JP3855223B2 - 止血用具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、止血用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、動脈穿刺カテ−テル、動脈造影、動脈内注射などの動脈穿刺を伴う治療や検査が広く行われている。動脈穿刺カニュ−レは、例えば、手術時に動脈圧をモニタ−したり、動脈血を採取して肺の状態を知るために広く行われているし、血液透析等の場合にも実施されている。また、動脈穿刺カテ−テルは診断造影の場合だけでなく、動脈塞栓術や経皮的冠動脈形成術などにも広く用いられている。
【0003】
この動脈穿刺を伴う治療や検査を行うときには、注射針、カテ−テル、カニュ−レ、医療用チュ−ブ等を長時間に亘って留置しておくものであるが、従来、多くの場合その留置した後に注射針、カテ−テル、医療用チュ−ブ等を動脈管から抜去し、その抜去した部分(穿刺部)を手によってほぼ10分間以上押えておく。その後に、穿刺部に大きな枕状のパッドを当てて包帯等で縛りつけ、動脈管を圧迫して止血し、止血されたことを確認し、患者を病棟等に戻すようにしている。
そして、このような動脈穿刺を伴う治療後の止血を医師又は看護婦が行っているが、治療後の医師及び看護婦には多くの仕事が残されており、こうした止血作業の効率化が望まれている。
【0004】
また、静脈あるいは動脈に対し、広く採血、点滴、輸血、人工透析その他の各種血管穿刺を伴う治療に使用した注射針、カテーテル、カニューレ、医療用チューブ等を抜去したときの止血が多くの場面で必要とされている。
こうした穿刺後の止血には、救急ばんそう膏のようなプラスチック基材表面に粘着剤を塗布し、その上にガーゼなどを貼り合わせ、所定の大きさに打ち抜いたものを使用したり、献血時やPTCA(経皮的冠動脈形成術)などの止血には特殊な圧迫器具の他、布にマジックテープ(登録商標)の付いたもの等で止血を行ったりしている。
【0005】
しかし粘着テ−プを使用した場合には個人差はあるものの、常に皮膚刺激を発現する可能性を持っている。その原因としては、貼付中及び剥離時の皮膚へのストレス並びに長期密封による一次刺激性皮膚炎と、構成成分による化学的な刺激及び感作反応によるアレルギ−性皮膚炎が挙げられる。
【0006】
その中で、長期密封による一次刺激及びアレルギ−性皮膚炎については、適当な原材料を選択することである程度回避できる。しかし貼付したものを剥離する時及び貼付中のストレスによる刺激は、伸縮性を持つ支持体や保持力の低い粘着剤を選択しても、固定のための機能を十分に確保するためには最低限の粘着力が必要とされるため、ある程度の刺激の発現は避けられないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような動脈穿刺や静脈穿刺等をして治療や検査を行った後に、血管穿刺部における注射針等を抜いた後の止血を、容易かつ確実にできるようにするものである。更に、皮膚に対する刺激が小さくてかつ充分な押圧作用を得ることができるような特殊な接着性テ−プによって止血を、容易かつ確実にできるようにしようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パッドを血管に対する穿刺孔を覆うように定置し、このパッドの上から被巻付物に対しては粘着性が無いか粘着性がわずかであるが、自己の背面には強い接着性を示す感圧性自背面接着テ−プを巻き付けて、上記パッドを上記血管の穿刺孔に向けて押圧し、血管を圧迫して止血し、皮膚に対する刺激も少なくしながら、確実な止血を行うようにする。
【0009】
また、上記パッドには該パッドよりも大きくて丈夫な押圧板を固定し、この押圧板の上から感圧性自背面接着テ−プを巻き付けて確実な止血を行う。
更に、パッドを粘着テ−プの粘着剤層に定置した止血用補助絆によって穿刺部を覆うようにし、その上から感圧性自背面接着テ−プを巻き付けて確実な止血を行うようにする。
【0010】
以下図面を参照しながら本発明の詳細について述べれば、このパッド7は、注射針等を皮膚表面から血管に向って刺したときの血管穿刺孔の上から覆って押圧できるような大きさを有している。このパッドの平面形状としては長方形、正方形、矩形、円形、楕円形、小判形、多角形その他の適宜の形状に形成することができる。
【0011】
この場合、上記パッドは、注射針等を皮膚表面から動脈や静脈の血管に向って刺したときの血管穿刺孔を押圧できると共に、皮膚表面穿刺孔も同時に覆って押圧できるようにすると特に好ましい。上記両穿刺孔間の距離は、穿刺する体の部位、幼児や大人などの年令、性別によっても異るが、通例、上記パッドの大きさとしては長い辺の部分で約1〜4cm程度にすればよいことが多い。また、楕円形、小判形、長方形等の場合には、短辺と長辺の割合が通例約1:4位までのものが好ましく、正方形や円形のものではこの比率が1:1になっているから、その範囲としては約1:1〜1:4程度のものにするとよいことが多いが、いずれもこれらに限られるものではない。
【0012】
また、長方形、正方形、多角形その他の角のある形状のものでは、その角の部分を弧状に面取りすれば、穿刺部に対する押圧作用に優れ且つ皮膚表面に対する刺激が少く、一層好ましいものとなる。
また、このパッドは、通例、長辺を約10〜50mm程度、短辺を約5〜30mm程度とする小判形に形成すると、血管穿刺孔と皮膚表面穿刺孔の双方を押圧する場合に便利であり、両孔が近い場合には、円形、正方形等のようなものにするとよい。
このパッドは穿刺部を確実に押圧できるような適度の硬さを有するものが好ましく、例えば、圧縮したときに容易に変形しないような、僅かの弾性と共に適度の圧縮硬さを持っているパッド等が好適に使用できる。
【0013】
そして、このパッドは穿刺部に当てたときに上記穿刺孔を圧迫することができるようにある厚味を有している。適応部位によっても異なるが、約3mm以上の厚味を持っており、通例、約3〜30mm程度にするとよい。この場合、余り薄いと適応部位によっては皮膚表面から全体が沈んでしまい、効果的な圧迫ができなくなることもある。
一般に、パッドの厚みの比較的薄いものは静脈に対する止血に、厚みの比較的厚いものは橈骨動脈、足背動脈等の動脈の止血に、更に厚いものは動脈が皮膚表面から離れている場合に使用するとよい。また、パッドの厚味が増えると押圧作用は強くなるが、パッドが横にひしゃげたり、倒れたりすることが稀にあり、この点を考慮する必要がある。多くの場合上記のように約3〜30mm程度の厚さにして好ましいことが多い。
【0014】
このパッドは単層構造に形成したり、複層構造に形成される。単層の場合には、独立気泡の又は独立気泡の多いプラスチック発泡体、圧縮綿、不織布、ゴム、ゲル物質その他の材料を使用して作ることができる。また、複層構造の場合は、種々の性質を有するものを組み合わせて効果的な圧縮等ができるようにするとよい。
【0015】
上記パッドは、穿刺孔の上に定置され、その上から接着テ−プを少なくとも1回巻付けて押圧固定するが、この接着テ−プは皮膚表面などの被巻付物に対しては実質的な粘着性を示さず、自己のテ−プの背面側には強く接着して充分な結束作用等を得ることができる感圧性自背面接着テ−プを使用する。
【0016】
この感圧性自背面接着テ−プには、次のようなものがある。
この接着テ−プは、一般的に使用されている感圧性接着テ−プの接着剤に使用される粘着付与剤などの樹脂配合量とは異なる領域、つまり、接着剤の成分として、エラストマ− 100重量部に対して粘着付与性の樹脂単体若しくはその樹脂と充填剤との合計を 200重量部以上で 800重量部以下に設定することで、本来の粘着テ−プの働きが少なくなり、皮膚への粘着性がほとんど無くなると共に、上記接着剤のエラストマ−と同じかこれと同類のエラストマ−を背面の表面層に持つ基材を選択することによって、自己の背面に対して高い接着力を持つものである。
この感圧性の接着テ−プは、皮膚の表面に対しては粘着性が無いかあるいは殆ど粘着性を示さずに、該テ−プ等の自背面には高い接着力を示す。
【0017】
上記接着剤のエラストマ−は、天然ゴム、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、スチレン・ブチレン・スチレン共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレン共重合体、ポリブテン、ポリイソプレンなどのゴム状エラストマ−があり、これを単独若しくはこれを混合して用いることができる。
【0018】
このゴム状エラストマ−に配合する粘着付与剤には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、石油系樹脂などを使用する。また、充填剤として炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、けい酸アルミニウム、酸化アルミニウム水化物、水酸化アルミニウム、含水けい酸マグネシウムなどを用いることができる。
【0019】
上記粘着付与剤は、上記ゴム系エラストマ− 100重量部に対して約 200重量部以上で 800重量部以下程度、好ましくは約 200重量部以上で 500重量部以下程度の大過剰に配合する。この配合量は、通常の粘着テ−プには用いられない程度の量であり、粘着付与剤を添加して行くと次第に上昇した粘着力が急速に低下して、殆んど粘着性を示さない状態になったものである。上記粘着付与剤の一部は上記充填剤に置換えることができ、両剤系の配合量合計として上記した範囲、更に好ましくは約 250重量部〜 500重量部のものを使用することができる。
【0020】
また、必要に応じて液状ポリブテン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、鉱油などの軟化剤、ブチルヒドロキシトルエンその他の酸化防止剤を適宜配合することができる。
【0021】
この接着テ−プやシートの基材としては、各種のフイルム類を使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフイン系、ポリメチルメタアクリレ−ト、ポリエチレンメタメチルアクリレ−トなどのポリアクリル系、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−トなどのポリエステル系、セロハン、ポリビニルアルコ−ル、エチレン・ビニルアルコ−ル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン系、ポリアクリロニトリル、フッ素系、エチレン・酢酸ビニル共重合体系、ナイロン、ポリアミド、ポリスルフォンなどの単層または適宜積層したフイルムなどがある。
【0022】
上記基材の背面側は、他面側の表面に形成されている接着剤層が強く接着する表面特性を有しているもので、基材の他面側に設けられる接着剤層に使用されているエラストマ−またはそれと同類型のエラストマ−によって表層を形成する。例えば、接着剤層にエラストマ−として、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)を使用した場合、背面側の表層を形成するエラストマ−としてスチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEPS)、スチレン・ブチレン・スチレン共重合体(SBS)などを使用することができる。
【0023】
上記基材の背面側の表層に設けるエラストマ−には、該エラストマ−100重量部に対して、上記した粘着付与剤を約20重量部以下の量で配合するとよく、またこの粘着付与剤の一部を上記充填剤で置換えることもできる。
これらのエラストマ−等が基材の背面に対して投錨性の低い場合等には、基材の背面に適宜コロナ処理やプライマ−処理を行うとよい。
こうして形成された基材の背面の表層は、それ自身では実質的な粘着性を有さず、他の物に付着するようなことはない。
【0024】
また、上記基材としては、不織布なども用いることができ、レ−ヨン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)などのポリエステル系、ポリプロピレンなどのポリオレフイン系、ポリエステルポリエ−テル、ポリウレタン系、アクリル系、ポリビニルアルコ−ルなどからなる不織布を使用することができる。
【0025】
上記基材を上記エラストマ−と同じ材料、例えば、ポリイソプレン、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などで形成したフイルムまたはシ−ト、不織布などで形成すれば、上記したように基材の背面側に特別に表層を形成しなくても、その基材そのものの背面が上記表層の性質を有しているのでそのまま使用することができ、使用し易いこともある。
また、上記エラストマ−を含有するフイルムまたはシ−ト、不織布なども同様にそのままで表層としての性質を得ることができるし、これらのフイルム等の他の基材を積層して得た基材についても同様の効果が得られる。
【0026】
上記基材の形状はテ−プ状で、使用部位に応じて幅を調整したり、長さを調整したりして適宜の形状にすることができる。
この場合、基材には、伸縮性の無いものを使用することができるが、伸縮性のあるものを使用すれば、後記するようにこの基材を引延ばすようにして穿刺部に貼付けると、貼付けた後にこれが縮むようになって、後記するパッドを穿刺部に押圧することを更に効果的に行うことができる。
こうしたものとして、例えばポリウレタン弾性繊維の細い連続フイラメントをランダムに積層しその交点を接合した布状物、伸縮性のポリエステル繊維不織布、SISやSEPS等の弾性体からなる伸縮性の不織布その他のものがある。
【0027】
本感圧性自背面接着テ−プ1等は、上記したように基材2の一面(表面)側に上記接着剤を塗布等して接着剤層3を形成し、他面側の背面4には、その表面にエラストマ−類を塗布等したりして表層を形成し、材質によってはそのままの状態で表層とすることができる。
上記基材の一面に形成した接着剤同志は接着し易いので、適当な剥離紙5を仮着して表面を覆うようにするとよい。
【0028】
また、この感圧性自背面接着テ−プは次のようにしても得ることができる。
上記接着剤を、一般的に使用されている接着テ−プの感圧性接着剤に使用される粘着付与剤などの樹脂配合量とは異なる領域、つまり、接着剤の成分として、エラストマ− 100重量部に対して粘着付与性の樹脂単体若しくはその樹脂と充填剤との合計を80重量部以上で 200重量部未満に設定し、また上記粘着付与剤の分子量を1000〜3000の比較的大きなものにしたものである。
【0029】
この場合にも、本来の接着テ−プの働きが少なくなり、皮膚表面への粘着性がほとんど無くなると共に、上記接着剤のエラストマ−と同じかこれと同類のエラストマ−を背面の表面層に持つ基材を選択することによって、自己の背面に対して高い接着力を持つことができる。
【0030】
上記接着剤のエラストマ−は、シス-1,4- ポリイソプレン、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体などが好ましく、これらを単独若しくは混合して用いることができる。
【0031】
このエラストマ−に配合する粘着付与剤は、分子量(数平均分子量−以下同じ)として約1000〜3000程度、好ましくは約1000〜2000程度の比較的分子量の高いものを使用する。こうした粘着付与剤には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、石油系樹脂などがあり、適宜2種以上のものを併用することもできる。
また、充填剤として炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、けい酸アルミニウム、酸化アルミニウム水化物、水酸化アルミニウム、含水けい酸マグネシウムなどを用いることができる。
【0032】
上記粘着付与剤は、上記エラストマ− 100重量部に対して約80重量部以上で 200重量部未満程度、好ましくは約 100重量部以上で 160重量部以下程度に配合する。この配合量は、通常の粘着テ−プには用いられない程度の量であり、粘着付与剤を添加して行くと次第に上昇した粘着力が急速に低下して、殆んど粘着性を示さない状態になったものである。上記粘着付与剤の一部は上記充填剤に置換えることができる。
【0033】
また、必要に応じて液状ポリブテン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、鉱油などの軟化剤、ブチルヒドロキシトルエンその他の酸化防止剤を適宜配合することができることは同様である。
【0034】
上記した両接着テ−プの接着剤層は、何れもその粘着性においてボ−ルタックが約No.5以下であり、プロ−ブタックを約3.0N/5mmφ以下の実質的に粘着性のない状態にするとよい。また、同時に接着テ−プの接着剤層をその接着テ−プの背面側に貼付けた状態で測定した自背面剪断接着力を5N/30×30mm以上の強接着性にするとよい。
【0035】
この止血用具を使用する場合、採血等をした後で針等を抜く前に、針の刺さっている血管の穿刺部の上にパッド7を当て、押圧しつつ針を抜く。さらにパッド7を押圧し続け、このパッド7の上に剥離紙5を剥がしながら感圧性自背面接着テ−プ1の一端を置き、このテ−プ1を引張るようにしながら巻付け、他端の接着剤層3を自己のテ−プの自背面4に貼付けるようにすると、しっかりと貼付けることができる。
これによって、この接着テ−プ1による押圧作用はパッド7に集中され、上記パッドが下方へ強く押し付けられ、血管の穿刺孔の部分は集中的に強く圧迫されて閉じられ、確実に止血することができる。
一方、この感圧性自背面接着テ−プ1は皮膚表面には弱くしか粘着しないので、仮に長時間にわたり皮膚に貼付しているその間においても、また止血が終わって接着テ−プを剥がすときにも皮膚を傷めるようなことが無い。
【0036】
図3に示すものは、上記パッド7の一面に板状体で形成した押圧板11を定置して止血用パッド12としたものである。この押圧板11は、プラスチック板(例えば、アクリル板、ポリプロピレン板、ナイロン板、ポリカ−ボネ−ト板、ポリエチレン板など)、金属板、合板、セラミック板その他の適宜の丈夫な板状体で形成する。
この板状体には、一般に薄めのものが使用されるが、厚めのものや、薄めのものを折曲げて厚くしたものも使用することができる。この押圧板は通例、上記パッドよりも大きく形成するとよい。
【0037】
この止血用パッド12は、パッド7側を穿刺部に当て、押圧板11の上から感圧性自背面接着テ−プ1を巻回すれば、貼付された接着テ−プによる押圧作用は押圧板11を介してパッド7に集中され、上記パッドが下方へ一層強く押し付けられ、止血作用を確実にすることができる。
また、こうした止血用パッド12を手首の橈骨動脈の止血に使用した場合、上記押圧板11によって皮膚表面に接着テ−プが貼り付かない部分が多く生じるので、手首の穿刺した上記橈骨動脈以外の尺骨動脈や静脈の血行を妨げることが少くなる。これによりチアノ−ゼ等を起すこともなく、穿刺部を的確に押圧して止血を行うことができるし、皮膚に対する粘着剤による刺激も少くなって好適である。又、この貼付材を貼り付たときに押圧板が曲げられていると、押圧板の復元作用によってパッドによる押圧作用が更に強くなることもある。
【0038】
図4に示すものは、押圧板15を凸状に形成し、その凸部16にパッド7を定置した止血用パッド17であって、図3のものと同様に使用することができる。
【0039】
図6、図7、図8にそれぞれ示すように、上記したパッド7や止血用パッド12、17は、上記感圧性自背面接着テ−プ1の粘着剤層3側に固定しておくことができる。このようにパッド類が固定されているものでは、このパッドを穿刺部に当てて接着テ−プを巻回して背面側に接着すれば、止血を一層容易に行うことができる。上記パッド7や止血用パッド12、17は、上記感圧性自背面接着テ−プ1の背面側に固定して、巻付けるようにしても同様に使用することができる。
【0040】
図5に示すものは、上記パッド7を比較的小さな粘着テ−プ21の粘着剤層22に固定し、剥離紙23で覆った止血用補助絆20である。上記剥離紙23を除き、粘着テ−プ21によって上記パッド7を穿刺部に定置するとパッド7はずれ動かなくなるので、その上から上記感圧性自背面接着テ−プ1を巻き付ければ、容易に止血することができる。
粘着テ−プ21の粘着剤層22の粘着剤は、皮膚に対する刺激性の少ないもので形成するとよい。
【0041】
図9のものは、上記感圧性自背面接着テ−プ1を伸縮性の基材で形成し、この感圧性自背面接着テ−プ1に上記パッド7を固定した巻付け始端側31の幅を狭くし、自背面に接着する他端側32に向かって幅広になるように形成したものである。上記パッド7を穿刺部に当て、感圧性自背面接着テ−プ1の他端側32を引っ張るようにして巻付けると、その引っ張り作用によってテ−プ1の幅は他端側に向かって次第に幅が狭くなるが、予め他端側が幅広になるように形成してあるので、テ−プ1を確実に巻付け、他端側をしっかりと自背面に接着することができる。
また、上記止血用パッド12、17等も、同様にして上記感圧性自背面接着テ−プ1の巻付け始端側31に固定しておくことができる。
そして、上記した各種パッド類を固定しない上記幅広になる感圧性自背面接着テ−プ1も、穿刺部に定置した各種パッド類の上から幅が狭い始端側より巻付けを始め、幅広の他端側を自背面に接着するようにして、広く使用することができる。
【0042】
【実施例】
(例1)
図6に示す止血用具を、献血後の静脈の止血に使用した。感圧性自背面接着テ−プ1の基材にはスチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体の不織布(ミクロフレックス−SIS−0100、(株)クラレ製、目付量100g/m2)を使用した。また、パッドは、厚さ5mmのレ−ヨン不織布と厚さ5mmのポリエチレン独立気泡発泡体シ−トを積層したもので、17mm×27mmの小判型で厚さが10mmのものを使用した。止血時には、パッド7を血管穿刺部に当て、感圧性自背面接着テ−プ1のパッドと反対側を持って引き伸ばすようにしながら肘部分を一周し、接着テ−プの自背面に貼付した。止血時間は20分間とし、止血効果を確認したところ、貼付中のパッドのずれや、出血も見られず、良好な貼付状態であった。
上記止血時間の経過後に感圧性自背面接着テ−プ1を剥がしたところ、血腫の形成などもなく良好な止血効果であった。
また、毛深い人でも接着テ−プの剥離時の痛みも少なく、皮膚刺激も認められなかった。
【0043】
(例2)
図7に示す止血用具を、経皮的冠動脈形成術を行った後の撓骨動脈の止血に使用した。血管の狭窄部位に対して経皮的冠動脈形成術が施行されるが、そのために撓骨動脈に穿刺されたシ−ス抜去後の止血に使用した。
押圧板に、幅×長さが36mm×36mm、厚さ1mmのポリプロピレン製の板を使用し、パッド7は例1と同様のものを使用した。
止血時には、止血用パッドのパッド7を血管穿刺部に当て、感圧性自背面接着テ−プ1のパッドと反対側を持って引き伸ばすようにしながら手首を一周し、押圧板11が傾かないようにして接着テ−プの自背面に貼付した。止血時間は4時間とし、止血効果を確認したところ、貼付中のパッドのずれや、出血も見られず、良好な貼付状態であった。
上記止血時間の経過後に感圧性自背面接着テ−プ1を剥がしたところ、血腫の形成などもなく良好な止血効果であった。また、患者にとってしびれ等の違和感が少なく止血効果、皮膚刺激において有意であった。
【0044】
(例3)
図8に示す止血用具を、血液ガス測定における採決後の止血に使用した。
押圧板に、厚さ1mmのアルミニウム製の板で凸部の高さが10mm、底部の幅×長さが36mm×40mmのものを使用し、感圧性自背面接着テ−プ1の長さを長くして、パッド7は例1と同様のものを使用した。
止血時には、止血用パッドのパッド7を血管穿刺部に当て、感圧性自背面接着テ−プ1のパッドと反対側を持って引き伸ばすようにしながら大腿部を一周し、押圧板11が傾かないようにして接着テ−プの自背面に貼付した。止血時間は1時間とし、止血効果を確認したところ、貼付中のパッドのずれや、出血も見られず、良好な貼付状態であった。
上記止血時間の経過後に感圧性自背面接着テ−プ1を剥がしたところ、皮膚刺激や血腫の形成などもなく良好な止血効果であった。
【0045】
【本発明の効果】
本発明は上記の如く、動脈管に対する穿刺孔に対しても確実に止血することができ、上記した橈骨動脈のほか、尺骨動脈、足背動脈などの骨に近い部分に位置する動脈に使用すれば効果的な止血を行うことができるし、さらに大腿動脈に対する止血にも効果的である。また、同様に静脈に対しても上記動脈と同様に効果的な止血ができる。又、感圧性自背面接着テ−プによって、皮膚に対しては殆ど粘着性が無く、自背面には強く接着するので、パッドに対しては充分な押圧作用を与え、皮膚には刺激を与えないので短時間、長時間いづれの貼付でも患者に不快感を与えることがない。更に、これは使用に際しての操作も容易であり、構造も簡素であるので経済的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の止血用具の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の使用状態を示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施例の止血用パッドを示す斜視図である。
【図4】本発明の更に他の実施例の止血用パッドを示す斜視図である。
【図5】本発明の他の例の止血用補助絆を示す斜視図である。
【図6】図1に示すパッドを感圧性自背面接着テ−プに固定した止血用具を示す斜視図である。
【図7】図3に示す止血用パッドを感圧性自背面接着テ−プに固定した止血用具を示す斜視図である。
【図8】図4に示す止血用パッドを感圧性自背面接着テ−プに固定した止血用具を示す斜視図である。
【図9】図1に示すパッドを感圧性自背面接着テ−プに固定した他の止血用具を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 感圧性自背面接着テ−プ
2 基材
3 粘着剤層
4 接着テ−プの自背面
5 剥離紙
7 パッド
11、15 押圧板
12、17 止血用パッド
16 押圧板の凸部
20 止血用補助絆
Claims (6)
- 血管に対する穿刺孔の上を覆うパッドと、該パッドを上記穿刺孔の上に押圧定置するように被巻付物に巻きつける感圧性自背面接着テープを具備し、上記接着テープの表面には被巻付物に対して非粘着性か微粘着性の感圧性接着剤層を設け、上記接着テープの背面には上記接着テープの表面に対して強接着性の表層を形成し、上記接着テープの表面の感圧性接着剤はエラストマー100重量部に対して粘着付与性の樹脂単体もしくはその樹脂と充填剤との合計を200重量部以上で800重量部以下とする接着剤で形成され、上記接着テープの背面には上記表面の接着剤のエラストマーと同じかこれと同類のエラストマーを有する表層を備え、上記エラストマーは、天然ゴム、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、スチレン・ブチレン・スチレン共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレン共重合体、ポリブテン、ポリイソプレンの単独若しくは2種以上の混合物である止血用具。
- 血管に対する穿刺孔の上を覆うパッドと、該パッドを上記穿刺孔の上に押圧定置するように被巻付物に巻きつける感圧性自背面接着テープを具備し、上記接着テープの表面には被巻付物に対して非粘着性か微粘着性の感圧性接着剤層を設け、上記接着テープの背面には上記接着テープの表面に対して強接着性の表層を形成し、上記接着テープの表面の感圧性接着剤はエラストマー100重量部に対して、数平均分子量を1000〜3000とする粘着付与性の樹脂単体もしくはその樹脂と充填剤との合計を80重量部以上で200重量部未満とする接着剤で形成され、上記接着テープの背面には上記表面の接着剤のエラストマーと同じかこれと同類のエラストマーを有する表層を備え、上記エラストマーは、シス-1,4-ポリイソプレン、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体の単独若しくは2種以上の混合物である止血用具。
- 上記パッドが該パッドよりも大きくて丈夫な押圧板を有する止血用パッドとなっている請求項1または2に記載の止血用具。
- 上記パッドが粘着テープの粘着剤層側に定置され該粘着テープによって上記パッドを穿刺孔の上に定置することができる止血用補助絆となっている請求項1または2に記載の止血用具。
- 上記感圧性自背面接着テープの感圧性粘着剤層のボールタックがNo.5以下、プローブタックが3.0N/5mmφ以下で、上記接着テープの表面と背面の間の自背面せん断接着力が少なくとも5N/30×30mm以上である請求項1〜4のいずれかに記載の止血用具。
- 上記パッドまたは止血用パッドは、上記感圧性自背面接着テープの被巻付物に対応する表面または背面に固定されている請求項1、2、3、5のいずれかに記載の止血用具。
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