JPH09290590A - ポケットアルバム及びフィルムカートリッジの収納箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルムカートリッジを収納した収納箱をポケ
ットアルバムと一緒に保管できるようにする。また、収
納箱自体を折り畳み可能として保管場所の抑制を図る。 【解決手段】表紙中央に折り目と仮折り目を設けて左右
をほぼ同じ幅の表表紙及び裏表紙とし、この折り目上に
ポケット台紙を綴じ付けたうえ二つ折りにしてポケット
アルバムを構成する。収納箱は、角筒を構成してその二
辺のみに側面板を接合し、側面板には折曲部を設け、角
筒の他の開口は蓋片で開閉可能に閉止し、離型紙で被覆
した接着部を設ける。さらに上記ポケットアルバムと収
納箱を組み合わせ、表紙裏面に収納箱を貼付する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、下述する新写真
処理システムにおいて使用されるフィルムカートリッジ
を収納する収納箱の貼付場所を設けると共に綴厚に応じ
て背表紙を形成できるようにしたポケットアルバムと、
このポケットアルバムに貼付する折り畳み式の収納箱に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、レンズ付きフィルムやコンパクト
カメラ等の普及により、写真撮影の機会が大幅に増えて
いる。これらの写真は通常いわゆるミニラボやＤＰＥ取
次店等によって現像、焼き付け処理がされた後、プリン
ト写真は例えば二つ折りにした表紙の折り目に複数のポ
ケット台紙を綴じ付けた簡易なポケットアルバムと共に
返却され、一方、現像済みのネガフィルムは適当なコマ
数に切断し、別途扁平なネガシートに収納して顧客に返
却されていた。

【０００３】ところで最近、「アドバンスト・フォト・
システム」と呼ばれる新写真処理システムが提唱されて
いる。この新写真処理システムは、従来の３５ミリフィ
ルムに代えて小型の新型フィルムと、これに対応するカ
メラを使用して撮影するもので、フィルムは特殊なカー
トリッジに収納されている。そして、現像処理されたネ
ガフィルムは、従来のようにネガシートに収納して返却
されるのではなく、再度フィルムカートリッジに長尺の
まま収納した状態で顧客に返却されるものである。

【０００４】上記システムでは顧客が従来のようにネガ
フィルムを直接確認することができないから、個々のフ
ィルムカートリッジには固有のＩＤ番号が付されると共
に、ネガフィルムに写っている全画像を印画紙にプリン
トした「インデックスプリント」がこのフィルムカート
リッジに添付され、顧客はこのＩＤ番号とインデックス
プリントを参照して焼き増し等の注文を行うことにな
る。従って、ＤＰＥ取次店等ではプリント写真やインデ
ックスプリントと上記フィルムカートリッジはできるだ
け一緒にして顧客に返却することが望ましく、また、顧
客も各家庭でプリント写真等をアルバムに整理すると
き、両者を一緒に整理、保管することが好ましい。

【０００５】そこで、このような現像済みネガフィルム
のカートリッジをプリント写真と一緒に収納できるよう
にした簡易なポケットアルバムが、例えば特開平７−４
７７８６号公報に開示されている。このアルバムは、複
数枚の台紙を、予め一定幅に形成した背表紙を有する表
紙間に綴じ込んでブック状のアルバムとする一方、表表
紙の下端に矩形片を設け、これを内方に折り曲げて先端
を表紙の内壁面に接着して三角筒状の収納部を台紙の下
方に形成すると共に、収納部の一部に切り目を設けて該
部で折り込み、収納したフィルムカートリッジを保持し
得るようにしたものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このカ
ートリッジが収納可能なポケットアルバムは、プリント
写真やフィルムカートリッジを収納してアルバムを閉じ
た状態でアルバムが均等な厚さになるような幅の背表紙
を設け、この背表紙にポケット台紙を綴じ付けたもので
あるから、プリント写真を収納していない状態では背表
紙側のみに厚みのある楔形となり、保管場所を大きく占
有するものであった。又、フィルムカートリッジは、表
表紙に設けた矩形片を折曲して形成する三角筒状の収納
部に収納するものであるから、１冊のアルバムには１本
しか収納できないものであった。

【０００７】さらに、上記収納部に設けた切れ目を単に
折り込んでフィルムカートリッジの動きを規制するもの
であるから、何らかの原因で折り込みが解除されてフィ
ルムカートリッジを不用意に脱落させてしまうおそれが
あり、また表紙端部と一体に収納部が設けられているた
め、取扱中に収納部が何かにひっかかって引っ張られる
と、表紙自体を破損してしまうおそれがあった。

【０００８】本発明は上記実情に鑑み発明されたもの
で、ポケットアルバム本体を、通常状態では扁平な形状
として保管場所をとらないようにすると共に、フィルム
カートリッジを収納した収納箱を一緒に保管する場合に
はその綴厚に応じて背表紙幅を設定できるようにするこ
とを目的とするものである。

【０００９】また、フィルムカートリッジを完全な箱体
に収納するようにして、カートリッジの不用意な脱落を
防止すると共に、箱体自体を折り畳み式として未使用時
に余分なスペースをとらないようにすることを目的とす
るものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記各課題を
解決するため、表紙中央に折り目、及び仮折り目を互い
に平行に設けてその左右をほぼ同じ幅の表表紙及び裏表
紙とし、上記折り目上に複数のポケット台紙を綴じ付け
たうえこの折り目で二つ折りにしてポケットアルバムを
構成したものである。

【００１１】上記ポケットアルバムは、表紙及び台紙を
綴じ合わせた折り目で二つ折りにされているから、未使
用の状態では扁平な形状となって、保管場所を大きく占
有しないものである。

【００１２】一方、フィルムカートリッジの収納箱は、
折線を介して折曲可能に連設した底面板、背面板、上面
板、前面板で角筒を構成し、底面板、背面板、上面板、
前面板の何れかを折曲可能に延長してなる側面板を隣り
合う二面の何れか一方と接合して角筒の開口を閉止し、
側面板の接合辺の交点を起点として対角４５度の方向に
折曲部を設け、角筒の他方の開口は先端に差込片を有し
背面板、上面板、前面板の何れかに連設した蓋片で開閉
可能とし、底面板には離型紙で被覆した接着部を設けた
ものである。

【００１３】この収納箱は、底面板に設けた接着部によ
ってアルバムの表紙裏面に貼着可能であり、また、側面
板を折曲部で二つ折りにすることによって、扁平な形状
に折り畳むことができる一方、差込片を筒体の開口に挿
入して閉止したときは、完全な箱体となってフィルムカ
ートリッジを確実に収納保持できるものである。

【００１４】さらに、上記ポケットアルバムの仮折り目
側の表紙の内面に上記フィルムカートリッジの収納箱を
貼付するようにしてフィルムカートリッジ収納箱付きポ
ケットアルバムを構成した。

【００１５】上記構成のポケットアルバムとフィルムカ
ートリッジの収納箱を組み合わせることによって、通常
は両者共に扁平な形状のままで保管しておくことが可能
である。また、使用時に起立させた収納箱にフィルムカ
ートリッジを収納したうえ接着部を介して上記ポケット
アルバムの表紙の内面に貼着し、仮折り目を介して背表
紙を起立形成すれば、プリント写真によって厚みの増え
たポケット台紙及び収納箱の厚みに対応したブック型ア
ルバムとして利用できるものである。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるポケットア
ルバム及びフィルムカートリッジの収納箱を、図面に示
す実施の形態に基づいてさらに詳述する。図１及び図２
において、１は例えば薄板紙からなる表紙で、ほぼ中央
に互いに平行に折り目２、及び仮折り目３を設け、該部
で折曲することで表表紙１ａ、裏表紙１ｂ、及び背表紙
１ｃを形成し得るようにしたものである。この折り目２
と仮折り目３は、各表紙を起立させブック状とした状態
で表表紙１ａと裏表紙１ｂとが同じ奥行き幅となるよう
な位置に設ける。また、背表紙１ｃの幅（即ち、折り目
２と仮折り目３の間隔）は、下述するポケット台紙４に
プリント写真を収納した場合の台紙全体の厚み及びフィ
ルムカートリッジの収納箱の起立後の厚みを考慮して選
定されるものである（図３（Ｂ）参照）。

【００１７】また、４は台紙片５を左右から例えばセロ
ハン等の透明フィルム６で被覆し、角隅部及び中央部等
に溶着部６ａを設けてプリント写真を収納する複数のポ
ケット４ａを構成したうえ、中央に設けた折り目７で二
つ折り可能としたいわゆるポケット台紙である。

【００１８】このポケット台紙４の折り目７を上記表紙
１の折り目２と合わせて、複数枚をステープラー等で上
記表紙１に綴じ付け（図２参照）、折り目２で二つ折り
にしてポケットアルバム本体１０を形成する。このとき
仮折り目３は折曲しないでおく。従って、未使用の状態
では見かけ上、折り目２を境にして表裏の表紙幅が異な
った状態で扁平な形状となり（図３（Ａ）参照）、この
種アルバムの保管スペースを最小限に抑制できるもので
ある。

【００１９】なお、８は上記裏表紙１ｂの内面に印刷等
した貼付枠で、下述するフィルムカートリッジの収納箱
９を貼付する位置を表示するものである。

【００２０】次に上記フィルムカートリッジの収納箱９
の具体的構成について説明する。図４に示した展開図に
おいて、１１は底面板、１２は背面板、１３は上面板、
１４は前面板で折線を介して互いに折曲可能に連設した
ものである。前面板１４の下端には糊代１５を連設し、
また、前面板１４の右側縁には糊代１６を連設してい
る。１７は背面板１２の左側縁に折曲可能に連設した蓋
片でその先端にさらに差込片１８を連設している。１９
は上面板１３の右側縁に折曲可能に連設した側面板であ
って、その連設辺及び糊代１６で貼着する辺の交点１９
ａを起点として対角４５度の方向に折曲部２０を設けて
いる。

【００２１】また、底面板１１には離型紙２１で被覆し
た接着部２２を設けて上記アルバム本体の裏表紙１ｂに
貼着可能とする。上面板１３にはフィルムカートリッジ
の有無やＩＤ番号の確認等のための窓２３を穿設してい
る。一方、前面板１４には蓋片１７の開閉のため差込片
１８の一部を露出させる切欠２４を設けている。

【００２２】この収納箱を組み立てるには、糊代１５を
底面板１１に接着して角筒とし、さらに側面板１９の一
辺と糊代１６を接着して上記角筒の一方の開口を閉止す
るのであるが、側面板１９の他の二辺はいずれの面とも
接着しないでおく。差込片１８を介して蓋片１７で他方
の開口を閉止すれば立体的なフィルムカートリッジの収
納箱９となる（図５（Ａ）、（Ｂ）参照）。上記収納箱
９は蓋片１７を開いた状態で底面板１１を下にして上か
ら押圧すると、図５（Ｃ）に示すように、側面板１９が
折曲部２０を介して三角形状に二つ折りになって角筒内
に納まり（或いは角筒の外に突出して）、全体を扁平形
状に折り畳むことが可能である。また、前面板１４を引
き起こすことで、直ちに立体的な収納箱となる。

【００２３】なお、上記側面板１９と角筒が接合する辺
は上記実施の形態に限らず、底面板、背面板、上面板、
前面板のうち何れかの隣り合う二面と接合すればよく、
接合辺の交点を起点として接合辺に対して４５度の方向
に折曲部を設けて二つ折りに折曲できるようにしておけ
ば、収納箱９は折り畳み可能となる。

【００２４】このポケットアルバムは主にＤＰＥ取次店
等で顧客に対するサービス品として使用するものである
が、使用開始までは、上記収納箱９は角筒状に組み立て
たうえ扁平に折り畳んでおき、所望の数を例えばポケッ
トアルバム本体１０のポケット台紙４のポケット部４ａ
に収納、添付しておく。従って、この状態ではアルバム
本体も収納箱も扁平であるから、極端に厚くならない
（図３（Ａ）参照）。

【００２５】ＤＰＥ取次店等で、現像依頼された写真を
顧客に返却するとき、このポケットアルバムを添えてプ
リント写真やネガフィルムを顧客に返却するのである
が、ＤＰＥ取次店或いは顧客は、プリント写真を台紙４
の各ポケット４ａに収納、整理し、一方フィルムカート
リッジ（Ｆ）は収納箱９に収納したうえ、底面板１１の
離型紙２１を剥離して接着部２２を露出させ、アルバム
裏表紙１ｂに設けられた貼付枠８に従って収納箱９を貼
付する。このような状態では、ポケット台紙４の厚みが
収納したプリント写真によって増しているから、上記仮
折り目３を利用して背表紙１ｃを起立させると、図３
（Ｂ）に示すようにポケット台紙４及び収納箱９の厚み
を吸収してブック状のアルバムとして本棚等に整理保管
できる形状となる。

【００２６】フィルムカートリッジ（Ｆ）が複数本ある
場合でも、フィルムカートリッジ（Ｆ）を収納した収納
箱９を裏表紙１ｂの他の貼付枠８に貼付すればまとめて
整理保管でき、又後日別のプリント写真やフィルムカー
トリッジを追加してまとめて整理保管することも可能で
あり、いずれにしてもプリント写真等とフィルムカート
リッジを常に一緒に保管できるから散逸等のおそれが生
じないものである。

【００２７】なお、上記実施の形態において、表紙に綴
じ込んだポケット台紙４は片面に２枚の写真を収納する
場合を図示しているが、これに限定するものではなく、
片面に縦に３枚、或いは田の字状に４枚収納できるよう
にした台紙、またはパノラマ写真を併せて収納できるよ
うにした台紙等、従来公知の種々のポケット台紙が幅広
く利用できるもので、その台紙の大きさや綴込枚数に応
じて表紙の大きさや、背表紙の幅が決定されるものであ
る。

【００２８】また、仮折り目３は折り目２との間隔を変
えて複数設けることも可能であり、この場合、ポケット
に収納する写真の枚数によってポケット台紙全体の厚さ
が変化することに対応して、背表紙の幅を段階的に変更
できる。

【００２９】さらに、収納箱９の貼付枠８及び添付する
収納箱９の数は任意であり、収納箱９は予め裏表紙１ｂ
の各貼付枠８に貼付しておいてもよい。

【００３０】

【発明の効果】以上述べたように、本発明にかかるポケ
ットアルバムは、未使用の状態では収納箱も含めて扁平
な形状であるから、大きな保管場所を必要とせず、一
方、写真を収納した状態では、フィルムカートリッジを
収納した収納箱を一緒に保管してカートリッジの散逸を
防止できると共に、背表紙を起立することでポケット台
紙及び収納箱の厚みを吸収してブック状のアルバムとし
て本棚等に整理保管できる形状となるなど、種々の効果
が期待できる優れた発明である。

【００３１】また、フィルムカートリッジの収納箱は折
り畳み可能であると共に、蓋片で開口を確実に閉止で
き、さらに裏表紙の内面に貼着、保持するものであるか
ら、カートリッジを確実に収納して不用意に脱落するお
それがなく、収納箱自体が表紙から外れてしまうおそれ
もない。

【００３２】さらに、ポケット台紙自体は設計変更の必
要がなく、従来公知のポケット台紙をそのまま使用でき
ると共に、従来より僅かに大きな表紙に仮折り目を施し
て台紙を綴じ付けるだけでポケットアルバム本体を構成
できるから、同じく簡単な構造で折り畳み可能とした収
納箱と併せて、ポケットアルバムを安価に提供できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるフィルムカートリッジ収納箱付
きポケットアルバムの斜視図

【図２】ポケットアルバム本体の構成を示す説明斜視図

【図３】（Ａ）はポケットアルバム本体の未使用状態の
横断面図、（Ｂ）は使用時の一例を示す横断面図

【図４】フィルムカートリッジの収納箱の一例を示す展
開図

【図５】（Ａ）、（Ｂ）は組み立てた収納箱の斜視図、
（Ｃ）は収納箱を折り畳んだ状態を示す斜視図

【符号の説明】

１ 表紙 １ａ 表表紙 １ｂ 裏表紙 １ｃ 背表紙 ２ 折り目 ３ 仮折り目 ４ ポケット台紙 ９ 収納箱 １０ ポケットアルバム本体 １１ 底面板 １２ 背面板 １３ 上面板 １４ 前面板 １７ 蓋片 １８ 差込片 １９ 側面板 ２０ 折曲部 ２１ 離型紙 ２２ 接着部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表紙中央に折り目、及び仮折り目を互いに
   平行に設けてその左右をほぼ同じ幅の表表紙及び裏表紙
   とし、上記折り目上に複数のポケット台紙を綴じ付けた
   うえ該折り目で二つ折りにしたことを特徴とするポケッ
   トアルバム。
2. 【請求項２】折線を介して折曲可能に連設した底面板、
   背面板、上面板、前面板で角筒を構成し、底面板、背面
   板、上面板、前面板の何れかを折曲可能に延長してなる
   側面板を隣り合う二面の何れか一方と接合して角筒の開
   口を閉止し、側面板の接合辺の交点を起点として対角４
   ５度の方向に折曲部を設け、角筒の他方の開口は先端に
   差込片を有し背面板、上面板、前面板の何れかに連設し
   た蓋片で開閉可能とし、底面板には離型紙で被覆した接
   着部を設けたことを特徴とするフィルムカートリッジの
   収納箱。
3. 【請求項３】請求項１記載のポケットアルバムの仮折り
   目側の表紙の内面に請求項２記載のフィルムカートリッ
   ジの収納箱を貼付することを特徴とするフィルムカート
   リッジ収納箱付きポケットアルバム。