JPH09281960A - ハーモニカ型電子楽器 - Google Patents

ハーモニカ型電子楽器

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JPH09281960A
JPH09281960A JP8089735A JP8973596A JPH09281960A JP H09281960 A JPH09281960 A JP H09281960A JP 8089735 A JP8089735 A JP 8089735A JP 8973596 A JP8973596 A JP 8973596A JP H09281960 A JPH09281960 A JP H09281960A
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JP
Japan
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sounding hole
sounding
musical instrument
thin plate
electronic musical
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JP8089735A
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Inventor
Yoshio Kondo
嘉男 近藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吹気や吸気が発音穴の内壁に直接触れること
がなく、故障が少なく衛生的なハーモニカ型電子楽器を
提供する。 【解決手段】 一般のハーモニカと同様の演奏方法によ
り演奏ができるハーモニカ型電子楽器1の枠1Aの前端
部1Bに内部に向かう発音穴4を一列に設け、発音穴4
内に変位検出機構7を配設し、演奏時の口唇からの吹気
圧および吸気圧の変化により、ふくらみ、あるいはへこ
みによる形状変化をするゴム等で構成されたフレキシブ
ル薄板6で発音穴4を覆い、演奏時のフレキシブル薄板
6形状変化をフレキシブル薄板6に連設された変位機構
6Aの直線的な変位とし、ついで変位機構6Aの変位量
を変位検出機構7で検出して検出出力を発生させ、この
検出出力に基づき発音させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口唇からの吹気あ
るいは吸気に基づき発音させるハーモニカ型電子楽器に
関する。
【0002】
【従来の技術】ハーモニカ型の楽器は、偏平な直方体の
フレームの一端面の、長軸方向に一列に並ぶ予め定めた
複数のポジションに口唇をつけて、吹気あるいは吸気を
与えることで発音させる。こうしたハーモニカには、テ
ンホールハーモニカと称せられる、ブルース、ロック、
フォーク音楽演奏に用いられるものがあり、これは和音
に適した音列になっている。従来のハーモニカは、前記
の各ポジションに吹気あるいは吸気の通過する演奏孔を
設け、この孔内にリード(音弁)を設けて、このリード
が吹気あるいは吸気の通過に伴い振動することで発音さ
せていた。
【0003】さらに、こうしたハーモニカを電子化した
ハーモニカ型電子楽器が知られている。従来のハーモニ
カ型電子楽器の構成として、ハーモニカの振動板の振動
をマイクなどで拾って電気信号に変えるものがあった。
ところがこのような構成では、発音している全部の音が
混ざった状態で検出されるので、それぞれの音を独立に
扱ったり、例えばMIDI信号に変換するときは複雑な
電気回路が必要になるという問題があった。
【0004】そこで、演奏孔内にリードに代わって感圧
センサを設け、演奏孔内に吹気を導入して吹気の圧力に
よって感圧センサをオン状態とし、これによってデジタ
ル音源等を駆動して発音させるハーモニカ型電子楽器が
提案された。あるいは、ハーモニカ状の音階選択構造を
持った楽器入力装置において、各音階に対応する各演奏
孔内に入力の有無および入力の強弱を検知するために圧
電フィルム、圧電セラミックス等の圧電素子を設ける構
成が提案された。さらに、演奏孔内に吹気及び吸気を導
入して吹気及び吸気の圧力によってスイッチを直接オン
オフさせる構成も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
な従来の各種ハーモニカ型電子楽器は、いずれも演奏孔
の内壁が開放された構成であるため、吹気や吸気が演奏
孔内壁に直接触れ、さらに塵埃や唾液等が演奏孔内に進
入する。この結果、発音に支障が生じたり、錆による故
障が発生するという欠点があった。加えて、演奏孔内部
に汚れが蓄積され易く、衛生上も好ましくないという問
題があった。
【0006】本発明は、このような従来のハーモニカ型
電子楽器の有する課題を解決するためなされたもので、
その目的は吹気や吸気が発音穴の内壁に直接触れること
がなく、故障の少ない、また衛生的なハーモニカ型電子
楽器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明に係るハーモニカ型電子楽器は、ハーモニカ型電
子楽器の前面に一列に配設されている複数個の発音穴の
開口部を覆って前記発音穴の前面に張設され、口唇から
の吹気あるいは吸気の圧力により前記発音穴の開口部を
覆った部分の少なくとも中心部が前記吹気の進行方向あ
るいは吸気の進行方向に弾性変形可能なフレキシブル薄
板と、前記フレキシブル薄板の前記発音穴を覆った部分
の中心部の前記発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出
して連設され、前記フレキシブル薄板の前記中心部の前
記弾性変形に伴い、前記発音穴の底側方向あるいは開口
側方向に移動可能に設けられた変位機構と、前記発音穴
内に設けられ、前記変位機構の、前記発音穴の底側方向
あるいは開口側方向への移動量を非接触で検出して電気
的出力とする変位検出機構とを備えたことを特徴とす
る。
【0008】あるいは、ハーモニカ型電子楽器の前面に
一列に配設されている複数個の発音穴の開口部を覆って
前記発音穴の前面に張設され、口唇からの吹気あるいは
吸気の圧力により前記発音穴の開口部を覆った部分の少
なくとも中心部が前記吹気の進行方向あるいは吸気の進
行方向に弾性変形可能なフレキシブル薄板と、前記フレ
キシブル薄板の前記発音穴を覆った部分の中心部の前記
発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出して連設され、
前記フレキシブル薄板の前記中心部の前記弾性変形に伴
い、前記発音穴の底側方向あるいは開口側方向に移動可
能に設けられた変位機構と、前記発音穴内に設けられ、
前記変位機構の、前記発音穴の底側方向あるいは開口側
方向への移動量を非接触で検出して電気的出力とする変
位検出機構と、階調音系統あるいはリズム打楽器音系統
あるいは擬音系統の少なくともいずれか一系統を音源と
して備え、前記変位検出機構からの電気的出力に基づき
前記音源を発音させる発音機構とを備えたことを特徴と
する。
【0009】あるいは、ハーモニカ型電子楽器の前面に
一列に配設されている複数個の発音穴の開口部を覆って
前記発音穴の前面に張設され、口唇からの吹気あるいは
吸気の圧力により前記発音穴の開口部を覆った部分の少
なくとも中心部が前記吹気の進行方向あるいは吸気の進
行方向に弾性変形可能なフレキシブル薄板と、前記フレ
キシブル薄板の前記発音穴を覆った部分の中心部の前記
発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出して連設され、
前記フレキシブル薄板の前記中心部の前記弾性変形に伴
い、前記発音穴の底側方向あるいは開口側方向に移動可
能に設けられた変位機構と、前記発音穴内に設けられ、
前記変位機構の、前記発音穴の底側方向あるいは開口側
方向への移動量を非接触で検出して電気的出力とする変
位検出機構と、階調音系統あるいはリズム打楽器音系統
あるいは擬音系統のうち二系統以上の音源を備え、前記
変位検出機構からの電気的出力に基づき前記音源の少な
くとも一系統を発音させる発音機構と、前記音源の少な
くともいずれか一系統を選択する選択機構を備えて構成
したことを特徴とする。
【0010】あるいは、ハーモニカ型電子楽器の前面に
一列に配設されている複数個の発音穴の開口部を覆って
前記発音穴の前面に張設され、口唇からの吹気あるいは
吸気の圧力により前記発音穴の開口部を覆った部分の少
なくとも中心部が前記吹気の進行方向あるいは吸気の進
行方向に弾性変形可能なフレキシブル薄板と、前記フレ
キシブル薄板の前記発音穴を覆った部分の中心部の前記
発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出して連設され、
前記フレキシブル薄板の前記中心部の前記弾性変形に伴
い、前記発音穴の底側方向あるいは開口側方向に移動可
能に設けられた変位機構と、前記発音穴内に設けられ、
前記変位機構の、前記発音穴の底側方向あるいは開口側
方向への移動量を非接触で検出して電気的出力とする変
位検出機構とを備え、前記フレキシブル薄板の口唇に触
れる表面の、前記発音穴に対応する部分に彩色が施され
て成ることを特徴とする。
【0011】あるいは、ハーモニカ型電子楽器の前面に
一列に配設されている複数個の発音穴の開口部を覆って
前記発音穴の前面に張設され、口唇からの吹気あるいは
吸気の圧力により前記発音穴の開口部を覆った部分の少
なくとも中心部が前記吹気の進行方向あるいは吸気の進
行方向に弾性変形可能なフレキシブル薄板と、前記フレ
キシブル薄板の前記発音穴を覆った部分の中心部の前記
発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出して連設され、
前記フレキシブル薄板の前記中心 部の前記弾性変形に
伴い、前記発音穴の底側方向あるいは開口側方向に移動
可能に設けられた変位機構と、前記発音穴内に設けら
れ、前記変位機構の、前記発音穴の底側方向あるいは開
口側方向への移動量を非接触で検出して電気的出力とす
る変位検出機構とを備え、前記フレキシブル薄板の口唇
に触れる表面の、前記発音穴に対応する部分に突起部あ
るいは凹部が設けられて成ることを特徴とする。
【0012】本発明に係るハーモニカ型電子楽器によれ
ば、このハーモニカ型電子楽器の前面に一列に配設され
ている複数個の発音穴の開口部を覆って発音穴の前面に
張設されたフレキシブル薄板の中心部が、口唇からの吹
気あるいは吸気の圧力により吹気の進行方向あるいは吸
気の進行方向に弾性変形すると、これに伴い発音穴の底
方向に突出して連設された変位機構が、発音穴の底側方
向あるいは開口側方向に移動する。この変位機構の移動
量を、変位検出機構が非接触で検出し、この検出した移
動量を検出変位として電気信号を発生させ、外部の音源
装置に送ると、外部の音源装置はこの電気信号に基づき
発音させることで、ハーモニカ型電子楽器の演奏が成立
する。
【0013】あるいは、本発明のハーモニカ型電子楽器
が、階調音あるいはリズム打楽器音あるいは擬音の少な
くともいずれか一系統を音源とする発音機構を備えてい
る場合、口唇から吹気あるいは吸気を与えることによ
り、階調音あるいはリズム打楽器音あるいは擬音の演奏
が、外部の音源装置を用いることなく、単独でなされ
る。またさらに、発音機構に備えられた選択機構によ
り、階調音あるいはリズム打楽器音あるいは擬音の音源
の選択がなされる。
【0014】また、フレキシブル薄板の口唇に触れる表
面の、発音穴に対応する部分に彩色が施され、あるいは
突起部や凹部が設けられているので、演奏時の発音ポジ
ションの確認が目視あるいは舌等による触感で容易にな
される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るハー
モニカ型電子楽器の一実施形態の平面図である。図2
は、本発明に係るハーモニカ型電子楽器の一実施形態の
正面図である。図3は、本発明に係るハーモニカ型電子
楽器の一実施形態の側面図である。図4は、本発明に係
るハーモニカ型電子楽器の発音穴および変位検出機構の
構成を示す前部断面平面図である。図5は、本発明に係
るハーモニカ型電子楽器の発音穴および変位検出機構の
構成を示す前部断面正面図である。図6は、本発明に係
るハーモニカ型電子楽器の発音穴および変位検出機構の
構成を示す前部断面側面図である。
【0016】図1〜図6に示されるように、本発明に係
るハーモニカ型電子楽器1は、偏平な直方体状の枠1A
の、前端面1Bに開口を有して一列に配設されている発
音穴4の各穴内に、対峙する発光ダイオード7Aとフォ
トセンサ7Bの対で構成された変位検出機構7が1個づ
つ埋めこまれており、ついでこれら各発音穴4の開口部
を覆うように、フレキシブル薄板6が発音穴4の前面に
張設されている。
【0017】フレキシブル薄板6は、ゴムやプラスチッ
ク等の弾性変形可能な素材で構成され、各発音穴4の少
なくとも開口部周囲に接着等の加工がされることによ
り、口唇からの吹気あるいは吸気の各発音穴4内への進
入をはじめ、唾液や塵埃等の各発音穴4内への進入を阻
止する。これにより、各発音穴4内は外気から遮断され
ている。
【0018】フレキシブル薄板6の、発音穴4を覆った
部分の中心部の、発音穴4側の面に、突起状の変位機構
6Aが、フレキシブル薄板6と一体に、あるいはフレキ
シブル薄板6に連設されて設けられている。変位機構6
Aは発音穴4の底方向に突出した板状で、フレキシブル
薄板6の中心部の前記弾性変形に伴い、発音穴4の底側
方向あるいは開口側方向に移動可能であり、このとき発
音穴4内に埋めこまれた変位検出機構7の発光ダイオー
ド7Aとフォトセンサ7B間が形成する空隙内を、発光
ダイオード7Aやフォトセンサ7Bと非接触で移動する
ように構成されている。
【0019】変位機構6Aが移動すると、発光ダイオー
ド7Aが発してフォトセンサ7Bが受ける光線を遮る結
果、フォトセンサ7Bが受ける光量が変動する。変位検
出機構7は、この光量変動に基づき変位機構6Aの移動
量を検出して電気的出力とする。
【0020】ハーモニカ型電子楽器1はさらに、外部の
音源装置等に接続するための外部接続ケーブル5と、音
源の系統を選択するための切換スイッチ2、音色やピッ
チ等を設定するためのモード設定スイッチ3を備える。
これらスイッチは演奏者によって操作される。
【0021】このように、本発明は、一般のハーモニカ
と同様の演奏方法により演奏ができる電子楽器におい
て、吹気圧および吸気圧の変化により、ゴム等で構成さ
れたフレキシブル薄板に、ふくらみ、あるいはへこみに
よる形状変化を発生させ、この形状変化をフレキシブル
薄板に連設された変位機構の直線的な変位とし、ついで
この変位量を変位検出機構で検出する構成となってい
る。各発音穴はすべてフレキシブル薄板によって覆われ
ているので、口唇を当てて吹き、あるいは吸っても、吹
気あるいは吸気がフレキシブル薄板に遮られて、吹気あ
るいは吸気をはじめ、唾液等が直接発音穴に進入するこ
とがない。
【0022】また前記において、変位検出機構を発光ダ
イオードとフォトセンサから成る光学的構成で説明した
が、これに限られることなく、例えば静電容量式の変位
検出機構等を適用することができる。
【0023】図7〜図9は、変位機構ならびに変位検出
機構の断面模式図であり、これら各図に基づいて検出の
原理を説明する。図7は、吹気、吸気がなく、フレキシ
ブル薄板6が自然な状態にある場合を示し、このとき変
位機構6Aは、発光ダイオード7Aが発してフォトセン
サ7Bが受ける光束を半分程度遮光する位置にある。し
たがって、変位検出機構7はニュートラル状態に相当す
る電圧を出力している。
【0024】ここで、図1に示されるように矢印Sの方
向より口唇を当てて、通常のハーモニカを演奏する場合
と同様に息を吸って演奏すると、図8のようにフレキシ
ブル薄板6は口唇方向にふくらみ、変位機構6Aはフォ
トセンサ7Bが受ける光束を遮らない方向に動く。この
結果、フォトセンサ7Bが受ける光量は増大し、変位検
出機構7はニュートラル状態におけるよりも低い電圧を
出力する。この出力電圧が、予め定めたしきい値を超え
ると、発音がなされる。ここでさらに大きく息を吸って
演奏すると、それに比例して出力電圧は減少し、よって
大音量の発音がなされる低い電圧が出力される。
【0025】逆に、息を吹いて演奏すると、図9のよう
にフレキシブル薄板6は口唇から逆方向にしぼみ、変位
機構6Aはフォトセンサ7Bが受ける光束を遮る方向に
動く。この結果、フォトセンサ7Bが受ける光量は減少
し、変位検出機構7はニュートラル状態におけるよりも
高い電圧を出力する。この出力電圧が、予め定めたしき
い値よりも低くなると、発音がなされる。ここでさらに
大きく息を吹いて演奏すると、それに比例して出力電圧
はさらに増加し、よって大音量の発音がなされる高い電
圧が出力される。
【0026】この構成により、吹気のない自然な状態の
フレキシブル薄板の位置を基準にして、その基準からの
変化量の絶対値を音の強弱に対応させることができる。
吸気においても同様である。本実施例ではこのような変
位検出機構からの出力電圧をA/D変換することにより
マイコンに入力し、演奏状況に応じた音を出すようにし
ている。
【0027】前記のように、本発明の構成では、吹気あ
るいは吸気により各発音穴毎におけるフレキシブル薄板
が前後にたわみ、この変位によって、フレキシブル薄板
の中心部に設けられた変位機構が位置移動し、変位機構
が所定のしきい位置に至ると、変位検出機構がオン状態
となり、この変位検出機構のオン状態に応じて、対応す
る発音が開始される。ここで、さらに強い吹気あるいは
吸気が与えられると、変位機構がさらに位置移動し、変
位検出機構からの出力が大になる。この結果、演奏者は
強く吹き、あるいは強く吸うことで、大きな音量で演奏
することができ、また弱めに吹き、あるいは弱めに吸う
ことで、小さな音量で演奏することができる。
【0028】前記のように、本発明における構成によ
り、吹気圧ならびに吸気圧の強さに応じた出力を、1基
の変位検出機構を用いて取り出すことが可能になる。こ
の変位検出機構からの出力は、発音の発生タイミングお
よび、音量の制御をはじめ、音色等の制御に使用され
る。
【0029】本発明においては、変位検出機構の電気的
出力を、例えば8ビットの適当なコード等に変換して、
外部接続ケーブル5により外部に取り出し、例えばMI
DIデータ信号として外部のシンセサイザーやMIDI
装置に送り、これら外部機器を音源として利用する構成
にできる。変位検出機構を構成する回路の例を図10に
示す。同図のように、変位検出回路9(全部で10回路
ある)から出力された電圧はA/Dコンバータ10を介
しワンチップマイコン11に入力される。またモード設
定スイッチ3の情報も入力される。本例では出力信号は
MIDI規格に準じたデータとしており、MIDI接続
回路13を経て外部に接続される。
【0030】さらに本発明においては、音源データから
なる発音機構12を内蔵することにより、アンプに接続
するだけで演奏を行う構成とすることができる。ここ
で、内蔵の音源として、従来の電子ハーモニカでは音階
に対応した調音を備えるのが一般的である。例えばテン
ホールハーモニカでは、図11に示されるような調音
が、各発音穴に割り当てられる。図中、和音生成のた
め、特殊な音階割当てとなっている。
【0031】ところで、本発明の発音機構12では、内
蔵の音源として、音階に対応した調音だけでなく、打楽
器などのリズム楽器音や、カッコーに代表される鳥のな
き声等の擬音を内蔵させることができる。これら各音源
を、便宜的に系統と称することにする。したがってハー
モニカを吹く動作により、ドラムを叩く音(リズム楽器
音系統)や、鳥のなき声(擬音系統)等を発音させるこ
とが可能になる。
【0032】さらに、前記のような音源を複数系統、内
蔵させ、かつ切換スイッチ2(図1参照)等の選択機構
を設け、この選択機構を操作することによって音源の系
統を自由に選択できる構成とすることができる。
【0033】図12は、本発明に係るハーモニカ型電子
楽器のフレキシブル薄板に吹気あるいは吸気が加えられ
た際の検出変位出力Eを示す線図である。吹気も吸気も
与えられていない(フレキシブル薄板に圧力がかかって
いない)ニュートラル状態のセンサー出力電圧Eは若干
不安定であるので、ニュートラルの上下にしきい値Th
2、Th1を設定し、センサー出力電圧Eがしきい値T
h2を超えた期間D1では吹気が加えられ、センサー出
力電圧Eがしきい値Th1以下に減少した期間D2では
吸気が加えられたと判断し、それぞれ出力電圧Eによっ
てきまる音量を出す構成となっている。すなわち、しき
い値をどれだけ超えたかは吹くおよび吸う強さに比例し
ているから、その超えた電圧をもとに音の大きさを変化
させるものである。
【0034】つぎに図13のフローチャートに基づい
て、本発明に係るハーモニカ型電子楽器の各部の動作を
説明する。まず、吹気や吸気がなく、フレキシブル薄板
がニュートラル位置にあるとき、各チャンネルADコン
バータのセンター値を読み込んでおく(ステップS
1)。設定キーが押されると(ステップS2)、設定値
を変更する(ステップS3)。ついで各チャンネルAD
コンバータの現在値を読み(ステップS4)、N番目の
データがしきい値よりも大であるか否かを判定する(ス
テップS5)。
【0035】N番目のデータがしきい値よりも大である
と、ついでN番目の吹く音が出ているかを判定し(ステ
ップS11)、音が出ていれば最新のN番目のデータに
基づき音量を更新する(ステップS12)。N番目の吹
く音が出ていなければ、N番目の音を出し(ステップS
13)、N番目のデータに基づき音量を更新する(ステ
ップS14)。こののち、N+1番目のデータ処理に進
む(ステップS8)。
【0036】また、N番目のデータがしきい値よりも小
であると(ステップS6)、ついでN番目の吸う音が出
ているかを判定し(ステップS21)、音が出ていれば
最新のN番目のデータに基づき音量を更新する(ステッ
プS22)。N番目の吸う音が出ていなければ、N番目
の音を出し(ステップS23)、N番目のデータに基づ
き音量を更新する(ステップS24)。こののち、N+
1番目のデータ処理に進む(ステップS8)。
【0037】N番目のデータがしきい値よりも小でなけ
れば(ステップS6)、この状態でN番目の音が出てい
るかを判定し(ステップS7)、音が出ていれば最新の
N番目のデータに基づき音を消し(ステップS25)、
こののち、N+1番目のデータ処理に進む(ステップS
8)。このようにして全10チャンネルが終了すると
(ステップS8)、時間調整を行い(ステップS9)、
ステップS2に戻る。
【0038】本発明は前記のように構成したので、従来
の構成のように、例えば吹気検知用と吸気検知用の息圧
スイッチ群を設け、接触方式でスイッチのオンオフをす
るのに比べて、構成を大幅に簡素化することができる。
従って、ハーモニカ電子楽器の設計・製作が容易にな
り、コスト低減を図ることが可能になるという効果があ
る。
【0039】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の別の
実施形態を、図14および図15に示す。図14は、ハ
ーモニカ型電子楽器31の正面図であり、口唇が当てら
れる前端面が示されている。前端面にはフレキシブル薄
板32が発音穴の前面に張られており、フレキシブル薄
板32の発音穴に重なる部分には彩色された領域34が
一列に並んでいる。通常、フレキシブル薄板32は平坦
であるので、発音穴の位置を目視で確認するのが困難で
あるが、このように発音穴に重なる部分に彩色が施され
ることで、発音穴の位置確認が目視で可能になり、使い
勝手が向上する。
【0040】あるいは、図15の要部断面平面図のよう
に、フレキシブル薄板36の口唇が当てられる側の、発
音穴に重なる部分の周囲、すなわち変位機構36Aと背
中合わせの位置の周囲に、突起部36Bを設けて構成す
ることもできる。これと同様に、突起部のかわりに凹部
を設けて構成することもできる。いずれの構成において
も、舌による接触や指先での接触によって、容易に発音
穴の位置を確認でき、使い勝手が向上する。したがっ
て、とりわけ、目の不自由な利用者をはじめ、リハビリ
においても効果を発揮することができる。
【0041】図16および図17は、本発明に係るハー
モニカ型電子楽器の前記と異なる構成の正面図であり、
口唇が当てられる前端面が示されている。図16では、
フレキシブル薄板36の口唇が当てられる側の、発音穴
に重なる部分の周囲、詳しくは隣接する発音穴との境界
に、突起部36Cを備えて構成される。この突起部を凹
部に置き換えて構成することもできる。この構成によ
り、舌や指先が突起部36Cに接触しても、フレキシブ
ル薄板36が押されることがないから、余計な音の発生
がなく、しかも容易に発音穴の位置を確認でき、使い勝
手が向上する。
【0042】図17では、フレキシブル薄板36の口唇
が当てられる側の、特定の発音穴、例えば音階のドの発
音穴に重なる部分の周囲の上部に、突起部36Dを備え
て構成される。突起部を凹部に置き換えて構成すること
もできる。この構成により、舌や指先の接触で特定の音
階の位置を容易に確認することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明に係るハーモ
ニカ型電子楽器は、前面に一列に配設されている発音穴
を覆うように、ゴム等のフレキシブル薄板を発音穴の前
面に張り、口唇からの吹気あるいは吸気によるフレキシ
ブル薄板の変形を変換機構が直線的な位置の変位に変換
し、ついで変位検出機構が直線的な位置の変位を検出
し、変位検出機構による検出変位に基づき発音機構が発
音させる構成であるから、簡単な構造で各発音穴におけ
る吹気あるいは吸気の圧力の検出が可能になる。しかも
発音穴とりわけ発音穴の内壁部が口唇からの吹気あるい
は吸気に直接触れることがないから、塵埃や唾液の発音
穴への侵入が阻止され、汚れがつきにくく、衛生的であ
る上に、音質の劣化や、錆び等による故障、短寿命化を
避けることができるという効果がある。したがって、軽
量小型で扱いやすく、故障の少ないハーモニカ型電子楽
器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の一実施形
態の平面図である。
【図2】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の一実施形
態の正面図である。
【図3】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の一実施形
態の側面図である。
【図4】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の発音穴お
よび変位検出機構の構成を示す前部断面平面図である。
【図5】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の発音穴お
よび変位検出機構の構成を示す前部断面正面図である。
【図6】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の発音穴お
よび変位検出機構の構成を示す前部断面側面図である。
【図7】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の動作原理
を説明する模式図で、発音のない状態を示す。
【図8】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の吸気によ
る発音状態を説明する模式図である。
【図9】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の吹気によ
る発音状態を説明する模式図である。
【図10】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の各部を
構成する電気回路のブロック構成図である。
【図11】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の、音源
が階調音(音階)であるときの発音穴の音階配列構造の
例を示す説明図である。
【図12】本発明に係るハーモニカ型電子楽器のフレキ
シブル薄板に吹気あるいは吸気が加えられた際の検出変
位出力を示す線図である。
【図13】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の各部の
動作に関するフローチャートである。
【図14】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の他の実
施形態の正面図である。
【図15】本発明に係るハーモニカ型電子楽器の別の実
施形態の要部断面平面図である。
【図16】本発明に係るハーモニカ型電子楽器のさらに
他の実施形態の正面図である。
【図17】本発明に係るハーモニカ型電子楽器のまた別
の実施形態の正面図である。
【符号の説明】
1……本発明に係るハーモニカ型電子楽器、1A……
枠、1B……前端部、2……切換スイッチ、3……モー
ド設定スイッチ、4……発音穴、5……外部接続ケーブ
ル、6……フレキシブル薄板、6A……変位機構、7…
…変位検出機構、7A……発光ダイオード、7B……フ
ォトセンサ、9……変位検出回路、10……ADコンバ
ータ、11……マイコン、12……発音機構、13……
MIDI接続回路、31……本発明に係るハーモニカ型
電子楽器、34……彩色された領域、36……フレキシ
ブル薄板、36B……突起。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハーモニカ型電子楽器の前面に一列に配
    設されている複数個の発音穴の開口部を覆って前記発音
    穴の前面に張設され、口唇からの吹気あるいは吸気の圧
    力により前記発音穴の開口部を覆った部分の少なくとも
    中心部が前記吹気の進行方向あるいは吸気の進行方向に
    弾性変形可能なフレキシブル薄板と、 前記フレキシブル薄板の前記発音穴を覆った部分の中心
    部の前記発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出して連
    設され、前記フレキシブル薄板の前記中心部の前記弾性
    変形に伴い、前記発音穴の底側方向あるいは開口側方向
    に移動可能に設けられた変位機構と、 前記発音穴内に設けられ、前記変位機構の、前記発音穴
    の底側方向あるいは開口側方向への移動量を非接触で検
    出して電気的出力とする変位検出機構とを備えたことを
    特徴とするハーモニカ型電子楽器。
  2. 【請求項2】 ハーモニカ型電子楽器の前面に一列に配
    設されている複数個の発音穴の開口部を覆って前記発音
    穴の前面に張設され、口唇からの吹気あるいは吸気の圧
    力により前記発音穴の開口部を覆った部分の少なくとも
    中心部が前記吹気の進行方向あるいは吸気の進行方向に
    弾性変形可能なフレキシブル薄板と、 前記フレキシブル薄板の前記発音穴を覆った部分の中心
    部の前記発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出して連
    設され、前記フレキシブル薄板の前記中心部の前記弾性
    変形に伴い、前記発音穴の底側方向あるいは開口側方向
    に移動可能に設けられた変位機構と、 前記発音穴内に設けられ、前記変位機構の、前記発音穴
    の底側方向あるいは開口側方向への移動量を非接触で検
    出して電気的出力とする変位検出機構と、 階調音系統あるいはリズム打楽器音系統あるいは擬音系
    統の少なくともいずれか一系統を音源として備え、前記
    変位検出機構からの電気的出力に基づき前記音源を発音
    させる発音機構とを備えたことを特徴とするハーモニカ
    型電子楽器。
  3. 【請求項3】 ハーモニカ型電子楽器の前面に一列に配
    設されている複数個の発音穴の開口部を覆って前記発音
    穴の前面に張設され、口唇からの吹気あるいは吸気の圧
    力により前記発音穴の開口部を覆った部分の少なくとも
    中心部が前記吹気の進行方向あるいは吸気の進行方向に
    弾性変形可能なフレキシブル薄板と、 前記フレキシブル薄板の前記発音穴を覆った部分の中心
    部の前記発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出して連
    設され、前記フレキシブル薄板の前記中心部の前記弾性
    変形に伴い、前記発音穴の底側方向あるいは開口側方向
    に移動可能に設けられた変位機構と、 前記発音穴内に設けられ、前記変位機構の、前記発音穴
    の底側方向あるいは開口側方向への移動量を非接触で検
    出して電気的出力とする変位検出機構と、 階調音系統あるいはリズム打楽器音系統あるいは擬音系
    統のうち二系統以上の音源を備え、前記変位検出機構か
    らの電気的出力に基づき前記音源の少なくとも一系統を
    発音させる発音機構と、 前記音源の少なくともいずれか一系統を選択する選択機
    構を備えて構成したことを特徴とするハーモニカ型電子
    楽器。
  4. 【請求項4】 ハーモニカ型電子楽器の前面に一列に配
    設されている複数個の発音穴の開口部を覆って前記発音
    穴の前面に張設され、口唇からの吹気あるいは吸気の圧
    力により前記発音穴の開口部を覆った部分の少なくとも
    中心部が前記吹気の進行方向あるいは吸気の進行方向に
    弾性変形可能なフレキシブル薄板と、 前記フレキシブル薄板の前記発音穴を覆った部分の中心
    部の前記発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出して連
    設され、前記フレキシブル薄板の前記中心部の前記弾性
    変形に伴い、前記発音穴の底側方向あるいは開口側方向
    に移動可能に設けられた変位機構と、 前記発音穴内に設けられ、前記変位機構の、前記発音穴
    の底側方向あるいは開口側方向への移動量を非接触で検
    出して電気的出力とする変位検出機構とを備え、 前記フレキシブル薄板の口唇に触れる表面の、前記発音
    穴に対応する部分に彩色が施されて成ることを特徴とす
    るハーモニカ型電子楽器。
  5. 【請求項5】 ハーモニカ型電子楽器の前面に一列に配
    設されている複数個の発音穴の開口部を覆って前記発音
    穴の前面に張設され、口唇からの吹気あるいは吸気の圧
    力により前記発音穴の開口部を覆った部分の少なくとも
    中心部が前記吹気の進行方向あるいは吸気の進行方向に
    弾性変形可能なフレキシブル薄板と、 前記フレキシブル薄板の前記発音穴を覆った部分の中心
    部の前記発音穴側に、前記発音穴の底方向に突出して連
    設され、前記フレキシブル薄板の前記中心部の前記弾性
    変形に伴い、前記発音穴の底側方向あるいは開口側方向
    に移動可能に設けられた変位機構と、 前記発音穴内に設けられ、前記変位機構の、前記発音穴
    の底側方向あるいは開口側方向への移動量を非接触で検
    出して電気的出力とする変位検出機構とを備え、 前記フレキシブル薄板の口唇に触れる表面の、前記発音
    穴に対応する部分に突起部あるいは凹部が設けられて成
    ることを特徴とするハーモニカ型電子楽器。
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