検討を重ねた結
果、インビトロの細胞実験系や、安価な、インビトロ系
に近いインビボ系で増殖・分化因子、成長ホルモンやサ
イトカイン類の生物活性を増強ないし修飾することが見
出された化合物が、実際に、ラット、マウス、家兎など
の皮膚欠損創モデル、皮膚切創・縫合モデル、血管柄付
皮弁生着率検定モデル、消化管潰瘍モデル、心障害モデ
ル、肺障害モデル、肝障害モデル、腎障害モデル、大動
脈のバルーン擦過モデル、角膜傷害モデル、骨折モデ
ル、熱傷モデル、褥瘡モデルなどにおいても、創傷治癒
促進による創傷治癒効果を発揮することが見出された。
【0008】本発明は、かかる知見にもとづいて完成さ
れたものである。即ち、本発明は増殖・分化因子、成長
ホルモンまたはサイトカイン類のインビトロ等の生物活
性を増強または修飾する物質が創傷治療効果を有するこ
とを見出したという知見に基づくものであり、増殖・分
化因子、成長ホルモンまたはサイトカイン類の生物活性
を増強ないし修飾する活性を持つことを特徴とする物質
を有効成分とする創傷治療剤を提供する。さらにまた、
本発明は増殖・分化因子、成長ホルモンまたはサイトカ
イン類の生物活性を増強ないし修飾することが創傷治療
剤として有効であると判定する創傷治療剤の新たなスク
リーニング方法を提案、提供するものである。
【0009】さらに本発明は、本発明者らが先に、神経
芽腫瘍細胞の神経突起伸展を促進する物質としてスクリ
ーニングし(Awaya,A.et al:Biol.Pharm.Bull.16(3)248
-253,1993)、神経障害を起こした動物において神経修
復を促進することを見出した合成ピリミジン系化合物
を、かかる創傷治療剤として新たに提供するものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明により創傷治療剤として提
供できる合成ピリミジン系化合物としては、WO87/
04928、USP4959368、特開平1−139
572、USP5304555、特開平1−4048
3、特開平2−221275、特公平8−5887など
に記載のある2−置換−6−アルキル−5−オキソ−
5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−d〕ピリミ
ジン類化合物および2−置換−7−アルキル−6−オキ
ソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピ
リミジン類化合物またはその塩である。より具体的には
式(1)あるいは式(2)に表わす化合物である。
【0011】
【化2】 (式(1)または式(2)において、RからRは独
立に水素または低級アルキル基、CHOCHCH
−、−CHCONH、−COCH、−COC
、−CHOCOCを、Xは>NH、>N−C
、>N−C、>N−ph、>N−CH−p
h、>N−CH−ph、>N−COCH、>N−C
OOC、>N−SOCH、>CH、>CH
CH、>CHC、−O−、−S−を示す。ただ
し、phはフェニル基を示す。) なお、低級アルキル基としては炭素数が1から7の低級
アルキル基が好ましい。
【0012】式(1)の代表的化合物を以下に例挙す
る。2−ピペラジノ−6−メチル−5−オキソ−5,6
−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン、
2−(4−メチルピペラジノ)−6−メチル−5−オキ
ソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−d〕ピ
リミジン、2−(4−エチルピペラジノ)−6−メチル
−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,
4−d〕ピリミジン、2−ピペリジノ−6−メチル−5
−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−
d〕ピリミジン、2−(4−メチルピペリジノ)−6−
メチル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ
〔3,4−d〕ピリミジン、2−(4−エチルピペリジ
ノ)−6−メチル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7
H)ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン、2−モルホリノ
−6−メチル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)
ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン、2−チオモルホリノ
−6−メチル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)
ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン、2−ピペラジノ−6
−エチル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロ
ロ〔3,4−d〕ピリミジン、
【0013】2−ピペラジノ−6−イソプロピル−5−
オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−
d〕ピリミジン、2−ピペラジノ−6−n−ブチル−5
−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−
d〕ピリミジン、2−ピペラジノ−6−sec−ブチル
−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,
4−d〕ピリミジン、2−ピペラジノ−6−t−ブチル
−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,
4−d〕ピリミジン、2−ピペラジノ−4,6−ジメチ
ル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ
〔3,4−d〕ピリミジン、2−ピペラジノ−6,7−
ジメチル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロ
ロ〔3,4−d〕ピリミジン、2−ピペラジノ−6,
7,7−トリメチル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ
(7H)ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン、2−ピペリ
ジノ−4,6−ジメチル−5−オキソ−5,6−ジヒド
ロ(7H)ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン、2−ピペ
リジノ−6,7,7−トリメチル−5−オキソ−5,6
−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン、
2−ピペラジノ−7−メチル−6−エチル−5−オキソ
−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−d〕ピリ
ミジン、2−ピペラジノ−4−メチル−6−エチル−5
−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−
d〕ピリミジン。
【0014】式(2)の代表的化合物を以下に例挙す
る。2−ピペラジノ−7−メチル−6−オキソ−5,6
−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、
2−(4−メチルピペラジノ)−7−メチル−6−オキ
ソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピ
リミジン、2−(4−エチルピペラジノ)−7−メチル
−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,
3−d〕ピリミジン、2−(4−N−アセチルピペラジ
ノ)−7−メチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7
H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、2−ピペリジノ
−7−メチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、2−(4−メチルピ
ペリジノ)−7−メチル−6−オキソ−5,6−ジヒド
ロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、2−(4
−エチルピペリジノ)−7−メチル−6−オキソ−5,
6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジ
ン、2−モルホリノ−7−メチル−6−オキソ−5,6
−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、
2−チオモルホリノ−7−メチル−6−オキソ−5,6
−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、
2−ピペリジノ−7−エチル−6−オキソ−5,6−ジ
ヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、2−
ピペリジノ−7−n−プロピル−6−オキソ−5,6−
ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、2
−ピペリジノ−7−イソプロピル−6−オキソ−5,6
−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、
【0015】2−ピペリジノ−7−n−ブチル−6−オ
キソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕
ピリミジン、2−ピペリジノ−7−t−ブチル−6−オ
キソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕
ピリミジン、2−ピペリジノ−5−メチル−6−オキソ
−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリ
ミジン、2−ピペラジノ−5−メチル−6−オキソ−
5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミ
ジン、2−ピペラジノ−4,7−ジメチル−6−オキソ
−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリ
ミジン、2−ピペリジノ−5,7−ジメチル−6−オキ
ソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピ
リミジン、2−ピペリジノ−5,5,7−トリメチル−
6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3
−d〕ピリミジン、2−ピペラジノ−5,7−ジメチル
−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,
3−d〕ピリミジン、2−ピペラジノ−5,5,7−ト
リメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロ
ロ〔2,3−d〕ピリミジン、2−ピペリジノ−4メチ
ル−7−エチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7
H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、2−ピペリジノ
−5−メチル−7−エチル−6−オキソ−5,6−ジヒ
ドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン。
【0016】創傷治癒は、細胞の増殖誘導、遊走、増殖
停止、分化等が協調的制御の下に起こる過程であり、前
記の様々な増殖・分化因子、成長ホルモンあるいはサイ
トカイン類が出現し、それぞれの役割を演じる。創傷治
療剤を見出すには、上記のようにラット、マウス、家兎
などの皮膚欠損創モデルなどに被検物質を投与してその
活性を測定することにより行われてきたが、より簡便で
費用のかからない、創傷治癒過程を模式化したインビト
ロモデルなども考案されてきた。例えばヒト表皮角化細
胞を線維芽細胞を含む収縮コラーゲンゲルで約1週間培
養し、皮膚組織を再構成させて、その中心部を径4mm
の円形に全層にわたって切除し、別に作製したコラーゲ
ンにのせて培養を継続して組織の再生過程を観察する方
法がある。
【0017】このモデルでは再構築皮膚の欠損部自由縁
から中心部に向かって細胞が遊走し、欠損作製後1週間
で欠損部を覆いつくすとともに、細胞が増殖、多層化、
分化して正常皮膚に類似した組織構造が再生されるとい
い、培養系でありながらインビボに近い状態で創傷治癒
過程を把握することができるという(鈴木康俊ら:第53
回日本癌学会総会記事 1202 (353頁, 1994年) )。本発
明においては、このような斬新なモデルをさらに単純化
して、創傷治癒に一定の役割を果たす増殖・分化因子、
成長ホルモン、サイトカイン類などのみをターゲットと
して、それにまつわって、それら生物活性物質の作用を
増強ないしは修飾するかどうかをアッセイすることによ
って、そのような活性を持つ物質を見出したのである。
そしてそれら物質が実際に創傷治癒モデルにおいて、治
癒を促進することが目視によってあるいは、皮膚の引っ
張り強度測定などにより分かったので、本発明の創傷治
療剤のスクリーニング方法は、要件を満たす妥当な新規
なアッセイ系として、有用で価値あるものである。
【0018】例えばEGFを用いるインビトロ系につい
ては、ボイデンチャンバーの上部ウエルに上皮系細胞を
置き、下部ウエルにEGFおよび被検化合物を添加する
ことにより、遊走する細胞数を測定するだけで、創傷治
療剤としてポテンシャルある化合物を見出すことができ
る。上皮系細胞としては入手し得るどのような細胞でも
用いることができる。たとえばイヌMTCK腎臓細胞、
TMK細胞、各種の動物の食道、胃、小腸、十二指腸、
大腸、肺、気管支、肝臓、胆道、腎臓、膵臓、胸腺、脾
臓等の粘膜細胞などがあげられる。
【0019】また、bFGFを用いるインビトロ系につ
いても、同様にボイデンチャンバーの上部ウエルに線繊
芽細胞を置き、下部ウエルにbFGFおよび本発明の化
合物を添加することにより、遊走する細胞数を測定する
だけで、あるいは細胞増殖促進活性を測定するだけで、
創傷治療剤としてポテンシャルある化合物を見出すこと
ができる。線維芽細胞としては入手し得るどのような細
胞でも用いることができる。例えばBalb/3T3細
胞、培養血管内皮細胞、筋線維芽細胞など各種動物の全
身の組織の線維芽細胞などがあげられる。
【0020】bFGFについては、bFGFの血管新生
能をメルクマールにする種々のアッセイ系が用いられ
る。ニワトリ胚の気室部卵殻中央に卵殻窓を作り、chor
ioallantoic membrane(CAM)を表出させ、そこにb
FGFおよび被検薬の各濃度の溶液を滴下し、さらにふ
化を継続させ、数日後、顕微鏡下に血管新生の程度を調
べるという方法が好んで使われている。この実験系でb
FGFの血管新生能を増強することが見出された被検薬
は、ラット背部全層皮膚欠損創の作成後、人工真皮を移
植する系で、人工真皮と移植床の間に培養血管内皮細胞
シートを移植する際に併用すると、真皮内の血管新生を
促進し、真皮様組織構築に要する時間の短縮に有用であ
ることがわかる。また、CAM法によりbFGFの血管
新生能を増強ないし修飾する活性を有することが明らか
にされた化合物は、マウス、ラット、ウサギ等の皮膚切
創・縫合モデルで治癒を早めること、また血管柄付皮弁
の生着率検定モデルで血管柄付皮弁の生着率を高めるこ
と、またラット大動脈のバルーン擦過モデルで修復・再
生を促進することが示されている。VEGFについても
同様の系で、血管新生能をアッセイすることができる。
【0021】EGF、aFGF、bFGFと同様にその
他のFGF類、TGF−α、TGF−β、PDGF、P
D−ECGF、BMP、HGF、ミッドカイン、TN
F、インスリン、IGF−I,II、ケラチノサイト成長因
子、ECGF、線維芽細胞由来上皮細胞増殖因子、G−
CSF、M−CSF、GM−CSF、TPO、LIF、
SCF、EPO、ADF、MIP−α、トランスフェリ
ン、トロンビン、トロンボモジュリン、IL−1、IL
−4、IL−6、IL−8、HRF、単球走化性活性因
子、CGRP、SOD、アンジオテンシン、プロスタグ
ランジン類、セロトニン、コラーゲン、フィブロネクチ
ン、ラミニンなどおよびその同族体についても同様に、
ボイデンチャンバーの如きアッセイ装置を用いて、それ
ぞれの増殖・分化因子、成長ホルモンあるいはサイトカ
イン類が作用することの知られているターゲット細胞を
培養して、細胞の増殖・分化あるいは生理活性物質の放
出、遊走等の運動性、形態変化などをアッセイしたりし
て、被検薬である創傷治療剤をスクリーニングすること
ができる。測定パラメーターは、形態学的観察や遺伝子
・核酸レベル、タンパク質合成レベル、酵素活性等々を
検討する。またそれぞれの増殖・分化因子、成長ホルモ
ン、サイトカイン類が持つ固有の生物活性をインビトロ
の系、あるいはインビトロ系に近いインビボ系でアッセ
イすることもできる。
【0022】このようなアッセイ系で見出された物質
は、それ自身単独では、インビトロの、増殖・分化因子
やサイトカイン類様の生物活性がないか弱いが、創傷部
位を持つ生体においては、増殖・分化因子や成長ホルモ
ンやサイトカイン類が作動している部位において、これ
ら因子の生物活性を増強ないし修飾する。これら物質は
創傷治癒過程で、それら因子類が作動する時期のみ、そ
れら因子の活性を増強ないし修飾するのであり、のべつ
幕なし作用するのではなく、副作用を惹起せず、また変
異原性は低いと考えられる。そしてまた、それら因子・
サイトカイン類が作用し続けて瘢痕形成など行き過ぎ・
過剰の反応・現象が出てくる時期には、これら物質は投
薬をしなければよい。それら因子・サイトカイン類など
が活動している適切な時期に、これら物質を単独ない
し、これら因子・サイトカイン類の組換えタンパク質な
どと同時に生体に投与するとよい。創傷治癒過程で、生
体中の増殖・分化因子等の作用を短期、速効的に発現さ
せ、これら内在性増殖・分化因子等の長期的な創傷部位
での活動にもとづく、あるいは外来的な長期的なこれら
の因子タンパク質などの投与による、創傷治癒の遷延化
・難治化などの現象に至らしめないように、これら物質
を単独で、あるいはこれらタンパク質と同時にあるいは
合剤で投与することは適確なことと考えられる。
【0023】消化性潰瘍の修復、治癒過程では、肉芽形
成から上皮化と順に治癒が進む。即ち、粘膜欠損直後よ
り生じた炎症の初期に、血小板よりPDGFやTGF−
βが放出される。これらはマクロファージを遊走させ
る。マクロファージ自身もPDGFやTGF−βなどの
増殖因子を放出させ、この過程は加速度的に進む。2〜
3日たつと、PDGFやFGF、EGFなどにより線維
芽細胞が増殖する。同時にTGF−βによりECMが蓄
積され、さらにFGFなどの働きにより血管新生が起こ
る。このようにして肉芽形成が完成する。次に肉芽中の
線維芽細胞により放出されたHGFにより、またTGF
−α、EGFにより上皮細胞が遊走・増殖し肉芽を覆う
ようになる。そして殆ど同時に結合織の改築が起こる
(寺野 彰ほか:細胞増殖因子と消化性潰瘍.Medical
Practice,10(4):753〜757,1993)。本発明のピリミジン
化合物類は、このような創傷治癒過程に効果的に作用
し、創傷治療活性を持つ。
【0024】このようにして、本発明の式(1)および
式(2)の化合物は、創傷治療薬として有用であること
が明らかにされた。式(1)および式(2)の化合物
は、通常医薬組成物の形で用いられ、経口、皮下、筋肉
内、静脈内、鼻内、皮膚透過及び直腸経路といった種々
の経路により投薬される。
【0025】本発明は製薬的に許容される担体と活性成
分としての式(1)および式(2)の化合物もしくはそ
の薬学的に許容される塩を含有する製薬調合物を包含す
る。本発明の式(1)および式(2)の化合物の薬学的
に許容しうる塩類としては、例えば、塩酸塩、臭化水素
酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、酢
酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸
塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、グルコン酸
塩、糖酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩などの薬学的に許容し
うるアニオンを有する非毒性酸付加塩を形成する酸から
形成される塩類もしくはそれらの水和物、並びに第4級
アンモニウム(又はアミン)塩類もしくはそれらの水和
物があげられる。
【0026】本発明の組成物は、例えば錠剤、カプセ
ル、散剤、顆粒、トローチ、カシエー、エリキシル、乳
濁液、乳液、シロップ、懸濁液、エアロゾル、軟膏、無
菌注射液、成形パップ、軟質及び硬質ゼラチンカプセ
ル、alzet(登録商標)pumpカプセル、ペレッ
ト、坐薬及び無菌包装粉末などの形にすることができ
る。
【0027】製薬的に許容される担体(又は希釈剤)の
例は、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、ソルビトール、マンニト
ール、とうもろこし澱粉、結晶セルロース、アラビアゴ
ム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、ケイ酸カルシウ
ム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、トラガ
カントゴム、ゼラチン、シロップ、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシ安息香
酸エステル、プロピルヒドロキシ安息香酸エステル、タ
ルク、ステアリン酸マグネシウム、不活性なポリマー
類、水又は鉱油などである。
【0028】固体又は液体組成物のいずれも、上記のよ
うな担体のほか、充填剤、結合剤、滑沢剤、湿潤剤、崩
壊剤、乳濁及び懸濁剤、保存剤、甘味剤あるいは芳香剤
などを含有し得る。本組成物は、また患者に投薬の後、
活性成分が急速に、持続的に又は遅延的に放出されるよ
うに調製することができる。
【0029】経口投与の場合、式(1)および式(2)
の化合物は、担体又は希釈剤と混合され、錠剤、カプセ
ル剤などの形にされる。非経口投与の場合、活性成分は
10%ブドウ糖水溶液、等張食塩水、無菌水あるいは類
似の液体に溶解され、静脈内に点滴または注射により、
あるいは筋肉内注射により投与されるべくバイアル又は
アンプルに密閉される。有利には、溶解補助剤や局所麻
酔剤、保存剤及び緩衝剤も媒体中に含有させることもで
きる。安定性を増すために、本組成物をバイアル又はア
ンプルに注入した後に、凍結乾燥することも可能であ
る。非経口投与の他の製剤としては、例えば軟膏剤、パ
ップ剤などの経皮的に投与される製剤がある。この場合
成型パップやテープ剤が有利である。また障害局所、組
織、骨などの中に直接埋め込むペレット剤やalzet
(登録商標)pumpカプセル剤などもある。ペレット
作製に用いる樹脂としては、ポリ(2−ハイドロキシエ
チルメタアクリレート)や、エチレンビニルアセテート
コポリマーなどが挙げられる。
【0030】本組成物は、単位投薬量形状にあたり一般
に0.1ないし2000mg、好ましくは0.5ないし
1000mgの活性成分を含有する。式(1)および式
(2)の化合物は広い投薬量範囲にわたって有効であ
る。例えば、1日あたりの投薬量は普通0.03mg/
kgないし100mg/kgの範囲である。実際に投与
される化合物の量は、投与される化合物により、また個
々の患者の年令、体重、反応、症状の程度、投与経路等
により、医者により決定される。従って、上記の投薬量
範囲は本発明の範囲を限定するものではない。1日あた
りの好適な投薬回数は通常1〜6回、好ましくは1〜4
回である。
【0031】式(1)および(2)の化合物は、それ自
体で有効な創傷治療剤であるが、必要ならば1種又はそ
れ以上の他の同効薬と組合せて投薬することもできる。
そのような付加的な薬剤には上記のような各種増殖・分
化因子、成長ホルモンやサイトカイン類、亜鉛があげら
れる。
【0032】本発明の治療薬に用いる式(1)および式
(2)の製造例は既に、本発明者らが特許出願および論
文発表をしているので、それらを参考としたい(WO8
7/04928,USP 4959368,特開平1−
139572,USP 5304555,特開平1−4
0483,特開平2−221275、特公平8−588
7など、Biol.Pharm.Bull.16(3):248-253,1993 )。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例および実験例をもって
より詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0034】実施例1 活性成分10mgを含有する錠剤は以下のようにして製
造される。 錠剤当り 活性成分 10mg トウモロコシデンプン 55mg 結晶セルロース 35mg ポリビニルピロリドン(10%水溶液として) 5mg カルボキシメチルセルロース・カルシウム 10mg ステアリン酸マグネシウム 4mg タルク 1mg ─────────────────────────────── 合計 120mg 活性成分、澱粉および結晶セルロースを80メッシュふ
るいを通し、完全に混合する。得られた粉末にポリビニ
ルピロリドン溶液を混合し造粒した後、18メッシュの
ふるいを通す。このように製造した顆粒を50〜60℃
で乾燥し、再度18メッシュのふるいにより整粒する。
前もって80メッシュのふるいにかけておいたカルボキ
シメチルセルロースカルシウムおよびステアリン酸マグ
ネシウムおよびタルクを顆粒に加え、混合した後、製錠
機により各々120mgの重量の錠剤を製造する。
【0035】実施例2 活性成分200mgを含有する錠剤は以下のようにして
製造される。 錠剤当り 活性成分 200mg トウモロコシデンプン 50mg 結晶セルロース 42mg 軽質無水ケイ酸 7mg ステアリン酸マグネシウム 1mg ─────────────────────────────── 合計 300mg 上記成分を80メッシュふるいを通し、完全に混合す
る。得られた粉末を圧縮成形し、重量300mgの錠剤
を製造する。
【0036】実施例3 活性成分100mgを含有するカプセル剤は以下のよう
にして製造される。 カプセル当り 活性成分 100mg トウモロコシデンプン 40mg 乳糖 5mg ステアリン酸マグネシウム 5mg ─────────────────────────────── 合計 150mg 上記成分を混ぜ合せ、80メッシュふるいを通し、完全
に混合する。得られた粉末を150mgずつカプセルに
充填する。
【0037】実施例4 活性成分5mgを含有するバイアル入り用時溶解注射剤
は以下のようにして製造される。 バイアル当り 活性成分 5mg マンニトール 50mg 用時、注射様蒸留水1mlを用いて溶解し、使用する。
【0038】実施例5 活性成分50mgを含有するアンプル入り注射剤は以下
のようにして製造される。 アンプル当り 活性成分 50mg 塩化ナトリウム 18mg 注射用蒸留水 適量 ─────────────────────────────── 合計 2ml
【0039】実施例6 活性成分17.5mgを含有する粘着性貼付製剤は以下
のようにして製造される。ポリアクリル酸アンモニウム
10部を水60部に溶解する。一方グリセリンジグリシ
ジルエーテル2部を水10部に加熱しつつ溶解する。更
にもう一方でポリエチレングリコール(グレード40
0)10部、水10部、活性成分1部を撹拌溶解する。
ついでポリアクリル酸アンモニウムの水溶液を撹拌しつ
つグリセリンジグリシジルエーテルの水溶液及びポリエ
チレングリコールの活性成分含有水溶液を添加混合した
薬物含有含水ゲル用溶液を、柔軟性のあるプラスチック
フィルムに活性成分が平方センチメートル当り0.5m
gとなるように塗布し、表面を剥離紙で覆い35平方セ
ンチメートルに切断し、製剤とした。
【0040】実施例7 活性成分10mgを含有する粘着性貼付製剤は以下のよ
うにして製造される。ポリアクリル酸ナトリウム100
部、グリセリン100部、水150部、トリエポキシプ
ロピルイソシアヌレート0.2部、エタノール100
部、ミリスチン酸イソプロピル25部、プロピレングリ
コール25部及び活性成分15部の混合水溶ゾル液を調
製した。次にこのゾル液をレーヨン不織物とポリエチレ
ンフィルムとからなる複合フィルムの不織布面に100
μm厚に塗布して薬剤含有の粘着剤層を形成した。この
層中に含まれる放出補助物質(ミリスチン酸イソプロピ
ルとプロピレングリコール)の含量は約20重量%であ
った。その後25℃で24時間架橋し、上記粘着剤界面
に剥離フィルムを貼り合せ、更にこれを35平方センチ
メートルに切断し製剤とした。
【0041】実施例8 実施例4の製剤のバイアル当りEGF 1mgを含有せ
しめた。 実施例9 実施例4の製剤のバイアル当りbFGF 1mgを含有
せしめた。 実施例10 実施例4の製剤のバイアル当たりミッドカイン1mgを
含有せしめた。 実施例11 実施例5の製剤のアンプル当りEGF 1mgを含有せ
しめた。 実施例12 実施例5の製剤のアンプル当りbFGF 1mgを含有
せしめた。 実施例13 実施例5の製剤のアンプル当たりミッドカイン1mgを
含有せしめた。 実施例14 実施例6の単位製剤当りEGF 0.2mgを含有せし
めた。 実施例15 実施例6の単位製剤当りbFGF 0.2mgを含有せ
しめた。 実施例16 実施例6の製剤の単位製剤当たりミッドカイン0.2m
gを含有せしめた。 実施例17 実施例7の単位製剤当りEGF 0.2mgを含有せし
めた。 実施例18 実施例7の単位製剤当りbFGF 0.2mgを含有せ
しめた。 実施例19 実施例7の製剤の単位製剤当たりミッドカイン0.2m
gを含有せしめた。
【0042】実施例20 ポリ(2−ハイドロキシエチルメタアクリレート)(Po
lysciences, Inc.)の粗い砂状結晶を、すり鉢に入れ、
すりこぎを用いて、クリーンベンチ内で無菌的に粉末状
に細かく砕いた。滅菌シャーレーにこの粉末10mgを
とり、99%エチルアルコールを10μlと活性成分
0.5mgを含む水溶液10μlとを加え、よく攪拌し
て糊状の塊とした後、乾燥させた。
【0043】実施例21 実施例20の単位製剤当たりEGF 0.5μgを含有
せしめた。 実施例22 実施例20の単位製剤当たりbFGF 0.5μgを含
有せしめた。 実施例23 実施例20の単位製剤当たりミッドカイン 0.5μg
を含有せしめた。 実施例24 実施例20の単位製剤当たりPDGF 0.5μgを含
有せしめた。 実施例25 実施例20の単位製剤当たりTGF 0.5μgを含有
せしめた。 実施例26 実施例20の単位製剤当たりIGF 0.5μgを含有
せしめた。 実施例27 実施例20の単位製剤当たりIL−4 0.5μgを含
有せしめた。
【0044】実施例28 低分化型上皮細胞TMK1細胞をトリプシン処理し、
0.25%BSA含有RPMI 1640培養液で洗浄
後、再浮遊させ、予めEGF、bFGF、HGF、TG
F−β、PDGF、IGF−1、トランスフェリン、C
GRPなどの増殖・分化因子、成長ホルモン、サイトカ
イン類の1種または2種以上、あるいは本発明のピリミ
ジン系化合物の溶液ないし混合溶液を含む培養液をボイ
デンチャンバーの下段ウエルに200μl加えた上に、
タイプIVコラーゲンコートのフィルターをおいた後
に、1×106/mlのTMK1細胞浮遊液200μl
を上段ウエルに加え、4時間培養した。次いで下段ウエ
ルの培養液を固定、染色し、遊走してきた細胞数を測定
した。3つのチャンバーで同時に実験を行い、それぞれ
について顕微鏡下、5視野を観察、計数した。
【0045】以下にその数値を例挙するが、数値は平均
値±S.E.で各化合物について、 a)コントロール、b)各ピリミジン化合物(濃度はそ
れぞれ異なる)、c)EGF 10ng/ml、d)各
ピリミジン化合物+EGF混合液の細胞数を順に示す。
【0046】2−ピペラジノ−6−メチル−5−オキソ
−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−d〕ピリ
ミジンマレイン酸塩については、 a)5.7±0.5、b)7.4±3.0(1mM)、
c)80±8.0、d)111.2±8.0、であっ
た。
【0047】2−ピペリジノ−7−メチル−6−オキソ
−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,3−d〕ピリ
ミジンマレイン酸塩については、 a)1.6±0.7、b)2.9±1.0(0.1m
M)、c)17.5±1.6、d)20.9±4.9、
であった。
【0048】2−(4−エチルピペリジノ)−7−メチ
ル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ
〔2,3−d〕ピリミジンマレイン酸塩については、 a)9.1±1.0、b)28.6±18.4(0.1
mM)、c)93.2±2.0、d)144±3.1、
であった。
【0049】2−ピペリジノ−5,5,7−トリメチル
−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔2,
3−d〕ピリミジンマレイン酸塩については、 a)24±12.5、b)33±12.6(0.1m
M)、c)130.9±15.9、d)147.2±1
3.2、であった。
【0050】以上の数値でみるとおり、各ピリミジン化
合物はEGFの作用を相乗的、相加的に増強することが
わかった。これらの化合物はまた、マウス、ラット、ウ
サギ等の皮膚切創・縫合部位の皮膚の傷のきれいな治癒
を早めるなどインビボの創傷治癒効果もあり、インビト
ロの知見と対応しており、本実験法は創傷治療剤スクリ
ーニング方法として優れていることが認識された。
【0051】実施例29 低分化型上皮細胞TMK1細胞を35mmディシュに5
〜10%FCSを含むRPMI 1640培養液で、
0.5×105/mlになるように浮遊させ2日間培養
した。次いでEGF10ng/mlあるいは各ピリミジ
ン化合物を単独あるいは混合して、この細胞培養液に加
え、5時間ないし8時間後、細胞の形態を観察した。例
えば2−ピペラジノ−6−メチル−5−オキソ−5,6
−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4−d〕ピリミジンマ
レイン酸塩については、1mM単独では5時間後から1
日後にかけて、わずかな形態変化が観察されたに過ぎな
いのに対して、EGF 10ng/mlでは1日後激し
く形態変化をしており、scatteringを呈し変
化が顕著であった。コントロールの細胞培養では、上皮
細胞特有の細胞間の強い結合とコロニー形成が見られた
ままであった。
【0052】EGFと本化合物の同時添加の培養では、
EGF単独に比べ、更に激しい形態変化を示し、8時間
後で既に神経突起様の突起を発芽し、伸長してゆき、1
日後には網目形成を密にしていた。これらの形態変化は
試剤を除去すると消失し、もとのコロニー形成の状態に
もどった。本化合物はEGFの作用を極めて増強した生
物活性を惹起することが示された。
【0053】実施例30 受精10日目の鶏卵の気室部卵殻中央に卵殻窓を作りC
AM(chorioallantoic membrane )を表出させ、一辺
3mmの正方形のナイロン膜をCAM上に置き、そこに
bFGFおよびまたは本発明のピリミジン化合物の各溶
液を8μl滴下した。即ち、組換えヒトbFGF(Ge
nzyme社)の1、10、100ng/mlの生食溶
液および各ピリミジン化合物0.01〜1mMの各濃度
の生食溶液を単独あるいは混合してCAMナイロン膜上
にアプライした。38℃でふ化を継続させ、72時間目
に4℃の冷所に移し2〜3時間放置した後、顕微鏡下に
血管新生の程度を調べた。血管新生は0.1mm以上の
放射状血管の数で判定した。
【0054】3日後の血管新生数(M±SE)は、bF
GF、1ng/ml、10ng/ml、100ng/m
lそれぞれで4.1±0.4、4.3±0.7、6.1
±1.1であり、例えば2−ピペラジノ−6−メチル−
5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ〔3,4
−d〕ピリミジンマレイン酸塩については0.01m
M、0.1mM、1mMそれぞれで、3.5±0.9、
3.4±0.5、4.4±0.7であった。コントロー
ルの生食のみの群では1.4±0.3であった。これに
対しbFGFと本化合物の同時添加群ではbFGF+本
化合物0.01mMの場合8.1±1.1、bFGF+
本化合物0.1mMの場合8.5±0.8、bFGF+
本化合物1mMの場合9.3±0.5であり、本化合物
によりbFGFの血管新生は相乗的に増強されることが
わかった。本化合物はまたインビボの創傷治癒効果もあ
り、インビトロの知見と対応しており、本実験法は創傷
治療剤スクリーニング方法として優れていることが認識
された。
【0055】実施例31 血小板由来成長因子(PDGF)は繊維芽細胞や血管平
滑筋細胞(SMC)の増殖を促進する因子として、血小
板、SMC、血管内皮細胞、単球や形質転換細胞などか
ら見つかっている(Kondo et al.: J.Biol.Chem.; 268:
4458-,1993など)。PDGFはA鎖とB鎖からなるホモ
またはへテロ二量体を形成し、細胞の増殖や遊走に関与
することで、障害の修復において重要な役割を担ってい
る(Rosset al.: J.Biol.Chem.; 267: 22806-, 1992な
ど)。
【0056】バルーンカテーテルでラット動脈内皮細胞
を剥離すると、管壁の損傷部位に血小板が付着し、その
α顆粒よりトロンビン、セロトニン、PDGFなどが放
出される(McNamara et al: J. Clin. Invest.; 91: 94
-, 1993)。また傷害付近のフェノタイプが収縮型から
合成型に変化したSMCは、上記の因子により増殖と遊
走が誘導される(Fanger et al.: Circ. Res.; 77: 645
-, 1995)。このときトロンビンは、SMC中のPDG
F−A鎖mRNA転写を一過性に誘導し、PDGF受容
体mRNAの発現量を一過性に減少させる(Okazaki et
al.: Circ. Res.; 71: 1285-, 1992)。培養フラスコ
中で培養したSMCは合成型のフェノタイプを示し、ト
ロンビンを添加した場合バルーンカテーテルによる損傷
時と同様な変動がPDGF−A鎖mRNA及びPDGF
受容体mRNAの発現に認められる(Okazaki et al.;
上掲)。一方、ラット培養SMC中では、長さの異なる
3種類のPDGF−A転写物(2.9kb、2.3k
b、1.7kb)が認められ、それぞれの転写物の誘導
の強さはトロンビンあるいはセロトニンを添加した場合
で異なる結果が得られている(Okazaki et al;上掲)。
以上の背景から、ラット培養SMCを用いて損傷回復中
の血管で働くPDGF−A分子種のトロンビンあるいは
セロトニンによる発現誘導への本発明化合物の併用効果
を検討した。
【0057】血管平滑筋細胞(SMC)培養 SMCは Ross & Klebanoff(J. Cell. Biol.; 50: 159
-, 1971)の方法を部分的に変えて調製した。ラット胸
部大動脈を摘出し、外膜を剥がした後、中膜・内膜を2
〜3mm2に細切した。10%FBS、80ng/ml
ゲンタマイシン(Schering-Plough)を含む Waymouth's
MB 752/1 medium を入れたフラスコ(25cm2)に細
切した切片を静置し、37℃、5%炭酸ガス存在下2〜
3週間培養した(初代培養)。フラスコからSMCを、
トリプシン−EDTA solution (1×)を加え、37
℃で5分間処理して細胞を剥がした後、10%FBS−
Waymouth's MB 752/1 medium で希釈し植え継いだ(2
代)。SMCがコンフルエントになる毎に同様に植え継
ぎ、以下の実験では5代から12代までの細胞を用い
た。
【0058】トロンビン、セロトニンの添加条件 培養SMCは、コンフルエントになった後、血清の影響
を防ぐため、2日間無血清培地で培養し、トロンビン
(1.0U/ml)またはセロトニン(5μM)を加
え、PDGF−A mRNAの誘導が最大となる6時間
37℃インキュベートした。リボソームとmRNAの解
離を防ぐ目的で、細胞を集める5分前にシクロヘキシミ
ド(100μg/ml)を添加した。
【0059】ポリソーム画分の調製 ポリソーム画分の調製およびRNA抽出は、Kasper et.
al.(J, Biol.Chem.;267: 508-,1992)の方法に若干の
変更を加えて行った。トリプシン処理により集めた細胞
をシクロヘキシミド(100μg/ml)を含むPBS
で洗った後、細胞の沈殿に500μlの high-salt lys
is buffer(20mM Tris−HCl pH7.
5、250mM NaCl、5mM MgCl2、0.
1% Noni det P−40、0.2%DOC)
を加え、ホモジナイズした。これを、12,000×g
で10分間、4℃で遠心分離し、得た上清に67μlの
Heparine mix(7.4mg/ml heparine、1.1M
NaCl、15mM DTT、RNasin)を加え
た。200μlを0.5Mから1.25Mの蔗糖密度勾
配(20mM Tris−HCl pH7.4、10m
M NaCl、3mM MgCl2を含む)5mlにの
せ、45,000rpmで90分間(日立RP55S
T)遠心分離した後、260nmの吸光度でモニターし
て、10本のフラクションに分取した。RNA抽出用の
サンプルには各フラクションに、SDSとプロテインナ
ーゼKを最終濃度が1%および0.2mg/mlになる
ようにそれぞれ加えて37℃で1時間インキュベートし
た後、1/2量のフェノール、続いて1/2量のクロロ
ホルムの抽出を2回、等量のクロロホルムの抽出を1回
行い、タンパク質を除いた。水層に共沈剤としてグリコ
ーゲンを20μg/ml加え、酢酸ナトリウムを0.0
3M加え、2倍量のエタノールでRNAを沈殿させた。
【0060】ノーザンブロット分析 RNAは60%ホルムアミド、5.9%ホルムアルデヒ
ド、1×MOPS Buffer(10mM MOPS pH
7.0、4mM NaOAc、0.5mM EDTA)
を含む溶液中で65℃、5分間インキュベートを行った
後、1×MOPS Bufferを含む1.2%アガロースゲ
ルで電気泳動を行い分離した。ゲルを20×SSCで洗
浄した後、キャピラリー法によりRNAを Gene Screen
Plus メンブレンへ一晩ブロッティングした。RNAの
固定は15W殺菌灯を10cmの距離で1分間照射して
行った。ハイブリダイゼーションは QuickHyb Hybridiz
ation Solution(Strategene)を用い添付インストラク
ションマニュアルに従い行った。オートラジオグラフィ
ーの結果は NIH Image により定量化した。
【0061】ラットSMC中のPDGF−A mRNA
発現及び翻訳に対する2−ピペラジノ−6−メチル−5
−オキソ−5,6ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−
d]ピリミジンマレイン酸塩の効果 PDGF−A mRNAの発現に与える2−ピペラジノ
−6−メチル−5−オキソ−5,6ジヒドロ(7H)ピ
ロロ[3,4−d]ピリミジンマレイン酸塩の影響を調
べるために、ラット培養SMCに、セロトニンまたはト
ロンビンの存在下、本化合物を終濃度0.1mMになる
ように添加し、ノーザン分析を行った。トロンビン、セ
ロトニン、本化合物単独添加による1.7kbのPDG
F−AmRNAの発現量は、それぞれ無血清培地の対照
と比べて1.5倍、1.7倍、1.4倍であった。本化
合物をトロンビンと併用すると、トロンビン単独処理に
比べて4.5倍量の、セロトニンとの併用ではセロトニ
ン単独処理に比べて1.6倍量のPDGF−A mRN
Aがそれぞれ認められた。また、トロンビンと本化合物
を併用することにより、2.3kb、2.9kbmRN
A量も増加した。
【0062】以上の結果より、本化合物はトロンビンあ
るいはセロトニンによる情報伝達機構を促進する可能
性、あるいはPDGF−A mRNAの分解を阻害する
可能性が示された。また本化合物を添加することによ
り、新たに1.3kbのPDGF−A (−)RNAプ
ローブとハイブリダイズしたバンドが検出された。この
ことは、本化合物がPDGF−A mRNAのスプライ
シングに影響を及ぼす可能性を示している。
【0063】本化合物がPDGF−A mRNA翻訳へ
与える影響を調べるため、PDGF−A mRNAのポ
リソーム分布を調べた。無血清培地のときに発現してい
た1.7kbのmRNAは、ほとんどが非翻訳状態であ
ったのに対して、本化合物を添加することにより翻訳状
態に移行した。本化合物の添加により発現が誘導された
1.3kbのmRNAも翻訳状態にあった。トロンビン
単独添加の細胞では1.7kb、2.3kb、2.9k
bのmRNAは全て、翻訳状態と非翻訳状態の両方であ
ったのに対し、トロンビンと本化合物を併用した細胞で
は、翻訳状態に移行した。セロトニン単独添加の細胞で
は、誘導された3種のmRNAは全て翻訳状態にあっ
た。前項の結果と考え合わせると本化合物が特異的にP
DGF−AmRNAの翻訳を促進することで、PDGF
−A mRNAの安定性が増し、細胞内のPDGF−A
量が増加した可能性が示された。
【0064】SMCのPDGF−A合成に対する本化合
物の影響 SMCにおける本化合物のPDGF−A蛋白合成への影
響を[35 S]メチオニンでラベルした細胞の細胞質画分
を抗ヒトPDGF−AA抗体(コスモバイオ(株))を
用いた免疫沈殿で検討した。本化合物を添加した細胞で
は、セロトニン、トロンビンの存在下及び非存在下いず
れにも、8時間後から約16kDa付近のバンドが見ら
れた。本化合物を添加していない細胞では10時間後か
ら、16kDaのバンドが検出された。以上の結果か
ら、本化合物がPDGF−A mRNAの翻訳を促進す
ることが示された。
【0065】以上本実験より、本化合物はPDGF−A
の転写後の段階で働きSMC中のトロンビンあるいはセ
ロトニンを介した、血管修復に働くPDGF−Aの誘導
を早めることが示された。
【0066】実施例32 胃十二指腸潰瘍を代表とする消化性潰瘍疾患において、
胃粘膜等の障害の発生、修復の過程は、攻撃因子、防御
因子などの面より主にラットなどを用いたインビボの実
験モデルにより検討されてきたが、インビボモデルにお
いては、その関与する要素が多様で実験系が複雑にな
り、個々の系に関わる要素の解析が困難である。培養細
胞を用いたインビトロの系では実験系を単純化し、各レ
ベルで単一の要素を検討することが可能である。そこで
Watanabeらの開発した初代培養胃粘膜細胞を用いた新し
い損傷修復モデル(Gastroenterology: 104; A222, 199
3)で本発明化合物の活性を検討した。
【0067】初代培養胃粘膜細胞は体重2kgの家兎胃
粘膜を機械的に剥離、細切し、0.07%のコラゲナー
ゼ消化法により作製し、3.3×105個/mlの細胞
濃度でF−12培養液に10%胎児牛血清を添加して培
養した。この際、培養皿(60mm)にはI型コラーゲ
ンをコートしたものを用いた。培養後48時間で完全に
コンフルエント・セル・シートになったのを確認後、一
定面積(約2mm2)の円形の人工的損傷をセル・シー
ト上に機械的に作製し、実験に供した。損傷の修復過程
は位相差顕微鏡に接続したtime-lapse VTR装置で9
0秒ごとに1フレームの画像を取り込み、37度、5%
CO2の条件下で連続記録し、12時間ごとの人工的損
傷領域の面積を画像解析装置を用いて計測した。細胞の
増殖能を検討するため損傷作製後、12時間ごとにBr
dUを添加、培養し、抗BrdU抗体を用いてS期の細
胞を染色し増殖細胞を同定した。この過程はPNCA染
色によってもほぼ同様の結果が期待できる。
【0068】人工損傷を加えた直後に、EGF(1〜1
0ng/ml)と0.01〜0.1mMの2−ピペリジ
ノ−7−メチル−6−オキソ−5,6ジヒドロ(7H)
ピロロ[2,3−d]ピリミジンマレイン酸塩[化合物
A]あるいは0.01〜0.1mMの2−ピペラジノ−
6−メチル−5−オキソ−5,6ジヒドロ(7H)ピロ
ロ[3,4−d]ピリミジンマレイン酸塩[化合物B]
とをそれぞれ単独であるいは混合して、無血清にした胃
粘膜細胞培養液に加え、修復過程への効果を上記のパラ
メーターで測定した。EGFは細胞の遊走と増殖を濃度
依存的に促進し、修復の速度を加速した。化合物Aおよ
びBはともに、EGFが共存しないと修復効果を示さな
かったが、EGF−誘導の細胞修復の加速を濃度依存性
に更に促進した。対照群と薬物群のそれぞれにつき0時
間、12時間、24時間、36時間、48時間の損傷領
域の面積をこの順で以下に示す。
【0069】対照群、各濃度の薬物群いずれもn=5
で、結果を(平均値±SD)mm2で示す。対照群に対
して有意差検定を行い、*はp<0.05、**はp<
0.01、***はp<0.001であった。またEG
F10ng/mlに対して有意差検定を行い、+はp<
0.05、++はp<0.01であった。
【0070】[対照群:2.07±0.06、1.06±0.04、0.49
±0.03、0.26±0.03、0] [EGF10ng/ml群:2.06±0.06、0.91±0.03***、0.46
±0.15、0.08±0.04***、0] [EGF+0.01mM化合物A群:2.06±0.05、0.72±0.3
6、0.39±0.04**、0.05±0.04***、0] [EGF+0.1mM化合物A群:2.08±0.08、0.80±0.04**
*,++、0.24±0.05***,+、0***,+、0] [EGF+0.01mM化合物B群:2.06±0.04、0.92±0.05*
*、0.38±0.05**、0.07±0.04***、0] [EGF+0.1mM化合物B群:2.06±0.04、0.83±0.05**
*,+、0.29±0.07、0***,+、0]
【0071】この知見より本発明化合物の添加・併用に
より、EGFの胃粘膜損傷修復作用が増強されることが
明らかになった。また、HGF、TGF−α、インスリ
ン、ミッドカインなど他の増殖因子と本発明化合物の併
用によっても、同様の修復促進増強効果が観察された。
本発明化合物はまたインビボの消化性潰瘍の修復効果も
あり、インビトロの知見と対応しており、本実験法は創
傷治療剤スクリーニング法として優れていることが認識
された。
【0072】実施例33 ネンプタール麻酔下にウィスターラット(260〜33
0g)の脛骨を徒手的に骨折させ、22Gの注射針を髄
内釘として用いて骨折部を内固定した。ラットを2群に
分け、1群には2−ピペラジノ−6−メチル−5−オキ
ソ−5,6ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]ピリ
ミジンマレイン酸を5mg/kg、骨折直後より毎日1
日1回、7日間腹腔内に投与し、対照群には生食を同様
に投与した。両群とも7日目に屠殺し、脱灰・パラフィ
ン包埋後HE染色を行い、骨折部組織を病理組織学的に
検討した。対照群では骨折後7日目には、骨折部を中心
に骨膜細胞由来と考えられる間葉系細胞の増殖と類骨組
織からなる仮骨形成を認め、その内部には軟骨基質の形
成を伴った少数の軟骨細胞の巣状の増殖が観察された。
一方、5mg/kgの本発明化合物を連日投与した群の
骨折後7日目の組織学的所見では、骨折部には骨膜細胞
由来と考えられる間葉系細胞の著明な増殖が観察され、
その内部には対照群と比較して明らかに大量の硝子軟骨
基質の形成を伴った軟骨細胞の増殖が観察された。
【0073】実施例34 bFGFの誘導による硝子軟骨形成が観察できるラット
骨孔モデルを作製し、インビボにおける軟骨形成に対す
る2−ピペラジノ−6−メチル−5−オキソ−5,6ジ
ヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]ピリミジンマレイ
ン酸の作用について詳細に検討した。このモデルで骨孔
内にbFGF含有ペレットを包埋することにより、骨孔
周囲の骨膜下に硝子軟骨の形成がよく観察できる。ラッ
トを3群に分け、作製した骨孔(直径2.6mm)内に
bFGF(0.5μg)あるいはbFGF(0.5μ
g)+本発明化合物(0.5mg)含有ハイドロキシエ
チルメタアクリレートペレット(10mg)を包埋し、
一方対照群には生理食塩水を含有したペレットを包埋
し、ともに7日後に屠殺後、骨孔周囲の軟骨形成過程に
及ぼすbFGFあるいは本発明化合物の作用を検討し
た。骨孔作製後7日目に脛骨骨孔周囲を組織学的に検索
したところ、対照群では骨孔内に類骨組織の形成のみが
認められただけであったが、bFGF含有ペレットを包
埋した骨孔周囲には対照群と比較して、周囲の骨膜下に
少量の硝子軟骨の形成が観察された。さらにbFGF+
本発明化合物含有ペレット包埋群では、骨孔周囲の硝子
軟骨の量がbFGF含有ペレット包埋群と比較して明ら
かに増加していた。以上の結果から、本発明化合物が骨
折治癒過程において骨折部組織に対するbFGFの作用
を増強することにより内軟骨性骨化を促進・誘導してい
ることが示された。
【0074】実施例35 皮膚・筋切断・縫合ラットモデルにおいて、コラーゲン
の形成が治癒過程において重要な意味を持つことが明ら
かになっている。このモデルに特異的なものとしてコラ
ーゲン繊維が筋繊維と直角に交差するように板状構造を
形成し、その板上にマクロファージがが集積する。この
板状コラーゲンは、筋繊維の両切断端の解離を防ぎ ana
stomosis の形成を助ける働きをするものと考えられて
いる。さらに、この板状コラーゲン形成とマクロフアー
ジ集積の促進に2−ピペラジノ−6−メチル−5−オキ
ソ−5,6ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]ピリ
ミジンマレイン酸が有効に作用する可能性を示唆する知
見が走査型電子顕微鏡観察で得られた。
【0075】実施例36 劇症肝炎では血中HGF濃度が高値であるにも拘わらず
肝再生不全が生じることから、増殖因子の効果を増強す
る薬物が望まれる。本化合物の肝疾患治療剤としての活
性を、ラット初代培養細胞及び伊東(星)細胞を用いて
検討した。SD系200g前後の雄性ラットをコラーゲ
ナーゼを含む生食による潅流法によりと殺し、直ちに肝
細胞を採取し、5.0×104/cm2となるようにプレ
ートにまき、培養を開始し、2時間後に培養液を変え、
24時間後に2−ピペリジノ−7−メチル−6−オキソ
−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリ
ミジンマレイン酸塩を添加するかまたは添加せずにEG
F 50ng/mlと[3H]−ロイシン 1μCi/
mlを加えた。一方別のプレートには24時間後に本化
合物を添加するかまたは添加せずにEGF 50ng/
mlを加え、さらに46時間後に[3H]−チミジン
2μCi/mlを加えた。48時間後に各培養液を吸
引濾過し、ハーベストし、トリクロロ酢酸(TCA)溶
液を加えて、TCA沈殿を得てペレットにした。
【0076】[3H]−チミジンを加えた方のペレット
は、0.1N NaOHにて溶解し、液体シンチレータ
ーに入れ、シンチレーションカウンターにて、細胞のD
NA合成量を測定した。また同様に[3H]−ロイシン
を加えたペレットは、70℃でボイルし、可溶成分を抽
出し、再度TCAを加え、TCA沈殿を得て、0.1N
NaOHで溶解し、液体シンチレーターに入れ、シン
チレーションカウンターにて細胞のタンパク合成量を測
定した。
【0077】一方、SD系300g前後の雄性ラットを
コラーゲナーゼおよびプロナーゼを含む生食による潅流
法によりと殺し、伊東(星)細胞を採取し、1.25×
105/cm2となるようにプレートにまき、培養を開始
し、6日間培養して、上記と同様にして、ハーベストの
24時間前に本化合物と[3H]−ロイシンを加え、別
のプレートにはハーベストの24時間前に本化合物を、
また2時間前に[3H]−チミジンを加え、DNA合成
量及びタンパク合成量を測定した。また、伊東細胞を6
日間培養後、本化合物とb−FGF 10ng/mlを
加え、30分間培養した後、0.1mMアスコルビン酸
と0.5mMβ−アミノプロピオニトリルフマール酸塩
を添加してさらに1時間培養し、[2,3−3H]−プ
ロリン10μCi/mlを加え、24時間培養した。つ
いで培地と細胞とに分け、TCA沈殿を作製した。0.
1N NaOHにて溶解後、細菌性コラーゲナーゼにて
インキュベートし、TCA−タンニン酸にて反応停止後
ペレットを作製し、上清成分を液体シンチレーターに入
れ、シンチレーションカウンターにて測定した。
【0078】EGF添加時おける肝細胞のDNA合成
は、10μMの本化合物共存下で有意に増加した。その
際、アルブミンのmRNA発現及び培養上清中濃度には
変化が見られなかった。また、EGF非添加では本化合
物によるDNA合成促進は認められなかった。星細胞に
おけるDNA及びコラゲン合成は、b−FGFの有無に
拘わらず、1から100μMまでの本化合物添加では量
依存性に低下した。α2−平滑筋アクチン(αSM)の
発現は、b−FGF非存在下では本化合物添加で低下し
た。b−FGF存在下ではαSMの発現が低下したが、
本化合物の添加により量依存性に回復した。
【0079】このように本化合物は肝細胞に対してco
mitogenとして作用するが、アルブミン合成は変
化させず、星細胞の増殖とコラゲン合成は抑制した。b
−FGFは星細胞のαSM発現を抑制することも判明し
た。本化合物は肝疾患での線維化を抑制し、肝細胞の増
殖を促進する治療薬となる可能性が示唆された。
【0080】 実験例1 本発明の化合物を雄性ddy系5週令マウスおよび雄性
ウィスター系8週令ラットに経口投与し、24時間後に
毒性を判定したが、それぞれの化合物はマウスにおい
て、LD50値が、>1000mg/kgないし550
〜1000mg/kgであり、ラットにおいても>17
00mg/kgないし550〜1000mg/kgであ
り、一般に毒性が弱い、安全性の高い薬剤と考えられ
た。個々の値については既に公開ないし登録された本発
明者らの特許出願した明細書に記載されている。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明により見いだされた
創傷治療剤のスクリーニング方法は極めて簡便で優れた
ものであり、この方法により見いだされた化合物は創傷
治療剤としての用途に優れ、また特に増殖・分化因子、
成長ホルモン、サイトカイン類と併用する場合に治癒効
果が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/557 A61K 31/557 38/00 C07D 487/04 140 38/22 A61K 37/02 38/28 37/24 38/27 37/26 38/46 37/36 C07D 487/04 140 37/54 //(C07D 487/04 207:38 239:42) (72)発明者 冨野 郁夫 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増殖・分化因子、成長ホルモンまたはサ
    イトカイン類の生物活性を増強または修飾する活性を持
    つことを特徴とする物質を有効成分とする創傷治療剤。
  2. 【請求項2】 有効成分である物質がピリミジン類誘導
    体またはその薬学的に許容される塩類である請求項1の
    創傷治療剤。
  3. 【請求項3】 式(1)または式(2)のピリミジン類
    誘導体またはその薬学的に許容される塩類を有効成分と
    する創傷治療剤。 【化1】 (式(1)または式(2)において、RからRは独
    立に水素または低級アルキル基、CHOCHCH
    −、−CHCONH、−COCH、−COC
    、−CHOCOCを、Xは>NH、>N−C
    、>N−C、>N−ph、>N−CH−p
    h、>N−CH−ph、>N−COCH、>N−C
    OOC、>N−SOCH、>CH、>CH
    CH、>CHC、−O−、−S−を示す。ただ
    し、phはフェニル基を示す。)
  4. 【請求項4】 ピリミジン類誘導体が式(1)または式
    (2)で表される請求項2の創傷治療剤。
  5. 【請求項5】 2−ピペラジノ−6−メチル−5−オキ
    ソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]ピ
    リミジン マレイン酸塩または他の塩を有効成分として
    含有することを特徴とする創傷治療剤。
  6. 【請求項6】 2−ピペリジノ−7−メチル−6−オキ
    ソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ[2,3−d]ピ
    リミジン マレイン酸塩または他の塩を有効成分として
    含有することを特徴とする創傷治療剤。
  7. 【請求項7】 2−(4−エチルピペリジノ)−7−メ
    チル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ
    [2,3−d]ピリミジン マレイン酸塩または他の塩
    を有効成分として含有することを特徴とする創傷治療
    剤。
  8. 【請求項8】 2−ピペリジノ−5,5,7−トリメチ
    ル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ
    [2,3−d]ピリミジン マレイン酸塩または他の塩
    を有効成分として含有することを特徴とする創傷治療
    剤。
  9. 【請求項9】 有効成分としてさらに増殖・分化因子、
    成長ホルモンまたはサイトカイン類を含有する請求項
    1,2,3または4の創傷治療剤。
  10. 【請求項10】 増殖・分化因子、成長ホルモンまたは
    サイトカイン類が上皮増殖因子(EGF)、酸性線維芽
    細胞増殖因子(aFGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子
    (bFGF)、その他のFGF類、トランスフォーミン
    グ増殖因子(TGF)α,β等各型、内皮細胞増殖因子
    (VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、血小
    板由来血管内皮細胞増殖因子(PD−ECGF)、骨増
    殖因子(BMP)、肝細胞増殖因子(HGF)、ミッド
    カイン(Midkine)、TNF(tumor ne
    crosis factor)、インスリン、インスリ
    ン様増殖因子((IGF−I,II等)、ケラチノサイ
    ト成長因子、内皮細胞成長因子(ECGF)、線維芽細
    胞由来上皮細胞増殖因子、G−CSF、M−CSF、G
    M−CSF、TPO、LIF、SCF、EPO、AD
    F、MIP−1α、トランスフェリン、トロンビン、ト
    ロンボモジュリン、インターロイキン−1(IL−
    1)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロ
    イキン−6(IL−6)、インターロイキン−8(IL
    −8)、ヘパリン遊離因子(HRF)、単球走化性活性
    化因子、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGR
    P)、SOD、アンジオテンシン、プロスタグランジン
    類、セロトニン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミ
    ニンまたはその同族体である請求項1または9の創傷治
    療剤。
  11. 【請求項11】 有効成分としてさらにEGFまたはそ
    の同族体を含有する請求項5、6、7または8の創傷治
    療剤。
  12. 【請求項12】 有効成分としてさらにbFGFまたは
    その同族体を含有する請求項5、6、7または8の創傷
    治療剤。
  13. 【請求項13】 有効成分としてさらにミッドカインま
    たはその同族体を含有する請求項5、6、7または8の
    創傷治療剤。
  14. 【請求項14】 増殖・分化因子、成長ホルモンまたは
    サイトカイン類の生物活性を増強または修飾することが
    創傷治療剤として有効であると判定する創傷治療剤のス
    クリーニング方法。
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