JPH09290207A - 撥水材および撥水材の製造方法 - Google Patents
撥水材および撥水材の製造方法Info
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- JPH09290207A JPH09290207A JP12763496A JP12763496A JPH09290207A JP H09290207 A JPH09290207 A JP H09290207A JP 12763496 A JP12763496 A JP 12763496A JP 12763496 A JP12763496 A JP 12763496A JP H09290207 A JPH09290207 A JP H09290207A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 撥水性およびその耐久性に優れた撥水材を提
供すること。 【解決手段】 表面に微細凹凸構造を有し撥水性を示す
材料表面に、薄膜を形成しうる材料で薄膜保護層を作
り、撥水性材料の耐久性を向上させる。
供すること。 【解決手段】 表面に微細凹凸構造を有し撥水性を示す
材料表面に、薄膜を形成しうる材料で薄膜保護層を作
り、撥水性材料の耐久性を向上させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は撥水性の耐久性を向
上させた撥水材およびその製造方法に関する。
上させた撥水材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大気汚染に起因する雨水による構造物表
面の汚染防止、豪雪地帯での送電・通信設備や建築物へ
の雪氷付着防止、寒冷海域に航行する船体への着氷防
止、海洋構造物への生物の付着防止、各種テントの防水
(撥水)処理、その他各種の目的から、素材表面を撥水
性にすることが求められている。この要望を満たす為、
従来の撥水化技術より更に撥水性を向上させた超撥水技
術が幾つか提案されている。たとえば、硬化性樹脂にポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を分散させ
て塗膜を形成した後、ブラスト処理をすることにより表
面を粗面化する方法(特開平6−345881号)、ま
たフッ素樹脂基材の表面をブラストし粗面化する方法
(特開平6−263897号)、吸水率0.5%以下の
未硬化の液状樹脂を基材表面に施し、該未硬化樹脂の表
面に疎水性微粒子粉末を一部埋没するよう衝突させ、次
いで前記樹脂を硬化させ、前記疎水性微粒子粉末を樹脂
に固定させ粗面化表面を形成する方法(特開平6−29
6924号)が提案されており、これらの方法によって
得られた表面の親水性接触角は150°以上と極めて撥
水性に富んでいる。
面の汚染防止、豪雪地帯での送電・通信設備や建築物へ
の雪氷付着防止、寒冷海域に航行する船体への着氷防
止、海洋構造物への生物の付着防止、各種テントの防水
(撥水)処理、その他各種の目的から、素材表面を撥水
性にすることが求められている。この要望を満たす為、
従来の撥水化技術より更に撥水性を向上させた超撥水技
術が幾つか提案されている。たとえば、硬化性樹脂にポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を分散させ
て塗膜を形成した後、ブラスト処理をすることにより表
面を粗面化する方法(特開平6−345881号)、ま
たフッ素樹脂基材の表面をブラストし粗面化する方法
(特開平6−263897号)、吸水率0.5%以下の
未硬化の液状樹脂を基材表面に施し、該未硬化樹脂の表
面に疎水性微粒子粉末を一部埋没するよう衝突させ、次
いで前記樹脂を硬化させ、前記疎水性微粒子粉末を樹脂
に固定させ粗面化表面を形成する方法(特開平6−29
6924号)が提案されており、これらの方法によって
得られた表面の親水性接触角は150°以上と極めて撥
水性に富んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記提案のもの
は、表面を粗面化することにより撥水性に富んだ表面と
しているため、得られた凹凸表面が非常に脆弱で凹凸面
の剥離、破損などにより撥水性の耐久性に問題があり実
用性に乏しいものであった。従って、本発明は、撥水性
の優れた耐久性を有する撥水材およびその製造方法を提
供することを目的とする。
は、表面を粗面化することにより撥水性に富んだ表面と
しているため、得られた凹凸表面が非常に脆弱で凹凸面
の剥離、破損などにより撥水性の耐久性に問題があり実
用性に乏しいものであった。従って、本発明は、撥水性
の優れた耐久性を有する撥水材およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ブラスト、微粒子
粉末の固定化などにより得られた微細凹凸構造の表面を
有する撥水性基材の粗面化表面に、撥水性基材の表面粗
さの1/2以下の厚みの薄膜保護層を形成させ、粗面部
を薄膜で被覆して粗面部の欠落を防止することによっ
て、上記課題を達成できることを見い出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、微細凹凸構造の表面を有する撥水性基材の該表面
に、微細凹凸構造の表面の表面粗さ(中心面平均粗さ)
の1/2以下の厚みの薄膜保護層が形成されていること
を特徴とする撥水材を提供するものである。また、本発
明は、微細凹凸構造の表面を有する撥水性基材の該表面
に、微細凹凸構造の表面の表面粗さ(中心面平均粗さ)
の1/2以下の厚みの薄膜保護層を形成することを特徴
とする撥水材の製造方法を提供するものである。
を解決するために鋭意検討した結果、ブラスト、微粒子
粉末の固定化などにより得られた微細凹凸構造の表面を
有する撥水性基材の粗面化表面に、撥水性基材の表面粗
さの1/2以下の厚みの薄膜保護層を形成させ、粗面部
を薄膜で被覆して粗面部の欠落を防止することによっ
て、上記課題を達成できることを見い出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、微細凹凸構造の表面を有する撥水性基材の該表面
に、微細凹凸構造の表面の表面粗さ(中心面平均粗さ)
の1/2以下の厚みの薄膜保護層が形成されていること
を特徴とする撥水材を提供するものである。また、本発
明は、微細凹凸構造の表面を有する撥水性基材の該表面
に、微細凹凸構造の表面の表面粗さ(中心面平均粗さ)
の1/2以下の厚みの薄膜保護層を形成することを特徴
とする撥水材の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下の説明において、微細凹凸構
造の表面が形成される前の基材を単に「基材」と称し、
微細凹凸構造の表面が形成された基材を「撥水性基材」
と称する。本発明において基材とは、その表面が汚染防
止、雪氷付着防止、着氷防止、生物付着防止および防水
(撥水)性処理などの目的から撥水性にすることが求め
られるあらゆる物品の表面を構成する部材を意味する。
基材表面が屋外にある物品でも、屋内にある物品でも本
発明は有効に適用できる。本発明の超撥水技術を充分に
生かすためには、基材表面が屋外にある物品が好まし
い。基材表面が屋外にある物品には、表面の汚染防止が
求められる各種建築構造物、雪氷付着防止が求められる
送電や通信設備、着氷防止が求められる船舶、航空機、
自動車、鉄道車両などの輸送用機器、生物の付着防止が
求められる海洋構造物などが挙げられる。
造の表面が形成される前の基材を単に「基材」と称し、
微細凹凸構造の表面が形成された基材を「撥水性基材」
と称する。本発明において基材とは、その表面が汚染防
止、雪氷付着防止、着氷防止、生物付着防止および防水
(撥水)性処理などの目的から撥水性にすることが求め
られるあらゆる物品の表面を構成する部材を意味する。
基材表面が屋外にある物品でも、屋内にある物品でも本
発明は有効に適用できる。本発明の超撥水技術を充分に
生かすためには、基材表面が屋外にある物品が好まし
い。基材表面が屋外にある物品には、表面の汚染防止が
求められる各種建築構造物、雪氷付着防止が求められる
送電や通信設備、着氷防止が求められる船舶、航空機、
自動車、鉄道車両などの輸送用機器、生物の付着防止が
求められる海洋構造物などが挙げられる。
【0006】本発明の撥水材における撥水性基材は、微
細凹凸構造の表面を有している。この微細凹凸構造は、
基材の表面をブラストなどにより粗面化するか、微粒子
粉末を固定化するなどの手段により粗面化することによ
り形成される。基材の表面をブラストなどにより粗面化
する手段としては、たとえば硬化性樹脂塗料にPTFE
などの微粒子粉末を分散させて塗膜を形成した後にブラ
ストをすることにより表面を粗面化する方法、フッ素系
樹脂基材の表面をブラストして粗面化する方法、フッ素
樹脂基材の表面をブラストした後にフッ素ガスを接触さ
せて粗面化する方法、および熱可塑性樹脂にフッ素系樹
脂粉末を混入させて得られた樹脂基材を必要に応じて熱
処理した後にブラストする方法などが挙げられる。
細凹凸構造の表面を有している。この微細凹凸構造は、
基材の表面をブラストなどにより粗面化するか、微粒子
粉末を固定化するなどの手段により粗面化することによ
り形成される。基材の表面をブラストなどにより粗面化
する手段としては、たとえば硬化性樹脂塗料にPTFE
などの微粒子粉末を分散させて塗膜を形成した後にブラ
ストをすることにより表面を粗面化する方法、フッ素系
樹脂基材の表面をブラストして粗面化する方法、フッ素
樹脂基材の表面をブラストした後にフッ素ガスを接触さ
せて粗面化する方法、および熱可塑性樹脂にフッ素系樹
脂粉末を混入させて得られた樹脂基材を必要に応じて熱
処理した後にブラストする方法などが挙げられる。
【0007】微粒子粉末を固定化することにより粗面化
する手段としては、たとえば硬化性樹脂塗料を基材表面
に施し、該塗料の未硬化状態の表面に微粒子粉末を一部
埋設するよう衝突させ、次いで前記塗料を硬化させ、前
記微粒子粉末を樹脂に固定させ粗面化表面を形成する方
法、硬化性樹脂塗料を塗布し、塗布した塗料表面が乾燥
した後、微粒子粉末を分散媒中に分散させた分散液を前
記乾燥塗料表面に噴霧塗装して、分散媒を蒸発させて前
記硬化性樹脂塗料を硬化させ、前記微粒子粉末の一部を
埋設固定させ粗面化表面を形成する方法などが挙げられ
る。噴霧塗装して硬化性樹脂塗料を硬化させる場合、噴
霧塗装後前記乾燥塗料表面を分散媒により膨潤軟化さ
せ、その後分散媒を蒸発させて硬化性樹脂塗料を硬化さ
せることが好ましい。
する手段としては、たとえば硬化性樹脂塗料を基材表面
に施し、該塗料の未硬化状態の表面に微粒子粉末を一部
埋設するよう衝突させ、次いで前記塗料を硬化させ、前
記微粒子粉末を樹脂に固定させ粗面化表面を形成する方
法、硬化性樹脂塗料を塗布し、塗布した塗料表面が乾燥
した後、微粒子粉末を分散媒中に分散させた分散液を前
記乾燥塗料表面に噴霧塗装して、分散媒を蒸発させて前
記硬化性樹脂塗料を硬化させ、前記微粒子粉末の一部を
埋設固定させ粗面化表面を形成する方法などが挙げられ
る。噴霧塗装して硬化性樹脂塗料を硬化させる場合、噴
霧塗装後前記乾燥塗料表面を分散媒により膨潤軟化さ
せ、その後分散媒を蒸発させて硬化性樹脂塗料を硬化さ
せることが好ましい。
【0008】上記微細凹凸構造の形成方法において使用
される熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、たと
えば熱可塑性フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、ポリ
エーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド
樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂など
が挙げられる。好ましい熱可塑性樹脂は、熱可塑性フッ
素樹脂であり、たとえばポリテトラフルオロエチレン樹
脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)共重合体樹脂、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン
−エチレン共重合体樹脂、クロロトリフルオロエチレン
−エチレン共重合体樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、
ポリフッ化ビニル樹脂などが挙げられる。
される熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、たと
えば熱可塑性フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、ポリ
エーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド
樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂など
が挙げられる。好ましい熱可塑性樹脂は、熱可塑性フッ
素樹脂であり、たとえばポリテトラフルオロエチレン樹
脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)共重合体樹脂、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン
−エチレン共重合体樹脂、クロロトリフルオロエチレン
−エチレン共重合体樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、
ポリフッ化ビニル樹脂などが挙げられる。
【0009】本発明における硬化性樹脂塗料とは、塗料
中の樹脂が熱硬化性樹脂または硬化剤を用いて硬化する
樹脂であるものを意味する。これらの樹脂には、アルキ
ド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、熱硬化性アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、熱硬化性フッ素樹脂などがある。上記樹脂のう
ち、耐候性が優れるなどの利点があることから熱硬化性
フッ素樹脂が好ましい。熱硬化性フッ素樹脂とは、「ク
ロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンな
どのフルオロオレフィン」と「硬化剤と反応する官能基
を有するモノマー」を必須モノマーとして共重合した共
重合体を意味する。前記官能基としては、水酸基が代表
的なものであり、これと反応する硬化剤としてイソシア
ネート系またはメラミン系硬化剤がある。硬化性樹脂塗
料の好ましい塗料形態は、硬化剤を用いて硬化する樹脂
と硬化剤を水に分散させたもの、または溶剤に分散また
は溶解させたものである。溶剤としては、後述の分散媒
と同様なものが使用できる。
中の樹脂が熱硬化性樹脂または硬化剤を用いて硬化する
樹脂であるものを意味する。これらの樹脂には、アルキ
ド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、熱硬化性アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、熱硬化性フッ素樹脂などがある。上記樹脂のう
ち、耐候性が優れるなどの利点があることから熱硬化性
フッ素樹脂が好ましい。熱硬化性フッ素樹脂とは、「ク
ロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンな
どのフルオロオレフィン」と「硬化剤と反応する官能基
を有するモノマー」を必須モノマーとして共重合した共
重合体を意味する。前記官能基としては、水酸基が代表
的なものであり、これと反応する硬化剤としてイソシア
ネート系またはメラミン系硬化剤がある。硬化性樹脂塗
料の好ましい塗料形態は、硬化剤を用いて硬化する樹脂
と硬化剤を水に分散させたもの、または溶剤に分散また
は溶解させたものである。溶剤としては、後述の分散媒
と同様なものが使用できる。
【0010】微細凹凸構造の表面を形成するために使用
される微粒子粉末は、たとえば金属、金属酸化物、ガラ
ス、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)などのフッ素系樹脂のような合成樹脂、フッ化黒
鉛、フッ化ピッチ、各種鉱物質材料などの微粒子粉末で
あり、特に制限されるものではないが、フッ素系樹脂が
好ましい。微粒子粉末の粒子径は特に制限されないが、
その平均粒子径が通常0.1〜100μmが好ましく、
より好ましくは2〜20μmである。なお、熱可塑性樹
脂に混入させるフッ素系樹脂粉末の平均粒子径は、1〜
10μmが好ましく、より好ましくは2〜7μmであ
る。
される微粒子粉末は、たとえば金属、金属酸化物、ガラ
ス、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)などのフッ素系樹脂のような合成樹脂、フッ化黒
鉛、フッ化ピッチ、各種鉱物質材料などの微粒子粉末で
あり、特に制限されるものではないが、フッ素系樹脂が
好ましい。微粒子粉末の粒子径は特に制限されないが、
その平均粒子径が通常0.1〜100μmが好ましく、
より好ましくは2〜20μmである。なお、熱可塑性樹
脂に混入させるフッ素系樹脂粉末の平均粒子径は、1〜
10μmが好ましく、より好ましくは2〜7μmであ
る。
【0011】上記の基材の粗面化方法のうち好ましいも
のは、硬化性樹脂塗料を塗布し、塗布した塗料表面が乾
燥した後、微粒子粉末を分散媒中に分散させた分散液を
前記乾燥塗料表面に噴霧塗装して、分散媒を蒸発させて
前記硬化性樹脂塗料を硬化させ、前記微粒子粉末の一部
を埋設固定させ粗面化表面を形成する方法が挙げられ
る。この方法において、硬化性樹脂塗料が常温で硬化で
きる常温硬化性樹脂塗料であることが好ましく、特に常
温硬化性フッ素樹脂塗料であることが好ましい。また、
微粒子粉末としては、フッ素系樹脂粉末が好ましい。微
粒子粉末を分散させる分散媒としては、特に制限はない
が、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素などが好
ましい。微粒子粉末の分散媒中の濃度は、適宜選定すれ
ばよいが、通常20〜80重量%が好ましく、特に40
〜60重量%が好ましい。
のは、硬化性樹脂塗料を塗布し、塗布した塗料表面が乾
燥した後、微粒子粉末を分散媒中に分散させた分散液を
前記乾燥塗料表面に噴霧塗装して、分散媒を蒸発させて
前記硬化性樹脂塗料を硬化させ、前記微粒子粉末の一部
を埋設固定させ粗面化表面を形成する方法が挙げられ
る。この方法において、硬化性樹脂塗料が常温で硬化で
きる常温硬化性樹脂塗料であることが好ましく、特に常
温硬化性フッ素樹脂塗料であることが好ましい。また、
微粒子粉末としては、フッ素系樹脂粉末が好ましい。微
粒子粉末を分散させる分散媒としては、特に制限はない
が、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素などが好
ましい。微粒子粉末の分散媒中の濃度は、適宜選定すれ
ばよいが、通常20〜80重量%が好ましく、特に40
〜60重量%が好ましい。
【0012】硬化性樹脂塗料の塗布量は、撥水材の用途
に応じて適宜選定すればよいが、塗膜の厚みが0.1〜
100μmが好ましく、特に0.5〜20μmが好まし
い。微粒子粉末の塗布量は、要求される撥水性の程度に
応じて、適宜選定すればよいが、通常50〜500g/
m2の範囲で選定すればよい。微細凹凸構造の表面を有
する撥水性基材の表面粗さ(中心面平均粗さ)は、1〜
50μmが好ましく、より好ましくは1〜15μmであ
る。また、撥水性基材の微細凹凸構造の表面は、水の接
触角が120゜以上が好ましく、140゜以上がより好
ましく、特に145゜以上が好ましい。なお、微細凹凸
構造は、撥水性を要求される部分にあればよく、撥水性
基材の全表面に形成されていても、あるいは撥水性基材
の一部の表面に形成されていてもよい。
に応じて適宜選定すればよいが、塗膜の厚みが0.1〜
100μmが好ましく、特に0.5〜20μmが好まし
い。微粒子粉末の塗布量は、要求される撥水性の程度に
応じて、適宜選定すればよいが、通常50〜500g/
m2の範囲で選定すればよい。微細凹凸構造の表面を有
する撥水性基材の表面粗さ(中心面平均粗さ)は、1〜
50μmが好ましく、より好ましくは1〜15μmであ
る。また、撥水性基材の微細凹凸構造の表面は、水の接
触角が120゜以上が好ましく、140゜以上がより好
ましく、特に145゜以上が好ましい。なお、微細凹凸
構造は、撥水性を要求される部分にあればよく、撥水性
基材の全表面に形成されていても、あるいは撥水性基材
の一部の表面に形成されていてもよい。
【0013】本発明の撥水材は、上記撥水性基材の微細
凹凸構造の表面に、その微細凹凸構造の表面の表面粗さ
(中心面平均粗さ)の1/2以下の厚みの薄膜保護層が
形成されている。この薄膜保護層により、撥水性基材表
面の持つ撥水性をさほど損なうことなく耐久性を有する
撥水性粗面化表面を得ることができる。薄膜保護層を形
成する材料は、疎水性材料が好ましく、そのような疎水
性材料としては、水の接触角で40°以上、好ましくは
80°以上の材料、あるいは吸水率0.5%以下の材料
が挙げられる。この様な材料としてはエポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フルオロシ
リコン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂、光重合型樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられ、好ましくは
フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂
である。更に、ゾルゲル法、スパッタリング法などによ
り薄膜化できる無機薄膜でもこの目的が達成される。
凹凸構造の表面に、その微細凹凸構造の表面の表面粗さ
(中心面平均粗さ)の1/2以下の厚みの薄膜保護層が
形成されている。この薄膜保護層により、撥水性基材表
面の持つ撥水性をさほど損なうことなく耐久性を有する
撥水性粗面化表面を得ることができる。薄膜保護層を形
成する材料は、疎水性材料が好ましく、そのような疎水
性材料としては、水の接触角で40°以上、好ましくは
80°以上の材料、あるいは吸水率0.5%以下の材料
が挙げられる。この様な材料としてはエポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フルオロシ
リコン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂、光重合型樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられ、好ましくは
フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂
である。更に、ゾルゲル法、スパッタリング法などによ
り薄膜化できる無機薄膜でもこの目的が達成される。
【0014】薄膜保護層の厚みは、撥水性基材の微細凹
凸構造の表面の表面粗さ(中心面平均粗さ)の1/2以
下であり、好ましくは1/10以下である。薄膜保護層
の厚さは表面微細凹凸構造の耐久性向上には厚い程よい
が、余り厚すぎると微細凹凸構造に基づく撥水性が低下
する傾向がある。薄膜保護層の厚みの下限は、薄膜保護
層の材質により適宜選定すればよいが、通常撥水性基材
の微細凹凸構造の表面の表面粗さ(中心面平均粗さ)の
1/500以上にすればよく、好ましくは1/50以上
である。本発明の撥水材の表面の表面粗さは、1〜50
μmが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。
また、撥水材の微細凹凸構造の表面は、水の接触角が1
20゜以上が好ましく、140゜以上がより好ましく、
特に145゜以上が好ましい。
凸構造の表面の表面粗さ(中心面平均粗さ)の1/2以
下であり、好ましくは1/10以下である。薄膜保護層
の厚さは表面微細凹凸構造の耐久性向上には厚い程よい
が、余り厚すぎると微細凹凸構造に基づく撥水性が低下
する傾向がある。薄膜保護層の厚みの下限は、薄膜保護
層の材質により適宜選定すればよいが、通常撥水性基材
の微細凹凸構造の表面の表面粗さ(中心面平均粗さ)の
1/500以上にすればよく、好ましくは1/50以上
である。本発明の撥水材の表面の表面粗さは、1〜50
μmが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。
また、撥水材の微細凹凸構造の表面は、水の接触角が1
20゜以上が好ましく、140゜以上がより好ましく、
特に145゜以上が好ましい。
【0015】薄膜保護層の形成方法としては、前記保護
層用の樹脂を溶媒に溶解しスプレーあるいはディップな
ど一般的に用いられるコーティング技術が好ましい。あ
るいは樹脂の薄膜フィルムを作りラミネーションでもよ
く、更に光重合型樹脂では塗布後ポリマー化し薄膜保護
層を形成してもよい。無機薄膜においては一般的なゾル
ゲル法、スパッタリング法が採用される。コーティング
技術で薄膜保護層を形成する場合、樹脂を溶媒に溶解し
た溶液の樹脂濃度を調整することにより、薄膜保護層の
厚みを調整することができる。通常、樹脂濃度は、0.
1〜50重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ま
しく、特に5〜15重量%が好ましい。
層用の樹脂を溶媒に溶解しスプレーあるいはディップな
ど一般的に用いられるコーティング技術が好ましい。あ
るいは樹脂の薄膜フィルムを作りラミネーションでもよ
く、更に光重合型樹脂では塗布後ポリマー化し薄膜保護
層を形成してもよい。無機薄膜においては一般的なゾル
ゲル法、スパッタリング法が採用される。コーティング
技術で薄膜保護層を形成する場合、樹脂を溶媒に溶解し
た溶液の樹脂濃度を調整することにより、薄膜保護層の
厚みを調整することができる。通常、樹脂濃度は、0.
1〜50重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ま
しく、特に5〜15重量%が好ましい。
【0016】本発明の撥水材の基材の材質は、特に制限
されず、その表面が汚染防止、雪氷付着防止、着氷防
止、生物付着防止および防水(撥水)性処理などの目的
から撥水性にすることが求められるあらゆる材質にする
ことができる。その具体例としては、たとえば金属、コ
ンクリート、セラミックなどの無機材料、木材、プラス
チックなどの有機材料などの種々の材質が挙げられる。
本発明の撥水材の基材の形状は、特に制限されず、その
表面が汚染防止、雪氷付着防止、着氷防止、生物付着防
止および防水(撥水)性処理などの目的から撥水性にす
ることが求められるあらゆる形状にすることができ、そ
の具体例としては、たとえば板、棒、柱体、角体、錐
体、球体、楕円体など種々の形状が挙げられる。
されず、その表面が汚染防止、雪氷付着防止、着氷防
止、生物付着防止および防水(撥水)性処理などの目的
から撥水性にすることが求められるあらゆる材質にする
ことができる。その具体例としては、たとえば金属、コ
ンクリート、セラミックなどの無機材料、木材、プラス
チックなどの有機材料などの種々の材質が挙げられる。
本発明の撥水材の基材の形状は、特に制限されず、その
表面が汚染防止、雪氷付着防止、着氷防止、生物付着防
止および防水(撥水)性処理などの目的から撥水性にす
ることが求められるあらゆる形状にすることができ、そ
の具体例としては、たとえば板、棒、柱体、角体、錐
体、球体、楕円体など種々の形状が挙げられる。
【0017】また、本発明の撥水材の用途としては、そ
の表面が汚染防止、雪氷付着防止、着氷防止、生物付着
防止および防水(撥水)性処理などの目的から撥水性に
することが求められるあらゆる用途が挙げられ、撥水材
の適応表面が屋外にある用途、屋内にある用途のいずれ
でもよいが、本発明の超撥水技術を十分に生かすために
は、撥水材の適応表面が屋外にある用途が好ましい。そ
の用途の具体例としては、たとえばビル、戸建住宅、道
路橋梁建造物、道路のフェンス、ガードレール、タン
ク、サッシなどの各種建築構造物、送電や通信設備、船
舶、航空機、自動車、鉄道車両などの輸送用機器、海洋
構造物などが挙げられる。
の表面が汚染防止、雪氷付着防止、着氷防止、生物付着
防止および防水(撥水)性処理などの目的から撥水性に
することが求められるあらゆる用途が挙げられ、撥水材
の適応表面が屋外にある用途、屋内にある用途のいずれ
でもよいが、本発明の超撥水技術を十分に生かすために
は、撥水材の適応表面が屋外にある用途が好ましい。そ
の用途の具体例としては、たとえばビル、戸建住宅、道
路橋梁建造物、道路のフェンス、ガードレール、タン
ク、サッシなどの各種建築構造物、送電や通信設備、船
舶、航空機、自動車、鉄道車両などの輸送用機器、海洋
構造物などが挙げられる。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定
されるものではない。 [実施例1]基材(材質:アルミ板、大きさ:10cm
×25cm×0.1mm)に常温硬化性樹脂塗料として
ルミフロンLF−200C(旭硝子製のフッ素樹脂塗
料)を塗布し厚さ25μmの塗膜を構成した。この塗膜
を、室温下で数時間放置し、表面が乾燥した後、微粒子
粉末としてフルオンL155J(旭硝子製のフッ素系樹
脂粉末、平均粒子径:5μm)100重量部を100体
積部のキシレン中に分散させた分散液を、微粒子粉末の
塗布量が0.01g/cm2になるように噴霧塗装し、
塗膜表面を分散媒により膨潤軟化させた。そして、室温
下で数時間放置しておくと分散媒が蒸発し、前記樹脂が
硬化し、前記微粒子粉末の一部が埋設固定されたものに
なった。この撥水性基材(以下、撥水性基材Aという)
の表面粗さ(中心面平均粗さ)は6.0μmであり、水
の接触角は153゜の値を示し、優れた撥水性を示し
た。
説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定
されるものではない。 [実施例1]基材(材質:アルミ板、大きさ:10cm
×25cm×0.1mm)に常温硬化性樹脂塗料として
ルミフロンLF−200C(旭硝子製のフッ素樹脂塗
料)を塗布し厚さ25μmの塗膜を構成した。この塗膜
を、室温下で数時間放置し、表面が乾燥した後、微粒子
粉末としてフルオンL155J(旭硝子製のフッ素系樹
脂粉末、平均粒子径:5μm)100重量部を100体
積部のキシレン中に分散させた分散液を、微粒子粉末の
塗布量が0.01g/cm2になるように噴霧塗装し、
塗膜表面を分散媒により膨潤軟化させた。そして、室温
下で数時間放置しておくと分散媒が蒸発し、前記樹脂が
硬化し、前記微粒子粉末の一部が埋設固定されたものに
なった。この撥水性基材(以下、撥水性基材Aという)
の表面粗さ(中心面平均粗さ)は6.0μmであり、水
の接触角は153゜の値を示し、優れた撥水性を示し
た。
【0019】この様にして得られた撥水性基材Aを、フ
ッ素樹脂塗料ルミフロンLF−200Cを不揮発分濃度
として10重量%にキシレンで希釈調整した塗料にディ
ップ処理し、3日間室温で放置し試験片とした。このも
のの表面粗さ(中心面平均粗さ)は5.8μmであり、
ルミフロンLF−200Cの形成した薄膜保護層の膜厚
は0.2μmであった。そして水の接触角は152゜の
値を示し、優れた撥水性を示した。この試験片を水を満
たしたビーカーに浸漬し、そのビーカーを神明台工業
(株)製の超音波発振器中に1時間放置した後、120
℃で5分間乾燥して水の接触角を測定したところ151
°の値を示し、優れた耐久性を有していることが明らか
となった。
ッ素樹脂塗料ルミフロンLF−200Cを不揮発分濃度
として10重量%にキシレンで希釈調整した塗料にディ
ップ処理し、3日間室温で放置し試験片とした。このも
のの表面粗さ(中心面平均粗さ)は5.8μmであり、
ルミフロンLF−200Cの形成した薄膜保護層の膜厚
は0.2μmであった。そして水の接触角は152゜の
値を示し、優れた撥水性を示した。この試験片を水を満
たしたビーカーに浸漬し、そのビーカーを神明台工業
(株)製の超音波発振器中に1時間放置した後、120
℃で5分間乾燥して水の接触角を測定したところ151
°の値を示し、優れた耐久性を有していることが明らか
となった。
【0020】[実施例2]実施例1で得られた撥水性基
材Aを、ウレタン樹脂塗料の油性ニス(和信ペイント製
のウレタン樹脂塗料)を不揮発分濃度として10重量%
にキシレンで希釈調整した塗料にディップ処理し、3日
間室温で放置し試験片とした。このものの表面粗さ(中
心面平均粗さ)は5.8μmであり、油性ニスの形成し
た薄膜保護層の膜厚は0.2μmであった。そして水の
接触角は150゜の値を示し、優れた撥水性を示した。
この試験片を水を満たしたビーカーに浸漬し、そのビー
カーを神明台工業(株)製の超音波発振器中に1時間放
置した後、120℃で5分間乾燥して水の接触角を測定
したところ148°の値を示し、優れた耐久性を有して
いることが明らかとなった。
材Aを、ウレタン樹脂塗料の油性ニス(和信ペイント製
のウレタン樹脂塗料)を不揮発分濃度として10重量%
にキシレンで希釈調整した塗料にディップ処理し、3日
間室温で放置し試験片とした。このものの表面粗さ(中
心面平均粗さ)は5.8μmであり、油性ニスの形成し
た薄膜保護層の膜厚は0.2μmであった。そして水の
接触角は150゜の値を示し、優れた撥水性を示した。
この試験片を水を満たしたビーカーに浸漬し、そのビー
カーを神明台工業(株)製の超音波発振器中に1時間放
置した後、120℃で5分間乾燥して水の接触角を測定
したところ148°の値を示し、優れた耐久性を有して
いることが明らかとなった。
【0021】[実施例3]実施例1で得られた撥水性基
材Aを、水溶性アクリル樹脂塗料のタミヤカラーX−2
2(田宮模型製の水溶性アクリル樹脂塗料)を不揮発分
濃度として10重量%にエタノールで希釈調整した塗料
にディップ処理し、3日間室温で放置後、120℃で1
0分間加熱乾燥し試験片とした。このものの表面粗さ
(中心面平均粗さ)は5.6μmであり、タミヤカラー
X−22の形成した薄膜保護層の膜厚は0.4μmであ
った。そして水の接触角は148゜の値を示し、優れた
撥水性を示した。この試験片を水を満たしたビーカーに
浸漬し、そのビーカーを神明台工業(株)製の超音波発
振器中に1時間放置した後、120℃で5分間乾燥して
水の接触角を測定したところ147°の値を示し。優れ
た耐久性を有していることが明らかとなった。
材Aを、水溶性アクリル樹脂塗料のタミヤカラーX−2
2(田宮模型製の水溶性アクリル樹脂塗料)を不揮発分
濃度として10重量%にエタノールで希釈調整した塗料
にディップ処理し、3日間室温で放置後、120℃で1
0分間加熱乾燥し試験片とした。このものの表面粗さ
(中心面平均粗さ)は5.6μmであり、タミヤカラー
X−22の形成した薄膜保護層の膜厚は0.4μmであ
った。そして水の接触角は148゜の値を示し、優れた
撥水性を示した。この試験片を水を満たしたビーカーに
浸漬し、そのビーカーを神明台工業(株)製の超音波発
振器中に1時間放置した後、120℃で5分間乾燥して
水の接触角を測定したところ147°の値を示し。優れ
た耐久性を有していることが明らかとなった。
【0022】[比較例1]実施例1で得られた撥水性基
材Aを、フッ素樹脂塗料ルミフロンLF−200Cを不
揮発分濃度として25重量%にキシレンで希釈調整した
塗料にディップ処理し、3日間室温で放置し試験片とし
た。このものの表面粗さ(中心面平均粗さ)は2.0μ
mであり、ルミフロンLF200Cの形成した薄膜保護
層の膜厚は4.0μmであった。そして水の接触角は9
3゜の値を示した。この試験片を水を満たしたビーカー
に浸漬し、そのビーカーを神明台工業(株)製の超音波
発振器中に1時間放置した後、120℃で5分間乾燥し
て水の接触角を測定したところ93°の値を示した。こ
の結果は、上記各実施例にみられる本発明の疎水性材料
による薄膜を形成する薄膜保護層の膜厚を基材表面粗さ
(中心面平均粗さ)の1/2以下としたものの撥水性に
およばないことが明らかになった。
材Aを、フッ素樹脂塗料ルミフロンLF−200Cを不
揮発分濃度として25重量%にキシレンで希釈調整した
塗料にディップ処理し、3日間室温で放置し試験片とし
た。このものの表面粗さ(中心面平均粗さ)は2.0μ
mであり、ルミフロンLF200Cの形成した薄膜保護
層の膜厚は4.0μmであった。そして水の接触角は9
3゜の値を示した。この試験片を水を満たしたビーカー
に浸漬し、そのビーカーを神明台工業(株)製の超音波
発振器中に1時間放置した後、120℃で5分間乾燥し
て水の接触角を測定したところ93°の値を示した。こ
の結果は、上記各実施例にみられる本発明の疎水性材料
による薄膜を形成する薄膜保護層の膜厚を基材表面粗さ
(中心面平均粗さ)の1/2以下としたものの撥水性に
およばないことが明らかになった。
【0023】[比較例2]実施例1で得られた撥水性基
材Aを、水を満たしたビーカーに浸漬し、そのビーカー
を神明台工業(株)製の超音波発振器中に1時間放置し
た。この時ビーカーの内壁・水面にはフルオンL155
Jが付着・浮遊しているのが観察された。そしてこの試
験片を120℃で5分間乾燥して、水の接触角を測定し
たところ129°の値を示した。この結果は、上記各実
施例にみられる本発明の耐久性におよばないことが明ら
かとなった。上記各実施例および各比較例における水の
初期接触角と超音波発振器浸漬後の接触角を表1に示
す。
材Aを、水を満たしたビーカーに浸漬し、そのビーカー
を神明台工業(株)製の超音波発振器中に1時間放置し
た。この時ビーカーの内壁・水面にはフルオンL155
Jが付着・浮遊しているのが観察された。そしてこの試
験片を120℃で5分間乾燥して、水の接触角を測定し
たところ129°の値を示した。この結果は、上記各実
施例にみられる本発明の耐久性におよばないことが明ら
かとなった。上記各実施例および各比較例における水の
初期接触角と超音波発振器浸漬後の接触角を表1に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】また上記各実施例及び比較例2で作成した
試験片を100mm×200mmの寸法に切断して、3
カ月屋外に暴露し撥水性を調べた。但し、評価方法は試
験片から3cmの高さより水100mlを滴下した後、
試験片表面に付着した水滴の個数を数え、その合計が0
個:評価5、1〜25個:評価4、26〜50個:評価
3、51〜75個:評価2、76〜100個:評価1、
100個をこえる:評価0と定めて六段階法で行った。
結果を表2に示す。
試験片を100mm×200mmの寸法に切断して、3
カ月屋外に暴露し撥水性を調べた。但し、評価方法は試
験片から3cmの高さより水100mlを滴下した後、
試験片表面に付着した水滴の個数を数え、その合計が0
個:評価5、1〜25個:評価4、26〜50個:評価
3、51〜75個:評価2、76〜100個:評価1、
100個をこえる:評価0と定めて六段階法で行った。
結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】この表2の結果から比較例2の耐久性は各
実施例にみられる本発明の耐久性におよばないことが明
らかとなった。
実施例にみられる本発明の耐久性におよばないことが明
らかとなった。
【0028】
【発明の効果】本発明の撥水材は、撥水性に優れ、また
その耐久性にも優れる。
その耐久性にも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 593107236 徳海 明夫 神奈川県横浜市鶴見区生麦1−14−50− 305 (72)発明者 高柳 敬志 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地2 旭硝子株式会社玉川分室内 (72)発明者 宮崎 信幸 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 金子 勇 神奈川県茅ケ崎市茅ケ崎3丁目2番10号 セイミケミカル株式会社内 (72)発明者 今 一成 神奈川県相模原市東林間8−22−24 (72)発明者 廣松 和親 東京都港区芝浦4丁目6番14号 東電環境 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 徳海 明夫 神奈川県横浜市鶴見区生麦1丁目14番50− 305号
Claims (7)
- 【請求項1】 微細凹凸構造の表面を有する撥水性基材
の該表面に、微細凹凸構造の表面の表面粗さ(中心面平
均粗さ)の1/2以下の厚みの薄膜保護層が形成されて
いることを特徴とする撥水材。 - 【請求項2】 薄膜保護層が疎水性材料で構成されてい
る請求項1に記載の撥水材。 - 【請求項3】 薄膜保護層の厚みが、微細凹凸構造の表
面の表面粗さの1/10以下である請求項1または2に
記載の撥水材。 - 【請求項4】 微細凹凸構造の表面を有する撥水性基材
の該表面に、微細凹凸構造の表面の表面粗さ(中心面平
均粗さ)の1/2以下の厚みの薄膜保護層を形成するこ
とを特徴とする撥水材の製造方法。 - 【請求項5】 微細凹凸構造の表面を有する撥水性基材
が、基材に硬化性樹脂塗料を塗布し、塗布した塗料表面
が乾燥した後、微粒子粉末を分散媒中に分散させた分散
液を前記乾燥塗料表面に噴霧塗装して、分散媒を蒸発さ
せて前記硬化性樹脂塗料を硬化させ、前記微粒子粉末の
一部を埋設固定させて得られるものである請求項4に記
載の撥水材の製造方法。 - 【請求項6】 薄膜保護層が疎水性材料で構成されてい
る請求項4または5に記載の撥水材の製造方法。 - 【請求項7】 薄膜保護層の厚みが、微細凹凸構造の表
面の表面粗さの1/10以下である請求項4、5および
6のいずれかに記載の撥水材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12763496A JPH09290207A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 撥水材および撥水材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12763496A JPH09290207A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 撥水材および撥水材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09290207A true JPH09290207A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=14964954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12763496A Pending JPH09290207A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 撥水材および撥水材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09290207A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097292A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-04-02 | Polyplastics Co | 結晶性熱可塑性樹脂成形品の塗膜形成方法 |
JP2013058542A (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-28 | Dainippon Printing Co Ltd | リードフレームおよびその製造方法 |
KR20210057323A (ko) * | 2019-11-12 | 2021-05-21 | 현대자동차주식회사 | 초발수성 특성을 가진 플라스틱 표면 제조방법 |
-
1996
- 1996-04-25 JP JP12763496A patent/JPH09290207A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097292A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-04-02 | Polyplastics Co | 結晶性熱可塑性樹脂成形品の塗膜形成方法 |
JP2013058542A (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-28 | Dainippon Printing Co Ltd | リードフレームおよびその製造方法 |
KR20210057323A (ko) * | 2019-11-12 | 2021-05-21 | 현대자동차주식회사 | 초발수성 특성을 가진 플라스틱 표면 제조방법 |
KR20210113119A (ko) * | 2019-11-12 | 2021-09-15 | 현대자동차주식회사 | 초발수성 특성을 가진 플라스틱 표면 제조방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050617 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050712 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070213 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |