JPH09282443A - X線荷物検査装置 - Google Patents

X線荷物検査装置

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JPH09282443A
JPH09282443A JP8092462A JP9246296A JPH09282443A JP H09282443 A JPH09282443 A JP H09282443A JP 8092462 A JP8092462 A JP 8092462A JP 9246296 A JP9246296 A JP 9246296A JP H09282443 A JPH09282443 A JP H09282443A
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JP
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ray
dimensional
image
ray image
stereoscopic
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JP8092462A
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English (en)
Inventor
Keiji Umetani
啓二 梅谷
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Publication date
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01VGEOPHYSICS; GRAVITATIONAL MEASUREMENTS; DETECTING MASSES OR OBJECTS; TAGS
    • G01V5/00Prospecting or detecting by the use of ionising radiation, e.g. of natural or induced radioactivity
    • G01V5/20Detecting prohibited goods, e.g. weapons, explosives, hazardous substances, contraband or smuggled objects
    • G01V5/22Active interrogation, i.e. by irradiating objects or goods using external radiation sources, e.g. using gamma rays or cosmic rays
    • G01V5/228Active interrogation, i.e. by irradiating objects or goods using external radiation sources, e.g. using gamma rays or cosmic rays using stereoscopic means

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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 奥行き方向の分解能が大きく、荷物の中に多
くの物品が混在する場合でも、一つ一つの物品を明確に
識別することが可能なX線検査装置を提供すること。 【解決手段】 被検査物を所定の方向に移動させつつ前
記被検査物のX線像を撮像し、該X線像を表示手段に表
示するX線荷物検査装置において、X線を照射するX線
源と、該X線源から照射されるX線を所定の幅の扇形X
線ビームに変換する2本以上のX線スリットと、前記被
検査物を所定の方向に移動させる移動手段と、前記被検
査物のX線像を撮像する2個以上の一次元X線撮像手段
と、各一次元X線撮像手段が撮像したX線像から前記一
次元X線撮像手段毎に二次元のX線像を生成し、該二次
元X線像を表示手段に出力する二次元像生成選択手段
と、該二次元X線像を立体的に表示する立体像表示手段
とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線荷物検査装置
に関し、特に、飛行場や港湾等において運搬される荷物
の中身を、X線で撮像したX線透過像を観察し、荷物の
内容を検査するためのX線荷物検査装置に適用して有効
な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のX線荷物検査装置としては、たと
えば、特開平3−195913号公報に記載の「X線荷
物検査装置」があった。
【0003】このX線荷物検査装置は、扇形にX線を照
射するX線源と、荷物のX線像を撮像するL字型の一次
元X線検出器と、荷物を所定の方向に移動させるベルト
コンベアとから構成されており、ベルトコンベアで荷物
を所定方向に移動させることによって、L字型の一次元
検出器で荷物の二次元像すなわち検査物の二次元透過像
を撮像していた。
【0004】次に、二次元像を所定の画像補正を行った
後、この二次元像をビデオモニタに表示していた。
【0005】しかしながら、検査者が荷物の中身を判定
しようとしたときに、多くの物品が混在している荷物で
は、これらの物品が重なり合った二次元像となってしま
うので、検査者が判定を行うことができないという問題
があった。
【0006】この問題を解決するためには、多くの物品
が混在している荷物でも、これらの物品が重なり合わな
いよう表示させる、すなわち、荷物の中身を立体表示さ
せることによって、検査者が判定し易くさせるという方
法が考えられる。
【0007】物体をX線で撮像し、3次元表示させると
共に、撮像から表示までに多くの時間を必要としない撮
像装置としては、たとえば、特開昭62−102738
号公報に記載のX線立体視装置がある。
【0008】このX線立体視装置は、X線源として2つ
の異なる焦点を有する2焦点形のステレオX線管の各焦
点から交互にX線を照射し、被観測物体を透過したX線
をI.I.(イメージ・インテンシファイア)で光学像
に変換する。
【0009】次に、この光学像をテレビカメラで撮像
し、この像を偏光眼鏡方式あるいはレンティキュラ方式
の表示装置に表示することによって、三次元表示を行わ
せるというものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0011】従来のX線立体視装置である特開昭62−
102738号公報に記載の装置では、X線源として2
焦点からX線を照射可能なステレオX線管を使用してい
るので、X線焦点間の間隔が限られてしまい、2焦点間
の距離を広くできなかった。
【0012】したがって、2焦点のそれぞれの方向から
のX線の角度差が小さくなってしまい、その結果とし
て、三次元表示を行ったときの立体視において、奥行き
感、すなわち奥行き方向の分解能が小さく、物品を明確
に識別できないという問題があった。
【0013】本発明の目的は、奥行き方向の分解能が大
きく、荷物の中に多くの物品が混在する場合でも、一つ
一つの物品を明確に識別することが可能なX線検査装置
を提供することにある。
【0014】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0016】(1)被検査物を所定の方向に移動させつ
つ前記被検査物のX線像を撮像し、該X線像を表示手段
に表示するX線荷物検査装置において、X線を照射する
X線源と、該X線源から照射されるX線を所定の幅の扇
形X線ビームに変換する2本以上のX線スリットと、前
記被検査物を所定の方向に移動させる移動手段と、前記
被検査物のX線像を撮像する2個以上の一次元X線撮像
手段と、各一次元X線撮像手段が撮像したX線像から前
記一次元X線撮像手段毎に二次元のX線像を生成し、該
二次元X線像を表示手段に出力する二次元像生成選択手
段と、該二次元X線像を立体的に表示する立体像表示手
段とを具備する。
【0017】(2)前述する(1)のX線荷物検査装置
によれば、前記X線像生成選択手段は、隣接する前記一
次元X線撮像手段の配置の順番に前記二次元X線像を配
列した第1のX線像配列と、該第1のX線像配列から1
番目のX線像を除いた第2のX線像配列とを作成し、前
記第1のX線像配列と前記第2のX線像配列とに配列さ
れる第1番目のX線像から順番に前記立体像表示手段に
出力する。
【0018】(3)前述する(1)のX線荷物検査装置
によれば、前記X線像生成選択手段は、前記二次元X線
像の内から、予め設定された2個の一次元X線撮像手段
で撮像したX線像を選択し、前記立体像表示手段に出力
する。
【0019】(4)前述する(1)ないし(3)のいず
れかのX線荷物検査装置によれば、前記表示手段は二次
元表示手段を具備し、前記立体像表示手段で表示する立
体像と共に、前記X線像生成選択手段から出力される二
次元X線像を順番に表示する。
【0020】(5)前述する(1)ないし(4)のいず
れかのX線荷物検査装置によれば、前記X線像生成選択
手段は、前記一次元X線撮像手段が被検査物のX線像を
撮像しているか否かを検知する撮像検知手段を具備し、
該撮像検知手段が、前記一次元X線撮像手段の内で1番
最後にX線像を撮像する一次元X線撮像手段が被検査物
のX線像の撮像を開始したことを撮像検知手段が検知し
た時に、前記立体表示手段にX線像を表示する。
【0021】(6)前述する(1)ないし(5)のいず
れかのX線荷物検査装置によれば、前記X線像生成選択
手段は、前記被検査物の移動速度を検知する速度検知手
段を具備し、該速度検知手段の出力に基づいて、前記二
次元X線像の表示位置を変化させる。
【0022】(7)前述する(6)のX線荷物検査装置
によれば、前記X線スリットおよび前記一次元X線撮像
手段はそれぞれ2個づつであり、前記X線像生成選択手
段は前記一次元X線撮像手段のいずれか一方の撮像した
X線像から生成した二次元X線像を表示する。
【0023】前述した(1)〜(7)の手段によれば、
たとえば、スリットが3個入ったX線スリットと3個の
一次元X線撮像手段とを用いた場合、X線源からはX線
スリットの幅の扇形X線ビームが3本照射される。
【0024】このとき、隣接する扇形X線ビームが成す
角度は、X線源から照射されるX線の広がり角を2等分
した角度、すなわちX線の広がり角の半分の角度とな
る。
【0025】一方、一次元X線検出手段では、移動手段
によって移動される被検査物を透過したX線に対応する
一次元のX線像がそれぞれ撮像される。
【0026】このとき、二次元像生成選択手段が、ま
ず、各一次元X線検出手段が被検査物の移動と共に撮像
した一次元のX線像を撮像順にそれぞれ合成することに
より、一次元X線像から3枚の二次元X線像を生成す
る。
【0027】次に、二次元X線撮像手段は3枚の二次元
X線像を撮像順に配列した第1のX線像配列と、第1の
X線像配列から1番目に撮像された一次元X線像から生
成された二次元X線像を除いた第2のX線像配列とを生
成する。
【0028】次に、二次元X線撮像手段が第1のX線像
配列と第2のX線像配列との1番目のX線像から順番に
出力し、立体表示手段に表示することにより、作業者は
X線広がり角の半分の角度で撮像されたX線像を観察す
ることになるので、奥行き方向が強調された立体像すな
わち奥行き方向の分解能が大きい立体像としてX線像を
観察できる。
【0029】したがって、被検査物である荷物の中に多
くの物品が混在する場合でも、一つ一つの物品を明確に
識別することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。
【0031】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0032】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1のX線荷物検査装置の概略構成を示す斜視図であ
り、10〜12は扇形X線ビーム、15〜17はX線透
過面、20〜22は一次元X線検出器(X線撮像手
段)、30〜32,35,42,46はケーブル、41
は二次元画像プロセッサ(画像制御手段)、43は二次
元画像表示手段、45は立体画像プロセッサ(画像制御
手段)、47は立体画像表示手段、51はX線管(X線
源)、52はコリメータ、53はスリット、61はベル
ト、62は回転機構、70は検査物(被検査物)、X,
Y,Zはそれぞれ互いに直交するX軸,Y軸,Z軸を示
す。
【0033】図1において、X線管51は周知のX線管
であり、X線の出射面にスリット53を設けたコリメー
タ52が配置される。
【0034】コリメータ52は周知のコリメータであ
り、X線源51から照射されるX線束をあらかじめ設定
される線束に制限する。また、コリメータ52のX線の
出射面側(照射面側)にはスリット53が設けられてい
る。
【0035】スリット53は、コリメータ52から出射
されるX線をあらかじめ設定される幅の扇形のX線ビー
ムに制限するための周知のスリットであり、本実施の形
態1のX線荷物検査装置においては、一次元X線検出器
20〜22にそれぞれ対応するX線に分割するために3
本のスリットが設けられている。
【0036】一次元X線検出器20〜22は周知の一次
元X線検出器であり、たとえば、電離箱形検出器や、周
知のシンチレータと受光素子とを組み合わせたシンチレ
ーション検出器等がある。
【0037】なお、本実施の形態1のX線荷物検査装置
においては、一次元X線検出器20〜22として、たと
えば、一次元フォトダイオードアレイをシンチレータと
組み合わせた検出器を使用する。
【0038】ケーブル30〜32,35,42,46は
周知の信号線であり、特に、ケーブル30は一次元X線
検出器20と二次元画像プロセッサ41とを接続し、ケ
ーブル31,32は一次元X線検出器21,22と立体
画像プロセッサ45とを接続する。
【0039】また、ケーブル35は回転機構62と二次
元画像プロセッサ41および立体画像プロセッサ45と
を接続し、ケーブル42は二次元画像プロセッサ41と
二次元画像表示手段43とを、ケーブル46は立体画像
プロセッサ45と立体画像表示手段47とをそれぞれ接
続する。
【0040】二次元画像プロセッサ41は一次元X線検
出器20で撮像されたX線像から二次元のX線像を生成
するための装置であり、本実施の形態1では回転機構6
2から出力される回転信号に基づいて、一次元X線検出
器20で検出される一次元X線像をメモリで順番に蓄積
することによって、検査物70の移動と同期させて一次
元X線像から二次元X線像を生成する。
【0041】立体画像プロセッサ45は一次元X線検出
器21,22でそれぞれ撮像されたX線像から二次元の
X線像を生成するための装置であり、本実施の形態1で
は回転機構62から出力される回転信号に基づいて、一
次元X線検出器20で検出される一次元X線像を図示し
ないメモリで順番に蓄積することによって、検査物70
の移動と同期した一次元X線像から二次元X線像を生成
する。
【0042】すなわち、立体画像プロセッサ45は、検
査物移動と同期して順次に検出した検査物70の一連の
一次元画像を、検査物70の移動方向に沿って配列して
合成し、二次元画像を生成する。この操作を、一次元X
線検出器21,22からの出力信号についてそれぞれ行
い、二枚の画像を生成する。
【0043】この二枚の画像は、検査物70に対して異
なる方向から入射したX線による画像であり、例えば、
一次元X線検出器21から得られた画像を左目で見て、
一次元X線検出器22から得られた画像を右目で見る
と、検査物70の内部を立体視することができるので、
立体表示装置47に前述する画像信号を生成し、出力す
る。
【0044】二次元画像表示手段43は周知の画像表示
手段であり、たとえば、周知のテレビモニタ,ビデオモ
ニタ等を用いる。
【0045】立体画像表示手段47は、立体画像プロセ
ッサ45から出力される信号に基づいて図示しない作業
者に立体像を認識させるための表示装置であり、たとえ
ば、特公平7−101259号公報に記載の「立体映像
表示装置」等を用いることにより実現可能である。
【0046】ベルト61は回転機構62の回転と共にそ
の上に載せられた検査物70をX軸方向に移動させるた
めの周知のベルトであり、回転機構42は図示しない周
知の駆動手段の動力によって回転し、ベルト61をX軸
方向に移動させる。
【0047】また、回転機構62は、検査物70の移動
量を検知するための基準となる検査物移動量信号を所定
の回転角度毎に出力する。
【0048】扇形X線ビーム10〜12はX線管51に
設けられたスリット53を通して出力されたX線が一次
元X線検出器20〜22に到達するまでの軌跡の概略を
示すものであり、扇形X線ビーム10は一次元X線検出
器20に、扇形X線ビーム11は一次元X線検出器21
に、扇形X線ビーム12は一次元X線検出器22にそれ
ぞれ入力するX線ビームを示す。
【0049】X線透過面15〜17は扇形X線ビーム1
0〜12がそれぞれベルト61上を透過するときの透過
位置を示すものであり、扇形X線ビーム10はX線透過
面15に、扇形X線ビーム11はX線透過面16に、扇
形X線ビーム12はX線透過面17にそれぞれ対応す
る。
【0050】検査物70はベルト61により、X軸のプ
ラス方向に移動される。
【0051】次に、図1に基づいて、本実施の形態1の
X線荷物検査装置の動作について説明すると、X線管5
1で発生したX線は、コリメータ52のスリット53に
より、3本の扇形X線ビーム10〜12になる。
【0052】これら3本のX線ビーム10〜12は、そ
れぞれに対応する一次元X線検出器20〜22で検出さ
れる。このとき、検査対象である検査物70は、回転機
構62とベルト61とから構成される移動手段により、
三本のX線ビームを順に横切りながら一方向に移動す
る。
【0053】このように本実施の形態1のX線荷物検査
装置は、一次元X線検出器20〜22を用いた検査物移
動型の走査型撮影装置である。すなわち、検査物70の
移動と同期して順次に検査物70の一次元画像を検出
(撮像)し、検査物70の移動方向に沿った一次元画像
データを合成することにより、二次元画像を得る。
【0054】一次元X線検出器21,22で撮像した画
像データは、それぞれケーブル31,32を経由して、
立体画像プロセッサ45に入力される。このとき、回転
機構62から出力される検査物移動量信号も、ケーブル
35を経由して、立体画像プロセッサ45に入力され、
立体画像用の二枚の二次元画像が合成されて、ケーブル
36を経由して、立体画像が立体画像表示手段47に表
示される。
【0055】一方、一次元X線検出器20で撮像された
画像データは、ケーブル30を経由して、二次元画像プ
ロセッサ41に入力される。このとき、回転機構62か
ら出力される検査物移動量信号も、ケーブル35を経由
して、二次元画像プロセッサ40に入力され、検査物移
動量信号に基づいて二次元画像が合成され、ケーブル4
2を経由して、二次元画像が二次元画像表示手段43に
表示される。
【0056】このとき、扇形X線ビーム10、一次元X
線検出器20、二次元画像プロセッサ41および二次元
画像表示手段43による、検査物70の画像検出とその
画像の表示とは、従来の方法と全く同一であり、本発明
の立体画像の画像検出とその画像の表示とによる検査物
の検査を補佐するものである。
【0057】次に、図2に本実施の形態1のX線荷物検
査装置を上(Z軸方向)から見たときの上面図を示し、
以下、この図に基づいて一次元X線検出器20〜22で
撮像される画像について説明する。
【0058】ただし、63はベルト61の移動方向、す
なわち、検査物70の移動方向を示す。
【0059】X線管51で発生したX線は、等方的に発
散して放射されるので、コリメータ52のスリット53
を透過した3本の扇形X線ビーム10〜12は、それぞ
れ異なる角度に出射される。
【0060】したがって、回転機構62によって駆動さ
れ移動するベルト61の上で、移動方向63の方向に移
動する検査物70に、これらの扇形X線ビーム10〜1
2は、移動方向63に対して異なる角度で入射する。こ
れは、図1において、ベルト61や検査物70の上に点
線で描いた扇形X線ビーム10〜12のX線透過面15
〜17が、ベルト61や検査物70と成す角に対応す
る。
【0061】立体画像プロセッサ45では、検査物70
の移動と同期して順次に検出した検査物70の一連の一
次元画像を、検査物70の移動方向に沿って配列して合
成し、二次元画像を生成する。この操作を、一次元X線
検出器21および22からの出力信号について行い、二
枚の画像を生成する。
【0062】このとき、二枚の画像は、検査物に対して
異なる方向から入射したX線による画像であるので、た
とえば、一次元X線検出器21から得られた画像を左目
で見て、一次元X線検出器22から得られた画像を右目
で見ると、検査物の内部を立体視することができる。
【0063】一方、二次元画像プロセッサ40は、ま
ず、検査物70の移動と同期して順次に検出した検査物
の一連の一次元画像を、検査物移動方向に沿って配列し
て合成し、二次元画像を生成する。次に、この合成され
た一枚の二次元画像は、二次元画像表示装置43に表示
される。
【0064】本発明の実施の形態1のX線荷物検査装置
では、X線撮像系としての医学診断用のX線CT装置と
同等な構成を用いる。
【0065】すなわち、X線管51のX線焦点と一次元
X線検出器20〜22とのほぼ中間の位置に、検査物7
0が位置するように配置することによって、検査物70
のX線像はほぼ2倍に拡大された画像として検出され
る。
【0066】また、一次元X線検出器22を構成する検
出素子の開口寸法を1mm(ミリメートル)以下とした
場合、約2倍に拡大されたX線像を検出するため、検査
物70に対しては、0.5mm以下の解像度が得られ
る。このときのX線管51の焦点寸法としては、0.2
5mm以下が望ましい。
【0067】本実施の形態1では、X線管51から照射
されるX線は、30度〜40度の開き角で放射される。
このため、異なる角度に出射されるそれぞれの扇形X線
ビーム10〜12が3本以上の場合、この最大開き角の
角度は各扇形X線ビームでほぼ等間隔で分割した角度と
なる。
【0068】したがって、検査物70の最大寸法を1m
(メートル)とした場合、約2倍に拡大されたX線像を
検出する一次元X線検出器の素子配列方向の長さは約2
mとなる。
【0069】この素子配列方向の長さと、素子の開口寸
法で決まる断面寸法を有する扇形X線ビームを生成する
ためには、コリメータのスリットの開口寸法が、長さ1
5〜20cm(センチメートル)程度となり、幅0.0
5〜0.5mmとなる。
【0070】検査物に対して異なる方向から入射したX
線による二画像を、それぞれ左右の眼で個別に見て検査
物70を立体視する場合、立体像の画質として、立体像
の奥行き方向(Y軸方向)の解像度が重要となる。
【0071】2つの入射X線の角度が大きいほど、奥行
き方向の解像度が向上する。特開昭62−102738
号公報に記載の「X線立体視装置」では、1台のX線管
の中の異なるX線焦点からX線を発生し、検査物に対し
て異なる方向からX線を照射することにより、入射角の
異なる2枚のX線像を得ていた。
【0072】しかしながら、特開昭62−102738
号公報に記載の「X線立体視装置」では、X線管内の2
つのX線焦点間の距離が10cm以下であるので、2つ
のX線ビーム間の角度が5度から7度程度である。
【0073】これに対して、本発明の実施の形態1のX
線荷物検査装置の場合、X線ビーム間の角度が最大では
30度〜40度に設定できるので、立体像の奥行き方向
の解像度を大幅に向上できるという効果がある。
【0074】したがって、検査物70の中に多くの物品
が存在する場合であっても、一次元X線検出器自体の解
像度の数倍である数mm程度以下の奥行き方向の解像度
で画像の撮像ができるので、作業者の検査精度を向上で
きるという効果がある。
【0075】次に、図3に実施の形態1のX線荷物検査
装置の奥行き方向の解像度を説明するための図を示し、
以下、図3に基づいて、実施の形態1のX線荷物検査装
置の効果を説明する。
【0076】図3において、θはY軸と各一次元X線検
出器20,22とが成す角度である。
【0077】次に、Y軸方向から見た場合のX線像の解
像度(正面方向の解像度:X軸と平行となる方向の解像
度)をΔXとした場合の、奥行き方向すなわちY軸と平
行となる方向の解像度ΔYは、下記の式(1)で定義さ
れる。
【0078】
【数1】 ΔY=ΔX/tanθ ・・・・・(1) したがって、従来の2焦点のX線管を用いた装置では、
正面方向の解像度ΔXが共に、0.5mmであるとする
と、従来の装置では、
【0079】
【数2】 ΔY=0.5/tan(2.5)〜0.
5/tan(3.5)=8.2〜11.5mm となる。一方、本実施の形態1のX線荷物検査装置で
は、
【0080】
【数3】 ΔY=0.5/tan(15)〜0.5
/tan(20)=1.4〜1.9mm となる。
【0081】以上の結果からも明らかなように、本実施
の形態1のX線荷物検査装置では、従来の装置と比較し
て、奥行き方向の分解能が5.9〜6.1倍に向上する
という効果がある。
【0082】なお、本実施の形態1のX線荷物検査装置
においては、立体画像表示手段47に表示するX線立体
画像用の二画像は、一次元X線検出器21,22で撮像
したX線像を基に生成した画像としたが、図1および図
2に示す三本の扇形X線ビーム10〜12すなわち3台
の一次元X線検出器20〜22から得られる3画像の内
で、いずれの二画像の組み合わせでもよいことは言うま
でもない。
【0083】すなわち、X線の投影角度が異なる二画像
を任意に選択することにより、奥行き感の異なる立体画
像が観察できるからである。
【0084】さらには、X線の投影角度が異なる二画像
を任意に選択し、立体画像表示手段47に表示すること
により、作業者は選択した二画像に対応する角度から検
査物70を観察できるという効果がある。
【0085】なお、本実施の形態1のX線荷物検査装置
においては、二次元画像表示手段43に表示するX線二
次元画像用の画像は、一次元X線検出器20で撮像した
X線像を基に生成した画像としたが、図1および図2に
示す3本の扇形X線ビーム10〜12すなわち3台の一
次元X線検出器20〜22から得られる3画像の内で、
いずれの画像でもよいことは言うまでもない。
【0086】前述する操作により得られたX線立体画像
およびX線二次元画像は、並置した立体画像表示手段4
7および二次元画像表示手段43により、二種類の画像
が同時に観察可能である。
【0087】図2から明らかなように、検査物70は移
動方向63に移動しながら、X線ビームを横切って行
く。検査物70の画像データが得られるためには、X線
ビームを横切る必要があり、この場合は、最後に横切る
扇形X線ビーム11を横切ってから、3本のX線ビーム
10〜12による画像データが得られる。
【0088】したがって、最後に横切る扇形X線ビーム
11を横切ってから、立体画像表示手段47および二次
元画像表示手段43にそれぞれX線立体画像またはX線
二次元像を表示することにより、各一次元X線検出器2
0〜22で撮像したX線像の撮像タイミングを合わせる
ことができるので、自然で違和感のない画像表示ができ
るという効果がある。
【0089】また、多くの検査物70は、回転機構62
とベルト61とから構成される移動手段により、次々に
検査される。
【0090】したがって、立体画像表示手段47および
二次元画像表示手段43に表示される検査物70のX線
像(X線投影像)が移動する画像において、たとえば、
回転機構62の検査物移動量信号に基づいて、表示用デ
ータの読み出し位置を変化させる、画面中での検査物7
0のX線像の移動する速度と、実際の検査物70が移動
手段で移動する速度とを同じ速度で移動させることによ
り、より自然で違和感のない画像表示ができるという効
果がある。
【0091】なお、本実施の形態1のX線荷物検査装置
では、扇型X線ビーム10〜12が3本で、一次元X線
検出器20〜22が3台である場合についてその動作お
よび効果を説明したが、扇型X線ビームおよび一次元X
線検出器の数はこれに限定されることはなく、それぞれ
4以上でもよいことは言うまでもない。
【0092】また、このときには、たとえば、一次元X
線検出器を1個おき、2個おき・・n個おきというよう
に、X線の投影角が異なる画像から任意の投影角の画像
を生成し立体表示装置に表示することにより、奥行き感
すなわち奥行き方向の解像度の異なる画像が表示できる
ので、作業者の必要に応じて奥行き方向の解像度を任意
に設定できるという効果がある。
【0093】ただし、nは0≦n≦(一次元X線検出器
数−2)を満たす自然数である。
【0094】さらには、それぞれ隣り合う一次元X線検
出器の画像を特開昭62−102738号公報に記載の
「X線立体視装置」に記載される方法によって、同時に
表示することにより、作業者は、検査物70をX軸方向
の様々な方向から観察できるという効果があり、作業者
の検査精度が向上できるという効果もある。
【0095】また、本実施の形態1のX線荷物検査装置
においては、扇型X線ビームが2本で、一次元X線検出
器が2台でもX線像撮像が可能であり、2台の一次元X
線検出器で得られる2枚の画像をもとにX線立体画像を
表示し、2枚の画像内でいずれか一枚をもとにX線二次
元画像を表示することによっても、奥行き方向の解像度
を大きくできるという効果があるので、作業者の検査精
度が向上できるという効果がある。
【0096】(実施の形態2)図4および図5は本発明
の実施の形態2のX線荷物検査装置の動作を説明するた
めの図であり、実施の形態2のX線荷物検査装置の概略
構成は図1に示す実施の形態1のX線荷物検査装置の概
略構成と同じであるが、図4および図5に示すように扇
形X線ビームおよび一次元X線検出器の数、立体画像プ
ロセッサ45の動作および一次元検出器が全て立体画像
プロセッサ45と接続されている点が異なっている。
【0097】なお、図4および図5は検査物70を中心
として、この検査物70に照射される各扇形X線ビーム
10〜14の関係を示した図である。
【0098】図4から明らかなように、扇形X線ビーム
が3本の場合は、検査物70中心で交差する。すなわ
ち、扇形X線ビーム10の中心を他の扇形X線ビーム1
1,12の中心として、X線ビームが回転しながら、各
角度方向から二次元画像を撮影することに対応してい
る。
【0099】さらには、扇形X線ビームが5本の場合
は、図5に示すように、5本の扇型X線ビーム10〜1
4が検査物70の中心で交差するようにX線が照射さ
れ、このX線を5台の一次元X線検出器20〜24が撮
像する。
【0100】このとき、図5に示すX線荷物検査装置で
は、立体画像プロセッサ45が扇型X線ビーム13,1
1,10,12,14および一次元X線検出器23,2
1,20,22,24から得られるX線二次元画像をも
とに、この順番に並んだ画像配列を作る。
【0101】このとき、前述の配列内の画像を、前述す
る配列の順番で二次元画像表示手段に連続的に表示する
場合、検査物70を回転させながら内部を観察する場合
と同等な効果が得られるので、回転二次元動画像の観察
により、検査物70の検査精度がさらに向上するという
効果がある。
【0102】次に、扇型X線ビーム13,11,10,
12および一次元X線検出器23,21,20,22か
ら得られるX線二次元画像をもとに、この順番で並んだ
第一画像配列を作り、次に、扇型X線ビーム11,1
0,12,14および一次元X線検出器21,20,2
2,24から得られるX線二次元画像をもとに、この順
番で並んだ第二画像配列を作る。
【0103】それぞれの配列内で同じ順番の画像同士
を、たとえば、第一画像配列の扇型X線ビーム13と第
二画像配列の扇型X線ビーム11とのように組み合わ
せ、これらの組み合わせごとにX線立体画像を作る。
【0104】これらのX線立体画像を配列順に立体画像
表示手段に表示することにより、多方向から見た三次元
画像を連続的に表示することになるので、検査物の内部
を回転しながら立体視できるという効果がある。
【0105】さらには、回転立体動画像の観察ができる
ので、作業者の検査精度がさらに向上するという効果が
ある。
【0106】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0107】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0108】奥行き方向の分解能が大きくできるので、
荷物の中に多くの物品が混在する場合でも、一つ一つの
物品を明確に識別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のX線荷物検査装置の概
略構成を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態1のX線荷物検査装置を上(Z軸
方向)から見たときの上面図である。
【図3】実施の形態1のX線荷物検査装置の奥行き方向
の解像度を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態2のX線荷物検査装置の動
作を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態2のX線荷物検査装置の動
作を説明するための図である。
【符号の説明】
10〜14…扇形X線ビーム、15〜17…X線透過
面、20〜24…一次元X線検出器、30〜32,3
5,42,46…ケーブル、41…二次元画像プロセッ
サ、43…二次元画像表示手段、45…立体画像プロセ
ッサ、47…立体画像表示手段、51…X線管、52…
コリメータ、53…スリット、61…ベルト、62…回
転機構、70…検査物、X…X軸、Y…Y軸、Z…Z
軸、63…ベルト(検査物)の移動方向、θ…Y軸と各
一次元X線検出器とが成す角度。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21K 5/04 G21K 5/04 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査物を所定の方向に移動させつつ前
    記被検査物のX線像を撮像し、該X線像を表示手段に表
    示するX線荷物検査装置において、 X線を照射するX線源と、該X線源から照射されるX線
    を所定の幅の扇形X線ビームに変換する2本以上のX線
    スリットと、前記被検査物を所定の方向に移動させる移
    動手段と、前記被検査物のX線像を撮像する2個以上の
    一次元X線撮像手段と、各一次元X線撮像手段が撮像し
    たX線像から前記一次元X線撮像手段毎に二次元のX線
    像を生成し、該二次元X線像を表示手段に出力する二次
    元像生成選択手段と、該二次元X線像を立体的に表示す
    る立体像表示手段とを具備することを特徴とするX線荷
    物検査装置。
  2. 【請求項2】 前記X線像生成選択手段は、隣接する前
    記一次元X線撮像手段の配置の順番に前記二次元X線像
    を配列した第1のX線像配列と、該第1のX線像配列か
    ら1番目のX線像を除いた第2のX線像配列とを作成
    し、前記第1のX線像配列と前記第2のX線像配列とに
    配列される第1番目のX線像から順番に前記立体像表示
    手段に出力することを特徴とする請求項1に記載のX線
    荷物検査装置。
  3. 【請求項3】 前記X線像生成選択手段は、前記二次元
    X線像の内から、予め設定された2個の一次元X線撮像
    手段で撮像したX線像を選択し、前記立体像表示手段に
    出力することを特徴とする請求項1に記載のX線荷物検
    査装置。
  4. 【請求項4】 前記表示手段は二次元表示手段を具備
    し、前記立体像表示手段で表示する立体像と共に、前記
    X線像生成選択手段から出力される二次元X線像を順番
    に表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載のX線荷物検査装置。
  5. 【請求項5】 前記X線像生成選択手段は、前記一次元
    X線撮像手段が被検査物のX線像を撮像しているか否か
    を検知する撮像検知手段を具備し、該撮像検知手段が、
    前記一次元X線撮像手段の内で1番最後にX線像を撮像
    する一次元X線撮像手段が被検査物のX線像の撮像を開
    始したことを撮像検知手段が検知した時に、前記立体表
    示手段にX線像を表示することを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか1項に記載のX線荷物検査装置。
  6. 【請求項6】 前記X線像生成選択手段は、前記被検査
    物の移動速度を検知する速度検知手段を具備し、該速度
    検知手段の出力に基づいて、前記二次元X線像の表示位
    置を変化させることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれか1項に記載のX線荷物検査装置。
  7. 【請求項7】 前記X線スリットおよび前記一次元X線
    撮像手段はそれぞれ2個づつであり、前記X線像生成選
    択手段は前記一次元X線撮像手段のいずれか一方の撮像
    したX線像から生成した二次元X線像を表示することを
    特徴とする請求項6に記載のX線荷物検査装置。
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