JP3198640U - 省力的底潅水多品種容器栽培システム - Google Patents

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Abstract

【課題】底潅水を改良して通気不良による根腐れがない栽培システムを提供する。【解決手段】混合培養土Bが入っている栽培容器Aと、栽培容器Aの下にあり、水Eが入っているタンクCと、マイクロクロスを結束して形成された胴体部2と、マイクロクロスが結束されていない頭部1とを有するテルテル坊主状の給水紐Dとを有する。給水紐Dの頭部1が栽培容器Aの底に固定されていて、給水紐Dの胴体部2がタンクC内の水Eにつかっている。混合培養土Bは、赤玉土と、ゼオライト又は軽石と、完熟腐葉土とを混合し、潅水することで飽和液相を30%とする。給水紐Dは、吸水性のマイクロクロスを円柱状に結束して外周を締め上げ、最上部をマイクロクロスが結束されていない頭部1とすることで、胴長のテルテル坊主状に形成する。栽培容器Aは、底に給水紐Dを固定する穴を開いているとともに、底の別の箇所に穴が開いていて、当該穴に排水ストレーナー4が取り付けられていて、栽培容器A内に降り注ぐ雨を当該排水ストレナー4を通じてタンクCに落とす。【選択図】図1

Description

本考案は多湿な地域に咲く環境に適したクラメンのような種類の植物栽培に利用されている底灌水栽培の技術を改良し、多品種において底潅水容器栽培を可能とするものであり、同時に給水紐の改良によって深いタンクが使用でき長期間水遣り不要とする。特に屋外において経年劣化のない頑丈な不透明タンクの上に栽培容器を置き、栽培容器に降り注ぐ雨をタンクに落として貯水し給水紐の毛細管で高い距離を吸い上げ底潅水で栽培に利用することで補給水の必要がなくなり、水遣り不要の移動可能な花壇形式容器栽培を可能とするシステム。
植物栽培の底灌水技術はピートモスの吸水性を使用して毛細管水を吸い上げシクラメンや各種の過湿を好む栽培に応用されてきたが、吸水性の高いピートモスは通気が悪く、酸素を必要とする多くの品種の栽培において根腐れが発生する。また、液相の低い培養土では乾燥によって水切れが発生するとされ、シクラメン栽培でエブ、アンド、フローの方法も考え出されたが、省力的とは言えず一般家庭に対応しにくい。特開2006−180867や特開2008−187901特許においては過湿による問題が発生し良好な植物栽培容器やシステムが提供されていない。さらに特開2008−187901においてはポットの下部にトレイを置いて貯水する方式であり、植物栽培の根は成長することで下部のトレイ内の水に直接触れるに至り、植物は過湿により成長不良に至る。
本考案は底潅水を利用して多品種栽培を行うシステムである。栽培容器の下にタンクを置き、タンクに水を大量に貯水し、給水紐の毛細管で培養土まで吸い上げ長期間、水遣り要らずの省力的な栽培をするが、タンク水を大量に確保するために高くまで吸い上げる給水紐の吸い上げ能力が必要であり、どのような繊維を使用してどのように形成するかが課題となる。また、底潅水において多品種栽培を行うにはピートモスなどの培養土で吸水性によって、水は吸いあがるが栽培するには通気性が悪く根腐れが発生し多品種栽培は不可能である。このため、どのような培養土を使用し、どのようにすれば乾燥による水切れを克復して底潅水を継続させ多品種栽培を可能とするかということも課題であり、さらに貯水する水を腐敗させないタンク形状も課題である。
前記の課題を解決するにおいて、底灌水植物栽培システムの培養土として液相が低く通気のよい団粒構造の混合培養土を使用するが、団粒構造の培養土にあって乾燥による毛細管の遮断を防ぐため、最初に充分、潅水して湿らせ団粒構造の培養土隙間に水を付着させ、この付着した水の連鎖性によって毛細管の道が形成され、連鎖状態の水はポテンシャルが高い位置から低い位置に移動するという自然の法則によってタンクの水切れがないかぎり永久的に移動し続けることを確認した。この栽培培養土に供給する水の供給源として栽培容器底の培養土を常に飽和的に水を含ませることによって栽培培養土内部の乾燥や植物の根に水が浸透することで低くなる液相の培養土に毛細管で水は移動し連続性は絶えることはない。栽培容器底部分の位置の培養土を常に水分飽和状態とするには、細いガラス管の毛細管水が高くまで上がるように細ければ細いほど高くあがるので、繊維が細く吸水性の良いマイクロクロスの外周をテープできつく締め付けて密な円柱状に形成し、頭部を付けテルテル坊主状にすることで、タンク水面から高さ18cmの距離の位置に、毛細管水は自然に吸い上がり、頭部分は液相40%程度になる。よって培養土飽和液相の30%より高くなり、水の流れが形成する。水を確保するタンクは重たい栽培容器を載せても変形せず、経年劣化のない不透明な密閉タンクを使用する。これによって水は腐敗せず、虫なども進入しない。深さは18cm以内として形成とする。混合培養土は底潅水時でも理想的三相を保つ2mm−5mm程度の赤玉土と2mm−5mm程度のゼオライト(軽石も可)、完熟腐葉土を2:1:1に混合した培養土を使用する。この培養土は飽和液相が30%であり、気相も確保され、固相も鉢植え栽培に最適な1000ccにおいて500g程度となり良好な多品種栽培が可能となる。システムの構造としては、栽培用器の底に穴を開け給水紐頭を固定し、タンクを密閉するタンク蓋に穴を開け給水紐を貫通しタンク底に降ろして使用するが屋内使用では蓋をずらした隙間から水量を確認し、補給水を注入し、屋外では栽培容器底には網状の排水ストレーナーを取り付け、雨をタンクに落として貯水するので補給水は完全に不要となる。タンクの大きさの規定はないが、実験では栽培容器の大きさと同じ大きさの面積を持つタンクの使用し、深さ18cmにおいて、年間を通して水遣りは不要であった。吸水紐の能力によって2cm−18cmと規定するが最短2cmとするのは浅い栽培容器において2cm以内では栽培容器底部に水が停滞して過湿ぎみとなり成長不良が発生するためである。深い栽培容器では底に根が集中せず、広い培養土に広がるので水停滞は問題とはならない。給水紐の固定は10平方センチ程度に1個とし、栽培容器が大きくなれば比例して給水紐の数を増やす。
本考案は、上述のとおり構成されているので、次に効果を記載する。
吸水性の良いマイクロクロスの布を円筒に丸め、外周をテープできつく巻いて密に形成することで高い距離を水が吸い上がり水容量の大きい深いタンクが使用できるので長期間水遣りが不要な栽培が可能となる。屋外において栽培容器とタンクが同じ大きさとして雨を受け、表面積20cm×30cmの容器において同じタンク面積の深さを18cmとしたタンク使用でのテスト栽培で雨による水補給だけで2013年、2014年の2年間の連続栽培テストで、まったく水補給の必要がない底潅水栽培が可能であった。これは栽培品種によって異なるので絶対的な数値ではないが多品種において利用は可能である。
栽培の最初に培養土に潅水することで、乾燥の激しい団粒構造の培養土が使用でき、栽培容器底部を培養土飽和液相状態に形成して毛細管水の連続性を持たせるので、栽培培養土は吸水性のある培養土を使用せず、適正な三相状態が継続する団粒構造の培養土使用で多品種栽培が可能となる。
タンクは経年劣化のない頑丈で不透明な容器を使用し、蓋によって密閉する構造のため太陽光線による腐敗がなく、虫などの侵入もない。屋内においては衛生的なインテリアとして窓際や玄関などでの省力的栽培が可能である。
屋外使用では雨をタンクに落とすことで、年間を通して水遣りは完全に不必要となるが乾燥の激しい地域、季節では蓋の隙間から水補給を行うことで連続栽培を可能とする。
考案の実施例
長期的に水遣りの手間を省く植物栽培システムのタンクや栽培容器は経年劣化のない頑丈で不透明な容器とする。給水紐は吸水性に優れたマイクロクロス10cm幅をテープで密に結束して直径1cm程度にし、頭部を付け、胴長のてるてる坊主状に形成し、頭部分を栽培容器底の穴部に固定して、胴体をタンクの蓋穴からタンク底に降ろし、毛細管で栽培容器の培養土に水を供給する。屋内ではタンク蓋をずらして水量確認し補給水を追加するが、屋外では雨が補給水となり、18cmの深さを持つタンク使用で完全に水遣り不要となる。底潅水の培養土は常に水を含む団粒構造の2mm−5mm程度の赤玉土と2mm−5mm程度のゼオライト(軽石も可)、完熟腐葉土を2:1:1に混合した培養土使用で通気性を持たせ液相30%において多品種栽培が可能となり、タンクから培養土底部まで18cm以下の距離吸い上げで給水紐頭部分が40%程度の液相となり、自然的な毛細管水を吸い上げによって省力的栽培が可能となるシステム。
図1は栽培容器をタンクに置いた本考案実施例における屋外仕様のシステムの正面からの断面図である。 図2はプランター容器をタンクに置いた本考案実施例における屋内仕様のシステムの正面からの断面図である。 図3は給水紐の正面からの断面図である。
A栽培容器 B混合培養土 Cタンク D給水紐 E水 F蓋
1給水紐頭部 2給水紐胴体部 3結束テープ 4排水ストレーナー

Claims (6)

  1. 植物栽培において水遣りの手間を省く、省力的な底潅水栽培システムの実用新案申請であるが、今までの底潅水方式では不可能であった多品種植物栽培を可能とするため、液相が30%である、最適な三相をもつ団粒構造の混合培養土を使用し、使用初めに充分水を潅水して培養土を湿らせ団粒の隙間に水を付着させ、その水の連鎖性によって水切れがなく通気のある多品種栽培が可能となる。水の連続性の継続として栽培容器底にマイクロクロスを固く結束して頭部を付けたテルテル坊主状に形成した給水紐の頭部を固定しタンク水に給水紐胴体を降ろし、吸い上げ距離18cmにおいて頭部は40%程度となり、100%液相のタンクからクロスを上り、は飽和液相30%の培養土に水ポテンシャルは高い液相から低い液相に流れるという自然法則によって水を供給し続け、乾燥しやすい団粒構造の培養土は水枯れのない省力的多品種栽培が可能となる栽培システム。
  2. 上記システムの構成として2mm−5mm程度の赤玉土と2mm−5mm程度のゼオライト(軽石代用可)、完熟腐葉土を2:1:1に混合し、使用初め充分水を潅水することで栽培に最適な飽和液相30%になり、気相も確保され固相も適正である三相の請求項1記載のシステムを構成する混合培養土。
  3. 底灌水の給水紐として、吸水性の良いマイクロクロスを密に円柱状に結束して外周を締め上げ、最上部を巻いて頭部とする胴長のてるてる坊主状に形成し頭部を栽培容器底に固定し胴体をタンクに下ろして毛細管で水を吸い上げることでタンクから18cmの高い距離でも頭部は40%程度以上の液相を常に保つ請求項1記載のシステムを構成する給水紐。
  4. 栽培容器は従来から使用されている形状の栽培容器であって底に給水紐を固定する穴を開けて使用するが、室外用として底の別の箇所に穴を開け排水ストレーナーを取り付け、降り注ぐ雨をタンクに落として貯水する請求項1記載のシステムで使用する栽培容器。
  5. タンクは経年劣化の少ない、頑丈で不透明な置き台兼用の容器とし蓋を載せて密閉する。吸水紐が貫通する穴と栽培容器底の排水ストレーナー孔を蓋に開けて使用するが、蓋は固定せず、片側の蓋をずらして隙間から水量を確認し、補給水を注入する。蓋の給水紐穴の位置、ストレーナー穴の数は栽培容器の位置に合わせ、タンクの大きさも栽培容器と同じ程度の大きさとし深さは自然に毛細管で培養土に供給し続ける安定毛細管吸い上げ距離18cm以下と規定とし、近距離吸い上げ時は栽培容器底に停滞する水が成長不良に繋がるので2cmの距離を離して使用する請求項1記載のシステムを構成するタンク。
  6. システムは屋外、屋内の使用目的に合わせて水補給方法を変えて使用する。屋外では雨を培養土表面に受け栽培容器の底の排水ストレーナーの網部から下の18cmの深さのタンクに落として貯水し栽培に使用することで完全に水遣りが要らなくなるのでコンクリートの床部分の栽培において数年に一度程度の給水紐の取替えによって、水切れのない移動式花壇形式の容器としての使用もでき、屋内ではタンク蓋をずらすことで隙間が生じ、その隙間から水を補給して衛生的に使用する請求項1記載のシステム。
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