JPH09291275A - 蛍光体の製造方法及び蛍光体 - Google Patents

蛍光体の製造方法及び蛍光体

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JPH09291275A
JPH09291275A JP10761996A JP10761996A JPH09291275A JP H09291275 A JPH09291275 A JP H09291275A JP 10761996 A JP10761996 A JP 10761996A JP 10761996 A JP10761996 A JP 10761996A JP H09291275 A JPH09291275 A JP H09291275A
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phosphor
spherical
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particles
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Toshifumi Kondo
利文 近藤
Toshio Mori
利雄 森
Toru Azuma
亨 東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球状の蛍光体粒子の製造方法、及び粒子径が
均一でかつ所望の粒子径の蛍光体粒子の製造方法ならび
にこの方法で得られた蛍光体を提供する。 【解決手段】 CeCl3 0.6モル、MgCl2 1モ
ル、Al2(NO3 3 5.5モル、Tb470.1モル
を硝酸酸性水溶液に溶解し水を加えて全量を1リットル
とし、この溶液をドライアイス−アセトン(−30℃)
で冷却したヘキサン溶液中に、スプレ−で液滴にして滴
下して蛍光体原料溶液の球状氷結体を得、この球状氷結
体を、減圧装置を用いて0.1Toorに減圧すること
により、氷結体中の水分を昇華し蛍光体原料の球状乾燥
固体粒子を得る。この球状乾燥固体粒子を電気炉でN
2 :90体積%、H2 :10体積%の還元雰囲気中13
00℃で2時間の分解焼成を行いCeMgAl1119
Tbの球状蛍光体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプ等の照
明分野およびディスプレイ等の映像分野などに用いられ
る蛍光体の製造方法及びその製造方法により得られた球
状の蛍光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、蛍光体は、例えば母体となる元素
を含んだ化合物と付活剤となる元素を含んだ化合物との
混合物を充分混合し、必要に応じて融剤を添加し、所定
の温度で焼成することにより得られていた。
【0003】しかしながら、この様な従来法によると、
得られる蛍光体は、固体−固体、固体−液体−気体等の
不均一な反応により形成されるため不規則な形状の微粒
子とならざるを得なかった。しかも、粉末として得る場
合、粒度分布を必ずしも一様に制御することができず、
一定粒度のものを得るためには、更に精密な分級操作等
を要していた。
【0004】一方、蛍光体は、ほとんどの場合数μmか
ら数十μmの大きさの粒子が凝集してできた膜体の形で
利用される。このため、ある蛍光体から蛍光が発せられ
ても膜外に放出されるまでにはほかの蛍光体粒子に幾度
かあたり、その表面で反射を受ける。ここで前述したよ
うな従来法により製造された蛍光体だと形状が不均一で
あるため、この反射が不規則な乱反射となる。
【0005】このため、たとえば蛍光灯や陰極線管のよ
うに、蛍光膜の内側面から発せられる蛍光を外側面に取
り出す場合、乱反射のために視覚方向への有効な反射を
妨げることとなり、輝度の低下の原因となる。また特に
陰極線管の場合はコントラストの悪化の原因ともなる。
【0006】したがって、粒子の形状が真球に近い蛍光
体で且つ粒度分布が均一な蛍光体で構成された膜体を得
ることができれば、輝度が向上し、コントラスト等も改
善される。また、成膜の際にも容易に最密充填しやすく
なり、膜質も良好なものが得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、粒子の形状が
真球に近い蛍光体を得るには、例えば、蛍光体原料を溶
融し、この融体をノズルから噴出させて球状にする方法
や、高温プラズマにより気中で浮遊状態の蛍光体原料を
原料が溶融する温度以上に加熱し球状にする方法などが
提案されているが、どちらの方法も従来法よりかなりの
高温を必要とするため技術的あるいはコスト的に困難で
あったり不利であるという問題点があった。
【0008】そこで、本発明は真球に近い形状に成形さ
れた蛍光体粒子を容易に得ることができる蛍光体の製造
方法を提供すること及び前記製法により得られた蛍光体
を提供すること第1の目的としている。
【0009】第2の目的は粒子径が均一で且つ所望の粒
子径を有し得る球状蛍光体を容易に得ることができる蛍
光体の製造方法及び前記製法により得られた蛍光体を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の蛍光体の製造方法は、少なくとも1種の蛍
光体原料を、該原料を含む溶液を液滴とする工程と、前
記液滴を瞬間的に氷結させる工程と、溶媒成分を昇華に
よって取り除く工程と、熱処理する工程とを有すること
を特徴とする。
【0011】前記蛍光体の製造方法に於いては、原料を
含む溶液が、蛍光体の母体材料の少なくとも1種の原料
が含まれている溶液であることが好ましい。また、前記
蛍光体の製造方法に於いては、原料を含む溶液が、蛍光
体と同一組成または熱処理により実質的に蛍光体と同一
の組成になる比率で蛍光体原料が含まれている溶液であ
ることが好ましい。
【0012】本発明の蛍光体は、また、前記記載の製造
方法で作成した球状の蛍光体である。この本発明の蛍光
体の製造方法によれば真球に近い形状に成形された蛍光
体粒子を得ることができる。また、この蛍光体の粒子径
は均一でかつ所望の粒子径を有する蛍光体を容易に得る
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の蛍光体の製造方法は、蛍
光体の構成成分である元素を含む化合物を溶媒を用いて
溶解させ溶液とし、これを液滴状態とし、この液滴を瞬
間的に氷結させることにより、液滴は蛍光体構成成分を
含んだ状態で表面張力のため球状となり、そのままの状
態で氷結されるため球状の氷結体となる。これを例えば
含氷晶点以下の圧力に減圧することにより、氷結体中の
水分などの溶媒は、融解することなく昇華によって除去
される。このためこのあとには、液滴の球形がそのまま
保存された乾燥した蛍光体用原料固形物が残る。この球
状固形原料粒子を焼成することにより当初の溶液の中に
含まれる蛍光体構成成分元素の酸化物などの球状粒子を
得ることができる。
【0014】ここで、最初に作成する溶液中に蛍光体構
成成分に必要な全ての元素を含む場合(但し、酸素は除
く)は、以上の操作で目的とする蛍光体を得ることがで
きる。
【0015】また、最初の溶液中に蛍光体構成元素の全
て(但し、酸素は除く)を含まない場合は、ここで作成
した球状粒子に他に必要な蛍光体構成成分を加えて焼成
することにより球状蛍光体を得ることができる。この方
法の場合球状粒子に成形する蛍光体構成元素に蛍光体母
体の基本構成材料を含むことが望ましい。
【0016】本発明で用いる蛍光体原料とは、蛍光体の
主構成成分である母体を構成する元素を含む化合物、蛍
光体を構成する付活剤を形成するための元素を含む化合
物(例えば酸化物、硫化物、リン酸塩、ハロゲン化物、
あるいはこれらの混合物等)、及び必要に応じて用いる
融剤等の添加物であって溶液中に溶解可能なものであ
る。
【0017】本発明で製造される蛍光体としては、特に
限定はなく、実質上各種の組成の蛍光体に適用できる。
蛍光体について一般的に説明すれば、通常、リン酸塩、
ケイ酸塩、ホウ酸塩、アルミン酸塩、酸硫化物、タング
ステン酸塩などの酸化物あるいは酸素酸塩などで構成さ
れている。具体的な代表的な蛍光体の例を挙げると、青
色発光蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アル
ミン酸バリウムマグネシウム(BaMgAl1017:E
2+、BaMg2 Al1627:Eu2+など)、銀及び
銀、アルミニウム付活硫化亜鉛(ZnS:Ag、Zn
S:Ag、Al)、セリウム付活ケイ酸イットリウム
(Y2 SiO5 :Ce3+)、ユーロピュウム付活リン酸
ストロンチウム(Sr2 2 7 :Eu2+、Sr3 (P
4 2 :Eu 2+など)、自己付活タングステン酸カル
シウム(CaWO4 )などが挙げられ、また、緑色発光
蛍光体としては、例えば、セリウム、テルビウム付活リ
ン酸ランタン(LaPO4 :Ce3+、Tb3+)、テルビ
ウム付活アルミン酸セリウムマグネシウム(CeMgA
1119:Tb3+)、セリウム、テルビウム付活ケイ酸
イットリウム(Y2 SiO5 :Ce3+、Tb3+)、マン
ガン付活ケイ酸亜鉛(ZnSiO4 :Mn2+)、銅およ
びアルミニウム付活硫化亜鉛(ZnS:Cu、Al)な
どが挙げられ、また、赤色発光蛍光体としては、例え
ば、ユーロピュウム付活酸化イットリウム(Y2 3
Eu3+)、ユーロピュウム付活バナジン酸イットリウム
(YVO4 :Eu3+)、ユーロピュウム付活酸硫化イッ
トリウム(Y23 S:Eu3+)などが代表例として挙
げられるが、本発明においては何らこれらのもののみに
限定されるものではない。これらの具体例は本発明の説
明の理解を容易にするために少数の具体例を挙げたもの
である。
【0018】前記母体を構成する元素を含む化合物とし
ても、特に限定されるものではないが、代表的な例を挙
げると、塩化セリウム(CeCl3 )、塩化マグネシウ
ム(MgCl2 )、塩化アルミニウム(AlCl3 )、
塩化イットリウム(YCl3)、塩化バリウム(BaC
2 )などの塩化物;硝酸セリウム(Ce(N
3 3 )、硝酸アルミニウム(Al(NO3 3 )等
の硝酸塩;酸化イットリウム(Y2 3 )等の酸化物;
硫酸アルミニウム(Al2 (SO4 3 )等の硫化物;
リン酸亜鉛(Zn3 (PO4 2 )等のリン酸塩などの
無機化合物のほか、例えば、酢酸アルミニウム(Al
(CH3 COO)3 )、アルミニウムアセチルアセトネ
ート((CH3 COCHCOCH33Al)、酢酸バリ
ウム((CH3 COO)2 Ba)、ギ酸バリウム(Ba
(HCOO)2 )、酢酸マグネシウム((CH3 CO
O)2 Mg)などの有機金属化合物も使用できる。
【0019】また、付活剤を形成するための元素を含む
化合物としても、特に限定されるものではないが、代表
的な例を挙げると、酸化ユーロピュウム(Eu
2 3 )、酸化テルビウム(Tb4 7 )、塩化セリウ
ム(CeCl3 )、炭酸マンガン(MnCO3 )、硝酸
アルミニウム(Al(NO3 3 )、硫酸銅(CuSO
4 )などが挙げられる。
【0020】付活剤は、蛍光体の母体に意図的に添加さ
れる微量の不純物元素といえるものであり、蛍光体は、
その組成の上から純粋な状態で発光する純粋形と付活剤
が存在して、初めて発光する不純物形とに大別される。
一般に付活剤と母体との組み合わせによって色々な特性
が発現される不純物形の方が多く利用されている。
【0021】また、必要に応じて用いられる融剤として
は、通常アルカリ金属やアルカリ土類金属のハロゲン化
物、炭酸塩や蛍光体を構成する元素のハロゲン化物、炭
酸塩等で焼成温度より融点の低いものなどが用いられ
る。
【0022】特に限定されるものではないが、融剤の代
表的な例を挙げると、塩化ナトリウム(NaCl)、塩
化マグネシウム(MgCl2 )、ヨウ化カリウム(K
I)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、炭酸バリウム(B
aCO3 )、フッ化アルミニウム(AlF3 )、リン酸
マグネシウムアンモニウム(MgNH4 PO4 )などが
挙げられる。
【0023】これらの蛍光体原料を溶解させる溶媒とし
ては、例えば水、アルコール、ケトン、エステル等を用
いることができる。尚、ここで水とは例えば硝酸、塩
酸、硫酸などを含む酸性水も含まれる意味である。これ
らの溶媒は原料化合物の種類に応じてそれを溶解できる
ものを選んで用いればよい。アルコール、ケトン、エス
テル等は、低級の炭素原子数のもので特に表面張力の大
きいものが好ましく用いられる。これらの有機溶媒は、
例えば前述した原料が前述のような有機金属化合物の場
合などに好適に用いられる。そのほか、有機金属化合物
でなくとも塩化物やアンモニウム塩などの場合にはアル
コール、ケトン、エステル等に溶解するものもある。溶
媒としては前述した様に溶解する対象化合物の種類にも
よるが、水または前記酸性水で溶解し得る化合物の場合
には、一般的には水または前記酸性水が好ましく用いら
れる。
【0024】本発明においては上記蛍光体構成元素の少
なくとも1種類以上を含む化合物(蛍光体母体の基本構
成元素を含むのが望ましい)の溶液を作成する。また2
種類以上の蛍光体原料を含む溶液を作成するときは、そ
れぞれの蛍光体原料の元素比を、得ようとする蛍光体中
の元素比と同じになるように調製する。但し、酸素につ
いては、分解焼成によって導入されるので、酸素の元素
比率は厳密に考慮しなくてよい。この場合、溶液中の蛍
光体原料は、例えばイオンの状態で存在し各イオンは完
全に均一な混合状態となる。
【0025】次に、前記の蛍光体原料を含む溶液を、ノ
ズルやスプレー等を用いて液滴を作り、この液滴を瞬間
的に氷結させる。瞬間的に氷結させるには、ドライアイ
ス(−78.5℃)や液体窒素(−196℃),ドライ
アイス−アセトンの組み合わせ(約−30℃)等を利用
することができる。原料の種類や溶媒の種類によって異
なるので、特に限定するものではないが、瞬間的に氷結
させるには、一応の目安としては約−30℃以下に冷却
するのが好ましい。また、瞬間的に氷結させるのは、液
滴が表面張力により球状となるがその球状のままの形状
を維持するためと、2種類以上の蛍光体原料を含む溶液
の場合は各蛍光体原料の溶解度曲線がそれぞれ異なった
温度係数をもつので得られる氷結体の組成が不均一にな
らない様にするためである。すなわち、急冷をすること
により液滴中の濃度変動を小さくすることができ均一な
混合状態のままの球状氷結体が得られる。
【0026】次に、前記の球状氷結体を減圧装置を用い
て氷結体中に含まれる蛍光体原料化合物の固体粒子と溶
液系の含氷晶点より低い圧力に減圧する。この操作を行
うことにより氷結体中の溶液成分は、昇華によって除去
され、そのあとには蛍光体原料の乾燥した固体粒子が球
状の形状のままで残る。
【0027】この後、最初に作成した溶液の中に目的と
する蛍光体に必要とする蛍光体構成成分の全てを含む場
合には、前記の球状乾燥粒子をそのまま加熱して分解焼
成することにより球状蛍光体粒子を得ることができる。
一方、最初に作成した溶液の中に目的とする蛍光体に必
要とする蛍光体構成成分の一部しか含まない場合には、
前記の球状乾燥粒子に蛍光体構成に必要な他の成分を加
えて加熱分解焼成を行うことにより球状蛍光体粒子を得
ることができる。分解焼成を行う温度としては、原料の
種類によって異なるので、特に限定するものではない
が、通常800〜1600℃の範囲の温度が採用され
る。
【0028】前記の本発明による蛍光体の製造方法で
は、得られる球状蛍光体粒子の粒径は、氷結させる液の
濃度や液滴の作成方法によって変えることができ、ま
た、粒径の分布は極めて均一なものを得ることができ
る。液滴中の原料化合物の濃度によって得られる球状蛍
光体粒子の粒径をコントロールする場合には、通常、液
滴中の原料化合物の濃度を高くすると粒径は大きくな
り、濃度が低くなるにしたがって粒径は小さくなる傾向
にある。
【0029】
【実施例】以下、具体的実施例を挙げて、本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1 以下に示す方法で、緑色蛍光体CeMgAl1119:T
bの合成を行った。尚、前記組成式に於いては、Ce、
Mg、Alが母体を構成する金属元素であり、Tbが付
活剤を構成する金属元素であることを示しており、いず
れも蛍光体中では酸化物として存在する。
【0030】まず蛍光体原料として、CeCl3 0.6
モル、MgCl2 1モル、Al2 (NO335.5モ
ル、Tb470.1モルを硝酸酸性水溶液(濃度0.1
規定)に溶解し水を加えて全量を1リットルとした。次
にこの溶液をドライアイス−アセトン(−30℃)で冷
却したヘキサン溶液中に、スプレ−を用いて液滴を作り
滴下した。この操作で蛍光体原料溶液の球状氷結体が得
られた。次に球状氷結体をヘキサン溶液から取り出し、
減圧装置を用いて0.1Toorに減圧した。この操作
で球状氷結体中の水分が昇華し蛍光体原料の球状乾燥固
体粒子を得た。次にこの球状乾燥固体粒子を電気炉でN
2 :90体積%、H2 :10体積%の還元雰囲気中13
00℃で2時間の分解焼成を行った。以上の操作により
CeMgAl1119:Tbの球状蛍光体が得られた。
【0031】実施例2 以下に示す方法で、緑色蛍光体CeMgAl1119:T
bの合成を行った。実施例1と同じ蛍光体原料を同量硝
酸酸性水溶液に溶解し水を加えて全量を2リットルとし
た。以下実施例1と同様の操作を行いCeMgAl11
19:Tbの球状蛍光体を得た。
【0032】実施例3 以下に示す方法で、緑色蛍光体CeMgAl1119:T
bの合成を行った。まず蛍光体原料の、MgCl2 1モ
ル、Al2(NO33 5.5モルを硝酸酸性水溶液(濃
度0.1規定)に溶解し水を加えて1リットルとした。
以下実施例1と同様の操作を行いマグネシウムとアルミ
ニウムの混合球状乾燥塩を得た。これにCeCl3 0.
6モルとTb470.8モルを混合後実施例1と同様の
分解焼成を行った。以上の操作でCeMgAl1119
Tbの球状蛍光体が得られた。尚、CeCl3 とTb4
7は、粉末固体で添加しているが、これらは付活剤と
して添加され、母体材料となるマグネシウムとアルミニ
ウムの混合球状乾燥塩に比べて微量であり、しかも、母
体材料となる球状固体粒子の骨格にドープされるような
状態で球状固体粒子の中に取り込まれていくと考えら
れ、得られる蛍光体粒子の球状形状には影響がなく、良
好な球状の蛍光体が得られた。
【0033】実施例4 以下に示す方法で、赤色蛍光体Y23:Euの合成を行
った。蛍光体原料として、Y231モル、Eu230.
04モルを硝酸酸性水溶液(濃度0.1規定)に溶解し
水を加えて全量を1リットルとした。以下実施例1と同
様の操作を行い蛍光体原料の球状乾燥塩を得た。次に大
気雰囲気中1300℃で2時間の分解焼成を行った。以
上の操作によりY23:Euの球状蛍光体を得た。
【0034】実施例5 以下に示す方法で、青色蛍光体BaMgAl1017:E
uの合成を行った。蛍光体原料として、BaCl2 0.
9モル、MgCl2 1モル,Al2(NO33 8モル,
Eu230.05モルを硝酸酸性水溶液(濃度0.1規
定)に溶解し水を加えて全量を1リットルとした。以下
実施例1と同様の操作を行いBaMgAl1017:Eu
の球状蛍光体を得た。
【0035】上記実施例1、2、3、4、5で得た蛍光
体の形状、形状比、大きさ、分布の標準偏差を表1に示
す。また、上記実施例1により得たCeMgAl
1119:Tb蛍光体の電子顕微鏡写真(倍率750倍)
を模写した図を図1に示す。
【0036】表1に示す本発明の実施例で得た蛍光体の
形状デ−タおよび図1に示すCeMgAl1119:Tb
蛍光体の電子顕微鏡写真を模写した図より明らかなよう
に、本発明によれば真球に近い形状の蛍光体粒子で粒子
径が均一な蛍光体が得られることが分かる。また、最初
に作成する溶液の濃度を調製することにより、所望の粒
子径を有する球状蛍光体が得られることも明かである。
【0037】
【表1】
【0038】ここで、表1でいう形状比とは、得られた
蛍光体の(最長直径)/(最短直径)で表される比であ
り、この値が1に近いほど真球になる。尚、以上の説明
では、CeMgAl1119:Tb、BaMgAl
1017:Eu、Y23:Euの3種の蛍光体の例で説明
したが、本発明は前記3種類の蛍光体に限るものではな
く、他の蛍光体についてもほぼ同様に実施可能である。
【0039】また、蛍光体原料、液滴作成方法、瞬間氷
結方法、溶媒昇華方法等も上記実施例に限られるもので
はない。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明は、蛍光体原料を含
む溶液を液滴とし瞬間的に氷結した後、溶媒成分を昇華
によって取り除き、次いで熱処理を行うことにより真球
に近い形状の蛍光体粒子を製造することができる。また
粒子径が均一で且つ所望の粒子径を有し得る蛍光体を製
造することができる。また蛍光体原料の混合状態が均一
となるため蛍光体の輝度の向上が図れることも期待でき
る。
【0041】また、本発明で得た蛍光体を用いて蛍光膜
を構成した場合に輝度の向上やコントラストの改善も図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1において本発明方法により製
造したCeMgAl1119:Tb蛍光体の電子顕微鏡写
真(750倍)を模写した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 29/20 H01J 29/20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の蛍光体原料を、該原料
    を含む溶液を液滴とする工程と、前記液滴を瞬間的に氷
    結させる工程と、溶媒成分を昇華によって取り除く工程
    と、熱処理する工程とを有することを特徴とする蛍光体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 原料を含む溶液が、蛍光体の母体材料の
    少なくとも1種の原料が含まれている溶液である請求項
    1に記載の蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料を含む溶液が、蛍光体と同一組成ま
    たは熱処理により実質的に蛍光体と同一の組成になる比
    率で蛍光体原料が含まれている溶液である請求項1に記
    載の蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の製造方法で作成した球
    状の蛍光体。
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