JPH09291288A - プラスチックの処理方法及び装置 - Google Patents

プラスチックの処理方法及び装置

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JPH09291288A
JPH09291288A JP10666096A JP10666096A JPH09291288A JP H09291288 A JPH09291288 A JP H09291288A JP 10666096 A JP10666096 A JP 10666096A JP 10666096 A JP10666096 A JP 10666096A JP H09291288 A JPH09291288 A JP H09291288A
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仁弘 忠内
Takeshi Gotanda
武志 五反田
Tomiaki Furuya
富明 古屋
Satoshi Kanazawa
悟史 金澤
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佐々木  邦彦
Naohiko Oyasato
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックの熱分解の作業性及びエネルギ
効率を改善し、熱分解生成物高の品質及び回収率を向上
する。 【解決手段】 加熱状態でプラスチックを吸収性を有す
る物質を接触させて可塑剤を除去する。酢酸及び塩化水
素を用いて鉛成分を除去する。プラスチックを薄層状に
して熱分解する。溶融プラスチックを内部から加熱す
る。活性の低い加熱したガスを吹き込む。溶融プラスチ
ックに重質油又はハロゲンを含まないプラスチックを添
加して熱分解する。熱分解ガスを活性炭及びハロゲン化
水素トラップ剤で処理する。貫通孔の数が可変な棚段を
有する蒸留塔で蒸留する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチックの
処理及び装置、特に、廃プラスチックから有用資源を高
品質且つ高回収率で得るための処理・回収技術及びこれ
を実現するための処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは耐電性、耐水性、耐薬品
性など材料として優れた長所を有している。このため、
様々な製品に加工され、我々の生活の中に深く入り込ん
でおり、今やその恩恵無くしては日常の暮らしが成り立
たないほどに至っている。
【0003】このようなプラスチック製品を利用した後
の廃プラスチックは、焼却処理又は埋め立て処理がなさ
れるか、あるいはリサイクルされるが、焼却処理及び埋
め立て処理はいずれも様々な問題を抱えている。焼却処
理は、高カロリーであるプラスチックを積極的に燃焼さ
せることにより熱エネルギーを回収することを目的とし
ているが、地球温暖化を防止することと、有害物質であ
る有機塩素系化合物の発生を防止するためには好ましく
ない。埋め立て処分は、化石燃料が原料であるプラスチ
ックをそのまま埋め立てるが、資源の有効利用という観
点から好ましくなく、又、難分解性であるので、自然に
同化せず蓄積されたままとなる。更に、国内各地で廃棄
物の最終処分場としての埋立地の確保は困難な状況にあ
り、既に東京都のごみ埋立処分場は飽和状態間近とされ
る。
【0004】従って、リサイクル技術の確立は、社会問
題としてのごみ戦争解決のためにも急務である。近年、
リサイクルを促進するための様々な法律が整いつつあ
り、プラスチックもその対象となっている。だが、プラ
スチックの生産量は、増加傾向にあり、1991年のデ
ータでは、国内で発生した622万トンの廃プラスチッ
クの内、51%が焼却処理、37%が埋め立て処理であ
り、リサイクルされているのは12%に留まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上から理解されるよ
うに、プラスチックの有効な処理・資源化技術の開発が
求められている。
【0006】1994年の原材料樹脂別消費内訳は、重
量で、ポリ塩化ビニル(PVC)が28.2%、ポリエ
チレン(PE)が20.8%、ポリスチレン(PS)が
16.6%、ポリプロピレン(PP)が18.9%、そ
の他が15.6%となっており、熱可塑性樹脂がそのほ
とんどを占めている(プラスチック製品統計年報によ
る)。
【0007】熱可塑性樹脂のポリオレフィンの代表例で
あるPE、PS、PPは、加熱溶融による再成形加工品
の製造、あるいは熱分解による油としての回収等のリサ
イクル技術が実証段階から実用段階に移行しつつある例
も増えている。しかし、PVCにおいては、原材料樹脂
別消費内訳でトップとなっているにもかかわらず、資源
化のための実用化技術の確立が阻まれている。これは、
加熱時に多量の塩化水素ガスを発生するため、焼却炉や
反応装置の高温での耐腐食性や有機塩素化合物の生成な
どの大きな課題があることによるものである。現に、1
970年代のオイルショック時にプラスチックのリサイ
クルに対する意識の高まりが既にあり、プラスチックの
油化処理が試み始められたが、対象とする樹脂の範囲は
PVCを含有しないPE、PS、PPなどに限られてい
た。1990年代になって、耐塩化水素性を有する触媒
を用いるPVCの熱分解技術の確立がクローズアップさ
れているが、長期使用に耐えうる触媒の分子構造の設計
など、いまだ実用段階に至らない研究段階の課題が多く
ある。
【0008】さらに、PVC、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリウレタン、セルロース等は、塗料、
接着剤、ゴム等に広く用いられるが、この様なポリマー
にはフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)のような種々の
可塑剤が添加されており、これも問題となっている。可
塑剤は、それ自体では固くて剛性をもつような樹脂に配
合することによって、柔軟性、弾性、加工性などを付与
し使用目的に適合させるために用いる薬品である。添加
する割合は、多い場合には5割以上にもなることがあ
る。この様な可塑剤を含有する樹脂を常温から加熱して
いくと、可塑剤由来の分解物が生成する。この時、樹脂
にPVCの様なハロゲン含有プラスチックが共存する
と、PVC等から発生する多量のハロゲン化水素と反応
して有機ハロゲン化合物が発生し、熱分解生成物を汚染
し、資源として再利用するのが難しくなる。
【0009】又、プラスチック製品の添加物には安定化
剤として使用されている金属化合物もあり、PVC用の
安定化剤の大半は鉛化合物であり約60%を占めてい
る。このため、廃プラスチックの埋め立て処理や、熱分
解又は焼却によって生じる残渣の廃棄によって、土壌や
地下水が金属で汚染されることが懸念される。特に鉛に
よる環境汚染は無視できない問題である。鉛自体は蓄電
値や顔料の製造、半田等、用途は多岐に渡っているの
で、廃プラスチックからの鉛の回収は、資源の有効活用
の面から非常に好ましいことである。しかし、鉛化合物
が熱や光によるPVCの脱塩化水素反応を抑制するため
の安定化剤として用いられていることからも理解される
ように、実際には、プラスチックから効率よく鉛化合物
を分離回収するには高度な処理技術が必要とされてい
る。又、鉛化合物を含んだプラスチックを熱分解する
と、得られる分解生成物に鉛が混入し、リサイクルが難
しくなる。
【0010】さらに、プラスチック製品の生産量の増加
に従って増える多量の廃プラスチックを処理するために
は、処理効率や操作の作業性を改善しなければならな
い。例えば、プラスチックの熱分解をバッチ式で行う
と、熱分解操作間の処理・装置保全に要する時間が無視
できない長さとなり、処理効率が上がらない。従って、
処理効率や操作の作業性を改善するためには、連続処理
が可能であることが不可欠となる。又、プラスチックの
処理に要するエネルギーが膨大でないこともプラスチッ
クの資源化・再利用を定着させる上で重要であり、エネ
ルギー効率のよい処理方法が望まれている。又、処理量
を増加させるためには、作業性の改善も必要となる。
【0011】又、プラスチック製品の製造には前述のよ
うに様々な種類のポリマーが用いられているので、廃プ
ラスチックの内容は時と場所により異なり、正確に把握
することは難しい。従って、上述の問題を解決する対処
がなされた場合においても、廃プラスチックの内容の極
端な変化によって対処が不十分となる場合も生じ得る。
しかし、廃プラスチックの資源化・再利用を定着させる
ためには、この様な場合においても対応できなければな
らない。特に、有機ハロゲン化合物の発生による熱分解
生成物の汚染は、経済的な影響が大きいので、確実な対
応が望まれる。
【0012】本発明は、この様な従来技術の課題を解決
するためになされたもので、廃プラスチックが再利用可
能な資源へ効率よく変換され、高品質の資源が高い回収
率で回収され、経済性及び処理の確実性に優れた廃プラ
スチックの処理方法及び処理装置を提供することを目的
とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、廃プラスチッ
クの添加剤の除去が資源の回収効率のみならず回収資源
の品質の向上に寄与し、廃プラスチックの熱処理の態様
を工夫することによってエネルギー効率が改善されると
共に回収資源の品質も向上し、更に、有機ハロゲン化物
に汚染されたプラスチックの熱分解物から有機ハロゲン
化物を除去することも可能であることを見いだし、本発
明のプラスチックの処理方法及び装置を発明するに至っ
た。
【0014】本発明のプラスチックの処理方法は、表面
積に対する容積の比が小さくなるように加工されたプラ
スチックを、加熱状態で、吸収性を有する物質と接触さ
せて、プラスチックに含まれる配合物を該物質中へ溶出
させる。
【0015】又、本発明のプラスチックの処理方法は、
プラスチックに酢酸を添加して加熱した後にプラスチッ
クを酢酸から分離する工程と、プラスチックに塩化水素
を作用させた後に水蒸気を添加し、生じた塩酸からプラ
スチックを分離する工程とを有し、これによってプラス
チックに含まれる鉛が除去される。
【0016】更に、本発明のプラスチックの処理方法
は、プラスチックを薄層状態にし加熱することによって
熱分解する。
【0017】又、本発明のプラスチックの処理方法は、
溶融したプラスチックの塊を該塊の内部側から加熱す
る。
【0018】更に、本発明のプラスチックの処理方法
は、150〜400℃に加熱した活性の低いガスを溶融
したプラスチックに吹き込む。
【0019】又、本発明のプラスチックの処理方法は、
ハロゲン含有プラスチックから可塑剤の除去及びハロゲ
ン化水素の脱離処理を行った後の溶融プラスチックに、
重質油又はハロゲンを含有しないプラスチックを加える
ことによってプラスチックの熱分解の流動性を高めるも
のである。
【0020】更に、本発明のプラスチックの処理装置
は、プラスチックを熱分解して分解生成物の蒸気を発生
させる熱分解装置と、活性炭及びハロゲン化水素トラッ
プ剤が装顛され150〜550℃に加熱されるカラムで
あって該熱分解生成物の蒸気を通過させるように前記熱
分解装置に接続される前記カラムとを有する。
【0021】本発明のプラスチックの処理装置は、ハロ
ゲン含有プラスチックから可塑剤を除去する装置と、該
ハロゲン含有プラスチックからハロゲン化水素を脱離す
る装置と、可塑剤を除去しハロゲン化水素を脱離した後
の溶融プラスチックに重質油又はハロゲンを含有しない
プラスチックを加える添加装置と、該重質油又はハロゲ
ンを含有しないプラスチックを加えたプラスチックを熱
分解する熱分解装置とを有する。
【0022】又、本発明のプラスチックの処理装置は、
プラスチックを熱分解して熱分解生成物を得るための熱
分解装置と、該熱分解生成物を精製するための蒸留装置
とを有し、該蒸留装置が、多数の貫通孔を有する棚段を
有する蒸留塔と、該棚段の貫通孔を開閉して開孔してい
る貫通孔の数を調整する開閉装置とを有する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】[可塑剤の除去]熱可塑性樹脂は、冷却・
加熱を繰り返した場合に組成が可逆的に保たれる性質を
有しているが、高温では高分子の劣化が進み、容易に低
分子化・ガス化が生じる。この性質は、繰り返した梯子
構造などを有する架橋物質の代表格である熱硬化性樹脂
と比較すると、化学結合の解離によるリサイクル、即ち
熱分解による低分子化合物の回収利用が容易に行えるこ
とを示唆している。
【0025】しかし、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、、塩素化ポリエチレン等のようなハロゲン含有プラ
スチックの場合には問題がある。一般に、PVCを不活
性ガス中で加熱していくと、下記式のように、概して2
段階の質量減少が起こる。第1段階目の質量減少は主に
塩化水素の脱離に起因し、約300以上の温度で進行す
る。この塩化水素の脱離領域の反応では解重合は生ぜ
ず、ラジカル連鎖反応が進むと言われている。
【0026】
【化1】 あるいは、下記式のように、HClが触媒作用を有し、
塩化水素分子の脱離が生じる可能性も指摘されている。
【0027】
【化2】 一方、第2段階目の質量減少は、共役二重結合が解離し
架橋が生じることによる炭化が進む反応に起因するもの
である。
【0028】しかし、日常用いられているポリ塩化ビニ
ルの多くは樹脂の可塑性を高めるために、DOPやDH
Pなどのフタル酸系可塑剤、あるいは、DOAなどのア
ジピン酸系可塑剤が配合されており、PVCの熱分解に
おいて上述の塩化水素の脱離だけでなく可塑剤の分解反
応も起こり、複雑な様相を示す。このことが、リサイク
ル技術の確立を阻む大きな要因となっている。つまり、
脱離した塩化水素と可塑剤の分解物との反応により有機
ハロゲン化物が生じ、これがプラスチックの熱分解生成
物に混入し、熱分解生成物の再利用を難しくする。これ
を解決するためには、廃プラスチックから可塑剤を予め
除去する必要がある。
【0029】そこで、可塑剤としてDOPを配合させた
ポリ塩化ビニル樹脂で作られたシートについて、光の当
たる空気中に晒したものと地中に埋めたものとを比較し
たところ、地中に埋めたものからは可塑剤が溶出し、6
カ月以上経過するとシートに含まれている可塑剤の約半
分が溶出することが判明した。つまり、可塑剤などの添
加物を吸収する性質を有する物質をシートの周りに存在
させると、樹脂から添加物質を分離除去できる。吸収性
の物質としては、パルプ、レーヨン等のセルロースを基
調とした繊維性物質、キトサン等の天然高分子系の包接
化合物、多孔性物質や土等の粒状物などの毛細管現象に
よって添加物をプラスチックから吸収するものや、水等
の溶剤のようにプラスチック内の添加物を外に拡散する
もの等が挙げられ、この様な吸収性物質を接触させて、
プラスチックから添加剤、特に可塑剤を吸収除去する。
吸収性物質との接触面積を大きくするに従って可塑剤の
除去効率は上がるので、プラスチックをシート状あるい
は細粒状に加工して吸収性物質と接触させるのが望まし
い。更に、可塑剤の吸収除去はプラスチックを加熱する
と進行するので、プラスチックを加熱可能な吸収性物質
を使用する。加熱温度範囲は、脱ハロゲン化水素が進行
しない温度、80〜280℃程度が好ましい。望ましい
態様としては、例えば、シート状プラスチックを土中に
埋めて加熱したり、シート状あるいは細粒状のプラスチ
ックを加熱水に浸したり高温の水蒸気を吹き付けるもの
が挙げられる。
【0030】シート状あるいはフィルム状の薄い膜とし
て加工されているプラスチック製品は、厚い板やブロッ
ク体として加工されているいるプラスチックと性状も異
なり、リサイクルの視点からも適正な処理法が求められ
ているが、上述の処理法はこのような薄層状のプラスチ
ックに特に適している。代表的なシート状のプラスチッ
ク製品として、例えば、農業用のポリ塩化ビニルが挙げ
られ、1951年に発売が開始されて以来その実用性が
評価され、1953年にJISの制定の後、利用範囲も
急速に拡大し、野菜などの促成栽培のハウスやトンネル
の被覆材として普及している。農業用ポリ塩化ビニルシ
ートにもっとも多く配合されているのは可塑剤であり、
約30%程度配合されている。1991年の農業用のプ
ラスチックの排出量を見ても、ポリ塩化ビニルフィルム
が105,616t、ポリエチレンフィルムが68,3
99t、その他のフィルムが6,463t、他のプラス
チックが3,914tとなっており、フィルム加工品が
97.9%、ポリ塩化ビニルフィルムが57.2%とか
なり高い割合を占めている。また、農業用の廃プラスチ
ックの処理は、再生利用が促進されているものの、依然
として焼却処理に頼っていることは否めず、限りある資
源の活用という観点から上述の処理法は有益である。更
に、金属箔にプラスチックを被覆したものに本方法を適
用すると、可塑剤の除去だけでなく、処理後に金属箔と
プラスチックの分離が容易になるという利点もある。
【0031】図1に本発明に従って添加剤を除去するプ
ラスチックの処理装置の一例を示す。このプラスチック
の処理装置1は、吸着作用を持つ溶媒としての水蒸気を
発生させる加熱蒸気発生装置2と、この水蒸気を噴出さ
せる蒸気放出配管3と、添加剤が溶出している水を回収
する回収ポンプ4と、この回収水を受け入れる回収水槽
5と、フィルム状のプラスチックPを巻き取る円筒状の
回転体6と、溶媒としての水の保温効果を高める断熱材
を被覆した容器7と、フィルムの送りを制御する円筒状
の回転体8とからなる。補給水槽9から補給ポンプ10
によって水が加熱蒸気発生装置2に送られ、水蒸気が生
成される。
【0032】加熱蒸気発生装置2を作動し、蒸気流量が
安定したところで蒸気放出配管3から蒸気を噴出させ
る。回転体6、8をゆっくりと回転させ、フィルム状プ
ラスチックPが一様に水蒸気に接触するよう噴出して添
加剤の溶出を促進する。一通りフィルム状プラスチック
Pを水蒸気を通過させた後、回転体6、8を反転させフ
ィルム状プラスチックPを逆方向に走行させながら樹脂
からの配合物質の溶出を継続する。この時、回転体8間
を通過していくプラスチックPが破損しないように、回
転体8間に挟まれるプラスチックPに対してかかる圧縮
力が低く抑えられるように回転体8間の隙間の幅を調整
する。溶出した添加剤の一部は水蒸気と共に回収口11
から回収水槽5に回収され、一部は容器7の底部に液体
等として溜る。溶出回収物には可塑剤、可塑剤の加水分
解物であるアルコール化合物及びカルボキシ化合物等の
酸性物質等が含まれる。
【0033】図2に、本発明に従って添加合剤を除去す
るプラスチックの処理装置の第2の例を示す。このプラ
スチックの処理装置12は、吸収作用を有する溶媒とし
て水を用いており、第1の例の加熱蒸気発生装置2に代
えて水を加熱するヒーター13を、補給ポンプ10に代
えて加熱水を噴出させるための加圧ポンプ14を、蒸気
放出配管3に代えて加圧水放出口15を備え、他の部材
については第1の例と同様である。
【0034】ヒーター13を作動し、加熱水の供給が安
定したところで加圧水放出口15から加熱水を噴出させ
る。回転体6、8をゆっくりと回転させ、フィルム状プ
ラスチックPが一様に加熱水に接触するようにして添加
剤の溶出を促進する。一通りプラスチックを加熱水に接
触させた後、回転体6、8を反転させてプラスチックP
を逆方向に走行させながら樹脂からの配合物質の溶出を
継続する。この時、回転体8間を通過していくプラスチ
ックPが破損しないように、回転体8間に挟まれるプラ
スチックPに対してかかる圧縮力が低く抑えられるよう
に回転体8間の隙間の幅を調整する。溶出した添加剤は
加熱水と共に回収口11から回収水槽5に回収される。
溶出回収物には可塑剤、可塑剤の加水分解物であるアル
コール化合物及びカルボキシ化合物等の酸性物質等が含
まれる。
【0035】上述の例において、回転体6、8にヒータ
ーを設けて処理前にプラスチックを加熱すると、操作効
率が向上する。
【0036】図3に本発明に従って添加合剤を除去する
プラスチックの処理装置の第3の例を示す。このプラス
チックの処理装置16は、フィルム状のプラスチックP
に重ねてロール状に巻き付けた多孔性材料でできた吸収
体17と、このロール状吸収体17を収容するための断
熱材で被覆した溶出促進槽18と、溶出促進槽18の内
部を暖めるためのヒーター19と、溶出促進槽18内部
の圧力が一定値以上になるとガスを放出させる圧力調整
弁20と、溶出促進槽19の下部に滞留した液化成分を
取り出す排出弁21と、圧力調整弁20から放出された
ガスを外気によって冷却凝縮して得られる液体及び排出
弁21から回収される液化成分を回収する回収槽(図示
せず)とからなり、ロール状の吸収体には溶媒としての
水が含浸される。
【0037】プラスチックPにロール状に巻き付けた吸
収体17を複数、溶出促進槽内18に入れ、俵積みの状
態に重ねる。次に、溶出促進槽18の内部に水を注入
し、吸収体17に滲み込ませる。最上段のロールにかぶ
るくらいにまで水を注入した後、静置し、水位の低下が
ほぼ落ちついたところで上部の蓋22を閉め、加熱ヒー
ター19を作動させる。温度は90℃以上100℃未満
に設定するのが好ましい。この状態で温度をほぼ一定に
保つことによりプラスチックPから添加剤が除去され
る。
【0038】図4に本発明に従って添加合剤を除去する
プラスチックの処理装置の第4の例を示す。このプラス
チックの処理装置23は、プラスチック中の添加剤に対
して吸収作用を有する溶媒として水を用い、水を加熱す
るためのヒーター24と、フィルム状のプラスチックP
を引き上げる引き上げ装置25と、水の保温効果を高め
る断熱材を被覆した温水槽26と、この温水槽26の上
部を取り囲むように形成された透光製の優れたガラス製
のハウス27と、ハウス27の内壁に凝縮した揮発性物
質を回収する回収溝28と、処理するプラスチックPの
周りを取り囲むセルロース製の吸収体29と、吸収体2
9に水を供給する加圧ポンプ(図示せず)とからなる。
吸収体29の温度を検出する温度センサ30が設けら
れ、ハウス27内の圧力が所定圧以上に上がらないよう
に、圧力制御弁31が設けられており、回収槽(図示せ
ず)に接続される。
【0039】フィルム状プラスチックと吸収体29とを
層状に相互に重ねて温水槽26内に積み重ね、循環ポン
プと加圧ポンプを駆動して水の循環流量が安定したとこ
ろで溶媒としての水を温めるヒーター24を作動させ、
吸収体29及びプラスチックPを加熱する。ハウス27
は、ハウス内の加熱に必要なエネルギーを太陽光線によ
る熱エネルギーで補う役割をする。プラスチックP中の
添加物は吸収体29中の水に溶出し、一部は気化する。
ハウス27の内部で気化した物質はハウス上部で凝縮
し、回収路28を通じて回収される。吸収体29の温度
を所定期間保った後、引き上げ機25を用いてプラスチ
ックを回収する。
【0040】図5に本発明に従って添加合剤を除去する
プラスチックの処理装置の第5の例を示す。このプラス
チックの処理装置32は、発生させる蒸気の温度によっ
てプラスチックから溶出させる物質を連続的に分離でき
るよう複数の容器から構成されることを特徴としてい
る。即ち、この処理装置32は、図1に示す処理装置1
と同じ構造を有する第1処理装置1aと第2処理装置1
bとを備えており、プラスチックは第1処理装置1aか
ら第2処理装置1bへ連続的に走行させる。この構成に
おいては、第1処理装置1aと第2処理装置1bとで使
用する蒸気の温度を変えることができるので、例えば、
第1処理装置1aにおいて可塑剤などの添加剤を除去
し、第2処理装置1bにおいてプラスチックの脱ハロゲ
ン化水素を行うことができる。この場合、有機ハロゲン
化合物が生成しないように、溶出物を装置内から常に排
出したり、プラスチックの温度制御を確実にするように
配慮するのが望ましい。
【0041】以上の例に於て、溶出処理中にプラスチッ
クに振動エネルギーを加えると、溶出を促進することが
できる。
【0042】[鉛の除去]廃プラスチックの資源化・再
利用において問題となる添加剤は、上記の可塑剤以外
に、安定剤として用いられている金属系化合物がある。
特に、塩化ビニル用安定剤のうち60%と大半を占める
のは鉛系化合物で、例えば、鉛白(2PbCO3 ・Pb
(OH)2 )、塩基性亜硫酸鉛(PbO・PbS
3 )、三塩基性硫酸鉛(3PbO・PbSO4 ・H2
O)、二塩基性亜リン酸鉛(2PbO・PbHPO3
1/2H2 O)、二塩基性フタル酸鉛(2PbO・Pb
(C3 4 4 ))、三塩基性マレイン酸鉛(3PbO
・Pb(C2 2 4 )H2 O)、二塩基性ステアリン
酸鉛(2PbO・Pb(C18362 2 )、ステアリ
ン酸鉛(Pb(C18362 2 )等がある。
【0043】この様な鉛化合物の鉛のプラスチックから
の除去・回収は、酢酸及び塩化水素を用いることによっ
て可能である。鉛を除去回収するためのプラスチックの
処理方法をいかに詳細に説明する。
【0044】まず、プラスチックを軟化状態にし、そこ
に酢酸を添加しながら撹拌を行い、プラスチックと酢酸
を十分接触させる。酢酸は酸化鉛を溶解することが可能
であり、前述の鉛系安定剤における塩基性鉛塩に含有さ
れる酸化鉛は、酢酸によって溶解する。この時の温度
は、ポリ塩化ビニルを含むプラスチックが軟化可能であ
り且つ、酢酸の沸点117.8℃以下の温度に設定す
る。特に95℃前後が好ましい。酢酸によって鉛を抽出
した後、この抽出液に亜鉛板を差し込む。亜鉛よりイオ
ン化傾向の小さい鉛は亜鉛板の周りに鉛樹をつくり析出
させることができる。また、塩基性鉛塩系の安定剤中の
酸化鉛は約80%と報告されているので、この方法によ
り大半の鉛が回収される。
【0045】さらに、酢酸鉛以外の鉛系化合物に関して
は、塩化水素により鉛の塩化物を形成した後、水蒸気の
供給によって濃塩酸水溶液を生じさせ、その中に鉛の塩
化物イオンとして抽出する。ポリ塩化ビニルを含むプラ
スチックを280〜400℃、好ましくは300〜35
0℃で加熱分解すると、塩化ビニルから塩素が脱離し塩
化水素が発生する。その塩化水素と鉛系化合物を反応す
ることにより塩化鉛が形成する。そこで、温度を95℃
程度に下げて水蒸気を添加すると、塩化水素は濃塩酸と
なり、塩化鉛は塩化物イオン(PbCl4 2-として濃
塩酸中に抽出される。この後、塩化物イオンを水素と反
応させて鉛に還元し、金属鉛として回収する。この方法
によって、酸化鉛以外の鉛系化合物の鉛の回収も可能と
なる。
【0046】図6〜8に本発明に従って鉛を除去するた
めのプラスチックの処理装置の一例を示す。この装置3
3は、プラスチックの時間当りの供給量を所定量に制御
可能なプラスチック供給装置34と、安定剤の酸化鉛を
酢酸に溶解させるための酢酸添加槽35と、酢酸添加槽
35において生成する酢酸鉛水溶液から鉛を回収するた
めの鉛回収槽39と、酸化鉛以外の鉛系化合物中の鉛を
回収するためにプラスチックと塩酸を接触させる塩化鉛
抽出槽40と、塩化鉛抽出槽により塩酸中に析出する塩
化鉛を水素添加によって鉛に還元し鉛のみを回収する水
素添加槽43とを備えている。酢酸添加槽35、水素添
加槽43などは、内壁の腐食を防止するために石英加工
等の耐腐食処理が施されている。
【0047】プラスチック供給槽34から酢酸添加槽3
5へ投入されたプラスチックには、酢酸供給装置36か
ら酢酸が供給され、加熱される。酢酸鉛溶液及びプラス
チックは、酢酸添加槽35に接続された酢酸鉛分離槽3
7に送られて分離され、酢酸鉛溶液は真空ポンプ38に
より鉛回収槽39へ送られる。加熱により軟化したプラ
スチックが鉛回収槽39に混入するのを防止するため
に、真空ポンプ38と酢酸鉛分離槽37とは多孔質のフ
ィルターを介して接続される。プラスチックは塩化鉛抽
出槽40に投入され、加熱される。加熱温度は温度調整
器47によって塩素含有プラスチックから塩化水素が発
生する温度に制御され、酸化鉛以外の鉛成分が塩化鉛に
変換される。水蒸気添加装置41から水蒸気が供給され
ると、塩化鉛の溶解した塩酸が生じ、プラスチックから
分離され、水素添加槽43に投入される。これに、塩酸
を希釈するために水供給槽42から水が供給され、これ
により鉛成分が沈澱する。この沈澱物に水素ボンベ44
より水素が供給されることによって高純度の鉛が得られ
る。廃液は、切り替えバルブ46を制御することによ
り、フィルターの役割をするメッシュ板48を通過して
廃液タンク45に送られる。
【0048】上述の操作によって、鉛は80%以上の回
収率で回収することができ、塩化水素による処理を繰り
返すことによって鉛の回収率は更に向上する。
【0049】図7は、上記処理装置33の酢酸添加装置
35の構成を示す図である。酢酸添加装置35は金属製
で、円筒状の内径を有するように形成され、内部には金
属製の羽が付された撹拌軸49が設置されている。攪拌
軸49はモーター50によって回転される。
【0050】塩化鉛抽出槽40も図7の酢酸添加槽35
と同様の内部構造に構成され、さらに、水蒸気流入弁と
塩化鉛を取り出すための液体流出弁(図中省略)を備え
る。
【0051】鉛回収槽39の酢酸鉛溶液には、図8に示
すような亜鉛板51が投入され、酢酸鉛水溶液が鉛回収
槽39に移送されると、亜鉛よりイオン化傾向の小さい
鉛は亜鉛板の周りに析出する。
【0052】1990年の統計によると、安定剤の年間
生産量が26、000トンであり、その中の鉛系安定剤
から鉛を80%の回収率で回収すると、年間13、00
0トンの鉛が回収出来る。また、このようにして鉛を回
収することによって、有用資源の回収だけでなく、プラ
スチックの熱分解による残渣に鉛が混入することもな
く、安全に廃棄できる。また、熱分解によって得られる
油状生成物の鉛による汚染も防止され、高品質の燃料と
して利用することができる。
【0053】[熱分解の効率向上]プラスチックは分子
構造が長いために、溶融したときの粘性が高い。従っ
て、加熱しても対流し難く、均一に加熱する事が難し
い。現状では撹拌機等を設置して、溶融プラスチックの
熱の均一性を確保しながら廃プラスチックの熱分解がお
こなわれているが、10t/日程度の処理規模のポリ塩
化ビニル混合廃プラスチックの油化装置を例に取ると、
廃プラスチックを装置に投入してから、投入したプラス
チックの処理が終了するまでには4時間程度の時間を要
している。このために、装置の規模はそれなりの大さを
必要とし、処理に必要な時間もある時間必要になり、当
然、廃プラスチックの処理費用に影響が現れる。
【0054】本発明においては、粘性の高い溶融プラス
チックを効率よく熱分解し、処理時間を大幅に短縮する
ために、プラスチックを溶融させた後に厚さを20mm以
下の薄層にして熱分解する。溶融プラスチックの薄層
は、赤外光、マイクロ波等の電磁波または誘電加熱法に
より加熱する。この様にすることによって、赤外光等で
外部から加熱するときに受熱面に比べ加熱を望む体積が
小さいために加熱に要する時間が短時間ですみ、また、
熱分解やポリ塩化ビニール等を含む時は脱塩化水素等に
よって発生するガスを効率的にプラスチックから除去で
きる。又、赤外光、マイクロ波等の電磁波または誘電加
熱法による加熱は、プラスチックに直接接触しない離れ
た位置から実行できる。
【0055】溶融プラスチックの薄層は、ベルト状又
は、ディスク状又は、円柱状又は、円状又は、線状の形
状のキャリア上に形成する。これにより連続的に熱分解
処理行うことができる。
【0056】図9は、溶融プラスチックを薄層状にして
熱分解を行うための処理装置の第1の例を示す。この装
置52はステンレス製のベルト53を有し、この上に溶
融プラスチックの薄層が形成される。プラスチックは破
砕した後にホッパ54に投入される。プラスチックは加
熱されながらスクリュー55a、55b、55cにより
移送され、狭搾部56でスクリュー55b、55cに押
し出され、ベルト53両面に所定の厚さに塗布される。
塗布されたプラスチックは、赤外ランプ57により加熱
される。あるいは誘電加熱方法で加熱しても良い。脱塩
化水素室58で200〜400℃に昇温され、廃プラス
チックの中にポリ塩化ビニルが含まれる場合はプラスチ
ックから塩化水素ガスが発生する。発生したガスは塩化
水素出口59から排気される。ベルト53上のプラスチ
ックは、狭搾部60を通って熱分解室61に入る。熱分
解室61で赤外ランプ57によりプラスチックは250
〜550℃に加熱され、熱分解される。もちろん誘電加
熱方法により加熱しても良い。熱分解で生成そガスは生
成ガス排気口62から排気される。生成ガス排気口62
から排出したガスは凝縮され、液体の油を回収する。狭
搾部60で溶融プラスチックは一旦溜まり、脱塩化水素
室58と熱分解室61とは溜った溶融プラスチックによ
って遮断される。同様に、狭搾部56においても脱塩化
水素室58と熱分解室61とは遮断され、これらの部分
で発生したガスは互いに気密性が保たれ混合しない構造
になっている。熱分解し終わったプラスチックの残渣は
掻き取り刃63a、63bによりベルト53から取り除
かれる。取り除かれた残渣は残渣排出部64のスクリュ
ーにより装置の外へ排出される。ベルトは歯車65の回
転によって走行する。
【0057】図10は、溶融プラスチックを薄層状にし
て熱分解を行うための処理装置の第2の例を示す。この
装置66は、キャリアとして環状のディスク67を有す
る。プラスチックはプラスチック塗布部68によってデ
ィスク67に塗布され、駆動歯車69によって回転され
るディスク67によって搬送される。塗布されたプラス
チックは、赤外ランプ70によって250〜550℃の
温度に加熱される。残渣は残渣掻き取り刃71によって
ディスク67から除去される。熱分解した時に発生する
分解生成物の蒸気は排気口72より排気された後冷却・
液化され、油を回収する。
【0058】図11はプラスチック塗布部68の構成を
示す。
【0059】廃プラスチックは粉砕された後にホッパー
73に投入され、温められながらスクリュー75a、7
5bによりアーム74内を搬送される。溶融したプラス
チックはスクリュー75bによってスリット76から押
し出され、ディスク67に塗布される。アーム74のス
リット76間の隙間dと押し出し圧力を調整することに
より塗布されるプラスチックの厚さが調整される。
【0060】ディスク67に付着した残渣は、図12に
示すように、ディスク67の両側に先端を接している一
対の掻き取り刃71によって除去される。残渣は残渣排
出部64に溜まり、残渣を排出するためのスクリュー7
7で装置の外へ排除される。排除した残渣は貯蔵用のタ
ンク78に貯められる。
【0061】回転するディスクやベルトが、線状物、円
形物、円筒物であってもよい。
【0062】図13は、溶融プラスチックを薄層状にし
て熱分解を行うための処理装置の第3の例を示す。この
装置78は、第1の例と同じベルトを用いるタイプであ
るが、第2の例と同様、部屋を1つしか持たない。溶融
プラスチックはベルト79に塗布されると、走行用回転
体80によって搬送され、赤外ランプ81によって加熱
される。熱分解生成物の蒸気は排気口83から排出さ
れ、凝縮器などによって回収される。熱分解残渣は掻き
取り刃82によってベルト79から除去される。
【0063】上述のような溶融プラスチックを薄層状態
にして処理する方法は、前述の可塑剤の除去に応用する
こともできる。例えば、廃プラスチックを溶融した後に
薄層状態とし、水蒸気あるいは加熱水と接触させて可塑
剤を除去し、この後鉛の除去処理を経た後に、再度キャ
リア上に薄層状態に塗布して熱分解を行うように構成す
ることができる。
【0064】[エネルギー効率の向上]溶融プラスチッ
クの粘性の高さは、エネルギー効率の低下にもつながる
問題である。バッチ式であれ、連続工程であれ、溶融プ
ラスチックに熱エネルギーを与える場合にはプラスチッ
クの塊の外側から加熱するのが通常である。しかし、粘
性の高いプラスチックの外側から熱を加えても、内部に
まで熱が達するには時間が係る。又、脱離したハロゲン
化水素や熱分解生成物のガスがプラスチックから放出さ
れる段階では、プラスチックからガスが放出される方向
と外部からプラスチックに熱を与える方向が逆方向とな
るため、内部まで熱が伝達され難く、プラスチックの表
面部分の反応は早いが内部は反応しにくい状態となる。
これを解消するために攪拌が行われるが、さらに熱効率
をよくする工夫として、加熱軸部材を使用する。加熱軸
部材は、溶融プラスチックの塊の中央部に配置され、プ
ラスチックを内部側から加熱するもので、攪拌装置の軸
として用いるのが最も効率的である。更に、加熱軸部材
を中空筒形等に構成して軸内外を連通する多数の細孔を
設け、窒素、水蒸気、不活性ガスなどの等活性の低いガ
スを加熱してこの加熱軸部材内からプラスチック中へ吹
き込むようにすると、内部側からの加熱及び熱伝導を加
熱ガスによって促進することになり、攪拌効率及び熱効
率がさらに向上する。
【0065】図14の(a)及び図15は、本発明に従
って加熱軸部材を備えるプラスチックの処理装置の第1
の例を示す。この処理装置84は、外筒85と、外筒8
5内に同軸状且つ回転可能に設けられる攪拌装置86と
を備え、攪拌装置86は加熱軸部材87とこの外周に螺
旋羽88を有しており、モーター89によって回転され
る。加熱軸部材87は中空で多数の細孔90が設けられ
ており、ガス供給器91から送られる低活性なガスは、
加熱軸部材87に設けられたヒーター92によって加熱
されて細孔90から外筒85内部に供給され、外筒85
に接続された配管93を介して回収される。外筒85は
断熱材94に覆われている。
【0066】プラスチックは、外筒85一端の供給槽9
5から制御弁96が取り付けられた供給口を通じて外筒
85内に供給され、ヒーター92を作動させると共に、
プラスチックの軟化が始まる100℃付近に到達した時
点で、ガス供給器91から弁98介して供給される活性
の低いガスを加熱軸部材87の細孔90を介して放出さ
せる。加熱溶融されたプラスチックは、モーター89に
よる加熱軸部材87の回転に従って他端の排出口97へ
向かって徐々に搬送される。この間、低活性なガスはヒ
ーター92によって加熱される。プラスチックから放出
された低活性なガス、プラスチックから脱離した塩化水
素及びガス状熱分解生成物は配管93を介して回収され
る。加熱ガスの供給は、プラスチックの軟化を促進する
と共に、プラスチック内への発泡により樹脂の高分子鎖
の機械的切断にも有効に働く。更に、脱ハロゲン化水素
時にハロゲン化水素の溶融プラスチックからの放出を促
進する。使用される低活性なガスは、実質的にプラスチ
ックの熱分解に有害な影響を与えないガスであればよ
く、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプト
ン等の不活性ガスや窒素、水蒸気等から適宜選択するこ
とができる。経済的には窒素が好ましい。水蒸気を用い
る場合は、他の利点がある。それは、前に述べたよう
に、プラスチックからの可塑剤の除去を促進する働きを
同時にするということである。
【0067】加熱軸部材87の温度は、供給口からの長
手軸方向の距離に応じて、図14の(b)のグラフに示
すように設定される。
【0068】供給口からの距離が、長手方向の全長に対
して1/10〜1/5の位置で投入したプラスチックの
温度が約250℃に到達し(図14(b)中のa点)、
この位置から長手方向の全長に対して1/2の位置(b
点)まで約250℃に維持される。区間a−bにおいて
プラスチックに含まれる可塑材の分解が進行する。
【0069】b点までの温度設定については次のように
すると更に好ましい。まず、a点における温度を200
℃とし、その後、区間a−bの半分〜1/3程度の間に
徐々に250℃まで昇温し、その後、b点まで250℃
に維持する。このように200〜250℃の昇温を緩や
かに行うと、可塑剤の除去効率が向上する。200〜2
50℃の昇温区間と250℃での保温区間とを長くする
ために、200℃までの昇温をできる限り速やかに行う
のが望ましい。
【0070】更に、供給口からの距離が長手方向の全長
に対して3/5となる位置(c点)で300℃となるよ
うに温度を上昇させ、この温度で排出口97寸前まで保
つように設定される。区間c−dで脱ハロゲン化水素が
進行する。区間a−bで回収されるガスと区間c−dで
回収されるガスとを別々に回収することにより、有機ハ
ロゲン化合物の生成が抑制され、区間c−dで回収され
るガスを洗浄すれば、熱分解によって生じる炭化水素化
合物とハロゲン化水素とは容易に分離される。前述のよ
うに、区間a−bの途中でアルカリ添加を行えば、更に
可塑材の除去回収と有機ハロゲン化合物の生成防止が効
率よく行われる。
【0071】図16は、本発明に従って加熱軸部材を備
えるプラスチックの処理装置の第2の例を示す。この処
理装置95は、加熱軸部材87を備える複数の攪拌装置
86a、86bを有し、互いに反対向きに回転する。こ
の例においては、ヒーター96は各加熱軸部材87の内
径部に設けられている。又、2つの加熱軸部材87の外
周面に、一定間隔で断面が波形になるように溝を設けて
もよい。これによって、外周面の表面積が増大し、反応
効率が向上するだけでなく、不活性ガスの注入口や発生
ガス排出口の目詰まりを防止することが可能となる。
【0072】図17は、本発明に従って加熱軸部材を備
えるプラスチックの処理装置の第3の例を示す。この処
理装置97は、第1の例と同様の加熱軸部材87を有す
る攪拌装置86を備えているが、外筒98及び断熱材9
9は直方体型に形成され、外筒98の内径は8角柱形で
ある。これ以外の点については第1の例と、同様であ
る。
【0073】[脱ハロゲン化水素の促進]低活性の加熱
ガスを送って溶融プラスチックの内部側から加熱する上
述の構成は、エネルギー効率の向上及び脱離したハロゲ
ン化水素の除去促進に有効であることを上記で説明した
が、ハロゲン化水素や可塑剤及び可塑剤の分解物などを
溶融プラスチックから放出・除去するには、加熱ガスを
溶融プラスチックに供給することが効果的である。この
目的のために、溶融プラスチックに供給するガスのは約
150〜400℃に加熱する。約150〜300℃の範
囲は主に可塑剤などを除去する目的で、約250〜40
0℃の範囲はハロゲン化水素の除去を目的として使用す
る。それを温度範囲350〜500℃の加熱ガスを使用
すれば、プラスチックが熱分解し、油状生成物、炭化残
渣、低炭素数の燃料ガス等が生成する。ハロゲン化水素
や可塑剤等の放出のためには、加熱ガスと溶融プラスチ
ックの接触面積を大きくすることが肝要であり、プラス
チック全体に均一にガスを供給できることが好ましい。
従って、大量の細かい気泡を均一に供給できるようなに
工夫する。この様なガスによる処理は、前に述べた可塑
剤及びハロゲン化水素の除去処理と併用することによっ
て、プラスチックに残留するこれらの量を更に低減する
ことができる。
【0074】図18は、本発明に従ってハロゲン化水素
及び可塑剤を除去するプラスチックの処理装置の例であ
る。この処理装置100は、一般的なエクストルーダの
構成を応用したもので、加熱装置を備えたエクストルー
ダ部101及びこの中に配置されたスクリュー102を
有し、スクリュー102の軸及び羽は中空状に形成さ
れ、細孔103が多数設けられている。更に、スクリュ
ー102の軸はジョイントを介してガス供給口104を
有する管と連通されており、ガス供給口104から供給
されたガスを加熱するヒーター105が設けられてい
る。スクリュー102はモーター106によって回転す
る。
【0075】投入部107から投入され溶融したプラス
チックは、エクストルーダ部101の内部のスクリュ−
102の回転によって押し流され、ヒーター105で所
定温度に加熱されたガスがスクリューの軸及び羽の細孔
103からプラスチックへ泡状に放出され、プラスチッ
クを加熱する。エクストルーダ部101内のプラスチッ
クは、長手方向に沿って温度勾配が生じるように、ヒー
ター105及びエクストルーダ101に備えられた加熱
装置を用いて調節する。この温度勾配は、投入部107
に近い位置に形成された第1排気部付近で可塑剤及び可
塑剤の分解物がプラスチックから放出され、ヒーター1
05に近い位置に形成された第2排気部付近でハロゲン
化水素が発生するような、第1排気部108付近の温度
より第2排気部110付近の方が高い設定である。この
ような温度設定をするのに加熱ガスの加熱による自然温
度勾配で充分な場合には、エクストルーダ部101の加
熱装置の作動は不要となる。プラスチックから加熱ガス
と共に放出された可塑剤及び可塑剤の分解物は、第1排
気部108からポンプ109によって装置外へ排出され
る。ハロゲン化水素は加熱ガスと共に第2排気部110
からポンプ111によって排出される。エクストルーダ
部101内で可塑剤及びその分解物が除去され、ハロゲ
ン化水素が放出されたプラスチックは、排出口112か
ら装置外に排出される。
【0076】上記図18の処理装置100を応用したプ
ラスチックの熱分解装置の例を図19に示す。この熱分
解装置113は、前処理部114とこれに接続された熱
分解槽115とを有しており、前処理部114は上述の
処理装置100と同様の構成を有している。
【0077】前処理部114によって可塑剤及びハロゲ
ン要素を除去された溶融プラスチックは、熱分解槽11
5に供給する。熱分解槽115は、ヒーター119及び
攪拌装置120を備え、溶融プラスチックを攪拌装置1
20で攪拌しながらヒーター119で熱分解温度に加熱
して熱分解する。熱分解により生じたガス状低分子生成
物は凝縮器116で冷却されて、一部は液化して油にな
り生成油タンク117に貯蔵され、凝縮器で液化されな
かった成分は排ガス処理装置118で処理される。熱分
解槽115の下部に残渣排出部121が設けられ、炭化
した残渣を排出し残渣タンク122に貯蔵する。
【0078】[作業性の向上]PVC、ポリ塩化ビフェ
ニル、PVC−ポリ塩化ビニリデン共重合体のようなハ
ロゲン含有プラスチックは、加熱溶融した際に非常に粘
性が高く、ハロゲン化水素の脱離によって一旦粘性が急
激に低下し流動性が増すが、この後熱分解による炭化の
進行に従って粘性が増大する。従って、一般的な方法で
熱分解を行うと、熱を受け易い表面において部分的に炭
化による粘度上昇が起こり、プラスチック塊が分解槽壁
面等に付着する。ハロゲン含有プラスチックの熱分解残
渣はハロゲンを含有しないプラスチックの熱分解残渣と
比べて固く、壁面等に付着した残渣を除去するのは容易
ではない。又、加熱装置、反応槽、滞留槽、装置間を結
ぶ配管の内面や装置内部に設置した撹拌装置の表面等に
残渣や熱分解中の高粘度のプラスチックが付着すると、
分解槽内のプラスチックの流動性を阻害するばかりでな
く、加熱時の熱伝達の悪化ももたらす。このため、プラ
スチックが装置及び配送管中で付着することなく移動で
きることが、処理効率を上げるために重要であり、特に
連続処理において熱分解中のプラスチックの流動性をで
きる限り保つ必要がある。
【0079】本発明においては、ハロゲン含有プラスチ
ックから可塑剤とハロゲン化水素を除去した前処理済み
プラスチック及び熱分解残渣が装置壁面に付着するのを
抑制するための付着抑制剤を添加して熱分解する。付着
抑制剤及びこの添加方法は、2種類に分類される。
【0080】1つは、ハロゲンを含有しないプラスチッ
クを添加して熱分解するもので、PEやPP等のハロゲ
ンを含有しないプラスチックは加熱により低粘度の溶融
物となり、熱分解残渣も柔らかく容易に装置から除去で
きる。従って、ハロゲンを含有しないプラスチックを混
合して熱分解することにより、混合物の粘度は、前処理
済みプラスチックのみのものより増加が抑制され、流動
性が保持される。
【0081】もう1つは、脱ハロゲン化水素の温度から
プラスチックの熱分解温度の範囲において低粘度の液体
として存在し得る重質の油分を添加して熱分解するもの
で、特に、装置内壁と接触する部分付近に添加しながら
熱分解を行うと効率がよい。重質の油分を添加すること
によって、同様に混合物の粘度が低下し、流動性が高め
られて装置壁面への付着が抑制される。例えば、パラフ
ィン、高級脂肪酸、ワックス、鉱油、植物性油脂、動物
性油脂などがある。
【0082】図20は、可塑剤除去処理及び脱ハロゲン
化水素処理をハロゲン含有プラスチックに施した後に、
付着抑制剤を用いて熱分解を行う熱分解装置の一例を示
す。この熱分解装置123は、プラスチックから可塑剤
を除去するための第1前処理装置124と、塩化水素を
脱離するための第2前処理装置125と、加熱溶融槽1
42と、重質油添加装置127と、加熱分解槽128と
を備えている。
【0083】第1前処理装置124は、前述した図14
あるいは図18の装置と同様の構造のエクストルーダ型
装置で、保温効果を高めるための断熱材に覆われた外筒
と、内部にヒーターを内蔵し外筒内径に回転可能に配置
されたスクリューとを有する。第1前処理装置124の
一端側に供給弁132を介してプラスチック供給槽が結
合され、他端は移送弁を介して第2前処理装置125と
接続される。更に、不活性ガス供給器133、ガス化成
分回収槽134及び循環ポンプ135が接続され、不活
性ガス供給器133から供給された不活性ガスは、第1
前処理装置124内を一端側から他端側へ通過した後、
ガス化成分回収槽134においてガス化成分が除去さ
れ、循環ポンプ135によって再度第1前処理装置12
4に導入される。
【0084】第2前処理装置125も第1前処理装置1
24と同様のエクストルーダ型装置で、一端は移送弁1
36に接続され、他端は加熱溶融槽126に接続され
る。更に、不活性ガス供給器137、ガス化成分回収槽
138及び循環ポンプ139が接続される。
【0085】加熱溶融槽126には供給弁141を介し
てプラスチック供給槽140が接続され、第2前処理装
置と加熱溶融槽126との間の移送配管及び供給弁14
1と加熱溶融槽126との間の接続管に重油添加装置1
27が接続されている。更に、蒸留装置129が加熱溶
融槽126と接続されている。加熱溶融槽126内には
攪拌器が備えられており、底部には残渣排出口が設けら
れている。又、加熱溶融槽126の下部と加熱分解槽の
頂部は移送弁143を介して接続され、この接続配管は
保温のための断熱材によって覆われている。
【0086】加熱分解槽128はヒーターを有し、内部
に攪拌装置が備えられている。更に、底部には残渣排出
口が設けられ、頂部は蒸留装置130に接続されてい
る。
【0087】プラスチック供給槽131から第1前処理
装置124に投入したプラスチックは、230〜280
℃程度に加熱されて溶融し、フタル酸系可塑剤及びその
分解物が放出され、不活性ガスに運ばれてガス化成分回
収槽134で回収される。アルカリがプラスチックに添
加されればフタル酸系以外の可塑剤の分解物も回収され
る。分解物溶融プラスチックは第2前処理装置125に
送られ、第2前処理装置において330℃程度まで加熱
され、ハロゲン含有プラスチックからハロゲン化水素が
脱離して不活性ガスと共にガス化成分回収槽138へ送
られる。
【0088】脱可塑剤処理及び脱ハロゲン化水素処理を
経た溶融プラスチックは加熱溶融槽126に投入され、
温度が急速に低下しない程度に保持したまま、加熱した
重質性の油が添加される。加熱溶融槽126と接続した
移送配管の内壁に沿って重質性の油を添加することによ
って、移送配管中でプラスチックの流動性が高まり、移
送し易くなる。又、プラスチック供給槽140から加熱
溶融槽へポリプロピレン等のハロゲンを含まないプラス
チックあるいはハロゲンを含まないプラスチックを多量
に含む混合物をあらかじめ投入し加熱、溶融させて、3
50〜380℃に保持しておく。加熱溶融槽126内の
液面が槽の底部からおよそ50〜80%の位置になるよ
うに第2前処理装置125から溶融プラスチックを投入
しながら撹拌し、底部の残渣排出口142から固形成分
を分離する。また、一部加熱溶融槽126内でガス化し
たものについては、上部の配管から蒸留装置129に導
き、沸点に応じて化合物を分離する。
【0089】加熱溶融槽126の溶融プラスチックは加
熱分解槽128に投入され、攪拌しながら約450℃以
上に加熱し熱分解する。加熱分解槽128から蒸留装置
130へ導入されたガス化成分は、沸点によって分離さ
れる。加熱溶融槽128の下部から炭化成分等が除去さ
れる。
【0090】図21は、図20における熱分解装置12
3の加熱溶融槽26の変形例で、連続操作に適したエク
ストルーダ型の装置に構成され、重質性の油を付着抑制
剤として用いる。この装置155は、スクリュー145
を内部に備えた中空円筒型の外筒147と、スクリュー
145を回転させるモーター146とを備え、外筒14
7は断熱材で覆われている。外筒147の一端にはプラ
スチック投入口150と気流入口149が設けられ、他
端には気流出口151及び排出口152が設けられ、重
質油供給管154が接続されている。外筒147の内壁
には多数の重質油注入溝153が形成され、重質油供給
管154と連通している。
【0091】投入口150から投入された溶融プラスチ
ックは、気流入口149から供給される加熱ガスによっ
て所定温度に保温されながら、スクリュー145の回転
に従って排出口152の方向へ搬送される。この間、重
質油供給管154から供給される重質油は重質油注入溝
153からプラスチックに添加される。重質油の添加に
よってプラスチックは外周付近の粘度が低下し、外筒1
47の内径面に付着するのが抑制され、プラスチックに
浸透するに従って、プラスチック全体の粘度が低下す
る。
【0092】図21に示されるような装置内壁に重質油
注入溝を設ける構成は、図20の前処理装置124、1
25に応用してもよい。
【0093】又、図21に示されるような装置内壁に重
質油注入溝を設ける構成は、図20におけるバッチ式の
加熱溶融槽にも適用できる。図22はその一例を示し、
この加熱溶融槽126’は、内部に4枚の攪拌羽157
を有する回転軸156を備え、これはモーターによって
回転される。加熱溶融槽126’の上部には重質油注入
口158、投入口159、プラスチック供給口160及
びガス排出口161が設けられ、重質油注入口158か
ら加熱溶融槽126’内に重質油が供給できるように、
加熱溶融槽126’の内壁に設けられた多数の重質油注
入溝と重質油注入口158とが連通している。
【0094】この加熱溶融槽126’においては、重質
油注入口158から重油を供給しながら投入口159か
ら溶融プラスチックを投入することによって、内壁面へ
の残渣等の付着が効果的に抑制される。
【0095】図23は、付着抑制剤を用いて熱分解を行
う熱分解装置の他の例を示す。この熱分解装置163
は、図20と同じ構成の第1前処理装置124及び第2
前処理装置125を備えるが、加熱溶融槽126及び加
熱分解槽128の役割をエクストルーダ型の加熱反応槽
165を用いて行うことを特徴とし、第2前処理装置1
25と加熱反応槽165の一端とを接続する配管に重質
油添加装置164から重質油が供給される。加熱反応槽
165の他端には残渣回収槽166及び蒸留装置167
が接続され、蒸留装置167はさらに加熱反応槽165
の中央部付近とも接続されている。また、加熱反応槽1
65の内側から外側に熱が伝わるように加熱反応槽16
5内のスクリュー軸内にはヒーターが備え付けてあり、
さらに重質性の油がスクリュー軸表面上に供給されるよ
うにスクリュー軸に溝が形成されている。加熱反応槽1
65内の温度は、長手方向に沿って3つの部分に分けて
制御される。
【0096】熱分解装置163において、図20の場合
と同様に可塑剤除去処理及び脱ハロゲン化水素処理を行
った溶融プラスチックは、重質油が添加された後に加熱
反応槽165で混練され、更に熱分解され、熱分解残渣
は残渣回収槽166へ押し出される。熱分解によるガス
状生成物は蒸留装置167で沸点によって分けられる。
【0097】図24は、図20に示した熱分解装置12
3の加熱溶融槽126の応用例で、加熱溶融槽168の
下部に残渣の分離機能を有する排出口177を有する。
更に、図22と同様に側部壁面176には加熱溶融槽1
26に重質油を注入する注入口が設けられる(図中省
略)。前処理装置から移送された溶融プラスチックを投
入口172から投入するときに、加熱溶融槽168の壁
面から重質性の油を壁面に沿わせて注入しながら攪拌羽
170の付いた攪拌軸169をモーター171で回転
し、残渣を液状物と分離して排出口177から排出した
後、加熱溶融槽168内にハロゲンを含有しないプラス
チックをプラスチック供給口205から投入し、余熱を
利用し軟化させる。その後ヒーター175を用いて加熱
し、プラスチックを溶融させ350〜380℃の範囲に
保たれる。その後、プラスチックは加熱分解槽に送られ
熱分解される。攪拌軸169及び攪拌羽170の内部に
加熱線などの加熱手段を設けると、更に作業効率が上が
り、攪拌に必要なエネルギーも減少する。
【0098】前述の脱ハロゲン化水素工程等の前処理工
程は、PVC等に必要なものであるので、このような前
処理の必要なプラスチックと不要なプラスチックを分別
できる場合には、前処理の不要なプラスチックは加熱溶
融槽168等で添加するのがエネルギー効率上好まし
く、又、ポリオレフィン等は溶融粘度が低いので、加熱
溶融槽168において余熱などによって溶融しても作業
性の面で何等問題はない。
【0099】[熱分解生成物のハロゲン除去]前述にお
いて、プラスチックの熱分解で高品質の熱分解生成物を
得るための対処方法について説明したが、廃プラスチッ
クの内容を正確に把握するのは困難であるため、不測の
事態として生成物が有機ハロゲン化合物によって汚染さ
れる場合が生じ得る。従って、この様な場合に対する対
処も廃プラスチックの資源化再利用を広める上で重要で
ある。
【0100】本発明においては、有機ハロゲン化合物に
よる汚染に対する対処法として、熱分解生成物を150
〜550℃に加熱した活性炭及びハロゲン化水素トラッ
プ剤と接触させる。
【0101】ハロゲン含有プラスチックを含む混合プラ
スチックを加熱したとき得られる熱分解生成物は、有機
ハロゲン化合物を含んでいることがあるが、これを気体
の状態で活性炭と接触させると、ラジカル反応によるハ
ロゲン化水素の脱離反応により有機塩素化合物は分解す
る。この時、ハロゲン化水素トラップ剤を共存させる
と、発生したハロゲン化水素がトラップ剤に吸着され
る。従って、有機ハロゲン化物の汚染は解消される。従
って、プラスチックの熱分解によって生じたガス状生成
物を活性炭のカラム及びハロゲン化水素トラップ剤のカ
ラムを通過させればよい。活性炭によるハロゲン化水素
の脱離反応は150℃未満の温度では反応速度が遅く、
550℃以上では副生成物を多く生成するので、150
〜550℃の範囲で上記の処理を行うことが望ましい。
活性炭とハロゲン化水素トラップ剤とは混在させる必要
はなく、活性炭と接触させた後にハロゲン化水素トラッ
プ剤と接触させるようにしてもよい。
【0102】ハロゲン化水素トラップ剤は、ハロゲン化
水素を吸着あるいは吸収できるものであればよく、例え
ば、アルカリ金属やアルカリ土類金属及びこれらの水酸
化物のような一般的にアルカリ資材として用いられるも
の、ハロゲン化水素が吸着されるような表面処理を施し
た担体等が挙げられる。
【0103】図25は、熱分解生成物のハロゲン除去処
理を行うための処理装置の例を示す。この処理装置17
8は、熱分解する原料180を投入するフラスコ179
と、フラスコ179を加熱するマントルヒータ181
と、フラスコ179に接続されるカラム182と、カラ
ム182を加熱するための横型炉183と、カラム18
2に接続される凝縮器185と、凝縮器185に接続さ
れる回収容器186及び排ガス容器187とを備える。
横型炉183の温度はコントローラ184によって制御
する。カラム182には、活性炭と表面に塩化水素を吸
着する表面処理を施した活性炭との混合物が充填されて
いる。
【0104】プラスチックはフラスコ179に投入しマ
ントルヒータ181により加熱して熱分解する。熱分解
により生じるガス状生成物は、カラム182に達し、活
性炭により有機ハロゲン化合物からハロゲン化水素が脱
離し、硫酸銅及び硫酸亜鉛を表面に付着させた活性炭に
よってハロゲン化水素が吸着される。脱ハロゲンされた
ガス状熱分解生成物は、凝縮器185によって冷却・凝
縮され、液化生成物が回収容器186に収容される。凝
縮しなかったガスは排ガス容器187に導入される。
【0105】図26は、熱分解生成物のハロゲン除去処
理を行うための処理装置を備えた熱分解装置の例を示
す。この熱分解装置188は、ホッパ189が接続され
たエクストルーダ190と、ヒーター192を有する熱
分解槽191と、ハロゲン除去部193と、凝縮器19
6と回収タンク197とを備え、ハロゲン除去部193
は、直列に連結された活性炭カラム194及びハロゲン
化水素除去カラム195からなる。
【0106】ホッパ189から投入されたプラスチック
は、エクストルーダ190で加熱され、溶融、可塑剤除
去及び脱塩化水素が行われる。その後、溶融プラスチッ
クは熱分解槽191に搬送され、熱分解される。熱分解
槽191から放出される熱分解生成物の蒸気はハロゲン
除去部193に送られる。活性炭カラム194において
有機ハロゲン化合物からハロゲン化水素が脱離し、脱離
したハロゲン化水素はハロゲン化水素除去カラム195
に吸着される。ハロゲンが除去された分解生成物蒸気は
凝縮器196により冷却・液化され、回収タンク197
に貯蔵される。
【0107】[熱分解生成物の精製]廃プラスチックの
内容及び量は、時と場所により大きく変化するため、熱
分解によって生じる生成物の組成や量の変動も大きい。
このため、分解生成物の精製を行う場合、従来の精製装
置ではこのような変動に充分に対応できない。本発明に
おいては、熱分解生成物の精製においてこのような組成
変化や精製量の変動に対応するために、棚段の穴の数を
変更可能な棚段式蒸留装置を使用する。精製する蒸気量
が増加するに従って棚段の穴数が増加するように制御す
ることによって、各棚段に溜る液の高さを一定にするこ
とができる。従って、精製効率を大幅に変化させること
なく、取り扱う蒸気量の変化に対応することができる。
【0108】図27は、本実施例に従って熱分解生成物
の精製を行う蒸留装置の一例を示す。この蒸留装置19
8は、底部のリボイラと、リボイラ上に立設され複数の
棚段200が配設さた蒸留塔199とを備え、熱分解槽
から送られる熱分解生成物蒸気の中に混入する固体粒子
を除去するためのフィルター203が塔に接続されてい
る。又、2から5個程度のリフラックス202a〜dが
蒸留塔199内の余分な熱を追い出すために接続されて
いる。塔にはストリッパー206が接続され、塔頂及び
リボイラには環流装置204、205が接続されてい
る。
【0109】棚段200は、穴の数を増減させるため
に、図28に示されるように、中心を軸としてに相対的
に回転可能なように重ね合わせた2枚の円盤207、2
08から構成される。円盤207には所定の大きさの穴
209が多数設けられ、円盤208には複数のスリット
210が形成されており、2枚の円盤を回転して相対位
置を変えることによってスリット210と重なる穴20
9の数が変化する。これにより棚段200の実効的な穴
の数を変更することができる。
【0110】円盤の穴209の大きさは2〜8mmである
のが好ましく、これ以上の大きさであると精留効果が低
下する。穴の数は、棚段の直径が102mm程度の場合、
2〜100個/棚の範囲で変更可能なように設定すると
好ましく、棚段の大きさに応じて適宜設定する。
【0111】図29は、穴数が変更可能な棚段の他の例
を示し、この例においては、棚段211に設けられた穴
212を開閉する弁213が取り付けられており、弁2
13に接続されたアームに取り付けられたバネによって
弁213は穴212を閉じるように付勢され、紐215
によってアームを操作することによって穴212を開閉
する。
【0112】図30は、図27の蒸留装置を組み込んだ
熱分解装置の例である。この熱分解装置216は、ホッ
パを有するエクストルーダ217と、熱分解槽218
と、蒸留装置198と、回収容器219〜222とを備
える。ホッパからエクストルーダ217へ投入された配
プラスチックは、加熱溶融と共に前述の可塑剤除去処理
や脱ハロゲン化水素処理が行われた後に、熱分解槽21
8へ供給され、熱分解生成物の蒸気が固体粒子分離用フ
ィルタ(図中省略)を介して蒸留塔199へ送られる。
【0113】[熱分解装置の設計]処理する廃プラスチ
ックの内容が全く不明で回収される生成物に要求される
品質が高い場合と、ある程度内容を知ることができる廃
プラスチックを処理する場合とでは、熱分解生成物蒸気
の脱ハロゲン処理の必要度が全く異なる。従って、上記
において説明した各処理方法及び装置は、処理するプラ
スチックの性状及び形状、回収される熱分解生成物に必
要とされる品質、経済性及び回収効率等に応じて、適宜
組み合わせを変更して使用する。
【0114】上述の図面を参照した例は、本発明に係る
プラスチックの処理装置を具体化するための技術思想を
説明する目的で例示したのもであり、本発明は上記の構
造に限定されるものではない。
【0115】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに詳細に説明する。尚、以下の実施例及び比較例にお
いて、特に言及がない場合、「%」、「部」は、重量よ
って表示するものとする。
【0116】(実施例1)図1の装置1を用いて、加熱
蒸気発生装置2を作動し、水蒸気流量が安定したところ
で蒸気放出管3から水蒸気を噴出させた。水蒸気の温度
は150℃以上280℃未満に設定して運転を続けた。
巻き取り機をゆっくりと回転させ、可塑剤を35%含む
厚さ0.2mmのフィルム状プラスチックPが一様に2分
以上温水の中に浸るように走行させて配合剤の溶出を促
進させた。一通りフィルムを水中に通過させた後、回転
装置を反転させてプラスチックPを逆方向に走行させな
がら樹脂からの配合物質の溶出を継続した。この時、ロ
ーラー間を通過していくフィルムの破損を避けるため、
ローラーに挟まれることによる圧縮力を低く抑えるよう
に隙間の幅を調整した。
【0117】巻き取り及び反転を2回繰り返した後、巻
き取ったフィルム状プラスチックPに配合されていた可
塑剤の含有量を調べてみたところ、約1/20に減少し
ていた。
【0118】(実施例2)図2の装置を用いて、加圧ポ
ンプ14及び回収4ポンプを駆動し、水の循環流量が安
定したところでヒーター13を作動させる。水温は90
℃以上100℃未満に設定した。回転体6、8をゆっく
りと回転させ、可塑剤を30%含む厚さ0.2mmのフィ
ルム状プラスチックPを一様に2分以上加熱水の中に浸
るように走行させて配合剤の溶出を促進させた。一通り
フィルムを水中に通過させた後、回転体6、8を反転さ
せ、プラスチックを逆方向に走行させながら樹脂からの
配合物質の溶出を継続した。この時、ローラー間を通過
していくプラスチックの破損を避けるため、ローラーに
挟まれることによる圧縮力を低く抑えるように隙間の幅
を調整した。
【0119】巻き取り及び反転を2回繰り返した後、巻
き取ったプラスチックに配合されていた可塑剤の含有量
を調べてみたところ、約1/8に減少していることがわ
かった。
【0120】(実施例3)図3の装置を用いて、可塑剤
を27%含む厚さ0.15mmのPVCフィルムと層状セ
ルロース性繊維でできた吸収体17とを重ねたものをロ
ール状に巻き付ける。このロール状に巻き付けたものを
溶出促進槽18内に入れ、俵積みの状態に重ねておく。
次に溶出促進槽18の内部に水を注入し、吸着体17に
滲み込ませる。最上段のロールにかぶるくらいにまで水
を注入した後、静置し、水位の低下がほぼ落ちついたと
ころで上部の蓋22を閉め、加熱ヒーター19を作動さ
せる。温度は90℃以上100℃未満に設定した。2週
間以上、温度をほぼ一定に保った後、ロール状のフィル
ムを回収した。
【0121】回収されたPVCフィルムに配合されてい
た可塑剤の含有量を調べてみたところ、約1/10に減
少していることがわかった。
【0122】(実施例4)図4の装置を用いて、可塑剤
を33%含む厚さ0.2mmのフィルム状PVCとセルロ
ース性の繊維でできた吸収体29とを層状に相互に重ね
て温水槽26内に積み重ねた。循環ポンプと加圧ポンプ
を駆動して水の循環流量が安定したところで溶媒として
の水を温めるヒーター24を作動させた。吸収体29の
温度は90℃以上100℃未満に設定して運転を続け
た。太陽光が強い昼間の間は、太陽光線による熱エネル
ギーでハウス内の中心部の気温を40℃に保つように制
御することによって、ヒーター24を弱めても吸収体2
9の温度を維持することが可能であった。ハウス27の
内部で気化した物質はハウス上部で凝縮し、回収路28
を通じて回収された。また、ハウスの保温効果により温
水槽内の温水の単位時間当たりの供給量は減少していっ
た。約2週間吸収体29の温度を保った後、引き上げ機
25を用いてゆっくりとPVCを回収した。
【0123】回収したPVCに配合されていた可塑剤の
含有量を調べてみたところ、約1/10に減少してい
た。
【0124】(実施例5)図1の装置を用いて、ポリ塩
化ビニルを重量比で66%含む厚さ0.3mmのフィルム
をアルミニウム箔の両面に張り合わせたラミネート構造
のフィルムの添加剤除去処理を以下のように行った。
【0125】始めに、加熱蒸気発生装置2を作動し、蒸
気流量が安定したところで蒸気放出配管3から蒸気を噴
出させた。蒸気温度は、1回目の巻き取り及び反転の場
合に200℃以上280℃未満の蒸気が発生するよう
し、2回目の巻き取り及び反転の場合に280℃以上3
50℃未満の蒸気が発生するように設定した。これは1
回目の巻き取り及び反転で可塑剤などの配合剤の溶出を
促し、2回目の巻き取り及び反転で塩化水素の溶出を促
すことを目的としている。回転体6、8をゆっくりと回
転させ、フィルムが一様に1分以上蒸気と接するように
して、添加剤、塩化水素の溶出を促進させた。この時、
回転体8間を通過していくフィルムの破損を避けるた
め、回転体8に挟まれることによる圧縮力を低く抑える
ように隙間の幅を調整した。
【0126】巻き取り及び反転を2回繰り返した後、巻
き取ったフィルムに配合されていた塩素の含有量は約1
/10に、可塑剤の含有量は約1/20に減少してい
た。さらに、1回目の巻き取り時に、アルミニウム箔は
ポリ塩化ビニルから容易に剥離できる状態であった。
【0127】(実施例6)図5の装置を用いて、ポリ塩
化ビニルを重量比で66%含む厚さ0.2mmのビニルシ
ートを以下のように処理した。
【0128】始めに、加熱蒸気発生装置2を運転させ、
蒸気流量が安定したところで蒸気放出配管3から蒸気を
噴出させた。蒸気温度は、第1処理装置1aで200℃
以上280℃未満の蒸気が発生するよう設定し、第2処
理装置1bで280℃以上350℃未満の蒸気が発生す
るよう設定した。これは第1処理装置1aで可塑剤など
の添加剤の溶出を促し、第2処理装置1bで塩化水素の
溶出を促すことを目的としている。回転体6、8をゆっ
くりと回転させ、フィルムが一様にそれぞれの処理装置
1a、1b内で1分以上蒸気に接するようにして、添加
剤及び塩化水素の溶出を促進させた。この時回転体8間
を通過していくフィルムの破損を避けるため、回転体8
に挟まれることによる圧縮力を低く抑えるように隙間の
幅を調整しておく。特に2段目の装置側の調整に注意を
払った。
【0129】フィルムの巻き取り及び反転を2回繰り返
した後、巻き取ったフィルムに配合されていた塩素の含
有量は約1/10に、可塑剤の含有量は約1/15に減
少した。
【0130】(実施例7)安定剤として三塩基性硫酸鉛
及び二塩基性ステアリン酸鉛を6phr (100重量部中
に6重量部)の割合で含んだポリ塩化ビニル樹脂100
0gを3〜5mmのペレット状に粉砕し、図6〜8の処理
装置33のプラスチック供給装置34に投入して毎分5
0gの割合で酢酸添加槽35に供給した。酢酸添加槽は
95℃に保ち、酢酸供給装置36から毎分0.3Lの割
合で1 mol/L酢酸溶液を供給した。前記撹拌軸を毎分
30回転の速度でモーター50により回転させた。ペレ
ット状のプラスチックは軟化しているため、酢酸と容易
に混合した。酢酸と混合した軟化プラスチックは酢酸鉛
分離槽37に移送し、そこで5分間静置したところ、液
相と固相に分離し、液相は分析の結果、0.05 mol/
L酢酸鉛水溶液であることを確認した。酢酸鉛水溶液を
真空ポンプ38を使って鉛回収槽39に移送した。鉛回
収槽39には、50cm間隔で並べられた300mm×30
0mmの大きさの5枚の亜鉛板51が投入され、酢酸鉛水
溶液が鉛回収槽39に移送されると、鉛が亜鉛板51上
に析出した。30分経過後、鉛回収槽39の水溶液の鉛
濃度を分析したところ、検出限界以下であったことから
鉛が亜鉛板51上に十分析出していると判断された。亜
鉛板51に析出した鉛を取り出し、鉛純度を分析したと
ころ、99.99%であった。また、鉛の回収量は約4
0gであった。
【0131】次に、酢酸鉛分離槽37に残った軟化プラ
スチックを塩化鉛抽出槽40に移送した。塩化鉛抽出槽
の内部温度は330℃に保持した。軟化プラスチックは
流動性になり、更に中から気体を発生した。この気体は
検知管で測定したところ塩化水素であった。プラスチッ
クは気体を発生しながら、徐々に流動性を有する発泡性
物質に変化した。内部温度を100℃に下げた後、水蒸
気を毎分3Lの割合で送り込むと、水蒸気は瞬時に塩化
水素と反応して濃塩酸を生成した。水蒸気を送り込んで
から1分後に、塩化鉛抽出槽40の液体流出弁から毎分
3Lの割合で液体を取り出した。この液体(濃塩酸)を
水素添加槽43に送り、濃塩酸1Lに対し2Lの割合で
水を加えて濃塩酸を希塩酸に希釈した。水を加えること
により、水素添加槽43中には白色の沈澱が生じた。白
色沈澱だけを水素添加槽43に残し、残りの液相は廃液
タンク45に送った。この白色沈澱に水蒸気とともに水
素を供給し水素添加を行った。水蒸気は毎分3Lの割合
で添加した。水素添加槽43に残った固体を分析したと
ころ、純度99.9%の鉛で、重量は4.5gであっ
た。
【0132】塩化鉛抽出槽40内部を再度330℃に加
熱したところ、プラスチックは再度気体を発生し始め
た。この気体を検知管で測定したところ、前記同様塩化
水素であった。この中の温度を100℃に下げた後、水
蒸気を毎分3L送り込んだところ、水蒸気は瞬時に塩化
水素と反応して濃塩酸を生成した。水蒸気を送り込んで
から1分後、液体流出弁から毎分3Lの割合で液体を取
り出した。この液体を水素添加槽43に送り、濃塩酸1
Lに対し2Lの割合で水を加えて濃塩酸を希塩酸に希釈
した。水を加えることにより水素添加槽43中には白色
の沈澱が生じた。白色沈澱だけを水素添加槽43に残
し、残りの液相は廃液タンク45に送った。白色沈澱に
水蒸気とともに水素を供給して水素添加を行った。水蒸
気は毎分3Lの割合で添加した。この後、水素添加槽に
残った固体を分析したところ純度99.9%の鉛で、重
量は1.5gであった。
【0133】上記において、処理を行ったプラスチック
中には60gの添加剤が含まれていた。添加剤のうち約
80重量%が酸化鉛であると言われていることを考慮す
ると、60g×80%=48gが酸化鉛となり、その
内、鉛は48g×207/223=45g(分子量:鉛
=207、酸化鉛=223)となる。さらに、酸化鉛以
外の鉛系化合物は60g−48g(全添加剤−酸化鉛)
=12gであり、このうち鉛は平均50重量%であるとす
ると、6gが鉛となる。つまり、45g+6g=51g
がプラスチック中に含まれていた鉛の量となる。上記操
作では40g+4.5g+1.5g=46gの鉛を回収
したので、添加剤中の90%の鉛が回収できたことにな
る。
【0134】(実施例8)安定剤としてステアリン酸鉛
を1phr (100重量部中に1重量部)の割合で含んだ
ポリ塩化ビニル樹脂1000gを3〜5mmのペレット状
に粉砕し、図6〜8の処理装置33のプラスチック供給
装置34に投入して、毎分50gの割合で塩化鉛抽出4
0に供給した。
【0135】塩化鉛抽出槽40の内部温度を330℃に
保持したところ、プラスチックは流動性になり、更に中
から気体を発生した。この気体は検知管で測定したとこ
ろ塩化水素であった。プラスチックは気体を発生しなが
ら、徐々に流動性を有する発泡性物質に変化した。温度
を100 ℃に下げた後、水蒸気を毎分3Lの割合で送り込
んだところ、水蒸気は瞬時に塩化水素と反応して濃塩酸
を生成した。水蒸気を送り込んでから1分後、液体流出
弁から毎分3Lの割合で液体を取り出した。この液体を
水素添加槽43に送り、濃塩酸1Lに対し2Lの割合で
水を加えて濃塩酸を希塩酸にしたところ、水素添加槽4
3中には白色の沈澱が生じた。白色沈澱だけを水素添加
槽43に残し、残りの液相は廃液タンク45に送った。
白色沈澱に水蒸気とともに水素を供給し水素添加を行っ
た。水蒸気は毎分3Lの割合で添加した。この後水素添
加槽43に残った固体を分析したところ、純度99.9
%の鉛で、重量は2.8gであった。
【0136】上記における鉛の回収率は、実施例7と同
様の計算によって、80%となる。
【0137】(実施例9)安定剤として三塩基性硫酸鉛
及び二塩基性ステアリン酸鉛を6phr (100重量部中
に6重量部)の割合で含んだポリ塩化ビニリデン樹脂1
000gを3〜5mmのペレット状に粉砕し、図6〜8の
処理装置33のプラスチック供給装置34に投入して毎
分50gの割合で酢酸添加槽35に供給した。酢酸添加
槽は95℃に保ち、酢酸供給装置36から毎分0.3L
の割合で1 mol/L酢酸溶液を供給した。前記撹拌軸を
毎分30回転の速度でモーター50により回転させた。
ペレット状のプラスチックは軟化しているため、酢酸と
容易に混合した。酢酸と混合した軟化プラスチックは酢
酸鉛分離槽37に移送し、そこで5分間静置したとこ
ろ、液相と固相に分離し、液相は分析の結果、0.05
mol/L酢酸鉛水溶液であることを確認した。酢酸鉛水
溶液を真空ポンプ38を使って鉛回収槽39に移送し
た。鉛回収槽39には、50cm間隔で並べられた300
mm×300mmの大きさの5枚の亜鉛板51が投入され、
酢酸鉛水溶液が鉛回収槽39に移送されると、鉛が亜鉛
板51上に析出した。30分経過後、鉛回収槽39の水
溶液の鉛濃度を分析したところ、検出限界以下であった
ことから鉛が亜鉛板51上に十分析出していると判断さ
れた。亜鉛板51に析出した鉛を取り出し、鉛純度を分
析したところ、99.99%であった。また、鉛の回収
量は約40gであった。
【0138】次に、酢酸鉛分離槽37に残った軟化プラ
スチックを塩化鉛抽出槽40に移送した。塩化鉛抽出槽
の内部温度は330℃に保持した。軟化プラスチックは
流動性になり、更に中から気体を発生した。この気体は
検知管で測定したところ塩化水素であった。プラスチッ
クは気体を発生しながら、徐々に流動性を有する発泡性
物質に変化した。内部温度を100℃に下げた後、水蒸
気を毎分3Lの割合で送り込むと、水蒸気は瞬時に塩化
水素と反応して濃塩酸を生成した。水蒸気を送り込んで
から1分後に、塩化鉛抽出槽40の液体流出弁から毎分
3Lの割合で液体を取り出した。この液体(濃塩酸)を
水素添加槽43に送り、濃塩酸1Lに対し2Lの割合で
水を加えて濃塩酸を希塩酸に希釈した。水を加えること
により、水素添加槽43中には白色の沈澱が生じた。白
色沈澱だけを水素添加槽43に残し、残りの液相は廃液
タンク45に送った。この白色沈澱に水蒸気とともに水
素を供給し水素添加を行った。水蒸気は毎分3Lの割合
で添加した。水素添加槽43に残った固体を分析したと
ころ、純度99.9%の鉛で、重量は4.5gであっ
た。
【0139】上記における鉛の回収率は、実施例7と同
様の計算によって、80%となる。
【0140】(実施例10)厚さ0.2mmのSUS製の
板をホットプレートの上で余熱しておき、ポリプロビレ
ンを170℃に加熱して溶融させたものを、SUS板の
一面に厚さが2mmになるように素早く塗布し、冷却し
た。
【0141】この板を赤外光加熱式の炉に入れ、窒素雰
囲気中で赤外光ランプを点灯して加熱を開始し、所定の
加熱時間の後に赤外光ランプのスイッチを切り、炉内温
度を冷却した。プラスチックの赤外光による加熱前後の
重量を測定し、重量減少率を計算した。
【0142】加熱時間を下記のように変更して上述の操
作を繰り返し、加熱時間と重量減少率との関係を調べ
た。得られた結果を表1に示す。
【0143】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 点灯時間(分) 重量減少率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 0 100 1 100 2 100 3 100 4 100 5 100 6 90 6.5 70 7 45 7.5 10 8 0 9 0 10 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0144】赤外光が点灯されるとプラスチックの温度
は次第に上昇し、ポリプロピレンの温度が熱分解温度で
ある445℃に達すると分解してガス化し放出される。
上記の結果から、重量が50%に減少するのに要する時
間は6.9分である。
【0145】次に、上述の操作をプラスチックの厚さを
変えて繰り返し、プラスチック厚さと重量が50%に減
少するのに必要な時間との関係を調べた。得られた結果
を表2に示す。尚、参考に、プラスチックをフラスコに
投入して加熱した場合の重量が50%に減少するのに要
する時間も調べた。
【0146】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− プラスチックの厚さ(mm) 重量減少が50%になる時間(分) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 3.5 2 6.9 4 14 6 20 8 28 10 36 12 42 14 49 16 58 18 71 20 83 22 101 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フラスコ中で加熱(攪拌あり) 169 プラスコ中で加熱(攪拌無し) 247 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0147】上記の結果において、厚さが14mm前後ま
では、重量が50%減少するまでの時間は厚みにほぼ比
例して長くなるが、20mm前後よりも厚くなると、重量
が50%減少するまでの時間は急激に増加する。これ
は、炭化物がプラスチック表面に生成すことによる影響
と考えられる。この結果から、厚さを20mm以下にする
のが熱分解効率の添加ら好ましい。この範囲において
は、フラスコ中にポリプロピレンを入れて実験した場合
に重量が50%に減少するのに必要な時間の半分の時間
以下で重量が50%に減少する。
【0148】(実施例11)図9の装置を用いて、幅
1.5mのベルト53を100cm/分の速度で走行させ
た。ポリプロピレンを200℃程度に加熱してスクリュ
ー55a、55b、55cにより移送し、ベルト53に
ポリプロピレンを2mmの厚さに塗布し、脱塩化水素室5
8の温度が350℃になり、熱分解室61の温度が45
0℃になるように設定した。プラスチックがホッパに投
入されてから、処理装置52に投入されたプラスチック
が排出されるまでに19分の時間を要した。熱分解室6
1から回収されたものは、油分が85%、ガス分が11
%、残渣が4%であった。
【0149】上記と同様の操作を繰り返して、ポリプロ
ピレンを50%、ポロ塩化ビニールを50%の割合で含
むプラスチックの熱分解を行った。熱分解室61から回
収されたものは、油分が45%、ガス分が11%、残渣
が4%であった。
【0150】(実施例12)図10〜12の装置を用い
て、直径3mのディスク67を0.125rpmの回転
速度で回転し、ポリプロピレンを粉砕した後にホッパー
73に投入して温めながらスクリュー75a、75bに
より搬送した。溶融したポリプロピレンはスリット76
よりディスク67に2mmの厚さで塗布された。
【0151】塗布されたプラスチックは赤外ランプ70
により450℃に加熱した。熱分解により発生する分解
ガスは排気口72より排気された後、冷却・液化され、
油状分解物を回収した。プラスチックがホッパー73に
投入されてから処理装置から排出されるまでに14分の
時間を要した。回収した生成物は、油分が85%、ガス
分が11%、残渣が4%であった。
【0152】(実施例13)図14(a)及び図15に
記載の処理装置84を用いて、以下の操作を行った。ま
ず、量体数1000のポリ塩化ビニル50部と、可塑剤
としてDOP50部とを配合した樹脂を十分混練して、
組成をできる限り均一にした後、3〜5mm径のペレット
に加工した。これを処理装置84の一端にある供給口か
ら毎分20gの割合で装置内に供給した。加熱軸部材8
7の外周面には断面が波形となるように一定間隔で溝を
設けてあり、回転している加熱軸部材87の溝の面に沿
って攪拌装置86と外筒85との間の空間を排出口97
へと樹脂を徐々に移動させた。
【0153】ヒーター92を作動させて処理装置84内
の温度を図14(b)と同様に設定すると共に、樹脂の
軟化が生じる100℃付近に到達した時点で、加熱軸部
材87の表面にある細孔90から低活性なガスとしてヘ
リウムを放出させる。また、分解ガスが拡散可能な隙
間、空間をヘリウムで充填するために強制的にヘリウム
ガスを処理装置84内に流入させた。
【0154】全長の1/2の位置で分解ガスをサンプリ
ングしたところ、毎分平均9.95gの有機化合物を回
収し、芳香族系の化合物及び炭素数6〜8の鎖状炭化水
素が多量に含まれており、いずれも可塑剤の分解によっ
て生じるものであった。
【0155】次に、排出口においてサンプリングを行っ
たところ、毎分平均5.89gの刺激臭を有するガスが
発生しており、塩化水素を主成分とし、0.05gの炭
化水素を含んでいることがわかった。また、回収された
ガスを水中を通過させたところ、塩化水素は水に溶解し
て塩酸となり、炭化水素と塩化水素を分離することがで
きた。
【0156】(実施例14)図16の装置95を用い
て、以下の操作を行った。
【0157】実施例13で用いたものと同じ樹脂を処理
装置95の供給口から毎分30gの割合で装置95内に
供給した。2つの加熱軸部材87の外周面には断面が波
形となるように一定間隔で溝が設けてあり、攪拌装置8
6a、86bの回転によって樹脂を処理装置95の排出
口へと徐々に移動させた。
【0158】ヒーター96を作動させて図14(b)と
同様に温度を設定すると共に、樹脂の軟化が生じる10
0℃付近に到達した時点で、細孔90から低活性なガス
として窒素を放出させた。また、分解ガスが拡散可能な
隙間、空間を窒素で充填するために強制的に窒素ガスを
処理装置95内に流入させた。
【0159】全長の1/2の位置で分解ガスをサンプリ
ングしたところ、毎分平均14.3gの有機化合物を回
収し、芳香族系の化合物及び炭素数6〜8の鎖状炭化水
素が多量に含まれており、いずれも可塑剤の分解によっ
て生じるものであった。
【0160】次に、排出口においてサンプリングを行っ
たところ、毎分平均8.84gの刺激臭を有するガスが
発生しており、塩化水素を主成分とし、0.08gの炭
化水素を含んでいることがわかった。また、回収された
ガスを水中を通過させたところ、塩化水素は水に溶解し
て塩酸となり、炭化水素と塩化水素を分離することがで
きた。
【0161】(実施例15)図14(a)に示す処理装
置84を用い、以下の操作を行った。
【0162】まず、実施例13で用いた樹脂と同じもの
を処理装置84の供給口から毎分20gの割合で装置8
4内に供給した。加熱軸部材87の外周面には断面が波
形になるように一定間隔で溝を設けてあり、攪拌装置8
6の回転によって樹脂を徐々に排出口97の方へと移動
させた。
【0163】ヒーター96を作動させて図14(b)と
同様に温度を設定すると共に、樹脂の軟化が生じる10
0℃付近に到達した時点で、加熱軸部材87の細孔90
から水蒸気を放出させた。また、分解ガスが拡散可能な
隙間、空間を水蒸気で充填するために強制的に水蒸気を
処理装置84内に流入させた。
【0164】全長の1/2の位置で分解ガスをサンプリ
ングしたところ、毎分平均9.95gの有機化合物を回
収し、0.05gの酸素が含まれていた。又、芳香族系
の化合物及び炭素数6〜8の鎖状炭化水素が多量に含ま
れており、いずれも可塑剤の分解によって生じるもので
あった。
【0165】次に、排出口においてサンプリングを行っ
たところ、毎分平均5.89gの刺激臭を有するガスが
発生しており、塩化水素を主成分とし、0.08gの炭
化水素を含んでいることがわかった。また、回収された
ガスを水中を通過させたところ、炭化水素と塩化水素を
分離することができた。
【0166】(実施例16)図17の処理装置97を用
い、以下の操作を行った。
【0167】まず、量体数1000のポリ塩化ビニル7
5部と、可塑剤としてDHP25部とを配合した樹脂を
十分混練して組成をできる限り均一にした後、3〜5mm
径のペレットに加工した。
【0168】この材料を処理装置97の供給口から毎分
20gの割合で装置97内に供給した。加熱軸部材87
の外周面には断面が波形となるように一定間隔で溝を設
けてあり、攪拌装置86の回転によって樹脂を排出口へ
と徐々に移動させた。
【0169】ヒーター92を作動させて図14(b)と
同様に温度を設定すると共に、樹脂の軟化が生じる10
0℃付近に到達した時点で、加熱軸部材87の細孔90
から窒素を放出した。また、分解ガスが拡散可能な隙
間、空間を窒素で充填するために強制的に窒素を処理装
置97内に流入させた。
【0170】全長の1/2の位置で分解ガスをサンプリ
ングしたところ、毎分平均14.93gの有機化合物を
回収した。又、芳香族系の化合物及び炭素数6〜10の
鎖状炭化水素が多量に含まれており、いずれも可塑剤の
分解によって生じるものであった。
【0171】次に、排出口においてサンプリングを行っ
たところ、毎分平均2.94gの刺激臭を有するガスが
発生しており、塩化水素を主成分とし、0.12gの炭
化水素を含んでいることがわかった。また、回収された
ガスを水中を通過させたところ、塩化水素は水に溶解
し、炭化水素と塩化水素を分離することができた。
【0172】(実施例17)図18の処理装置100を
用いて以下の操作を行った。
【0173】ガス供給口104から導入される窒素ガス
をヒーター105で350℃に加熱し、長さ1m、内径
8cmのエクストルーダ部101内に配置された中空の
スクリュー102へ5L/ 分の割合で供給した。スクリ
ュー102をモーター106によりスクリュー102を
20rpmの回転速度で回転させながら、可塑剤(DO
P)を33%含有するPVCを50wt%、ポリプロピレ
ンを50wt%含むプラスチック50kgを投入部107か
ら投入した。窒素ガスに加熱されたプラスチックは溶融
し、スクリュー102の回転によって徐々に排出口11
2の方へ搬送された。この間、プラスチックの温度をK
タイプの熱電対で測定し、排出口112付近でプラスチ
ック温度が350℃に達するように、必要に応じてエク
ストルーダの加熱装置を補助的に使用した。
【0174】約4時間後にプラスチックは全て排出口1
12から排出され、32kgの溶融プラスチックが回収さ
れた。第1排気部108からポンプ109にかけてDO
Pの分解物である無水フタル酸の付着が認められた。排
出口112から回収されたプラスチックの塩素含有率を
蛍光X線により分析したところ、脱塩素率は99.8%
以上であり、赤外分光によりプラスチックの組成を分析
したところ、ポリプロビレン78wt%とポリエン22wt
%から構成されていることを確認した。
【0175】回収されたプラスチックを市販の焼却炉で
燃やしたところ、燃焼ガスに塩素ガス、塩化水素ガス、
タイオキシンは検出されなかった。
【0176】(比較例1)窒素ガスを供給せずにエクス
トルーダの加熱装置で実施例17と同様の温度設定にな
るようにプラスチックを加熱し、ポンプ109、111
を駆動しなかった点以外は実施例17と同様の操作を図
18の処理装置100を用いて行った。
【0177】約4時間後にプラスチックは全て排出口1
12から排出され、38kgの溶融プラスチックが回収さ
れた。第1排気部108からポンプ109にかけてDO
Pの分解物である無水フタル酸の付着が認められた。排
出口112から回収されたプラスチックの塩素含有率を
蛍光X線により分析したところ、脱塩素率は95.7%
であり、赤外分光によりプラスチックの組成を分析した
ところ、ポリプロビレン71.2wt%とポリエン20wt
%と無水フタル酸4.5wt%とから構成されていること
を確認した。
【0178】回収されたプラスチックを市販の焼却炉で
燃やしたところ、燃焼ガスから53ppmの塩化水素ガ
ス、5ppbのダイオキシンが検出された。塩素ガスは
1ppm以下であった。また、焼却後に焼却炉の内部及
び排気ガス用配管の内側を調べたところ、塩化水素によ
ると思われる腐食(変色)が認められた。
【0179】(実施例18)窒素ガスの代わりにアルコ
ンガスを使用した点以外は実施例17と同様の操作を繰
り返した。
【0180】約4時間後にプラスチックは全て排出口1
12から排出され、32kgの溶融プラスチックが回収さ
れた。第1排気部108からポンプ109にかけてDO
Pの分解物である無水フタル酸の付着が認められた。排
出口112から回収されたプラスチックの塩素含有率を
蛍光X線により分析したところ、脱塩素率は99.8%
以上であり、赤外分光によりプラスチックの組成を分析
したところ、ポリプロビレン78wt%とポリエン22wt
%から構成されていることを確認した。
【0181】回収されたプラスチックを市販の焼却炉で
燃やしたところ、燃焼ガスに塩素ガス、塩化水素ガス、
タイオキシンは検出されず、目視による焼却炉の観察で
も焼却を実施する上での問題は特に認められなかった。
【0182】(実施例19〜22)窒素ガスの加熱温度
(排出口112付近での温度)を表3のように変えた点
以外は実施例1と同様の操作を繰り返した。結果を表3
に示す。
【0183】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 加熱温度 プラスチック回収量 残留塩素率 焼却ガス (℃) (kg) (%) HCl濃度 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例19 250 37 1.8 13ppm 実施例20 280 33 0.5 6ppm 実施例21 300 33 0.2 2ppm 実施例17 350 32 0.2以下 1ppm以下 実施例22 380 29 0.2以下 1ppm以下 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0184】実施例22では、ポリプロピレンの熱分解
反応が若干進行しており、エクルトルーダ部101から
排出されたガスからポリプロピレンの熱分解生成物であ
る油(着色)が回収された。
【0185】(実施例23)図18の処理装置100を
前処理部114として組み込んだ図19の熱分解装置1
13を用いて以下の操作を行った。
【0186】ガス供給口104から導入される窒素ガス
をヒーター105で350℃に加熱し、長さ1m、内径
8cmのエクストルーダ部101内に配置された中空の
スクリュー102へ5L/ 分の割合で供給した。スクリ
ュー102をモーター106によりスクリュー102を
20rpmの回転速度で回転させながら、可塑剤(DO
P)を33%含有するPVCを50wt%、ポリプロピレ
ンを50wt%含むプラスチック50kgを投入部107か
ら10kg/hの割合で投入した。窒素ガスに加熱された
プラスチックは溶融し、スクリュー102の回転によっ
て徐々に排出口112の方へ搬送された。この間、プラ
スチックの温度をKタイプの熱電対で測定し、排出口1
12付近でプラスチック温度が350℃に達するよう
に、必要に応じてエクストルーダの加熱装置を補助的に
使用した。
【0187】排出口112から排出されたプラスチック
は、熱分解槽115で熱分解された。エクストルーダ部
101、生成油タンク117及び排ガス処理装置118
において回収されたものから、投入プラスチックを10
0部として物質収支を計算したところ、エクストルーダ
部において、塩化水素が19.6部、DOPの分解物で
ある炭素数8の有機化合物が10.2部、無水フタル酸
が6.3部回収され、生成油タンク117において油が
42部回収され、残渣タンク122において分解残渣が
13.3部、排ガス処理装置118において低分子の有
機化合物が9.4部回収された。
【0188】残渣の残留塩素濃度を分析したところ、
0.2%以下であった。排ガス処理装置118における
排ガスの塩化水素濃度は1ppm以下であり、回収油中
の有機塩素化合物の濃度は10ppm以下であった。
【0189】残渣の焼却及び回収油の重油バーナの燃料
としての活用において、排ガス中に塩化水素、ダイオキ
シンは検出されなかった。
【0190】(比較例2)窒素ガスを供給せずにエクス
トルーダの加熱装置で実施例23と同様の温度設定にな
るようにプラスチックを加熱し、ポンプ109、111
を駆動しなかった点以外は実施例23と同様の操作を図
19の熱分解装置113を用いて行った。
【0191】残渣タンク122の残渣の残留塩素濃度を
分析したところ、5.2%であった。又、排ガス処理装
置における排ガスの塩化水素濃度は1200ppm、回
収された油の有機塩素化合物の濃度は4700ppmで
あった。
【0192】残渣を焼却したところ、焼却炉の排ガスか
ら塩化水素が83ppm検出され、燃焼炉には腐食によ
ると思われる変色が認められた。回収油を重油バーナの
燃料として使用したところ、重油バーナの排気ガスから
は塩化水素が12ppm検出された。
【0193】(実施例24)可塑剤を50%含有するポ
リ塩化ビニル50gと、ポリプロピロピレン50gを混
ぜ、金属製の容器に投入し、容器の外壁を取り囲むよう
にして設置されているヒーターを用いて投入したプラス
チックを加熱した。加熱中は内部に取り付けられている
撹拌羽でプラスチックを攪拌して均熱性を高めた。内部
に投入した物質の温度が230℃に達するまでは10℃
/分の昇温速度で加熱し、230℃に達した時点で5℃
/分の昇温速度でプラスチックの表面から発生するガス
を十分放出させ、280℃に到達させた。この時放出し
たガスを冷却すると、白色の粉末が得られた。280℃
に到達した後は、昇温速度を4℃/分にしてプラスチッ
クから発生するガスを十分放出させ、330℃まで到達
させた。この時発生していたガスに蒸留水で湿らせたリ
トマス紙をかざすと直ちに赤変し、刺激臭を有してい
た。
【0194】加熱をさらに続け、金属製の容器の内壁に
沿わせながら8gの重質性分の油を少量ずつ数回に分け
て添加し、10℃/分の昇温速度で450℃に到達させ
た。450℃に到達した後は、約1時間その温度で保持
するよう加熱を制御した。この時、約55gの油状物質
を回収することができた。油を回収した後、黒色の炭化
成分が残渣として残っていたが、容易に掻き出すことが
できた。
【0195】(実施例25)図20の熱分解装置123
を用いて、以下の操作を行った。
【0196】可塑剤を50wt%含有する量体数1000
〜1200のポリ塩化ビニルを混練りし組成を均一にし
て3〜5mmの大きさに加工したペレットと、3〜5mmに
破砕したポリプロピロピレンのペレットとを50部ずつ
混ぜ、プラスチック供給槽131から単位時間当たりの
供給量が一定となるよう第1前処理装置124に投入し
た。内部に投入した物質の温度が第1前処理装置124
の長手軸方向の入口から1/3の位置までに230℃に
なるように加熱した。さらに、230℃に達した位置か
ら出口付近までに280℃に到達するよう温度を調整し
た。この時、プラスチックの表面から発生するガスを十
分放出させる様に不活性ガスを第1前処理装置の前方の
入口から出口に向かって流し続け、ガスの拡散を促進さ
せた。回収したガスを冷却すると白色の粉末が生じ、主
な成分はフタル酸系の化合物と炭素数8のアルコール、
アルデヒドを含んでいた。280℃に到達させた後は、
第2前処理装置へ加熱処理している物質を移送し、入口
から長手軸方向の1/4の位置までに物質の温度が33
0℃に到達するように温度を調整した。さらに、330
℃に到達した後は、出口までその温度を保持した。この
温度で、第1前処理装置124と同様に不活性ガスを入
口から出口に向かって流し続け、ガスの拡散を促進させ
た。回収した不活性ガスは、刺激臭を有するガスを含ん
でおり、塩化水素を多く生じていることがわかった。
又、この塩化水素を水溶液に調整してアルカリ性廃液の
中和に用いることができた。
【0197】第2前処理装置125の出口から温度が急
速に低下しない程度に保持して前処理後の物質を加熱溶
融槽126に移動させながら、加熱溶融槽126と接続
した移送配管の内壁に沿って重質性の油を加熱したもの
を添加し、流動性を高めて投入した。加熱溶融槽126
の内部にはポリプロピレンを多量に含むプラスチックを
あらかじめ加熱、溶融させておき、350〜380℃に
保持しておいた。この時、第2前処理装置から投入され
た物質の液面が加熱溶融槽の底部からおよそ50〜80
%の位置を保つように投入をしながら撹拌を続け、底部
の残渣分排出口1424から固形成分を分離した。ま
た、一部加熱溶融槽内でガス化したものについては、上
部の配管から蒸留装置129に導き、低沸点化合物と高
沸点化合物を分離した。
【0198】一方、加熱溶融槽126の液状成分を、断
熱材で被覆した配管を通じて加熱分解槽128に移送し
て加熱をさらに続け、450℃に到達させた。その温度
で保持し、加熱分解槽128の上部の配管から蒸留装置
130へ導いたガス状生成物から炭素数6〜15の炭化
水素を主成分とする油状物質を回収することができた。
この加熱溶融槽128の下部から間欠的に固形化した黒
色の炭化成分を分離したが、容易に抜き取ることができ
た。
【0199】(実施例26)図20の熱分解装置123
の加熱溶融槽126に代えて図22に示す加熱溶融槽1
26’を用いた熱分解装置を用いて、以下の操作を行っ
た。
【0200】投入材料と前処理の方法、加熱分解槽での
乾留方法は実施例25に示した内容と同じとしたが、加
熱溶融槽126’の運転方法を次のようにした。
【0201】第2前処理装置125から移送された物質
を受け入れるときに加熱溶融槽126’の壁面から重質
性の油を壁面に沿わせて注入し、加熱溶融槽の内壁面へ
の残渣の固着を防止することができた。残渣を加熱溶融
槽内の液状化物質と分離し排出した後、プラスチック供
給口160から加熱溶融槽内に最初に投入したプラスチ
ックの100wt%の量のポリプロピレンのペレットを投
入し、余熱を利用して軟化させた。その後、ヒーター1
62を用いて加熱し、ポリプロピレンペレットを溶融さ
せ、350〜380℃の範囲を保つようにした。その後
は実施例25の記載に従い、加熱分解槽128で熱分解
して回収したガス状の熱分解生成物から油状成分を得
た。この時得られた油状成分は実施例25の油状成分よ
りも軽質分の割合が数パーセント高かった。
【0202】(実施例27)図23の熱分解装置を用い
て以下の操作を行った。
【0203】可塑剤を30%含有する量体数1000〜
1200のポリ塩化ビニルを混練し組成を均一にして3
〜5mmに加工したペレットと、3〜5mmに破砕したポリ
プロピロピレンのペレットとを50部ずつ混ぜ、プラス
チック供給槽131から単位時間当たりの供給量が一定
となるよう第1前処理装置124に投入した。内部に投
入した物質の温度が第1前処理装置の長手軸方向の入口
から1/3の位置までに230℃になるように加熱し
た。更に、230℃に達した位置から出口付近までに2
80℃に到達するよう温度を調整した。この時、プラス
チックの表面から発生するガスを十分放出させる様に不
活性ガスを前処理装置の入口から出口に向かって流し続
け、ガスの拡散を促進させた。回収ガスを冷却すると、
白色の粉末が生じ、主な成分はフタル酸系の化合物と炭
素数8のアルコール、アルデヒドを含んでいた。280
℃に到達した後は、第2前処理装置へ加熱処理している
物質を移送し、入口から長手軸方向の1/3位置までに
物質の温度が330℃に到達するように温度を調整し
た。さらに330℃に到達した後は、出口までその温度
を保持した。この温度で、同様に不活性ガスを入口から
出口に向かって流し続け、ガスの拡散を促進させた。こ
の時発生していたガスは、刺激臭を有しており、塩化水
素を多く含んでいた。
【0204】前処理装置から移送された物質を加熱反応
装置165に受け入れるときに重質性の油を含むポリプ
ロピレンを移送された物質と等量混ぜた。この混合物を
受け入れた加熱反応槽165を、その軸の内面から外側
に向かって加熱する。軸の長手方法の1/3に達するま
でに物質の温度が450℃に到達するように温度を調整
し、さらに450℃に到達した後は、軸の長手方法の2
/3に達するまでその温度を維持した。その後、出口ま
でに500℃に到達させた。この間に生じたガス状回収
物から油状成分を得た。この時得られた油状成分は、実
施例25の油状成分とほぼ同じであった。また、この加
熱方法により加熱溶融装置内の壁面への残渣の固着はわ
ずかであった。
【0205】(実施例28)図20の熱分解装置123
の加熱溶融槽126に代えて図24の加熱溶融槽116
8を組み込んだ熱分解装置を用いて以下の操作を行っ
た。
【0206】投入材料と前処理の方法、加熱分解槽での
乾留方法は実施例25に示した内容と同じとしたが、加
熱溶融槽168の運転方法を次のようにした。
【0207】前処理装置から移送された物質を受け入れ
るときに、加熱溶融槽168の壁面から重質性のパラフ
ィン油を壁面に沿わせて注入し、加熱溶融槽内の壁面へ
の残渣の固着を防止することができた。残渣を溶融槽内
の液状物と分離して排出口177から排出した後、供給
口173から最初に投入したプラスチックの100wt%
量のポリプロピレンのペレットを加熱溶融槽168内に
投入し、余熱を利用して軟化させた。その後、ヒーター
175を用いて加熱し、ペレットを溶融させて温度を3
50〜380℃の範囲を保つようにした。その後は実施
例25の記載に従って加熱分解槽128で生じたガス状
回収物から油状成分を得た。この時得られた油状成分
は、実施例25の油状成分よりも軽質分の割合が数パー
セント高かった。
【0208】(実施例29)図25に示す装置178を
用いて以下の操作を行った。
【0209】比表面積1500m2 /g、細孔径18オ
ングストローム、細孔容積0.5ml/g、充填密度61
5g/L、乾燥減量0.2%の活性炭(4〜6メッシ
ュ)と、ハロゲン化水素トラップ剤である武田薬品工業
(株)の粒状白鷺XRC(4〜10メッシュ)をそれぞ
れ50wt%の割合で秤量混合し、軽く混ぜ合わせ、これ
を直径30mm、長さ300mmのカラム182の中に充填
した。カラム182を横型炉183により400℃に加
熱した。
【0210】次に、純度99.9%の1−クロロヘキサ
ンを10wt%、n−オクタンを90wt%の割合で調合し
た400ccの疑似油180を、容積500cc用のフラ
スコ179の中へ投入した。フラスコ179の中の疑似
油180はマンルヒータ181により沸騰するまで加熱
して、油蒸気を発生させた。油蒸気は、カラム182へ
送られ、カラム182を通過したガスを凝縮器185で
冷却液化し、回収容器186に溜まった。液化物をGC
−MSにより分析したところ、1−ヘキセン、3−ヘキ
セン等の不飽和化合物が94.7%、ベンゼンが5.3
%であり、1−クロロヘキサンは検出されなかった
(0.05%以下)。又、n−オクタンは一部が芳香族
化等の化学変化をしており、反応後に、3.2%がエチ
ルベンゼン等の芳香族になり、0.9%が2,4−オク
タジエン等のアルケンになり、0.3%が3−メチルヘ
プタン等に異性化した。
【0211】更に、カラムの温度を表4のように変えて
上記の操作を繰り返し行った。
【0212】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− カラム温度(℃) 有機塩素化合物の n−オクタンの反応率(%) 分解率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 100 2 0.0 200 80 0.0 300 100 0.2 400 100 4.4 500 100 12.1 600 − − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0213】カラムの温度を600℃にすると、炭素−
炭素結合を切断反応が起き、成分数が極端に多くなり、
正確な反応収支を計算することが不可能であった。
【0214】上記の結果より、150〜550℃で副生
成物の生成が少なく、且つ、有機塩素化合物の分解に効
果があることが理解される。
【0215】尚、上述のハロゲン化水素トラップ剤の代
わに、水酸化カリウム、カセイソーダ等を使用して同じ
操作を行った場合においても、上記と同様の結果が得ら
れた。
【0216】(実施例30)図26の装置を用いて、以
下の操作を行った。
【0217】比表面積1500m2 /g、細孔径18オ
ングストローム、細孔容積0.5ml/g、充填密度61
5g/L、乾燥減量0.2%の活性炭(4〜6メッシ
ュ)を活性炭カラム194に充填し、ハロゲン化水素ト
ラップ剤である武田薬品工業(株)の粒状白鷺XRC
(4〜10メッシュ)をハロゲン化水素除去カラム19
5に充填した。これらのカラム194、195を400
℃に加熱した。
【0218】50wt%のポリ塩化ビニルと50wt%のポ
リプロピレンからなる廃プラスチックを破砕した後にホ
ッパ189に投入した。投入したプラスチックはエクス
トルーダ190で350℃に加熱され、溶融、可塑剤除
去及び脱塩化水素がなされた。その後、プラスチックは
熱分解槽191に搬送され、450℃に加熱して熱分解
された。熱分解槽191から放出された熱分解生成物の
蒸気は、ハロゲン除去部193に送られた。ハロゲン除
去部193の活性炭カラム194及びハロゲン化水素除
去カラム195を通過した蒸気は、凝縮器196により
冷却、液化され、回収タンク197に回収された。回収
液の有機塩素化合物濃度は10ppm以下であった。
尚、カラムから活性炭及びハロゲン化水素トラップ剤を
取り除いて上記と同様の操作を行ったところ、回収液の
有機塩素化合物濃度は500ppmであった。
【0219】(実施例31)面積が81.7cm2 で、直
径4mmの穴が設けられた図28の棚を有する図27の蒸
留装置198を用いて、以下の操作を行った。
【0220】蒸留装置198の理論段数を12、塔頂の
環流比を3に設定し、ポリプロピレンを熱分解して得ら
れる分解生成物蒸気を蒸留塔199へ流入させて灯油質
油の溜まる棚の油液高を測定した。
【0221】プラスチックの熱分解槽の反応速度を制御
して蒸気の流量を変化させ、棚段の穴数を変えて上述の
操作を繰り返し行い、穴数と棚段の油液高との関係を調
べた。この結果を表5に示す。
【0222】
【表5】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 流入蒸気の流量 棚段の穴数 灯油質油の液高 (L/min) 個/棚 (cm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 10 24 45 9 24 36 8 24 27 7 24 18 6 24 9 5 24 0 4 24 0 3 24 0 2 24 0 1 24 0 7 16 48 6 16 35 5 16 22 4 8 46 3 8 34 2 8 22 1 2 47 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0223】蒸留塔へ流入する蒸気の流量を10L/min
から徐々に減少させていくと、灯油質の段の油の高さが
減少した。又、流量が7L/minである時、棚の穴数を2
4から16にへ減少させると、油液高値が大きくなっ
た。
【0224】従って、蒸気の流量を減少した際に、棚段
の穴数を減少させると、液高を一定にすることができ
る。上記の実施例においては、棚段の穴数を2まで減少
させることによって、上記の流量が1L/minの場合にま
で対応が可能であり、灯油質の液高を20cm以上に維持
することができた。従って、穴数を変えることによっ
て、流入蒸気の気量が1〜10L/minの範囲に適用可能
である。これに対し、穴数が24に固定されている場
合、蒸気の気量が5L/min以下で棚上に液が溜らず、油
蒸気が蒸留塔の内部で気液接触することなく塔頂へ吹く
上がり、正常な油の分離が不可能である。
【0225】上記の結果から、廃プラスチックを処理す
る場合、投入する廃プラスチック物の内容や投入量の変
動に、棚段の穴の数を制御することにより柔軟に対応で
きることが理解される。
【0226】(実施例32)棚段を図29に示した機構
を有するものに変えた点以外は実施例31と同様の操作
を繰り返した。結果を表6に示す。
【0227】
【表6】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 流入蒸気の流量 棚段の穴数 灯油質油の液高 (L/min) 個/棚 (cm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 10 24 45 9 24 36 8 24 28 7 16 48 6 16 36 5 16 21 4 8 45 3 8 33 2 8 21 1 2 46 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0228】(実施例33)図30の熱分解装置216
を用いて以下の操作を行った。
【0229】エクストルーダ217の温度を350℃に
設定し、PVC(可塑剤のDOPが32wt%含まれる)
50部に対しポリプロピレン50部の割合で混合した混
合物を投入し、エクストルーダ217から排出された溶
融プラスチックを10kg/hrの割合で熱分解槽218に
供給した。エクストルーダ217で塩化水素が発生し、
熱分解槽218に供給された溶融プラスチックの塩素の
含有量は減少してゼロ近くになった。その後は、実施例
31と同様の操作を行った。
【0230】蒸留塔から排出された重中質油の分析を行
ったが、有機塩素化合物の濃度は検出限界(50pp
m)以下であった。
【0231】168時間運転し続けた後、96時間放置
し、この後、蒸留塔内部の腐食の有無を調べたが、腐食
は認められなかった。
【0232】(比較例3)エクストルーダ217のヒー
タを作動させなかったことを除いて実施例33と同様の
操作を行った。
【0233】蒸留塔199から排出された重中質油の分
析を行ったところ、炭素数が8の有機塩素化合物か3%
含まれていた。
【0234】168時間運転し続けた後に96時間放置
し、この後、蒸留塔内部の腐食の有無を調べたところ、
内壁に変色が確認された。また、エクストルーダ217
と熱分解槽218との間、及び、蒸留塔199の軽質油
を排出するための配管にDOPの分解物である無水フタ
ル酸が析出しているのを確認した。
【0235】(比較例4)蒸留塔の入り口に設置してあ
るフィルターを取り除いた点以外は、実施例33と同様
の操作を行った。
【0236】蒸留塔199の重質油を抜き出して目視観
察すると、サスペンジョン状態の夾雑物が液面、液中及
び液底にあることが認められた。
【0237】
【発明の効果】本発明によれば、廃プラスチックに含ま
れる可塑剤や鉛化合物を除去することができ、又、ハロ
ゲン含有プラスチックからハロゲン化水素を効率よく脱
離することができるので、ハロゲン含有プラスチックを
含む廃プラスチックの熱分解で得られる生成物の有機ハ
ロゲン化合物による汚染が防止され、更に、有機ハロゲ
ン化合物に汚染された生成物からハロゲンを除去でき、
分解生成物の生成量の変化に対応して生成物の蒸留精製
ができるので、産業上の利用性が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従ってプラスチックの添加剤を除去す
るための装置の第1の例を示す概略構成図。
【図2】プラスチックの添加剤を除去するための装置の
第2の例を示す概略構成図。
【図3】プラスチックの添加剤を除去するための装置の
第3の例を示す概略構成図。
【図4】プラスチックの添加剤を除去するための装置の
第4の例を示す概略構成図。
【図5】プラスチックの添加剤を除去するための装置の
第5の例を示す概略構成図。
【図6】本発明に従ってプラスチックの鉛を除去するた
めの装置の一例を示す概略構成図。
【図7】図6の装置の酢酸添加装置の構成を示す構成
図。
【図8】図6の装置の鉛回収槽に用いられる亜鉛板の構
成を示す斜視図。
【図9】本発明に従ってプラスチックの熱分解を行うた
めの装置の第1の例を示す概略構成図。
【図10】本発明に従ってプラスチックの熱分解を行う
ための装置の第2の例を示す概略構成図。
【図11】図10の装置のプラスチック塗布部の構成を
示す斜視図。
【図12】図10の装置の掻き取り刃の構成を説明する
斜視図。
【図13】本発明に従ってプラスチックの熱分解を行う
ための装置の第3の例を示す概略構成図。
【図14】本発明に係る加熱軸部材を有するプラスチッ
クの処理装置の第1の例を示す概略構成図(a)及び処
理装置の温度設定を示すグラフ。
【図15】図14(a)の装置のx−x’線断面図。
【図16】本発明に係る加熱軸部材を有するプラスチッ
クの処理装置の第2の例を示す断面図。
【図17】本発明に係る加熱軸部材を有するプラスチッ
クの処理装置の第3の例を示す断面図。
【図18】本発明に従ってプラスチックの可塑剤除去及
び脱ハロゲン化水素を行うための装置の一例を示す概略
構成図。
【図19】図18の装置を適用したプラスチックの熱分
解装置を示す概略構成図。
【図20】本発明に従って、プラスチックの流動性を高
めて熱分解を行うためのプラスチックの熱分解装置の第
1の例を示す概略構成図。
【図21】本発明に従って、プラスチックの流動性を高
めるために用いられるプラスチックの処理装置の第1の
例を示す概略構成図。
【図22】本発明に従って、プラスチックの流動性を高
めるために用いられるプラスチックの処理装置の第2の
例を示す縦断面図(a)及び横断面図(b)。
【図23】本発明に従って、プラスチックの流動性を高
めて熱分解を行うためのプラスチックの熱分解装置の第
2の例を示す概略構成図。
【図24】本発明に従って、プラスチックの流動性を高
めるために用いられるプラスチックの処理装置の第3の
例を示す縦断面図(a)及び横断面図(b)。
【図25】本発明に従って、プラスチックの熱分解生成
物からハロゲンを除去するためのプラスチックの処理装
置の第1の例を示す概略構成図。
【図26】本発明に従って、プラスチックの熱分解生成
物からハロゲンを除去するためのプラスチックの処理装
置の第2の例を示す概略構成図。
【図27】本発明に従って、プラスチックの熱分解生成
物を生成するための蒸留装置の第1の例を示す概略構成
図。
【図28】図27の蒸留装置の要部の説明図。
【図29】本発明に従ってプラスチックの熱分解生成物
を生成するための蒸留装置の第2の例における要部の説
明図。
【図30】図27の蒸留装置を用いたプラスチックの熱
分解装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
P プラスチック 2 加熱蒸気発生装置 13、19、92、96 ヒーター 17、29 吸収体 36 酢酸供給装置 39 鉛回収槽 41 水蒸気添加装置 42 水供給装 45 水素ボンベ 51 亜鉛板 57、70、81 赤外ランプ 87 加熱軸部材 90、103 細孔 91 ガス供給器 124 第1前処理装置 125 第2前処理装置 126 加熱溶融槽 127 重質油添加槽 128 加熱分解槽 149 気流入口 151 気流出口 153 重質油注入溝 154 重質油供給管 158 重質油注入口 160、173 プラスチック供給口 164 重質油添加装置 165 加熱反応槽 177 排出口 182 カラム 194 活性炭カラム 195 ハロゲン化水素除去カラム 200、200a 棚段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】本発明に係る加熱軸部材を有するプラスチッ
クの処理装置の第1の例を示す概略構成図(a)及び処
理装置の温度設定を示すグラフ(b)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08B 11/00 C08J 11/00 C08J 11/00 C10B 53/00 B C10B 53/00 B09B 3/00 302A (72)発明者 古屋 富明 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 金澤 悟史 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 佐々木 邦彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 親里 直彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 馬場 優子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 野牧 辰夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 田中 章 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 森田 正明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 東芝リ サ−チコンサルティング株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面積に対する容積の比が小さくなるよ
    うに加工されたプラスチックを、加熱状態で、吸収性を
    有する物質と接触させて、プラスチックに含まれる配合
    物を該物質中へ溶出させることを特徴とするプラスチッ
    クの処理方法。
  2. 【請求項2】 プラスチックに酢酸を添加して加熱した
    後にプラスチックを酢酸から分離する工程と、プラスチ
    ックに塩化水素を作用させた後に水蒸気を添加し、生じ
    た塩酸からプラスチックを分離する工程とを有し、これ
    によってプラスチックに含まれる鉛が除去されることを
    特徴とするプラスチックの処理方法。
  3. 【請求項3】 プラスチックを薄層状態にし加熱するこ
    とによって熱分解することを特徴とするプラスチックの
    処理方法。
  4. 【請求項4】 溶融したプラスチックの塊を該塊の内部
    側から加熱することを特徴とするプラスチックの処理方
    法。
  5. 【請求項5】 150〜400℃に加熱した活性の低い
    ガスを溶融したプラスチックに吹き込むことを特徴とす
    るプラスチックの処理方法。
  6. 【請求項6】 ハロゲン含有プラスチックから可塑剤の
    除去及びハロゲン化水素の脱離処理を行った後の溶融プ
    ラスチックに、重質油又はハロゲンを含有しないプラス
    チックを加えることによってプラスチックの熱分解の流
    動性を高めることを特徴とするプラスチックの処理方
    法。
  7. 【請求項7】 ハロゲン含有プラスチックから可塑剤を
    除去する装置と、該ハロゲン含有プラスチックからハロ
    ゲン化水素を脱離する装置と、可塑剤を除去しハロゲン
    化水素を脱離した後の溶融プラスチックに重質油又はハ
    ロゲンを含有しないプラスチックを加える添加装置と、
    該重質油又はハロゲンを含有しないプラスチックを加え
    たプラスチックを熱分解する熱分解装置とを有すること
    を特徴とするプラスチックの処理装置。
  8. 【請求項8】 プラスチックを熱分解して分解生成物の
    蒸気を発生させる熱分解装置と、活性炭及びハロゲン化
    水素トラップ剤が装顛され150〜550℃に加熱され
    るカラムであって該熱分解生成物の蒸気を通過させるよ
    うに前記熱分解装置に接続される前記カラムとを有する
    ことを特徴とするプラスチックの処理装置。
  9. 【請求項9】 プラスチックを熱分解して熱分解生成物
    を得るための熱分解装置と、該熱分解生成物を精製する
    ための蒸留装置とを有するプラスチックの処理装置であ
    って、該蒸留装置が、多数の貫通孔を有する棚段を有す
    る蒸留塔と、該棚段の貫通孔を開閉して開孔している貫
    通孔の数を調整する開閉装置とを有することを特徴とす
    る処理装置。
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