JP2000133157A - カラー陰極線管及びカラー陰極線管用の弾性支持機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、シャドウマスク本体のホルダ圧縮
力によるフレーム側壁倒れを抑制し、色純度の劣化防止
を図ったカラー陰極線管用の弾性支持機構を提供する。 【解決手段】 カラー陰極線管におけるフェースパネル
３に対して、蛍光体スクリーン５と対向するシャドウマ
スク７及びフレーム８を有するシャドウマスク本体６を
弾性的に支持するカラー陰極線管用の弾性支持機構であ
って、フレーム８に固定される固着部２１と、フェース
パネル３の側壁部に設けたスタッドピンに係止される係
止部２３と、管軸方向に対し傾斜した２個の折曲部２４
ａ２４ｂにより固着部２１、係止部２３を段差をもって
連結する傾斜部２２とを具備する複数個のホルダ８から
なり、前記ホルダ８の固着部２１を、このホルダ８のフ
ェースパネル３側の端縁部８ａが前記フレーム側壁の底
面部又はその近傍を占める位置となるように前記フレー
ム側壁に固着したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管に
関し、シャドウマスク本体のホルダ圧縮力によるフレー
ム側壁倒れを抑制し、色純度の劣化防止を図ったカラー
陰極線管及びカラー陰極線管用の弾性支持機構に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は、従来例を示したもので、カラー
陰極線管におけるシャドウマスク本体を構成するフレー
ム５１と傾斜タイプのホルダ５０の概略図である。

【０００３】カラー陰極線管のシャドウマスク本体は、
シャドウマスクが全体として矩形状のフレーム５１に固
定され、フレーム５１に複数個のホルダ５０が溶接等で
固着されている。

【０００４】そして、フレーム５１の外周を囲むフェー
スパネル側壁の内側に設けられたスタッドピン５２に対
して、各ホルダ５０の孔５３を係合させることにより、
フェースパネル側壁の内側に所定の間隔を保って配置さ
れるようになっている。

【０００５】このようなカラー陰極線管のホルダ５０に
は、電子ビーム照射に伴うフレーム５１の熱変形から発
生する色純度劣化を防止する目的で、傾斜部５０ｂがカ
ラー陰極線管の管軸に対して傾斜した形状のものがあ
る。

【０００６】通常フレーム５１は、断面略Ｌ字型をして
おり、ホルダ５０はフレーム５１の辺部に沿った板状に
形成されている。

【０００７】一般に、フレーム５１は、板厚１．０乃至
２．０ｍｍ、側壁高さ３０乃至５０ｍｍ、底面幅１０乃
至３０ｍｍ、また、ホルダ５０は、板厚０．５乃至１．
０ｍｍ、長さ５０乃至１００ｍｍ、幅１５乃至２５ｍｍ
程度の寸法に形成されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のカラー陰極線管のシャドウマスク本体における
フレーム５１及びホルダ５０において、ホルダ５０の側
端がフレーム５１の底面から１５乃至２５ｍｍ程度離れ
た側壁部に固着されているため、ホルダ５０に作用する
圧縮力（１．０ｋｇ強）により、フレーム５１の側壁部
が倒れて、シャドウマスクが微小変形してしまう。この
結果、カラー陰極線管の電子ビームのランディング位置
のずれが生じ、色純度の劣化を招く。

【０００９】特に、傾斜タイプのホルダ５０では、傾斜
部５０ｂの側端である図５に示す点Ａが作用点となり、
フレーム５１の側壁倒れが大きくなるという問題があ
る。

【００１０】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、シャドウマスク本体のホルダ圧縮力によるフレ
ーム側壁倒れを抑制し、色純度の劣化防止を図ったカラ
ー陰極線管及びカラー陰極線管用の弾性支持機構を提供
するもである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
少なくとも内面にスクリーンを有するフェースパネル
と、前記フェースパネルに対向して前記スクリーンに電
子ビームを照射する電子銃を有するネックと、前記フェ
ースパネルとネックの間を接合するとともに、前記電子
銃からの電子ビームを前記スクリーンに偏向走査する偏
向ヨークを有するファンネルと、前記フェースパネルの
内部に配置され前記電子銃からの電子ビームを前記スク
リーンの所定の蛍光体にランディングさせるシャドウマ
スクと、このシャドウマスクの周辺を保持するフレーム
とを備えたシャドウマスク本体と、前記フェースパネル
の側壁に設けたスタッドピンに係合する係合部、シャド
ウマスク本体のフレーム側壁に固着する固着部及び係合
部と固着部とを連結する管軸に対して傾斜した傾斜部を
具備し、前記フェースパネル内でシャドウマスク本体を
定位置に支持する支持体とを有するカラー陰極線管にお
いて、前記支持体の固着部を、この支持体のフェースパ
ネル側の端縁部が前記フレーム側壁の剛性の大きい領域
又はその近傍を占める位置となるように前記フレーム側
壁に固着してなることを特徴とするものである。

【００１２】この発明によれば、フェースパネル内でシ
ャドウマスク本体を定位置に支持する支持体の固着部
を、この支持体のフェースパネル側の端縁部が前記フレ
ーム側壁の剛性の大きい領域又はその近傍を占める位置
となるように前記フレーム側壁に固着してなるものであ
るから、前記フレーム側壁の剛性により、ホルダからフ
レームに作用する圧縮力の影響を抑制でき、フレーム側
壁倒れがなくなり、電子ビームのランディング位置のず
れがなくなって色純度の劣化防止を図ることができる。

【００１３】請求項２記載の発明は、少なくとも内面に
スクリーンを有するフェースパネルと、前記フェースパ
ネルに対向して前記スクリーンに電子ビームを照射する
電子銃を有するネックと、前記フェースパネルとネック
の間を接合するとともに、前記電子銃からの電子ビーム
を前記スクリーンに偏向走査する偏向ヨークを有するフ
ァンネルと、記フェースパネルの内部に配置され、前記
電子銃からの電子ビームを前記スクリーンの所定の蛍光
体にランディングさせるシャドウマスクと、このシャド
ウマスクの周辺を保持する略断面Ｌ字型のフレームとを
備えたシャドウマスク本体と、前記フェースパネルの側
壁に設けたスタッドピンに係合する係合部、シャドウマ
スク本体のフレーム側壁に固着する固着部及び係合部と
固着部とを連結する管軸に対して傾斜した傾斜部を具備
し、前記フェースパネル内でシャドウマスク本体を定位
置に支持するホルダとを有するカラー陰極線管におい
て、前記ホルダの固着部を、このホルダのフェースパネ
ル側の端縁部が前記フレーム側壁の底面部又はその近傍
を占める位置となるように前記フレーム側壁に固着した
ことを特徴とするものである。

【００１４】この発明によれば、フェースパネル内でシ
ャドウマスク本体を定位置に支持する支持体の固着部
を、この支持体のホルダのフェースパネル側の端縁部が
前記フレーム側壁の底面部又はその近傍を占める位置と
なるように前記フレーム側壁に固着しているものである
から、前記フレーム側壁の底面部又はその近傍の大きい
剛性により、ホルダからフレームに作用する圧縮力の影
響を抑制でき、フレーム側壁倒れがなくなり、電子ビー
ムのランディング位置のずれがなくなって色純度の劣化
防止を図ることができる。

【００１５】請求項３記載の発明は請求項２記載のカラ
ー陰極線管において、前記ホルダのネック側の端縁の少
なくとも一部が、前記フレーム底面よりネック側に突出
していることを特徴とするものである。

【００１６】この発明によれば、ホルダのネック側の端
縁の少なくとも一部が、前記フレーム底面よりネック側
に突出した構成で請求項２記載の発明と同様な作用を発
揮させることができる。

【００１７】請求項４記載の発明は、少なくとも内面に
スクリーンを有するフェースパネルと、前記フェースパ
ネルに対向して前記スクリーンに電子ビームを照射する
電子銃を有するネックと、前記フェースパネルと前記ネ
ックの間を接合するとともに、前記電子銃からの電子ビ
ームを前記スクリーンに偏向走査する偏向ヨークを有す
るファンネルと、前記フェースパネルの内部に配置さ
れ、前記電子銃からの電子ビームを前記スクリーンの所
定の蛍光体にランディングさせるシャドウマスクと、こ
のシャドウマスクの周辺を保持する略断面Ｌ字型のフレ
ームとを備えたシャドウマスク本体と、前記フェースパ
ネルの側壁に設けたスタッドピンに係合する係合部、シ
ャドウマスク本体のフレーム側壁に固着する固着部及び
係合部と固着部とを連結する管軸に対して傾斜した傾斜
部を具備し、前記フェースパネル内でシャドウマスク本
体を定位置に支持するホルダとを有するカラー陰極線管
において、前記ホルダの固着部のフェースパネル側の端
部を、前記フレーム側壁に設けた側壁補強部に固着した
ことを特徴とするものである。

【００１８】この発明によれば、フェースパネル内でシ
ャドウマスク本体を定位置に支持する支持体の固着部の
フェースパネル側の端部を、前記フレーム側壁に設けた
側壁補強部に固着したものであるから、フレーム側壁に
側壁補強部を設けた構造のシャドウマスク本体を採用し
たカラー陰極線管の場合においても、前記側壁補強部の
大きい剛性により、ホルダからフレームに作用する圧縮
力の影響を抑制でき、フレーム側壁倒れがなくなり、電
子ビームのランディング位置のずれがなくなって色純度
の劣化防止を図ることができる。

【００１９】請求項５記載の発明は、少なくとも内面に
スクリーンを有するフェースパネルと、前記フェースパ
ネルに対向して前記スクリーンに電子ビームを照射する
電子銃を有するネックと、前記フェースパネルと前記ネ
ックの間を接合するとともに、前記電子銃からの電子ビ
ームを前記スクリーンに偏向走査する偏向ヨークを有す
るファンネルと、前記フェースパネルの内部に配置さ
れ、前記電子銃からの電子ビームを前記スクリーンの所
定の蛍光体にランディングさせるシャドウマスクと、こ
のシャドウマスクの周辺を保持する略断面Ｌ字型のフレ
ームとを備えたシャドウマスク本体と、前記フェースパ
ネルの側壁に設けたスタッドピンに係合する係合部、シ
ャドウマスク本体のフレーム側壁に固着する固着部及び
係合部と固着部とを連結する管軸に対して傾斜した傾斜
部を具備するホルダとを有するカラー陰極線管におい
て、前記ホルダの固着部を、このホルダのフェースパネ
ル側の端縁部が前記フレーム側壁の底面部又はその近傍
を占める位置となるように前記フレーム側壁に固着する
とともに、前記フレームにおける前記ホルダの固着部よ
りネック側で前記固着部を含む平面に連なる側壁部に、
前記フレーム側壁と角度の異なる平面又は曲面が形成さ
れていることを特徴とするものである。

【００２０】この発明によれば、フレームに前記フレー
ム側壁と角度の異なる平面又は曲面が形成されている構
造のカラー陰極線管においても、請求項２記載の発明と
同様、フェースパネル内でシャドウマスク本体を定位置
に支持する支持体の固着部を、この支持体のホルダのフ
ェースパネル側の端縁部が前記フレーム側壁の底面部又
はその近傍を占める位置となるように前記フレーム側壁
に固着しているものであるから、前記フレーム側壁の底
面部又はその近傍の大きい剛性により、ホルダからフレ
ームに作用する圧縮力の影響を抑制でき、フレーム側壁
倒れがなくなり、電子ビームのランディング位置のずれ
がなくなって色純度の劣化防止を図ることができる。

【００２１】請求項６記載の発明は、カラー陰極線管に
おける有効部の周辺に側壁部が設けられた矩形状のフェ
ースパネルに対して、前記有効部の内面に形成された蛍
光体スクリーンと対向する矩形状のシャドウマスク及び
このシャドウマスクの周辺部に取り付けられた矩形状の
フレームを有するシャドウマスク本体を弾性的に支持す
るカラー陰極線管用の弾性支持機構であって、前記弾性
支持機構は、フレームに固定される固着部と、フェース
パネルの側壁部に設けたスタッドピンに係止される係止
部と、管軸方向に対し傾斜した２個の折曲部により固着
部、係止部を段差をもって連結する傾斜部とを具備する
複数個の支持体からなり、前記支持体の固着部を、この
支持体のフェースパネル側の端縁部が前記フレーム側壁
の剛性の大きい領域又はその近傍を占める位置となるよ
うに前記フレーム側壁に固着してなることを特徴とする
ものである。

【００２２】この発明の弾性支持機構によれば、複数個
の支持体の固着部を、この支持体のフェースパネル側の
端縁部が前記フレーム側壁の剛性の大きい領域又はその
近傍を占める位置となるように前記フレーム側壁に固着
しているので、前記フレーム側壁の剛性により、ホルダ
からフレームに作用する圧縮力の影響を抑制でき、フレ
ーム側壁倒れがなくなり、電子ビームのランディング位
置のずれがなくなって色純度の劣化防止を図ることがで
きる弾性支持機構を提供できる。

【００２３】請求項７記載の発明は、カラー陰極線管に
おける有効部の周辺に側壁部が設けられた矩形状のフェ
ースパネルに対して、前記有効部の内面に形成された蛍
光体スクリーンと対向する矩形状のシャドウマスク及び
このシャドウマスクの周辺部に取り付けられた矩形状の
フレームを有するシャドウマスク本体を弾性的に支持す
るカラー陰極線管用の弾性支持機構であって、前記弾性
支持機構は、フレームに固定される固着部と、フェース
パネルの側壁部に設けたスタッドピンに係止される係止
部と、管軸方向に対し傾斜した２個の折曲部により固着
部、係止部を段差をもって連結する傾斜部とを具備する
複数個のホルダからなり、前記ホルダの固着部を、この
ホルダのフェースパネル側の端縁部が前記フレーム側壁
の底面部又はその近傍を占める位置となるように前記フ
レーム側壁に固着したことを特徴とするものである。

【００２４】この発明の弾性支持機構によれば、複数個
の支持体の固着部を、前記ホルダのフェースパネル側の
端縁部が前記フレーム側壁の底面部又はその近傍を占め
る位置となるように前記フレーム側壁に固着しているの
で、前記フレーム側壁の底面部又はその近傍の剛性によ
り、ホルダからフレームに作用する圧縮力の影響を抑制
でき、フレーム側壁倒れがなくなり、電子ビームのラン
ディング位置のずれがなくなって色純度の劣化防止を図
ることができる弾性支持機構を提供できる。

【００２５】請求項８記載の発明は、カラー陰極線管に
おける有効部の周辺に側壁部が設けられた矩形状のフェ
ースパネルに対して、前記有効部の内面に形成された蛍
光体スクリーンと対向する矩形状のシャドウマスク及び
このシャドウマスクの周辺部に取り付けられた矩形状の
フレームを有するシャドウマスク本体を弾性的に支持す
るカラー陰極線管用の弾性支持機構であって、前記弾性
支持機構は、フレームに固定される固着部と、フェース
パネルの側壁部に設けたスタッドピンに係止される係止
部と、管軸方向に対し傾斜した２個の折曲部により固着
部、係止部を段差をもって連結する傾斜部とを具備する
複数個のホルダからなり、前記ホルダの固着部を、この
ホルダのフェースパネル側の端縁部が前記フレーム側壁
の底面部又はその近傍を占める位置となるように前記フ
レーム側壁に固着するとともに、前記フレームにおける
前記ホルダの固着部よりネック側で前記固着部を含む平
面に連なる側壁部に、前記フレーム側壁と角度の異なる
平面又は曲面が形成されていることを特徴とするカラー
陰極線管用の弾性支持機構。

【００２６】この発明の弾性支持機構によれば、フレー
ム側壁と角度の異なる平面又は曲面が形成されている構
造のフレームを用いたシャドウマスク本体を採用してい
る場合において、前記フレーム側壁の底面部又はその近
傍の剛性により、ホルダからフレームに作用する圧縮力
の影響を抑制でき、フレーム側壁倒れがなくなり、電子
ビームのランディング位置のずれがなくなって色純度の
劣化防止を図ることができる弾性支持機構を提供でき
る。

【００２７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。

【００２８】図１は、本発明の実施の形態のカラー陰極
線管を示すものである。

【００２９】本実施の形態のカラー陰極線管は、有効部
１の周辺部に側壁２が形成された実質的に矩形状のフェ
ースパネル３及びこのフェースパネル３の側壁部２に接
合された漏斗状のファンネル４からなる外囲器を有し、
そのフェースパネル３の有効部１の内面に、青、緑、赤
に発光する３色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン５が
設けられ、この蛍光体スクリーン５に対向かつ接近し
て、その内側に短形状のシャドウマスク本体６が配置さ
れている。

【００３０】このシャドウマスク本体６は、前記蛍光体
スクリーン５と対向する多数の電子ビーム通過孔が形成
された矩形状のシャドウマスク７と、側壁部８ａの一端
部に底面張り出し部８ｂが設けられた断面Ｌ字形に形成
され、前記シャドウマスク７の周辺部に取り付けられた
矩形状のフレーム８とからなり、後述する弾性支持機構
を構成する例えば合計４個のホルダ２０によりフェース
パネル３の内側に支持されている。

【００３１】一方、ファンネル４のネック９内に３電子
ビーム１０を放出する電子銃１１が配置されている。そ
して、この電子銃１１から放出される３電子ビーム１０
をファンネル４の外側に装着された偏向装置１２の発生
する磁界により偏向し、前記シャドウマスク７を経て蛍
光体スクリーン５にランディングさせ、かつ、水平、垂
直走査によりカラー画像を表示する構造となっている。

【００３２】次に、図２を参照して弾性支持機構を構成
するホルダ２０について詳述する。このホルダ２０は、
フレーム８に固定される固着部２１と、フェースパネル
３の側壁部２に設けたスタッドピン３０に係合孔２３ａ
を介して係止される係止部２３と、前記カラー陰極線管
の管軸方向に対し傾斜した２個の折曲部２４ａ、２４ｂ
により固着部２１、係止部２３を段差をもって連結する
２２とを具備している。

【００３３】前記ホルダ２０のフェースパネル３側の端
縁部２０ａは、フレーム８の剛性の大きい底面部又はそ
の近傍を占める配置となっている。

【００３４】即ち、前記ホルダ２０は、図２に示すよう
に、固着部２１のフェースパネル３側の端縁部２０ａの
近傍領域が、フレーム８の側壁部８ａに溶接（溶接部２
５を×印で示す）されている。従って、前記ホルダ２０
のネック側の端縁の少なくとも一部が、前記フレーム８
の底面よりネック側に突出した構造となっている。

【００３５】また、ホルダ２０とフレーム８との溶接し
ろを十分とるために、圧縮力の作用点Ａはフレーム底面
から８ｍｍとなる位置に設定している。

【００３６】上述した弾性支持機構を採用した本実施の
形態のカラー陰極線管によれば、シャドウマスク本体６
をフェースパネル３の内部に装着する際に、フレーム８
に固着部２１が固着されたホルダ２０が圧縮されて、フ
レーム８の側壁部８ａを押し倒す方向に力が発生する。
しかし、フレーム８の側壁部８ａはホルダ２０からの圧
縮力と平行な平面を有しているため、この圧縮力に対す
る剛性が大きい。

【００３７】すなわち、図２に示すような構造とするこ
とで、ホルダ２０に対する圧縮力の作用点Ａを剛性の大
きい側壁部８ａの底面側とすることができ、側壁部８ａ
にかかるモーメント力を軽減し、フレーム８の側壁倒れ
を抑制できる。

【００３８】この結果、電子ビームのランディング位置
のずれがなくなって色純度の劣化防止を図ることができ
る。

【００３９】尚、作用点Ａと反対側の点Ｂは空間に浮い
てしまうが、傾斜タイプのホルダ２０であれば点Ｂにか
かる圧縮力は殆どないため、特に問題は生じない。

【００４０】次に、図３を参照して本発明の実施の形態
の弾性支持機構の他例を説明する。

【００４１】図３に示す弾性支持機構は、基本的構成は
図２に示す場合と同様であるが、前記ホルダ２０の固着
部２１のフェースパネル側の端部を、フレーム８の側壁
部８ａに設けた凹陥状の側壁補強部２６に溶接部２５
（×印で示す）をもって固着したことが特徴である。

【００４２】これにより、フレーム８の側壁部８ａに側
壁補強部２６を設けた構造のシャドウマスク本体６を採
用したカラー陰極線管の場合においても、側壁補強部２
６の大きい剛性により、スクリーン形成工程でフレーム
８とフェースパネル３に装着又は脱着するホルダ２０か
らフレーム８に作用する圧縮力の影響を抑制でき、フレ
ーム側壁倒れがなくなり、電子ビームのランディング位
置のずれがなくなって色純度の劣化防止を図ることがで
きる。

【００４３】次に、図４を参照して本発明の実施の形態
の弾性支持機構の他例を説明する。

【００４４】図４に示す弾性支持機構は、基本的構成は
図２に示す場合と同様であるが、前記フレーム８におけ
る前記ホルダ２０の固着部２１よりネック側で前記固着
部２１を含む平面に連なる側壁部８ａに、この側壁部８
ａと角度の異なる平面部８ｃを設けていることが特徴で
あり、この他の構成は図２に示す場合と同様である。

【００４５】このような平面部８ｃを有するフレーム８
を採用したカラー陰極線管の場合においても、ホルダ２
０からフレーム８に作用する圧縮力の影響を抑制でき、
フレーム側壁倒れがなくなり、電子ビームのランディン
グ位置のずれがなくなって色純度の劣化防止を図ること
ができる。

【００４６】尚、前記平面部８ｃの代りに、曲面部を設
けたフレーム８を採用したカラー陰極線管の場合におい
ても、図４に示す場合と同様な作用、効果を発揮させる
ことができる。

【００４７】

【発明の効果】本発明によれば、フレーム側壁の剛性に
より、ホルダからフレームに作用する圧縮力の影響を抑
制でき、フレーム側壁倒れがなくなり、電子ビームのラ
ンディング位置のずれがなくなって色純度の劣化防止を
図ることができるカラー陰極線管を提供することができ
る。

【００４８】また、本発明によれば、ホルダからフレー
ムに作用する圧縮力の影響を抑制でき、フレーム側壁倒
れがなくなり、電子ビームのランディング位置のずれが
なくなって色純度の劣化防止を図ることができる弾性支
持機構を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態のカラー陰極線管を概略断
面図である。

【図２】本発明の実施の形態のカラー陰極線管における
弾性支持機構を示す部分拡大斜視図である。

【図３】本発明の実施の形態のカラー陰極線管における
弾性支持機構の他例を示す部分拡大斜視図である。

【図４】本発明の実施の形態のカラー陰極線管における
弾性支持機構のさらに別例を示す部分拡大斜視図であ
る。

【図５】従来のカラー陰極線管における弾性支持機構を
示す部分拡大斜視図である。

【符号の説明】

３ フェースパネル ５ 蛍光体スクリーン ６ シャドウマスク本体 ７ シャドウマスク ８ フレーム ８ａ 側壁部 １１ 電子銃 １２ 偏向装置 ２０ ホルダ ２０ａ 端縁部 ２１ 固着部 ２２ 傾斜部 ２３ 係止部 ２４ａ 折曲部 ２５ 溶接部 ３０ スタッドピン

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも内面にスクリーンを有するフ
   ェースパネルと、 前記フェースパネルに対向して前記スクリーンに電子ビ
   ームを照射する電子銃を有するネックと、 前記フェースパネルと前記ネックの間を接合するととも
   に、前記電子銃からの電子ビームを前記スクリーンに偏
   向走査する偏向ヨークを有するファンネルと、 前記フェースパネルの内部に配置され、前記電子銃から
   の電子ビームを前記スクリーンの所定の蛍光体にランデ
   ィングさせるシャドウマスクと、このシャドウマスクの
   周辺を保持するフレームとを備えたシャドウマスク本体
   と、 前記フェースパネルの側壁に設けたスタッドピンに係合
   する係合部、シャドウマスク本体のフレーム側壁に固着
   する固着部及び係合部と固着部とを連結する管軸に対し
   て傾斜した傾斜部を具備し、前記フェースパネル内でシ
   ャドウマスク本体を定位置に支持する支持体と、 を有するカラー陰極線管において、 前記支持体の固着部を、この支持体のフェースパネル側
   の端縁部が前記フレーム側壁の剛性の大きい領域又はそ
   の近傍を占める位置となるように前記フレーム側壁に固
   着してなること、 を特徴とするカラー陰極線管。
2. 【請求項２】 少なくとも内面にスクリーンを有するフ
   ェースパネルと、 前記フェースパネルに対向して前記スクリーンに電子ビ
   ームを照射する電子銃を有するネックと、 前記フェースパネルと前記ネックの間を接合するととも
   に、前記電子銃からの電子ビームを前記スクリーンに偏
   向走査する偏向ヨークを有するファンネルと、 前記フェースパネルの内部に配置され、前記電子銃から
   の電子ビームを前記スクリーンの所定の蛍光体にランデ
   ィングさせるシャドウマスクと、このシャドウマスクの
   周辺を保持する略断面Ｌ字型のフレームとを備えたシャ
   ドウマスク本体と、 前記フェースパネルの側壁に設けたスタッドピンに係合
   する係合部、シャドウマスク本体のフレーム側壁に固着
   する固着部及び係合部と固着部とを連結する管軸に対し
   て傾斜した傾斜部を具備し、前記フェースパネル内でシ
   ャドウマスク本体を定位置に支持するホルダと、 を有するカラー陰極線管において、 前記ホルダの固着部を、このホルダのフェースパネル側
   の端縁部が前記フレーム側壁の底面部又はその近傍を占
   める位置となるように前記フレーム側壁に固着したこ
   と、 を特徴とするカラー陰極線管。
3. 【請求項３】 前記ホルダのネック側の端縁の少なくと
   も一部が、前記フレーム底面よりネック側に突出してい
   ることを特徴とする請求項２記載のカラー陰極線管。
4. 【請求項４】 少なくとも内面にスクリーンを有するフ
   ェースパネルと、 前記フェースパネルに対向して前記スクリーンに電子ビ
   ームを照射する電子銃を有するネックと、 前記フェースパネルと前記ネックの間を接合するととも
   に、前記電子銃からの電子ビームを前記スクリーンに偏
   向走査する偏向ヨークを有するファンネルと、 前記フェースパネルの内部に配置され、前記電子銃から
   の電子ビームを前記スクリーンの所定の蛍光体にランデ
   ィングさせるシャドウマスクと、このシャドウマスクの
   周辺を保持する略断面Ｌ字型のフレームとを備えたシャ
   ドウマスク本体と、 前記フェースパネルの側壁に設けたスタッドピンに係合
   する係合部、シャドウマスク本体のフレーム側壁に固着
   する固着部及び係合部と固着部とを連結する管軸に対し
   て傾斜した傾斜部を具備し、前記フェースパネル内でシ
   ャドウマスク本体を定位置に支持するホルダと、 を有するカラー陰極線管において、 前記ホルダの固着部のフェースパネル側の端部を、前記
   フレーム側壁に設けた側壁補強部に固着したこと、 を特徴とするカラー陰極線管。
5. 【請求項５】 少なくとも内面にスクリーンを有するフ
   ェースパネルと、 前記フェースパネルに対向して前記スクリーンに電子ビ
   ームを照射する電子銃を有するネックと、 前記フェースパネルと前記ネックの間を接合するととも
   に、前記電子銃からの電子ビームを前記スクリーンに偏
   向走査する偏向ヨークを有するファンネルと、 前記フェースパネルの内部に配置され、前記電子銃から
   の電子ビームを前記スクリーンの所定の蛍光体にランデ
   ィングさせるシャドウマスクと、このシャドウマスクの
   周辺を保持する略断面Ｌ字型のフレームとを備えたシャ
   ドウマスク本体と、 前記フェースパネルの側壁に設けたスタッドピンに係合
   する係合部、シャドウマスク本体のフレーム側壁に固着
   する固着部及び係合部と固着部とを連結する管軸に対し
   て傾斜した傾斜部を具備するホルダと、 を有するカラー陰極線管において、 前記ホルダの固着部を、このホルダのフェースパネル側
   の端縁部が前記フレーム側壁の底面部又はその近傍を占
   める位置となるように前記フレーム側壁に固着するとと
   もに、前記フレームにおける前記ホルダの固着部よりネ
   ック側で前記固着部を含む平面に連なる側壁部に、前記
   フレーム側壁と角度の異なる平面又は曲面が形成されて
   いること、 を特徴とするカラー陰極線管。
6. 【請求項６】 カラー陰極線管における有効部の周辺に
   側壁部が設けられた矩形状のフェースパネルに対して、
   前記有効部の内面に形成された蛍光体スクリーンと対向
   する矩形状のシャドウマスク及びこのシャドウマスクの
   周辺部に取り付けられた矩形状のフレームを有するシャ
   ドウマスク本体を弾性的に支持するカラー陰極線管用の
   弾性支持機構であって、 前記弾性支持機構は、フレームに固定される固着部と、
   フェースパネルの側壁部に設けたスタッドピンに係止さ
   れる係止部と、管軸方向に対し傾斜した２個の折曲部に
   より固着部、係止部を段差をもって連結する傾斜部とを
   具備する複数個の支持体からなり、 前記支持体の固着部を、この支持体のフェースパネル側
   の端縁部が前記フレーム側壁の剛性の大きい領域又はそ
   の近傍を占める位置となるように前記フレーム側壁に固
   着してなること、 を特徴とするカラー陰極線管用の弾性支持機構。
7. 【請求項７】 カラー陰極線管における有効部の周辺に
   側壁部が設けられた矩形状のフェースパネルに対して、
   前記有効部の内面に形成された蛍光体スクリーンと対向
   する矩形状のシャドウマスク及びこのシャドウマスクの
   周辺部に取り付けられた矩形状のフレームを有するシャ
   ドウマスク本体を弾性的に支持するカラー陰極線管用の
   弾性支持機構であって、 前記弾性支持機構は、フレームに固定される固着部と、
   フェースパネルの側壁部に設けたスタッドピンに係止さ
   れる係止部と、管軸方向に対し傾斜した２個の折曲部に
   より固着部、係止部を段差をもって連結する傾斜部とを
   具備する複数個のホルダからなり、 前記ホルダの固着部を、このホルダのフェースパネル側
   の端縁部が前記フレーム側壁の底面部又はその近傍を占
   める位置となるように前記フレーム側壁に固着したこ
   と、 を特徴とするカラー陰極線管用の弾性支持機構。
8. 【請求項８】 カラー陰極線管における有効部の周辺に
   側壁部が設けられた矩形状のフェースパネルに対して、
   前記有効部の内面に形成された蛍光体スクリーンと対向
   する矩形状のシャドウマスク及びこのシャドウマスクの
   周辺部に取り付けられた矩形状のフレームを有するシャ
   ドウマスク本体を弾性的に支持するカラー陰極線管用の
   弾性支持機構であって、 前記弾性支持機構は、フレームに固定される固着部と、
   フェースパネルの側壁部に設けたスタッドピンに係止さ
   れる係止部と、管軸方向に対し傾斜した２個の折曲部に
   より固着部、係止部を段差をもって連結する傾斜部とを
   具備する複数個のホルダからなり、 前記ホルダの固着部を、このホルダのフェースパネル側
   の端縁部が前記フレーム側壁の底面部又はその近傍を占
   める位置となるように前記フレーム側壁に固着するとと
   もに、前記フレームにおける前記ホルダの固着部よりネ
   ック側で前記固着部を含む平面に連なる側壁部に、前記
   フレーム側壁と角度の異なる平面又は曲面が形成されて
   いること、 を特徴とするカラー陰極線管用の弾性支持機構。