JPH09286217A - 自動車のサスペンションアーム用部材 - Google Patents

自動車のサスペンションアーム用部材

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JPH09286217A
JPH09286217A JP8100792A JP10079296A JPH09286217A JP H09286217 A JPH09286217 A JP H09286217A JP 8100792 A JP8100792 A JP 8100792A JP 10079296 A JP10079296 A JP 10079296A JP H09286217 A JPH09286217 A JP H09286217A
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bush
holding
portions
crushed
suspension arm
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Application number
JP8100792A
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English (en)
Inventor
Sadao Kokubo
貞男 小久保
Masatoshi Enomoto
正敏 榎本
Shunta Shioda
俊太 潮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Showa Aluminum Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブッシュと保持部との間の寸法精度の厳格性
を緩和でき、製作コストが安く、また長尺のものにも対
応できる自動車のサスペンションアーム用部材の提供を
目的とする。 【解決手段】 部材本体の少なくとも一部に円筒型防振
ブッシュを装着するブッシュ装着部が形成された自動車
のサスペンションアーム用部材A である。前記ブッシュ
装着部1 は、部材本体10と一体化された受部1aとこの受
部1aから分離独立した被せ部1bとを有し、これら1a,1b
の間にブッシュ40を挟んで掴持するクランプ式であっ
て、前記受部1aおよび被せ部1bは、それぞれ断面半円状
に窪んでブッシュ40を保持する保持部2a,2b および径方
向外側に突出する結合部4,5 を備え、これら結合部4,5
は対をなす。そして、受け部1aの保持部2a内にブッシュ
40を嵌め入れ、被せ部1bをブッシュ40に沿わせて被せ、
前記各対の結合部4,5 が塑性変形を利用した結合構造を
介して結合されることにより、両保持部2a,2b を閉塞状
態に保持してブッシュ40を掴持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム等
からなる自動車のサスペンションアーム用部材に関す
る。
【0002】なお、この明細書において、アルミニウム
の語はアルミニウムおよびその合金を含む意味で用い
る。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図15
に示すように、アッパーアーム、ロアアーム、トーショ
ンバー等の自動車のサスペンションアームを構成するサ
スペンションアーム用部材(50)は、部材本体(51)と、そ
の両端あるいは片端に円筒型の防振ブッシュ(40)を装着
するための円形の装着孔(52)が形成された保持部(53)と
により構成されている。そして、前記ブッシュ(40)とし
ては、中心に位置する支軸部材(41)と、該支軸部材(41)
の周囲に配設されるとともに外径が装着孔(52)径よりも
わずかに大きく設定された剛性スリーブ(42)とが、それ
らの間に介挿されたゴム弾性体(43)によって連結された
ものが一般に用いられ、該ブッシュ(40)を前記装着孔(5
2)に圧入することによりサスペンションアーム用部材(5
0)に装着固定される。
【0004】上述のようなサスペンションアーム用部材
(50)は、従来、鉄系材料により全体を板金プレスにより
製作するか、あるいは長尺部材本体の場合は、パイプま
たは板からなる部材本体(51)と、別途プレスまたは鋳造
により作製した保持部(53)とを溶接することにより製作
していた。しかし、鉄系材料は重量であり、その上溶接
の場合はコスト高にもなるという欠点があった。
【0005】そこで、近年では、軽量のアルミニウム材
料で構成したサスペンションアーム用部材も用いられる
ようになっている。アルミニウムの場合は、展延性が良
好であることから専ら中空または中実の押出材が用いら
れる。中空押出材の場合は、図15と同様の中空部(装
着孔)を有する断面形状に押出したのち、軸方向に所要
厚さにスライス切断してサスペンションアーム用部材が
製作される。また、中実押出材の場合は、図16に示す
ように保持部(53') を中実とした押出材を所要厚さにス
ライス切断したのち、装着孔を切削形成してサスペンシ
ョンアーム用部材が製作される。
【0006】しかしながら、上記のような圧入式のブッ
シュは、圧入作業の容易性と圧入後のブッシュと保持部
との密着性が相反するが故に、アルミニウム製サスペン
ションアーム用部材においても次のような問題点があっ
た。
【0007】即ち、中空押出材を用いた場合には、ブッ
シュ(40)とサスペンションアーム用部材(51)の保持部(5
3)の密着性を確保できるようにこれらの寸法を設定する
と、ブッシュ圧入時に保持部(53)の内周面にかじりを生
じたり、押出時の溶着部相当部位に割れが生じることが
あった。また、熱間で押出すために、両端の装着孔(52)
間のピッチ、装着孔(52)の孔径および真円度を所要の公
差精度に製作することが困難である。そのため、中空押
出材であっても押出後に保持部(53)の内周面を切削する
必要があり、コスト高になっていた。
【0008】一方、中実押出材を使用する場合は、孔あ
けのための工数が中空押出材の後加工よりも格段に多
く、やはりコストの点で大きな問題があった。
【0009】また、いずれの押出材の場合にも、押出機
の押出圧力やダイスの寸法的な制限から、長尺のサスペ
ンションアーム用部材の製作には限界があった。
【0010】この発明は、このような技術的背景に鑑み
てなされたものであって、ブッシュと保持部との間の寸
法精度の厳格性を緩和できるのはもとより、製作コスト
が安く、また長尺のものにも対応できる自動車のサスペ
ンションアーム用部材の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に係る自動車のサスペンションアーム用部
材は、基本的に、ブッシュの固定方式としてクランプ式
を採用することにより、ブッシュと保持部の寸法精度の
厳格性を緩和するとともに製作工数を減らし、さらに形
材に展開加工を加えることにより長尺のアームへの対応
を可能としたものである。
【0012】即ち、この発明は、部材本体(10)の少なく
とも一部に円筒型防振ブッシュ(40)を装着するブッシュ
装着部(1) が形成された自動車のサスペンションアーム
用部材(A) において、前記ブッシュ装着部(1) は、前記
部材本体(10)と一体化された受部(1a)と、この受部(1a)
から分離独立した被せ部(1b)とを有し、これら(1a)(1b)
の間にブッシュ(40)を挟んで掴持するクランプ式の装着
部であり、前記受部(1a)は、断面半円状に窪んで前記ブ
ッシュ(40)を保持する保持部(2a)を備えるとともに、該
保持部(2a)の両方の開口縁部に、径方向外側に突出する
結合部(4)(4)が設けられ、前記被せ部(1b)は、断面半円
状に窪んで前記ブッシュ(40)を保持する保持部(2b)を備
えるとともに、該保持部(2b)の両方の開口縁部に、径方
向外側に突出して前記受部(1a)の結合部(4)(4)と対をな
す結合部(5)(5)が設けられ、前記受け部(1a)の保持部(2
a)内にブッシュ(40)が嵌め入れられるとともに、前記被
せ部(1b)が、その保持部(2b)をブッシュ(40)に沿わせた
状態で被せられ、前記各対の結合部(4)(5)が塑性変形を
利用した結合構造を介して結合されることにより、両保
持部(2a)(2b)を閉塞状態に保持してブッシュ(40)を掴持
するものとなされていることを特徴とするものである。
【0013】このように、ブッシュ装着部(1) として、
受部(1a)および被せ部(1b)の分離独立した2つ部材でブ
ッシュ(40)を掴持するクランプ式を採用することによ
り、ブッシュ(40)と保持部(2a)(2b)との間の厳格な寸法
精度を不要となしえる。
【0014】また、塑性変形を利用してブッシュ装着部
(1) の結合部(4)(5)を結合させるものであるから、結合
部に形状や寸法の誤差があっても、該誤差を吸収するよ
うに塑性変形させれば良く、厳格な精度は不要となる。
【0015】具体的な結合構造として、一方の結合部
(5) に、他方の結合部(4) に向かって突出する潰し部
(6) が設けられる一方、他方の結合部(4) の前記潰し部
(6) に対応する位置に、深さ方向に向かって開口面積が
大となされた拡大部(7a)を有する食込み凹部(7) が形成
され、該食込み凹部(7) に前記潰し部(6) が嵌入されか
つ前記拡大部(7a)に食込んで抜止め状態に塑性変形され
ることにより、両結合部(4)(5)が結合されるものとなさ
れている場合を挙げ得る。かかる結合構造を採用した場
合には、結合部(4)(5)相互が直接的に結合され、効率的
な結合作業により強固な結合強度が得られるものとな
る。
【0016】また、結合構造の他の例として、前記各結
合部(14)(15)に潰し部(16)が突設されまたは食込み凹部
(17)が形成されるとともに、結合部(14)(15)の前記潰し
部(16)に対応して食込み凹部(17)が形成されまたは結合
部の前記食込み凹部に対応して潰し部が形成された連結
体(18)が、両結合部(14)(15)の間に配置され、かつ前記
食込み凹部(17)は深さ方向に向かって開口面積が大とな
された拡大部(17a) を有し、前記連結体(18)の食込み凹
部(17)に結合部(14)(15)の潰し部(16)が嵌入されかつ前
記拡大部(17)に食込んで抜止め状態に塑性変形されるこ
とにより、または結合部の食込み凹部に連結体の潰し部
が嵌入されかつ前記拡大部に食込んで抜止め状態に塑性
変形されることにより、両結合部(14)(15)が連結体(18)
を介して結合されるものとなされている場合を挙げ得
る。この場合には、各結合部(14)(15)に設けた食込み凹
部あるいは潰し部(17)の寸法に誤差を生じても、連結体
(18)に設ける潰し部あるいは食込み凹部(17)の位置を調
整することによりこれが吸収され、サスペンションアー
ム用部材のブッシュ装着部の寸法精度の厳格性が益々不
要となる。
【0017】また、結合構造のさらに他の例として、前
記両結合部(24)(25)が重ね合わされた状態でその一部が
剪断方向に変形されることにより接合されるものとなさ
れている場合を挙げ得る。この場合には、結合部(24)(2
5)に食込み凹部や潰し部を設ける必要がないから、結合
部(24)(25)の断面形状の単純化かつ薄肉化が可能とな
る。
【0018】さらに、前記部材本体(10)として、横断面
において少なくとも1つの円弧状ないしV字状に屈曲し
たコーナー部(31)を有する形材を使用する場合は、前記
コーナー部(31)を直線状に展開加工することにより、長
尺のサスペンションアーム用部材にも対応できる。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の自動車のサスペンショ
ンアーム用部材の種々の実施形態について、図面を参照
しつつ詳述する。
【0020】[第1の実施形態]図1乃至図4は、この
発明の第1の実施形態を示すものである。
【0021】これらの図において(A) は自動車のサスペ
ンションアーム用部材であり、角柱状の部材本体(10)
と、2個の被せ部(1b)(1b)とによって構成されている。
また、これら部材本体(10)、被せ部(1b)(1b)は、図1に
示す断面形状のアルミニウム押出形材をそれぞれ軸方向
において所定厚さに切断することにより製作されたもの
である。
【0022】前記部材本体(10)は、サスペンションアー
ム用部材(A) の主片をなすものであり、その長さ方向の
両端には、円筒型の防振ブッシュ(40)を装着するブッシ
ュ装着部(1) を形成するための受部(1a)(1a)が一体に形
成されてなる。この受部(1a)は、部材本体(10)よりも高
さ方向に厚肉に形成されているとともに、ブッシュ(40)
が嵌め込まれる断面半円形に窪んだ保持部(2a)を備え、
かつ該保持部(2a)の両方の開口端部には、該保持部(2a)
の径方向外側に突出した結合部(4)(4)が軸方向(図1の
紙面厚さ方向)全域に渡って形成されている。これらの
結合部(4)(4)のうちの内側の結合部は、中央部から部材
本体(10)側に向かって高さ方向に肉厚が連続的に薄くな
り、やがて部材本体(10)と同一肉厚となって部材本体(1
0)と一体化している。
【0023】一方、ブッシュ装着部(1) の2個の被せ部
(1b)(1b)は前記受部(1a)から分離独立し、断面半円形に
湾曲した保持部(2b)を備えるとともに、該保持部(2b)の
両方の開口縁部に、径方向外側に突出して前記受部(1a)
の結合部(4)(4)と対をなす結合部(5)(5)が軸方向全域に
渡って形成されている。
【0024】そして、前記被せ部(1b)における結合部
(5) は、図2に詳しく示すように、受部(1a)の対向面
に、内外2列で軸方向に延びる断面方形状の潰し部(6)
が突設され、また、受部(1a)の結合部(4) においては、
被せ部(1b)の対向面に、前記潰し部(6) との対応位置に
内外2列で軸方向に延びる食込み溝(7) が形成されてい
る。これらの潰し部(6) と食込み溝(7) は、該食込み溝
(7) に前記潰し部(6) を塑性変形させつつ充填させるこ
とにより両結合部(4)(5)を結合せしめ、保持部(2a)(2b)
を閉塞状態に保持する役割を果たす。このために、食込
み溝(7) は、その深さ方向の中間部に、深さ方向の上下
端よりも溝幅の大きな、従って開口面積の大きな拡大部
(7a)が形成される一方、潰し部(6) はその突出高さが食
込み溝(7) の深さよりも大きく設定されるとともに横断
面積が食込み溝(7) の横断面積とほぼ同じに設定され、
ブッシュ装着部(1) の閉塞状態において、変形充填され
た潰し部(6) が該拡大部(7a)に十分に食込んで両結合部
(4)(5)の分離を強く阻止するものとなされている。
【0025】この実施形態のサスペンションアーム用部
材(A) のブッシュ保持方法を説明する。
【0026】先ず、ブッシュ装着部(1) の被せ部(1b)を
外した状態で、円筒型のブッシュ(40)を受部(1a)の保持
部(2a)に嵌め入れる。ブッシュ(40)は、この実施形態で
は、中心に位置する支軸部材(41)と、該支軸部材(41)の
周囲に配設された円筒型の剛性スリーブ(42)とが、それ
らの間に介挿されたゴム弾性体(43)によって連結された
ソリッドタイプのものが用いられており、剛性スリーブ
(42)の外径は、受部(1a)および被せ部(1b)の保持部(2a)
(2b)が閉塞されることにより形成される孔の内径より僅
かに大きく設定されている。而して、受部(1a)の保持部
(2a)の上方は開放されているから、ブッシュ(40)を極め
て容易に保持部(2a)内に装填することができる。
【0027】次に、前記被せ部(1b)を、該被せ部(1b)の
保持部(2b)をブッシュに沿わせるとともに潰し部(6) を
食込み溝(7) の位置に合わせて被せ、ブッシュ装着部
(1) を閉塞させるべくプレス等により両結合部(4)(5)を
接近方向に加圧すると、図3に示すように、ブッシュ装
着部(1) の受部(1a)と被せ部(1b)とが閉塞する前に、潰
し部(6) の先端が食込み溝(7) の底面に当接する。この
状態でさらに両結合部(4)(5)を密着方向に加圧すると、
図4に示すように、潰し部(6) が食込み溝(7) の形状に
沿って圧潰状に塑性変形し拡大部(7a)を含む食込み溝
(7) 内に充填され、結合部(4)(5)の相互対向面は密着方
向に接近し、受部(1a)および被せ部(1b)の両保持部(2a)
(2b)は完全な閉塞状態となる。同時に、ブッシュ装着部
(1) の保持部(2a)(2b)内周面がブッシュ(40)の外周面に
密着してブッシュ(40)は強固に挟み付けられて掴持され
た状態となる。
【0028】この状態で、結合部(4)(5)への加圧力を解
除しても、食込み溝(7) に変形充填された潰し部(6) が
食込み溝の拡大部(7a)に十分に食込んで両結合部(4)(5)
の分離、すなわち受部(1a)と被せ部(1b)との分離を強く
阻止し、ブッシュ(40)の保持部(2a)(2b)内での固定状態
が保持される。
【0029】なお、この実施形態においては、ブッシュ
装着部(1) の受部(1a)に食込み溝(7) を設け、被せ部(1
b)に潰し部(6) を設ける構成としたが、受部に潰し部、
被せ部に食込み溝を設ける逆構成としても良い。
【0030】[第2の実施形態]図5および図6は、こ
の発明の第2の実施形態のサスペンションアーム用部材
(B) を示すものである。
【0031】前記サスペンションアーム用部材(B) は、
全体概略形状が、図1乃至図4に示したもの(A) と同様
に部材本体(10)の長さ方向の両端にブッシュ装着部(11)
が形成されたものであり、(A) とはブッシュ装着部(11)
の受部(11a) および被せ部(11b) の結合構造が異なる。
【0032】前記サスペンションアーム用部材(B) は、
ブッシュ装着部(11)の両結合部(14)(15)を連結体(18)を
介して結合させるものであって、ブッシュ装着部(11)の
受部(11a) が一体化された部材本体(10)と、ブッシュ装
着部(11)を形成する2個の被せ部(11b)(11b)と、2つの
連結体(18)(18)との5片からなる。前記部材本体(10)は
鍛造プレスにより製作されたものであり、前記被せ部(1
1b) および連結体(8)は、図5に示す部分断面形状の各
アルミニウム押出形材を軸方向において所定厚さに切断
することにより製作されたものである。
【0033】図5(a)に示すブッシュ装着部(11)にお
いて、受部(11a) 、被せ部(11b) ならびに保持部(12a)
(12b)は図1乃至図4に示したもの(A) と同一構成であ
る。そして、受部(11a) および被せ部(11b) において、
各保持部(12a)(12b)の両方の開口縁部に、該保持部(12
a)(12b)の内周面外側に突出してそれぞれ結合部(14)(1
4)(15)(15)が、軸方向全域に渡って形成され、各結合部
(14)(15)の相互対向面には、径方向の中央部に軸方向に
延びる各1個の断面方形状の潰し部(16)が突設されてい
る。一方、図5(b)に示す(18)は連結体であり、該連
結体(18)は結合部(14)(15)の対向面とほぼ同じ幅及び厚
さを有する断面矩形に形成されている。かつ、連結体(1
8)の前記結合部(14)(15)と向き合う両面には、前記潰し
部(16)との対応位置に軸方向に延びる食込み溝(17)が形
成されている。これらの潰し部(16)と食込み溝(17)は、
該食込み溝(17)に前記潰し部(16)を塑性変形させつつ充
填させることにより連結体(18)を介して両結合部(14)(1
5)を結合せしめ、ひいては受部(11a) および被せ部(11
b) の保持部(12a)(12b)を閉塞状態に保持する役割を果
たす。このために、食込み溝(17)は、その深さ方向の上
部から底部に向かって連続的に溝幅の大きくなる(開口
面積の大きくなる)蟻溝状に形成されて、深さ方向全域
に拡大部(17a) が形成されている。一方、潰し部(16)は
その突出高さが食込み溝(17)の深さよりも大きく設定さ
れ、ブッシュ装着部(11)の閉塞状態において、塑性変形
した潰し部(16)が前記拡大部(17a) に食込んで両結合部
(14)(15)の分離を強く阻止するものとなされている。ま
た、ブッシュ装着部(11)の閉塞状態において、連結体(1
8)と結合部(14)(15)の対向面とがそれぞれ密着するよう
に、連結体(18)の高さが設定されている。
【0034】この実施形態のサスペンションアーム用部
材(B) のブッシュ保持方法を説明すると、ブッシュ装着
部(11)の被せ部(11b) を外した状態で、円筒型のブッシ
ュ(40)を受部(11a) の保持部(12a) に嵌め入れるとと
もに、該連結体(18)を受部(11a) の潰し部(16)を前記連
結体(18)の食込み溝(17)の位置に合わせて、配置する。
【0035】次に、ブッシュ装着部(11)の被せ部(11b)
を、その保持部(12b) をブッシュ(40)に沿わせるととも
に、潰し部(16)を前記連結体(18)の食込み溝(17)の位置
に合わせた状態で受部(11a) に被せる。そして、ブッシ
ュ装着部(11)を閉塞させるべくプレス等により両結合部
(14)(15)を接近方向に加圧する。すると、両結合部の各
潰し部(16)が連結体(18)の各食込み溝(17)に嵌まり込
み、ブッシュ装着部の(11)の閉塞前に潰し部(16)の先端
が食込み溝(17)の底面に当接する。この状態でさらに両
結合部(14)(15)を密着方向に加圧すると、潰し部(16)が
図6のように圧潰傾斜状に塑性変形して食込み溝(17)内
の拡大部(17a) に食込でいくとともに、結合部(14)(15)
と連結体(18)の相互対向面は密着方向に接近し、ブッシ
ュ装着部(11)はやがて完全な閉塞状態となる。同時に、
ブッシュ装着部(11)の保持部(12a)(12b)内周面がブッシ
ュ(40)の外周面に密着してブッシュ(40)は強固に挟
み付けられて掴持された状態となる。
【0036】この状態で、結合部(14)(15)への加圧力を
解除しても、塑性変形した潰し部(16)が食込み溝(17)の
拡大部(17a) に食込んで両結合部(14)(15)の分離を強く
阻止し、ブッシュ(40)の保持部(12a)(12b)内での掴持
固定状態が保持される。
【0037】なお、上記の実施形態では、結合部(14)(1
5)に潰し部(16)を、連結体(18)に食込み溝(17)を設けた
場合を示したが、結合部(14)(15)に食込み溝を、連結体
(18)に潰し部を設けても良いし、一方の結合部には潰し
部を他方の結合部には食込み溝を設ける一方、連結体に
は対応する食込み溝と潰し部を設けた構成としても良
い。また、潰し部(16)を食込み溝(17)の全体に充填され
るように塑性変形させても良い。
【0038】なお、第1およびお第2の実施形態におい
ては、潰し部(6)(16) を食込ませるための食込み凹部と
して、ブッシュ装着部(1)(11) の軸方向全域に渡って食
込み溝(7)(17) を設けた場合を示したが、必ずしもブッ
シュ装着部の軸方向全域に渡って設けなければならない
ものではなく、一個または複数個の貫通状あるいは非貫
通状の食込み孔(食込み穴)として形成しても良い。
【0039】[第3の実施形態]図7乃至図9はこの発
明のさらに他の実施形態のサスペンションアーム用部材
(C) を示すものである。この実施形態では、ブッシュ装
着部(22)の結合部(24)(25)の塑性変形による結合構造と
して、剪断接合を採用したものである。
【0040】これらの図に示したサスペンションアーム
用部材(C) は、全体概略形状が第1の実施形態に示した
もの(A) と同様に、部材本体(10)の長さ方向の両端にブ
ッシュ装着部(21)が形成されたものであって、ブッシュ
装着部(21)の受部(21a) が一体形成された部材本体(10)
と、ブッシュ装着部(21)を形成する2つの被せ部(21b)
(21b) とからなり、各部品は図7に示す部分断面形状の
各アルミニウム押出形材を軸方向において所定厚さに切
断することにより製作されたものである。
【0041】前記ブッシュ装着部(21)において、受部(2
1a) および被せ部(21b) は、それぞれ半円状に湾曲した
保持部(22a)(22b)を有する。前記受部(21a) および被せ
部(21b) において、各保持部(22a)(22b)の両方の開口縁
部に、該保持部(22a)(22b)の径方向外側に突出して、そ
れぞれ比較的肉薄の結合部(24)(24)(25)(25)が、軸方向
全域に渡って設けられている。
【0042】このブッシュ装着部(21)では、被せ部(21
b) を外した状態で、ブッシュ(40)を受部(21a) の保
持部(22a) 内に嵌め入れる。そして、被せ部(21b) を、
その保持部(22b) が前記ブッシュ(40)に沿うようにして
被せて、結合部(24)(25)を重ね合わせる。
【0043】次に、重合わせ状態の結合部(24)(25)にお
ける変形予定部位(26)(図8に鎖線にて示す)に対し、
図9(a)のように高さ方向(重ね合せ方向)への塑性
変形力即ち剪断力を付与してこれを変形させる。変形
は、図9(c)のように変形部分(27)における剪断方向
後方(図7及び図9の上側)の結合部(25)の肉厚の一部
が剪断によって生じた剪断孔(28)に僅かに残る程度まで
行う。次いで、この変形部分(27)を、図9(b)に示さ
れるように剪断パンチ(29a) と下型内に設けたアンビル
(29b) 等で肉厚方向に圧縮することにより、図9(c)
のように、変形部分(27)における剪断方向後方(上側)
の結合部(27b) の径方向の幅を拡大せしめて、剪断孔(2
8)の側壁部分に食込ませる一方、剪断方向前方(下側)
の結合部(27a) のバリを大きくすることにより径方向の
幅を剪断穴(28)の幅よりも大きくして、剪断方向と逆方
向への抜けを阻止する。こうして結合部(24)(25)の接合
力が高められ、ブッシュ(40)の保持部(22a)(22b)内で
の掴持固定状態が保持されるものである。
【0044】このような剪断接合構造において、剪断変
形部分(27)の大きさや位等置は特に限定されることはな
いが、結合部相互間に隙間を生じないような接合力を生
じさせ得るように、それらを設定すべきである。また、
各結合部(24)(25)の肉厚tは、結合部の剛性や剪断荷重
等を考慮して適宜決定される。
【0045】以上説明した3つの実施形態では、ブッシ
ュ装着部(1)(11)(21) に固定されるブッシュ(40)とし
て、中心に位置する支軸部材(41)と、該支軸部材(41)の
周囲に配設された円筒型の剛性スリーブ(42)とが、それ
らの間に介挿されたゴム弾性体(43)によって連結された
ソリッドタイプのものを用いたが、ブッシュとして、外
側剛性スリーブ(43)がなく、かつゴム弾性体(43)内部
に、外周面に設けられた注入口から液体を封入され、こ
の封入液体によって防振機能を発揮させる形式のものを
用いても良い。この場合、プレスによる結合部(4)(5)(1
4)(15)(24)(25)の結合作業を液中で行うものとすると、
ゴム弾性体への液封入と結合部の締結作業とを同時に行
うことができ、工程を省略できる。
【0046】[第4の実施形態]さらに、この発明にお
いては、長尺のサスペンションアーム用部材であって、
加工装置の寸法的な制限や加工能力により目的断面形状
の形材の製作が困難である場合には、次に示す展開加工
を組合わせた方法によって製作することができる。即
ち、まず、図10および図11に示すように、横断面形
状において1つまたは複数の円弧状のコーナー部(31)を
有する部材本体用形材(32)(33)を製作する。次に、これ
らの形材(32)(33)を、前記各コーナー部(31)が直線状と
なるように展開加工して、目的形状とする。展開加工の
具体的な方法は特に限定されず、ロール成形、プレス成
形、引張成形などの公知の展開方法を適宜適用すれば良
い。また、展開加工は単に二次元的に開くだけでなく、
ねじりながら三次元的に展開することもできる。このよ
うに形材に対して展開加工を施すことにより、加工装置
の加工能力よりもはるかに長尺のサスペンションアーム
用部材を製作することができる。
【0047】また、前記形材(32)(33)におけるコーナー
部(31)の数は特に限定されない。また、コーナー部(31)
の屈曲方向も限定されず、図11に示すように隣り合う
コーナー部(31)の屈曲方向が交互に異なる波形のほか、
全コーナー部(31)が同一方向に屈曲する多角形でも良
い。
【0048】なお、前記形材として押出材を使用する場
合、軸方向に所要厚さにスライス切断したのちに展開加
工することが好ましい。
【0049】さらに、この発明のサスペンションアーム
用部材においては、次の諸点に関し、上述したようなブ
ッシュ装着部の結合構造の種類や展開加工の有無に拘ら
ず、共通の特徴を有する。
【0050】まず、この発明のサスペンションアーム用
部材の材質は、アルミニウムであることが望ましく、特
に自動車用部材としての強度を有し、所要形状への加工
性も良好であることから6000系合金が好ましい。特
に、6N01,6061が好ましい。また、部材本体(1
0)や被せ部(1b)の製作方法も特に限定されず、所要断面
形状の押出材をスライス切断する方法、鍛造プレスやダ
イカストによる方法、あるいは概略形状の形材にエンボ
ス圧延で保持部、食込み凹部、潰し部を形成する方法等
を例示できる。また、部材本体および受部が一体化され
た部材本体(10)と被せ部(1b)とを異なる加工方法で製作
しても良い。
【0051】また、サスペンションアーム用部材各部の
寸法は、自動車の部材としての適切な寸法であることを
考慮して、図1に示すアーム全長(L)が100〜17
00mmが好ましく、特に前述の展開加工品の場合は50
0mm以上が好ましい。また、ブッシュ装着部の保持部の
直径は30〜100mm、厚さは5〜50mmの各範囲が好
ましい。
【0052】前記部材本体(10)の両端にブッシュ装着部
(1)(1)を設ける場合、ブッシュ装着部(1) を形成する受
部(1a)の向きは両端で対称形(図1、図10)でも、非
対称形(図11)のどちらでも良い。また、部材本体の
形状も特に限定されることはなく、棒状でも良いし、例
えばA形等の他の形状でも良い。
【0053】また、この発明のサスペンションアーム用
部材は、各部分に必要とされる強度に応じて容易に肉厚
を変えることができる。一般に、自動車のサスペンショ
ンアーム用部材においては、前記各ブッシュ装着部の部
材本体接続部分に応力が集中するのに対して、部材本体
自身は相対的に応力負担が少ない。例えば、第1の実施
形態のサスペンションアーム用部材(A) では、受部(1a)
における結合部(4) は部材本体(10)よりも厚肉に形成さ
れ、さらに被せ部(1b)の結合部(5) が重なるため、ブッ
シュ(40)装着後の部材本体接続部分は部材本体(10)の数
倍の肉厚となって、応力集中に十分に対応することがで
きる。逆に、相対的に高い強度を要しない場合は、強度
要件を満たす範囲において、図12(a)(b)に示す
部材本体(10a)(10b)のようにハモニカ形状やトラス形状
等の中空部(10c) を設けて軽量化を図ることも可能であ
る。この場合、部材本体(10a)(10b)として押出材を使用
すれば、容易に中空部(10c) を有する部材本体を製作す
ることができる。このように、各部分で必要とされる強
度に応じて肉厚を変えることにより、サスペンションア
ーム用部材としての強度向上を図りつつ、軽量化を実現
することができる。また、部材本体部分に展開加工を施
す場合であっても、コーナー部のみを中実に形成してお
けば、中空部を有する部材本体の製作が可能であり軽量
化を図ることができる。また、部材本体部分に取付け等
のためのボルト孔を設けても良い。
【0054】また、第1および第2の実施形態の食込み
凹部(食込み溝)は、その深さ方向に向かって開口面積
が大となされた拡大部を形成することにより、潰し部を
抜止め状態に塑性変形させることが可能であるが、食込
み凹部の具体的形状としては、図13(a)(b)
(c)に示すようなものを例示できる。図13(a)は
第1の実施形態で示した食込み凹部(7) と同形であり、
側面が曲面に形成され、かつ深さ方向の中間部に上下端
よりも最も開口面積が大となされた拡大部(7a)が形成さ
れている。また、(b)は第2の実施形態で示した食込
み凹部(17)と同形であって、その深さ方向の上部から底
部に向かって連続的に溝幅の大きくなる(開口面積の大
きくなる)蟻溝状に形成されて、深さ方向全域に拡大部
(17a) が形成されている。さらに、(c)は側面が曲面
に形成された食込み凹部(37)であって、その深さ方向の
上部から底部に向かって連続的に溝幅が大きく形成され
て、深さ方向全域に拡大部(37a) が形成されている。
【0055】また、食込み凹部は必ずしも深さ方向にお
いて拡大部が形成されなければならないものではなく、
図14(a)に示すように、溝幅が同じで深さ方向に真
直な食込み凹部(47)でも良く、あるいはこれを同図
(b)に示すように、深さ方向に対して傾斜角度(θ)
を30度以下で傾斜させることにより、食込み凹部と潰
し部とのより強い結合力を実現せしめうるものとしても
良い。
【0056】また、結合後の抜け止め状態を確実なもの
とするためには、食込み凹部の拡大部や潰し部の断面形
状を上述のようにする他、食込み凹部の深さおよび潰し
部の厚さを単に長くすることや、これらの数を増やすこ
とによっても、有効に抜止め状態を確保することができ
る。
【0057】さらに、前記結合部において、ねじれ方向
の応力に対して抜止め状態を確保するためには、食込み
凹部を部材本体(10)の厚さ方向に2つ以上形成し、かつ
形成間隔を大きくすることが有効である。
【0058】なお、図7乃至図9に示した第3の実施形
態においては、変形部分(27)の数や面積を増やし、ある
いは変形部分の間隔を大きくすることにより、上述の第
1および第2の実施形態と同様に、抜止め状態を確保す
ることができる。
【0059】また、ブッシュ装着部(1) において、保持
部(2a)(2b)の締め代(δ)は,防振ブッシュ(40)の外径
(d)、および保持部(2a)(2b)の内周長さより計算され
る完全閉塞時の保持部(2a)(2b)の内径(D)に基づき,
δ=d−D で表される。前記締め代(δ)は、0〜5
mmの範囲が好ましい。0mm未満、即ちd<Dではブッシ
ュ(40)と保持部(2a)(2b)との間に隙間ができてブッシュ
(40)を保持部(2a)(2b)内に固定することができない。一
方、5mmを超えると、結合部(4)(5)をいかに塑性変形さ
せてもブッシュ装着部(1) を完全に閉塞させて食込み凹
部(7) 内に潰し部(6) を充填させることが困難となり、
結合力が弱くなる。特に好ましい締め代(δ)の下限値
は0.05mm、上限値は1.0mmである。
【0060】また、第1および第2の実施形態におい
て、潰し部(6)(16) は必ずしも食込み溝(7)(17) 内全体
に充填されなければならないものではなく、潰し部(6)
(16) が塑性変形して食込み溝(7)(17) 内の拡大部(7a)
(17a) に食込み、潰し部(6)(16)の抜けを阻止し得る態
様であれば良い。しかしながら、ブッシュ(40)を装着固
定後に結合部(4)(5),(14)(15) 間に隙間があると、その
隙間から泥や水が侵入して腐食の原因となり、ひいては
サスペンションアーム用部材(A)(B)の強度が低下するお
それがある。このため、結合部(4)(5),(14)(15) の形状
は、結合後に極力隙間ができないようなものとし、かつ
塑性変形によってさらにその隙間をさらに減少させるこ
とが好ましい。また、泥や水は微細な隙間からでも徐々
に侵入するため、結合部(4)(5),(14)(15) の界面をレー
ザー溶接、摩擦溶接等により溶接したり、シーラント、
ロックタイト等の接着剤で接着して、隙間を完全に塞ぐ
ことが好ましい。また、第3の実施形態においても、変
形部(27)の結合部(24)(25)間を溶接または接着すること
により、泥や水の侵入をより一層確実に防止できる。
【0061】
【発明の効果】この発明は上述の次第で、部材本体の少
なくとも一部に円筒型防振ブッシュを装着するブッシュ
装着部が形成された自動車のサスペンションアーム用部
材において、前記ブッシュ装着部は、前記部材本体と一
体化された受部と、この受部から分離独立した被せ部と
を有し、これらの間にブッシュを挟んで掴持するクラン
プ式であるから、ブッシュをブッシュ装着部の保持部内
に圧入装填する圧入式のものに較べて、ブッシュと保持
部との間の厳格な寸法精度を不要となしえ、ブッシュ装
着部の保持部内周面を必要寸法精度に仕上げるための特
別な加工を不要となし得る。
【0062】しかも、前記受部は、断面半円状に窪んで
前記ブッシュを保持する保持部を備えるとともに、該保
持部の両方の開口縁部に、径方向外側に突出する結合部
が設けられ、前記被せ部は、断面半円状に窪んで前記ブ
ッシュを保持する保持部を備えるとともに、該保持部の
両方の開口縁部に、径方向外側に突出して前記受部の結
合部と対をなす結合部が設けられ、前記受け部の保持部
内にブッシュが嵌め入れられるとともに、前記被せ部
が、その保持部をブッシュに沿わせてた状態で被せら
れ、前記各対の結合部が塑性変形を利用した結合構造を
介して結合されることにより、両保持部を閉塞状態に保
持してブッシュを掴持するものとなされているから、結
合部位に形状や寸法の誤差があっても、該誤差を吸収す
るように塑性変形させれば良く、厳格な寸法精度を不要
となしえ、結合部位の加工が容易となる。
【0063】また、このサスペンションアーム用部材
は、部材本体と一体的に形成されたブッシュ装着部の受
部に、被せ部を塑性変形を利用して結合させるものであ
るから、部材本体にブッシュ装着部を接続するための溶
接が不要となり、前述の寸法精度の厳格性の緩和によっ
て加工工数が減少しこたとも相俟って、製作コストが低
減される。
【0064】また、前記自動車のサスペンションアーム
用部材において、一方の結合部に、他方の結合部に向か
って突出する潰し部が設けられる一方、他方の結合部の
前記潰し部に対応する位置に、深さ方向に向かって開口
面積が大となされた拡大部を有する食込み凹部が形成さ
れ、該食込み凹部に前記潰し部が嵌入されかつ前記拡大
部に食込んで抜止め状態に塑性変形されることにより両
結合部が結合されるものとなされている場合には、結合
部相互を直接的に結合することができるから、結合作業
を効率的に行うことができるとともに、より強固な結合
強度を得ることができる。
【0065】また、各結合部に潰し部が突設されまたは
食込み凹部が形成されるとともに、結合部の前記潰し部
に対応して食込み凹部が形成されまたは結合部の前記食
込み凹部に対応して潰し部が形成された連結体が、両結
合部の間に配置され、かつ前記食込み凹部は深さ方向に
向かって開口面積が大となされた拡大部を有し、前記連
結体の食込み凹部に結合部の潰し部が嵌入されかつ前記
拡大部に食込んで抜止め状態に塑性変形されることによ
り、または結合部の食込み凹部に連結体の潰し部が嵌入
されかつ前記拡大部に食込んで抜止め状態に塑性変形さ
れることにより、両結合部が連結体を介して結合される
ものとなされている場合には、各結合部に設けた食込み
凹部あるいは潰し部の寸法に誤差を生じても、連結体に
設ける潰し部あるいは食込み凹部の位置を調整すること
によりこれを吸収でき、ブッシュ装着部の寸法精度の厳
格性を益々不要となし得る効果がある。
【0066】また、両結合部が重ね合わされた状態でそ
の一部が剪断方向に変形されることにより接合されるも
のとなされている場合には、結合部に食込み溝や潰し部
を設ける必要がないから、結合部の断面形状の単純化か
つ薄肉化が可能となり、サスペンションアーム用部材の
製作を簡素化できるとともに使用材料を低減でき、コス
ト的にも有利となし得る。
【0067】さらに、前記部材本体として、横断面にお
いて少なくとも1つの円弧状ないしV字状に屈曲したコ
ーナー部を有する形材を、前記コーナー部が直線状にと
なるように展開加工する場合は、前記形材製作のための
加工装置の加工能力よりもはるかに長いサスペンション
アーム用部材の製作が可能となる。そのため、長尺のも
のであっても、溶接することなくサスペンションアーム
用部材を製作することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る自動車のサス
ペンションアーム用部材の横断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】図1のサスペンションアーム用部材にブッシュ
を装填したのち、ブッシュ装着部を閉じ合わせる途中の
状態を示す横断面図である。
【図4】結合部の結合状態を示す横断面拡大図である。
【図5】(a)はこの発明の第2の実施形態に係る自動
車のサスペンションアーム用部材の横断面図、(b)は
連結片の横断面図である。
【図6】図5の自動車のサスペンションアーム用部材に
ブッシュを装填して、ブッシュ装着部の結合部の結合状
態を示す横断面拡大図である。
【図7】この発明の第3の実施形態を示すもので、自動
車のサスペンションアーム用部材にブッシュを装填し
て、ブッシュ装着部を閉じ合わせた状態を示す横断面図
である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】(a)は結合部を剪断力により塑性変形させた
状態の斜視図、(b)は変形後に変形部を加圧する前の
状態を示す斜視図、(c)は変形部加圧後の変形部近傍
の横断面図である。
【図10】この発明の第4の実施形態を示すもので、1
つのコーナー部を有する部材本体用形材およびその展開
加工方法を示す横断面図である。
【図11】この発明の第4の実施形態を示すもので、複
数のコーナー部を有する部材本体用形材およびその展開
加工方法を示す横断面図である。
【図12】中空部を有する部材本体の横断面図であり、
中空部の形状が、(a)はハモニカ形状、(b)はトラ
ス形状である。
【図13】種々の食込み凹部の縦断面図であり、(a)
は側面が曲面で深さ方向の中間部に拡大部を有するも
の、(b)は側面全体に拡大部が形成された蟻溝状のも
の、(c)は側面が曲面で側面全体に拡大部が形成され
たものである。
【図14】(a)(b)は食込み凹部の縦断面図であ
る。
【図15】先行技術にかかる自動車のサスペンションア
ーム用部材およびブッシュの装着方法を示す斜視図であ
る。
【図16】先行技術にかかる自動車のサスペンションア
ーム用部材の製作材料を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
A,B,C…自動車のサスペンションアーム用部材 1、11、21…ブッシュ装着部 1a、11a 、21a …受部 1b、11b 、21b …被せ部 2a、12a 、22a 、2b、23b 、22b …保持部 4、14、24…結合部 5、15、25…結合部 6、16…潰し部 7、17…食込み溝(食込み凹部) 7a、17a …拡大部 10…部材本体 18…連結体 40…ブッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 潮田 俊太 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材本体(10)の少なくとも一部に円筒型
    防振ブッシュ(40)を装着するブッシュ装着部(1) が形成
    された自動車のサスペンションアーム用部材(A) におい
    て、 前記ブッシュ装着部(1) は、前記部材本体(10)と一体化
    された受部(1a)と、この受部(1a)から分離独立した被せ
    部(1b)とを有し、これら(1a)(1b)の間にブッシュ(40)を
    挟んで掴持するクランプ式の装着部であり、 前記受部(1a)は、断面半円状に窪んで前記ブッシュ(40)
    を保持する保持部(2a)を備えるとともに、該保持部(2a)
    の両方の開口縁部に、径方向外側に突出する結合部(4)
    (4)が設けられ、前記被せ部(1b)は、断面半円状に窪ん
    で前記ブッシュ(40)を保持する保持部(2b)を備えるとと
    もに、該保持部(2b)の両方の開口縁部に、径方向外側に
    突出して前記受部(1a)の結合部(4)(4)と対をなす結合部
    (5)(5)が設けられ、 前記受け部(1a)の保持部(2a)内にブッシュ(40)が嵌め入
    れられるとともに、前記被せ部(1b)が、その保持部(2b)
    をブッシュ(40)に沿わせた状態で被せられ、前記各対の
    結合部(4)(5)が塑性変形を利用した結合構造を介して結
    合されることにより、両保持部(2a)(2b)を閉塞状態に保
    持してブッシュ(40)を掴持するものとなされていること
    を特徴とする自動車のサスペンションアーム用部材。
  2. 【請求項2】 前記一対の結合部(4)(5)のうち、任意の
    一方の結合部(5) に、他方の結合部(4) に向かって突出
    する潰し部(6) が設けられる一方、他方の結合部(4) の
    前記潰し部(6) に対応する位置に、深さ方向に向かって
    開口面積が大となされた拡大部(7a)を有する食込み凹部
    (7) が形成され、該食込み凹部(7) に前記潰し部(6) が
    嵌入されかつ前記拡大部(7a)に食込んで抜止め状態に塑
    性変形されることにより、両結合部(4)(5)が結合される
    ものとなされている請求項1に記載の自動車のサスペン
    ションアーム用部材。
  3. 【請求項3】 前記各結合部(14)(15)に潰し部(16)が突
    設されまたは食込み凹部が形成されるとともに、結合部
    (14)(15)の前記潰し部(16)に対応して食込み凹部(17)が
    形成されまたは結合部の前記食込み凹部に対応して潰し
    部が形成された連結体(18)が、両結合部(14)(15)の間に
    配置され、かつ前記食込み凹部(17)は深さ方向に向かっ
    て開口面積が大となされた拡大部(17a) を有し、前記連
    結体(18)の食込み凹部(17)に結合部(14)(15)の潰し部(1
    6)が嵌入されかつ前記拡大部(17a) に食込んで抜止め状
    態に塑性変形されることにより、または結合部(14)(15)
    の食込み凹部(17)に連結体(18)の潰し部(16)が嵌入され
    かつ前記拡大部(17a) に食込んで抜止め状態に塑性変形
    されることにより、両結合部(14)(15)が連結体(18)を介
    して結合されるものとなされている請求項1に記載の自
    動車のサスペンションアーム用部材。
  4. 【請求項4】 前記両結合部(24)(25)が重ね合わされた
    状態でその一部が剪断方向に変形されることにより接合
    されるものとなされている請求項1に記載の自動車のサ
    スペンションアーム用部材。
  5. 【請求項5】 前記部材本体(10)は、横断面において少
    なくとも1つの円弧状ないしV字状に屈曲したコーナー
    部(31)を有する形材を、前記コーナー部(31)が直線状と
    なるように展開加工されたものである請求項1乃至4の
    いずれかに記載の自動車のサスペンションアーム用部
    材。
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