JPH092945A - 持続性注射剤 - Google Patents

持続性注射剤

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JPH092945A
JPH092945A JP7176540A JP17654095A JPH092945A JP H092945 A JPH092945 A JP H092945A JP 7176540 A JP7176540 A JP 7176540A JP 17654095 A JP17654095 A JP 17654095A JP H092945 A JPH092945 A JP H092945A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生理活性物質の効力持続性注射液を提供す
る。 【構成】 生理活性物質を含有させたポリエチレングリ
コールまたはプロピレングリコールの微粒を植物油中に
分散させた注射液。 【効果】 本発明の注射液を皮下や筋肉内に投与すると
注射液中の生理活性物質が体内で徐々に溶出されて有効
血中濃度を有効に保つことができ、また製造が容易で、
製剤の原料も入手し易い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生理活性物質を含有し、
その体内における有効濃度を長時間保つことができる注
射剤に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】生理活性
物質、例えば、ヒト成長ホルモン、インターフェロン、
インスリン、インスリン様成長因子などは、ほとんどが
注射剤としてのみ用いられている。しかも、これら生理
活性物質の多くは、血中半減期が短いために、治療上頻
回の投与を余儀なくされ、その結果、苦痛、通院の必要
性などにより患者に大きな負担を強いているのが現状で
ある。そこで、これらの生理活性物質を持続性注射剤と
することにより、投与回数を減少させ、注射による患者
の負担を軽減し、治療効果を高めることが要望される。
【0003】生理活性物質の多くは、その安定性、吸収
性の低さから注射による投与に頼ってきたが、近年注射
に替わる投与方法の検討が行われている。例えば、点眼
投与<糖尿病学会抄録集237(1964)>、直腸内
投与<J.Pharm.Pharmaco.,33,
334(1981)>、イオントフォレーシスによる経
皮投与、鼻腔内投与<Int.J.Pharm.,5
7, 49−54(1989)>、経肺投与<J.Ph
arm.Sci.,83(6),863−867(19
94)>などがあげられる。しかし、これらの投与方法
は、いずれも吸収が悪い、吸収が変動しやすい、注射に
比べて高投与量が必要、あるいは、安全性に問題がある
ことなどの難点があるために、実用化は難しい状況にあ
る。しかし、持続性注射剤には、乳酸/グリコール酸共
重合体マイクロスフェアー中にLH−RHを含有させた
特開平4−321622、特開平5−112468にあ
る徐放性マイクロカプセルがすでに実用化されている。
また、コラーゲン、フィブリン、キトサン、アルブミン
などの高分子中インスリン、インターフェロンなどの生
理活性物質を含有させた持続性注射剤が検討されてい
る。こういった高分子マイクロカプセル以外では、Dr
ug Delivery System,5(2),9
5−99(1990)に見られる、疎水性シクロデキス
トリン(heptakis(2,6−di−O−eth
yl)−β−cyclodextrin)と酢酸ブセレ
リンの複合体を植物油(落花生油)中に分散させた持続
性注射剤がある。
【0004】乳酸/グリコール酸共重合体をカプセル原
料とする場合、モノマーである乳酸とグリコール酸の重
合割合そしてその重合度を変えることで目的とする薬物
溶出を示す共重合体を合成する。そしてその高分子を用
いて乳化法により、油中水(W/O)型エマルジョンを
作り、その後、油中水中油(W/O/W)型エマルジョ
ンを形成させ、水中乾燥法によりマイクロカプセルを形
成させる。できたマイクロカプセルを回収し、洗浄後に
凍結乾燥を行う。このように、製品として生産する場合
に、作業行程が多く、それぞれの行程での細かな条件設
定が必要となり、その管理に時間と労力を要する。そし
てこの様な乳化法によりマイクロカプセルを調製する場
合、有機溶剤を用いることが多くなる。製造工程での有
機溶剤の使用は、最終製剤中への溶剤の残留、作業環
境、除去有機溶剤の回収など、多くの問題が生ずる。さ
らにこの製法では、水を必ず使用するために、水溶液で
の安定性の低い生理活性物質を主薬として用いる場合に
は適さない。疎水性シクロデキストリンのように特殊な
化合物を用いると、安定した品質の化合物を長期にわた
り、大量に入手することが難しく、コストもかかる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意研究を行った結果、ポリエチレン
グリコール(マクロゴール)微粒子またはプロピレング
リコール微粒子中に、水溶性の生理活性物質を溶解また
は分散させ、植物油中に分散させることで、製剤からの
生理活性物質の溶出を抑制することが可能であることを
見いだし、この発見に基いて本発明を確立した。
【0006】すなわち、本発明は、生理活性物質をその
中に溶解または分散させたポリエチレングリコールの微
粒子またはプロピレングリコールの微粒滴を薬学的に許
容されうる植物油中に分散させてなる持続性注射剤に関
する。
【0007】本発明で用いられる生理活性物質として
は、通常分子量100,000までのものが好ましい。
該生理活性物質は一般にペプチド系であり、その具体例
としては、たとえばヒト成長ホルモン、ソマトスタチ
ン、ソマトスタチン誘導体(米国特許第4,087,3
90号、同第4,093,574号、同第4,253,
998号参照)、インターフェロン(α型、β型、γ
型)、インターロイキン(I、II、III 、IV、V、VI、
VII )、インスリン、SOD、ウロキナーゼ、プロウロ
キナーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー形成刺激因子、カリ
クレイン、リゾチームおよび各種細胞増殖・分化因子
〔たとえば、インスリン様増殖因子、上皮増殖因子、繊
維芽細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、神経成長因
子、肝細胞増殖因子、血管新生因子、血管新生阻害因
子、フィブロネクチンなど〕などがあげられる。
【0008】本発明で用いるポリエチレングリコール
(マクロゴールとも呼ばれる)の平均分子量は、400
−20000のものがよく、平均分子量4000が好ま
しい。ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコ
ールの量は、1−10%(w/v)が望ましく、多く加
えると含有させた生理活性物質の溶出は早くなる。
【0009】本発明の注射剤を調製する段階において、
ポリエチレングリコール粒子またはプロピレングリコー
ル粒滴が植物油中で凝集するのを防ぎ安定性を高めるた
めに非イオン界面活性剤を添加するのが望ましい。非イ
オン界面活性剤としては、たとえば、ポリソルベート8
0(Tween80(商標))、ポリオキシエチレンひ
まし油誘導体(HCO−60(商標))、セスキオレイ
ン酸ソルビタン(Arlacel C(商標))、リン
脂質類などが用いられる。これらは単一物でも混合物で
もよい。非イオン界面活性剤は植物油中に約0.5−1
0%(w/v)添加するのが好ましい。
【0010】さらに、保存状態におけるポリエチレング
リコール粒子またはプロピレングリコール粒滴の沈降お
よび凝集を防ぎ、かつ注射後生体中において製剤からの
生理活性物質の溶出速度を抑制するために植物油にステ
アリン酸アルミニウムを加えるのがよい。ステアリン酸
アルミニウムはステアリン酸モノ(ジ、またはトリ)ス
テアリン酸アルミニウムの形で用いられる。ステアリン
酸アルミニウムの添加量を増加すれば薬物の溶出速度を
逆に減少させることができる。ステアリン酸アルミニウ
ムの好ましい添加量は一般に5%(w/v)以下であ
る。
【0011】これらの原料と主薬である生理活性物質を
攪拌容器中に秤取し高速ホモジナイザーにて、高回転数
で2−4分間攪拌する。この時に発生する熱を利用し、
ポリエチレングリコール(マクロゴール)を溶融させ、
溶融したポリエチレングリコール中へ生理活性物質を溶
解または分散させることができる。
【0012】この時、プロピレングリコールまたは、平
均分子量が400であるポリエチレングリコール400
(マクロゴール400)などの常温で溶液状態のものを
用いた場合には、攪拌容器を冷却しながら行うのがよ
い。この段階で製剤となる。平均分子量1000以上の
ポリエチレングリコールを用いた場合、続いて高速ホモ
ジナイザーの回転数をおとし、容器を冷却しながら攪拌
すれば、この操作でポリエチレングリコールの凝固点以
下まで温度を下げることができ生理活性物質を含有する
ポリエチレングリコール微粒子を植物油中に形成させる
ことができる。したがって、短い製造工程かつ簡便な操
作で本発明の注射剤を製造することができる。
【0013】
【実施例】以下に比較例、参考例および実施例を挙げ
て、本発明をさらに具体的に説明する。
【0014】比較例1 ヒト成長ホルモン16mg、Arlacel C 0.
2gを容器に秤取し、モノステアリン酸アルミニウム無
添加の落花生油10mlを加え、高速ホモジナイザー
(ヒスコトロン、日音医理科器械製作所)にて、20,
000rpmで2分間処理し注射剤を得た。この注射剤
について、イン ビトロ(in vitro)での注射
剤からのヒト成長ホルモンの溶出試験を行った。50m
lのガラス製ビーカーに水層である0.2Mリン酸緩衝
液(pH7.4)を10.0mlを入れ、その上に油層
である注射剤を重層し、両層とも150rpmで攪拌し
ながら、37℃での水層中へのヒト成長ホルモンの溶出
を調べた。なお水層中へ溶出したヒト成長ホルモン量
は、HPLC法にて測定し結果を図1に示した。溶出試
験開始8時間後において、38%しかヒト成長ホルモン
が製剤中に残留していなかった。また本製剤をラット
(雄性、Wistar)をエーテル麻酔下、腹側部皮下
に、ラット体重1kgあたり1.25ml投与した。投
与0.5、1、2、4、6、10、24時間後に頸静脈
より採血し、血清を得た。血清中のヒト成長ホルモン濃
度をELISA法により測定し結果を図2に示す。平均
滞留時間(MRT)は、3.29±1.72時間、最高
血中濃度は、495.31±71.66μg/ml、血
中濃度曲線下面積は、2510.98±920.55n
g・h/mlであった。
【0015】比較例2 ヒト成長ホルモン16mg、Arlacel C 0.
2gを容器に秤取し、2%(W/W)モノステアリン酸
アルミニウム含有落花生油10mlを加え、高速ホモジ
ナイザー(ヒスコトロン、日音医理科器械製作所)に
て、20,000rpmで2分間処理し注射剤を得た。
この注射剤について、比較例1と同様の溶出試験を行
い、結果を図1に示した。溶出試験開始8時間後におい
て、71%のヒト成長ホルモンが製剤中に残留してい
た。
【0016】実施例1 ヒト成長ホルモン16mg、ポリエチレングリコール4
000(マクロゴール4000)0.5g、Arlac
el C 0.2g、2%(W/W)モノステアリン酸
アルミニウム含有落花生油10ml、高速ホモジナイザ
ー(ヒスコトロン、日音医理科器械製作所)にて、2
0,000rpmで3分間処理し、続いて容器を氷冷し
ながら15,000rpmで4分間処理することにより
注射剤を得た。この注射剤について、比較例1と同様の
溶出試験を行い、結果を図1に示した。溶出試験開始8
時間後においても、88%のヒト成長ホルモンが製剤中
に残留していた。また本製剤を比較例1と同様にラット
に皮下投与した結果を図3に示す。最高血中濃度は、4
1.84±13.16μg/mlであった。
【0017】実施例2 ヒト成長ホルモン16mg、プロピレングリコール0.
5g、ArlacelC 0.1gを容器に秤取し、
0.5%(W/W)モノステアリン酸アルミニウム含有
落花生油10mlを加え、高速ホモジナイザー(ヒスコ
トロン、日音医理科器械製作所)にて、20,000r
pmで2分間処理することにより注射剤を得た。この注
射剤について、比較例1と同様の試験を行い、結果を図
1に示した。溶出試験開始8時間後においても、94%
のヒト成長ホルモンが製剤中に残留していた。
【0018】また本製剤を比較例1と同様にラットに皮
下投与した結果を図3に示す。最高血中濃度は、91.
98±7.16μg/mlであった。
【0019】
【図1】
【0020】比較例3 ヒト成長ホルモン16mgを0.9%塩化ナトリウム溶
液10.0mlに溶解させ、ヒト成長ホルモン溶液を得
た。これをラット(雄性、Wistar)にエーテル麻
酔下、腹側部皮下に、ラット体重1kgあたり1.25
ml投与した。投与0.5、1、2、4、6、10、2
4時間後に頸静脈より採血し、血清を得た。血清中のヒ
ト成長ホルモン濃度をELISA法により測定し結果を
図2、3に示す。平均滞留時間(MRT)は、1.75
±0.98時間、最高血中濃度は、552.28±4
2.37μg/ml、血中濃度曲線下面積は、171
1.38±245.23ng・h/mlであった。
【0021】実施例3 ヒト成長ホルモン16mg、ポリエチレングリコール4
000(マクロゴール4000)0.5g、Arlac
el C 0.2gを容器に秤取し、モノステアリン酸
アルミニウムを含有しない落花生油10mlを加え、高
速ホモジナイザー(ヒスコトロン、日音医理科器械製作
所)にて、20,000rpmで3分間処理し、続いて
容器を氷冷しながら15,000rpmで4分間処理す
ることにより注射剤を得た。これを比較例3と同様にラ
ット皮下に投与した結果を図2に示す。平均滞留時間
(MRT)は、4.27±1.63時間、最高血中濃度
は、350.12±111.35μg/ml、血中濃度
曲線下面積は、2054.29±641.94ng・h
/mlであった。
【0022】実施例4 ヒト成長ホルモン16mg、ポリエチレングリコール4
000(マクロゴール4000)0.5g、Arlac
el C 0.2gを容器に秤取し、0.1%(W/
W)モノステアリン酸アルミニウム含有落花生油10m
lを加え、高速ホモジナイザー(ヒスコトロン、日音医
理科器械製作所)にて、20,000rpmで3分間処
理し、続いて容器を氷冷しながら15,000rpmで
4分間処理することにより注射剤を得た。これを比較例
3と同様にラット皮下に投与した結果を図2に示す。平
均滞留時間(MRT)は、7.47±5.12時間、最
高血中濃度は、260.19±58.36μg/ml、
血中濃度曲線下面積は、2174.92±736.03
ng・h/mlであった。
【0023】実施例5 ヒト成長ホルモン16mg、ポリエチレングリコール4
000(マクロゴール4000)0.5g、Arlac
el C 0.2gを容器に秤取し、0.2%(W/
W)モノステアリン酸アルミニウム含有落花生油10m
lを加え、高速ホモジナイザー(ヒスコトロン、日音医
理科器械製作所)にて、20,000rpmで3分間処
理し、続いて容器を氷冷しながら15,000rpmで
4分間処理することにより注射剤を得た。これを比較例
3と同様にラット皮下に投与した結果を図2に示す。平
均滞留時間(MRT)は、5.17±1.10時間、最
高血中濃度は、228.51±20.65μg/ml、
血中濃度曲線下面積は、2054.95±576.51
ng・h/mlであった。
【0024】実施例6 ヒト成長ホルモン16mg、ポリエチレングリコール4
000(マクロゴール4000)0.5g、Arlac
el C 0.2gを容器に秤取し、0.5%(W/
W)モノステアリン酸アルミニウム含有落花生油10m
lを加え、高速ホモジナイザー(ヒスコトロン、日音医
理科器械製作所)にて、20,000rpmで3分間処
理し、続いて容器を氷冷しながら15,000rpmで
4分間処理することにより注射剤を得た。これを比較例
3と同様にラット皮下に投与した結果を図2に示す。平
均滞留時間(MRT)は、6.22±2.81時間、最
高血中濃度は、97.87±33.17μg/ml、血
中濃度曲線下面積は、770.38±382.65ng
・h/mlであった。
【0025】
【図2】
【0026】実施例7 ヒト成長ホルモン16mg、プロピレングリコール0.
5g、ArlacelC 0.1gを容器に秤取し、1
%(W/W)モノステアリン酸アルミニウム含有落花生
油10mlを加え、高速ホモジナイザー(ヒスコトロ
ン、日音医理科器械製作所)にて、20,000rpm
で2分間処理することにより注射剤を得た。これを比較
例3と同様にラット皮下に投与した結果を図3に示す。
最高血中濃度は、13.73±1.12μg/mlであ
った。
【0027】
【図3】
【0028】参考例1(正常ラット群) 無処置ラットで、試験期間中は、餌、水を自由に摂取さ
せた。頸骨骨端軟骨の幅は、233.7±17.4μm
であった。結果のまとめを表1に示す。
【0029】比較例4(連続投与群) 3週令のラット(雄性、Wistar)の下垂体を摘出
し、術後12日での体重増加が15g以下の健康なラッ
トを用いた。ヒト成長ホルモン5.1mgを7%炭酸水
素ナトリウム溶液に溶かし、20mlの溶液とし、それ
をさらに、7%炭酸水素ナトリウム溶液で60倍希釈し
て10mIU/ml溶液を得た。これを0.5ml(h
GH:5mIU)を1日1回6日間連続投与した。その
結果、頸骨骨端軟骨の幅は、228.4±16.2μm
であった。結果のまとめを表1に示す。
【0030】参考例2(連続投与コントロール群) 3週令のラット(雄性、Wistar)の下垂体を摘出
し、術後12日での体重増加が15g以下の健康なラッ
トを用いた。7%炭酸水素ナトリウム溶液0.5mlを
1日1回6日間連続投与した。その結果、頸骨骨端軟骨
の幅は、184.7±15.9μmであった。結果のま
とめを表1に示す。
【0031】実施例8(週2回投与群) 3週令のラット(雄性、Wistar)の下垂体を摘出
し、術後12日での体重増加が15g以下の健康なラッ
トを用いた。ヒト成長ホルモン1.275mg、ポリエ
チレングリコール4000(マクロゴール4000)
5.0g、Arlacel C 2.0gを容器に秤取
し、0.5%モノステアリン酸アルミニウム含有落花生
油100mlを加え、高速ホモジナイザー(ヒスコトロ
ン、日音医理科器械製作所)にて、20,000rpm
で3分間処理し、続いて容器を氷冷しながら15,00
0rpmで4分間処理することにより注射剤を得た。こ
の製剤0.5ml(hGH:15mIU)を、試験開始
第1日目と4日目に投与した。その結果、頸骨骨端軟骨
の幅は、216.3±20.2μmであった。結果のま
とめを表1に示す。
【0032】実施例9(週2回投与群) ヒト成長ホルモン1.275mg、ポリエチレングリコ
ール4000(マクロゴール4000)5.0g、Ar
lacel C 2.0gを容器に秤取し、0.2%モ
ノステアリン酸アルミニウム含有落花生油100mlを
加え、高速ホモジナイザー(ヒスコトロン、日音医理科
器械製作所)にて、20,000rpmで3分間処理
し、続いて容器を氷冷しながら15,000rpmで4
分間処理することにより注射剤を得た。この製剤0.5
ml(hGH:15mIU)を、試験開始第1日目と4
日目に投与した。その結果、頸骨骨端軟骨の幅は、21
2.7±13.5μmであった。結果のまとめを表1に
示す。
【0033】比較例5(週2回投与コントロール群) 3週令のラット(雄性、Wistar)の下垂体を摘出
し、術後12日での体重増加が15g以下の健康なラッ
トを用いた。ヒト成長ホルモン5.1mgを7%炭酸水
素ナトリウム溶液に溶かし、20mlの溶液とし、それ
をさらに、7%炭酸水素ナトリウム溶液で20倍希釈し
て30mIU/ml溶液を得た。この製剤0.5ml
(hGH:15mIU)を、試験開始第1日目と4日目
に投与した。その結果、頸骨骨端軟骨の幅は、176.
3±13.4μmであった。結果のまとめを表1に示
す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の注射液は皮下または筋肉内に投
与することにより、含有する生理活性物質を体内で持続
的に溶出させる機能を持つ。そして短い工程と簡便な操
作で、短時間に製造でき品質も安定している。また製造
に有機溶媒を必要としないので有機溶剤が最終製品に残
留する問題を避けることができ、かつ水を用いずに製造
できるから水を含有しない最終製剤が得られるので、水
溶液の状態で不安定な生理活性物質を含有する場合には
特に適している。さらに本発明の注射剤の主薬以外の製
剤原料は医薬添加剤として汎用されているので、品質の
保証された物を容易に入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1、2および実施例1、2における注射
剤からのヒト成長ホルモンの溶出試験の結果を示すグラ
フである。
【図2】比較例1、3および実施例1、3、4において
注射剤を皮下投与した後のヒト成長ホルモンの血中濃度
の推移を示すグラフである。
【図3】比較例3および実施例2、5において注射剤を
皮下投与した後のヒト成長ホルモンの血中濃度の推移を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/27 A61K 37/26 38/04 37/36 38/43 37/43 38/44 37/465 38/46 37/50 38/48 37/54 38/21 37/553 47/30 37/66

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理活性物質をその中に溶解または分散
    させたポリエチレングリコールの微粒子またはプロピレ
    ングリコールの微粒滴を薬学的に許容されうる植物油中
    に分散させてなる持続性注射剤。
  2. 【請求項2】 ポリエチレングリコールの平均分子量が
    400−20,000である請求項1記載の注射剤。
  3. 【請求項3】 ポリエチレングリコールまたはプロピレ
    ングリコールの濃度が1−10w/v%である請求項1
    記載の注射剤。
  4. 【請求項4】 植物油にステアリン酸アルミニウムが添
    加されている請求項1記載の注射剤。
  5. 【請求項5】 ステアリン酸アルミニウムが植物油に対
    して5w/v%以下添加される請求項4記載の注射剤。
  6. 【請求項6】 ステアリン酸アルミニウムがモノ、ジま
    たはトリステアリン酸アルミニウムである請求項4また
    は5記載の注射剤。
  7. 【請求項7】 生理活性物質がペプチド系生理活性物質
    である請求項1記載の注射剤。
  8. 【請求項8】 生理活性物質の分子量が100,000
    以下である請求項1または7記載の注射剤。
  9. 【請求項9】 生理活性物質が、ヒト成長ホルモン、ソ
    マトスタチン、ソマトスタチン誘導体、インターフェロ
    ン(α型、β型もしくはγ型)、インターロイキン
    (I、II、III 、IV、V、VIもしくは VII)、インスリ
    ン類、SOD、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、腫瘍
    壊死因子、コロニー形成刺戟因子、カリクレインおよび
    リゾチームならびに各種細胞増殖・分化因子すなわち、
    インスリン様増殖因子、上皮増殖因子、繊維芽細胞増殖
    因子、血小板由来増殖因子、神経成長因子、肝細胞増殖
    因子、血管新生因子、血管新生阻害因子およびフイブロ
    ネクチンから選ばれる1種以上である請求項1、7まは
    8記載の注射剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511577A (ja) * 2001-11-05 2005-04-28 ユニベルシダデ フェデラル デ ミナス ジェライス − ユーエフエムジー シクロデキストリン、リポソーム及び生分解性ポリマー並びに/或いはそれらの混合物及び生成物を用いる、ペプチドアンギオテンシン−(1−7)並びにその類似体、作動薬及び拮抗薬の製剤の調製方法

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