JPH09290356A - 超音波振動を用いた平面トラバース研削装置 - Google Patents
超音波振動を用いた平面トラバース研削装置Info
- Publication number
- JPH09290356A JPH09290356A JP8102785A JP10278596A JPH09290356A JP H09290356 A JPH09290356 A JP H09290356A JP 8102785 A JP8102785 A JP 8102785A JP 10278596 A JP10278596 A JP 10278596A JP H09290356 A JPH09290356 A JP H09290356A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- grindstone
- vibration
- traverse grinding
- horn
- grinding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】超音波振動による衝撃破砕作用を利用して、平
面トラバース研削加工を行うことができる平面トラバー
ス研削装置を提供する。 【解決手段】平面トラバース研削装置において、砥石1
に、回転駆動装置7の回転軸の方向の振動を与えるため
の超音波振動装置4、6が取り付ける。砥石は、振動方
向変換部材2と、砥石部材3とを有する。振動方向変換
部材2は、与えられた回転軸方向の振動の少なくとも一
部を、回転軸に垂直な方向の振動に変換し、砥石部材3
に伝える。
面トラバース研削加工を行うことができる平面トラバー
ス研削装置を提供する。 【解決手段】平面トラバース研削装置において、砥石1
に、回転駆動装置7の回転軸の方向の振動を与えるため
の超音波振動装置4、6が取り付ける。砥石は、振動方
向変換部材2と、砥石部材3とを有する。振動方向変換
部材2は、与えられた回転軸方向の振動の少なくとも一
部を、回転軸に垂直な方向の振動に変換し、砥石部材3
に伝える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面トラバース研
削加工装置に関し、特に、セラミックスなどの硬脆材料
の高精度・高能率な加工に適した平面トラバース研削加
工装置に関する。
削加工装置に関し、特に、セラミックスなどの硬脆材料
の高精度・高能率な加工に適した平面トラバース研削加
工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大面積の平面の研削加工を高精度に行う
方法として、比較的大きな直径を持つ円盤状のダイヤモ
ンドホイール砥石を用いてトラバース研削加工を行う方
法が知られている。トラバース研削加工は、円盤状の砥
石の主平面を、被加工物の加工面に対して垂直に保ちな
がら、砥石を回転させ、砥石の縁を被加工物に接触させ
て被加工物に切り込ませ、この状態で、砥石の切り込ん
だ部分を被加工物の加工すべき平面上で移動させて、加
工面を平面に加工する方法である。
方法として、比較的大きな直径を持つ円盤状のダイヤモ
ンドホイール砥石を用いてトラバース研削加工を行う方
法が知られている。トラバース研削加工は、円盤状の砥
石の主平面を、被加工物の加工面に対して垂直に保ちな
がら、砥石を回転させ、砥石の縁を被加工物に接触させ
て被加工物に切り込ませ、この状態で、砥石の切り込ん
だ部分を被加工物の加工すべき平面上で移動させて、加
工面を平面に加工する方法である。
【0003】一方、ファイン・セラミックス(以下、セ
ラミックスと略す)のような硬くて脆い材料の加工に
は、超音波振動を付加したダイヤモンド砥石を用いた超
音波研削加工が有効であることは、以前より知られてい
る。
ラミックスと略す)のような硬くて脆い材料の加工に
は、超音波振動を付加したダイヤモンド砥石を用いた超
音波研削加工が有効であることは、以前より知られてい
る。
【0004】この超音波研削加工に用いられる加工工具
は、一般にホーンと呼ばれる超音波振動体と、ホーンの
先端に取り付けられたダイヤモンド砥石とを備える。研
削加工を行う際には、超音波振動発生装置によって、ホ
ーンを振動させ、ダイヤモンド砥石に、加工面(被加工
物に対し研削を行う面)と直交する方向の振動を与え
る。これにより、ダイヤモンド砥石の砥粒が振動して被
加工物に衝撃を与え、被加工物を破砕する。これを衝撃
破砕効果という。この破砕により、被加工物の除去(研
削)が行われる。このような超音波研削加工は、セラミ
ックス等の穴あけ、溝加工において広く実施されてい
る。加工工具としては、通常、棒状のものが用いられ、
振動方向を軸方向に一致させている。
は、一般にホーンと呼ばれる超音波振動体と、ホーンの
先端に取り付けられたダイヤモンド砥石とを備える。研
削加工を行う際には、超音波振動発生装置によって、ホ
ーンを振動させ、ダイヤモンド砥石に、加工面(被加工
物に対し研削を行う面)と直交する方向の振動を与え
る。これにより、ダイヤモンド砥石の砥粒が振動して被
加工物に衝撃を与え、被加工物を破砕する。これを衝撃
破砕効果という。この破砕により、被加工物の除去(研
削)が行われる。このような超音波研削加工は、セラミ
ックス等の穴あけ、溝加工において広く実施されてい
る。加工工具としては、通常、棒状のものが用いられ、
振動方向を軸方向に一致させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のトラバース研削
加工は、上述のように円盤状の砥石を被加工物に切り込
んだ状態で被加工物の加工面上を移動させる。この加工
方法によってセラミックスを加工すると、砥石の砥粒が
セラミックスに食い込むのに大きな力を要するために、
大きな研削抵抗が生じる。この研削抵抗の背分力(加工
面の法線方向に砥石を押し戻す力)が、砥石を支持して
いる軸部材等に加わるため、軸部材に弾性変形が生じ、
加工精度が低減してしまうという問題があった。また、
砥石の磨耗が大きく、加工効率が低くなるという問題も
あった。
加工は、上述のように円盤状の砥石を被加工物に切り込
んだ状態で被加工物の加工面上を移動させる。この加工
方法によってセラミックスを加工すると、砥石の砥粒が
セラミックスに食い込むのに大きな力を要するために、
大きな研削抵抗が生じる。この研削抵抗の背分力(加工
面の法線方向に砥石を押し戻す力)が、砥石を支持して
いる軸部材等に加わるため、軸部材に弾性変形が生じ、
加工精度が低減してしまうという問題があった。また、
砥石の磨耗が大きく、加工効率が低くなるという問題も
あった。
【0006】一方、超音波研削加工は、上述のように衝
撃破砕効果が得られるため、砥粒が被加工物に食い込み
やすいという特徴がある。したがって、トラバース研削
加工の円盤状の砥石を超音波研削加工を応用することに
より、上述の問題が軽減できると考えられる。しかしな
がら、超音波研削加工は、砥石の振動方向と被加工物の
加工面とが直交するときに、前述の衝撃破砕効果が最も
良く現れて効率良く研削が行うことができるため、トラ
バース研削加工に超音波研削を応用するためには、砥石
を、回転軸方向に垂直に振動させなければならないとい
う問題がある。というのは、砥石の軸部材には、回転駆
動装置が取り付けられているため、重量が大きく、この
ような重量の大きなものを超音波振動させるのは非常に
困難であるためである。さらに、砥石の軸部材は回転し
ているため、このような回転物を支持して超音波振動を
伝えるのも非常に困難である。このように、砥石を回転
軸方向に垂直に超音波振動させるのは、非常に困難であ
るため、従来、トラバース研削加工に超音波研削加工を
組み合わせた装置を実現することができなかった。
撃破砕効果が得られるため、砥粒が被加工物に食い込み
やすいという特徴がある。したがって、トラバース研削
加工の円盤状の砥石を超音波研削加工を応用することに
より、上述の問題が軽減できると考えられる。しかしな
がら、超音波研削加工は、砥石の振動方向と被加工物の
加工面とが直交するときに、前述の衝撃破砕効果が最も
良く現れて効率良く研削が行うことができるため、トラ
バース研削加工に超音波研削を応用するためには、砥石
を、回転軸方向に垂直に振動させなければならないとい
う問題がある。というのは、砥石の軸部材には、回転駆
動装置が取り付けられているため、重量が大きく、この
ような重量の大きなものを超音波振動させるのは非常に
困難であるためである。さらに、砥石の軸部材は回転し
ているため、このような回転物を支持して超音波振動を
伝えるのも非常に困難である。このように、砥石を回転
軸方向に垂直に超音波振動させるのは、非常に困難であ
るため、従来、トラバース研削加工に超音波研削加工を
組み合わせた装置を実現することができなかった。
【0007】本発明は、砥石を回転軸方向に垂直に超音
波振動させることのできるトラバース研削加工装置を提
供することを目的とする。
波振動させることのできるトラバース研削加工装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、以下のような平面トラバース研削
装置を提供する。
に、本発明によれば、以下のような平面トラバース研削
装置を提供する。
【0009】すなわち、被加工物を搭載するためのテー
ブルと、回転体形状の砥石と、前記砥石を回転させる回
転駆動部と、前記砥石の縁の一部を前記被加工物の表面
に接触させるために、前記砥石を前記被加工物に相対的
に接近させる接近駆動部と、前記被加工物に接触してい
る砥石の縁を前記被加工物の加工すべき面上で相対的に
移動させる平面駆動部とを有する平面トラバース研削装
置において、前記砥石には、該砥石に回転軸方向の振動
を与えるための超音波振動発生部が取り付けられ、前記
砥石は、振動方向変換部材と、前記振動方向変換部材に
取り付けられた砥石部材とを有し、前記振動方向変換部
材は、前記超音波振動発生部から与えられた回転軸方向
の振動の少なくとも一部を、前記回転軸に垂直な方向の
振動に変換して、前記砥石部材に伝える平面トラバース
研削装置である。
ブルと、回転体形状の砥石と、前記砥石を回転させる回
転駆動部と、前記砥石の縁の一部を前記被加工物の表面
に接触させるために、前記砥石を前記被加工物に相対的
に接近させる接近駆動部と、前記被加工物に接触してい
る砥石の縁を前記被加工物の加工すべき面上で相対的に
移動させる平面駆動部とを有する平面トラバース研削装
置において、前記砥石には、該砥石に回転軸方向の振動
を与えるための超音波振動発生部が取り付けられ、前記
砥石は、振動方向変換部材と、前記振動方向変換部材に
取り付けられた砥石部材とを有し、前記振動方向変換部
材は、前記超音波振動発生部から与えられた回転軸方向
の振動の少なくとも一部を、前記回転軸に垂直な方向の
振動に変換して、前記砥石部材に伝える平面トラバース
研削装置である。
【0010】本発明の平面トラバース研削装置では、砥
石が、振動方向変換部材を有し、これが回転軸方向の超
音波振動を、回転軸方向に垂直な振動に変換する。した
がって、砥石部材を回転軸方向に垂直に振動させること
ができ、トラバース研削に超音波加工技術を適用するこ
とが可能になる。振動方向変換部材に与える超音波振動
の方向は、回転軸方向であるため、装置構成も容易であ
る。
石が、振動方向変換部材を有し、これが回転軸方向の超
音波振動を、回転軸方向に垂直な振動に変換する。した
がって、砥石部材を回転軸方向に垂直に振動させること
ができ、トラバース研削に超音波加工技術を適用するこ
とが可能になる。振動方向変換部材に与える超音波振動
の方向は、回転軸方向であるため、装置構成も容易であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態の平面トラ
バース研削装置について図面を用いて説明する。
バース研削装置について図面を用いて説明する。
【0012】まず、図3を用いて本実施の形態の平面ト
ラバース研削装置の全体の構成について説明する。
ラバース研削装置の全体の構成について説明する。
【0013】砥石は、カップ型のカップ砥石であり、カ
ップ砥石1には、振幅拡大ホーン4の一端が取り付けら
れ、これにより支持される。振幅拡大ホーン4の軸方向
は、カップ砥石2の軸方向と一致するように取り付けら
れている。この軸は、被加工物5の加工面に平行なy軸
方向に向けられている。振幅拡大ホーン4は、研削主軸
となる。
ップ砥石1には、振幅拡大ホーン4の一端が取り付けら
れ、これにより支持される。振幅拡大ホーン4の軸方向
は、カップ砥石2の軸方向と一致するように取り付けら
れている。この軸は、被加工物5の加工面に平行なy軸
方向に向けられている。振幅拡大ホーン4は、研削主軸
となる。
【0014】振幅拡大ホーン4の他端には、超音波励振
源となるボルト締めランジュバン型振動子6が取り付け
られている。また、振幅拡大ホーン4の振動節(振幅が
零となる点)には、フランジ11が取り付けられ、フラ
ンジ11は、回転円筒14の内壁に取り付けられてい
る。回転円筒14には、回転駆動源7が軸継ぎ手10を
介して取り付けられている。また、回転円筒14は、ベ
アリング9を介して、支持部15に支持されている。
源となるボルト締めランジュバン型振動子6が取り付け
られている。また、振幅拡大ホーン4の振動節(振幅が
零となる点)には、フランジ11が取り付けられ、フラ
ンジ11は、回転円筒14の内壁に取り付けられてい
る。回転円筒14には、回転駆動源7が軸継ぎ手10を
介して取り付けられている。また、回転円筒14は、ベ
アリング9を介して、支持部15に支持されている。
【0015】被加工物5を搭載するためのワークテーブ
ル8には、ワークテーブルをx、y方向に駆動するため
の駆動装置12が接続される。また、支持部15には、
z方向駆動装置13が接続される。
ル8には、ワークテーブルをx、y方向に駆動するため
の駆動装置12が接続される。また、支持部15には、
z方向駆動装置13が接続される。
【0016】図1および図2を用いて、本実施の形態の
カップ砥石1の構成についてさらに説明する。カップ砥
石1は、椀型の工具台金2と、この工具台金2の開口部
の縁の外周側面に、銀ロウによりロウ付けされたリング
状の砥石部材3とにより構成される。砥石部材3は、高
強度で耐磨耗性に優れる鋳鉄系ボンド・ダイヤモンド砥
石からなる。ダイヤモンド砥石部材3の作業面3aは、
外周側面である。
カップ砥石1の構成についてさらに説明する。カップ砥
石1は、椀型の工具台金2と、この工具台金2の開口部
の縁の外周側面に、銀ロウによりロウ付けされたリング
状の砥石部材3とにより構成される。砥石部材3は、高
強度で耐磨耗性に優れる鋳鉄系ボンド・ダイヤモンド砥
石からなる。ダイヤモンド砥石部材3の作業面3aは、
外周側面である。
【0017】工具台金2は、図1および図2のように振
幅拡大ホーン4により椀の台座部21に与えられた回転
軸方向の振動が、工具台金2を伝わって縁22に達する
間に、軸方向に対して垂直な方向の振動に変換される形
状に設計されている。カップ砥石1の振動方向と被加工
物5の加工面とが直交している場合に、衝撃破砕効果が
最も効率よく得られるため、カップ砥石1の縁22で
は、振動のすべてが、軸方向に垂直な方向の振動に変換
されていることが望ましい。しかしながら、本発明の工
具台金2は、すべての振動の振動方向を変化する工具台
金2に限定されるものではない。すなわち、カップ砥石
1の縁22で回転軸方向に垂直な方向の振動が存在すれ
ば、衝撃破砕効果が得られるため、与えられた振動の少
なくとも一部が回転軸方向に垂直な方向の振動に変換さ
れる形状であればよい。
幅拡大ホーン4により椀の台座部21に与えられた回転
軸方向の振動が、工具台金2を伝わって縁22に達する
間に、軸方向に対して垂直な方向の振動に変換される形
状に設計されている。カップ砥石1の振動方向と被加工
物5の加工面とが直交している場合に、衝撃破砕効果が
最も効率よく得られるため、カップ砥石1の縁22で
は、振動のすべてが、軸方向に垂直な方向の振動に変換
されていることが望ましい。しかしながら、本発明の工
具台金2は、すべての振動の振動方向を変化する工具台
金2に限定されるものではない。すなわち、カップ砥石
1の縁22で回転軸方向に垂直な方向の振動が存在すれ
ば、衝撃破砕効果が得られるため、与えられた振動の少
なくとも一部が回転軸方向に垂直な方向の振動に変換さ
れる形状であればよい。
【0018】回転軸方向の振動が、回転軸方向に垂直な
振動に変換される割合は、工具台金2の形状に依存す
る。また、椀形状であれば、必ず、振動方向が変換され
るという訳ではない。したがって、本実施の形態では、
効率よく振動方向を変換することのできる工具台金の形
状を、予めシミュレーションにより求め、それを用い
る。
振動に変換される割合は、工具台金2の形状に依存す
る。また、椀形状であれば、必ず、振動方向が変換され
るという訳ではない。したがって、本実施の形態では、
効率よく振動方向を変換することのできる工具台金の形
状を、予めシミュレーションにより求め、それを用い
る。
【0019】また、カップ砥石1は、その共振周波数が
振幅拡大ホーン4の共振周波数と一致している場合に、
最も効率よく振幅拡大ホーン4の振動を受けとることが
できるため、工具台金2の形状を設計する際には、工具
台金2に砥石部材3を取り付けた形状での共振周波数も
シミュレーションし、これが振幅拡大ホーン4の共振周
波数と一致するような形状に設計する。
振幅拡大ホーン4の共振周波数と一致している場合に、
最も効率よく振幅拡大ホーン4の振動を受けとることが
できるため、工具台金2の形状を設計する際には、工具
台金2に砥石部材3を取り付けた形状での共振周波数も
シミュレーションし、これが振幅拡大ホーン4の共振周
波数と一致するような形状に設計する。
【0020】工具台金2の振動の方向や共振周波数をシ
ミュレーションする方法としては、既知の方法を用いる
ことができる。本実施の形態では有限要素方法による解
析値を用いて工具台金2の形状を設計している。
ミュレーションする方法としては、既知の方法を用いる
ことができる。本実施の形態では有限要素方法による解
析値を用いて工具台金2の形状を設計している。
【0021】また、工具台金2の材質は、超音波振動を
用いる研削に耐えられる強度のある材質であればどのよ
うな材料であってもよいが、本実施の形態では、鋼やア
ルミ合金を用いる。また、工具台金2と砥石部材3と
を、一体構造として、全体を砥石材料により構成するこ
ともできる。
用いる研削に耐えられる強度のある材質であればどのよ
うな材料であってもよいが、本実施の形態では、鋼やア
ルミ合金を用いる。また、工具台金2と砥石部材3と
を、一体構造として、全体を砥石材料により構成するこ
ともできる。
【0022】なお、本実施の形態では、図1および図2
のように椀形状の工具台金2を用いているため砥石1が
カップ型であるが、本発明は、カップ型の砥石1に限定
されるものではない。回転軸方向の振動を、回転軸方向
に垂直に変換でき、しかも、振幅拡大ホーン4の共振周
波数と一致する周波数を有し、回転により被加工物を研
削できる回転体形状であればどのような形状であっても
よい。
のように椀形状の工具台金2を用いているため砥石1が
カップ型であるが、本発明は、カップ型の砥石1に限定
されるものではない。回転軸方向の振動を、回転軸方向
に垂直に変換でき、しかも、振幅拡大ホーン4の共振周
波数と一致する周波数を有し、回転により被加工物を研
削できる回転体形状であればどのような形状であっても
よい。
【0023】なお、本実施の形態では、リング状の砥石
部材3の外径φ200mmで設計した。
部材3の外径φ200mmで設計した。
【0024】ここで、本実施の形態の平面トラバース研
削装置で、セラミックス等の被加工物5を平面研削加工
する際の動作について説明する。
削装置で、セラミックス等の被加工物5を平面研削加工
する際の動作について説明する。
【0025】まず、振動子6を動作させ、軸方向の超音
波振動を発生させる。振動は、ホーン4により振幅が拡
大され、カップ砥石1の工具台金2の台座部21に伝わ
る。この時点では、振動の方向は軸方向であるが、工具
台金2を伝わる間に振動方向が変換され、縁22に達し
たときには、軸に垂直な、カップ砥石1の開口の径方向
の振動に変換されている。つぎに、回転駆動源7を動作
させることにより、軸継ぎ手10を介して回転円筒14
を回転させると、回転円筒14に固定されているホーン
4が回転し、カップ砥石1が回転(自転)する。このと
き、回転円筒14とホーン4とを連結するフランジ11
は、ホーン4の振動節に取り付けられているため、回転
駆動によってホーン4の振動が妨げられることはない。
波振動を発生させる。振動は、ホーン4により振幅が拡
大され、カップ砥石1の工具台金2の台座部21に伝わ
る。この時点では、振動の方向は軸方向であるが、工具
台金2を伝わる間に振動方向が変換され、縁22に達し
たときには、軸に垂直な、カップ砥石1の開口の径方向
の振動に変換されている。つぎに、回転駆動源7を動作
させることにより、軸継ぎ手10を介して回転円筒14
を回転させると、回転円筒14に固定されているホーン
4が回転し、カップ砥石1が回転(自転)する。このと
き、回転円筒14とホーン4とを連結するフランジ11
は、ホーン4の振動節に取り付けられているため、回転
駆動によってホーン4の振動が妨げられることはない。
【0026】この後、z方向駆動装置13を動作させ
て、この回転(自転)している砥石1を被加工物5に対
して接近させる方向に移動させ、砥石部材3の作業面3
aを被加工物5の表面に一定量の切り込ませる。この状
態で、x、y方向駆動装置12を動作させ、被加工物5
をxy平面内で移動させると、被加工物5の表面が研削
加工され、表面がxy平面に平行な面に平面加工され
る。
て、この回転(自転)している砥石1を被加工物5に対
して接近させる方向に移動させ、砥石部材3の作業面3
aを被加工物5の表面に一定量の切り込ませる。この状
態で、x、y方向駆動装置12を動作させ、被加工物5
をxy平面内で移動させると、被加工物5の表面が研削
加工され、表面がxy平面に平行な面に平面加工され
る。
【0027】このとき、カップ砥石1の砥石部材3は、
回転軸に垂直な方向に超音波振動しているため、被加工
物5に切り込んでいる砥石部材3は、z方向に超音波振
動している。これにより、砥石部材3の砥粒を、被加工
物5の加工面の垂直方向から衝突させることができ、超
音波研削加工最大の長所である衝撃破砕効果を十分に活
用できる。
回転軸に垂直な方向に超音波振動しているため、被加工
物5に切り込んでいる砥石部材3は、z方向に超音波振
動している。これにより、砥石部材3の砥粒を、被加工
物5の加工面の垂直方向から衝突させることができ、超
音波研削加工最大の長所である衝撃破砕効果を十分に活
用できる。
【0028】具体的には、砥粒を加工面に垂直方向から
衝突させて、被加工物5にクラックを活発に発生させる
ことができ、砥粒が被加工物5への食い込みを容易にす
ることができる。よって、研削を容易に行うことがで
き、研削抵抗を減少させることができる。したがって、
ホーン4や回転円筒14等の回転軸および軸の保持部に
加わる研削抵抗の背分力(z方向の力)が、従来の平面
トラバース研削装置よりも小さくなり、これらの部材の
弾性変形が軽減する。これにより、カップ砥石1のz方
向の位置精度を従来よりも向上させることができ、被加
工物5の平面加工精度を向上させることができる。
衝突させて、被加工物5にクラックを活発に発生させる
ことができ、砥粒が被加工物5への食い込みを容易にす
ることができる。よって、研削を容易に行うことがで
き、研削抵抗を減少させることができる。したがって、
ホーン4や回転円筒14等の回転軸および軸の保持部に
加わる研削抵抗の背分力(z方向の力)が、従来の平面
トラバース研削装置よりも小さくなり、これらの部材の
弾性変形が軽減する。これにより、カップ砥石1のz方
向の位置精度を従来よりも向上させることができ、被加
工物5の平面加工精度を向上させることができる。
【0029】また、研削抵抗が小さくなるため、被加工
物5とカップ砥石1との間の摩擦による熱の発生も減少
する。さらに、従来の平面トラバース研削装置では砥石
の砥粒と被加工物との接触が連続的であったのに対し、
本実施の形態では、砥石部材3の超音波振動により、砥
石部材3の砥粒と被加工物5との接触が断続的な接触に
なる。このため、砥粒が被加工物5に接触していない間
に研削液の供給が可能となり、砥粒が冷却される効果が
得られる。よって、従来よりも砥石部材3の温度の上昇
を低減でき、摩擦も小さくなるため、砥石部材3の磨耗
を抑制できる。
物5とカップ砥石1との間の摩擦による熱の発生も減少
する。さらに、従来の平面トラバース研削装置では砥石
の砥粒と被加工物との接触が連続的であったのに対し、
本実施の形態では、砥石部材3の超音波振動により、砥
石部材3の砥粒と被加工物5との接触が断続的な接触に
なる。このため、砥粒が被加工物5に接触していない間
に研削液の供給が可能となり、砥粒が冷却される効果が
得られる。よって、従来よりも砥石部材3の温度の上昇
を低減でき、摩擦も小さくなるため、砥石部材3の磨耗
を抑制できる。
【0030】また、砥石部材3の表面の砥粒と砥粒との
間に詰まった研削切り粉を超音波振動により振り落とす
ことができ、砥石の寿命を向上させることができる。
間に詰まった研削切り粉を超音波振動により振り落とす
ことができ、砥石の寿命を向上させることができる。
【0031】これらのことより、砥石の切れ味のよい状
態が従来よりも長く維持できるため、加工効率を向上さ
せることができるとともに、砥石交換の回数を減少させ
ることができ、作業効率を向上させることができる。
態が従来よりも長く維持できるため、加工効率を向上さ
せることができるとともに、砥石交換の回数を減少させ
ることができ、作業効率を向上させることができる。
【0032】上述してきたように、本実施の形態の平面
トラバース研削装置では、カップ砥石1のみで超音波振
動方向を変換することができる。よって、カップ砥石1
に与える超音波振動方向は、回転軸方向でよい。このた
め、ホーンの軸方向と、回転軸とを同軸にでき、平面ト
ラバース研削加工に超音波研削加工を導入した加工装置
を実現することができる。
トラバース研削装置では、カップ砥石1のみで超音波振
動方向を変換することができる。よって、カップ砥石1
に与える超音波振動方向は、回転軸方向でよい。このた
め、ホーンの軸方向と、回転軸とを同軸にでき、平面ト
ラバース研削加工に超音波研削加工を導入した加工装置
を実現することができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、超音波振
動による衝撃破砕作用を有効に利用して、平面トラバー
ス研削加工を行うことができる平面トラバース研削装置
を提供することができる。
動による衝撃破砕作用を有効に利用して、平面トラバー
ス研削加工を行うことができる平面トラバース研削装置
を提供することができる。
【図1】本発明のー実施の形態の平面トラバース研削装
置のカップ砥石部分の構成を示す部分斜視図。
置のカップ砥石部分の構成を示す部分斜視図。
【図2】図1の平面トラバース研削装置のカップ砥石の
断面図。
断面図。
【図3】図1の平面トラバース研削装置の全体の構成を
示す説明図。
示す説明図。
1 ・・・ カップ砥石 2 ・・・ 工具台金 3 ・・・ ダイヤモンド砥石 4 ・・・ 振幅拡大ホーン 5 ・・・ 被加工物 6 ・・・ 振動子 7 ・・・ 回転駆動源
Claims (6)
- 【請求項1】被加工物を搭載するためのテーブルと、回
転体形状の砥石と、前記砥石を回転させる回転駆動部
と、前記砥石の縁の一部を前記被加工物の表面に接触さ
せるために、前記砥石を前記被加工物に相対的に接近さ
せる接近駆動部と、前記被加工物に接触している砥石の
縁を前記被加工物の加工すべき面上で相対的に移動させ
る平面駆動部とを有する平面トラバース研削装置におい
て、 前記砥石には、該砥石に回転軸方向の振動を与えるため
の超音波振動発生部が取り付けられ、 前記砥石は、振動方向変換部材と、前記振動方向変換部
材に取り付けられた砥石部材とを有し、 前記振動方向変換部材は、前記超音波振動発生部から与
えられた回転軸方向の振動の少なくとも一部を、前記回
転軸に垂直な方向の振動に変換して、前記砥石部材に伝
えることを特徴とする平面トラバース研削装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記振動方向変換部材
は、椀型の部材であり、 前記砥石部材は、椀型の振動方向変換部材の開口部の縁
に沿って取り付けられたリング状の部材であることを特
徴とする平面トラバース研削装置。 - 【請求項3】請求項1において、前記超音波振動発生部
は、前記振動方向変換部材に取り付けられた振幅拡大ホ
ーンと、前記振幅拡大ホーンに振動を与える振動発生源
とを有し、 前記振幅拡大ホーンは、その軸方向が、前記振動方向変
換部材の軸と一致するように取り付けられていることを
特徴とする平面トラバース研削装置。 - 【請求項4】請求項3において、前記回転駆動部は、前
記振幅拡大ホーンを回転駆動することを特徴とする平面
トラバース研削装置。 - 【請求項5】請求項4において、前記回転駆動部は、前
記振幅拡大ホーンを支持する支持部材と、前記支持部材
を回転させる回転駆動源とを有し、 前記支持部材は、前記振幅拡大ホーンの振動節を支持す
ることを特徴とする平面トラバース研削装置。 - 【請求項6】請求項3において、前記砥石は、前記振幅
拡大ホーンの共振周波数と等しい共振周波数を有するこ
とを特徴とする平面トラバース研削装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8102785A JPH09290356A (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | 超音波振動を用いた平面トラバース研削装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8102785A JPH09290356A (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | 超音波振動を用いた平面トラバース研削装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09290356A true JPH09290356A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=14336794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8102785A Pending JPH09290356A (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | 超音波振動を用いた平面トラバース研削装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09290356A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011031371A (ja) * | 2009-08-06 | 2011-02-17 | Okamoto Machine Tool Works Ltd | 複合平面研削装置 |
CN105522444A (zh) * | 2015-12-02 | 2016-04-27 | 北京星航机电装备有限公司 | 一种降低C/SiC复合材料加工磨削损伤的方法 |
CN106239273A (zh) * | 2016-08-23 | 2016-12-21 | 山东大学 | 一种切向自激振动辅助干磨削系统及方法 |
KR20180008731A (ko) * | 2015-06-25 | 2018-01-24 | 파나소닉 아이피 매니지먼트 가부시키가이샤 | 삼차원 형상 조형물의 제조 방법 |
CN110202425A (zh) * | 2019-05-17 | 2019-09-06 | 河南理工大学 | 超声单激励椭圆振动磨削设计方法及装置 |
CN110990976A (zh) * | 2019-12-14 | 2020-04-10 | 大连交通大学 | 一种新型超声磨削振动系统设计方法 |
-
1996
- 1996-04-24 JP JP8102785A patent/JPH09290356A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011031371A (ja) * | 2009-08-06 | 2011-02-17 | Okamoto Machine Tool Works Ltd | 複合平面研削装置 |
KR20180008731A (ko) * | 2015-06-25 | 2018-01-24 | 파나소닉 아이피 매니지먼트 가부시키가이샤 | 삼차원 형상 조형물의 제조 방법 |
CN105522444A (zh) * | 2015-12-02 | 2016-04-27 | 北京星航机电装备有限公司 | 一种降低C/SiC复合材料加工磨削损伤的方法 |
CN106239273A (zh) * | 2016-08-23 | 2016-12-21 | 山东大学 | 一种切向自激振动辅助干磨削系统及方法 |
CN106239273B (zh) * | 2016-08-23 | 2018-01-23 | 山东大学 | 一种切向自激振动辅助干磨削系统及方法 |
CN110202425A (zh) * | 2019-05-17 | 2019-09-06 | 河南理工大学 | 超声单激励椭圆振动磨削设计方法及装置 |
CN110202425B (zh) * | 2019-05-17 | 2024-05-07 | 河南理工大学 | 超声单激励椭圆振动磨削设计方法及装置 |
CN110990976A (zh) * | 2019-12-14 | 2020-04-10 | 大连交通大学 | 一种新型超声磨削振动系统设计方法 |
CN110990976B (zh) * | 2019-12-14 | 2023-06-20 | 大连交通大学 | 一种新型超声磨削振动系统设计方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4856650B2 (ja) | 切削もしくは研削装置 | |
JP5020963B2 (ja) | 円盤状の切削工具及び切削装置 | |
WO2014017460A1 (ja) | 工具を備えた超音波振動体の支持構造 | |
JPH1110420A (ja) | 静圧空気軸受スピンドル | |
JPH07185921A (ja) | 半径方向に変位可能な作孔スピンドルを有する作孔装置 | |
JP2008538727A (ja) | 切削もしくは研削装置 | |
JPH09290356A (ja) | 超音波振動を用いた平面トラバース研削装置 | |
JP2007111803A (ja) | 超音波振動切削装置 | |
JP2007216372A (ja) | 超音波加振ユニット・超音波加振テーブルユニット・超音波加振水槽ユニット・超音波加振ホーンユニット | |
JPS62140701A (ja) | 重畳振動切削方法 | |
US3239965A (en) | Ultrasonic grinding apparatus | |
JP2005001096A (ja) | 超音波振動テーブル | |
JPH06339847A (ja) | セラミックスにおける円周状の溝の加工方法 | |
JP2004351605A (ja) | 超音波振動テーブル | |
JP4754874B2 (ja) | 超音波振動切削装置 | |
JP2002239879A (ja) | 超音波振動加工法 | |
JP2004025416A (ja) | 精密孔仕上方法及び装置 | |
JPH07164287A (ja) | 研磨方法及び研磨装置 | |
JPH03234451A (ja) | ねじり振動を利用した研摩法 | |
JPH0624692B2 (ja) | 砥石の複合振動による精密溝研削加工方法 | |
JP7411492B2 (ja) | 歯車研削装置及び歯車研削工具 | |
JPH0451300B2 (ja) | ||
JP2004017235A (ja) | 総型研削砥石の研削方法および研削装置 | |
JPH05253817A (ja) | 超音波研削加工用カップ砥石 | |
JPH1158194A (ja) | 超音波平面研削加工装置 |