JPH09289621A - テレビ用スクリーン - Google Patents

テレビ用スクリーン

Info

Publication number
JPH09289621A
JPH09289621A JP10020396A JP10020396A JPH09289621A JP H09289621 A JPH09289621 A JP H09289621A JP 10020396 A JP10020396 A JP 10020396A JP 10020396 A JP10020396 A JP 10020396A JP H09289621 A JPH09289621 A JP H09289621A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diffusion layer
fine particles
light
screen
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10020396A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Azuma
直樹 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP10020396A priority Critical patent/JPH09289621A/ja
Publication of JPH09289621A publication Critical patent/JPH09289621A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過光強度を低下させずに指向性の良い光
拡散性をもち、光源からの光の結像を容易にすることが
出来るプロジェクションテレビ用スクリーンを提供す
る。 【解決手段】 熱可塑性透明樹脂に第1微粒子を分散し
た拡散層(i)に熱可塑性透明樹脂に該微粒子と同一も
しくは異なる第2微粒子を第1微粒子とは異なる重量濃
度で分散させた拡散層(ii)を該拡散層(i)の片面
又は両面積層した背面透過型プロジェクションテレビ用
スクリーン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過光強度を低下
させずに指向性の良い光拡散性をもち、光源からの光の
結像を容易にし、かつ、スクリーンの板の厚みが変化し
ても対応が容易に出来る、背面透過型プロジェクション
テレビ用スクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年テレビの大型化に伴い、従来の直視
型ブラウン管テレビから背面透過型プロジェクションテ
レビの需要が増大している。これまでのプロジェクショ
ンテレビ用の出射光側のパネルの構成は一般にはテレビ
内部からフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、スク
リーンの3枚構成となっており、また、スクリーンにレ
ンチキュラーレンズを付け両方の役目を果たしているも
のもある。スクリーンの主とする目的は、フレネル及び
レンチキュラーレンズの保護であるが、映像を結像し、
さらに視野角を広げるためでもある。レンチキュラーレ
ンズを通った光は、スクリーン上で画像が結像する。そ
の結像画像について、拡散剤によってさらに視野角が広
がる。
【0003】そして、スクリーンに光拡散性能を持たせ
るために一般的には(1)表面に凹凸形状をつける、ま
たは(2)光拡散剤を用いる、ことが挙げられる。
(1)の表面に凹凸形状をつけるものについては熱変形
により表面形状が変化しやすく、均一な凹凸形状がつけ
にくく好ましくない。そこで、(2)の光拡散剤が良く
用いられる。光拡散剤として一般に微粒子が用いられ
る。しかし、スクリーンの全面に微粒子を一様に分散し
た場合、レンチキュラーを通ってきた画像が結像するの
に微粒子の重量濃度が低く、このため、光源からの画像
光がよほど緻密でないと、像が結像し難く、また、拡散
性も悪く視野角も狭い。このプロジェクションテレビに
最適な視野角とは、オプテック社のゴニオフォトメータ
ーで0.2°間隔で測定して1/3視野角(β値)が5
〜25°である。なお、1/3視野角とはサンプル面に
垂直に入射した平行光線を透過側からみて、光軸上にお
ける光線強度をVとしたときに光線強度が、1/3Vま
で低下するのに要する光軸とのなす角度である。この視
野角を広げるために微粒子の重量濃度を高くすると、光
源からの光が散乱して透過光強度が低下し、さらに、光
源からの像の結像についても、スクリーンの光源側で結
像するようレンチキュラーレンズの設計をしても、スク
リーン内部を結像光が通る過程で散乱し、像がぼやけて
しまう。また、スクリーンの観察者側で像を結像させる
ように設計しても、今度は結像手前の光が散乱してしま
うことにより結像が良くないといった多くの不具合が生
じる。さらに、スクリーンの厚みが厚くなると、低濃度
であっても光路が長くなり厚みが薄いものと光拡散性や
光線透過率に大きな違いが生じる。
【0004】これらの改善として微粒子を熱可塑性透明
樹脂の片面又は両面に印刷方法等を用いて塗布すること
で上記の不具合を改善する方法が、特開平5−2924
37、特開平6−311464等で知られているが、こ
の方法では作業工程が複雑になり、また、均一な厚みで
微粒子を塗布しなければ透過性や光拡散性の光学特性に
むらが生じ、さらに、熱成形を行うと、微粒子の欠落や
微粒子の間隔の不均一等で光学特性が大きく変化した
り、スクリーンの風合が悪くなったりして、好ましくな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は従来の
プロジェクションテレビ用スクリーンでは得られなかっ
た、透過光強度を低下させずに指向性の良い光拡散性を
もち、光源からの光の結像を容易にする事が同時に出来
るプロジェクションテレビ用スクリーンを提供するとこ
ろにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はこの問題を解
決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性透明樹脂に第1微
粒子を分散した拡散層(i)に熱可塑性透明樹脂に該微
粒子と同一もしくは異なる第2微粒子を第1微粒子とは
異なる重量濃度で分散させた拡散層(ii)を該拡散層
(i)の片面又は両面積層する事で光透過性を低下させ
ずに指向性の良い光拡散性をもち、光源からの光の結像
を容易にする事を同時に満足するプロジェクションテレ
ビ用スクリーンが出来ることを見い出し、本発明に至っ
た。
【0007】即ち、本発明は以下の(1)〜(6)であ
る。
【0008】(1)熱可塑性透明樹脂に第1微粒子を分
散した拡散層(i)に、熱可塑性透明樹脂に該第1微粒
子と同一もしくは異なる第2微粒子を第1微粒子とは異
なる重量濃度で分散させた拡散層(ii)を、該拡散層
(i)の片面又は両面に積層させたことを特徴とするプ
ロジェクションテレビ用スクリーン。
【0009】(2)該第2微粒子の重量濃度が該第1微
粒子の重量濃度より高いことを特徴とする前記(1)記
載のプロジェクションテレビ用スクリーン。
【0010】(3)第1微粒子の面積濃度F1が下記式
(I)を満足することを特徴とする前記(1)、(2)
記載のプロジェクションテレビ用スクリーン。 1wt%・μm≦F1≦2500wt%・μm …………………(I) (4)該拡散層(i)の微粒子の面積濃度F1及び該拡
散層(ii)の微粒子の面積濃度F2と、該拡散層(i
i)の重量濃度C2及び該拡散層(ii)の総厚みL2
が下記式(II)、(III)及び(IV)を同時に満足する
ことを特徴とする前記(1)〜(3)記載のプロジェク
ションテレビ用スクリーン。 500wt%・μm≦F1+F2≦3000wt%・μm ………(II) 5wt%≦C2≦20wt% ……………………………(III) 10μm≦L2≦250μm ………………………………(IV) (5)該拡散層(i)および(ii)に用いる微粒子が
下記式(V)及び(VI)を同時に満足することを特徴と
する、前記(1)〜(4)記載のプロジェクションテレ
ビ用スクリーン。 0.001≦|Nm−Nd|≦0.1 ………………………………(V) (Nmは熱可塑性透明樹脂の屈折率、Ndは微粒子の屈
折率を示す。) 1μm≦Dd≦20μm ………………………………(VI) (Ddは微粒子の重量平均粒径を示す。) (6)該拡散層(i)と該拡散層(ii)の積層によっ
て1/3視野角(β値)が5°以上、25°以下である
ことを特徴とする前記(1)〜(5)記載のプロジェク
ションテレビ用スクリーン。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明で用いられる熱可塑性透明樹脂は特
に限定されることなく、種々の材料を用いることができ
る。具体的には、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカ
ーボネート、スチレン−アクリル共重合樹脂、耐衝撃性
アクリル樹脂等を挙げることが出来る。光透過性及び二
次加工後の薄肉部分の強度維持の点で耐衝撃性アクリル
樹脂が特に好ましい。なお、耐衝撃性アクリル樹脂と
は、そのゴム弾性体が特開昭53−58554号公報、
同55−94917号公報、同61−32346号公報
等に開示されているが、簡単に説明すると、アクリル系
重合体芯材料のまわりに弾性層及び非弾性層を交互に生
成させる多段階逐次重合法により製造される多段重合体
である。また、これらは1種のみではなく複数種用いて
もよい。本発明において、拡散層(i)及び拡散層(i
i)で用いる熱可塑性透明樹脂とは同一でもよく、ま
た、異なっていてもよい。また、コントラスト比をあげ
るために外光反射量を低減させることを目的とした暗色
性着色剤や、可視光領域において特定波長の光を吸収す
るような着色剤を添加してもよい。
【0013】本発明で用いる第1及び第2微粒子の材質
として、例えば、スチレン系(共)重合体、アクリル系
(共)重合体、シロキサン系重合体、塩化ビニル系重合
体等の有機物あるいは、結晶性シリカ、ガラス、沸化リ
チウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機物等が
挙げられる。しかし、該微粒子を分散させる透明樹脂の
成形温度において実質的に溶融しなければ材質について
限定されることはない。第1微粒子と第2微粒子の材質
は同一でも異なっていてもよい。また、これら各々の微
粒子は単独でも二種以上の組み合わせで利用してもよ
い。形状は真球状、楕円体状、不定形状等、形状は限定
しないが、光拡散状態にむらが生じないために真球状が
特に好ましい。微粒子は、透明、不透明のどちらでもよ
いが、光拡散性を維持して光線透過率を上げるには、透
明のほうが特に好ましい。また、コントラストを上げる
ための光吸収剤を添加した様な着色した微粒子でもあっ
てもよい。これらの中で、安価であり、形状を容易に制
御することが出来て、組成比によって屈折率、粒径の調
整が容易に出来ることから、スチレン−アクリル系架橋
重合体が特に好ましい。
【0014】また、熱可塑性透明樹脂との屈折率差が小
さい微粒子、好ましくは屈折率が0.001以上、0.
1以下であるものが用いられる。屈折率差が0.001
より小さいと光源が透けて見え、また、β値が5゜より
小さくなり不適である。屈折率差が0.1より大きくな
ると光線透過率が極端に下がるため好ましくない。透明
微粒子の平均粒径は、1μmより小さいとβ値が5〜2
5゜であっても光源が透けてしまうことがあり、好まし
くはない。20μmより大きくなると光学特性が表面状
態に影響され好ましくない。1〜20μmが好ましく、
特に好ましいのは1〜10μmである。
【0015】また、本発明で用いる面積濃度について
は、微粒子の各拡散層における重量濃度と該拡散層の厚
みの積で表す。すなわち、微粒子の重量濃度を5wt%
で100μmの厚みにした拡散層(a)と微粒子の重量
濃度を0.05wt%で10000μmの厚みにした拡
散層(b)という2つの拡散層はともに同じ面積濃度5
00wt%・μmで表すことが出来る。従って、拡散層
(i)中の第1微粒子の重量濃度は拡散層(i)の厚み
と関連するが、重量濃度としては、0.0001wt%
以上20wt%以下であることが好ましい。0.000
1wt%より少ないと、層の厚みを厚くする必要があ
り、層中を通る光路が長くなり、その間に光が拡散され
て好ましくない。20wt%より多くすると層の厚みを
薄くしても光拡散性が高く、透過率が低くなり画像が暗
くなって好ましくない。好ましくは、微粒子の分散の均
一性から0.0001〜10wt%以内である。
【0016】拡散層(i)の厚みについては、重量濃度
を決めることで、一義的に決まるが、一般にスクリーン
の厚みが1mmから10cmであるので、拡散層(i)
の厚みは10cm以内であることが好ましい。このとき
拡散層(i)の拡散層の面積濃度が1以上2500wt
%・μm以下となるよう上記にある重量濃度と厚み範囲
で選択するのが好ましい。面積濃度が1wt%・μmよ
り小さいと光拡散性が少なく、光源が見えてしまい好ま
しくない。また、面積濃度が、2500wt%・μmよ
り大きくなると拡散層(ii)が存在するので、光拡散
性が大きくなりすぎ、同時に、平行光線の透過率が低く
なりすぎて画像が暗くなり好ましくない。 また、拡散
層(ii)中の微粒子の重量濃度は、拡散層(i)と関
係し、拡散層(i)と拡散層(ii)の面積濃度の和
が、500以上、3000wt%・μm以下であること
が好ましい。500wt%・μmより小さいと光拡散性
が小さく、光源がぎらつき、プロジェクションテレビ用
スクリーンとして好ましくない。3000wt%・μm
より大きいと光線透過率が低くなり画像が暗くなって好
ましくない。より好ましいのは、500以上2500w
t%・μmである。
【0017】さらに、拡散層(ii)の重量濃度は該拡
散層(ii)で光源からの像の結像を行い光拡散性を高
めることから、高濃度が良く、5wt%から20wt%
の範囲であることが好ましい。5wt%より小さいと画
像の結像性が低く、また20wt%より大きくすると拡
散層(i)の厚みを薄くしても光拡散性が高くなり、ま
た微粒子の分散も不均一になるので好ましくない。特に
好ましいのは5〜15wt%である。
【0018】また、拡散層(ii)の厚みは10μmよ
り薄いと濃度を濃くしても光源がぎらつきやすく、ま
た、250μmより厚くなると光透過率が低くなり、ま
た、拡散層(ii)の光路が長くなり結像した画像がぼ
けて好ましくない。好ましいのは10から200μmで
ある。
【0019】最適な全光線透過率は、無色の熱可塑性透
明樹脂を拡散層に用いて評価したときに全光線透過率で
表現して15%の低下範囲であるのが好ましい。たとえ
ば、アクリル樹脂の場合全光線透過率は92%なので7
7%までが全光線透過率の低下範囲である。これより低
い場合は画像光が暗くこのため、外光反射量との比が小
さくなり、コントラストが悪く、好ましくない。光吸収
剤のような暗色性の着色剤を加え、外光反射を低減しコ
ントラストを上げることが一般に知られているが、この
場合には、着色剤を加える前の画像光の透過率が低い
と、暗色性の着色剤を加えても画像光の透過率がさらに
下がってしまうため、コントラスト向上といった目標を
達成することが出来ないので好ましくない。
【0020】本発明におけるプロジェクションテレビに
最適な視野角を示す1/3視野角の値(β値)は5から
25°が好ましい。5°より小さいと指向性が狭く、好
ましくない。25°より大きな視野角を持つ必要がな
く、逆に平行光線が少なくなり、画像が暗くて好ましく
ない。さらに好ましくは5から18°である。
【0021】本発明のスクリーン製造で行う多層の方法
については、接着剤を用いたラミネート、熱溶着、振動
溶着、共押出し等が挙げられるがこれらに限定されるこ
とはない。しかし、作業工程が少なく、また、積層界面
の乱れが少なく、二次加工時に層剥離を生じる可能性の
ない共押出しが特に好ましい。
【0022】共押出しの場合は、通常の押出機を2台以
上使う。基板部は40mmφ、60mmφ、90mmφ
等の押出機で、また積層部はそれよりも小さい20mm
φ、30mmφ、45mmφの押出機を用いる。積層部
に用いる微粒子分散樹脂組成物や帯電防止性樹脂組成物
は前記する透明微粒子や帯電防止剤を予めブレンダー等
を使って透明樹脂中に混練し、その後押出機でペレタイ
ズしたものを用いる。
【0023】本発明のプロジェクションテレビ用スクリ
ーンは背面透過型及び正面放射型の両方に利用すること
ができるが、特に背面透過型に有効である。
【0024】本発明におけるプロジェクションテレビ用
スクリーンの使用については平面のままで使用するほか
に、例えば、片面または両面にレンチキュラーレンズ形
状をつけて使用することも可能であり、この場合におい
ては、入射光側にレンチキュラーレンズ形状をつけ、出
射光側の平面にスクリーンを通る光が結像するための拡
散層(ii)を設けることにより画像がシャープになり
好ましく、出射側の該拡散層(ii)もレンチキュラー
レンズ形状にすることで光拡散性が向上するのでさらに
好ましい。外光反射を低減するために光不出射部に光吸
収剤をつけることも好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例、比較例で本発明を
具体的に説明する。なお、各実施例、比較例で用いた評
価及び試験方法は次の通りである。
【0026】(1)1/3視野角の測定:(株)オプテ
ック社製の3次元ゴニオフォトメーターGP−IIIを
用いて評価した。3次元ゴニオフォトメーターの装置の
概略図を図1に示す。白色光源(1)をサンプル(2)
面に垂直に照射するように向け、光軸上、すなわち透過
率が最大になる位置にフォトマル(3)を設置する。サ
ンプルは微粒子の分散した層のある面を光源側に向けて
設置する。このときの光強度をV(mV)とする。フォ
トマル(3)をサンプル(2)の中心を軸として回転し
て行き、光強度が1/3V(mV)となる1/3視野角
(β°)を測定する。
【0027】(2)屈折率の測定:ATAGOアッベ屈
折率計type3を用いて測定した。
【0028】(3)光透過性の測定:JIS K−71
05に準じて日本電色工業社製1001−DP型ヘーズ
メーターを用いて、試験片の全光線透過率を測定する。
【0029】(4)画像の評価:スクリーンの一方から
プロジェクターで画像を写し、スクリーンのもう一方の
面から画像を観察する。画像のフォーカスは画像が入射
してくる側のスクリーン面上でシャープになるようにす
る。スクリーンを通した画像がシャープな場合には○、
画像にぼけが生じたり、二重画像が生じたときには、ス
クリーン上で画像が結像出来ていなかったり、余分な迷
光が出てきていて好ましくないので×として評価する。
なお、拡散層(i)が片面の場合には拡散層(i)側か
ら画像を入射させ、画像のフォーカスを拡散層(i)の
表面で合わせることにする。プロジェクターはキャビン
工業製TWIN CABIN SUPERを用いる。
【0030】
【製造例】
微粒子の調整:表1にある微粒子(A−1〜3)を用い
た。屈折率については上記(2)にある方法で測定し
た。平均粒径についてはこれらの粒子を界面活性剤水溶
液中に超音波で分散させ、遠心式自動粒度分布測定装置
(堀場製作所社製 CAPA−700型)を用いて、光
透過型沈降粒度分布測定法により粒子径分布を測定す
る。更に、粒子の沈降速度の差を利用した沈降分級法と
遠心力を利用した遠心分級法を組み合わせた方法で、粒
子の分級を行ない表1にある平均粒径をもつ微粒子を得
た。
【0031】
【表1】
【0032】スクリーン用原料の調整:耐衝撃性アクリ
ル樹脂(A)としてメチルメタクリレートとメチルアク
リレートの共重合体からなる連続相中にブチルアクリレ
ートを主成分としたアクリル酸エステルエラストマーを
分散させたアクリル樹脂(シート材料用デルペットSR
7175、旭化成工業製)を用い、上記(2)の測定方
法を用いて屈折率が1.49であることを確認した。そ
の後、表2、表3に従ってこれらを混合し、タンブラー
を用いて均質に混合後、ベント付き押出し機30mmφ
にて樹脂温度250℃で溶融混練し、ペレット化し原料
(B−1〜3及びC−1〜2)を調整した。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【実施例1〜7】上記で調整した原料ペレット(B−1
〜3及びC−1〜2)を表4に示される組み合わせで用
いて拡散層部原料とし、直径20mmL/D=32の押
出機を用い、これらを直径40mm、L/D=32の押
出機を用いて共押出しを行なう。ポリッシングロールの
温度は、上、中、下ロールとも70℃にしてダイスは2
種2層のフィードブロック式、リップ開度は総計2.0
mmの厚さの板を作成するときには3.0mm、総計
3.0mmの板を作成するには4.0mmで押出し、押
出機温度は265℃で行った。多層シートの厚みはポリ
ッシングロールのクリアランスで板の厚みを2.0mm
または3.0mmを目標に調整し、拡散層部は基材層の
片面に多層する事にし、拡散層部の厚みは押出機の押出
し量で調整を行なう。
【0036】
【比較例1、2】表2に示されるB−4、B−5を原料
として表4に示されるような構成で単層板を押出成形で
成形した。押出機は一台で行い、ダイスは1層のT型ダ
イス、ポリッシングロールその他の条件は実施例と同様
にして行なう。
【0037】
【表4】
【0038】このようにして得られた試験片で上記
(1)、(3)、(4)を評価したところ、表5に示す
結果が得られた。
【0039】
【表5】
【0040】実施例1〜7はいずれも全光線透過率が高
く、85%近くを示している。さらに1/3視野角がプ
ロジェクションテレビ用スクリーンに最適な5〜25°
にある。そして、実施例5、6については板の厚さが3
mmに変化しても同様に全光線透過率が高く、1/3視
野角が最適な範囲にある。また、画像の評価については
実施例1〜7は拡散層(i)側から画像を入射する場合
拡散層1で画像がはっきりとされて写し出されるので画
像がシャープに見える。一方、比較例1は全光線透過率
が低く、比較例2は全光線透過率は高くかつ、1/3視
野角も5〜25°内にはなくプロジェクションテレビ用
スクリーンとして好ましくない。画像の評価については
比較例1はスクリーン上で結像した光がスクリーンで散
乱され迷光となるので、画像がぼやけて好ましくない。
また、比較例2ではスクリーン上での結像が弱いため像
が2重像になって好ましくない。
【0041】
【発明の効果】本発明は、透過光強度を低下させずに指
向性の良い光拡散性をもち、光源からの光の結像を容易
にでき、特に背面透過型プロジェクションテレビ用スク
リーンとしてきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】1/3視野角の測定方法の説明図。
【符号の説明】
1 拡散層(i) 2 拡散層(ii) 3 白色光源 4 フォトマル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性透明樹脂に第1微粒子を分散し
    た拡散層(i)に、熱可塑性透明樹脂に該第1微粒子と
    同一もしくは異なる第2微粒子を第1微粒子とは異なる
    重量濃度で分散させた拡散層(ii)を、該拡散層
    (i)の片面又は両面に積層させたことを特徴とするプ
    ロジェクションテレビ用スクリーン。
  2. 【請求項2】 該第2微粒子の重量濃度が該第1微粒子
    の重量濃度より高いことを特徴とする請求項1記載のプ
    ロジェクションテレビ用スクリーン。
  3. 【請求項3】第1微粒子の面積濃度F1が下記式(I)
    を満足することを特徴とする請求項1、2記載のプロジ
    ェクションテレビ用スクリーン 1wt%・μm≦F1≦2500wt%・μm …………………(I)
  4. 【請求項4】 該拡散層(i)の微粒子の面積濃度F1
    及び該拡散層(ii)の微粒子の面積濃度F2と、該拡
    散層(ii)の重量濃度C2及び該拡散層(ii)の総
    厚みL2が下記式(II)、(III)及び(IV)を同時に
    満足することを特徴とする請求項1〜3記載のプロジェ
    クションテレビ用スクリーン。 500wt%・μm≦F1+F2≦3000wt%・μm ………(II) 5wt%≦C2≦20wt% ……………………………(III) 10μm≦L2≦250μm ………………………………(IV)
  5. 【請求項5】 該拡散層(i)および(ii)に用いる
    微粒子が下記式(V)及び(VI)を同時に満足すること
    を特徴とする、請求項1〜4記載のプロジェクションテ
    レビ用スクリーン。 0.001≦|Nm−Nd|≦0.1 ………………………………(V) (Nmは熱可塑性透明樹脂の屈折率、Ndは微粒子の屈
    折率を示す。) 1μm≦Dd≦20μm ………………………………(VI) (Ddは微粒子の重量平均粒径を示す。)
  6. 【請求項6】 該拡散層(i)と該拡散層(ii)の積
    層によって1/3視野角(β値)が5°以上、25°以
    下であることを特徴とする請求項1〜5記載のプロジェ
    クションテレビ用スクリーン。
JP10020396A 1996-04-22 1996-04-22 テレビ用スクリーン Withdrawn JPH09289621A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10020396A JPH09289621A (ja) 1996-04-22 1996-04-22 テレビ用スクリーン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10020396A JPH09289621A (ja) 1996-04-22 1996-04-22 テレビ用スクリーン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09289621A true JPH09289621A (ja) 1997-11-04

Family

ID=14267756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10020396A Withdrawn JPH09289621A (ja) 1996-04-22 1996-04-22 テレビ用スクリーン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09289621A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6961175B2 (en) 2001-12-13 2005-11-01 Sony Corporation Screen, its manufacturing method and image display system

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6961175B2 (en) 2001-12-13 2005-11-01 Sony Corporation Screen, its manufacturing method and image display system
US7035008B2 (en) 2001-12-13 2006-04-25 Sony Corporation Screen, its manufacturing method and image display system
US7242523B2 (en) 2001-12-13 2007-07-10 Sony Corporation Screen, its manufacturing method and image display system
US7345818B2 (en) 2001-12-13 2008-03-18 Sony Corporation Screen, its manufacturing method and image display system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101836136B (zh) 防眩膜、防眩性偏振板及图像显示装置
JP4826582B2 (ja) 光拡散板とその製造方法
US6917469B2 (en) Light diffusing laminated plate
WO2016104112A1 (ja) シート状透明成型体、それを備えた透明スクリーン、およびそれを備えた画像投影装置
KR20010099829A (ko) 투과형 스크린
US6963447B2 (en) Light diffusing agent, light diffusing sheet, and nonglare sheet
JP2001066701A (ja) 光拡散性シートおよび透過型スクリーン
JP2006337459A (ja) レンズアレイシート及び背面投影型映写スクリーン
KR100808328B1 (ko) 광 확산판
JP2001311806A (ja) 光拡散性シート、その製造方法および透過型スクリーン
JP2000330210A (ja) 透過型スクリーン
CN117518699A (zh) 线性抗光背投光学成像膜
JP2001311807A (ja) 光拡散性シート、その製造方法および透過型スクリーン
JP4893331B2 (ja) 光拡散性シートの製造方法
JP2000275742A (ja) 透過型スクリーン
JPH09289621A (ja) テレビ用スクリーン
JP2004094207A (ja) 透過型スクリーン
JPH1138512A (ja) 透過型スクリーン
JP3672664B2 (ja) テレビ用着色スクリーン
JPH10293361A (ja) 透過型スクリーン
JP3685227B2 (ja) プロジェクションテレビ用スクリーン
JP4914140B2 (ja) 光拡散性シートとその製造方法およびその用途
JP2003131325A (ja) プロジェクションスクリーン
JP3610826B2 (ja) 透過型スクリーン
JP2014038171A (ja) 異方性光拡散積層体及びプロジェクタースクリーン

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20050314

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761