JPH09292298A - 圧力センサの製造方法 - Google Patents

圧力センサの製造方法

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JPH09292298A
JPH09292298A JP8344781A JP34478196A JPH09292298A JP H09292298 A JPH09292298 A JP H09292298A JP 8344781 A JP8344781 A JP 8344781A JP 34478196 A JP34478196 A JP 34478196A JP H09292298 A JPH09292298 A JP H09292298A
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正美 堀
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紀公 梶
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス台座と圧力導入管との半田付け性を改
良しそれぞれを確実に接合して、気密不良を生じること
のない圧力センサの製造方法を提供する。 【解決手段】 流体を圧力を持って導入する貫通孔11
の軸に対する一方直交面12を有する圧力導入管1と、
圧力センサチップ6からの電気信号を伝達する端子2と
をめっきするめっき工程と、めっきする金属の融点より
も低い温度で溶融する低融点ガラス3でもって、ベース
4の内部に圧力導入管1と端子2とを気密封止する気密
封止工程と、軸孔51の軸と直交した一面がメタライズ
されて他面が圧力センサチップ6と接合されたガラス台
座5の一面を、圧力導入管1の一方直交面12に互いの
軸を合わせて半田でもって接合する接合工程と、圧力セ
ンサチップ6に設けられた電極と端子2とをワイヤでも
って電気的に接続するワイヤボンディング工程と、を有
する構成にしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力センサチップ
が圧力による抵抗変化を電気信号に変換して、流体の圧
力を測定する圧力センサの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の圧力センサの製造方法と
して、次に述べる従来例がある。先ず、測定対象である
流体を圧力を持って導入する貫通孔の軸に対する一方直
交面を有する金属製の圧力導入管と、圧力センサチップ
からの電気信号を伝達する端子とを、Auよりも高い温
度で溶融するホウケイ酸ガラス又はソーダバリウムガラ
ス等のガラスでもって固着し気密封止する。
【0003】次いで、圧力導入管と端子とをAuでめっ
きし、軸孔を設けその軸孔の軸と直交した一面がメタラ
イズされて他面が圧力センサチップと接合されたガラス
台座の一面を、圧力導入管の一方直交面に互いの軸を合
わせて半田でもって接合する。その後、圧力センサチッ
プに設けられた電極と端子とをAuからなるワイヤでも
ってワイヤボンディングして電気的に接続している。
【0004】さらに詳しくは、低コスト化を図るため
に、ワイヤにAuではなくAlを使用すると、端子にお
けるワイヤボンディング部がAuめっきとAlワイヤと
で形成されることになって、摂氏約150度以上の高温
中で使用すると、AuとAlの界面が電気抵抗の高い金
属間化合物を形成して脆くなっていた。
【0005】次に、別の従来例を図4に基づいて説明す
る。先ず、測定対象である流体を圧力を持って導入する
貫通孔A1の軸に対する一方直交面A2を有する金属製
の圧力導入管Aが、その一方直交面A2及び外周面をA
uでもってめっきされる。その圧力導入管Aと、圧力セ
ンサチップBからの電気信号を伝達する端子Cとを樹脂
で一体成形して、基台Dを形成するとともに、圧力導入
管Aと端子Cとを形成された基台Dに固着する。次い
で、軸孔の軸と直交した一面がメタライズされて他面が
圧力センサチップBと接合されたガラス台座を、圧力導
入管Aの一方直交面A2に、互いの軸を合わせて半田E
でもって接合する。
【0006】さらに詳しくは、圧力導入管Aをめっきす
る金属として、Auの他にNi,Sn又はAgが、半田
EとしてSnPb合金がそれぞれ使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した圧力センサの
製造方法における従来例では、ガラス台座のメタライズ
された一面と、圧力導入管AのAuでめっきされた一方
直交面A2とが、互いの軸を合わせて半田Eでもって接
合された圧力センサを製造できる。
【0008】しかしながら、圧力導入管Aの一方直交面
A2をAuからなる金属でめっきすると、一方直交面A
2は凹凸を形成して平滑面にならない。したがって、図
4に示すように、半田Eが貫通孔A1の軸に対して同心
円状に拡散せず、ガラス台座の一面と圧力導入管Aの一
方直交面A2との間に空隙を形成して、気密不良を生じ
る場合があった。
【0009】また、従来例では、気密封止するガラス
が、圧力導入管及び端子をめっきするAuの融点よりも
高い温度で溶融するから、めっきした後で気密封止する
と、めっきを形成したAuが溶融する。したがって、圧
力導入管及び端子をガラスでもって気密封止した後でそ
れぞれをめっきする必要があり、このため圧力導入管及
び端子がそれぞれ同一の金属で、つまりAuでめっきさ
れることになって、ガラス台座と圧力導入管との半田付
け性、及びワイヤと端子とのワイヤボンディング性を同
時に満足することが困難であった。
【0010】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、ガラス台座の一面と圧力
導入管の一方直交面との半田付け性を改良しそれぞれを
確実に接合して、気密不良を生じることのない圧力セン
サの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、請求項1記載の圧力センサの製造方法は、測定
対象である流体を圧力を持って導入する貫通孔の軸に対
する一方直交面を有する金属製の圧力導入管と、圧力を
電気信号に変換する圧力センサチップからのその電気信
号を伝達する端子とを金属でめっきするめっき工程と、
次いで、めっきする金属の融点よりも低い温度で溶融す
る低融点ガラスでもって、金属製のベースの内部に圧力
導入管の外周面と端子とを気密封止する気密封止工程
と、次いで、軸孔を設けその軸孔の軸と直交した一面が
メタライズされて他面が圧力センサチップと接合された
ガラス台座の一面を、圧力導入管の一方直交面に互いの
軸を合わせて半田でもって接合する接合工程と、次い
で、圧力センサチップに設けられた電極と端子とをワイ
ヤでもって電気的に接続するワイヤボンディング工程と
を有する構成にしてある。
【0012】請求項2記載の圧力センサの製造方法は、
請求項1記載の製造方法において、前記圧力導入管をA
uCoで前記端子をNiでめっきする構成にしてある。
【0013】請求項3記載の圧力センサの製造方法は、
請求項2記載の製造方法において、前記圧力導入管をA
uCoで前記端子をNiでめっきし気密封止した後で、
Alからなる前記電極と前記端子とをAlからなるワイ
ヤでもってワイヤボンディングする構成にしてある。
【0014】請求項4記載の圧力センサの製造方法は、
請求項1記載の製造方法において、前記圧力導入管をA
uCoで前記端子をAuでめっきし気密封止した後で、
Auからなる前記電極と前記端子とをAuからなるワイ
ヤでもってワイヤボンディングする構成にしてある。
【0015】請求項5記載の圧力センサの製造方法は、
測定対象である流体を圧力を持って導入する貫通孔の軸
に対する一方直交面を有する金属製の圧力導入管が、少
なくともその一方直交面をAuCo合金からなる金属で
めっきされるめっき工程と、軸孔を設けその軸孔の軸と
直交した一面がメタライズされて他面が圧力センサチッ
プと接合されたガラス台座の一面を、圧力導入管の一方
直交面に互いの軸を合わせて半田でもって接合する接合
工程と、を有する構成にしてある。
【0016】請求項6記載の圧力センサの製造方法は、
請求項2乃至5記載の製造方法において、前記圧力導入
管は前記一方直交面の反対側端部が、パイプ状で流体を
導入する流体導入チューブと接続されるものであって、
前記圧力導入管は外周面が前記AuCo合金でめっきさ
れた構成にしてある。
【0017】請求項7記載の圧力センサの製造方法は、
請求項2乃至6記載の製造方法において、前記AuCo
合金は、Co含有量が重量比で0.1乃至0.3wt%
で、残部がAuである構成にしてある。
【0018】請求項8記載の圧力センサの製造方法は、
請求項1又は5記載の製造方法において、前記半田はS
nSb合金からなる構成にしてある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態を図1に基
づいて以下に説明する。先ず、部材及びその機能につい
て説明する。
【0020】1は圧力導入管で、コバール又はFeNi
合金等の金属により、円筒状に形成され、測定対象であ
る流体を圧力を持って導入する貫通孔11が設けられ、
その貫通孔11の軸に対する一方直交面12を有して、
一方直交面12及び外周面がAuCo合金にてめっきさ
れている。
【0021】2は端子で、コバール又はFeNi合金等
の金属により、長尺状に形成され、Niの金属にてめっ
きされている。
【0022】3は低融点ガラスで、PbO系のガラスに
より、圧力導入管1をめっきしている金属であるAuC
o合金、及び端子2をめっきしている金属であるNiの
それぞれの金属の融点よりも低い温度で溶融して、圧力
導入管1の一方直交面12側の外周面と端子2の略中央
部とを固着し気密封止している。
【0023】4はベースで、金属により、円筒状に形成
され、圧力導入管1と端子2とを内部に配し、低融点ガ
ラス3でもって固着され気密封止されている。
【0024】5はガラス台座で、パイレックスガラス等
のガラスにより、略四角形に形成され、軸孔51が設け
られ、その軸孔51の軸と直交した一面が蒸着又はスパ
ッタ等でもって金属でメタライズされている。このメタ
ライズ面が、圧力導入管1の貫通孔11の軸と軸孔51
の軸との互いの軸を合わせて、圧力導入管1の一方直交
面12に半田でもって接合されている。
【0025】6は圧力センサチップで、シリコン半導体
により、シリコンダイヤフラム61上にピエゾ抵抗(図
示せず)を配することによって歪みゲージが形成され、
ガラス台座5の軸孔51がシリコンダイヤフラム61に
位置するよう、ガラス台座5の他面に陽極接合されてい
る。ここで、陽極接合とは、約摂氏400度で直流の高
電圧を印加して接合する方法である。さらに電極(図示
せず)が設けられ、その電極と端子2とがAlからなる
ワイヤでもってワイヤボンディングされ電気的に接続さ
れて、流体の圧力を変換した電気信号を端子2に伝達す
る。
【0026】このものの製造方法を説明する。先ず、め
っき工程において、圧力導入管1の一方直交面12及び
外周面をAuCo合金にて、端子2をワイヤボンディン
グ性の良好なNiにてめっきする。ここで、めっきされ
た一方直交面12は凹凸が少なく平滑に形成されるの
で、半田と濡れ性がよく半田付け性が良好となる。
【0027】次いで、気密封止工程において、AuCo
合金及びNiのそれぞれの金属の融点よりも低い温度で
溶融する、すなわち摂氏450乃至600度で溶融す
る、低融点ガラス3でもって、圧力導入管1の一方直交
面12側の外周面と端子2の略中央部とを、ベース4の
内部にそれぞれを固着し気密封止する。
【0028】次いで、接合工程において、軸孔51の軸
と直交した一面がメタライズ層でメタライズされて他面
が圧力センサチップ6と陽極接合されたガラス台座5
を、貫通孔11及び軸孔51の互いの軸を合わせて、圧
力導入管1の一方直交面12にSnPb合金からなる半
田でもって接合する。このとき、一方直交面12はAu
Co合金でめっきされているので平滑面を形成して、ガ
ラス台座5の一面との間に空隙を形成することなく、密
着して接合される。
【0029】次いで、ワイヤボンディング工程におい
て、圧力センサチップ6に設けられたAl電極と端子2
の一端面とを、Alのワイヤを使用しワイヤボンディン
グして、圧力センサチップ6と端子2とを電気的に接続
する。このとき、端子2がNiでめっきされているの
で、ワイヤボンディング性が良好であって、かつ、ワイ
ヤボンディング部はめっきされたNiとAlとで形成さ
れることになって、そのNiとAlの界面で従来のよう
な電気抵抗が高く脆い金属間化合物を発生することがな
い。
【0030】次いで、金属キャン7が覆設されベース4
とシールされて、内部空間71中の空気を排気し内部空
間71を真空にして、シリコンダイヤフラム61の一面
を真空側に位置する。
【0031】このものの動作を説明する。貫通孔11及
び軸孔51の互いの軸を合わせて、ガラス台座5が圧力
導入管1の一方直交面12に接合されているので、貫通
孔11と軸孔51とが連通していることになる。この状
態で、気体又は液体の流体が、圧力を持って圧力導入管
1の貫通孔11に導入される。このとき、圧力センサチ
ップ6が、ガラス台座5の軸孔51を遮蔽するようガラ
ス台座5と接合されて、圧力導入管1の一方直交面12
がガラス台座5の一面と半田でもって接合されているか
ら、流体は漏れることなくその圧力を圧力センサチップ
6に負荷する。
【0032】圧力が圧力センサチップ6に負荷される
と、圧力センサチップ6に形成されたシリコンダイヤフ
ラム61が、流体の圧力と真空との差に比例して撓む。
そして、シリコンダイヤフラム61上に形成されたピエ
ゾ抵抗の抵抗値が撓みの大きさに比例して変化し、この
抵抗値を電気信号として端子2に出力する。そして、シ
リコンダイヤフラム61の一面が真空であるので、流体
の圧力を絶対圧力として測定する。
【0033】かかる第1実施形態の圧力センサの製造方
法にあっては、上記したように、めっきされる金属の融
点よりも低い温度で溶融する低融点ガラス3でもって、
圧力導入管1の外周面と端子2の略中央部とをめっき金
属が溶融することなく気密封止するから、圧力導入管1
の一方直交面12と端子2とをそれぞれ異なる金属でめ
っきした後気密封止して、ガラス台座5との半田付け性
が良好な金属を圧力導入管1に、ワイヤとのワイヤボン
ディング性が良好な金属を端子2にめっきして、一方直
交面12とガラス台座5との半田付け性及びワイヤと端
子2とのワイヤボンディング性のいずれもが良好となっ
て、それぞれ気密性及び接触信頼性の高い圧力センサを
容易にかつ確実に量産できる。
【0034】また、圧力導入管1をAuCoで端子2を
安価なNiでめっきするから、圧力導入管1及び端子2
をいずれも高価なAuでめっきとした従来と異なって、
コストの安い圧力センサを量産できる。
【0035】また、圧力導入管1をAuCoで端子2を
Niでめっきし気密封止した後で、Alの電極と端子2
とをAlのワイヤでもってワイヤボンディングするか
ら、電極部がAl電極とAlワイヤ及び端子2のワイヤ
ボンディング部がNiめっきとAlワイヤでそれぞれが
形成されることになって、電気抵抗が高く脆い金属間化
合物を形成せず、摂氏約150度以上の高温中でも接触
抵抗が増大せずワイヤの断線がない圧力センサを量産で
きる。
【0036】なお、第1実施形態では、圧力導入管1を
AuCoで端子2をNiでめっきし気密封止した後で、
Alからなる電極と端子2とをAlからなるワイヤでも
ってワイヤボンディングしたが、端子2をAuでめっき
しAuからなる電極と端子2とをAuからなるワイヤで
もってワイヤボンディングしてもよく、限定されない。
【0037】本発明の第2実施形態を図2乃び図3に基
づいて以下に説明する。なお、第2実施形態では第1実
施形態と異なる製造方法について述べることとし、第1
実施形態と実質的に同一機能を有する部材については、
同一符号を付して説明を省略する。
【0038】8は基台で、耐熱性を有した液晶ポリマー
等の絶縁性の樹脂により、底部を有して略角筒状に形成
され、底部から筒内部の反対側へ導出するよう圧力導入
管1の一方直交面12側を固着するとともに、端子2を
開口端部に露出した状態で一方直交面12に沿って配設
している。
【0039】このものの製造方法について説明する。先
ず、金属製の圧力導入管1は、一方直交面12及び外周
面13がNi1aでめっきされた後、AuCo合金1b
でもってめっきされる。ここで、従来のAuめっきでは
なくAuCo合金1bでめっきされるので、一方直交面
12は従来と比較して凹凸のない平滑状に形成される。
AuCo合金1bはAuと比較して硬く硬質であり、C
o含有量が重量比で0.1乃至0.3wt%で残部がA
uであって、硬質度及び平滑度におけるバランスが良い
適正組成範囲に選択され、その適正組成範囲を外れると
めっき面の凹凸が大きくなり、面粗度が劣化する。
【0040】次いで、圧力導入管1と、一方直交面12
に沿って配設された端子2とを樹脂でもって一体成形し
て基台8を形成するとともに、圧力導入管1と端子2と
をその基台8に固着する。このとき、一方直交面12は
硬質のAuCo合金1bでめっきされているので、傷が
つきにくい。
【0041】次いで、軸孔51の軸と直交した一面がメ
タライズ層52でメタライズされたガラス台座5を、圧
力導入管1の一方直交面12に互いの軸を合わせた状態
で、圧力導入管1とガラス台座5との間にリング状の半
田9を配設し、それぞれを互いにダイボンダを用いて接
合する。このとき、図3に示すように、一方直交面12
はAuCo合金1bでめっきされ平滑状に形成されてい
るので、半田9が圧力導入管1の貫通孔11の軸に対し
て略同心円状に拡散し、ガラス台座5の一面との間に空
隙を形成することなく、一面と密着して接合される。ま
た、半田9はSnSb合金からなり重量比で8.5wt
%のSbを含有し、そのSnSb合金はSnPb半田が
約180度の融点であるのに対し、約240度の融点を
持ち高温耐熱性に優れる。
【0042】このものの動作を説明する。圧力導入管1
は一方直交面12の反対側端部が、パイプ状で気体又は
液体の流体を導入する流体導入チューブ10のパイプ内
部に挿入されて、流体導入チューブ10と接続される。
ここで、貫通孔11及び軸孔51の互いの軸を合わせ
て、ガラス台座5が圧力導入管1の一方直交面12に接
合されているので、貫通孔11と軸孔51とが連通する
ことになる。この状態で、流体が流体導入チューブ10
を介して圧力を持って圧力導入管1の貫通孔11に導入
される。
【0043】このとき、圧力センサチップ6が、ガラス
台座5の軸孔51を遮蔽するようガラス台座5と接合さ
れて、圧力導入管1の一方直交面12がAuCo合金1
bでめっきされて、ガラス台座5の一面とSnSb合金
からなる半田でもって空隙なく強固に接合されているの
で、流体は漏れることなくその圧力を圧力センサチップ
6に負荷する。さらに、半田はSnSb合金であるの
で、測定する流体が高温であっても溶融又は軟化するこ
とがない。
【0044】圧力が圧力センサチップ6に負荷される
と、圧力センサチップ6に形成されたシリコンダイヤフ
ラム61が、流体の圧力と大気圧との差に比例して撓
む。そして、シリコンダイヤフラム61上に形成された
ピエゾ抵抗(図示せず)の抵抗値が撓みの大きさに比例
して変化し、この抵抗値を電気信号として端子2に出力
する。シリコンダイヤフラム61の一面側が大気圧であ
るので、流体の圧力を大気圧との差圧として測定する。
【0045】かかる第2実施形態の圧力センサの製造方
法にあっては、上記したように、圧力導入管1の一方直
交面12をAuCo合金1bからなる金属でめっきし、
その一方直交面12とメタライズされたガラス台座5の
一面とを、互いの軸を合わせて接合するから、一方直交
面12が従来のAuめっきと比較して凹凸のない平滑状
に形成され、放射状に拡散した半田9で被覆されその半
田9との濡れ性が良くなって、一方直交面12とガラス
台座5の一面とが空隙を形成することなく密着して接合
されて、気密性の高い圧力センサを容易にかつ確実に量
産できる。
【0046】また、圧力導入管1が流体を導入する流体
導入チューブ10と接続されるものであれば、圧力導入
管1の外周面13がAuCo合金1bでめっきされたか
ら、AuCo合金1bが硬く硬質であって傷がつきにく
いので、一方直交面12の反対側端部が流体導入チュー
ブ10のパイプ内部に挿入されたとき、外周面13への
傷の発生を防止して、圧力導入管1と流体導入チューブ
10との接続部での流体の漏洩を阻止した圧力センサを
量産できる。
【0047】また、AuCo合金1bのCo含有量が重
量比で0.1乃至0.3wt%で、残部がAuであって
適正組成範囲に選択されたから、平滑度と硬質度とのバ
ランスが良くなって、圧力導入管1とガラス台座5及び
流体導入チューブ10とのそれぞれの接続部からの流体
の漏洩を防止して、さらに気密性の高い圧力センサを量
産できる。
【0048】また、半田9がSnSb合金からなるか
ら、SnPb合金と比較して融点が高く耐熱性が良くな
って、SnSb合金の融点近くの高温まで使用し得る高
耐熱性の圧力センサを量産できる。
【0049】
【発明の効果】請求項1記載の圧力センサの製造方法
は、めっきされる金属の融点よりも低い温度で溶融する
低融点ガラスでもって、圧力導入管の外周面と端子とを
めっき金属が溶融することなく気密封止するから、圧力
導入管1の一方直交面と端子とをそれぞれ異なる金属で
めっきした後気密封止して、ガラス台座との半田付け性
が良好な金属を圧力導入管に、ワイヤとのワイヤボンデ
ィング性が良好な金属を端子にめっきして、一方直交面
とガラス台座との半田付け性及びワイヤと端子とのワイ
ヤボンディング性のいずれもが良好となって、それぞれ
気密性及び接触信頼性の高い圧力センサを容易にかつ確
実に量産できる。
【0050】請求項2記載の圧力センサの製造方法は、
請求項1記載の製造方法の効果に加えて、圧力導入管を
AuCoで端子を安価なNiでめっきするから、圧力導
入管及び端子をいずれも高価なAuでめっきとした従来
と異なって、コストの安い圧力センサを量産できる。
【0051】請求項3記載の圧力センサの製造方法は、
請求項2記載の製造方法の効果に加えて、圧力導入管を
AuCoで端子をNiでめっきし気密封止した後で、A
lからなる電極と端子とをAlからなるワイヤでもって
ワイヤボンディングするから、電極部がAl電極とAl
ワイヤ、及び端子のワイヤボンディング部がNiめっき
とAlワイヤでそれぞれが形成されることになって、電
気抵抗が高く脆い金属間化合物を形成せず、摂氏約15
0度以上の高温中でも接触抵抗が増大せずワイヤの断線
がない圧力センサを量産できる。
【0052】請求項4記載の圧力センサの製造方法は、
請求項1記載の製造方法の効果に加えて、圧力導入管を
AuCoで端子をAuでめっきし気密封止した後で、A
uからなる電極と端子とをAuからなるワイヤでもって
ワイヤボンディングするから、電極部がAu電極とAu
ワイヤ、及び端子のワイヤボンディング部がAuめっき
とAuワイヤでそれぞれが形成されることになって、電
気抵抗が高く脆い金属間化合物を形成せず、摂氏約15
0度以上の高温中でも接触抵抗が増大せずワイヤの断線
がない圧力センサを量産できる。
【0053】請求項5記載の圧力センサの製造方法は、
圧力導入管の少なくとも一方直交面をAuCo合金から
なる金属でめっきし、その一方直交面とメタライズされ
たガラス台座の一面とを、互いの軸を合わせて接合する
から、一方直交面が従来のAuめっきと比較して凹凸の
ない平滑状に形成され、放射状に拡散した半田で被覆さ
れその半田との濡れ性が良くなって、一方直交面とガラ
ス台座の一面とが空隙を形成することなく密着して接合
されて、気密性の高い圧力センサを容易にかつ確実に量
産できる。
【0054】請求項6記載の圧力センサの製造方法は、
請求項2乃至5記載の製造方法の効果に加えて、圧力導
入管が流体を導入する流体導入チューブと接続されるも
のであれば、圧力導入管の外周面がAuCo合金でめっ
きされたから、AuCo合金が硬く硬質であって傷がつ
きにくいので、一方直交面の反対側端部が流体導入チュ
ーブのパイプ内部に挿入されたとき、外周面への傷の発
生を防止して、圧力導入管と流体導入チューブとの接続
部での流体の漏洩を阻止した圧力センサを量産できる。
【0055】請求項7記載の圧力センサの製造方法は、
請求項2乃至6記載の製造方法の効果に加えて、AuC
o合金のCo含有量が重量比で0.1乃至0.3wt%
で、残部がAuであって適正組成範囲に選択されたか
ら、平滑度と硬質度とのバランスが良くなって、圧力導
入管とガラス台座及び流体導入チューブとのそれぞれの
接続部からの流体の漏洩を防止して、さらに気密性の高
い圧力センサを量産できる。
【0056】請求項8記載の圧力センサの製造方法は、
請求項1又は5記載の製造方法の効果に加えて、半田が
SnSb合金からなるから、SnPb合金と比較して融
点が高く耐熱性が良くなって、SnSb合金の融点近く
の高温まで使用し得る高耐熱性の圧力センサを量産でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す正断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す正断面図である。
【図3】同上の平面図である。
【図4】従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 圧力導入管 1b AuCo合金 11 貫通孔 12 一方直交面 13 外周面 2 端子 3 低融点ガラス 4 ベース 5 ガラス台座 51 軸孔 6 圧力センサチップ 9 半田 10 流体導入チューブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象である流体を圧力を持って導入
    する貫通孔の軸に対する一方直交面を有する金属製の圧
    力導入管と、圧力を電気信号に変換する圧力センサチッ
    プからのその電気信号を伝達する端子とを金属でめっき
    するめっき工程と、 めっきする金属の融点よりも低い温度で溶融する低融点
    ガラスでもって、金属製のベースの内部に圧力導入管の
    外周面と端子とを気密封止する気密封止工程と、 軸孔を設けその軸孔の軸と直交した一面がメタライズさ
    れて他面が圧力センサチップと接合されたガラス台座の
    一面を、圧力導入管の一方直交面に互いの軸を合わせて
    半田でもって接合する接合工程と、 圧力センサチップに設けられた電極と端子とをワイヤで
    もって電気的に接続するワイヤボンディング工程と、を
    有することを特徴とする圧力センサの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記圧力導入管をAuCo合金で前記端
    子をNiでめっきすることを特徴とする請求項1記載の
    圧力センサの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記圧力導入管をAuCo合金で前記端
    子をNiでめっきし気密封止した後で、Alからなる前
    記電極と前記端子とをAlからなるワイヤでもってワイ
    ヤボンディングすることを特徴とする請求項2記載の圧
    力センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記圧力導入管をAuCo合金で前記端
    子をAuでめっきし気密封止した後で、Auからなる前
    記電極と前記端子とをAuからなるワイヤでもってワイ
    ヤボンディングすることを特徴とする請求項1記載の圧
    力センサの製造方法。
  5. 【請求項5】 測定対象である流体を圧力を持って導入
    する貫通孔の軸に対する一方直交面を有する金属製の圧
    力導入管が、少なくともその一方直交面をAuCo合金
    からなる金属でめっきするめっき工程と、 軸孔を設けその軸孔の軸と直交した一面がメタライズさ
    れて他面が圧力センサチップと接合されたガラス台座の
    一面を、圧力導入管の一方直交面に互いの軸を合わせて
    半田でもって接合する接合工程と、を有することを特徴
    とする圧力センサの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記圧力導入管は前記一方直交面の反対
    側端部が、パイプ状で流体を導入する流体導入チューブ
    と接続されるものであって、前記圧力導入管は外周面が
    前記AuCo合金でめっきされてなることを特徴とする
    請求項2乃至5記載の圧力センサの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記AuCo合金は、Co含有量が重量
    比で0.1乃至0.3wt%で、残部がAuであること
    を特徴とする請求項2乃至6記載の圧力センサの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記半田はSnSb合金からなることを
    特徴とする請求項1又は5記載の圧力センサの製造方
    法。
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