JPH09293459A - カラー受像管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部衝撃によるビ−ムランディングのずれを
効果的に抑制し、カラ−受像管を長時間動作させたとき
のマスクフレ−ムの膨張による色ずれを完全に補正し、
品位良好な画像を安定に表示する。 【解決手段】パネル３のスカート部２のコーナーに設け
られたスタッドピン３０にシャドウマスク９を係止する
ほぼ楔形状またはＶ字形状の弾性支持体３１に、スタッ
ドピン軸方向以外の方向の機械的な外部衝撃に対して弾
性支持体３１の変位を拘束する変位拘束手段３７を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はカラ−受像管に係わ
り、とくにシャドウマスクの支持に使用される弾性支持
体に特徴をもつカラー受像管に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にカラ−受像管は、図５に示すよう
に、曲面からなるパネル本体１の周辺部にスカ−ト部２
が設けられたほぼ矩形状のパネル３とそのスカ−ト部２
に接合された漏斗状のファンネル（図示せず）とからな
る外囲器を有し、上記パネル３の本体１の内面に形成さ
れた３色蛍光体層からなる蛍光体スクリ−ン５に対向し
て、その内側に多数の電子ビ−ム通過孔６の形成された
曲面からなるほぼ矩形状のマスク本体７とこのマスク本
体７の周辺部に取り付けられたほぼ矩形状のマスクフレ
−ム８とからなるシャドウマスク９が配置されている。
一方、ファンネルのネック内に３電子ビ−ム１１を放出
する電子銃が配設されている。

【０００３】この電子銃から放出される３電子ビ−ム１
１をファンネルの外側に装着された偏向装置の発生する
磁界により偏向し、シャドウマスク９を介して蛍光体ス
クリ−ン５を水平、垂直走査することによりカラ−画像
を表示する構造に形成されている。

【０００４】シャドウマスク９の支持方式として、マス
クフレ−ム８の各コ−ナ−部にほぼ楔形状の弾性支持体
１５ａを取り付け、この弾性支持体１５ａをパネル３の
スカ−ト部２の各コ−ナ−部に設けられたスタッドピン
１６側に係止されることにより脱着可能に支持するもの
がある。この弾性支持体１５ａは、マスクフレ−ム８に
固定される固定部１７、スタッドピン１６、に係止する
係止部１８及びこれら固定部１７と係止部１８に傾斜し
て連結する傾斜部１９とからなる。

【０００５】一般にカラ−受像管の蛍光体スクリ−ン上
に色ずれのない画像を表示するためには、シャドウマス
クのマスク本体に形成されている電子ビ−ム通過孔を通
過する電子ビ−ムが蛍光体スクリ−ンの３色蛍光体層の
それぞれに正しくランディングするようにすることが必
要である。そのためには、パネルとシャドウマスクとの
位置関係、特に蛍光体スクリ−ンの形成されるパネル内
面との間隔（ｑ値）を所定の許容範囲に保つように構成
する必要がある。

【０００６】しかし通常シャドウマスクのマスク本体
は、板厚の薄い炭素鋼板により形成され、このマスク本
体の電子ビ−ム通過孔を通って蛍光体スクリ−ンに達す
る電子ビ−ムの量は、電子銃から放出される電子ビ−ム
の１／３以下であり、大部分の電子ビ−ムは、シャドウ
マスクに衝突する。そのため、シャドウマスクは、加熱
されて熱膨張し、特に板厚の薄い曲面からなるマスク本
体は蛍光体スクリ−ン側に膨出するド−ミング（変形）
を起こす。このド−ミングによる膨出量が上記ｑ値を越
えると、３色蛍光体層に対する電子ビ−ムのランディン
グがずれ、色ずれが生ずる。このシャドウマスクの熱膨
張によるランディングずれの大きさは、電子ビ−ムの電
流量、画像パタ−ンの大きさ、その画像パタ−ンの継続
時間などにより異なる。

【０００７】このシャドウマスクの熱膨張によるランデ
ィングずれの内、カラ−受像管の動作開始初期にマスク
フレ−ムよりも板厚の薄いマスク本体が加熱され、この
加熱されたマスク本体の熱がマスクフレ−ムに伝達され
てマスク本体とマスクフレ−ムがほぼ熱平衡状態とな
り、マスク本体とともにマスクフレ−ムが熱膨張するこ
とによって生じる長時間動作時のランディングずれは、
上記ほぼ楔形状の弾性支持体１５ａにより効果的に補正
することができる。

【０００８】すなわち、ほぼ楔形状の弾性支持体１５ａ
は、図５に一点鎖線で示したように、マスクフレ−ム８
の熱膨張にともなってマスク本体７を蛍光体スクリ−ン
５方向に押上げ、マスク本体７の電子ビ−ム通過孔６を
通って３色蛍光体層をランディングする電子ビ−ム１１
の軌道がシャドウマスク９の熱膨張前と熱膨張後とで変
化しないように補正する。

【０００９】一方、現在大型カラ−受像管については、
マスク本体を上記炭素鋼板の替わりに、熱膨張係数の小
さいアンバ−材で形成したものが用いられている。この
ようにマスク本体が熱膨張係数の小さい材料で形成さ
れ、マスクフレ−ムの熱膨張係数と相違するシャドウマ
スクを備えるカラ−受像管については、図６に示すよう
に、シャドウマスク９のマスクフレ−ム８に固定される
固定部１７およびパネル３のスカ−ト部２に設けられた
スタッドピン１６に係止する係止部１８の各一端部側に
それぞれ傾斜部１９ａ、１９ｂを折曲げ形成し、これら
傾斜部１９ａ、１９ｂを溶接してほぼＶ字形状に形成さ
れた弾性支持体１５ｂをマスクフレ−ム９の各コ−ナ−
部に取り付け、その係止部１８をパネル３のスカ−ト部
２のコ−ナ−部に設けられたスタッドピン１６に係止す
ることによりシャドウマスク９を支持している。

【００１０】このような弾性支持体１５ｂでは、シャド
ウマスクの熱膨張量が小さいため、図６に示すようにシ
ャドウマスクのスカ−ト部を長くしてやり、マスクフレ
−ムの熱膨張に対して逃げをつくることおよび弾性支持
体をＶ字形状にすることにより、マスクフレ−ムの膨張
は吸収される。このような作用をもたらすためには、上
記弾性支持体が、完全なＶ字形状をしていることが望ま
しい。しかし、このようにした場合でもシャドウマスク
の熱膨張により、ビ−ムランディングは画面中央にずれ
ることが多い。この場合、シャドウマスクとマスクフレ
−ムの固定部４０をシャドウマスク側にシフトすること
でシャドウマスクを画面周辺方向へ引くことで改善でき
るが、ビ−ムランディングへの感度が高くなるため、製
造時の熱工程の影響でカラ−受像管ごとのビ−ムランデ
ィングのばらつきが大きくなってしまうため、固定点４
０をシフトすることができない。

【００１１】さらに、この場合実際には機械的な外部か
らの衝撃によりスタッドピンに対する弾性支持体の係止
状態が変化することにより生ずるランディングずれを考
慮した板厚の増加に伴う脱着時荷重の増加や、図８に示
すようなマスクフレ−ムの熱膨張吸収のため弾性支持体
の傾斜部１９ａの長さの増加による弾性支持体とスタッ
ドピンとの脱着時において上記傾斜部の上端２０が、図
示破線の矢印のようにスタッドピン頭部と同高またはそ
れ以上にシフトして衝突してしまうなどの製造上好まし
くない形状になってしまうことが多い。

【００１２】上記製造上の問題を補うため、例えば上記
弾性支持体のスクリ−ン側上端２０のスタッドピンから
の距離を長くするために、係止部１８側傾斜部１９ｂの
角度２２を図７のように変えたときには、マスクフレ−
ムの熱膨張時、傾斜部１９ｂによるスクリ−ン側への補
正が大きくなってしまいシャドウマスクの位置は、スク
リ−ン方向に移動し、ビ−ムランディングは画面中心方
向にずれを生じる。これは、最近の偏向角の大きいほと
んど全てのカラ−受像管でみられる現象である。

【００１３】この問題を解決するため、固定部側の板厚
を小さくした場合、マスクフレ−ムの熱膨張によるビ−
ムランディングの補正に対してはほぼ同様なものとなる
が、外部からの衝撃によるビ−ムランディングの変化に
対しては、著しく劣化してしまう。

【００１４】外部衝撃に対する対策として、特公昭６４
−２７１４４号公報で示されているような、図１０の固
定部１７内側の折り曲げ部３７ａ、係止部１８内側の折
り曲げ部３７ｂを設けることにより、スクリ−ン面に平
行な方向の外部衝撃が加わった場合に衝撃のｘ成分（ス
クリーンに対して水平方向でスタッドピン軸方向ｙに対
して垂直方向）は、折り曲げ部３７ａが３７ｂに衝突す
ることにより、マスクフレ−ムの移動を軽減することが
でき、色ズレを効果的に防止している。しかしスクリ−
ン面に垂直な方向（ｚ方向）の外部衝撃に対しては、効
果はなく、傾斜部１９ａ、１９ｂの形状を工夫して対処
している。

【００１５】例えば、マスクフレ−ム側の傾斜部１９ａ
を短く形成することや、板厚を大きくし、かつスタッド
ピンに嵌合させる前の係止部１８と固定部１７の距離は
小さくすることにより、スタッドピンへの嵌合時の応力
を小さくするというように、剛体に近づけるようにする
ことにより、ある程度改善できることが分かっている。
しかし、これらの対策は、長時間ド−ミングによる色ズ
レの劣化や製造工程での脱着性を悪化させることにな
る。

【００１６】したがって、外部衝撃による色ずれおよび
長時間動作時の色ずれに対して良好な形状としたくても
制約が大きいため、現在は妥協設計になっていることが
多い。

【００１７】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、カラ−
受像管の蛍光体スクリ−ンに色ずれのない画像を表示す
るためには、弾性支持体の形状が重要である。しかし、
前記弾性支持体がカラ−受像管の特性に影響を与える、
外部からの衝撃により弾性支持体の位置が変動するため
にシャドウマスクとパネルの位置関係が変化することに
よる色ずれ、カラ−受像管を長時間動作させたときに起
こる色ずれなどを同時に解決することは困難である。

【００１８】本発明は、妥協設計することなく上記問題
を同時に、しかも効果的に解決することの可能な弾性支
持体を具備するカラ−受像管を提供することを目的とし
ている。

【００１９】

【課題を解決するための手段】本発明は、ほぼ矩形状の
パネル本体とその周辺部に設けられたスカート部でなり
前記パネル本体の内面に蛍光体スクリーンを形成し、前
記スカート部のコーナー部にスタッドピンを設けたパネ
ルと、前記蛍光体スクリーンに対向して多数の電子ビー
ム通過孔を形成したマスク本体とこのマスク本体の周辺
部に取り付けられたほぼ矩形状のマスクフレームでなり
このマスクフレームのコーナー部に取り付けられたほぼ
楔形状またはＶ字形状の弾性支持体で前記スタッドピン
に係止されたシャドウマスクを有し、前記弾性支持体は
前記マスクフレ−ムのコ−ナ−部側に固定された固定
部、係止孔を有し前記スタッドピンに係止される係止部
およびこれら固定部と係止部とに対して傾斜しこれら固
定部と係止部を連結する傾斜部からなるカラー受像管に
おいて、前記弾性支持体は前記固定部および係止部の一
方に突設片を、他方に受け部を形成し、前記弾性支持体
は前記スタッドピンと係止状態で前記突設片が前記受け
部に挿入されることを特徴とするカラー受像管を得るも
のである。

【００２０】さらに、前記弾性支持体は係止部のスタッ
ドピンと係止する係止孔の周辺にスリットを設け、かつ
このスリットに固定部に設けた折り曲げ突設片を挿通す
るように構成するのが好ましい。

【００２１】また、本発明は、ほぼ矩形状のパネル本体
とその周辺部に設けられたスカート部でなり前記パネル
本体の内面に蛍光体スクリーンを形成し、前記スカート
部のコーナー部にスタッドピンを設けたパネルと、前記
蛍光体スクリーンに対向して多数の電子ビーム通過孔を
形成したマスク本体とこのマスク本体の周辺部に取り付
けられたほぼ矩形状のマスクフレームでなりこのマスク
フレームのコーナー部に取り付けられたほぼ楔形状また
はＶ字形状の弾性支持体で前記スタッドピンに係止され
たシャドウマスクを有し、前記弾性支持体は前記マスク
フレ−ムのコ−ナ−部側に固定された固定部、係止孔を
有し前記スタッドピンに係止される係止部およびこれら
固定部と係止部とに対して傾斜しこれら固定部と係止部
を連結する傾斜部からなるカラー受像管において、前記
スタッドピンの軸に垂直かつ前記蛍光体スクリ−ン面に
平行な方向をｘ、前記スタッドピンの軸方向をｙ，前記
スクリ−ン面に垂直な方向をｚとしたとき、前記弾性支
持体の前記係止部と前記固定部は、ｘ方向およびｚ方向
の両方向に対して前記弾性支持体に外力が加わった場合
の変位を拘束する変位拘束手段を有してなることを特徴
とするカラ−受像管を得るものである。

【００２２】上記により、例えばシャドウマスクを支持
するほぼ楔形状またはほぼＶ形状の弾性支持体の傾斜部
に曲げ部を設け、マスク本体とともにマスクフレ−ムが
熱膨張するために生ずるカラ−受像管の長時間動作時の
ランディングずれを補正する構造、あるいはＶ字形状の
弾性支持体の傾斜部のうち、上記係止部側の傾斜部の固
定部側傾斜部との溶接部付近に曲げがなくかつ両側端に
曲げ部を設けて、マスクフレ−ムが熱膨張するために生
ずるカラ−受像管の長時間動作時のランディングずれを
ほぼ完全に補正するように弾性支持体を設計しても、カ
ラ−受像管製造工程でのシャドウマスク脱着性を損なわ
ず、外部衝撃によりスタッドピンに対する弾性支持体の
係止状態が変化することにより生ずるランディングずれ
などを効果的に抑制して、良好な画像を安定に表示する
カラ−受像管とすることができる。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明を
実施形態に基づいて説明する。

【００２４】図１（ａ）、（ｂ）にその一実施形態であ
るカラ−受像管を示す。このカラ−受像管は、曲面ガラ
スからなるパネル本体１の周辺部にスカ−ト部２が設け
られたほぼ矩形状のパネル３とそのスカ−ト部２に接合
された漏斗状のファンネル４とからなる外囲器を有し、
上記パネル３のパネル本体１の内面に、青、緑、赤に発
光する３色蛍光体層からなる蛍光体スクリ−ン５が形成
される。

【００２５】この蛍光体スクリ−ン５に対して、その内
側に多数の電子ビ−ム通過孔６の形成された曲面からな
るほぼ矩形状のマスク本体７とこのマスク本体７の周辺
部に取り付けられた断面Ｌ字形のほぼ矩形状のマスクフ
レ−ム８とからなるシャドウマスク９が後述するマスク
支持手段により支持されている。

【００２６】一方、ファンネル４のネック１０内に３電
子ビ−ム１１を放出する電子銃１２が配設されている。
そして、この電子銃１２から放出される３電子ビ−ム１
１をファンネル４の外側に装着された偏向装置１３の発
生する磁界により偏向し、シャドウマスク９を介して蛍
光体スクリ−ン５を水平、垂直走査することによりカラ
−画像を表示する構造に形成されている。上記マスク支
持手段は、パネル３のスカ−ト部２の各コ−ナ−部内面
に設けられたスタッドピン３０と、マスクフレ−ム８の
各コ−ナ−部側面に固定されて上記スタッドピン３０
と、マスクフレ−ム８の各コ−ナ−部側面に固定されて
上記スタッドピン３０に脱着可能に係止するステンレス
材の板状体からなる弾性支持体３１とからなる。

【００２７】図１（ｂ）および図２に示したように、弾
性支持体３１はマスクフレ−ム８に固定される固定部３
２およびスタッドピン３０に係止する係止孔３３の形成
された係止部３４の一端部側を折り曲げてそれぞれ傾斜
部３５ａ，３５ｂを形成し、これに傾斜部３５ａ，３５
ｂの各端部を図示×印で示す溶接点で溶接して、ほぼＶ
字形状をなす構造に形成されている。しかもこの弾性支
持体３１については、固定部３２に係止部側に直角に折
り曲げて突出させた板状折り曲げ部（突設片）３７、係
止部３４に折り曲げ部３７が嵌入するスリット部（受け
部）３８ｂをそれぞれ設け、スタッドピンと係止孔との
嵌合時、折り曲げ部３７がスリット部３８ｂに挿入され
る。

【００２８】このとき、スクリ−ン５に水平方向の外部
衝撃が加わると、図１に示すスクリーン面に平行でスタ
ッドピン軸方向ｙに垂直な方向ｘの、衝撃成分（ｘ成
分）は挿入された折り曲げ部３７側面がスリット部３８
ｂの長手方向内縁に衝突するという従来とほぼ同様の作
用で、マスクフレ−ムの移動を軽減することができる。
また、スクリ−ン面に垂直なｚ方向の衝撃に対しても、
折り曲げ部３７がスリット部３８ａの内縁先端に衝突す
ることにより、マスクフレ−ムの移動を防ぐことがで
き、実質的に弾性支持体を剛体に近付けたのと同様の効
果が得られる。

【００２９】図９の構造の場合、係止部の板厚０．８ｍ
ｍ，固定部の板厚０．６ｍｍとし、挿入された折り曲げ
部３７とスリット状受け部３８ａ，３８ｂの隙間を０．
３ｍｍとしている。

【００３０】受け部３８ａは完全なスリット孔でなくて
も、突設片３７が衝撃力のｘ、ｚ成分に対して、支持体
の変位を拘束するように構成されればよく、例えば図４
（ｂ）の符号３８ｃのように、スリット３８ｂの一部が
切り込みで開放された構造でもよい。

【００３１】これにより、固定部３２側の補正がよりき
き易くなり、傾斜部１９ａを製造上問題ない短かさにし
たときも、シャドウマスクの長時間ド−ミング時の画面
中央方向へのビ−ム１１の移動は図示破線のようにマス
クフレームの位置が移動しても効果的に補正されてい
る。

【００３２】また、従来Ｖ字形状の弾性支持体におい
て、固定部の板厚がこのように小さい場合、特にスクリ
−ン面に垂直な方向の外部衝撃に対して劣化が大きかっ
たが、本発明より、長時間ド−ミングと同時に、外部衝
撃に対するビ−ムランディングの補正も同時に行うこと
ができる。しかも、脱着性は良好にできるため、傾斜部
３５の形状は、長時間ド−ミング時の補正が最も良好な
形状にでき、カラ−受像管の長時間動作時のビ−ムラン
ディングのズレは、大幅に改善される。

【００３３】次に、図３に本発明の第２の実施形態を示
す。なお図２と同様の部分は同一符号を符している。

【００３４】本実施形態の弾性支持体３１は、固定部折
り曲げ部３７を、係止部側折り曲げ部３７ａに対して平
行な固定部側折り曲げ部３７ｂと、スクリ−ン側で係止
部側へ折り曲げた３９とに２分割した構造になってい
る。これにより、スクリ−ン面に水平な方向の外部衝撃
が加わった場合は、衝撃のｘ成分により固定部側折り曲
げ部３７ｂと係止部側折り曲げ部３７ａが互いに衝突
し、スクリ−ン面に垂直なｚ方向の外部衝撃が加わった
時には、固定部側折り曲げ部のスクリ−ン側曲げ部３９
と係止部側折り曲げ部３７ｂが互いに衝突し、第１の実
施形態と同様、ビ−ムランディングのズレを効果的に補
正でき、これにより長時間ド−ミング時の補正のための
傾斜部の形状に制約がなくなり、脱着性は良好に保った
まま、外部衝撃および長時間ド−ミングによるビ−ムラ
ンディングのズレを効果的に補正できる。

【００３５】次に、図４に本発明の第３の実施形態を示
す。

【００３６】これは、楔形状の弾性支持体に第１の実施
形態の折り曲げ部３７を変位拘束手段として用いた場合
であり、効果は第１の実施形態とほぼ同様である。

【００３７】

【発明の効果】外部衝撃によるビ−ムランディングのず
れを効果的に抑制することができ、Ｖ字形状あるいはほ
ぼ楔形状の弾性支持体の傾斜部の形状をカラ−受像管を
長時間動作させたときのマスクフレ−ムの膨張による色
ずれを完全に補正できるデザインにできるため、品位良
好な画像を安定に表示するカラ−受像管とすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態であるほぼＶ字形状の弾性
支持体でシャドウマスクを支持したカラ−受像管の構成
を示し、（ａ）は全体の断面図、（ｂ）は一部拡大断面
図、

【図２】図１に示したカラ−受像管のほぼＶ字形状をな
す弾性支持体の構造を示し、（ａ）下面図、（ｂ）は正
面図、（ｃ）は側面図、

【図３】本発明の変形例のほぼＶ字形状をなす弾性支持
体の構造を示し、（ａ）下面図、（ｂ）は正面図、
（ｃ）は側面図、

【図４】本発明の変形例のほぼ楔形状をなす弾性支持体
の構造を示し、（ａ）下面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）
は側面図、

【図５】従来のほぼ楔形状の弾性支持体でシャドウマス
クを支持したカラ−受像管の構成を示す一部拡大断面
図、

【図６】ほぼＶ字形状の弾性支持体でシャドウマスクを
支持したカラ−受像管の動作説明をする一部拡大断面
図、

【図７】従来のほぼＶ字形状の弾性支持体でシャドウマ
スクを支持したカラ−受像管の動作を説明する一部拡大
断面図、

【図８】図６に示す弾性支持体の脱着時の動作を説明す
る一部拡大断面図、

【図９】本発明の第一の実施形態であるほぼＶ字形状の
弾性支持体でシャドウマスクを支持したときの動作を説
明する一部拡大断面図、

【図１０】従来のほぼＶ字形状をなす弾性支持体の構造
を示すもので、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図。

【符号の説明】

２ … スカ−ト部 ３ … パネル ８ … マスクフレ−ム ９ … シャドウマスク ３０ … スタッドピン ３１ … 弾性支持体 ３２ … 固定部 ３４ … 係止部 ３５ … 傾斜部 ３７ … 折り曲げ部 ３８ … 受け部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ矩形状のパネル本体とその周辺部に
   設けられたスカート部でなり前記パネル本体の内面に蛍
   光体スクリーンを形成し、前記スカート部のコーナー部
   にスタッドピンを設けたパネルと、前記蛍光体スクリー
   ンに対向して多数の電子ビーム通過孔を形成したマスク
   本体とこのマスク本体の周辺部に取り付けられたほぼ矩
   形状のマスクフレームでなりこのマスクフレームのコー
   ナー部に取り付けられたほぼ楔形状またはＶ字形状の弾
   性支持体で前記スタッドピンに係止されたシャドウマス
   クを有し、前記弾性支持体は前記マスクフレームのコー
   ナー部側に固定された固定部、係止孔を有し前記スタッ
   ドピンに係止される係止部およびこれら固定部と係止部
   とに対して傾斜しこれら固定部と係止部を連結する傾斜
   部からなるカラー受像管において、 前記弾性支持体は前記固定部および係止部の一方に突設
   片を、他方に受け部を形成し、前記弾性支持体は前記ス
   タッドピンと係止状態で前記突設片が前記受け部に挿入
   されることを特徴とするカラー受像管。
2. 【請求項２】 弾性支持体の係止部のスタッドピンと係
   止する係止孔の周辺にスリットを設け、かつこのスリッ
   トに固定部に設けた折り曲げ突設片を挿通したことを特
   徴とする請求項１に記載のカラ−受像管。
3. 【請求項３】 ほぼ矩形状のパネル本体とその周辺部に
   設けられたスカート部でなり前記パネル本体の内面に蛍
   光体スクリーンを形成し、前記スカート部のコーナー部
   にスタッドピンを設けたパネルと、前記蛍光体スクリー
   ンに対向して多数の電子ビーム通過孔を形成したマスク
   本体とこのマスク本体の周辺部に取り付けられたほぼ矩
   形状のマスクフレームでなりこのマスクフレームのコー
   ナー部に取り付けられたほぼ楔形状またはＶ字形状の弾
   性支持体で前記スタッドピンに係止されたシャドウマス
   クを有し、前記弾性支持体は前記マスクフレ−ムのコ−
   ナ−部側に固定された固定部、係止孔を有し前記スタッ
   ドピンに係止される係止部およびこれら固定部と係止部
   とに対して傾斜しこれら固定部と係止部を連結する傾斜
   部からなるカラー受像管において、 前記スタッドピンの軸に垂直かつ前記蛍光体スクリ−ン
   面に平行な方向をｘ、前記スタッドピンの軸方向をｙ，
   前記スクリ−ン面に垂直な方向をｚとしたとき、前記弾
   性支持体の前記係止部と前記固定部は、ｘ方向およびｚ
   方向の両方向に対して前記弾性支持体に外力が加わった
   場合の変位を拘束する変位拘束手段を有してなることを
   特徴とするカラ−受像管。