JPH0928573A - コーヒー自動販売機、コーヒー抽出装置およびコーヒーの劣化度測定法 - Google Patents

コーヒー自動販売機、コーヒー抽出装置およびコーヒーの劣化度測定法

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JPH0928573A
JPH0928573A JP7207378A JP20737895A JPH0928573A JP H0928573 A JPH0928573 A JP H0928573A JP 7207378 A JP7207378 A JP 7207378A JP 20737895 A JP20737895 A JP 20737895A JP H0928573 A JPH0928573 A JP H0928573A
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JP
Japan
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coffee
storage device
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raw material
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JP7207378A
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Koji Takeda
宏治 武田
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予め原料より抽出したコーヒーを所定量保存
して置いて供給する場合にも常に良品質の商品を提供で
き、且つ、効率的な販売提供が可能となる自動販売機及
び飲料抽出装置を提供すること。 【解決手段】 原料から抽出されたコーヒーを保存する
保存器と、保存器内のコーヒーを排出する排出手段と、
保存器内のコーヒーのpHを検出する検出手段と、所定
の販売指令に基づき保存器内のコーヒーを一定量カップ
に注入する制御手段とを備え、制御手段は検出手段の出
力に基づき、コーヒーのpHの変化量が予め定められた
基準値から外れた場合に、排出手段により保存器内のコ
ーヒーを廃棄するようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコーヒー自動販売
機、コーヒー抽出装置およびコーヒーの劣化度測定法に
関し、さらに詳しくは原料より抽出したコーヒーの抽出
直後および保存後のpHを測定して、コーヒーの劣化度
を測定し、そのコーヒーを保存するか、あるいは廃棄す
るかを決めて、常に良品質のコーヒーを提供でき、且
つ、効率的な販売、提供を可能としたコーヒー自動販売
機やコーヒー抽出装置およびコーヒーの劣化度測定法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種自動販売機においては、
例えば特開平4−354912号公報に抽出装置として
示されているように、コーヒー豆等の原料からコーヒー
等の飲料を抽出し、他の砂糖或いはミルク等と混合した
後、カップに注入して販売するよう構成されている。ま
た、これまでは食品衛生法の規制により、自動販売機で
は抽出した飲料を所定量予め保存して置いて販売するこ
とが不可能であったため、販売毎に一杯づつ原料からコ
ーヒーを抽出して販売する方式が採られていた。
【0003】係る販売毎の抽出によれば毎回新鮮なコー
ヒーを抽出して販売できる利点があるものの、抽出には
時間がかかるため、商品の選択から販売までに比較的長
い時間(凡そ40秒/杯)顧客は待たなければならな
い。また、抽出に必要なペーパーフィルタ等の消耗品の
消費量も多くなるため、効率的な販売ができなくなる問
題があった。
【0004】前記食品衛生法が改正されると、この種自
動販売機においても飲料を予め所定量抽出して保存して
置き、販売毎にカップに注入して販売する方式を採るこ
とが可能となる。係る方式によれば商品の選択から販売
までの時間を短縮できると共に、消耗品等も効率良く使
用できるようになる。
【0005】しかしながら、抽出したコーヒーは、保温
貯蔵中に各種の変化を受け、品質が低下してしまう。そ
のため、不活性ガスで置換するなど各種の劣化防止法が
考案されているが、良い方法はなく、劣化が進行してし
まうという問題があった。係る劣化した飲料を販売すれ
ば顧客に多大な損害を与え、販売側の信用を失墜してし
まう問題がある。特開平7−67779号公報には、一
定時間後にコーヒーを捨てる機能をもつ自動自動販売機
や、コーヒーの品質測定にコーヒーの味、臭い、色調を
測定し、設定値との比較によりコーヒーを排出するよう
にした抽出装置などが提案されている。しかし、一定時
間後に捨てる機能をもつものは不経済であり、また原料
から抽出したコーヒーの味、匂い、色は抽出毎に異なる
ので、予め定められた設定値との比較では、コーヒーの
品質の正確な予測は不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、コーヒーの味
などの品質の測定法が望まれている。一方、従来より喫
茶店等においては抽出後ある程度時間の経過したコーヒ
ーは廃棄するようにしている。そこで、本発明は係る従
来の状況を踏まえ、予め原料より抽出したコーヒーを所
定量保存して置いて供給する場合にも常に良品質の商品
を提供でき、且つ、効率的な販売提供が可能となる自動
販売機及び飲料抽出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、上記の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、コーヒーは貯
蔵中にpHが変化していくので、pHを測定してその変
化量を算出し、そのpHの変化量が予め定められた基準
値から外れた場合に、コーヒーの味などの品質が劣化し
たと判断できることを見いだした。コーヒーの保存用タ
ンクにバイパスを設けてそこにコーヒーを流してコーヒ
ーを冷却して味、匂い、色などを測定する従来法と異な
り、pH測定は、100℃以下であれば高温のまま連続
的に行うことが可能であり、また温度の違いによるpH
の補正も自動でできるので、コーヒーの劣化度を容易に
精度よく測定できる。すなわち原料より抽出したコーヒ
ーの抽出直後および保存後のpHを測定してその変化量
を算出し、予め定められた基準値と対比することにより
コーヒーの劣化度を判定し、そのコーヒーを保存する
か、あるいは廃棄するかを決めることにより、上記目的
を達成でき、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の請求項1の発明は、原
料より抽出したコーヒーをカップに注入して販売するコ
ーヒー自動販売機において、予め抽出された前記コーヒ
ーを所定量保存する保存器と、この保存器内のコーヒー
を排出する排出手段と、この保存器内のコーヒーのpH
を検出する検出手段と、所定の販売指令に基づき前記保
存器内のコーヒーを一定量前記カップに注入する制御手
段とを備え、この制御手段は前記検出手段の出力に基づ
き、前記コーヒーのpHの変化量が予め定められた基準
値から外れた場合に、前記排出手段により前記保存器内
のコーヒーを廃棄することを特徴とするコーヒー自動販
売機である。
【0009】本発明の請求項2の発明は、原料より抽出
したコーヒーを所定量保存する保存器と、この保存器内
のコーヒーを排出する排出手段と、この保存器内のコー
ヒーのpHを検出する検出手段と、この検出手段の出力
に基づき、前記コーヒーのpHの変化量が予め定められ
た基準値から外れた場合に、前記排出手段により前記保
存器内のコーヒーを廃棄することを特徴とするコーヒー
抽出装置である。
【0010】本発明の請求項3の発明は、原料より抽出
した直後のコーヒーのpHを測定してその値をAとし、
そして、そのコーヒーを或る時間保存した後のpHを測
定してその値をBとした場合、変化量(B−A)が予め
定められた基準値以上である場合にはそのコーヒーの保
存を続け、一方、変化量(B−A)が予め定められた基
準値未満となった場合にはそのコーヒーは劣化したと判
断して廃棄することを特徴とするコーヒーの劣化度測定
法である。
【0011】本発明の請求項4の発明は、請求項3記載
のコーヒーの劣化度測定法において(B−A)≧−0.
15である場合にはそのコーヒーの保存を続け、一方、
(B−A)<−0.15となった場合にはそのコーヒー
は劣化したと判断して廃棄することを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1の発明のコーヒー自動販売機によれ
ば、原料より抽出したコーヒー(抽出法は特に限定され
ない)を予め所定量保存器内に保存しておき、所定の販
売指令に基づきカップに注入し、販売することができる
ので、販売に要する時間を短縮し、消耗品を効率よく使
用することができるようになる。特に、保存器内のコー
ヒーのpHを検出して、pHの変化量が予め定められた
基準値から外れた場合には、保存器内のコーヒーを廃棄
するので、劣化したコーヒーを販売する不都合を未然に
防止することができ、常に安定した良品質のコーヒーを
提供できる。
【0013】請求項2の発明のコーヒー抽出装置によれ
ば、原料より抽出したコーヒー(抽出法は特に限定され
ない)を予め所定量保存器内に保存しておき、保存器内
のコーヒーのpHを検出して、pHの変化量が予め定め
られた基準値から外れた場合には、保存器内のコーヒー
を廃棄するので、消耗品を効率よく使用できるととも
に、劣化したコーヒーを提供する不都合を未然に防止す
ることができ、常に安定した良品質のコーヒーを提供で
きる。
【0014】請求項3の発明のコーヒーの劣化度測定法
によれば、原料より抽出した直後のコーヒー(抽出法は
特に限定されない)のpH(A)と、或る時間保存した
後のpH(B)を測定して、変化量(B−A)が予め定
められた基準値以上であるか、基準値未満であるかによ
り、そのコーヒーの劣化度を判断することができる。そ
して、コーヒーが劣化していれば廃棄するので、味など
の品質が劣化したコーヒーを提供する不都合を未然に防
止し、常に安定した良品質のコーヒーを提供できるよう
になる。
【0015】請求項4の発明のコーヒーの劣化度測定法
によれば、(B−A)≧−0.15である場合にはその
コーヒーの保存を続け、一方、(B−A)<−0.15
となった場合にはそのコーヒーは劣化したと判断して廃
棄するようにしたので、より一層、劣化したコーヒーを
提供する不都合を未然に防止し、常に安定した良品質の
コーヒーを提供できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を詳述する。図1は、コーヒー抽出装置の実施の
一形態としての本発明のコーヒー自動販売機1の内部構
成を示している。コーヒー自動販売機1はコーヒーを原
料から抽出してカップ販売するものである。コーヒー自
動販売機1の内部には、湯タンク2と、原料搬出装置
3、副原料搬出装置4と、抽出器6と、ペーパーフィル
タ7と、保存器8及び混合器9等が設置されている。
【0017】前記湯タンク2内には給水電磁弁11が介
設された給水管12により給水される。前記給水電磁弁
11は湯タンク2内の水位を検出するフロートスイッチ
13により開閉制御され、それによって湯タンク2内の
水位は常時一定とされる。湯タンク2内にはヒーター1
4が取り付けられており、このヒーター14の加熱によ
って湯タンク2内の水は加熱され、常時凡そ+63℃以
上の熱湯とされる。そして、この湯タンク2内の熱湯は
給湯電磁弁16が介設された給湯管17によって抽出器
6に供給される。
【0018】前記原料搬出装置3内にはコーヒー飲料の
原料としてのコーヒー粉(コーヒー豆を挽いた粉)が収
納されており、その下部に取り付けられた搬出器18に
よって図示の矢印の如く所定量抽出器6内に供給され
る。一方、副原料搬出装置4内には砂糖やクリームが収
納されており、同じくその下部に取り付けられた搬出器
19によって所定量混合器9内に供給される。
【0019】前記抽出器6は、保存器8の上端に取り付
けられた漏斗21の上方に位置した上下動自在のチャン
バー22により構成されている。このチャンバー22と
漏斗21の間に前記ペーパーフィルター7が介挿され
る。このペーパーフィルタ7はロール状に巻回されてお
り、フィードローラ23によりロールから引き出された
ペーパーフィルタ7は、前記チャンバー22と漏斗21
との間を通過し、前記フィードローラ23を経てカス容
器24に廃棄される。
【0020】前記保存器8は、上端を前記漏斗21に連
通し、下端を排出手段としての排出管26に連通したス
テンレス製のタンク27と、このタンク27の周囲に設
けられた断熱材28と、タンク27を加熱する保温ヒー
ター29とから構成されている。この保温ヒーター29
はタンク27内のコーヒーを常時凡そ+63℃以上に保
温するものである。そして、排出管26には排出電磁弁
31が介設されている。
【0021】更に、前記タンク27の上部にはタンク2
7内のコーヒーのpHを検出する検出手段としてのpH
メータ32が取り付けられる。このpHメータ32は、
電極により構成されており、コーヒーの劣化に対応する
pHを電気信号として出力するものである。その出力は
汎用のマイクロコンピュータにて構成された制御手段と
しての制御装置33に入力される。pHメータ32を取
り付ける位置は前記タンク27の上部に限定されず、タ
ンク27の側部や底部や排出管26でもよく、また排出
電磁弁31の下流の排出管26でもよい。
【0022】係る排出管26は前記混合器9の上方に開
口しており、混合器9には上方から攪拌羽41が挿入さ
れている。混合器9の下端から延びる飲料管42は、ス
ノコから成るカップ受け43上方に開口しており、カッ
プ受け43には図示しないカップ供給装置から販売毎に
カップ44が排出される。また、カップ受け43の下方
には廃棄容器45が配置されている。
【0023】以上の構成で、次に図2のフローチャート
に基づきコーヒー自動販売機1の動作を説明する。図2
は制御装置33のプログラムを示しており、電源投入か
ら制御装置33はステップS1にてコーヒーをまとめて
例えば26杯分抽出すると決定する。次に、制御装置3
3はステップS2で抽出器6のチャンバー22を降下さ
せて漏斗21との間にペーパーフィルタ7を挟み込むと
共に、原料搬出装置3の搬出器18を動作させて26杯
分のコーヒー粉を抽出器6のチャンバー22内に排出
し、更に、給湯電磁弁16を開いて湯タンク2より26
杯分の熱湯をチャンバー22内のコーヒー粉に降りかけ
る。係る熱湯の供給によってチャンバー22内のコーヒ
ー粉からは26杯分のコーヒーが抽出されるので、制御
装置33はステップS3で係るコーヒー(液)を保存器
8のタンク27内に保存する。係る抽出後に抽出器6の
チャンバー22は上昇され、フィードローラ23により
ペーパーフィルタ7は所定量移動されてコーヒーのカス
はカス容器24に廃棄される。
【0024】次に、制御装置33はステップS4で顧客
により金銭が投入され、且つ、商品としてのコーヒーが
選択されて所定の販売指令が発せられたか否か判断し、
販売指令があった場合には制御装置33は前記カップ供
給装置よりカップ44をカップ受け43に排出すると共
に、ステップS5に進んで排出電磁弁31を開き、タン
ク27内に保存されているコーヒーを一杯分混合器9内
に取り出す。そして、必要に応じて副原料搬出装置4の
搬出器19を動作させ、砂糖やクリームを混合器9内に
排出し、攪拌羽41にてコーヒーと混合した後、飲料管
42より図示のようにカップ44内に注入する。
【0025】制御装置33は係る販売が終了した後、ス
テップS6に進んで保存器8のタンク27内のコーヒー
が空となり、売れ切れとなったか否か判断し、売り切れ
となっている場合にはステップS9に進んで販売に関す
るデータの記憶と計算を行った後、ステップS1に進ん
で再び前記コーヒーの抽出と保存を実行する。このと
き、ステップS9ではコーヒーが売れ切れるまでの販売
状況に基づき、例えば頻繁に販売が行われた場合には次
回抽出するコーヒーの量を多くすると共に、逆に頻繁に
販売が行われていない状況では次回抽出するコーヒーの
量を少なくして、後述する如く廃棄処分されることにな
るコーヒーの量をできるだけ消滅する。
【0026】ここで、保存器8のタンク27内にコーヒ
ーが保存されている場合、制御装置33はステップS7
に進んで保存器8に保存中のコーヒーの廃棄条件につい
て判断する。この場合、例えばpHセンサ32は連続的
にコーヒーのpHを検出し、電気信号を制御装置33に
出力する。
【0027】制御装置33には販売に耐えるコーヒーの
味などの品質に関するpHの変化量の基準値(これはコ
ーヒーの種類等に応じて予め決定される)が予め設定さ
れており[例えば、(B−A)≧−0.15である場合
にはそのコーヒーの保存を続け、一方、(B−A)<−
0.15となった場合にはそのコーヒーは劣化したと判
断して廃棄するなどと予め設定されている]、前記pH
メータ32からの出力に基づき、タンク27内のコーヒ
ーのpHの変化量が上記基準値から外れているか否か、
即ち販売に耐えられるか否か判断する。そして、基準値
から外れていない場合にはステップS4に戻り、以後同
様の動作を繰り返す。
【0028】一方、抽出からの時間の経過により、タン
ク27内のコーヒーの酸化などが進み、販売に耐えない
ものにまで劣化してしまった場合、制御装置33はステ
ップS7からステップS8に進み、排出電磁弁31を開
放して保存器8のタンク27内に保存していた全てのコ
ーヒーを、混合器9及び飲料管42を経由して廃棄容器
45内に廃棄する。以後、ステップS1に戻って再び前
記コーヒーの抽出と保存を再開する。
【0029】このように本発明では保存器8に保存して
いるコーヒーのpHの変化量からコーヒーの劣化の程度
を直接判断して廃棄処分することができるので、不味い
コーヒーが販売されることを未然に防止、常に安定した
良品質のコーヒーを販売することができるようになる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に何等限定されるもの
ではない。 (コーヒーのpH変化とコーヒーの品質との関係を求め
る試験) (コーヒー)試験に使用したコーヒーは、自販機用コー
ヒー挽き豆ブルマンブレンド(KEYコーヒー)を原料
とし、スプーン一杯(約10g)当たり、80℃の抽出
水(お湯)180ccを用いてペーパーフィルター方式
にて抽出したものを用いた。 (抽出水)抽出水は、80℃に調整した水道水を用い
た。試験的に80℃のアルカリ水(pH=11.6)も
用いた。 (保存容器)保存容器は、ガラス製ビーカー(容量10
00ml)と、ステンレス製容器(容量1000ml)
の2種類を用いた。 (保存温度)コーヒーは、70℃、80℃、90℃の温
度(±0.5℃)に温度コントローラー(オムロン製E
5CJ−Q)を用い、側面加熱方式(シリコンラバーヒ
ーターを巻き付けたもの)を用いて保温した。 (pH測定)pHの測定は、pHメータ(堀場製F−1
6)を用い、コーヒーを20℃に急速に冷却した後、測
定した。 (試験方法)コーヒーを直ちに保存容器に入れ、上記保
存温度で凡そ300〜400分貯蔵し、60分毎にpH
の測定を行い、同時に複数のパネルメンバーによるコー
ヒーの味などの品質の官能試験を行った。
【0031】(試験結果)図3に各保存温度(70℃、
80℃、90℃)におけるpH変化量(B−A)と貯蔵
時間(分)との関係を示す。図4に80℃においてガラ
ス容器あるいはステンレス容器に保存した場合のpH変
化量(B−A)と貯蔵時間(分)との関係、およびアル
カリ水を抽出水として用いステンレス容器に保存した場
合のpH変化量(B−A)と貯蔵時間(分)との関係を
示す。但し、原料より抽出した直後のコーヒーのpHを
Aとし、そのコーヒーを所定時間貯蔵した後のpHをB
とする。時間経過とともにpHの低下が見られたが、保
存温度が低い方がpHの低下の度合いが小さい。保存容
器の材質による差はあまり見られなかった。コーヒーの
品質の官能試験の結果、(B−A)≧0.15であれ
ば、原料から抽出した直後のコーヒーの品質が維持され
ていることが判った。一方、(B−A)<−0.15と
なった場合にはそのコーヒーは劣化していたので、廃棄
する方がよいことが判った。
【0032】以上の試験結果から、コーヒーのpHを測
定し下記のようにしてコーヒーの劣化度を判断し、保存
を続行するか、廃棄するかを決めることができる。 原料からコーヒーを抽出する(抽出法は、何でもよ
い)。 抽出直後のpHを測定し、記憶する。このpHをA
とする。 pHの測定は常時行う。抽出T分後のpHを測定
し、このpHをBとする。 B−Aを演算し、(B−A)≧0.15であればコ
ーヒーは劣化していないので、コーヒーの保存をつづけ
る。に戻る。異なればに行く。 B−Aを演算し(B−A)<−0.5であれば、コ
ーヒーが劣化したと判断し、コーヒーを捨てにもど
る。
【0033】このようにコーヒーの保存中にpHが低下
する原因は、例えば下記のような化学反応が関与してい
ると考えられる。 アミノ酸+糖→アルデヒド+エナミノール[ストレッカ
ー分解(アミノ−カルボニル反応)] エナミノール→ピラジン[環化反応] このような反応は、アミノ酸の種類や糖の種類により多
数の香気成分を形成している。このように、反応の途中
で出るカルボキシル基や、低級脂肪酸の生成などがpH
が低下する原因であると考えられる。上記反応は、80
℃以下であれば空気を遮断することにより反応を遅らせ
ることが可能と考えられるが、80℃以上の場合、空気
の有無に関わらず反応は進行してしまうので、品質の劣
化を抑えるためには極力低い温度を利用した方がよく、
80℃以下での貯蔵が好ましい。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明のコーヒー自動販売機に
よれば、原料より抽出したコーヒーを予め所定量保存器
内に保存しておき、所定の販売指令に基づきカップに注
入し、販売することができるので、販売に要する時間が
従来は約40秒/杯かかっていたが、約12秒/杯程度
に短縮でき、しかも消耗品を効率よく使用することがで
きるようになる。特に、保存器内のコーヒーのpHを検
出してpHの変化量が予め定められた基準値から外れた
場合には、保存器内のコーヒーを廃棄するので、劣化し
たコーヒーを販売する不都合を未然に防止することがで
き、常に安定した良品質のコーヒーを提供できる。
【0035】請求項2の発明のコーヒー抽出装置によれ
ば、原料より抽出したコーヒーを予め所定量保存器内に
保存しておき、保存器内のコーヒーのpHを検出してp
Hの変化量が予め定められた基準値から外れた場合に
は、保存器内のコーヒーを廃棄するので消耗品を効率よ
く使用できるとともに、劣化したコーヒーを提供する不
都合を未然に防止することができ、常に安定した良品質
のコーヒーを提供できる。
【0036】請求項3の発明のコーヒーの劣化度測定法
によれば、原料より抽出した直後のコーヒーのpH
(A)と、或る時間保存した後のpH(B)を測定し
て、変化量(B−A)が予め定められた基準値以上であ
るか、基準値未満であるかにより、そのコーヒーの劣化
度を判断することができる。そして、コーヒーが劣化し
ていれば廃棄するので、劣化したコーヒーを提供する不
都合を未然に防止し、常に安定した良品質のコーヒーを
提供できるようになる。
【0037】請求項4の発明のコーヒーの劣化度測定法
によれば、(B−A)≧−0.15である場合にはその
コーヒーの保存を続け、一方、(B−A)<−0.15
となった場合にはそのコーヒーは劣化したと判断して廃
棄するようにしたので、より一層、劣化したコーヒーを
提供する不都合を未然に防止し、常に安定した良品質の
コーヒーを提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例としてのコーヒー自動販売機
の内部構成を示す図である。
【図2】 制御装置のプログラムを示すフローチャート
である。
【図3】 各温度におけるpHの変化量と貯蔵時間との
関係を示すグラフである。
【図4】 pHの変化量と貯蔵時間との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 自動販売機(コーヒー抽出装置) 2 湯タンク 3 原料搬出装置 4 副原料搬出装置 6 抽出器 7 ペーパーフィルタ 8 保存器 9 混合器 21 漏斗 22 チャンバー 23 フィードローラ 24 カス容器 26 排出管 27 タンク 28 断熱材 29 保温ヒータ 31 排出電磁弁 32 pHメータ 33 制御装置 41 攪拌羽 42 飲料管 43 カップ受け 44 カップ 45 廃棄容器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料より抽出したコーヒーをカップに注
    入して販売するコーヒー自動販売機において、予め抽出
    された前記コーヒーを所定量保存する保存器と、この保
    存器内のコーヒーを排出する排出手段と、この保存器内
    のコーヒーのpHを検出する検出手段と、所定の販売指
    令に基づき前記保存器内のコーヒーを一定量前記カップ
    に注入する制御手段とを備え、この制御手段は前記検出
    手段の出力に基づき、前記コーヒーのpHの変化量が予
    め定められた基準値から外れた場合に、前記排出手段に
    より前記保存器内のコーヒーを廃棄することを特徴とす
    るコーヒー自動販売機。
  2. 【請求項2】 原料より抽出したコーヒーを所定量保存
    する保存器と、この保存器内のコーヒーを排出する排出
    手段と、この保存器内のコーヒーのpHを検出する検出
    手段と、この検出手段の出力に基づき、前記コーヒーの
    pHの変化量が予め定められた基準値から外れた場合
    に、前記排出手段により前記保存器内のコーヒーを廃棄
    することを特徴とするコーヒー抽出装置。
  3. 【請求項3】 原料より抽出した直後のコーヒーのpH
    を測定してその値をAとし、そして、そのコーヒーを或
    る時間保存した後のpHを測定してその値をBとした場
    合、変化量(B−A)が予め定められた基準値以上であ
    る場合にはそのコーヒーの保存を続け、一方、変化量
    (B−A)が予め定められた基準値未満となった場合に
    はそのコーヒーは劣化したと判断して廃棄することを特
    徴とするコーヒーの劣化度測定法。
  4. 【請求項4】 (B−A)≧−0.15である場合には
    そのコーヒーの保存を続け、一方、(B−A)<−0.
    15となった場合にはそのコーヒーは劣化したと判断し
    て廃棄することを特徴とする請求項3記載のコーヒーの
    劣化度測定法。
JP7207378A 1995-07-24 1995-07-24 コーヒー自動販売機、コーヒー抽出装置およびコーヒーの劣化度測定法 Pending JPH0928573A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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