JPH09289835A - 植物栽培容器 - Google Patents

植物栽培容器

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JPH09289835A
JPH09289835A JP8140602A JP14060296A JPH09289835A JP H09289835 A JPH09289835 A JP H09289835A JP 8140602 A JP8140602 A JP 8140602A JP 14060296 A JP14060296 A JP 14060296A JP H09289835 A JPH09289835 A JP H09289835A
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武彦 豊永
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貞一 廣瀬
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Shunsuke Shibata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、掘取り、根巻きといった従来より
多大な労力を必要としていた移植作業を簡素化するとと
もに、従来品の欠点であった水分や養分の透過性を向上
させ、しかも、ルーピング等の現象が発生せずに細根育
成効果を高める新規な植物栽培容器を提供するものであ
る。 【解決手段】 側面が高い表面吸水性と低い毛細管効果
を兼ね備えた多孔性素材より成り、底面が高い通水性を
有する多孔性素材より成ることを特徴とする容器全体が
土中での透水性に優れる植物栽培容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、側面部材と底面部
材より成る土中埋没型植物栽培容器に関し、樹種に応じ
てその容器内で半年〜5年間植物を育成する際必要機能
を維持し、特に、土中の水分や養分の透過性能が高い特
徴を有するため、乾燥に弱い植物の育成や降雨の少ない
時期に用いて好適であり、併せて細根発生を促進する優
れた機能を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、中低木類の緑化樹や果樹の育
苗においては、苗木から高木、高木から成木への各段階
では移植を行うのが一般的である。しかしながら、かか
る移植作業には多くの人手と熟練技術を必要とし、特
に、わら、こも等を用いて縄等により縛る根巻き作業に
おいては、多大な労力と熟練技術が不可欠となってい
る。また、わら、こも等の材料は、土中において腐食し
やすく、必要な強度を長期間保持できないため、長期間
仮植えした後に移植する際には、再度根巻き等の作業が
必要となっている。
【0003】更に、移植するに当たっては、植物の根の
一部は、その移植作業上やむを得ず切断してしまうこと
になるが、この時、必要以上に根を切断してしまえば、
移植後の活着率が著しく低下してしまい、植物枯死の大
きな原因となる。特に、ナンキンハゼ、ハナミズキ等の
高級緑化樹やヤマモモ、カキをはじめとする果樹におい
てはこの傾向が強く、移植作業には細心の注意を払う必
要があった。
【0004】かかる点に鑑み、最近では、ポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂シートや合
成繊維不織布、或は、編織布を熱処理したり、樹脂加工
を施した素材より成る埋没型のコンテナ容器が提案され
ている。かかる容器は、腐食しないため前記した根巻き
等の作業を簡素化できる特徴があり、また、移植の際に
植物の根を必要以上に切断することがないよう、容器自
体を合成樹脂シートや熱処理等によってフィルム化した
り、組織が密に構成されている。このため容器外への根
の突出は抑制されるものの、細根の発生促進に重要な水
分や養分が容器内に十分透過せず、水不足が生じたり、
また、容器内で根が相互に絡みつくルーピングと称する
現象が発生して移植時の活着率低下の原因となってい
る。
【0005】一方、容器の見かけ密度を小さくし、粗い
構造を有する合成樹脂シートや合成繊維不織布、或は、
編織布を利用した素材で構成した場合、細根の発生促進
に重要な水分や養分が容器内に十分透過する機能は有す
るが、逆に容器外部への根の成長をほとんど抑制できな
くなり、移植の際の根巻き作業等の簡素化というメリッ
トを損なうばかりか、細根が切断されやすいため移植後
の活着率に重大な影響を及ぼす。
【0006】また、容器の側面を毛細管効果の高い素材
で、底面を合成樹脂系フィルム等の通水性に乏しい素材
で構成することも考えられるが、容器外部から透過し容
器内部へ浸透しようとする水分が側面の毛細管効果によ
り再度容器外部へ放出されて容器内部への透過が図られ
ず、特に、晴天が続いたり乾燥する季節に適しない。ま
た、底面においても、根の成長を抑制して移植作業の簡
素化をより確実なものとする反面、容器内外への水分透
過に重要なルートを遮断することになり、特に、雨期、
或は灌水を多くした場合など水分過多となり根腐れの原
因となる。以上のように、従来考案されたものにおいて
は植物の成育、とりわけ土中の容器中での発根という特
殊な環境下において、これを十分満足できるものは存在
しなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な実状に鑑みてなされたもので、その目的とするところ
は、掘取り、根巻きといった従来より多大な労力を必要
としていた移植作業を簡素化するとともに、従来品の欠
点であった水分や養分の透過性を向上させ、しかも、ル
ーピング等の現象が発生せずに細根育成効果を高める新
規な植物栽培容器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、側面が
高い表面吸水性と低い毛細管効果を兼ね備えた多孔性素
材より成り、底面が高い通水性を有する多孔性素材より
成ること、多孔性素材の空隙部に部分的に閉塞処理が施
され、通気性部分と非通気性部分が混在した合成繊維不
織布、又は編織布より成ること、閉塞処理が熱処理、又
は樹脂加工により成されたものであること、側面が、水
滴滴下法(JIS L 1096法)による吸水性試験
において60秒以下、且つバイレック法による吸水性試
験において50mm以下であること、底面が、以下の
(a)〜(c)の手順による通水性試験において300
秒以下の値を示すこと、 (a)1000mlの容量の容器の底に被測定素材を敷
き、その上に27.5mmの高さまで直径0.5mmの
ガラスビーズを充填する。 (b)次いで、その上側40mmまで蒸留水を入れた
後、容器下側のコックを開いて、直径5mmの筒より蒸
留水を自然落下させる。 (c)合計100mlの蒸留水が落下するまでの時間を
測定し、これを通水性とする。尚、この際の測定環境
は、温度20℃、湿度65%とする。多孔性部材が、以
下の(a)〜(c)の手順による測定において1.5〜
3.0kgfの貫通強度を有することを特徴とする植物
栽培容器の提供に関する。 (a)JIS L 1096法に記載される破裂強度測
定と同様の方法により測定素材を装着すると共に、これ
に対向する位置にその表面がJIS B0610法記載
の表面粗さが0.8μm以下に加工された角度20度の
円錐形のステンレス製治具を装着する。 (b)円錐治具を10mm/分の速度で移動させ、その
先端から10mmの位置に至るまで移動させて素材を貫
通させる。 (c)この間における最大負荷を測定し、これを貫通強
度とする。尚、測定環境は、温度20℃、湿度65%と
する。
【0009】
【発明の実施の形態】前記構成において、多孔性素材と
は無数の空隙部、即ち、孔が存在して水分や養分を容易
に透過することができ、しかも長期間土中に埋没しても
ほとんど劣化せず実用強度を維持し、かかる機能を安定
して発揮するものであり、例えば、合成繊維不織布や編
織布が挙げられる。かかる合成繊維不織布や編織布とし
ては、公知技術であるスパンボンド方式による連続長繊
維不織布、例えば、ポリオレフィン系繊維、ポリエステ
ル系繊維、ポリアミド系繊維等の不織布が例示できる。
尚、かかる不織布は植物栽培容器として使用される間、
かかる機能を安定して発揮できるものであれば、使用後
の環境に与える影響等を考慮して、土中において生分
解、若しくは崩壊する繊維の利用も有効である。また、
必要に応じて土中における分解速度を調整する目的にお
いて、例えば、セルロース系繊維、蛋白系繊維等を任意
の割合で組み合わせることもできる。
【0010】かかる不織布や編織布の目付は、好ましく
は100〜350g/m、更に好ましくは、不織布で
は150〜200g/m、編織布では150〜300
g/mの範囲に構成される。かかる目付が100g/
より小さいと、根が短期間のうちに容器外部へ繁殖
しすぎてしまい、移植作業の障害となったり、或は移植
後の活着率に悪影響を及ぼす。また、目付が350g/
より大きいと、水分や養分の透過性が悪化したりル
ーピング現象が発生しやすくなってしまう。
【0011】また、前記構成の多孔性素材には適宜閉塞
処理が施される。かかる閉塞処理とは、多孔性素材中ま
たは表面に無数に存在する空隙部を部分的に閉塞して通
気性を阻害し、且つ前記貫通強度を調整する処理であ
り、例えば、部分的に熱処理を施すことにより、表面を
フィルム化したり、或は樹脂加工を施すことにより、通
気性部分と通気性が阻害された部分とを前記多孔性部材
中または表面に点在させることができ、且つ貫通強度を
調整することが可能となる。なお、前記熱処理として
は、ヒートロールやエンボス加工、カレンダー加工等が
挙げられる。また、前記樹脂加工としては、アクリル酸
エステル樹脂、メタアクリル酸エステル樹脂、エポキシ
樹脂等を利用したパディング、グラビアコーティング、
ナイフコーティング加工等が挙げられる。更に、公知技
術として、表面の濡れ特性を向上させる目的で土木資材
用素材に用いられる、合成樹脂や界面活性剤等を利用し
た親水化処理も有効な手段である。
【0012】本発明は、上記構成において、以下の
(1)〜(3)の機能を有するものが選択される。即
ち、 (1)側面が、水滴滴下法(JIS L 1096法)
による吸水性試験において60秒以下、且つバイレック
法による吸水性試験において50mm以下であること。
かかる水滴滴下法による吸水速度が60秒を越えると、
容器内部への水分透過が妨げられ、前述のバイレック法
による吸水速度が50mmを越えると、毛細管効果を促
進し、水分が容器外部へ放出されてしまう。即ち、いず
れの場合においても、容器外部から内部への細根の発生
促進に重要な水分透過が妨げられて、特に、乾燥時には
重大な問題となってしまう。尚、かかるバイレック法と
は、27±2℃の蒸留水中に、垂直に吊した2.5×2
0cmの大きさの試験片の下端を漬け、10分間放置し
た時の水の上昇した高さ(mm)を測定するものであ
る。
【0013】(2)底面については、以下の(a)〜
(c)の手順による通水性試験において300秒以下の
値を示すこと。 (a)1000mlの容量の容器の底に被測定素材を敷
き、その上に27.5mmの高さまで直径0.5mmの
ガラスビーズを充填する。 (b)次いで、その上側40mmまで蒸留水を入れた
後、容器下側のコックを開いて、直径5mmの筒より蒸
留水を自然落下させる。 (c)合計100mlの蒸留水が落下するまでの時間を
測定し、これを通水性とする。尚、この際の測定環境
は、温度20℃、湿度65%とする。即ち、かかる方法
で測定した通水性が300秒を越えると、容器内外への
水分透過が悪化し、特に、降水量が多い時には水分過多
による根腐れの原因となってしまう。
【0014】(3)かかる多孔性部材が、以下の(a)
〜(c)の手順による測定において、1.5〜3.0k
gfの貫通強度を有すること。 (a)JIS L 1096法に記載される破裂強度測
定と同様の方法により測定素材を装着すると共に、これ
に対向する位置にその表面がJIS B0610法記載
の表面粗さが0,8μm以下に加工された角度20度の
円錐形のステンレス製治具を装着する。 (b)円錐治具を10mm/分の速度で移動させ、その
先端から10mmの位置に至るまで移動させて素材を貫
通させる。 (c)この間における最大負荷を測定し、これを貫通強
度とする。尚、測定環境は、温度20℃、湿度65%と
する。即ち、かかる貫通強度が1.5kgf未満である
と、根が短期間のうちに容器外部へ繁殖しすぎてしま
い、移植作業の障害となったり或は移植後の活着率に悪
影響を及ぼす。更に、3.0kgfを越えると、水分や
養分の透過性が悪化したりルーピング現象が発生しやす
くなってしまう。尚、前記構成における閉塞処理の有無
に関わらず、側面を構成する多孔性部材が前記(1)お
よび(3)を、底面を構成する多孔性部材が(2)およ
び(3)の特性を満たしていれば、目的とする機能が得
られる。最も好ましくは、前記(1)および(3)の機
能を有する側面と、(2)および(3)の機能を有する
底面の組み合わせより成る栽培容器である。
【0015】尚、前記説明における本発明栽培容器の側
面、底面とは図1に例示する栽培容器の構成において、
側面1、底面2として表される。これらは、前記から選
択された側面素材、底面素材を接着、縫製等の手段によ
り一体化して栽培容器とする。尚、そのサイズ、形状は
任意である。また、図2には、貫通強度を測定する円錐
治具を示した。かかる治具はその表面が、JIS B
0610法記載の表面粗さが0.8μm以下に加工され
たステンレス製のものであり、円錐部3と取付部4より
成る。貫通強度の測定に際しては、かかる取付部4をJ
IS Lの規格で用いられるところの引張り試験機に取
り付け、前記方法により素材を貫通させ、その最大負荷
を測定する。かかる円錐部3はその角度αが20度とさ
れ、その先端は尖っている。尚、かかる角度αを20度
とし、その貫通速度を10mm/分、10mmまでの貫
通位置としたのは、本発明者らの過去の実植結果に基づ
くもので、移植を目的に栽培容器で栽培される樹木にお
いては、容器から突出する根の太さが概ね直径3〜5m
m程度であり、これは円錐部先端から10mmの位置の
直径が3.5mmであることに相当し、また、その貫通
速度を10mm/分としたのは、測定時に治具が大きな
抵抗を受けず自然に素材を貫通することができる条件と
したもので、これらは何れも実用時における根の成長を
シミュレートしたものである。かかる観点から種々の実
験を繰り返し、その貫通抵抗がある特定の範囲にあるこ
とが目的とする機能を達成できるとの知見を得て本発明
に至ったものである。
【0016】
【実施例】以下、実施例、比較例、物性試験、及び実用
試験を挙げて本発明を説明する。 (実施例1)ポリオレフィン系繊維であるスパンボンド
式ポリプロピレン不織布(三井石油化学工業(株)製、
商品名タフネルEX40,目付200g/m)を用
い、かかる不織布を165℃のヒートロールにより片面
のみ全面に熱処理を行い、部分的に閉塞処理を施した。
なお、かかる処理面、即ち熱処理して閉塞部分を有する
面を外側に向けて、本発明容器の側面に適用した。更
に、スパンボンド式ナイロン、ポリエステルの二成分複
合不織布(AKZO社製、商品名コルバッグSM−12
0、目付120g/m)を用い、かかる不織布を本発
明容器の底面に適用した。以上のようにして得られた側
面部材、底面部材を裁断縫製し、上端の直径50cm、
高さ50cmである図1に示す形状の本発明植物栽培容
器を得た。
【0017】(比較例1)従来品の代表例としての樹木
栽培容器であるルートコントロールバック日本シール精
工(株)製、直径約50cm、高さ約50cm)を適用
した。かかる容器は、片面のみ全面に熱処理を施した合
成繊維不織布を外側に向けて側面に適用し、底面には、
合成樹脂系フィルムを適用したものである。
【0018】(物性試験)上記の実施例1、比較例1の
各容器の側面及び底面に適用されている不織布の物性比
較試験を行った。即ち、目付、通気性、吸水性(水滴滴
下法、バイレック法)、通水性、及び貫通強度を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1からも明らかなように、実施例1の栽
培容器側面に適用している不織布のバイレック法による
吸水性、及び栽培容器底面に適用している不織布の通水
性は、貫通強度が大きく変わらないにも関わらず、比較
例1に比べ優れていると言える。
【0021】(実用試験)上記の実施例1、比較例1の
各容器を用いて実際に植物を栽培し、各容器の実用試験
を行った。即ち、各栽培容器に樹高約2.0mのシラカ
シとクスノキの苗木をそれぞれ3月上旬に移植し、士中
に埋めて約12ケ月間栽培した。これに伴い3月中旬か
ら5月上旬までの間、クスノキを移植した容器内部の水
分変化を、テンションメーター(土壌内水分吸引圧pF
値測定器)により計測したものを図3に示す。かかる図
3において、pF値が大きいほど土壌が乾燥しているこ
とを示す。なお、図中の露地栽培とは栽培容器を用いる
ことなく、直接土中に移植して栽培したものである。か
かる図3からも明らかなように、露地栽培の比較的緩や
かな経時変化に対して、実施例1はやや湿潤方向にある
が概ね同様の傾向を示していることがわかる。このこと
は、通常の土中における水分変化に速やかに対応してい
るためであり、容器を用いても水分変化に大きな影響を
与えないことを示すものである。一方、前述の露地栽培
の変化に対して、比較例1は湿潤時と乾燥時の変化が大
きく、特に、露地栽培において乾燥状態にある際には、
いずれの場合にも大きく乾燥していることがわかる。植
物枯死には至らなかったが、夏季においては容器外部に
対して内部が過乾燥となることがしばしば観察され、数
回にわたり潅水を必要とした。また、約12ケ月間栽培
した後、各栽培容器を容器ごと掘り出し、植物の根系観
察を行った。その結果、実施例1、比較例1共に容器内
外での細根発生が促進されており、根の張り具合も良好
であり、両者に大きな差は見られなかった。しかしなが
ら、今回の実用試験においては比較例1には潅水の必要
が生じたため、実際の圃場での利用を考慮すると、実施
例1が総合的に優れていると言える。更に、本実用試験
中には記載していないが、本発明の実施例1の栽培容器
を取り外し、その後定植した植物の活着も非常に良好で
あった。尚、かかる実用試験は、シラカシについてはグ
ンゼグリーン(株)茨城生産センター(茨城県稲敷郡阿
見町),クスノキについては同社鹿児島生産センター
(鹿児島県肝属郡串良町)で行ったものである。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の植物栽培
容器は、土中埋没型であるメリットを生かし、土中の水
分や養分を十分透過しつつ、且つ必要以上に細根を容器
外部へ突出させないという効果を奏するので、移植時に
おける掘取り、根巻き等の移植作業を簡素化するととも
に、ナンキンハゼ、ハナミズキ等の高級緑化樹やヤマモ
モ、カキをはじめとする果樹等、これまで移植が困難で
あった樹種に対しても適用可能となり、また、活着も非
常に良好なものとなる。更に、春〜夏等これまで移植が
困難であった時期においても好適に用いることができる
という効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明栽培容器の構成を例示した側面図。
【図2】本発明における貫通強度測定用治具の側面図。
【図3】本発明実施例並びに比較例で構成した栽培容器
による実地栽培時における容器内の水分変化を表した
図。
【符号の説明】
1 栽培容器側面 2 栽培容器底面 3 円錐部 4 取付部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 俊介 宮崎県児湯郡川南町大字川南5199−202 グンゼグリーン株式会社宮崎生産センター 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側面が高い表面吸水性と低い毛細管効果
    を兼ね備えた多孔性素材より成り、底面が高い通水性を
    有する多孔性素材より成ることを特徴とする容器全体が
    土中での透水性に優れる植物栽培容器。
  2. 【請求項2】 多孔性素材の空隙部に部分的に閉塞処理
    が施され、通気性部分と非通気性部分が混在した合成繊
    維不織布、又は編織布より成る請求項1記載の植物栽培
    容器。
  3. 【請求項3】 閉塞処理が熱処理、又は樹脂加工により
    成されたものであることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の植物栽培容器。
  4. 【請求項4】 側面が、水滴滴下法(JIS L 10
    96法)による吸水性試験において60秒以下、且つバ
    イレック法による吸水性試験において50mm以下であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の植
    物栽培容器。
  5. 【請求項5】 底面が、以下の(a)〜(c)の手順に
    よる通水性試験において300秒以下の値を示すことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の植物栽培容
    器。 (a)1000mlの容量の容器の底に被測定素材を敷
    き、その上に27.5mmの高さまで直径0.5mmの
    ガラスビーズを充填する。 (b)次いで、その上側40mmまで蒸留水を入れた
    後、容器下側のコックを開いて、直径5mmの筒より蒸
    留水を自然落下させる。 (c)合計100mlの蒸留水が落下するまでの時間を
    測定し、これを通水性とする。尚、この際の測定環境
    は、温度20℃、湿度65%とする。
  6. 【請求項6】 多孔性部材が、以下の(a)〜(c)の
    手順による測定において1.5〜3.0kgfの貫通強
    度を有することを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の植物栽培容器。 (a)JIS L 1096法に記載される破裂強度測
    定と同様の方法により測定素材を装着すると共に、これ
    に対向する位置にその表面がJIS B0610法記載
    の表面粗さが0.8μm以下に加工された角度20度の
    円錐形のステンレス製治具を装着する。 (b)円錐治具を10mm/分の速度で移動させ、その
    先端から10mmの位置に至るまで移動させて素材を貫
    通させる。 (c)この間における最大負荷を測定し、これを貫通強
    度とする。尚、測定環境は、温度20℃、湿度65%と
    する。
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