JPH09290728A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

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JPH09290728A
JPH09290728A JP10593296A JP10593296A JPH09290728A JP H09290728 A JPH09290728 A JP H09290728A JP 10593296 A JP10593296 A JP 10593296A JP 10593296 A JP10593296 A JP 10593296A JP H09290728 A JPH09290728 A JP H09290728A
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brake fluid
pressure
brake
fluid pressure
road surface
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JP10593296A
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English (en)
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Mamoru Sawada
護 沢田
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転者による制動操作時に、路面限界に至っ
たあるいは路面限界に至るであろうと推定される状態
を、意識的に別の部分へ注意力を振り向けるのではな
く、直接的に感知できる車両用ブレーキ装置。 【解決手段】 路面限界に達したあるいは達したであろ
うと推定されたことに伴って、アンチスキッド制御が開
始される直前に減圧制御弁302がオンされることによ
り、ブレーキペダル1への反力が低下するので、運転者
は直接的に路面限界に達したことあるいは達するであろ
うことを感知でき、更にアンチスキッド制御が開始され
ることを感知できる。しかも、運転者は意識的に別の部
分へ注意力を振り向けることないので、安全性も高い。
また反力の低減という、制動力の低下を予感させる感覚
により知らされるので、これ以上制動操作を強めること
は、路面限界を越える怖れがあると直感できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ブレーキ装
置に関し、特に、制動時に運転者に路面限界を知らせる
ことが可能な車両用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の制動力は、ブレーキペダルを強く
踏めば踏むほど高い制動力が得られるものではなく、路
面に応じてこれ以上の摩擦力が得られない車輪と路面と
の摩擦限界、いわゆる路面限界が存在し、路面限界を越
えるようなブレーキの踏み込みをすれば、逆に車輪は過
大なスリップを開始して制動力は低下してしまう。
【0003】このため、そのような路面限界を運転者が
感知できれば、路面限界に近付くとそれ以上のブレーキ
の踏み込みを停止して、路面限界ぎりぎりのほぼ最大の
制動力で車両を制動できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、ラン
プ等により視覚的に運転者に、路面限界を報知する装置
は知られていたが、このような装置は、わざわざランプ
のオン/オフを意識する必要が有り、ブレーキペダルを
踏み込む際に一瞬でも意識的に注意力をランプに振り向
けて点灯状態を確認させることは、安全運転上、好まし
いとは言えなかった。
【0005】このような路面限界ぎりぎりでの制動を自
動的に実行するシステムとして、アンチスキッド制御装
置が知られている。しかし、このような場合において
も、アンチスキッド制御に入ることを運転者に報知する
ことは、運転者に自らの操作とアンチスキッド制御によ
る実際の制動との差に基づく違和感を与えないためにも
望ましいことであった。
【0006】更に、特に還流型のアンチスキッド制御装
置にてアンチスキッド制御に入った際に生じるペダルを
押し戻す反力が高くなる現象、いわゆるキックバックを
運転者に予想させ、思わぬブレーキペダルの反力に違和
感を生じさせないためにも重要である。
【0007】しかし、路面限界に達してアンチスキッド
制御に入ることをランプで確認しなくてはならないので
は、前述のごとく安全運転上、好ましいとは言えなかっ
た。本発明は、運転者による制動操作時に、路面限界に
至ったあるいは路面限界に至るであろうと推定される状
態を、意識的に別の部分へ注意力を振り向けるのではな
く、直接的に感知できる車両用ブレーキ装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】本発明の
車両用ブレーキ装置は、乗員の制動操作に伴って車輪の
制動状態が路面限界または路面限界の近傍に達すると、
乗員の制動操作に対する反力を低減して、当該乗員に路
面限界を感知させることを特徴とする。このように、制
動操作とは直接関係の無いランプなどの媒体にて乗員に
路面限界を知らせるのではなく、乗員が行っている制動
操作そのものに直接影響して来るとともに乗員が感知で
きる物理量であるところの、乗員の制動操作に対する反
力にて、その反力を低減することにより乗員に感知させ
ている。
【0009】このため、運転者は意識的に別の部分へ注
意力を振り向けることなく、制動操作そのものにより、
直接、路面限界に至ったあるいは至るであろうと推定さ
れる状態を感知でき、しかも、反力の低減という、制動
力の低下を予感させる感覚により知らされるので、これ
以上制動操作を強めることは、路面限界を越える怖れが
あると直感できる。
【0010】したがって、安全性高く、運転者に路面限
界を感知させることができる。乗員の制動操作に対する
反力の低減による感知は、例えば、路面限界推定手段に
よって路面限界と判定されると、ブレーキペダル等の操
作部材に対する反力を低減することによりなされる。特
に、アンチスキッド制御装置などのブレーキ液圧調整手
段を備えている場合は、路面限界推定手段によって路面
限界と判定する代りに、ブレーキ液圧調整手段によって
ブレーキ液圧が調整される際に、ブレーキペダル等の操
作部材に対する反力を低減することによりなしても良
い。
【0011】例えば、反力の低減は、ブレーキ液圧発生
手段にて発生しているブレーキ液圧を所定圧減圧するこ
とによりなされる。この構成ならば反力に抗する力を発
生する特別な機構を操作部材に設ける必要が無く、簡易
な構成となる。更に、アンチスキッド制御装置などのブ
レーキ液圧調整手段がブレーキ液圧を減圧調整する場合
に、減圧分のブレーキ液を収容するリザーバ等の収容手
段を備えている場合には、ブレーキ液圧発生手段にブレ
ーキ液圧を生じさせているブレーキ液の一部を収容手段
に収容することにより、乗員による前記操作部材の操作
に対して生じる反力を低減することとしても良い。この
ような構成にすれば、既に存在している機構を利用して
制御のみで行うことができるので、構成的に有利であ
る。
【0012】例えば、ブレーキ液圧調整手段が、前記管
路に配置され非調整時および増圧調整時には管路を連通
し減圧時には遮断する増圧制御弁と、管路から収容手段
への減圧用管路に配置され減圧調整時には減圧用管路を
連通し増圧調整時および非調整時には遮断する減圧制御
弁とを備えている場合には、減圧制御弁を連通状態にす
ることにより、ブレーキ液圧発生手段にブレーキ液圧を
生じさせているブレーキ液の一部を収容手段に収容し
て、乗員による前記操作部材の操作に対して生じる反力
を低減することとしても良い。
【0013】また、更に、前記管路に設けられ、ブレー
キ液圧発生手段により第1のブレーキ液圧が発生された
際にこの第1のブレーキ液圧となる第1の管路部位と、
第1のブレーキ液圧よりも高められた第2のブレーキ液
圧をとなり得る第2の管路部位とに区分する差圧手段
と、第1のブレーキ液圧の発生時に、第1の管路部位に
おいて第1のブレーキ液圧を発生させているブレーキ液
を所定量減少し、この所定量の減少分のブレーキ液を用
いて第2の管路部位を第2のブレーキ液圧に増圧する圧
力増幅手段とを備えている場合には、報知手段が、圧力
増幅手段を駆動して第1の管路部位において第1のブレ
ーキ液圧を発生させているブレーキ液を所定量減少する
ことにより、前記反力を低減して、当該乗員に路面限界
を報知することとしても良い。このような構成にすれ
ば、既に存在している機構を利用して制御のみで行うこ
とができるので、構成的に有利である。
【0014】このような構成において、車両用ブレーキ
装置は、更に、第2の管路部位からブレーキ液圧を受け
て第2の車輪に車輪制動力を発生する第2車輪制動力発
生手段を備え、報知手段により圧力増幅手段が駆動され
る際に、圧力増幅手段による第2の管路部位の増圧によ
り、第2車輪制動力発生手段が第2のブレーキ液圧に増
圧される構成としても良い。このようにすると、圧力増
幅手段による圧力が、第2車輪制動力発生手段側に作用
するので、制動効率が向上する。
【0015】なお、路面限界の判定は、例えば、車輪の
スリップ状態から判断しても良く、この他に車輪速度、
加速度の挙動から判断しても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]図1は、本発明における実施の形態1
を示すブレーキ配管モデル図である。本実施の形態で
は、前輪駆動の4輪車において、右前輪FR-左後輪R
L、左前輪一右後輪の各配管系統を備えるX配管の車両
に本発明による車両用ブレーキ装置を適用した例につい
て説明する。
【0017】図1において、車両に制動力を加える際に
乗員によって踏み込まれるブレーキペダル1(操作部材
に該当)は、倍力装置2に接続されており、ブレーキペ
ダル1に加えられる踏力およびペダルストロークがこの
倍力装置2に伝達される。倍力装置2は第1室と第2室
との2室を少なくとも有しており、例えば第1室を大気
圧室、第2室を負圧室とすることができ、負圧室におけ
る負圧は、例えばエンジンのインテークマニホールド負
圧あるいはバキュームボンプによる負圧が用いられる。
そして、この倍力装置2は、大気圧室と負圧室の圧力差
をもって、乗員のペダル踏力またはペダルストロークを
直接倍力する。倍力装置2は、このように倍力された踏
力あるいはペダルストロークをマスタシリンダ3(ブレ
ーキ液圧発生手段に該当)に伝達するプッシュロッド等
を有しており、このプッシュロッドがマスタシリンダ3
に配設されたマスタピストンを押圧することによりマス
タシリンダ圧PUを発生する。なお、マスタシリンダ3
は、このマスタシリンダ3内にブレーキ液を供給した
り、またマスタシリンダ3内の余剰ブレーキ液を貯留す
る独自のマスタリザーバ3aを備えている。
【0018】このマスタシリンダ圧PUは、アンチスキ
ッドシステム100を介して右前輪FR用の第1のホイ
ールシリンダ4(車輪制動力発生手段に該当)および左
後輪RL用の第2のホイールシリンダ5へ伝達されてい
る。以下の説明は、右前輪FRおよび左後輪RL側につ
いての説明であるが、第2の配管系統である左前輪およ
び右後輪側についてもまったく同様であるので説明は省
略する。
【0019】アンチスキッドシステム100は、以下の
構成を備えている。まず、マスタシリンダ3に接続する
管路Aにおいて、管路Aは二つに分岐して、一方には、
第1のホイールシリンダ4へのブレーキ液圧の増圧を制
御する第1の増圧制御弁300が備えられ、他方には第
2のホイールシリンダ5へのブレーキ液圧の増圧を制御
する第2の増圧制御弁301が備えられている。
【0020】これら第1、第2の増圧制御弁300,3
01は、アンチスキッドシステム100用の電子制御装
置ECUにより連通・遮断状態を制御できる2位置弁と
して構成されている。そして、この2位置弁が連通状態
に制御されている際には、マスタシリンダ圧PUあるい
はポンプ101のブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧
を各ホイールシリンダ4,5に加えることができる。な
お、アンチスキッド制御が実行されていないノーマルブ
レーキの際には、これら第1、第2の増圧制御弁30
0,301は常時連通状態に制御されている。また、増
圧制御弁300,301には、それぞれ安全弁304,
305が並列に設けられ、過剰なブレーキ液圧をホイー
ルシリンダ4,5側から排除するように構成されてい
る。
【0021】また、第1、第2の増圧制御弁300,3
01と各ホイールシリンダ4,5との間における管路A
と、リザーバ200(収容手段に該当)のリザーバ孔2
00Bとを結ぶ管路Bには、アンチスキッドシステム1
00用の電子制御装置ECUにより連通・遮断状態を制
御できる2位置弁としての第1の減圧制御弁302と第
2の減圧制御弁303とがそれぞれ配設されている。こ
れら第1、第2の減圧制御弁302,303は、ノーマ
ルブレーキ状態では、常時遮断状態とされている。
【0022】またポンプ101が安全弁101a,10
1bに挟まれて、第1、第2の減圧制御弁302,30
3とリザーバ孔200Bとの間のブレーキ液を汲み取っ
て、マスタシリンダ3と第1、第2の増圧制御弁30
0,301との間の管路Aへ吐出する位置に配置されて
いる。
【0023】また、左後輪RL用のホイールシリンダ5
の直前には比例制御弁400が配置されている。この比
例制御弁400は、正方向にブレーキ液が流動する際に
は、ブレーキ液の基圧を所定の減衰比率をもって下流側
に伝達する作用を有している。これは、制動時に後輪の
ブレーキ液圧を前輪に比較してわずかに下げることによ
り、制動操作時に前輪を先にロックさせて、車体の安定
を図るめためである。
【0024】これら、増圧制御弁300,301、減圧
制御弁302,303およびポンプ101は、図示して
いないアンチスキッドシステム100用の電子制御装置
ECUがその状態を制御している。上述のアンチスキッ
ドシステム100用の電子制御装置ECUによるブレー
キ制御について図2のフローチャートに基づいて説明す
る。
【0025】図2に示すブレーキ制御処理が開始される
と、まず電子制御装置ECUは図示していない車輪速度
センサおよびブレーキペダル1のストップスイッチか
ら、それぞれ検出データを入力する(S1000)。次
に車輪速度センサの検出データから車輪加速度を演算す
る(S2000)。
【0026】次にアンチスキッド制御中であるか否かが
判定され(S3000)、アンチスキッド制御中でない
とすると(S3000で「NO」)、次にアンチスキッ
ド制御の開始条件となったか否かが判定される(S40
00)。アンチスキッド開始条件でなければ(S400
0で「NO」)、ステップS1000に戻る。
【0027】ここで、運転者がブレーキペダル1を踏み
込み、車輪加速度等の状態から右前輪FRが路面限界に
近付いていることが判定された場合、アンチスキッド制
御の開始条件が満たされ(S4000で「YES」)、
減圧制御弁302がオンされて、連通状態となる(S4
500)。
【0028】この時、ステップS5000のアンチスキ
ッド制御の実行前であるので、増圧制御弁300は連通
状態にある。このため、マスタシリンダ3によりブレー
キ液圧を生じているブレーキ液は増圧制御弁300と減
圧制御弁302とを通って、リザーバ200へ流れる。
このように、ブレーキ液がリザーバ200側に抜けるた
め、運転者がブレーキペダル1を踏み込むことによりマ
スタシリンダ3に生じさせているブレーキ液圧は、急激
に低下する。すなわち、ブレーキペダル1による運転者
の足に伝達される反力が激減する。
【0029】したがって、運転者にはブレーキペダル1
の抵抗が急に小さくなったことが判り、路面限界に達し
たあるいは達しつつあることが、直接的に感知できる。
しかも、制動操作しているブレーキペダル1そのものの
反力が低下するので、運転者は意識的に別の部分へ注意
力を振り向けることなく、制動操作そのものにより、直
接、路面限界に至ったあるいは至るであろうと推定され
る状態を感知できる。しかも、反力の低減という、制動
力の低下を予感させる感覚により知らされるので、これ
以上制動操作を強めることは、路面限界を越える怖れが
あると直感できる。このため、安全性高く、運転者に路
面限界を感知させることができる。
【0030】そして、ステップS4500の次には、ア
ンチスキッド制御が実行され、ブレーキ液の還流のため
にポンプ101が稼動される(S5000)。したがっ
て、運転者は路面限界に達したことと、これからアンチ
スキッド制御が行われ、キックバックが生じるであろう
ことを直接的に感知できる。このアンチスキッド制御で
は、車輪の回転状態をチェックしながら、車輪の制動状
態を最適に調整すべく、ホイールシリンダ4,5にかか
るブレーキ液圧を増減圧制御するブレーキ液圧調整制御
が行われる。
【0031】その後、アンチスキッド制御終了か否かの
判定がなされ(S6000)、再度、ステップS100
0から処理を繰り返す。アンチスキッド制御におけるブ
レーキ液圧調整制御では、まず増圧制御弁300が閉じ
られるとともに減圧制御弁302は連通状態(既にステ
ップS4500にて連通状態にあるので実際にはそのま
ま維持されている)とされて、ホイールシリンダ4の減
圧が行われる。そして、以後、車輪の挙動に応じて、増
圧制御弁300および減圧制御弁302を共に閉じる処
理を行ってホイールシリンダ4におけるブレーキ液圧を
保持し、次に増圧制御弁300をパルス的に連通状態に
して増圧する処理が選択的に行われる。このように、減
圧、保持、パルス増圧が繰り返されて、車輪の制動状態
は最適に調整される。
【0032】ポンプ101は、このアンチスキッド制御
開始の時点から継続して減圧制御弁302,303とリ
ザーバ孔200Bとの間の管路Aから汲み出したブレー
キ液を、増圧制御弁300,301とマスタシリンダ3
との間の管路Aへ吐出する。このことにより、ブレーキ
液を還流してマスタシリンダ3におけるブレーキ液量不
足を補っている。
【0033】アンチスキッド制御停止の条件が満足され
て、ステップS6000にてアンチスキッド制御終了の
判定がなされた場合には、図3に示すポンプ101のモ
ータのオフ制御が実行さる。ここでは、アンチスキッド
制御外となった後、所定時間経過していない間(S80
00で「NO」)は、モータをオフさせないが、所定時
間経過後(S8000で「YES」)はモータをオフし
て(S8010)ポンプ101の吐出を停止する。
【0034】本実施の形態1は、上述のごとく、路面限
界に達したあるいは達したであろうと推定されたことに
伴って、アンチスキッド制御が開始される直前に、ステ
ップS4500にて減圧制御弁302がオンされること
により、ブレーキペダル1への反力が低下するので、運
転者は直接的に路面限界に達したことあるいは達するで
あろうことを感知でき、更にアンチスキッド制御が開始
されることを感知できる。
【0035】しかも、運転者は意識的に別の部分へ注意
力を振り向けることないので、安全性も高い。また反力
の低減という、制動力の低下を予感させる感覚により知
らされるので、これ以上制動操作を強めることは、路面
限界を越える怖れがあると直感できる。
【0036】また、本実施の形態のごとくポンプ101
によりブレーキ液を還流するタイプのアンチスキッド制
御においては、キックバックが生じるが、そのようなキ
ックバックを事前に予想できるので、乗員に対する違和
感が少なくなると言う効果もある。
【0037】本実施の形態1において、図2のブレーキ
制御処理がブレーキ液圧調整手段としての処理に該当
し、ステップS1000、S2000およびS4000
が路面限界推定手段としての処理に該当し、ステップS
4500が報知手段としての処理に該当する。
【0038】[実施の形態2]図4は、本発明の実施の
形態2を示すブレーキ配管モデル図である。なお、ブレ
ーキペダル501、倍力装置502、マスタシリンダ5
03、マスタリザーバ503a、ポンプ601、増圧制
御弁800,801、減圧制御弁802,803、安全
弁804,805、比例制御弁900およびホイールシ
リンダ504,505は、それぞれ前記実施の形態1に
おけるブレーキペダル1、倍力装置2、マスタシリンダ
3、マスタリザーバ3a、ポンプ101、増圧制御弁3
00,301、減圧制御弁302,303、安全弁30
4,305、比例制御弁400およびホイールシリンダ
4,5と同じであるので、これらについては詳述しな
い。また、第2の配管系統は、左前輪および右後輪側に
ブレーキ液圧を分配しているが、図4に示した右前輪F
Rおよび左後輪RLと同じであるので説明は省略する。
【0039】実施の形態2が前記実施の形態1と異なる
のは、管路Aにおいて、マスタシリンダ503とアンチ
スキッドシステム600との間で、比例制御弁610
(差圧手段に該当)が、ホイールシリンダ504側が高
圧になるように逆接続で配置されている点である。この
比例制御弁610は、メカニカルな機構にてその機能が
実現されており、電子制御装置ECUの信号による制御
はなされない。
【0040】この比例制御弁610は、通常、正方向に
ブレーキ液が流動する際には、ブレーキ液の基圧を所定
の減衰比率をもって下流側に伝達する作用を有してい
る。よって、図4に示すごとく比例制御弁610を逆接
続すると、比例制御弁610に対して正方向にブレーキ
液が流動する際には第2の管路部位A2側が前述の基圧
となり、第1の管路部位A1側が下流側となる。よっ
て、図6に示すように、第2の管路部位A2内の第2の
ブレーキ液圧PLが、ポンプ601による第2の管路部
位A2内のブレーキ液量の増大に伴つて比例制御弁61
0に設定されている折れ点圧力P1以上になった場合に
は、第2の管路部位A2内の第2のブレーキ液圧PLは
実線の傾き、すなわち所定の減衰比率に応じて第1の管
路部位A1に伝達される。なお、折れ点圧力P1以上の
領域では第2のブレーキ液圧PLとマスタシリンダ圧P
Uとの差圧を所定比率に保持する保持手段として見るこ
とができる。
【0041】また、図4に示すように、第1の管路部位
A1とポンプ601のブレーキ液の吸引側との両方にリ
ザーバ700が接続されている。このリザーバ700
は、マスタシリンダ503と比例制御弁610との間に
接続されてマスタシリンダ圧PUと同等の圧力となる配
管Cからブレーキ液の流動を受ける第1のリザーバ孔7
00Aを有している。このリザーバ孔700Aよりリザ
ーバ700の内側には、ボール弁701が配設されてい
る。そしてこのボール弁701の下側には、このボール
弁701を上下に移動するために所定のストロークを有
するロッド703が設けられている。リザーバ室700
C内には、ロッド703と運動するピストン704が備
えられている。このピストン704は、第1のリザーバ
孔700Aまたは第2のリザーバ孔700Bからブレー
キ液が流動した場合に下方に摺動し、リザーバ室700
C内にブレーキ液を貯留する。
【0042】また、このようにブレーキ液が貯留された
場合には、ピストン704が下側に移動すると、これに
伴つて、ロッド703も下方に移動し、ボール弁701
が弁座702に接触する。よって、リザーバ室700C
内にブレーキ液がロッド703のストローク以上貯留さ
れた際には、ボール弁701と弁座702とによって、
ポンプ601の吸引側と、第1の管路部位A1との間の
ブレーキ液の流動が遮断される。
【0043】上述のアンチスキッドシステム600用の
電子制御装置ECUによるブレーキ制御について図5の
フローチャートに基づいて説明する。この内、ステップ
S11000、S12000、S13000、S140
00、S15000およびS16000は、前記実施の
形態1のステップS1000、S2000、S300
0、S4000、S5000およびS6000と同じで
あるので詳細は省略する。
【0044】実施の形態1と異なる点は、ステップS4
500の代りに、ステップS14500が実行される点
である。ここで、運転者がブレーキを踏み込み、車輪加
速度等の状態から右前輪FRが路面限界に近付いている
ことが判定された場合、アンチスキッド制御の開始条件
が満たされて(S14000で「YES」)、増圧制御
弁800がオンされて、遮断状態にされるとともにポン
プ601がオンされる(S4500)。
【0045】この時、ステップS15000のアンチス
キッド制御の実行前であるので、減圧制御弁802は遮
断状態にある。このため、マスタシリンダ3によりブレ
ーキ液圧を生じているブレーキ液は管路部位A1、管路
Cおよびリザーバ700を介してポンプ601へ吸い込
まれ、管路部位A2へ吐出される。
【0046】このように、管路部位A1のブレーキ液が
ポンプ601により吸い取られるので、運転者がブレー
キペダル501を踏み込むことによりマスタシリンダ5
03に生じさせているブレーキ液圧は、急激に低下す
る。すなわち、ブレーキペダル501による運転者の足
に伝達される反力が激減する。
【0047】したがって、運転者にはブレーキペダル5
01の抵抗が急に小さくなったことが判り、路面限界に
達したあるいは達しつつあることが、直接的に感知でき
る。しかも、制動操作しているブレーキペダル501そ
のものの反力が低下するので、運転者は意識的に別の部
分へ注意力を振り向けることなく、制動操作そのものに
より、直接、路面限界に至ったあるいは至るであろうと
推定される状態を感知できる。しかも、反力の低減とい
う、制動力の低下を予感させる感覚により知らされるの
で、これ以上制動操作を強めることは、路面限界を越え
る怖れがあると直感できる。このため、安全性高く、運
転者に路面限界を感知させることができる。
【0048】そして、ステップS14500の次には、
ステップS15000にて、アンチスキッド制御が実行
され、ポンプ601のモータがオンされる(このときは
既にステップS14500にてポンプ601は稼動され
ているのでモータのオン状態が維持されるのみであ
る。)。したがって、運転者は路面限界に達したこと
と、これからアンチスキッド制御が行われることを直接
的に感知できる。
【0049】本実施の形態2は、上述のごとく、路面限
界に達したあるいは達するであろうことが推定される
と、アンチスキッド制御が開始される直前に、ステップ
S14500にて増圧制御弁800がオンされ、かつポ
ンプ601のモータがオンされることにより、ブレーキ
ペダル501への反力が低下するので、前記実施の形態
1と同じ効果が得られ、安全運転上も好ましい。
【0050】また、本実施の形態2では、更に、右前輪
FRがアンチスキッド制御中であって、左後輪RLが未
だアンチスキッド制御に入っていない場合においては、
管路部位A2において、ポンプ601によってマスタシ
リンダ503以上に上昇したブレーキ液圧は、連通状態
にある増圧制御弁801を介して左後輪RLのホイール
シリンダ505へ伝達され、左後輪RLのホイールシリ
ンダ505(第2車輪制動力発生手段)の制動力の上昇
を補助するので、より制動効率が向上する。
【0051】本実施の形態2において、図5のブレーキ
制御処理がブレーキ液圧調整手段としての処理に該当
し、ステップS11000、S12000およびS14
000が路面限界推定手段としての処理に該当し、ステ
ップS14500が報知手段としての処理に該当する。
また、比例制御弁610およびポンプ601が圧力増幅
手段に該当する。
【0052】[その他]前記各実施の形態は、前輪駆動
の4輪車において、右前輪FR-左後輪RL、左前輪一
右後輪の各配管系統を備えるX配管の車両に関する例で
あったが、後輪駆動でも、2輪車でも、他の2系統ブレ
ーキシステム(例えば、前後2系統システム等)でも、
本発明は適用可能である。
【0053】前記各実施の形態では、アンチスキッド制
御の開始が、乗員の制動操作に伴って車輪の制動状態が
路面限界または路面限界の近傍に達したとしていたが、
アンチスキッド制御をしていなくても、単に路面限界
を、車輪のスリップ状態、車輪速度、加速度等の挙動か
ら判断して、路面限界あるいはその近傍であると判断し
たらブレーキペダルの反力を低減させるようにしても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を示すブレーキ配管モデル図で
ある。
【図2】 実施の形態1におけるアンチスキッドシステ
ム用電子制御装置によるブレーキ制御処理のフローチャ
ートである。
【図3】 ポンプのモータオフ制御処理のフローチャー
トである。
【図4】 実施の形態2を示すブレーキ配管モデル図で
ある。
【図5】 実施の形態2におけるアンチスキッドシステ
ム用電子制御装置によるブレーキ制御処理のフローチャ
ートである。
【図6】 比例制御弁の機能説明図である。
【符号の説明】
1…ブレーキペダル 3…マスタシリンダ 3a…マスタリザーバ 4,5…ホイールシリンダ 100…アンチスキッドシステム 101…ポンプ 2
00…リザーバ 200B…リザーバ孔 300,301…増圧制御弁 302,303…減圧制御弁 400…比例制御弁 501…ブレーキペダル 503…マスタシリンダ 503a…マスタリザーバ 504,505…ホイール
シリンダ 600…アンチスキッドシステム 601…ポンプ 610…比例制御弁 700…リザーバ 700A…リ
ザーバ孔 700B…リザーバ孔 700C…リザーバ室 701
…ボール弁 702…弁座 703…ロッド 704…ピストン 800,801…増圧制御弁 802,803…減圧制
御弁 900…比例制御弁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗員の制動操作に伴って車輪の制動状態が
    路面限界または路面限界の近傍に達すると、乗員の制動
    操作に対する反力を低減して、当該乗員に路面限界を感
    知させることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】車両に制動力を加えるべく乗員により押圧
    操作される操作部材と、 前記操作部材に対する操作状態に応じたブレーキ液圧を
    発生するブレーキ液圧発生手段と、 前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて
    車輪に制動力を発生させる車輪制動力発生手段と、 前記ブレーキ液圧発生手段と前記車輪制動力発生手段と
    を連通する管路と、 前記車輪の制動状態における路面限界を推定する路面限
    界推定手段と、 前記路面限界推定手段によって路面限界と判定される
    と、前記乗員による前記操作部材の操作に対して生じる
    反力を低減することによって、当該乗員に路面限界を報
    知する報知手段と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用ブレー
    キ装置。
  3. 【請求項3】車両に制動力を加えるべく乗員により押圧
    操作される操作部材と、 前記操作部材に対する操作状態に応じたブレーキ液圧を
    発生するブレーキ液圧発生手段と、 前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて
    車輪に制動力を発生させる車輪制動力発生手段と、 前記ブレーキ液圧発生手段と前記車輪制動力発生手段と
    を連通する管路と、 前記車輪の制動状態を最適に調整すべく、当該車輪の制
    動状態における路面限界に対応して前記車輪制動力発生
    手段にかかるブレーキ液圧を調整するブレーキ液圧調整
    手段と、 前記ブレーキ液圧調整手段によって前記車輪制動力発生
    手段にかかるブレーキ液圧が調整される際に、前記乗員
    による前記操作部材の操作に対して生じる反力を低減す
    ることによって、当該乗員に路面限界を報知する報知手
    段と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用ブレー
    キ装置。
  4. 【請求項4】前記報知手段が、 前記ブレーキ液圧発生手段にて発生しているブレーキ液
    圧を所定圧減圧することにより、前記反力を低減するこ
    とを特徴とする請求項2または3記載の車両用ブレーキ
    装置。
  5. 【請求項5】更に、 前記ブレーキ液圧調整手段がブレーキ液圧を減圧調整す
    る場合に、減圧分のブレーキ液を収容する収容手段を備
    えると共に、 前記報知手段が、前記ブレーキ液圧発生手段にブレーキ
    液圧を生じさせているブレーキ液の一部を前記収容手段
    に収容することにより、前記反力を低減することを特徴
    とする請求項3記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】前記ブレーキ液圧調整手段が、前記管路に
    配置され非調整時および増圧調整時には前記管路を連通
    し減圧時には遮断する増圧制御弁と、前記管路から前記
    収容手段への減圧用管路に配置され減圧調整時には前記
    減圧用管路を連通し増圧調整時および非調整時には遮断
    する減圧制御弁とを備えるとともに、 前記報知手段が、前記減圧制御弁を連通状態にすること
    により、前記ブレーキ液圧発生手段にブレーキ液圧を生
    じさせているブレーキ液の一部を前記収容手段に収容し
    て、前記反力を低減することを特徴とする請求項5記載
    の車両用ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】更に、 前記管路に設けられ、前記ブレーキ液圧発生手段により
    第1のブレーキ液圧が発生された際にこの第1のブレー
    キ液圧となる第1の管路部位と、前記第1のブレーキ液
    圧よりも高められた第2のブレーキ液圧をとなり得る第
    2の管路部位とに区分する差圧手段と、 前記第1のブレーキ液圧の発生時に、前記第1の管路部
    位において前記第1のブレーキ液圧を発生させているブ
    レーキ液を所定量減少し、この所定量の減少分のブレー
    キ液を用いて前記第2の管路部位を前記第2のブレーキ
    液圧に増圧する圧力増幅手段と、 を備えるとともに、 前記報知手段が、前記圧力増幅手段を駆動して前記第1
    の管路部位において前記第1のブレーキ液圧を発生させ
    ているブレーキ液を所定量減少することにより、前記反
    力を低減して、当該乗員に路面限界を報知することを特
    徴とする請求項2〜6のいずれか記載の車両用ブレーキ
    装置。
  8. 【請求項8】更に、 前記第2の管路部位からブレーキ液圧を受けて第2の車
    輪に車輪制動力を発生する第2車輪制動力発生手段を備
    え、 前記報知手段により前記圧力増幅手段が駆動される際
    に、前記圧力増幅手段による前記第2の管路部位の増圧
    により、前記第2車輪制動力発生手段が前記第2のブレ
    ーキ液圧に増圧されることを特徴とする請求項7記載の
    車両用ブレーキ装置。
  9. 【請求項9】前記路面限界が、車輪のスリップ状態から
    判断されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記
    載の車両用ブレーキ装置。
JP10593296A 1996-04-25 1996-04-25 車両用ブレーキ装置 Pending JPH09290728A (ja)

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DE69723759T DE69723759T2 (de) 1996-04-25 1997-04-25 Bremsanlage für Kraftfahrzeuge
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