JPH09285175A - ブラシレスモータの制御方法 - Google Patents

ブラシレスモータの制御方法

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JPH09285175A
JPH09285175A JP8120893A JP12089396A JPH09285175A JP H09285175 A JPH09285175 A JP H09285175A JP 8120893 A JP8120893 A JP 8120893A JP 12089396 A JP12089396 A JP 12089396A JP H09285175 A JPH09285175 A JP H09285175A
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brushless motor
voltage
chopping
time
detection
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JP8120893A
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Tomoyuki Mori
智之 森
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Fujitsu General Ltd
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Fujitsu General Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシレスモータを回転制御する際、回転子
の誤位置検出を防止する。 【解決手段】 交流電源1を倍電圧整流回路13で倍電
圧整流した直流電源をトランジスタモジュール部3を介
してブラシレスモータ4の電機子巻線に供給する際、制
御回路11は位置検出部10からの位置信号をもとにし
て回転子4aの位置を検出し、この位置検出に基づいて
トランジスタモジュール部12の上アームのトランジス
タU,V,Wおよび下アームのトランジスタX,Y,Z
をオン、オフ駆動する一方、その上下アームの何れか一
方のアームをチョッピング駆動し、かつ上下アームのチ
ョッピングを所定タイミングで切り替える。このとき、
そのチョッピング切り替え時刻を検出し、この検出時刻
に所定値を加算し、この加算された時間まで位置検出を
マスクし、つまりスパイク電圧終了から所定時間経過後
に位置検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は空気調和機の圧縮
機等に用いるセンサレス直流ブラシレスモータ(以下ブ
ラシレスモータと記す)の回転制御技術に係り、特に詳
しくはブラシレスモータの回転制御の安定化を図るブラ
シレスモータの制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のブラシレスモータの回転制御に
際して、回転子の位置を検出する手段としてホール素子
を使用せずに、例えばブラシレスモータの電機子巻線に
誘起される電圧を利用する方法がある。この誘起電圧を
利用して回転子の位置を検出してブラシレスモータの電
機子巻線の通電を切り替える場合、例えば図6に示す制
御装置を必要とする。
【0003】図6において、この制御装置は、交流電源
(商用100V)1を倍電圧整流平滑回路2で倍電圧整
流、平滑化し、この倍電圧整流、平滑化された直流電源
Vdcを複数のスイッチング素子(トランジスタ)U,
V,W,X,Y,Zをブリッジ接続したインバータ回路
3でスイッチングしてブラシレスモータ4の電機子巻線
に印加する。なお、倍電圧整流平滑回路2は既に公知の
整流回路、コンデンサ回路および平滑用コンデンサから
なる。
【0004】三相のブラシレスモータ4の端子電圧(例
えば120度位相の異なる電圧;誘起電圧を含む)R,
S,Tを位置検出部5に入力しており、この位置検出部
5は端子電圧R,S,Tの電圧波形を90度位相遅ら
せ、かつ平滑化して中性点電位Vnと比較して位置検出
信号A,B,Cを制御回路(マイクロコンピュータ)6
に出力する。そのため、位置検出部5は微分回路5aお
よび積分回路5bと、90度位相遅れの電圧を組み合わ
せ中性点電位Vnを得るための抵抗回路5cと、上記9
0度位相遅れの電圧と中性点電位Vnとを比較する比較
回路5dとを備えている。
【0005】ブラシレスモータ4を同期起動運転し、か
つ位置検出部5からの位置検出信号A,B,Cをもとに
して各電機子巻線の通電を切り替えて位置検出運転を行
うために、制御回路6はインバータ回路3のスイッチン
グ素子(トランジスタ)U,V,W,X,Y,Zをオ
ン、オフ駆動する駆動信号、チョッピング駆動するチョ
ッピング信号を駆動回路7に出力する。
【0006】なお、上記制御装置を空気調和機の圧縮機
の制御に用いた場合、交流電源1と倍電圧整流平滑回路
2との間には力率改善用リアクタ8が設けられる。
【0007】上記構成の制御装置において、ブラシレス
モータ4の起動時には例えば同ブラシレスモータ4を所
定時間同期運転するが、所定時間経過後には上記位置検
出信号A,B,Cに基づいて同ブラシレスモータ4を回
転制御する(いわゆる位置検出による運転に切り替え
る)。
【0008】上記位置検出による運転時、位置検出部5
は例えば図7(a)ないし(c)に示す各電機子巻線の
端子電圧R,S,Tを90度位相遅れとし、この位相遅
れの電圧(図7(d)ないし(f)に示す)と中性点電
位Vnとを比較し、その交点で変化する位置検出信号
(図7(g)ないし(i)に示す)A,B,Cを出力す
る。
【0009】上記位置検出信号A,B,Cが制御回路6
に入力すると、この制御回路6は位置検出信号A,B,
Cのタイミングをもとにしてインバータ回路3の各トラ
ンジスタU,V,W,X,Y,Zの導通状態を切り替え
る駆動信号(図7(j)ないし(o)に示す)を発生す
る。
【0010】各駆動信号により各トランジスタU,V,
W,X,Y,Zが駆動されるため、ブラシレスモータ4
の電機子巻線電流が切り替えられ、ブラシレスモータ4
が回転制御される。
【0011】また、制御回路6は駆動信号の他に、所定
デューティ比(オン、オフ比)のチョッピング信号を駆
動回路7に出力しており、駆動回路7はインバータ回路
3の上アームのトランジスタU,V,Wの駆動信号のオ
ン部分をチョッピングする(図7(j)ないし(l)に
示す)。なお、下アームのトランジスタX,Y,Zをチ
ョッピング駆動する方法もある。
【0012】このように、位置検出信号A,B,Cに基
づいてブラシレスモータ4の各電機子巻線の通電を切り
替えて同ブラシレスモータ4を回転制御し、かつチョッ
ピングのオン、オフ比を可変してブラシレスモータ4を
所定回転数に制御する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ブラシ
レスモータの制御方法においては、積分回路5bを用い
て回転子4aの位置を検出し、この位置検出をもとにし
て電機子巻線の通電切り替えタイミングを得ているた
め、以下の問題点が生じる。
【0014】まず、電機子巻線に誘起される電圧波形に
は種々の周波数成分が混在しており、積分回路(積分フ
ィルタ)5bの特性上それら全ての周波数に対する定数
決定ができない。したがって、積分回路を通した電圧波
形には必要としない周波数成分が含まれ、特にブラシレ
スモータ4の回転数の変化によって含まれる周波数によ
り、出力90度遅れに誤差が生じ、結果回転子4aの位
置検出に誤差が生じる。 また、積分回路5bを必要と
することから、どうしてもコストアップになるだけな
く、部品の増加により制御基板が大きく、スペースをと
るといった欠点もある。
【0015】さらに、積分回路5bを通して得る90度
遅れは常に一定であるが、ブラシレスモータ4の回転数
や負荷状態によってはその90度遅れが最適でない、つ
まりブラシレスモータ4の効率を最大とする通電切り替
えタイミングが回転数や負荷状態によって異なるため、
常に最大の効率となるように通電を切り替えることがで
きない。
【0016】そこで、積分回路5bを用いずに、回転子
4aの位置を検出してブラシレスモータ4を制御する方
法がある。この制御方法の場合、電機子巻線に誘起され
る電圧波形と中性点電位(基準電圧)とを比較し、この
比較結果をブラシレスモータ4の制御回路(マイクロコ
ンピュータ)に入力し、このマイクロコンピュータによ
って演算して通電切り替えタイミングを決定する。
【0017】具体的に説明すると、直接電機子巻線の端
子電圧波形(誘起電圧波形)と基準電圧(Vdc/2)
とを比較して得た位置信号をマイクロコンピュータに入
力する。マイクロコンピュータは通電切り替え後の最初
の位置信号の変化点を回転子4aの位置検出点とし、こ
の位置検出点から電気角30度に相当する時間経過時に
電機子巻線の通電を切り替える。
【0018】しかし、上記位置信号がディジタル信号形
式であるため、通電切り替えによる逆起電圧(スパイク
電圧k)による雑音等により通電切り替え後の最初の位
置信号の変化点(検出エッジ)が正規の位置検出点とな
らないことがある。つまり、正規の回転子4aの位置検
出点を得ることができないことがあり(誤位置検出が生
じることがあり)、結果ブラシレスモータ4の回転制御
に支障を来し(回転制御が不安定となり)、脱調の原因
ともなる。
【0019】この発明は上記課題に鑑みなされたもので
あり、その目的はブラシレスモータの回転子の誤位置検
出を防止することができ、ブラシレスモータの回転制御
の安定化を図ることができるようにしたブラシレスモー
タの制御方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明はブラシレスモータを回転制御する際、前
記ブラシレスモータの電機子巻線の電圧と基準電圧とを
比較して得た位置信号により同ブラシレスモータの回転
子の位置を検出し、該位置検出をもとにして前記ブラシ
レスモータの巻線電圧の通電を切り替えるブラシレスモ
ータの制御方法であって、前記位置信号により前記電機
子巻線の通電切り替え時に発生するスパイク電圧の終了
を検出し、該検出スパイク電圧終了の後に前記回転子の
位置を検出するようにしたことを特徴としている。
【0021】この発明は直流電源をトランジスタモジュ
ール手段を介してブラシレスモータの電機子巻線に供給
して同ブラシレスモータを回転制御する際、前記ブラシ
レスモータの電機子巻線の電圧と基準電圧とを比較して
得た位置信号により同ブラシレスモータの回転子の位置
を検出し、該位置検出をもとにして前記トランジスタモ
ジュール手段のスイッチング素子をオン、オフ駆動し、
前記電機子巻線の通電を切り替えるとともに、前記トラ
ンジスタモジュール手段の上下アームの何れか一方のア
ームのスイッチング手段を可変可能なデューティ比のチ
ョッピング信号で駆動し、かつ該上下アームのチョッピ
ングを所定に切り替えるブラシレスモータの制御方法で
あって、前記位置信号により前記電機子巻線の通電切り
替え時に発生するスパイク電圧の終了後を検出する一
方、該検出スパイク電圧終了後に、あるいは前記位置検
出から予め設定した所定電気角の経過時が前記検出スパ
イク電圧終了の後であるときには同所定電気角経過後
に、前記上下アームのチョッピングを切り替え、該チョ
ッピング切り替え後に前記回転子の位置を検出するよう
にしたことを特徴としている。
【0022】また、この発明のブラシレスモータは前記
位置信号により前記電機子巻線の通電切り替え時に発生
するスパイク電圧の終了後を検出する一方、該検出スパ
イク電圧終了後に、あるいは前記位置検出から予め設定
した所定電気角の経過時が前記検出スパイク電圧終了の
後であるときには同所定電気角経過後に、前記上下アー
ムのチョッピングを切り替え、該チョッピング切り替え
時刻に所定値を加算して得た時刻まで前記回転子の位置
検出をマスクするようにしている。この場合、前記所定
電気角を180度より小さい値とすると好ましい。
【0023】上記手段によれば、例えば一相位置検出方
式の場合ブラシレスモータの電機子巻線の1つの端子電
圧と基準電圧との比較結果(位置信号)をもとにして回
転子の位置が検出されるとともに、位置検出時刻の検出
および同間隔の時間の算出が行われる。
【0024】この時刻および時間をもとにして各相の通
電切り替え時刻が算出され、この時刻にブラシレスモー
タの通電を切り替えるようにトランジスタモジュール手
段のスイッチング素子がオン、オフ駆動される。
【0025】このとき、上記位置信号によりスパイク電
圧の終了(通電切り替え後の最初の立ち上がりエッジま
たは立ち下がりエッジ)が検出され、このスパイク電圧
の終了後に上下アームのチョッピングが切り替えられ
る。なお、そのスパイク電圧の終了検出が前回の位置検
出から所定電気角(165度)経過前であるときには同
所定電気角経過で上下アームのチョピングが切り替えら
れる。
【0026】また、上記チョッピング切り替え時刻が検
出されるとともに、この検出時刻に所定値が加算され、
この加算された時刻まで回転子の位置検出がマスクされ
る。なお、一相位置検出方式の場合、上記位置検出間隔
の時間をもとにして残りの相における上下アームのチョ
ッピング切り替えまでの時間が算出され、この算出時間
を加算して他の相における上下アームのチョッピング切
り替え時刻が予測される。なお、上下アームのチョッピ
ング切り替えまでの時間の算出に際しては他相のスパイ
ク電圧の終了後が想定される。
【0027】このようにして得た時刻の経過(スパイク
電圧終了後)で上下アームのチョッピングが切り替えら
れ、つまり上下アームのチョッピング切り替えがスパイ
ク電圧中に行われることもない。
【0028】なお、三相位置検出方式の場合、各相毎に
スパイク電圧終了が検出され、この検出スパイク電圧終
了後に、あるいはそのスパイク電圧の終了検出が前回の
位置検出から所定電気角(例えば165度)経過前であ
るときには同所定電気角経過後に、上下アームのチョピ
ングが切り替えられる。このとき、その各相毎のチョッ
ピング切り替え時刻が検出され、この検出時刻に所定値
が加算され、この加算時刻まで回転子の位置検出がマス
クされる。
【0029】
【発明の実施の形態】この発明は、ブラシレスモータの
電機子巻線電圧と基準電圧とを比較して得た位置信号の
エッジ検出に際し、その電機子巻線電圧の誘起電圧が上
昇時にあるときには、通電切り替え後の位置信号の最初
の立ち下がりエッジがスパイク電圧の終了時に該当し、
その位置信号の最初の立ち上がりエッジが回転子の位置
検出点に該当することに着目し、そのスパイク電圧終了
時を検出し、この検出後所定時間位置検出をマスクす
る。
【0030】そのため、この発明のブラシレスモータの
制御方法を適用した制御装置は図1に示す構成をしてい
る。なお、図1中、図6と同一部分には同一符号を付し
重複説明を省略する。
【0031】図1において、このブラシレスモータの制
御装置は、ブラシレスモータ(例えば三相二極)4の電
機子巻線の端子電圧Rと基準電圧Vdc/とを比較し、
この比較結果の位置信号を出力する位置検出部10と、
ブラシレスモータ4を回転制御するための駆動信号を発
生する際、それら駆動信号を所定にチョッピングすると
ともに、上記位置信号によりスパイク電圧の終了時を検
出し、このスパイク電圧終了後(あるいは位置検出から
所定電気角の経過後)に上下アームのチョッピングを切
り替え、もしくはスパイク電圧終了後にチョッピングを
切り替え、このチョッピング切り替え時刻に所定値を加
算し、この加算時刻まで位置検出をマスクし、またその
チョッピング切り替え後所定電気角の経過時点で他相に
おける上下アームのチョッピングを切り替える制御回路
(マイクロコンピュータ)11とを備えている。
【0032】なお、位置検出部10はトランジスタモジ
ュール部12の電源電圧Vdcを分圧して基準電圧Vd
c/2を発生する基準電圧発生回路10aおよび端子電
圧Rと基準電圧Vdc/2とを比較する比較回路10b
からなる。
【0033】制御回路11は、図6に示す制御回路6の
機能を備え、トランジスタモジュール部12は図6に示
すインバータ回路3と同じ構成で、倍電圧整流回路13
は図6に示す倍電圧整流平滑回路2に対応し、駆動回路
14は図6に示す駆動回路7に対応しており、さらに必
要であれば力率改善用リアクタを図6と同様に設けても
よい。
【0034】次に、上記制御装置の動作を図2のタイム
チャート図および図3ないし図5のフローチャート図を
参照して詳しく説明すると、まず制御回路11は従来同
様の処理によりブラシレスモータ4を回転制御する。
【0035】この場合、従来例で説明したように、制御
回路11は位置検出部10からの位置信号Dにより回転
子4aの位置検出するとともに、この位置検出の間隔時
間を計時し、その位置検出から電気角30度、90度お
よび150度に相当する時刻を算出し、この算出時刻を
ブラシレスモータ4の通電切り替え時刻に設定する。
【0036】また、制御回路11は、通電切り替えた後
の位置信号Dの最初のエッジ(立ち上がりエッジあるい
は立ち下がりエッジ)を検出し、この検出エッジタイミ
ングをスパイク電圧kの終了時と判断する。
【0037】端子電圧Rの誘起電圧が上昇時になるとき
には通電切り替え後の位置信号Dの最初の立ち下がりエ
ッジをスパイク電圧kの終了時と判断し、その誘起電圧
が下降時になるときには通電切り替え後の位置信号Dの
最初の立ち上がりエッジをスパイク電圧kの終了時と判
断する。
【0038】そして、上記スパイク電圧kの終了時ある
いは設定時刻の判断を行い(ステップST1)、スパイ
ク電圧kの終了時であるときにはステップST2に進
み、スパイク電圧kのフラグをセットする一方、設定時
刻であるときにはステップST3に進み、設定時刻フラ
グをセットする。なお、設定時刻は位置検出から所定電
気角(180度より小さい値;例えば165度)に相当
する時刻である。
【0039】続いて、上記スパイク電圧フラグをセット
した後既に設定時刻フラグがセットさているか否かを判
断し(ステップST4)、設定時刻フラグがセットされ
ていないときには図3に示す処理を終了する。また、上
記設定時刻フラグをセットした後既にスパイク電圧フラ
グがセットされている否かを判断し(ステップST
5)、スパイク電圧フラグがセットされていないときに
は図3に示す処理を終了する。
【0040】ここに、現時点が図2の破線矢印cのタイ
ミング(つまり設定時刻)であるとすると、設定フラグ
をセットした後(ステップST3)、スパイク電圧フラ
グがセットされているか否かを判断する(ステップST
5)。このとき、既にスパイク電圧kの終了が検出さ
れ、スパイク電圧フラグがセットされていることから、
ステップST5からST6に進み、上下アームのチョッ
ピングを切り替え、例えば図2に示す場合上アームから
下アームのチョッピングに切り替える。
【0041】なお、上記設定時刻(位置検出から所定電
気角(165度)の時刻)が図2の破線矢印cのタイミ
ングでなく、スパイク電圧kの終了前となることもあ
る。この場合、スパイク電圧kの終了を検出したとき、
既に設定時刻フラグがセットされていることから、ステ
ップST4からST6に進み、上述同様に上下アームの
チョッピングを切り替える。
【0042】続いて、上記上下アームのチョッピング切
り替え後、図4および図5に示す処理を行うための上下
アーム切り替えフラグを設定する(ステップST7)。
【0043】続いて、上記上下アームのチョッピング切
り替え時刻taを検出し(ステップST8)、この時刻
taに所定値α(例えば上下アーム切り替えのための素
子の遅れ時間等)を加算し(ステップST9)、この加
算された時刻tsを位置検出のマスクとする(ステップ
ST10)。
【0044】なお、上記設定時刻がスパイク電圧kの終
了前であるときには、スパイク電圧kの終了後に上下ア
ームのチョッピングを切り替えることなる。この場合、
上記所定値αとしては多少大きい値であってもよい。つ
まりスパイク電圧終了後から位置検出をマスクする時間
が多少長くなる。
【0045】続いて、前回計時の位置検出間隔の時間T
1をもとにして電気角60に相当する時間T1×60/
180を算出するとともに、この時間を上記時刻taに
加算して次の上下アームのチョッピング切り替え時刻t
60を算出する(ステップST11)。なお、この予測
される時刻t60は他相におけるスパイク電圧の終了後
に該当する。
【0046】そして、次の上下アームのチョッピング切
り替えを図4に示す処理で実行するために、上記算出時
刻t60をコンベアレジスタにセットする(ステップS
T12)。また、当該最初の上下アームのチョッピング
切り替えを行ったことから、スパイク電圧フラグおよび
設定時刻フラグをリセットする(ステップST13)。
なお、上記算出時刻t60(後に述べる時刻t120)
が経過すると、上記ステップST3の処理で設定時刻フ
ラグがセットされる。
【0047】現時点が図2の破線矢印dタイミング、つ
まり上記算出時刻t60になったときに、上下アーム切
り替えフラグがセットされていれば、図4に示す処理を
実行し、まず上下アームのチョッピングを切り替え(ス
テップST20)、この場合下アームから上アームのチ
ョッピングに切り替える。
【0048】続いて、上記上下アームのチョッピング切
り替え時刻taを検出する一方(ステップST21)、
今回計時の位置検出間隔の時間T2をもとにして電気角
120に相当する時間T2×120/180を算出する
とともに、この時間を上記時刻taに加算して次の上下
アームのチョッピング切り替え時刻t120を算出する
(ステップST22)。なお、この予測される時刻t1
20は残りの相におけるスパイク電圧の終了後に該当す
る。また、電気角120度に相当する時間の算出におい
ては、前回の位置検出間隔の時間T1を用いてもよい
が、今回位置検出間隔の時間T2が得られている可能性
が極めて高く、できるだけ新しい情報を用いた方が好ま
しい。
【0049】そして、次の上下アームのチョッピング切
り替えを図5に示す処理で実行するために、上記算出時
刻t120をコンベアレジスタにセットする(ステップ
ST23)。
【0050】現時点が図2の破線矢印fタイミング、つ
まり上記算出時刻t120になったとき、上下アーム切
り替えフラグがセットされていれば、図5に示す処理を
実行し、上下アームのチョッピングを切り替え(ステッ
プST30)、この場合上アームから下アームのチョッ
ピングに切り替える。なお、図5に示す処理において、
上下アーム切り替えフラグをリセットし、またコンベア
レジスタ等をクリアする。
【0051】そして、次のスパイク電圧kの終了を検出
すると、上述したように図3に示す処理から実行を開始
して上下アームのチョッピングを切り替え、しかる後図
4に示す処理を実行して上下アームのチョッピングを切
り替え、図5に示す処理を実行して上下アームのチョッ
ピングを切り替える。
【0052】このように、スパイク電圧kの終了を検出
し、この検出スパイク電圧終了後に、あるいは前回の位
置検出から所定電気角(165度)経過時がその検出ス
パイク電圧の終了時より遅いときには同所定電気角経過
後に、上下アームのチョッピングを切り替え、このチョ
ッピング切り替えから所定電気角に相当する時間(図2
の時刻t60,t120参照)経過後に他の相における
上下アームのチョッピングを切り替える。
【0053】また、上記上下アームのチョッピング切り
替え後(スパイク電圧kの終了後も含む)、所定時間だ
け回転子4aの位置検出をマスクするようにしているこ
とから、例えばスパイク電圧kによる雑音等が位置信号
Dに含まれたとしても、そのマスクによって誤位置検出
も防止することができる。なお、当然スパイク電圧k中
にあっても、回転子4aの位置検出はマスクされる。
【0054】なお、上記実施例では、一相位置検出方式
の場合について説明したが、三相位置検出方式にも適用
することができる。この場合、位置検出部10は3つの
比較回路を必要とし、各比較回路は各電機子巻線の端子
電圧と基準電圧Vdc/2とをそれぞれ比較し、これら
比較結果の位置信号を制御回路11に出力する。
【0055】制御回路11は三相分の位置信号により回
転子4aの位置を検出してブラシレスモータ4の通電を
切り替える一方、各位置信号により各相のスパイク電圧
の終了を検出し、これら検出後に、あるいは前回の位置
検出から所定電気角(例えば165度)経過時がその検
出スパイク電圧の終了時より遅いときには同所定電気角
経過後に、上下アームのチョッピングを切り替える。
【0056】このとき、上記上下アームの切り替え時刻
を検出し、この検出時刻に所定値α(例えば上下アーム
切り替えのための素子の遅れ時間等)を加算し、この加
算された時刻までを位置検出のマスクとする。なお、上
記設定時刻がスパイク電圧kの終了前であるときには、
スパイク電圧kの終了後に上下アームのチョッピングを
切り替えることなる。この場合、上記所定値αとしては
多少大きい値であってもよい、つまりスパイク電圧終了
後から位置検出をマスクする時間が多少長くなる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ブラシレスモータの電機子巻線の端子電圧と基準電
圧とを比較して得た位置信号により回転子の位置を検出
し、この位置検出をもとにしてトランジスタモジュール
部の上下アームのトランジスタをオン、オフ駆動し、か
つ上下アームの何れか一方のアームのトランジスタを可
変可能なデューティ比でチョッピング駆動してブラシレ
スモータを所定に回転制御するブラシレスモータの制御
方法であって、上記位置信号によりスパイク電圧の終了
を検出し、このスパイク電圧終了後に、あるいは前回の
位置検出から所定電気角経過時がその検出スパイク電圧
の終了時より遅いときには同所定電気角経過後に上記チ
ョッピングを切り替え、このチョッピング切り替え時刻
に所定値を加算し、この加算して得た時間だけ位置検出
をマスクするようにしたので、スパイク電圧終了から所
定時間経過してから回転子の位置検出が行われ、つまり
誤った位置検出を防止することができ、ひいてはブラシ
レスモータの回転制御の安定化が図れ、脱調等がなくな
るという効果がある。
【0058】また、この発明によれば、ブラシレスモー
タの位置検出方式として、一相位置検出方式や三相位置
検出方式の何れにも適用することができ、また一相位置
検出方式の場合には位置検出回路の簡略化が図れ、つま
りコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示し、ブラシレスモータ
の制御方法が適用される制御装置の概略的ブロック線
図。
【図2】図1に示すブラシレスモータの制御装置の動作
を説明するための概略的タイムチャート図。
【図3】図1に示すブラシレスモータの制御装置の動作
を説明するための概略的フローチャート図。
【図4】図1に示すブラシレスモータの制御装置の動作
を説明するための概略的フローチャート図。
【図5】図1に示すブラシレスモータの制御装置の動作
を説明するための概略的フローチャート図。
【図6】従来のブラシレスモータの制御装置の概略的ブ
ロック線図。
【図7】図6に示すブラシレスモータの制御装置の動作
を説明するための概略的タイムチャート図。
【符号の説明】
1 交流電源 4 ブラシレスモータ(センサレス直流ブラシレスモー
タ) 4a 回転子(ブラシレスモータ4の) 6,11 制御回路(マイクロコンピュータ) 10 位置検出部 10a 基準電圧発生回路 10b 比較回路 12 トランジスタモジュール部 13 倍電圧整流回路 Vdc 基準電圧 k スパイク電圧 R,S,T 電機子巻線の端子電圧

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレスモータを回転制御する際、前
    記ブラシレスモータの電機子巻線の電圧と基準電圧とを
    比較して得た位置信号により同ブラシレスモータの回転
    子の位置を検出し、該位置検出をもとにして前記ブラシ
    レスモータの巻線電圧の通電を切り替えるブラシレスモ
    ータの制御方法であって、 前記位置信号により前記電機子巻線の通電切り替え時に
    発生するスパイク電圧の終了を検出し、該検出スパイク
    電圧終了の後に前記回転子の位置を検出するようにした
    ことを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
  2. 【請求項2】直流電源をトランジスタモジュール手段を
    介してブラシレスモータの電機子巻線に供給して同ブラ
    シレスモータを回転制御する際、前記ブラシレスモータ
    の電機子巻線の電圧と基準電圧とを比較して得た位置信
    号により同ブラシレスモータの回転子の位置を検出し、
    該位置検出をもとにして前記トランジスタモジュール手
    段のスイッチング素子をオン、オフ駆動し、前記電機子
    巻線の通電を切り替えるとともに、前記トランジスタモ
    ジュール手段の上下アームの何れか一方のアームのスイ
    ッチング手段を可変可能なデューティ比のチョッピング
    信号で駆動し、かつ該上下アームのチョッピングを所定
    に切り替えるブラシレスモータの制御方法であって、 前記位置信号により前記電機子巻線の通電切り替え時に
    発生するスパイク電圧の終了後を検出する一方、該検出
    スパイク電圧終了後に、あるいは前記位置検出から予め
    設定した所定電気角の経過時が前記検出スパイク電圧終
    了の後であるときには同所定電気角経過後に、前記上下
    アームのチョッピングを切り替え、該チョッピング切り
    替え後に前記回転子の位置を検出するようにしたことを
    特徴とするブラシレスモータの制御方法。
  3. 【請求項3】 直流電源をトランジスタモジュール手段
    を介してブラシレスモータの電機子巻線に供給して同ブ
    ラシレスモータを回転制御する際、前記ブラシレスモー
    タの電機子巻線の電圧と基準電圧とを比較して得た位置
    信号により同ブラシレスモータの回転子の位置を検出
    し、該位置検出をもとにして前記トランジスタモジュー
    ル手段のスイッチング素子をオン、オフ駆動し、前記電
    機子巻線の通電を切り替えるとともに、前記トランジス
    タモジュール手段の上下アームの何れか一方のアームの
    スイッチング手段を可変可能なデューティ比のチョッピ
    ング信号で駆動し、かつ該上下アームのチョッピングを
    所定に切り替えるブラシレスモータの制御方法であっ
    て、 前記位置信号により前記電機子巻線の通電切り替え時に
    発生するスパイク電圧の終了後を検出する一方、該検出
    スパイク電圧終了後に、あるいは前記位置検出から予め
    設定した所定電気角の経過時が前記検出スパイク電圧終
    了の後であるときには同所定電気角経過後に、前記上下
    アームのチョッピングを切り替え、該チョッピング切り
    替え時刻に所定値を加算して得た時刻まで前記回転子の
    位置検出をマスクするようにしたことを特徴とするブラ
    シレスモータの制御方法。
  4. 【請求項4】 前記所定電気角は180度より小さい値
    である請求項2または3記載のブラシレスモータの制御
    方法。
JP8120893A 1996-04-18 1996-04-18 ブラシレスモータの制御方法 Pending JPH09285175A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005198496A (ja) * 2004-01-07 2005-07-21 Agency For Science Technology & Research Zcp検知システムと方法

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