JPH09294765A - 創傷面保護可溶性止血材 - Google Patents

創傷面保護可溶性止血材

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JPH09294765A
JPH09294765A JP8134135A JP13413596A JPH09294765A JP H09294765 A JPH09294765 A JP H09294765A JP 8134135 A JP8134135 A JP 8134135A JP 13413596 A JP13413596 A JP 13413596A JP H09294765 A JPH09294765 A JP H09294765A
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JP
Japan
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hemostatic material
soluble hemostatic
soluble
wound
sponge
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JP8134135A
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Shigeki Suzuki
茂樹 鈴木
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MIC Co Ltd
Original Assignee
MIC Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可溶性止血材を創傷面に積極的に残留させ、
擦り傷あるいは切り傷等の創傷部の表面にあてがわれた
可溶性止血材が出血した血液を素早く吸収し、膨潤しな
がら溶解し、血餅と一緒に創傷面を保護する創傷面保護
可溶性止血材を提供する。 【解決手段】 可溶性止血材層を創傷部保護面とし、そ
の背面に剥離可能な弱粘着性の粘着層を介して固定用シ
ート状部材を積層するか、あるいは可溶性止血材層と、
固定用シート状部材を圧着積層したことを特徴とする創
傷面保護可溶性止血材。また、可溶性止血材層と固定用
シート状部材の中間に、水分の吸収により体積膨張する
圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子製圧縮スポンジ等の膨潤性
部材を更に積層した創傷面保護可溶性止血材。かかる可
溶性止血材としては、オキシセルロース、酸化コラーゲ
ン、セルロースナトリウム、アルギン酸カルシウム等か
らなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、創傷面における出
血を効果的に止血させると共に、創傷治癒効果に優れ、
治癒後における創傷面の瘢痕を少なくする、創傷面保護
のための可溶性止血材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より擦り傷、切り傷等の創傷部の止
血ないし治療のために、傷口等を保護するガーゼあるい
は脱脂綿等を積層した貼付材等の創傷面保護材が数多く
提案されている。これら従来の保護材にあっては、ごく
短時間の創傷面保護を行なう場合には、創傷面からの剥
離が容易なものであったとしても、比較的長時間貼付後
に剥離する場合には、肉芽と一体化して剥離されること
が多く、血餅が再度露出するために不快な痛みと再出血
を伴うなど、傷口に悪影響を与える等の欠点を有してい
る。したがって再出血した傷口を再度同様の保護材等で
貼付を繰り返し最終的な治癒を行なった場合には、治癒
後の創傷面に瘢痕が残り易くなり、美容整形上も好まし
いものではないなどの問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記した
従来の貼付剤等の保護材における問題点を解決すべく鋭
意検討した結果、擦り傷あるいは切り傷等の創傷部の表
面に可溶性止血材をあてがうことにより止血が行なわれ
ると共に、可溶性止血材が出血した血液を素早く吸収
し、膨潤しながら溶解し、血餅と一緒に創傷面を保護し
得る可溶性止血材の特性に着目した。したがって、可溶
性止血材を創傷面に積極的に残留させるべく創傷面保護
部材を構成してやれば、治癒した創傷面は、保護部材を
剥離する段階においても不快な痛みや再出血をおこすこ
となく、治癒後に残った止血材は生理食塩水あるいは清
浄水にて洗浄することにより容易に取り除くことができ
る。本発明はかかる利点を有するように構成された創傷
面可溶性止血材を提供することを目的とする。
【0004】また、近年種々の術後処理あるいは手術中
において、身体皮膚表面より血管内に挿入するカテーテ
ル、チューブ等を介して特定薬物を投与する方法が増加
してきている。この場合、該カテーテルあるいはチュー
ブを介してヒトに投与する薬物が血液凝固阻止剤である
場合、あるいは患者の血液凝固能が不十分である場合に
は、カテーテル等を除去した後の止血処理が問題とな
り、止血処理に長時間を要することが生じていた。例え
ば、綿球やガーゼ等により注射針の挿入部分を押さえ、
力により傷口を圧迫し、血液凝固により止血できるまで
その状態でいなければならないが、かかる処理では止血
が不十分であることが散見され、止血処理自体に第三者
の補助を受けなければならないことも多く生じていた。
【0005】そのため、血液等の体液により膨潤するパ
ッドを圧縮加工し、それを粘着テープに粘着した絆創膏
が提案されている。この絆創膏は、カテーテル等による
処理後、注射針の挿入部に貼付すれば、結果として血液
等の体液により圧縮パッドが膨張し、挿入部を押圧し止
血されるという工夫であるが、このものにあってもその
基本的原理は物理的な押圧であるため、止血までに時間
を要する等の問題点があった。このことは何もカテーテ
ル等の処理後の注射針の止血に限らず、擦り傷、切り傷
等の創傷部の止血においても問題となるものである。本
発明者は、かかる押圧による止血処理に当たって、膨潤
性部材の表面に可溶性止血材を積層しておけば、膨潤性
部材による圧迫止血と、可溶性止血材による止血との相
乗効果により、より迅速かつ効果的に止血処理が可能と
なることに着目した。したがって、本発明はかかる物理
的押圧による止血ならびに可溶性止血材による止血を併
用したように構成した創傷面保護可溶性止血材を提供す
ることも目的とする。
【0006】更に本発明者は、かかる物理的押圧による
止血ならびに可溶性止血材による止血の併用を更に発展
させれば、擦り傷、切り傷等の創傷部の止血のみなら
ず、鼻腔内、口腔内、耳腔内、肛門内、腟内等の出血で
ある体腔内出血において、これら体腔内に挿入可能な形
状を有する膨潤性部材の表面にも可溶性止血材を積層し
ておくことにより、体腔内出血の止血が当該膨潤性部材
による圧迫止血と、可溶性止血材による止血との相乗効
果により、より迅速かつ効果的に行なえることにも着目
した。例えば鼻腔内出血、すなわち鼻血の場合を例にと
れば、膨潤性部材上に積層された可溶性止血材が鼻血を
素早く吸収し、膨潤しながら溶解し、血餅と一緒に創傷
面を保護し得る可溶性止血材の特性からみれば、可溶性
止血材を積極的に残留させるべく構成することにより膨
潤部材を鼻腔より除去する段階でも再出血を起こすこと
なく、完全止血後に残った止血材は生理食塩水あるいは
清浄水にて洗浄することにより鼻腔より容易に取り除く
ことができる。特に鼻血は思春期の若年層に多く見ら
れ、鼻腔内へガーゼ、脱脂綿等を可能な限り押し込み、
時間の経過による血液凝固による止血手段しかなく、鼻
腔よりガーゼ等を除去する段階で再度の出血が多く認め
られることが多く、より効果的な止血手段がない現状下
では、特に有効なものであるといえる。したがって、本
発明はまた、物理的押圧による止血ならびに可溶性止血
材による止血を併用した、鼻腔内、口腔内、耳腔内、肛
門内、腟内等の体腔用の可溶性止血材を提供することも
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのための手段として、
本発明はその一態様において、可溶性止血材層を創傷部
保護面とし、その背面に剥離可能な弱粘着性の粘着層を
介して固定用シート状部材を積層したことを特徴とする
創傷面保護可溶性止血材を提供する。
【0008】また本発明は、別の態様において、可溶性
止血材層を創傷部保護面とし、その背面に剥離可能な弱
粘着性の粘着層を介して、水分の吸収により体積膨張す
る圧縮綿、高分子製圧縮スポンジ等の膨潤性部材を積層
し、更に粘着層を介して固定用シート状部材を積層した
ことを特徴とする創傷面保護可溶性止血材を提供する。
【0009】更に本発明は、また別の態様において、可
溶性止血材層を、体腔内に挿入可能な形状を有し水分の
吸収により体積膨張する圧縮綿、高分子製圧縮スポンジ
等の膨潤性部材の周囲に、剥離可能な弱粘着性の粘着層
を介して積層したことを特徴とする体腔用可溶性止血材
をも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において使用する可溶性止
血材層を構成する可溶性止血材としては、オキシセルロ
ース、酸化コラーゲン、ナトリウムセルロース、アルギ
ン酸カルシウム等からなるものであり、織物状、不織布
状あるいはスポンジ状等、積層可能なように形成された
ものである。その中でも特に、ナトリウムセルロースか
らなる可溶性止血材が好ましく、かつこの止血材を織物
状あるいは不織布状に織り込んだものが特に良く、なか
でも北京紡績科学研究所により提供されるS−99止血
用ガーゼと称される可溶性止血材がとりわけ好ましい。
この止血材であるS−99止血用ガーゼによる止血効果
は特別に顕著であり、例えば以下のメカニズムにより止
血が行なわれる。すなわちこの止血材は、血液を含むと
素早く吸収し、膨張しながら溶解する。その結果、血餅
と一緒に創傷面をカバーし、保護することとなる。ま
た、この止血材は、溶解した後、多量の負電子を持ち、
血液凝固因子III の活性化、さらに血液凝固触媒の生成
を促進し、血液凝固の触媒によって血漿中の繊維タンパ
ク元が迅速に繊維タンパクに変化し、凝血ブロックがで
き、創傷面の止血を行なうこととなる。
【0011】したがって、本発明の好ましい具体的態様
に基づくひとつの創傷面保護可溶性止血材は、オキシセ
ルロース、酸化コラーゲン、ナトリウムセルロース、ア
ルギン酸カルシウム等からなる織物状、不織布状あるい
はスポンジ状に形成された可溶性止血材、なかでも取り
分けS−99止血用ガーゼを創傷貼付面とし、その背面
に剥離可能な弱粘着性の粘着層を介して固定用シート状
部材を積層したことを特徴とする創傷面保護可溶性止血
材である。
【0012】更に本発明の好ましい具体的態様に基づく
別の創傷面保護可溶性止血材は、オキシセルロース、酸
化コラーゲン、ナトリウムセルロース、アルギン酸カル
シウム等からなる織物状、不織布状あるいはスポンジ状
に形成された可溶性止血材、なかでも取り分けS−99
止血用ガーゼを創傷貼付面とし、その背面に剥離可能な
弱粘着性の粘着層を介して、水分の吸収により体積膨張
する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子圧縮スポンジ等の膨潤
性部材を積層し、更に粘着層を介して固定用シート状部
材を積層したことを特徴とする可溶性止血材である。
【0013】更にまた、本発明の好ましい別の具体的態
様における創傷面保護可溶性止血材は、オキシセルロー
ス、酸化コラーゲン、セルロースナトリウム、アルギン
酸カルシウム等からなる織物状、不織布状あるいはスポ
ンジ状に形成された可溶性止血材、なかでも取り分けS
−99止血用ガーゼを、体腔内に挿入可能な形状を有し
水分の吸収により体積膨張する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高
分子製圧縮スポンジ等の膨潤性部材の周囲に、剥離可能
な弱粘着性の粘着層を介して積層したことを特徴とする
体腔用可溶性止血材である。
【0014】本発明においては、創傷部保護面としの可
溶性止血材と、その背面に積層する固定用シート状部
材、あるいは水分の吸収により体積膨張する圧縮綿、高
分子製圧縮スポンジ等の膨潤性部材の積層を、剥離可能
な弱粘着性の粘着層を介して行なうのみならず、別の態
様として両者間を圧着積層することもできる。このよう
な圧着積層は、例えば両者の積層面をそれぞれ凹凸等の
エンボス加工を行ない、圧着積層することによるアンカ
ー効果により、目的を達成することができる。かかる凹
凸等による圧着積層は、その副次的効果として、体液と
の接触表面積が増えることにより、体積膨張が早まり、
その結果より短時間の止血を行なうこともできる。した
がって、本発明の別の態様における好ましい創傷面保護
可溶性止血材は、前記した個別的な好ましいとして例示
した具体例において、可溶性止血材層と、固定用シート
状部材との積層;あるいは可溶性止血材層と、膨潤部材
との積層において、剥離可能な弱粘着性の粘着層を介す
ることなく、両者の積層面をそれぞれ凹凸等のエンボス
加工を行ない、圧着積層することによる創傷面保護可溶
性止血材である。
【0015】以下に図面を参照にしながら本発明を詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例における創傷面
保護可溶性止血材1の縦断面図である。本発明の創傷面
保護可溶性止血材1は、可溶性止血材層2を創傷部保護
面とし、その背面に剥離可能な弱粘着性の粘着層3を介
して、固定用シート状部材4を積層したものである。こ
の場合の可溶性止血材層2は、前記した如く、オキシセ
ルロース、酸化コラーゲン、ナトリウムセルロース、ア
ルギン酸カルシウム等を織物状、不織布状あるいはスポ
ンジ状に形成した止血材層であり、なかでもS−99止
血用ガーゼを止血材層として積層するのが好ましい。本
発明の創傷面保護可溶性止血材は、可溶性止血材層2が
出血した血液を素早く吸収し、膨潤しながら溶解し、血
餅と一緒に創傷面を保護し得ることより、可溶性止血材
を創傷面に積極的に残留させるべく構成されている点に
特徴があることより、可溶性止血材層2の背面には、剥
離可能な弱粘着性の粘着層3を介して固定用シート状部
材4が積層される。かかる粘着層としては、通常の粘着
テープに使用されるているアクリル系、シリコーン系の
高分子化合物系の弱粘着剤を可溶性止血材層の背面に直
接積層するか、コーティングするか、あるいはフィルム
状として積層することも可能である。
【0016】この図1の実施例における可溶性止血材層
2と、その背面に積層される固定用シート状部材4の積
層は、剥離可能な弱粘着性の粘着層3を介して行なわれ
ているが、別の変形例においては両者間を圧着積層する
こともできる。かかる別の態様を図2として示す。すな
わち、図2は別の実施例における創傷面保護可溶性止血
材1の縦断面図であるが、この例では、可溶性止血材層
2の凸部5、・・・と、固定用シート状部材4の凸部
6、・・・とのそれぞれの凹凸によるエンボス加工で両
者が圧着積層され、いわゆるアンカー効果により一体化
されている。なお本実施例における圧着積層させるため
の凹凸は何もこの図に示したものに限られず、種々変形
した形状として、アンカー効果が期待できるものであっ
ても良いことはいうまでもない。
【0017】以上の本発明の創傷面保護可溶性止血材1
は、基本的構成として上記のように可溶性止血材層2な
らびに固定用シート状部材4が、剥離可能な弱粘着性の
粘着層3を介して積層されたものであるか、あるいは粘
着層を用いず両者間の圧着積層されたものであるが、所
望により可溶性止血材層2の表面に更にポリエチレン系
の防水性、撥水性あるいは非親水性のフィルムを積層す
ることも有効である。また、本発明の創傷面保護可溶性
止血材を創傷部分をカバーし皮膚面に粘着し得るよう
に、固定用シート状部材4の背面に、止血材1を覆うよ
うに皮膚面への粘着用テープ基材を積層しておくことも
可能である。
【0018】図3は、本発明の別の態様における具体的
実施例に基づく創傷面保護可溶性止血材11の縦断面図
である。この態様における本発明の創傷面保護可溶性止
血材11は、可溶性止血材層12を創傷部保護面とし、
その背面に剥離可能な弱粘着性の粘着層13を介して、
水分の吸収により体積膨張する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高
分子製圧縮スポンジ等の膨潤性部材14を積層し、更に
粘着層15を介して固定用シート状部材16を積層した
ものである。この場合の可溶性止血材層12にあって
も、上記実施例と同様にオキシセルロース、酸化コラー
ゲン、ナトリウムセルロース、アルギン酸カルシウム等
を織物状、不織布状あるいはスポンジ状に形成した止血
材層であり、S−99止血用ガーゼを止血材層として積
層するのが取り分け好ましい。更に、本実施例において
も可溶性止血材12が創傷面に積極的に残留されるよう
その背面には、剥離可能な弱粘着性の粘着層13が積層
されるが、かかる粘着層としては先の実施例の場合と同
様の粘着剤が使用される。
【0019】この実施例における創傷面保護可溶性止血
材は、先に記載したように可溶性止血材による止血と、
物理的押圧による止血とを併用した点に特徴があるもの
であり、したがって物理的押圧を確保するため、剥離可
能な弱粘着性の粘着層13を介して水分の吸収により体
積膨張する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子製圧縮スポンジ
等の膨潤性部材14が積層される。このような膨潤性部
材14としては、水分吸収性の高分子繊維、綿、セルロ
ース、ウレタン、ゴムおよびそれらを混合したもの等の
材料を、繊維状あるいはスポンジ状とし、圧縮加工した
膨張パッド、圧縮綿、圧縮ガーゼ等が挙げられる。次い
で本発明の創傷面保護可溶性止血材は、この膨潤性部材
14の背面に、粘着層15を介して固定用シート状部材
16が積層されるが、この場合の粘着層を構成する粘着
剤は、13の弱粘着剤層における粘着剤よりの粘着性の
強いアクリル系の粘着剤を使用するのが好ましい。な
お、固定用シート状部材16は先の実施例におけるもの
と同一のものが使用される。
【0020】なお、この実施例における可溶性止血材層
12と、その背面に積層される固定用シート状部材14
の積層にあっても、剥離可能な弱粘着性の粘着層13を
介して行なわれているが、前記実施例と同様に別の変形
例においては両者間を圧着積層することもできる。かか
る別の態様を図4として示す。すなわち、図4は別の実
施例における創傷面保護可溶性止血材11の縦断面図で
あるが、この例では、可溶性止血材層12の凸部17、
・・・と、固定用シート状部材14の凸部18、・・・
のそれぞれの凹凸によるエンボス加工で両者が圧着積層
され、アンカー効果により両者が一体化されている。
【0021】この図3および図4に示した本発明の具体
的実施例に基づく創傷面保護可溶性止血材11は、膨潤
性部材14の表面に可溶性止血材12が積層されている
ことより、血液等の体液により、膨潤性部材14が体積
膨張することにより物理的押圧による圧迫止血と、可溶
性止血材12による止血との相乗効果が発揮され、より
迅速かつ効果的に止血処理が可能となる。なお、この実
施例においても、先の実施例と同様に、所望により可溶
性止血材層12の表面に更にポリエチレン系の防水性、
撥水性あるいは非親水性のフィルムを積層することも有
効であり、創傷面保護可溶性止血材11を創傷部分をカ
バーし皮膚面に粘着し得るように、固定用シート状部材
16の背面に、止血材11を覆うように皮膚面への粘着
用テープ基材を積層しておくことも可能である。
【0022】図5に、本発明の別の態様である体腔用可
溶性止血材のひとつの例として、鼻腔に用いる体腔用可
溶性止血材31の斜視図を示し、図6に、図5に示した
体腔用可溶性止血材31におけるA−A線での断面拡大
図を示す。本発明の具体的実施例である体腔用可溶性止
血材31は、基本的には鼻腔内に挿入され、鼻血の止血
を目的とするため、鼻腔内に挿入可能な形状を有し水分
の吸収により体積膨張する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子
製圧縮スポンジ等の膨潤性部材32の周囲に、剥離可能
な弱粘着性の粘着層33を介して、可溶性止血材層34
を積層したものである。この実施例における可溶性止血
材層34にあっても、上記した実施例と同様にオキシセ
ルロース、酸化コラーゲン、ナトリウムセルロース、ア
ルギン酸カルシウム等を織物状、不織布状あるいはスポ
ンジ状に形成した止血材層であり、S−99止血用ガー
ゼを止血材層として積層するのが取り分け好ましい。更
に、本実施例においても止血後において膨潤性部材32
を鼻腔より除去する段階で、可溶性止血材34が鼻腔内
に積極的に残留されうように、32の周囲を剥離可能な
弱粘着性の粘着層33を介して可溶性止血材34が積層
されるが、かかる粘着層としては先の実施例の場合と同
様の粘着剤が使用される。
【0023】この実施例における鼻腔用可溶性止血材に
あっても、先に記載したように可溶性止血材による止血
と、物理的押圧による止血とを併用した点に特徴がある
ものである。したがって物理的押圧を確保するため、膨
潤性部材としては、同様に血液等の体液の吸収により体
積膨張する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子製圧縮スポンジ
等の膨潤性材料を、鼻腔内に挿入可能な形状に成形すれ
ば良い。そのような材料としては、すでにMeroce
l Corporation(Connecticu
t;USA)から発売されているNasal Pack
ingを好ましく用いることができる。なお、膨潤性部
材32の別の変形例として、鼻腔を通じての呼吸を確保
するため、その中心部に空気が流通できるパイプ、チュ
ーブ等を設け、その周囲を膨潤性材料で鼻腔内に挿入可
能となるよう成形することも可能である。また、この実
施例における鼻腔用可溶性止血材31にあっても、先の
実施例と同様に、膨潤性部材32の周囲に積層する可溶
性止血材34を、剥離可能な弱粘着性の粘着層33を介
して積層しているが、かかる粘着層を用いることなく両
者を凹凸等のエンボス加工による圧着にて積層できるこ
とはいうまでもない。また、この実施例においても、所
望により可溶性止血材層34の周囲表面に更にポリエチ
レン系の防水性、撥水性あるいは非親水性のフィルムを
積層することも有効である。
【0024】上記の図5に示した実施例は、体腔用可溶
性止血材として鼻腔に適用する例で説明したが、他の体
腔、例えば口腔内、耳腔内、肛門内、腟内等の体腔用の
可溶性止血材の場合には、かかる使用目的に応じた形状
の膨潤性部材を作り、その周囲を可溶性止血材で積層し
てやることにより、目的を達成し得ることはいうまでも
ない。
【0025】なお、本発明では、可溶性止血材層を創傷
部保護面とし、その背面に水分の吸収により体積膨張す
る圧縮綿、高分子製圧縮スポンジ等の膨潤性部材を積層
したことを基本的構成とするが、所望により、他の止血
剤を適当な溶媒に溶解したものを適宜可溶性止血材層あ
るいは膨潤性部材の表面に噴霧もしくは浸潤塗布し、か
かる止血剤含有の部材等を使用することにより、より止
血効果を高めることもできる。さらに膨潤性部材の表面
に、他の止血剤を粉末処理して不溶性の溶媒に分散さ
せ、膨潤剤部材の表面に噴霧あるいは浸漬塗布し、水分
の吸収により体積膨張すると同時にかかる止血剤が止血
作用を発揮し得るように相乗的な効果を確保することも
可能である。
【0026】
【発明の効果】以上記載のように、本発明の創傷面保護
可溶性止血材は、創傷面に可溶性止血材を積極的に残留
させるよう構成されたものであり、したがって、治癒し
た創傷面は、保護部材を剥離する段階においても不快な
痛みや再出血を起こすことなく、治癒後に残った可溶性
止血材は生理食塩水あるいは清浄水にて洗浄することに
より容易に取り除くことができる利点を有する。さら
に、本発明の創傷面保護可溶性止血材は、物理的押圧に
よる圧迫止血と、可溶性止血材による止血との相乗効果
により、より迅速かつ効果的に止血処理ができる利点が
あり、医療上特に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例における創傷面保護
可溶性止血材の縦断面図である。
【図2】図2は、図1の実施例における別の具体的態様
に基づく創傷面保護可溶性止血材の縦断面図である。
【図3】図3は、本発明の別の一実施例における創傷面
保護可溶性止血材の縦断面図である。
【図4】図4は、図3の実施例における別の具体的態様
に基づく創傷面保護可溶性止血材の縦断面図である。
【図5】図5に、本発明の別の態様である体腔用可溶性
止血材の一実施例である鼻腔用可溶性止血材の斜視図で
ある。
【図6】図6は、図5のA−A線での断面拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 創傷面保護可溶性止血材 2 可溶性止血材層 3 弱粘着剤層 4 固定用シート状部材 5 凸部 6 凸部 11 創傷面保護可溶性止血材 12 可溶性止血材層 13 弱粘着剤層 14 膨潤性部材 15 粘着剤層 16 固定用シート状部材 17 凸部 18 凸部 31 鼻腔用可溶性止血材 32 膨潤性部材 33 弱粘着剤層 34 可溶性止血材層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61L 15/44 A61L 15/03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性止血材層を創傷部保護面とし、そ
    の背面に剥離可能な弱粘着性の粘着層を介して固定用シ
    ート状部材を積層したことを特徴とする創傷面保護可溶
    性止血材。
  2. 【請求項2】 可溶性止血材層を創傷部保護面とし、そ
    の背面に剥離可能な弱粘着性の粘着層を介して、水分の
    吸収により体積膨張する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子製
    圧縮スポンジ等の膨潤性部材を積層し、更に粘着層を介
    して固定用シート状部材を積層したことを特徴とする創
    傷面保護可溶性止血材。
  3. 【請求項3】 可溶性止血材を、体腔内に挿入可能な形
    状を有し水分の吸収により体積膨張する圧縮綿、圧縮ガ
    ーゼ、高分子製圧縮スポンジ等の膨潤性部材の周囲に、
    剥離可能な弱粘着性の粘着層を介して積層したことを特
    徴とする体腔用可溶性止血材。
  4. 【請求項4】 可溶性止血材が、オキシセルロース、酸
    化コラーゲン、セルロースナトリウム、アルギン酸カル
    シウム等からなる織物状、不織布状あるいはスポンジ状
    に形成されたものである請求項1ないし3のいずれかに
    記載の止血材。
  5. 【請求項5】 オキシセルロース、酸化コラーゲン、セ
    ルロースナトリウム、アルギン酸カルシウム等からなる
    織物状、不織布状あるいはスポンジ状に形成された可溶
    性止血材層を創傷部保護面とし、その背面に剥離可能な
    弱粘着性の粘着層を介して固定用シート状部材を積層し
    たことを特徴とする創傷面保護可溶性止血材。
  6. 【請求項6】 オキシセルロース、酸化コラーゲン、セ
    ルロースナトリウム、アルギン酸カルシウム等からなる
    織物状、不織布状あるいはスポンジ状に形成された可溶
    性止血材層を創傷部保護面とし、その背面に固定用シー
    ト状部材を圧着積層したことを特徴とする創傷面保護可
    溶性止血材。
  7. 【請求項7】 オキシセルロース、酸化コラーゲン、セ
    ルロースナトリウム、アルギン酸カルシウム等からなる
    織物状、不織布状あるいはスポンジ状に形成された可溶
    性止血材層を創傷部保護面とし、その背面に剥離可能な
    弱粘着性の粘着層を介して、水分の吸収により体積膨張
    する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子圧縮スポンジ等の膨潤
    性部材を積層し、更に粘着層を介して固定用シート状部
    材を積層したことを特徴とする可溶性止血材。
  8. 【請求項8】 オキシセルロース、酸化コラーゲン、セ
    ルロースナトリウム、アルギン酸カルシウム等からなる
    織物状、不織布状あるいはスポンジ状に形成された可溶
    性止血材層を創傷部保護面とし、その背面に水分の吸収
    により体積膨張する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子圧縮ス
    ポンジ等の膨潤性部材を圧着積層し、更に粘着層を介し
    て固定用シート状部材を積層したことを特徴とする可溶
    性止血材。
  9. 【請求項9】 オキシセルロース、酸化コラーゲン、セ
    ルロースナトリウム、アルギン酸カルシウム等からなる
    織物状、不織布状あるいはスポンジ状に形成された可溶
    性止血材層を、体腔内に挿入可能な形状を有し水分の吸
    収により体積膨張する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子製圧
    縮スポンジ等の膨潤性部材の周囲に、剥離可能な弱粘着
    性の粘着層を介して積層したことを特徴とする体腔用可
    溶性止血材。
  10. 【請求項10】 オキシセルロース、酸化コラーゲン、
    セルロースナトリウム、アルギン酸カルシウム等からな
    る織物状、不織布状あるいはスポンジ状に形成された可
    溶性止血材層を、体腔内に挿入可能な形状を有し水分の
    吸収により体積膨張する圧縮綿、圧縮ガーゼ、高分子製
    圧縮スポンジ等の膨潤性部材の周囲に、圧着積層したこ
    とを特徴とする体腔用可溶性止血材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350545A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Tomio Kawarada 吸水体
JP2009522367A (ja) * 2006-01-09 2009-06-11 ジャック・メントカウ 止血剤供給システム
WO2015101158A1 (zh) * 2014-01-06 2015-07-09 朱新生 一种外科用平板止血材料
CN105848688A (zh) * 2013-12-27 2016-08-10 株式会社瑞光 止血敷材

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