JPH09281335A - 配向色素膜の製造方法 - Google Patents

配向色素膜の製造方法

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JPH09281335A
JPH09281335A JP8098056A JP9805696A JPH09281335A JP H09281335 A JPH09281335 A JP H09281335A JP 8098056 A JP8098056 A JP 8098056A JP 9805696 A JP9805696 A JP 9805696A JP H09281335 A JPH09281335 A JP H09281335A
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film
dichroic dye
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thin film
dye material
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JP8098056A
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Toshihiko Tanaka
利彦 田中
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】品質が良好で二色性比が高い配向色素膜の製造
方法を提供する。 【解決手段】[1]フッ素樹脂配向膜を表面に有する基
板を、50℃以上かつ二色性色素材料の融点以下の温度
に加熱した状態において、該基板上に二色性色素材料を
気相から堆積する配向色素膜の製造方法。 [2]フッ素樹脂配向膜を表面に有する基板上に、二色
性色素材料の薄膜を形成し、該薄膜を50℃以上かつ該
二色性色素材料の融点以下の温度に加熱する配向色素膜
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は偏光素子に有用であ
る配向色素膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】偏光素子は、液晶ディスプレイ(以下、
LCDと記すことがある。)の表示に欠かせないものと
して広く使用されている。現在、偏光素子は、延伸配向
したポリビニルアルコール(以下、PVAと記すことが
ある。)又はその誘導体フィルムにヨウ素や二色性染料
を吸着させること、又はポリ塩化ビニルフィルムの脱塩
酸もしくはポリビニルアルコール系フィルムの脱水によ
りポリエンを生成して配向させることによって製造され
ている。
【0003】このうち偏光素子としてヨウ素を用いた偏
光膜は、初期の偏光性能は優れているが、水や熱に対し
て弱く、高温高湿の条件下で長期間使用する場合にはそ
の耐久性に問題がある。耐久性を増すために、保護膜等
の種々の方策が取られているが十分ではない。また、染
料系偏光素子ではヨウ素系のものに比べ、水や熱に対す
る耐久性に優れているが、偏光特性が劣っている。ま
た、200μm以下の微細な幅の偏光素子の製造は、染
色した延伸フィルムを切断する以外の方法は、困難であ
る。
【0004】LCDのフルカラー化が進展しているが、
これにはカラーフィルターが用いられている。この場
合、偏光素子とカラーフィルターの光吸収のために、透
過光量は非常に小さい。このため、明るいLCDを得る
ために、強いバックライトを用いなければならず、液晶
セルの温度上昇や消費電力が大きくなるなどの問題もあ
る。色素分子を配向させる方法については上記の配向高
分子フィルムを染色する方法以外に、液晶に色素を混合
し、セル中で配向させる方法等が知られている。
【0005】J.C.Wittmannらは、ポリテト
ラフルオロエチレン(以下、PTFEと記すことがあ
る。)を加熱しながら圧力をかけてガラス基板にこすり
つけることにより、配向したPTFE薄膜が得られるこ
とを示した。これを配向膜とすることにより、アルカン
類、液晶分子、ポリマー、オリゴマー、無機塩などを配
向させることができることが報告されている〔ネイチャ
ー(NATURE)第352巻、414頁(1991
年)〕。
【0006】したがって該配向膜上で二色性色素材料を
堆積すると偏光素子として有用な薄膜が得られる。しか
し、該配向膜上で二色性色素材料の薄膜を製造する際
に、二色性比は該配向膜の均一性、欠陥等の品質又は薄
膜の成長速度に著しく影響される。偏光素子としての性
能が高ければ高いほど優れたLCDが得られるため、こ
れらの影響の少ない品質の良好な配向色素膜の製造方法
が望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、品質
の良好な配向色素膜の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
たものである。すなわち、本発明は、[1]フッ素樹脂
配向膜を表面に有する基板を、50℃以上かつ二色性色
素材料の融点以下の温度に加熱した状態において、該基
板上に二色性色素材料を気相から堆積する配向色素膜の
製造方法に係るものである。また、本発明は、[2]フ
ッ素樹脂配向膜を表面に有する基板を50℃以上かつ二
色性色素材料の融点以下の温度に加熱した状態におい
て、該基板上に二色性色素材料を気相から堆積し、次に
この二色性色素材料の薄膜を50℃以上かつ該二色性色
素材料の融点以下の温度に加熱する配向色素膜の製造方
法に係るものである。更に、本発明は、[3]フッ素樹
脂配向膜を表面に有する基板上に、二色性色素材料の薄
膜を形成し、該薄膜を50℃以上かつ該二色性色素材料
の融点以下の温度に加熱する配向色素膜の製造方法に係
るものである。更に、本発明は、[4]フッ素樹脂配向
膜を表面に有する基板上に、一般式(1)で表される構
造を有する二色性色素材料の薄膜を形成し、該薄膜を光
照射下で、50℃以上かつ該二色性色素材料の融点以下
の温度に加熱する配向色素膜の製造方法に係るものであ
る。
【化4】 〔ここで、n=0〜3の正数である。Arは、それぞれ
独立に下記構造から選ばれる基である。
【化5】 Ar’は、それぞれ独立に下記構造から選ばれる基であ
る。
【化6】
【0009】(ここで、X1 〜X27は、それぞれ独立に
水素原子、水酸基、アミノ基、アリルアミノ基、アシル
アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8の
アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4
〜20の複素環化合物基、カルボン酸基、スルホン酸
基、スルホンアミド基、スルホンアルキルアミド基、ハ
ロゲン、シアノ基又はニトロ基を示す。1つの芳香族環
に2つ以上の種類の置換基が存在してもよい。芳香環に
おけるこれら置換基の数は置換可能な数まで使用するこ
とができる。また、アゾ基をはさむ2つのベンゼン環に
アゾ基と隣接してそれぞれ水酸基があり、銅、ニッケ
ル、亜鉛又は鉄から選ばれる1つの遷移金属原子と錯結
合していてもよい。)〕 また、本発明は、[5]前記[4]記載の一般式(1)
で表される構造を有する二色性色素材料の薄膜におい
て、該薄膜面内に少なくとも2つの部分に区別されるパ
ターンが形成されてなり、その中の1つのパターンにお
いて、該薄膜が400〜800nmの範囲に少なくとも
1種の吸収ピークを有し、該吸収ピーク波長において該
パターン以外の部分よりも高い二色性比を有する二色性
色素薄膜に係るものである。また、本発明は、[6]フ
ッ素樹脂配向膜を表面に有する基板上に、[4]記載の
一般式(1)で表される構造を有する二色性色素材料の
薄膜を形成し、該薄膜を少なくとも2つの部分に区別さ
れるパターン状の光の照射下で、50℃以上かつ該二色
性色素材料の融点以下の温度に加熱する[5]記載の二
色性色素薄膜の製造方法に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明による配向色素膜の
製造方法について詳細に説明する。本発明に用いられる
二色性色素材料は、アスペクト比(分子長軸長さ/分子
短軸長さ)が好ましくは2以上、更に好ましくは3以上
であり、分子軸と遷移モーメントとのなす角が好ましく
は20°以内であり、色素分子の長軸方向における最大
吸収波長での吸光度と短軸方向の吸光度との比が好まし
くは5以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは1
0以上であれば、染料、顔料を問わず使用できる。
【0011】特に、従来の染料系偏光フィルムやゲスト
−ホスト型液晶ディスプレイに使用される二色性色素材
料のうち、ネマチック液晶に溶解させて液晶セルに入れ
て配向させる方法、延伸配向したPVA又はその誘導体
フィルムに吸着させる方法等により配向させた場合に、
特定の吸収波長での配向方向における吸光度と、それと
直交する方向における吸光度との比の最大値が好ましく
は5以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは10
以上となるものが好適に用いられる。
【0012】ゲスト−ホスト型液晶ディスプレイ用二色
性色素材料では、メロシアニン系、スチリル系、アゾメ
チン系、アゾ系、キノン系、キノフタロン系、ペリレン
系、インジゴ系、テトラジン系などが知られており、配
向の点でアゾ系の二色性色素材料が好ましい。特にアゾ
系色素では、ジスアゾ系とトリスアゾ系がより好まし
い。一方、偏光フィルムに用いられる二色性色素材料で
はアゾ系、アントラキノン系が知られているがアゾ系が
好ましい。また、アゾ系では、スチルベン系、ベンジジ
ン系が更に好ましい。
【0013】具体的には、アゾ系色素としては、前記の
一般式(1)に示すものが好ましい。より具体的には、
アゾ系色素としては、表1に示す化合物が例示される
が、このなかでは、(2)(3)(5)(6)(7)
(8)(9)(10)(11)(12)(13)が好ま
しく、(3)(5)(6)(7)(8)(9)(10)
(12)(13)が特に好ましい。
【0014】
【表1】
【0015】次に、本発明で用いられる基板は、加熱時
に機械的化学的に安定で平滑なものを使用することが好
ましい。生成する配向色素膜をそのまま偏光素子として
使用する場合には、可視光に対して透明で平滑なものが
用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート等が例示される。また、生成する配向色素
膜を剥離や他の基板に転移し偏光素子として用いる場合
には、上記の基材に加えて、金属板、金属ロールも使用
できる。この場合、金属材料としては、SUSや表面に
Ni等をメッキした材料も使用できる。ガラス等の耐熱
性の高い基板の場合は、その上に配向膜と配向色素膜を
作成すればよいし、十分な耐熱性がなく、配向膜を直接
形成できない基板の場合は、一旦ガラス等の耐熱性の高
い基板上に配向膜と配向色素膜を形成し、これを転移す
ることによって作成すればよい。
【0016】本発明では、フッ素樹脂の配向膜を表面に
有する基板を用いる。該フッ素樹脂の配向膜は、公知の
方法で作成できるが、特に米国特許5180470号明
細書記載の方法を用いることにより高配向の膜が得られ
る。具体的には、加熱した基板にフッ素樹脂の塊を圧力
をかけてこすりつけることにより作成できる。このとき
の基板の加熱温度は、樹脂の種類にもよるが、好ましく
は100℃以上350℃又は樹脂の分解温度以下であ
り、更に好ましくは130℃以上300℃以下である。
圧力とこすりつける速度は、適宜選択できるが、均一で
配向特性に優れた配向膜を得るためには、0.5kgf
/m2 以上5kgf/m2 以下、0.01cm/秒以上
10cm/秒以下が好ましい。該フッ素樹脂配向膜の厚
さは、配向特性を示す厚さで、かつ可視域での吸収が十
分に小さければよいので、好ましくは1nm〜2μm、
更に好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10n
m〜0.5μmである。該フッ素樹脂配向膜に用いられ
るフッ素樹脂としては、PTFE、ポリ3フッ化エチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が例示される
が、PTFEが特に好ましい。
【0017】本発明[1]においては、前記のようにし
て得られたフッ素樹脂配向膜を表面に有する基板を、5
0℃以上かつ二色性色素材料の融点以下の温度に加熱し
た状態において、該基板上に二色性色素材料を気相から
堆積することを特徴とする。ここで、気相から堆積する
方法、すなわち蒸着法としては、二色性色素材料を真空
下、分解温度以下で加熱することにより昇華させて基板
上に堆積させる方法が挙げられる。このときの真空度
は、均一に蒸着するために、10-3Torr以下が好ま
しく、10-4Torr以下が更に好ましく、10-5To
rr以下が特に好ましい。好ましい蒸着速度は、使用す
る二色性色素材料によって異なるので適宜選択すること
ができるが、一般には0.01nm/秒以上10nm/
秒以下が好ましく、0.01nm/秒以上5nm/秒以
下が更に好ましく、0.01nm/秒以上2nm/秒が
特に好ましい。
【0018】本発明における配向色素膜の好ましい膜厚
は、二色性色素材料の二色性や、モル吸光係数、膜中の
色素の配向度にもよるが、ピンホールがなく、均一な薄
膜を形成するという観点からは厚い方がよく、高配向度
とするためには薄い方がよい。また、薄すぎると、単体
透過率が大きすぎるため、偏光素子として用いても十分
な性能が得られない。よって、膜厚は、好ましくは1n
m以上5μm以下、更に好ましくは5nm以上1μm以
下、特に好ましくは10nm以上0.5μm以下であ
る。更に、上記のように、該基板上に二色性色素材料を
気相から堆積し、次にこの二色性色素材料の薄膜を50
℃以上かつ該二色性色素材料の融点以下の温度に加熱す
ることは、配向色素膜の欠陥を減らし、配向の優れた膜
を安定して製造することができるので好ましい。
【0019】次に、本発明[3]の配向色素膜の製造方
法においては、フッ素樹脂配向膜を表面に有する基板上
に、二色性色素材料の薄膜を形成し、該薄膜を50℃以
上かつ該二色性色素材料の融点以下の温度に加熱するこ
とを特徴とする。ここで、二色性色素材料の薄膜を形成
する方法としては、フッ素樹脂配向膜上への、二色性色
素材料の蒸着法、溶融した二色性色素材料の塗布法、二
色性色素材料溶液の塗布法などが例示されるが、二色性
色素材料の蒸着が好ましい。二色性色素材料を真空下、
分解温度以下で加熱することにより昇華させて基板上に
堆積させる。真空度は均一に蒸着するために10-3To
rr以下が好ましく、10 -4Torr以下が更に好まし
く、10-5Torr以下が特に好ましい。本発明[3]
における好ましい蒸着速度については、本発明[1]に
おいて記した好ましい蒸着速度と同じである。
【0020】次に、二色性色素材料の薄膜を50℃以上
かつ該二色性色素材料の融点以下の温度に加熱する。こ
うすることにより配向色素膜の欠陥を減らし、配向の優
れた膜を安定して製造することができる。基板を加熱す
る温度は、使用する二色性色素材料によって異なるので
適宜選択できるが、50℃以上250℃以下が好まし
く、50℃以上200℃以下が更に好ましく、100℃
以上200℃以下が特に好ましい。
【0021】また、50℃以上に加熱しながら蒸着した
配向色素膜を、更に後から加熱することが好ましく、8
0℃以上に加熱しながら蒸着した配向色素膜を、更に後
から加熱することがさらに好ましい。本発明[3]にお
ける配向色素膜の好ましい膜厚も、本発明[1]におい
て記した好ましい膜厚と同じである。
【0022】また、一般式(1)で表わされる二色性色
素材料、すなわちアゾ結合を含むアゾ系色素の場合に
は、二色性色素材料の種類によっては、後から光を照射
下に加熱することが好ましい。使用する光は、二色性色
素材料の吸収波長に対応する成分を含むものが使用でき
るが、二色性色素材料を分解する作用のある300nm
以下の遠紫外線を含まないことが好ましい。
【0023】また、本発明[5]の二色性色素薄膜は、
前記[1]記載の一般式(1)で表される構造を有する
二色性色素材料の薄膜において、該薄膜面内に少なくと
も2つの部分に区別されるパターンが形成されてなり、
その中の1つのパターンにおいて、該薄膜が400〜8
00nmの範囲に少なくとも1種の吸収ピークを有し、
該吸収ピーク波長において該パターン以外の部分よりも
高い二色性比を有するものである。該二色性色素薄膜の
膜厚は、用途や製造方法によって異なるが一般にパター
ン部分の二色性比の点で1nm以上5μm以下が好まし
く、5nm以上1μmがさらに好ましく、10nm以上
0.5μm以下が特に好ましい。また、少なくとも一方
のパターン部分の二色性比は、1.5以上が好ましく、
2以上がさらに好ましく、3以上が特に好ましい。ま
た、パターンの最少寸法は、用途によるが、1mm以下
が好ましく、100μm以下がさらに好ましく、10μ
m以下が特に好ましい。また、本発明[6]は、フッ素
樹脂配向膜を表面に有する基板上に、[4]記載の一般
式(1)で表される構造を有する二色性色素材料の薄膜
を形成し、該薄膜を少なくとも2つの部分に区別される
パターン状の光の照射下で、50℃以上かつ該二色性色
素材料の融点以下の温度に加熱する[5]記載の二色性
色素薄膜の製造方法である。具体的には、光をフォトマ
スクなどを通して2次元のパターンとして照射すれば、
配向色素膜において照射しながら加熱した部分は、他の
部分よりも配向が向上するため、配向度の異なる、即ち
配向度の強弱の2次元パターンを配向色素膜面内に形成
できる。また、他の製造方法としては、基板表面のフッ
素樹脂配向膜をパターンにする等の方法が挙げられる。
該二色性色素薄膜は、光制御フィルム、光記録材料など
の光学材料の分野に使用されることが期待できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を更に詳細に説明するために実
施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、本発明における二色性比とは、特定の波長に
おける、配向色素膜の配向方向に平行な方向の偏光の吸
光度(A1)と、配向色素膜の配向方向と直交する方向
の偏光の吸光度(A2)を測定し、次の式により求めた
ものであり、特に吸収ピーク波長での値を用いた。吸光
度の値としては、基材による吸収を差し引いて、配向色
素膜単独のものを用いた。
【数1】二色性比=A1/A2
【0025】実施例1 <配向膜の形成>米国特許5180470号明細書記載
の方法を用いることにより、PTFEの配向膜を得た。
具体的には、約300℃に加熱したガラス基板(2.5
cm×8.0cm)上に直径1cm長さ2cmのPTF
Eの円柱の側面たる曲面を5kgfの圧力で押しつけ、
基板を0.1cm/秒の速度で移動することにより、幅
2.0cm×長さ7.0cmのPTFE配向膜を得た。 <色素膜の形成>得られたPTFE配向膜上に、アゾ系
色素である表1記載の(13)[日本感光色素社製の商
品名G232]を蒸着した。蒸着時の基板温度を100
℃とした。蒸着の際の真空度は、10-5Torr以下で
あった。得られた色素膜の厚さは約120nmであっ
た。 <二色性比の評価>300nmから700nmの範囲の
偏光吸光度を測定すると、520nmに吸収ピークがあ
った。吸収ピークでの二色性比は15であった。
【0026】実施例2 <色素膜の形成>実施例1と同様にして得たPTFE配
向膜上に、アゾ系色素である表1ー1記載の(8)[日
本感光色素社製の商品名G207]を蒸着した。蒸着時
の基板温度を100℃とした。蒸着の際の真空度は、1
-5Torr以下であった。得られた色素膜の厚さは約
120nmであった。 <二色性比の評価>300nmから700nmの範囲の
偏光吸光度を測定すると、380nmに吸収ピークがあ
った。吸収ピークでの二色性比は6.8であった。
【0027】実施例3 <色素膜の形成>実施例1と同様にして得たPTFE配
向膜上に、アゾ系色素である表1記載の(12)を蒸着
した。蒸着時の基板温度を200℃とした。蒸着の際の
真空度は、10-5Torr以下であった。得られた色素
膜の厚さは約110nmであった。 <二色性比の評価と加熱処理>300nmから700n
mの範囲の偏光吸光度を測定すると、591nmに吸収
ピークがあった。波長591nmでの二色性比は1.4
であった。この試料を100℃で20分加熱してから同
じ測定を行った。680nmに吸収ピークがあった。波
長680nmでの二色性比は3.2であった。
【0028】実施例4 <色素膜の形成>実施例1と同様にして得たPTFE配
向膜上に、アゾ系色素である表1記載の(3)を蒸着し
た。蒸着時の基板温度を100℃とした。蒸着の際の真
空度は、10-5Torr以下であった。得られた色素膜
の厚さは約100nmであった。 <二色性比の評価と加熱処理>300nmから700n
mの範囲の偏光吸光度を測定すると600nmに吸収ピ
ークがあった。波長600nmでの二色性比は1.1で
あった。この試料を100℃で20分加熱してから同じ
測定を行った。800nm以上に吸収ピークがあった。
波長800nmでの二色性比は3.6であった。
【0029】実施例5 <色素膜の形成>実施例1と同様にして得たPTFE配
向膜上に、アゾ系色素である表1記載の(6)を蒸着し
た。蒸着の際の真空度は、10-5Torr以下であっ
た。得られた色素膜の厚さは約64nmであった。 <二色性比の評価と加熱処理>この試料を蛍光燈下窒素
気流中で200℃で30分加熱してから測定を行った。
300nmから700nmの範囲の偏光吸光度を測定す
ると408nmと627nmに吸収ピークがあった。波
長627nmでの二色性比は3であった。
【0030】実施例6 <色素膜の形成>実施例1と同様にして得たPTFE配
向膜上に、アゾ系色素である表1記載の(6)を蒸着し
た。蒸着時の基板温度を200℃とした。蒸着の際の真
空度は、10-5Torr以下であった。得られた色素膜
の厚さは約90nmであった。 <二色性比の評価と加熱処理>300nmから700n
mの範囲の偏光吸光度を測定すると370nm及び52
6nmに吸収ピークがあった。波長526nmでの二色
性比は1.2であった。この試料を蛍光燈下窒素気流中
200℃で30分加熱してから同じ測定を行った。37
8nm及び563nmに吸収ピークがあった。波長56
3nmでの二色性比は4.7であった。
【0031】実施例7 <色素膜の形成>実施例6と同じ操作で色素膜を得た。 <二色性比の評価と加熱処理>この試料に蛍光燈光をフ
ォトマスクを介して照射しながら窒素気流中200℃で
20分加熱する。試料にはフォトマスクのパターンに対
応して二色性比の高い部分と低い部分が形成される。
【0032】比較例1 <配向膜の形成>実施例1と同じ操作でPTFE配向膜
を得た。 <色素膜の形成>基板温度を15〜25℃とする以外は
実施例1と同じ操作で、得られたPTFE配向膜上に、
アゾ系色素である表1記載の(13)[日本感光色素社
製の商品名G232]を蒸着した。蒸着の際の真空度
は、10-5Torr以下であり、蒸着速度は1nm/秒
であった。得られた色素膜の厚さは120nmであっ
た。 <二色性比の評価>300nmから700nmの範囲の
偏光吸光度を測定すると、400nmに吸収ピークがあ
った。吸収ピークでの二色性比は1.4であった。
【0033】比較例2 <色素膜の形成>基板温度を15〜25℃とする以外は
実施例2と同じ操作で、得られたPTFE配向膜上に、
アゾ系色素である表1−1記載の(8)[日本感光色素
社製の商品名G207]を蒸着した。蒸着の際の真空度
は、10-5Torr以下であり、蒸着速度は1nm/秒
であった。得られた色素膜の厚さは約120nmであっ
た。 <二色性比の評価>300nmから700nmの範囲の
偏光吸光度を測定すると、388nmに吸収ピークがあ
った。吸収ピークでの二色性比は5.8であった。
【0034】比較例3 <色素膜の形成>基板温度を15〜25℃とする以外は
実施例3と同じ操作で、得られたPTFE配向膜上に、
アゾ系色素である表1記載の(12)を蒸着した。 <二色性比の評価>300nmから700nmの範囲の
偏光吸光度を測定すると、585nmに吸収ピークがあ
った。波長591nmでの二色性比は1.1であった。
【0035】比較例4 <色素膜の形成>実施例6と同じ実験を行った。 <二色性比の評価と加熱処理>この試料を暗所で窒素気
流中200℃で30分加熱してから測定を行った。39
5nmに吸収ピークがあった。波長395nmでの二色
性比は1.2であった。
【0036】
【発明の効果】本発明の製造方法で作製した配向色素膜
は、配向が良好なために二色性比が高いので工業的価値
が大きい。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂配向膜を表面に有する基板を、
    50℃以上かつ二色性色素材料の融点以下の温度に加熱
    した状態において、該基板上に二色性色素材料を気相か
    ら堆積することを特徴とする配向色素膜の製造方法。
  2. 【請求項2】フッ素樹脂配向膜を表面に有する基板を、
    50℃以上かつ二色性色素材料の融点以下の温度に加熱
    した状態において、該基板上に二色性色素材料を気相か
    ら堆積し、次にこの二色性色素材料の薄膜を50℃以上
    かつ該二色性色素材料の融点以下の温度に加熱すること
    を特徴とする配向色素膜の製造方法。
  3. 【請求項3】フッ素樹脂配向膜を表面に有する基板上
    に、二色性色素材料の薄膜を形成し、該薄膜を50℃以
    上かつ該二色性色素材料の融点以下の温度に加熱するこ
    とを特徴とする配向色素膜の製造方法。
  4. 【請求項4】フッ素樹脂配向膜を表面に有する基板上
    に、一般式(1)で表される構造を有する二色性色素材
    料の薄膜を形成し、該薄膜を光照射下で、50℃以上か
    つ該二色性色素材料の融点以下の温度に加熱することを
    特徴とする配向色素膜の製造方法。 【化1】 〔ここで、n=0〜3の正数である。Arは、それぞれ
    独立に下記構造から選ばれる基である。 【化2】 Ar’は、それぞれ独立に下記構造から選ばれる基であ
    る。 【化3】 (ここで、X1 〜X27は、それぞれ独立に水素原子、水
    酸基、アミノ基、アリルアミノ基、アシルアミノ基、炭
    素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ
    基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20の複
    素環化合物基、カルボン酸基、スルホン酸基、スルホン
    アミド基、スルホンアルキルアミド基、ハロゲン、シア
    ノ基又はニトロ基を示す。1つの芳香族環に2つ以上の
    種類の置換基が存在してもよい。芳香環におけるこれら
    置換基の数は置換可能な数まで使用することができる。
    また、アゾ基をはさむ2つのベンゼン環にアゾ基と隣接
    してそれぞれ水酸基があり、銅、ニッケル、亜鉛又は鉄
    から選ばれる1つの遷移金属原子と錯結合していてもよ
    い。)〕
  5. 【請求項5】二色性色素材料が、請求項4記載の一般式
    (1)で表される構造を有することを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の配向色素膜の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項4記載の一般式(1)で表される構
    造を有する二色性色素材料の薄膜において、該薄膜面内
    に少なくとも2つの部分に区別されるパターンが形成さ
    れてなり、その中の1つのパターンにおいて、該薄膜が
    400〜800nmの範囲に少なくとも1種の吸収ピー
    クを有し、該吸収ピーク波長において該パターン以外の
    部分よりも高い二色性比を有することを特徴とする二色
    性色素薄膜。
  7. 【請求項7】フッ素樹脂配向膜を表面に有する基板上
    に、請求項4記載の一般式(1)で表される構造を有す
    る二色性色素材料の薄膜を形成し、該薄膜を少なくとも
    2つの部分に区別されるパターン状の光の照射下で、5
    0℃以上かつ該二色性色素材料の融点以下の温度に加熱
    することを特徴とする請求項6記載の二色性色素薄膜の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010039154A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Nitto Denko Corp 偏光膜、コーティング液、偏光膜の製造方法、及びジスアゾ化合物
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