JP2004240132A - 楽器および指先操作部 - Google Patents
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Abstract
【課題】重度の肢体不自由者のなかで、指を動かせる人は多いが、従来楽器では演奏操作が困難であり、音楽の世界を楽しむには音楽を聴くことぐらいしか手だてがなかった。
【解決手段】複数の操作子が配置された指先操作部と、楽音合成部とを備え、操作子を指で操作することにより重度の肢体不自由者が演奏できる楽器、および、そのための指先操作部を提供する。また、楽器および指先操作部において、操作子は、歪みセンサ、または、圧力センサを含むようにすればさらに好適である。操作子の少なくともひとつは、指先の腹部、先端部、上部、横部のいずれかに配置されるようにすればさらに好適である。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の操作子が配置された指先操作部と、楽音合成部とを備え、操作子を指で操作することにより重度の肢体不自由者が演奏できる楽器、および、そのための指先操作部を提供する。また、楽器および指先操作部において、操作子は、歪みセンサ、または、圧力センサを含むようにすればさらに好適である。操作子の少なくともひとつは、指先の腹部、先端部、上部、横部のいずれかに配置されるようにすればさらに好適である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指先を動かすことができる者が使用できる電子楽器およびその部材であって、指先で演奏操作できる指先操作部を有する楽器、および、楽器に使用する指先操作部等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重度の肢体不自由者でも、指先を動かせる場合は多い。しかし、ギターやフルートなどの普通の楽器を持って演奏することや、ピアノの前に座って演奏することは困難であった。指先のみで楽器を演奏する例としては、手袋上にスイッチを設けて、手に手袋をはめて行う例がある。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平5−150771号公報(第2−3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術によれば、手袋のサイズと使用者の手のサイズが合致する必要があった。また、手の指全部を使用する必要があり、各指の機能も決まっていた。したがって、指が一部ない者が演奏することは困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用する。本発明により、重度の肢体不自由者やすべての指が揃っていない者でも、指先を動かせる人が演奏できる楽器およびそのための部材である指先操作部を提供し、柔軟性に富んだ楽器および指先操作部を提供することができる。
【0006】
(1)操作子が設けられた指先操作部と、楽音合成部とを備え、指先操作部を指先に装着し、操作子を指の動きにより操作し、楽音合成部を制御することにより演奏を行なうようにした楽器および指先操作部とする。
【0007】
(2)前記(1)記載の楽器および指先操作部において、前記指先操作部を、複数設ける。
【0008】
(3)前記(1)、(2)に記載の楽器および指先操作部において、前記指先操作部の少なくともひとつは、複数の操作子を有するようにする。
【0009】
(4)前記(1)、(2)、(3)に記載の楽器および指先操作部において、前記操作子はスイッチを含むようにする。
【0010】
(5)前記(1)、(2)、(3)に記載の楽器および指先操作部において、前記操作子は、歪みセンサ、または、圧力センサを含むようにする。
【0011】
(6)前記(1)、(2)、(3)に記載の楽器および指先操作部において、前記操作子の少なくともひとつは、指先の腹部、先端部、上部、横部のいずれかに配置されるようにする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の楽器および指先操作部の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(実施の形態1)
【0014】
図1は、本発明の楽器の指先操作部を示す。図1の(1)は、指先操作部を指先に装着した外観図である。指先操作部11〜14が、右手10の親指、人差し指、中指、薬指の指先に装着されている。各指先操作部11〜14は、図1の(2)に示すように、指先固定部である指輪状のパイプ16の下面に、操作子としてスイッチ17が設けられている。図1の(1)において、各指先操作部11〜14は、それらの各スイッチが下面、すなわち、板15に対向するように装着される。各スイッチ17からは、電線が引き出され、図2で後述する楽音合成部20に導かれる。左手にも、4個の指先操作部が、装着される。
【0015】
図2は、本発明の楽器の電気的構成を説明するブロック図である。図2において、SW1〜SW4は、右手薬指、中指、人差し指、親指に装着した指先操作部の各スイッチである。SW5〜SW8は、左手親指、人差し指、中指、薬指に装着した指先操作部の各スイッチである。SW1〜SW8の片方の各接点は、楽音合成部20の端子T1〜T8にそれぞれ導かれる。SW1〜SW8の他方の各接点は、共通端子TG(接地)に導かれる。端子T1〜T6は、音階を検出する。
端子T1〜T6は、順に、音名ファ、ミ、レ、ド、シ、ラに対応している。指先で図1の板15を押さえたり、板15に当てたりすることにより、SW1〜SW6のいずれかをONにすると、楽音合成部20は、対応した音階音を発生する。
また、楽音合成部20は、音色選択信号により、ピアノ、フルート、ギターなどの楽器音の選択ができるようにする。
【0016】
発生した楽器の音階音は、楽音信号として、ヘッドフォン21より音波となり、演奏者は音波信号を聴く。ヘッドフォン21の代りにスピーカを使用すれば、回りの人も音楽を聴くことができる。
【0017】
端子T7、T8は、音量を切り替える音量選択機能を持つ。SW7、SW8がOFFの場合は、通常の音量である。SW7がONになると音量が大きくなり、SW8がONになると音量がさらに大きくなる。
【0018】
なお、SW7をONにするたびに音量が減少するようにし、SW8をONにするたびに音量が増大するようにし、かつ、両スイッチをOFFにしても、直前の音量状態が保持されるようにしてもよい。このようにすれば、3段階の音量状態よりも多くの段階の音量制御ができる。
【0019】
SW1〜SW6については、ON状態では、対応する音階音が出力され、OFF状態では、音階音が停止するようにする。このようにすれば、音が出っぱなしにならない。また、OFFにしたときには、それまで発音していた音階の音が、滑らかに減衰するようにしてもよい。
【0020】
指で長時間スイッチを押し続けるのは、指が疲れる恐れがあるので、以下のようにしてもよい。端子T1〜T6に、ON、OFFの記憶機能を設ける。すなわち、SW1をONにすると、ONが記憶され、ファの音が発音されるが、そのエンベロープは、パーカッシブな形状とする。すなわち、ピアノのように減衰する音にする。指を離してSW1をOFFにしても、ファの発音が記憶されており、音が停止することなく減衰を続ける。減衰の途中、あるいは、減衰後に、SW2がONになると、ソの音がパーカッシブに発音される。前の音が減衰中に次の音を出した場合、前の音を消音して次の音を発生させる、いわゆる単音楽器の構成にしてもよいし、前の音と次の音を重ねて出せる複音楽器の構成にすることもできる。
【0021】
複音楽器にする場合、SW1〜SW6の数だけの音源を備えるようにしてもよいが、通常6個のスイッチ全てを押さえることはないし、押さえたとしても、ファ、ミ、レ、ド、シ、ラが同時に出て、不協和音になるだけである。せいぜい3音あればよい。5個のスイッチから3個の音源を選択割り当てるには、電子楽器技術における優先選択、トランケートの技術を用いればよい。
【0022】
上記説明した、スイッチのON、OFFによる音階の選択や記憶、優先選択、トランケート、エンベロープの制御などは、電子楽器で周知の技術により実現できるので、詳細の説明は省く。
【0023】
(実施の形態2)
図2において、SW1〜SW8は、それぞれ、独立に楽音合成部20と結合したので、16本の電線が必要になった。図1の(1)の指先操作部11、12、13、14の間を電線で結合し、指先操作部11の上に、キーエンコーダを設けて、SW1〜SW4をスキャンして、それらのON、OFF状態を符号列にして、楽音合成部20に送るようにしてもよい。このようにすれば、8本の電線の数を最低3本に減らすことができる。左手についても同様である。
【0024】
(実施の形態3)
各指先操作部上に無線送信部を設け、楽音合成部20に無線受信部を設けて、操作子である各スイッチのON、OFF状態を、無線通信により、楽音合成部20に伝送するようにすれば、電線が不要になるので、演奏者が電線により拘束されることがなくなる。
【0025】
(実施の形態4)
図1の指先操作部では、指先固定部を指輪状のパイプ形状とした。金属などの硬い材料を使用してもよいが、ゴムやプラスティック材料で、伸縮性のあるパイプ形状としてもよい。パイプの内径を、使用者の指の太さに合わせなくともよいので、誰でも使用可能になる。
【0026】
(実施の形態5)
一部のスイッチ、たとえば、SW7、SW8を、別の操作子、例えば、圧力センサや歪センサに置き換えて、押さえる力により連続的な音量の制御を行なえるようにしてもよい。歪みセンサの出力情報を楽音合成部10に導いて、楽音信号を連続的に制御するようにしてもよい。出力情報により、音階を連続的に変化させれば、西洋音階にとらわれないポルタメント主体の演奏が可能になる。
【0027】
(実施の形態6)
図3の(1)は、指先操作部の別の実施の形態である。図3の(1)において、パイプの一部を切り欠いた断面が円弧状の部材30を指先固定部とし、その下部にスイッチ31を設ける。円弧状の部材30は、硬い材料でもよいが、弾性体を用いると、指の太さを問わず装着が可能になる。
【0028】
(実施の形態7)
図3の(2)は、指先操作部の別の実施の形態である。図3の(2)において、指先固定部である部材32は、指先を挟む円弧状の弾性板である。その下面にスイッチ33を設ける。部材32は、弾性体であるので、指の太さを問わず装着が可能になる。
【0029】
(実施の形態8)
図3の(3)は、指先操作部の別の実施の形態である。図3の(3)において、指先固定部として指サック34を用いる。指サック34の表面にスイッチ35を設ける。指サックをゴムなどの伸縮可能な弾性体でつくると、指の太さを問わず装着が可能になる。
【0030】
(実施の形態9)
図3の(4)は、指先操作部の別の実施の形態である。図3の(4)において、指輪状の指先固定部36の下面にスイッチ37を設け、さらに、別の操作子38として、例えば、スイッチ、圧力センサ、歪センサなどを横に設ける。横に設けた操作子を隣の指に当てることにより、音階や音量の制御以外の制御、たとえば、音色の制御、ビブラートなど変調効果の制御ができる。また、リズム楽器音の発生を行うようにしてもよい。指を開閉することにより、リズムを打つことができる。
【0031】
なお、操作子は、指先の腹部(指紋のある側)の位置、指先の先端部の位置、指先の上部(爪のある側)の位置、指先の横部の位置のいずれか、あるいは、それらの複数の位置に配置することができる。
【0032】
(実施の形態10)
図4の(1)は、指先操作部の別の実施の形態である。図4の(1)において、部材41は、指先を挟む円弧状の弾性板である。その下面にスイッチ42を設ける。部材41は、弾性体であるので、指の太さを問わず装着が可能になる。部材41の先端と上面にもスイッチ43、44を設ける。スイッチ42、43、44をそれぞれ音階に割り当てる。指を伸ばした状態、指先を下に向けた状態、指先を折り曲げた状態の3つのいずれかの状態で、板15に当てることにより、一本の指で、3つの音階の選択を行うことが可能になる。このような3通りの指の形を、図4の(3)に示す。各スイッチには、同時に弾くことがまれな半音隣の音を割り振るようにするとよい。
【0033】
なお、操作子は、上記、指先の腹部の位置、先端部の位置、上部の位置に加えて、横部の位置に相当する位置に配置してもよい。
【0034】
(実施の形態11)
図4の(2)は、指先操作部の別の実施の形態である。図4の(2)では、指サック45の表面に操作子としてスイッチ46、46を設ける。指の曲げ方により、スイッチ46と47を選択的にONにすることができ、複数の操作が可能になる。指サックをゴムなどの伸縮可能な弾性体でつくると、指の太さを問わず装着が可能になる。
【0035】
なお、図4の(1)の場合と同様に、操作子を3個設けてもよい。また、操作子は、指先の腹部の位置、先端部の位置、上部の位置に加えて、横部の位置に相当する位置に配置してもよい。
【0036】
(その他の実施の形態)
上記各指先操作部には、複数の操作子を取り付け、それらの一部、または、全部をスイッチ、圧力センサ、歪センサとすることにより、指の種々の操作を検出にて、検出信号を楽器の操作に用いることができる。
【0037】
操作子と、音階、音量、音色などの制御対象との関係、割り振り方は、上記説明に限らない。例えば、各音階に各スイッチを割り当てるように説明したが、複数のスイッチのON、OFF状態をコード化して、音階に対応させてもよい。コードに対応した、複数の指による手の形を記憶する必要があるが、単音音源楽器の場合、選択できる音階範囲を広げることができる。
【0038】
なお、上記指先操作部は、健常者が使用できることは言うまでもない。
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、
【0039】
(1)重度の肢体不自由者等が指の動きで演奏できる楽器を提供できる。
【0040】
(2)指の力を使用して、音楽の表現が可能になる。
【0041】
(3)手の大きさや指の太さに左右されず、自由度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楽器に使用する指先操作部の一実施形態の図
【図2】本発明の一実施形態による楽器の構成のブロック図
【図3】本発明の楽器に使用する指先操作部の一実施形態の図
【図4】本発明の楽器に使用する指先操作部の一実施形態の図
【符号の説明】
10 手
11、12、13、14 指先操作部
16 指先固定部
17 操作子
20 楽音合成部
21 ヘッドフォン
【発明の属する技術分野】
本発明は、指先を動かすことができる者が使用できる電子楽器およびその部材であって、指先で演奏操作できる指先操作部を有する楽器、および、楽器に使用する指先操作部等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重度の肢体不自由者でも、指先を動かせる場合は多い。しかし、ギターやフルートなどの普通の楽器を持って演奏することや、ピアノの前に座って演奏することは困難であった。指先のみで楽器を演奏する例としては、手袋上にスイッチを設けて、手に手袋をはめて行う例がある。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平5−150771号公報(第2−3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術によれば、手袋のサイズと使用者の手のサイズが合致する必要があった。また、手の指全部を使用する必要があり、各指の機能も決まっていた。したがって、指が一部ない者が演奏することは困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用する。本発明により、重度の肢体不自由者やすべての指が揃っていない者でも、指先を動かせる人が演奏できる楽器およびそのための部材である指先操作部を提供し、柔軟性に富んだ楽器および指先操作部を提供することができる。
【0006】
(1)操作子が設けられた指先操作部と、楽音合成部とを備え、指先操作部を指先に装着し、操作子を指の動きにより操作し、楽音合成部を制御することにより演奏を行なうようにした楽器および指先操作部とする。
【0007】
(2)前記(1)記載の楽器および指先操作部において、前記指先操作部を、複数設ける。
【0008】
(3)前記(1)、(2)に記載の楽器および指先操作部において、前記指先操作部の少なくともひとつは、複数の操作子を有するようにする。
【0009】
(4)前記(1)、(2)、(3)に記載の楽器および指先操作部において、前記操作子はスイッチを含むようにする。
【0010】
(5)前記(1)、(2)、(3)に記載の楽器および指先操作部において、前記操作子は、歪みセンサ、または、圧力センサを含むようにする。
【0011】
(6)前記(1)、(2)、(3)に記載の楽器および指先操作部において、前記操作子の少なくともひとつは、指先の腹部、先端部、上部、横部のいずれかに配置されるようにする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の楽器および指先操作部の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(実施の形態1)
【0014】
図1は、本発明の楽器の指先操作部を示す。図1の(1)は、指先操作部を指先に装着した外観図である。指先操作部11〜14が、右手10の親指、人差し指、中指、薬指の指先に装着されている。各指先操作部11〜14は、図1の(2)に示すように、指先固定部である指輪状のパイプ16の下面に、操作子としてスイッチ17が設けられている。図1の(1)において、各指先操作部11〜14は、それらの各スイッチが下面、すなわち、板15に対向するように装着される。各スイッチ17からは、電線が引き出され、図2で後述する楽音合成部20に導かれる。左手にも、4個の指先操作部が、装着される。
【0015】
図2は、本発明の楽器の電気的構成を説明するブロック図である。図2において、SW1〜SW4は、右手薬指、中指、人差し指、親指に装着した指先操作部の各スイッチである。SW5〜SW8は、左手親指、人差し指、中指、薬指に装着した指先操作部の各スイッチである。SW1〜SW8の片方の各接点は、楽音合成部20の端子T1〜T8にそれぞれ導かれる。SW1〜SW8の他方の各接点は、共通端子TG(接地)に導かれる。端子T1〜T6は、音階を検出する。
端子T1〜T6は、順に、音名ファ、ミ、レ、ド、シ、ラに対応している。指先で図1の板15を押さえたり、板15に当てたりすることにより、SW1〜SW6のいずれかをONにすると、楽音合成部20は、対応した音階音を発生する。
また、楽音合成部20は、音色選択信号により、ピアノ、フルート、ギターなどの楽器音の選択ができるようにする。
【0016】
発生した楽器の音階音は、楽音信号として、ヘッドフォン21より音波となり、演奏者は音波信号を聴く。ヘッドフォン21の代りにスピーカを使用すれば、回りの人も音楽を聴くことができる。
【0017】
端子T7、T8は、音量を切り替える音量選択機能を持つ。SW7、SW8がOFFの場合は、通常の音量である。SW7がONになると音量が大きくなり、SW8がONになると音量がさらに大きくなる。
【0018】
なお、SW7をONにするたびに音量が減少するようにし、SW8をONにするたびに音量が増大するようにし、かつ、両スイッチをOFFにしても、直前の音量状態が保持されるようにしてもよい。このようにすれば、3段階の音量状態よりも多くの段階の音量制御ができる。
【0019】
SW1〜SW6については、ON状態では、対応する音階音が出力され、OFF状態では、音階音が停止するようにする。このようにすれば、音が出っぱなしにならない。また、OFFにしたときには、それまで発音していた音階の音が、滑らかに減衰するようにしてもよい。
【0020】
指で長時間スイッチを押し続けるのは、指が疲れる恐れがあるので、以下のようにしてもよい。端子T1〜T6に、ON、OFFの記憶機能を設ける。すなわち、SW1をONにすると、ONが記憶され、ファの音が発音されるが、そのエンベロープは、パーカッシブな形状とする。すなわち、ピアノのように減衰する音にする。指を離してSW1をOFFにしても、ファの発音が記憶されており、音が停止することなく減衰を続ける。減衰の途中、あるいは、減衰後に、SW2がONになると、ソの音がパーカッシブに発音される。前の音が減衰中に次の音を出した場合、前の音を消音して次の音を発生させる、いわゆる単音楽器の構成にしてもよいし、前の音と次の音を重ねて出せる複音楽器の構成にすることもできる。
【0021】
複音楽器にする場合、SW1〜SW6の数だけの音源を備えるようにしてもよいが、通常6個のスイッチ全てを押さえることはないし、押さえたとしても、ファ、ミ、レ、ド、シ、ラが同時に出て、不協和音になるだけである。せいぜい3音あればよい。5個のスイッチから3個の音源を選択割り当てるには、電子楽器技術における優先選択、トランケートの技術を用いればよい。
【0022】
上記説明した、スイッチのON、OFFによる音階の選択や記憶、優先選択、トランケート、エンベロープの制御などは、電子楽器で周知の技術により実現できるので、詳細の説明は省く。
【0023】
(実施の形態2)
図2において、SW1〜SW8は、それぞれ、独立に楽音合成部20と結合したので、16本の電線が必要になった。図1の(1)の指先操作部11、12、13、14の間を電線で結合し、指先操作部11の上に、キーエンコーダを設けて、SW1〜SW4をスキャンして、それらのON、OFF状態を符号列にして、楽音合成部20に送るようにしてもよい。このようにすれば、8本の電線の数を最低3本に減らすことができる。左手についても同様である。
【0024】
(実施の形態3)
各指先操作部上に無線送信部を設け、楽音合成部20に無線受信部を設けて、操作子である各スイッチのON、OFF状態を、無線通信により、楽音合成部20に伝送するようにすれば、電線が不要になるので、演奏者が電線により拘束されることがなくなる。
【0025】
(実施の形態4)
図1の指先操作部では、指先固定部を指輪状のパイプ形状とした。金属などの硬い材料を使用してもよいが、ゴムやプラスティック材料で、伸縮性のあるパイプ形状としてもよい。パイプの内径を、使用者の指の太さに合わせなくともよいので、誰でも使用可能になる。
【0026】
(実施の形態5)
一部のスイッチ、たとえば、SW7、SW8を、別の操作子、例えば、圧力センサや歪センサに置き換えて、押さえる力により連続的な音量の制御を行なえるようにしてもよい。歪みセンサの出力情報を楽音合成部10に導いて、楽音信号を連続的に制御するようにしてもよい。出力情報により、音階を連続的に変化させれば、西洋音階にとらわれないポルタメント主体の演奏が可能になる。
【0027】
(実施の形態6)
図3の(1)は、指先操作部の別の実施の形態である。図3の(1)において、パイプの一部を切り欠いた断面が円弧状の部材30を指先固定部とし、その下部にスイッチ31を設ける。円弧状の部材30は、硬い材料でもよいが、弾性体を用いると、指の太さを問わず装着が可能になる。
【0028】
(実施の形態7)
図3の(2)は、指先操作部の別の実施の形態である。図3の(2)において、指先固定部である部材32は、指先を挟む円弧状の弾性板である。その下面にスイッチ33を設ける。部材32は、弾性体であるので、指の太さを問わず装着が可能になる。
【0029】
(実施の形態8)
図3の(3)は、指先操作部の別の実施の形態である。図3の(3)において、指先固定部として指サック34を用いる。指サック34の表面にスイッチ35を設ける。指サックをゴムなどの伸縮可能な弾性体でつくると、指の太さを問わず装着が可能になる。
【0030】
(実施の形態9)
図3の(4)は、指先操作部の別の実施の形態である。図3の(4)において、指輪状の指先固定部36の下面にスイッチ37を設け、さらに、別の操作子38として、例えば、スイッチ、圧力センサ、歪センサなどを横に設ける。横に設けた操作子を隣の指に当てることにより、音階や音量の制御以外の制御、たとえば、音色の制御、ビブラートなど変調効果の制御ができる。また、リズム楽器音の発生を行うようにしてもよい。指を開閉することにより、リズムを打つことができる。
【0031】
なお、操作子は、指先の腹部(指紋のある側)の位置、指先の先端部の位置、指先の上部(爪のある側)の位置、指先の横部の位置のいずれか、あるいは、それらの複数の位置に配置することができる。
【0032】
(実施の形態10)
図4の(1)は、指先操作部の別の実施の形態である。図4の(1)において、部材41は、指先を挟む円弧状の弾性板である。その下面にスイッチ42を設ける。部材41は、弾性体であるので、指の太さを問わず装着が可能になる。部材41の先端と上面にもスイッチ43、44を設ける。スイッチ42、43、44をそれぞれ音階に割り当てる。指を伸ばした状態、指先を下に向けた状態、指先を折り曲げた状態の3つのいずれかの状態で、板15に当てることにより、一本の指で、3つの音階の選択を行うことが可能になる。このような3通りの指の形を、図4の(3)に示す。各スイッチには、同時に弾くことがまれな半音隣の音を割り振るようにするとよい。
【0033】
なお、操作子は、上記、指先の腹部の位置、先端部の位置、上部の位置に加えて、横部の位置に相当する位置に配置してもよい。
【0034】
(実施の形態11)
図4の(2)は、指先操作部の別の実施の形態である。図4の(2)では、指サック45の表面に操作子としてスイッチ46、46を設ける。指の曲げ方により、スイッチ46と47を選択的にONにすることができ、複数の操作が可能になる。指サックをゴムなどの伸縮可能な弾性体でつくると、指の太さを問わず装着が可能になる。
【0035】
なお、図4の(1)の場合と同様に、操作子を3個設けてもよい。また、操作子は、指先の腹部の位置、先端部の位置、上部の位置に加えて、横部の位置に相当する位置に配置してもよい。
【0036】
(その他の実施の形態)
上記各指先操作部には、複数の操作子を取り付け、それらの一部、または、全部をスイッチ、圧力センサ、歪センサとすることにより、指の種々の操作を検出にて、検出信号を楽器の操作に用いることができる。
【0037】
操作子と、音階、音量、音色などの制御対象との関係、割り振り方は、上記説明に限らない。例えば、各音階に各スイッチを割り当てるように説明したが、複数のスイッチのON、OFF状態をコード化して、音階に対応させてもよい。コードに対応した、複数の指による手の形を記憶する必要があるが、単音音源楽器の場合、選択できる音階範囲を広げることができる。
【0038】
なお、上記指先操作部は、健常者が使用できることは言うまでもない。
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、
【0039】
(1)重度の肢体不自由者等が指の動きで演奏できる楽器を提供できる。
【0040】
(2)指の力を使用して、音楽の表現が可能になる。
【0041】
(3)手の大きさや指の太さに左右されず、自由度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楽器に使用する指先操作部の一実施形態の図
【図2】本発明の一実施形態による楽器の構成のブロック図
【図3】本発明の楽器に使用する指先操作部の一実施形態の図
【図4】本発明の楽器に使用する指先操作部の一実施形態の図
【符号の説明】
10 手
11、12、13、14 指先操作部
16 指先固定部
17 操作子
20 楽音合成部
21 ヘッドフォン
Claims (7)
- 操作子が設けられた指先操作部と、楽音合成部とを備え、指先操作部は指先に装着され、指の動きにより操作子が操作され、楽音合成部が制御されることにより演奏を行なうようにした楽器。
- 前記指先操作部は、複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の楽器。
- 前記指先操作部の少なくともひとつは、複数の操作子を有することを特徴とする請求項1または請求項2いずれか記載の楽器。
- 前記操作子がスイッチを含むことを特徴とする請求項1から請求項3いずれか記載の楽器。
- 前記操作子が、歪みセンサ、または、圧力センサを含むことを特徴とする請求項1から請求項3いずれか記載の楽器。
- 前記操作子の少なくともひとつは、指先の腹部の位置、指先の先端部の位置、指先の上部の位置、指先の横部の位置のいずれかの位置に配置されたことを特徴とする請求項1から請求項3いずれか記載の楽器。
- 請求項1から請求項6いずれか記載の楽器を構成する指先操作部。
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JP2003028780A JP2004240132A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 楽器および指先操作部 |
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JP2003028780A JP2004240132A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 楽器および指先操作部 |
Publications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011156166A (ja) * | 2010-02-01 | 2011-08-18 | Konami Digital Entertainment Co Ltd | ゲーム装置及びゲーム用プログラム |
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JP2018160223A (ja) * | 2017-03-23 | 2018-10-11 | 株式会社たかお晃市事務所 | 音出力装置 |
-
2003
- 2003-02-05 JP JP2003028780A patent/JP2004240132A/ja active Pending
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