JPH09280822A - 光波干渉測定装置 - Google Patents

光波干渉測定装置

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Publication number
JPH09280822A
JPH09280822A JP8117083A JP11708396A JPH09280822A JP H09280822 A JPH09280822 A JP H09280822A JP 8117083 A JP8117083 A JP 8117083A JP 11708396 A JP11708396 A JP 11708396A JP H09280822 A JPH09280822 A JP H09280822A
Authority
JP
Japan
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light
frequency
polarization
measurement
interference
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Application number
JP8117083A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Kawai
斉 河井
Jun Kawakami
潤 川上
Koichi Tsukihara
浩一 月原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication of JPH09280822A publication Critical patent/JPH09280822A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光ビームスプリッターにおける漏れ光に起
因するクロストークの低減された、測定精度の高い光波
干渉測定装置。 【解決手段】 第2干渉光生成系は、第2の測定光の偏
光方位を所定角度回転させるための第1偏光方位回転手
段と、第1偏光方位回転手段を介した第2の測定光を第
2の周波数とは異なる周波数を有し且つ偏光方位回転手
段を介した第3の測定光の偏光方位と平行な偏光方位を
有する光に変換するための第1周波数変換素子とを有
し、第3干渉光生成系は、第2の参照光の偏光方位を所
定角度回転させるための第2偏光方位回転手段と、第2
偏光方位回転手段を介した第2の参照光を第2の周波数
とは異なる周波数を有し且つ偏光方位回転手段を介した
第3の参照光の偏光方位と平行な偏光方位を有する光に
変換するための第2周波数変換素子とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光波干渉測定装置お
よび光波干渉測定方法に関し、特に高精度な変位計測を
行うための光波干渉測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の光波干渉測定装置の構成
を概略的に示す図である。図5の光波干渉測定装置は、
移動鏡6の光軸方向(図中矢印方向)の変位量を測長す
るものである。測長用光源12は、周波数ω1 の光と周
波数ω1'(ω1'=ω1 +Δω1 )の光とを含む光を射出
する。この2つの光は、周波数が互いにわずかに異な
り、偏光方位が互いに直交している。
【0003】この2つの光は、ビームスプリッター13
を介して偏光ビームスプリッタ4に入射し、周波数ω1'
の光と周波数ω1 の光とに分離される。周波数ω1'の光
は参照光となり、固定鏡5で反射された後、再び偏光ビ
ームスプリッタ4に戻る。また、周波数ω1 の光は測定
光となり、移動鏡6で反射された後、再び偏光ビームス
プリッタ4に戻る。
【0004】偏光ビームスプリッタ4に戻ってきた測定
光と参照光とは、同一光路に沿って偏光ビームスプリッ
タ4から射出される。同一光路に沿って偏光ビームスプ
リッタ4から射出された測定光と参照光とは、偏光板
(不図示)を介して干渉する。干渉光は、受光素子16
で受光される。受光素子16で変換された測定ビート信
号(周波数Δω1 )は、位相計17に入力される。
【0005】一方、測長用光源12から射出された2つ
の光の一部はビームスプリッタ13によって反射され、
偏光板(不図示)を介して干渉する。干渉光は受光素子
14によって検出され、参照ビート信号(周波数Δ
ω1 )として位相計17に入力される。 位相計17
は、参照ビート信号に対する測定ビート信号の位相変化
を測定することによって移動鏡6の変位量を求め、その
変位量情報に関する信号を演算器35に出力する。
【0006】ところで、図5のような光波の干渉による
測長を精密(高精度)に行うためには、光路中の空気
(またはその他の気体)の屈折率変動を無視することが
できない。そこで、従来の光波干渉測定装置は、図5に
示すように、測定光路中の空気の屈折率変動に起因する
測長誤差の補正手段としてエアセンサ32を備えてい
る。すなわち、エアセンサ32を用いて測定光路中の大
気の温度、圧力、湿度を測定し、この測定結果に基づい
て光の波長を補正することによって、空気の屈折率変動
に起因する測長誤差を補正している。
【0007】すなわち、真の変位量をDとし、空気の屈
折率をnとし、nは空間的に一様であるとすると、光波
干渉測定装置で測定される変位量Dmは、
【数1】Dm=nD・・・(1) と表される。
【0008】ここで、nを光の波長を用いて表すと、
【数2】Dm=λ0 D/λ・・・(2) となる。但し、λ=c/ωである。ここで、λ0 は真空
中の光の波長であり、λは測定光路に沿った光の波長で
ある。
【0009】なお、波長λは、測定光路中の空気の温
度、圧力、湿度に依存する量である。したがって、測定
光路に沿った空気の温度、圧力、湿度をエアセンサ32
で測定することにより、波長λを求めることができる。
すなわち、演算器35は、位相計17からの変位Dmの
信号と、エアセンサ32からの温度、圧力、湿度の測定
信号と、式(2)に示す演算式とに基づいて、移動鏡6
の真の変位量Dを求めることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
技術では、測定光路の1箇所のみにおいて空気の温度、
圧力、湿度をエアセンサで検出している。このため、空
気の屈折率が測定光路に沿って一様に変動している場合
には正確な補正が可能であるが、空気の屈折率が測定光
路上において局所的に変動している場合には、空気の屈
折率変動に起因する測長誤差を正確に補正することがで
きないという不都合があった。
【0011】そこで、本発明者等は、特願平6−335
696号の明細書および図面において、異なる周波数の
光を用いて空気の屈折率変動に起因する測長誤差を補正
することの可能な光波干渉測定装置を提案している。な
お、特願平6−335696号の明細書および図面に開
示された光波干渉測定装置は、本件出願時に未だ公開さ
れておらず、本件出願の従来技術に属していない。
【0012】図4は、特願平6−335696号の明細
書および図面に開示の光波干渉測定装置の構成を概略的
に示す図である。なお、図4において、図5の従来の光
波干渉測定装置の構成要素と同様な要素については同じ
参照符号を付している。以下、図5の装置との相違に着
目して図4の装置の説明を行い、重複する説明を省略す
る。
【0013】図4の光波干渉測定装置では、測長用光源
12から射出される光と同じ光路上に、2つの異なる周
波数ω2 (基本波)およびω3 (第2高調波:2ω2
ω3)のレーザ光を結合させている。こうして、この2
つの異なる周波数のレーザ光により、測長用干渉計の光
路中での空気(または他の気体等)の屈折率変動を求め
ることができる。
【0014】図4の光波干渉測定装置では、光源1から
射出された周波数ω2 の光の一部が第2高調波変換素子
(以下、「SHG変換素子」という)2によって周波数
ω3(ω3 =2ω2 )の光に変換され、残部はSHG変
換素子2をそのまま透過する。なお、SHG変換素子2
を介した周波数ω2 の光および周波数ω3 の光の偏光方
位は、測長用光源12から射出される光の偏光方位に対
して45°の角度をなしている。周波数ω2 の光および
周波数ω3 の光は、たとえばダイクロイックミラーから
なる周波数結合素子3によって測長用光源12から射出
された周波数ω1 の光と同一光路上に結合する。結合さ
れた光は、同じ光路を介して、偏光ビームスプリッター
4に入射する。
【0015】周波数ω2 の光および周波数ω3 の光は、
偏光ビームスプリッター4によって、固定鏡5側に反射
される光(参照光)と移動鏡6側へ透過する光(測定
光)とに分割される。参照光と測定光とは、その偏光方
位が互いに直交しているが、いずれも周波数ω2 の光お
よび周波数ω3 の光をそれぞれ含んでいる。その後、固
定鏡5および移動鏡6でそれぞれ反射された参照光およ
び測定光(それぞれ周波数ω2 の光および周波数ω3
光を含む)は、偏光ビームスプリッター4に入射して結
合され、同一光路に沿って射出される。
【0016】偏光ビームスプリッター4で結合された周
波数ω2 の光および周波数ω3 の光は、たとえばダイク
ロイックミラーからなる周波数分離素子7で反射され
る。こうして、周波数ω2 の光および周波数ω3 の光
は、周波数分離素子7を透過する周波数ω1 の光と分離
され、偏光ビームスプリッター20に入射する。偏光ビ
ームスプリッター20は、移動鏡6で反射された測定光
(周波数ω2 の光および周波数ω3 の光)を透過し、固
定鏡5で反射された参照光(周波数ω2 の光および周波
数ω3 の光)を反射する。
【0017】偏光ビームスプリッター20を透過した周
波数ω2 の光および周波数ω3 の光のうち周波数ω2
光の一部は、SHG変換素子8によって周波数ω3 (2
ω2=ω3 )の光に変換される。一方、周波数ω3 の光
は、SHG変換素子8をそのまま透過する。その結果、
SHG変換素子8によって周波数ω2 から周波数ω3
変換された光と移動鏡6で反射された周波数ω3 の光と
が干渉し、その干渉光が受光素子10によって検出され
る。また、偏光ビームスプリッター20で反射された周
波数ω2 の光および周波数ω3 の光についても、SHG
変換素子9の作用により、周波数ω2 から周波数ω3
変換された光と固定鏡5で反射された周波数ω3 の光と
の干渉光が受光素子11で検出される。
【0018】受光素子10および11でそれぞれ検出さ
れた干渉信号は、位相計18に入力される。位相計18
では、受光素子11からの干渉信号(参照信号)に対す
る受光素子10からの干渉信号(測定信号)の位相変化
を測定する。こうして、周波数ω3 の光に対する光路長
変化D(ω3 )と周波数ω2 の光に対する光路長変化D
(ω2 )との差すなわち{D(ω3 )−D(ω2 )}を
求めることができる。位相計18で求められた{D(ω
3 )−D(ω2 )}に関する信号は、演算器19に供給
される。
【0019】演算器19では、測長用光源12を用いた
測長用干渉計で測定した移動鏡6の変位量Dmを補正
し、真の変位量(幾何学的な距離)Dが求められる。以
下、移動鏡6の変位量Dmから真の変位量(幾何学的な
距離)Dへの補正について説明する。周波数ω1 、ω2
およびω3 の光に対する光路長変化D(ω1 )、D(ω
2 )およびD(ω3 )は、それぞれ次の式(3)乃至
(5)により表される。
【0020】
【数3】D(ω1 )=n1 ・D ・・・(3)
【数4】D(ω2 )=n2 ・D ・・・(4)
【数5】D(ω3 )=n3 ・D ・・・(5)
【0021】ここで、Dは幾何学的な距離であり、n1
〜n3 は周波数ω1 〜ω3 の光に対する光路中の空気
(または他の気体)の屈折率である。上述の式(3)乃
至(5)より、幾何学的距離Dは次の式(6)によって
与えられる。
【数6】 D=D(ω1 )−A〔D(ω3 )−D(ω2 )〕・・・(6) 但し、A=(n1 −1)/(n3 −n2 )である。
【0022】式(6)の右辺第2項のD(ω3 )−D
(ω2 )は、上述したように、位相計18によって求め
ることができる。また、右辺第1項のD(ω1 )は、位
相計17によって求めることができる。したがって、演
算器19では、位相計17の出力信号と位相計18の出
力信号とに基づいて、式(6)の演算式により、測長用
干渉計で測定した変位量D(ω1 )を補正し、真の変位
量Dを求めることができる。
【0023】図4の光波干渉測定装置では、光源1から
の周波数ω2 の光および周波数ω3の光が、測長用光源
12から射出された測長用の光と同一の光路を通る。こ
のため、空気の屈折率変動が測定光路に沿って一様でな
い場合も、空気の屈折率変動に起因する測長誤差を補正
し、移動鏡の光軸方向の変位量を高精度に測定すること
ができる。
【0024】しかしながら、図4の光波干渉測定装置で
は、移動鏡6で反射された周波数ω2 の光および周波数
ω3 の光からなる測定光と、固定鏡5で反射された周波
数ω2 の光および周波数ω3 の光からなる参照光とが、
偏光ビームスプリッター4で一旦結合され、その後偏光
ビームスプリッター20で分離される。このため、偏光
ビームスプリッター20の偏光特性(性能や配置の不完
全さなど)に起因して測定のS/N比が悪くなり、測定
精度が低下することがある。以下、偏光ビームスプリッ
ター20の偏光特性(性能や配置の不完全さなど)に起
因する測定精度の低下について説明する。
【0025】偏光ビームスプリッター20で分離された
周波数ω2 の光および周波数ω3 の光は、上述したよう
に、受光素子11で検出される周波数ω2 の光および周
波数ω3 の光の信号と、受光素子10で検出される周波
数ω2 の光および周波数ω3の光の信号との位相差とし
て検出される。したがって、偏光ビームスプリッター2
0に入射した光が固定鏡5で反射された参照光と移動鏡
6で反射された測定光とに精度良く分離されない場合、
それぞれの受光素子に対して検出すべき光以外の光が漏
れ光として入射してしまう。その結果、その漏れ光がク
ロストークとなり、測定精度が低下してしまう。特に、
周波数ω2 の光および周波数ω3 の光のうち、周波数の
高い光すなわち周波数ω3 の光の漏れ光が測定誤差に大
きく影響する。
【0026】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、偏光ビームスプリッターにおける漏れ光に起
因するクロストークの低減された、測定精度の高い光波
干渉測定装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明において、第1の周波数を有する第1の光
と、第2の周波数を有する第2の光と、前記第2の周波
数とは異なる第3の周波数を有する第3の光とを同一光
路に沿って出力するための光源部と、前記光源部から出
力された前記第1の光、前記第2の光および前記第3の
光を、固定鏡までの参照光路に沿って導かれる参照光
と、移動鏡までの測定光路に沿って導かれる測定光とに
それぞれ偏光分離するための第1偏光ビームスプリッタ
ーと、前記測定光路および前記参照光路を介して前記第
1偏光ビームスプリッターから同一光路に沿って射出さ
れた前記第1の光に基づいて、前記測定光路を介した測
定光と前記参照光路を介した参照光との第1干渉光を生
成するための第1干渉光生成系と、前記測定光路および
前記参照光路を介して前記第1偏光ビームスプリッター
から同一光路に沿って射出された前記第2の光および前
記第3の光を、前記測定光路を介した前記第2の周波数
を有する第2の測定光および前記第3の周波数を有する
第3の測定光と、前記参照光路を介した前記第2の周波
数を有する第2の参照光および前記第3の周波数を有す
る第3の参照光とに偏光分離するための第2偏光ビーム
スプリッターと、前記第2偏光ビームスプリッターによ
って分離された前記第2の測定光および前記第3の測定
光のうち前記第2の測定光の周波数を前記第3の測定光
の周波数とほぼ一致させて第2干渉光を生成するための
第2干渉光生成系と、前記第2偏光ビームスプリッター
によって分離された前記第2の参照光および前記第3の
参照光のうち前記第2の参照光の周波数を前記第3の参
照光の周波数とほぼ一致させて第3干渉光を生成するた
めの第3干渉光生成系と、前記第1干渉光に基づいて測
定された前記移動鏡の変位量を、前記第2干渉光および
前記第3干渉光に基づいて測定された前記測定光路中の
屈折率変動情報に基づいて補正するための補正手段とを
備え、前記第2干渉光生成系は、前記第2の測定光の偏
光方位を所定角度回転させるための第1偏光方位回転手
段と、前記第1偏光方位回転手段を介した前記第2の測
定光を前記第2の周波数とは異なる周波数を有し且つ前
記偏光方位回転手段を介した前記第3の測定光の偏光方
位と平行な偏光方位を有する光に変換するための第1周
波数変換素子とを有し、前記第3干渉光生成系は、前記
第2の参照光の偏光方位を所定角度回転させるための第
2偏光方位回転手段と、前記第2偏光方位回転手段を介
した前記第2の参照光を前記第2の周波数とは異なる周
波数を有し且つ前記偏光方位回転手段を介した前記第3
の参照光の偏光方位と平行な偏光方位を有する光に変換
するための第2周波数変換素子とを有することを特徴と
する光波干渉測定装置を提供する。
【0028】本発明の好ましい態様によれば、前記第1
偏光方位回転手段は、前記第2の測定光に対して1/2
波長板として作用するとともに前記第3の測定光に対し
て1波長板として作用し、前記第1の周波数変換素子は
第2高調波変換素子(以下、「SHG変換素子」とい
う)であり、前記第3の測定光の偏光方位と平行な異常
光線方位を有する負の非線形結晶からなり、前記第2偏
光方位回転手段は、前記第2の参照光に対して1/2波
長板として作用するとともに前記第3の参照光に対して
1波長板として作用し、前記第2の周波数変換素子はS
HG変換素子であり、前記第3の参照光の偏光方位と平
行な異常光線方位を有する負の非線形結晶からなる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の光波干渉測定装置では、
第2偏光ビームスプリッターを介した第2の光および第
3の光の偏光方位とSHG変換素子の異常光線方位とを
平行にしている。そして、第2の光および第3の光のう
ち第2高調波に変換すべき第2の光の偏光方位を、偏光
方位回転手段によって所定角度だけ回転させている。し
たがって、偏光方位回転手段とSHG変換素子との組み
合わせ作用により、SHG変換された第2の光の偏光方
位とSHG変換されない第3の光の偏光方位とを一致さ
せることができる。
【0030】一方、第2偏光ビームスプリッターを介し
た第2漏れ光(第2の光に対応する漏れ光)および第3
漏れ光(第2の光に対応する漏れ光)の偏光方位と第2
の光および第3の光の偏光方位とが直交しているので、
SHG変換されない第3漏れ光の偏光方位とSHG変換
された第2の光の偏光方位とは必然的に直交する。その
結果、第3漏れ光と第2の光とは全く干渉しない。ま
た、SHG変換された光第2漏れ光の偏光方位は、SH
G変換されない第3の光の偏光方位と一致する。しかし
ながら、SHG変換された第2漏れ光の強度は極めて小
さいので、第2漏れ光と第3の光との干渉によるクロス
トークの影響は極めて小さく、測定精度は実質的に低下
しない。
【0031】以下、本発明の実施例を、添付図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の第1実施例にかかる光
波干渉測定装置の構成を概略的に示す図である。なお、
第1実施例の光波干渉測定装置では、いわゆるホモダイ
ン干渉方式を用いて屈折率変動の測定を行っている。
【0032】図1の光波干渉測定装置は、屈折率変動を
測定するための光を供給する光源1を備えている。光源
1から射出された周波数ω2 の光はSHG変換素子2に
入射し、周波数ω2 の光の一部がSHG変換素子2によ
り周波数ω3 (ω3 =2ω2)のSHG光に変換され、
残部はSHG変換素子2をそのまま透過する。SHG変
換素子2から射出された周波数ω2 の光および周波数ω
3 の光は、たとえばダイクロイックミラーからなる周波
数結合素子3によって反射され、後述する測長用光源1
2からの光(周波数ω1 近傍の光)と同一光路上に結合
される。なお、周波数結合素子3は、周波数ω1 近傍の
光のみを透過し、それ以外の周波数の光を反射する特性
を有する。
【0033】周波数結合素子3で反射された周波数ω2
の光および周波数ω3 の光は、偏光ビームスプリッタ4
に入射する。偏光ビームスプリッタ4は、周波数ω2
光および周波数ω3 の光の偏光方位に対して45°だけ
傾いて配置されている。したがって、偏光ビームスプリ
ッタ4に入射した光は、2つの光、すなわち偏光ビーム
スプリッタ4で反射されて固定鏡5に導かれる参照光
と、偏光ビームスプリッタ4を透過して移動鏡6に導か
れる測定光とに分割される。このように、参照光と測定
光とは偏光方位が互いに直交しており、いずれも周波数
ω2 の光および周波数ω3 の光の双方を含んでいる。
【0034】偏光ビームスプリッタ4で反射された参照
光は、コーナキューブプリズムからなる固定鏡5で反射
された後、再び偏光ビームスプリッタ4に戻る。他方、
偏光ビームスプリッタ4を透過した測定光も移動台(不
図示)に取り付けられたコーナキューブプリズムからな
る移動鏡6で反射され、再び偏光ビームスプリッタ4に
戻る。
【0035】こうして、参照光路を介して偏光ビームス
プリッタ4から射出された周波数ω2 の光および周波数
ω3 の光と、測定光路を介して偏光ビームスプリッタ4
から射出された周波数ω2 の光および周波数ω3 の光と
は、同一光路に沿って周波数分離素子7に入射する。周
波数分離素子7は周波数結合素子3と同様に、たとえば
ダイクロイックミラーで構成され、周波数がω1 近傍の
光のみを透過し、他の周波数の光を反射する特性を有す
る。したがって、周波数ω2 の光および周波数ω3 の光
は、周波数分離素子7の作用により、後述する測長用光
源12からの光(周波数ω1 近傍の光)から分離され
る。
【0036】周波数分離素子7で反射された周波数ω2
の光と周波数ω3 の光、すなわち参照光路を介した周波
数ω2 の光および周波数ω3 の光と、測定光路を介した
周波数ω2 の光および周波数ω3 の光とは、同一光路に
沿って偏光ビームスプリッター20に入射する。偏光ビ
ームスプリッター20は、移動鏡6で反射された測定光
(周波数ω2 の光および周波数ω3 の光)を透過し、固
定鏡5で反射された参照光(周波数ω2 の光および周波
数ω3 の光)を反射する。
【0037】偏光ビームスプリッター20を透過した周
波数ω2 の光および周波数ω3 の光のうち周波数ω2
光は、波長板21を介した後、SHG変換素子8によっ
て周波数ω3 (2ω2 =ω3 )の光に変換される。一
方、周波数ω3 の光は、波長板21を介した後、SHG
変換素子8をそのまま透過する。その結果、SHG変換
素子8によって周波数ω2 から周波数ω3 に変換された
光と移動鏡6で反射された周波数ω3 の光とが干渉し、
その干渉光が受光素子10によって検出される。
【0038】また、偏光ビームスプリッター20で反射
された周波数ω2 の光および周波数ω3 の光について
も、波長板22を介した後、SHG変換素子9の作用に
より、周波数ω2 から周波数ω3 に変換された光と固定
鏡5で反射された周波数ω3 の光との干渉光が受光素子
11で検出される。なお、波長板21および波長板22
は、周波数がω3 近傍の光に対して1波長板として機能
し、周波数がω2 近傍の光に対して1/2波長板として
機能する光学素子であって、その作用については図2を
参照して後述する。受光素子11からの干渉信号(参照
信号)および受光素子10からの干渉信号(測定信号)
は、ともに位相計18に供給される。
【0039】位相計18では、参照光路を介した周波数
ω2 の光と周波数ω3 の光とによる干渉信号(参照信
号)と測定光路を介した周波数ω2 の光と周波数ω3
光とによる干渉信号(測定信号)との位相差に基づい
て、周波数ω3 の光に対する光路長変化D(ω3 )と周
波数ω2 の光に対する光路長変化D(ω2 )との差であ
る{D(ω3 )−D(ω2 )}を求める。位相計18で
求められた{D(ω3 )−D(ω2 )}に関する信号
は、演算器19に供給される。
【0040】図1の光波干渉測定装置はまた、移動鏡6
の光軸方向(図中矢印方向)の変位量を測長するための
光を供給する測長用光源12を備えている。測長用光源
12は、周波数が互いにわずかに異なり且つ偏光方位が
互いに直交する2つの光、すなわち周波数ω1 の光およ
び周波数ω1'(ω1'=ω1 +Δω1 )の光を同一光路に
沿って射出する。以下、この周波数ω1 の光と周波数ω
1'の光とを2周波光(または直交2周波光)と呼ぶ。測
長用光源12から射出されたこの直交2周波光の一部
は、ビームスプリッタ13を透過した後、周波数結合素
子3に入射する。
【0041】周波数結合素子3を透過した2周波光は、
偏光ビームスプリッタ4に入射する。偏光ビームスプリ
ッタ4は、周波数ω1'の光と同一な偏光方位の光を反射
し、周波数ω1 の光と同一な偏光方位の光を透過するよ
うに配置されている。したがって、偏光ビームスプリッ
タ4に入射した2周波光のうち周波数ω1'の光は、偏光
ビームスプリッタ4で反射され、参照光としてコーナキ
ューブプリズムからなる固定鏡5に導かれる。一方、2
周波光のうち周波数ω1 の光は、偏光ビームスプリッタ
4を透過し、測定光としてコーナキューブプリズムから
なる移動鏡6に導かれる。
【0042】参照光は、固定鏡5で反射された後、再び
偏光ビームスプリッタ4に戻る。また、偏光ビームスプ
リッタ4を透過した測定光も移動鏡6で反射され、再び
偏光ビームスプリッタ4に戻る。このように、周波数ω
1'の参照光は周波数ω2 の光および周波数ω3 の光から
なる参照光と同じ光路に沿って、周波数ω1 の測定光は
周波数ω2 の光および周波数ω3 の光からなる測定光と
同じ光路に沿って、偏光ビームスプリッタ4にそれぞれ
戻る。
【0043】こうして、参照光路を介して偏光ビームス
プリッタ4から射出された周波数ω1'の光と、測定光路
を介して偏光ビームスプリッタ4から射出された周波数
ω1の光とは、同一光路に沿って周波数分離素子7に入
射する。前述したように、周波数分離素子7は、周波数
がω1 近傍の光のみを透過し、他の周波数の光を反射す
る特性を有する。したがって、周波数ω1'の参照光およ
び周波数ω1 の測定光は、周波数分離素子7を透過す
る。周波数分離素子7を透過した周波数ω1'の参照光お
よび周波数ω1 の測定光は、偏光板(不図示)を介して
干渉する。干渉光は受光素子16で受光され、受光素子
16は干渉光に基づく測定ビート信号(周波数Δω1
を位相計17に供給する。
【0044】一方、測長用光源12から射出された2周
波光すなわち周波数ω1'の光および周波数ω1 の光の一
部は、ビームスプリッタ13によって反射された後、偏
光板(不図示)を介して干渉する。干渉光は、受光素子
14によって検出される。受光素子14は、周波数ω1'
の光と周波数ω1 の光との干渉光に基づく参照ビート信
号(周波数Δω1 )を位相計17に供給する。
【0045】位相計17では、参照ビート信号に対する
測定ビート信号の位相変化を測定することによって屈折
率変動の影響を考慮していない移動鏡6の変位量D(ω
1 )を求め、この変位量D(ω1 )に関する信号を演算
器19に供給する。演算器19では、位相計17からの
信号と位相計18からの信号と式(6)に示す演算式と
に基づいて、屈折率変動に起因する測定誤差を補正した
移動鏡6の真の変位量Dを、ひいては移動台の真の変位
量Dを求めて出力する。
【0046】図2は、図1の波長板21および22の作
用について説明する図であって、(a)は比較のために
波長板を備えていない従来例を、(b)は波長板を備え
た第1実施例をそれぞれ示している。なお、図2では、
波長板22およびSHG変換素子9からなり参照光を受
光すべき光学系について説明しているが、波長板21お
よびSHG変換素子8からなり測定光を受光すべき光学
系についても原理は全く同じである。
【0047】図2(a)において、周波数ω2 の光50
および周波数ω3 の光51は、偏光ビームスプリッター
20を介した参照光であり、ともに図面の紙面に垂直な
偏光方位を有する。また、周波数ω2 の光52および周
波数ω3 の光53は、本来偏光ビームスプリッター20
を透過すべき測定光のうち偏光ビームスプリッター20
で反射された漏れ光であり、ともに図面の紙面に垂直な
偏光方位を有する。
【0048】参照光のうち周波数ω3 の光51は、SH
G変換素子9をそのまま通過して、周波数ω3 の光61
となる。なお、周波数ω3 の光61の偏光方位は、紙面
に垂直なままである。一方、参照光のうち周波数ω2
光50は、SHG変換素子9を介して周波数ω3 の光6
0となる。なお、周波数ω3 の光60の偏光方位は、S
HG変換素子9の異常光線方位に沿った方向、すなわち
紙面に垂直な方向から光軸まわりに所定角度回転した方
向になる。
【0049】また、漏れ光のうち周波数ω3 の光53
は、SHG変換素子9をそのまま通過して、周波数ω3
の光63となる。なお、周波数ω3 の光63の偏光方位
は、紙面に平行なままである。一方、漏れ光のうち周波
数ω2 の光52は、SHG変換素子9を介して周波数ω
3 の光62となる。なお、周波数ω3 の光62の偏光方
位は、SHG変換素子9の異常光線方位に沿った方向、
すなわち紙面に垂直な方向から光軸まわりに所定角度回
転した方向になる。。
【0050】こうして、図示を省略した偏光板を介し
て、SHG変換素子9をそのまま通過した周波数ω3
参照光61と、SHG変換素子9を介して周波数が変換
された周波数ω3 の参照光60とが干渉する。この際、
SHG変換素子9をそのまま通過した周波数ω3 の漏れ
光63と、SHG変換素子9を介して周波数が変換され
た周波数ω3 の参照光60とが干渉する。その結果、漏
れ光63と参照光60との干渉がクロストークとなり、
測定精度が低下する。
【0051】そこで、第1実施例では、図2(b)に示
すように、偏光ビームスプリッター20とSHG変換素
子9との間の光路中に波長板22を付設している。波長
板22は、周波数ω3 の光に対して1波長板として作用
し、周波数ω2 の光に対して1/2波長板として作用す
る光学素子である。また、SHG変換素子9を構成する
負の非線形光学結晶の異常光線方位が図面の紙面に垂直
で、その常光線方位が図面の紙面に平行になるようにS
HG変換素子9が配置されている。そして、SHG変換
は、負の結晶でタイプIIの位相整合によるものとする。
【0052】したがって、偏光ビームスプリッター20
を介した周波数ω3 の参照光51は、参照光51に対し
て1波長板として作用する波長板22をそのまま通過し
て、紙面に垂直な偏光方位を有する周波数ω3 の光71
となる。一方、偏光ビームスプリッター20を介した周
波数ω2 の参照光50は、参照光50に対して1/2波
長板として作用する波長板22を介して、偏光方位が紙
面に垂直な方向から光軸まわりに所定角度回転した周波
数ω2 の光70となる。
【0053】また、偏光ビームスプリッター20を介し
た周波数ω3 の漏れ光53は、漏れ光53に対して1波
長板として作用する波長板22をそのまま通過して、紙
面に平行な偏光方位を有する周波数ω3 の光73とな
る。一方、偏光ビームスプリッター20を介した周波数
ω2 の漏れ光52は、漏れ光52に対して1/2波長板
として作用する波長板22を介して、偏光方位が紙面に
平行な方向から光軸まわりに所定角度回転した周波数ω
2 の光72となる。
【0054】周波数ω3 の参照光71は、SHG変換素
子9をそのまま通過して、周波数ω3 の光81となる。
なお、周波数ω3 の光81の偏光方位は、紙面に垂直な
ままである。一方、周波数ω2 の参照光70は、SHG
変換素子9を介して周波数ω3 の光80となる。なお、
周波数ω3 の光80の偏光方位は、SHG変換素子9の
異常光線方位に沿った方向、すなわち紙面に垂直な方向
になる。このように、周波数ω3 の光81の偏光方位と
周波数ω3 の光80の偏光方位とが一致する。
【0055】また、周波数ω3 の漏れ光73は、SHG
変換素子9をそのまま通過して、周波数ω3 の光83と
なる。なお、周波数ω3 の光83の偏光方位は、紙面に
平行なままである。一方、周波数ω2 の漏れ光72は、
SHG変換素子9を介して周波数ω3 の光82となる。
なお、周波数ω3 の光82の偏光方位は、SHG変換素
子9のの異常光線方位に沿った方向、すなわち紙面に垂
直な方向になる。このように、周波数ω3 の光83の偏
光方位は、周波数ω3 の光80の偏光方位と直交する。
【0056】こうして、SHG変換素子9をそのまま通
過した周波数ω3 の参照光81と、SHG変換素子9を
介して周波数が変換された周波数ω3 の参照光80とが
干渉する。この際、SHG変換素子9をそのまま通過し
た周波数ω3 の漏れ光83と、SHG変換素子9を介し
て周波数が変換された周波数ω3 の参照光80とは偏光
方位が互いに直交しているので干渉することがない。そ
の結果、漏れ光83と参照光80との干渉によるクロス
トークが発生することなく、測定精度は低下しない。
【0057】一方、SHG変換素子9をそのまま通過し
た周波数ω3 の参照光81と、SHG変換素子9を介し
て周波数が変換された周波数ω3 の漏れ光82とは干渉
する。しかしながら、SHG変換素子9の変換効率は入
射光の強度の二乗に比例するので、もともと弱い強度を
有する漏れ光72に基づいてSHG変換により得られた
漏れ光82の強度は極めて弱い。したがって、参照光8
1と漏れ光82との干渉によるクロストークの影響は極
めて弱く、測定精度が実質的に低下することがない。
【0058】このように、第1実施例では、偏光ビーム
スプリッター20を介した参照光50および51の偏光
方位とSHG変換素子9の異常光線方位とを平行にして
いる。そして、参照光50および51のうちSHG変換
すべき参照光50の偏光方位を、波長板22によって所
定角度だけ回転させている。したがって、波長板22と
SHG変換素子9との組み合わせ作用により、参照光5
0に基づくSHG変換された光80の偏光方位と参照光
51に基づくSHG変換されない光81の偏光方位とを
一致させることができる。
【0059】一方、漏れ光52、53の偏光方位と参照
光50、51の偏光方位とが直交しているので、漏れ光
53に基づくSHG変換されない光83の偏光方位と参
照光50に基づくSHG変換された光80の偏光方位と
は必然的に直交する。その結果、漏れ光83と参照光8
0とは全く干渉しない。また、漏れ光52に基づくSH
G変換された光82の偏光方位は、参照光51に基づく
SHG変換されない光81の偏光方位と一致する。しか
しながら、上述したように、漏れ光52に基づくSHG
変換された光82の強度は極めて小さいので、漏れ光8
2と参照光81との干渉によるクロストークの影響は極
めて小さく、測定精度は実質的に低下しない。
【0060】図3は、本発明の第2実施例にかかる光波
干渉測定装置の構成を概略的に示す図である。なお、第
2実施例の光波干渉測定装置では、いわゆるヘテロダイ
ン干渉方式を用いて屈折率変動の測定を行っている。
【0061】図3の光波干渉測定装置では、ヘテロダイ
ン方式を用いて周波数ω2 の光と周波数ω3 の光との干
渉光を検出するために、SHG変換素子2と周波数結合
素子3との間に一対の周波数フィルター23a、23b
および周波数シフター24を付設している。しかしなが
ら、図3の装置の他の構成は、第1実施例の図1の装置
と基本的に同じである。したがって、図3において、第
1実施例の構成要素と同様の機能を有する要素には図1
と同じ参照符号を付している。以下、第1実施例との相
違点に着目して、第2実施例を説明する。
【0062】SHG変換素子2から射出された周波数ω
2 の光および周波数ω3 の光は、周波数フィルター23
aに入射する。周波数フィルター23aおよび23b
は、周波数ω3 の近傍の光を透過し、周波数ω2 の光を
反射する特性を有する。周波数フィルター23aを透過
した周波数ω3 の光は、周波数シフター24を介して周
波数ω3 からわずかに周波数のずれた周波数ω3'の光
(ω3'=ω3 +Δω3 )となる。なお、周波数シフター
24は、例えば音響光学素子等である。周波数シフター
24を介した周波数ω3'の光は、周波数フィルター23
bに入射する。
【0063】一方、周波数フィルター23aで反射され
た周波数ω2 の光は、2つの反射鏡を介して、周波数フ
ィルター23bに入射する。こうして、周波数ω3'の光
および周波数ω2 の光は、周波数フィルター23bの作
用によって再び同一光路上に結合される。その後、この
周波数ω2 の光および周波数ω3'の光は、第1実施例に
おける周波数ω2 の光および周波数ω3 の光と同様の光
路を介した後、周波数分離素子7によって測定光および
参照光として反射される。
【0064】周波数ω2 の光および周波数ω3'の光から
なる測定光のうち、周波数ω2 の光はSHG変換素子8
によって変換されて周波数ω3 の光となり、周波数シフ
ター24を介した周波数ω3'の光はSHG変換素子8を
そのまま透過する。このように、第1実施例とは異な
り、周波数が互いにΔω3 だけ異なる2つの光すなわち
周波数ω3 の光と周波数ω3'の光とがヘテロダイン干渉
する。また、周波数ω2の光および周波数ω3'の光から
なる参照光も同様に、SHG変換素子9を介して、ヘテ
ロダイン干渉する。
【0065】従って、受光素子11からの参照信号およ
び受光素子10からの測定信号は、ともに干渉ビート信
号となる。位相計18では、第1実施例と同様に、{D
(ω3 )−D(ω2 )}を求め、この値に関する信号を
演算器19に供給する。演算器19では、位相計17か
らの信号と位相計18からの信号と式(6)に示す演算
式とに基づいて、屈折率変動に起因する測定誤差を補正
した移動鏡6の真の変位量Dを求めて出力する。
【0066】このように、第2実施例の光波干渉測定装
置においても、屈折率変動の補正のための参照光と測定
光とのクロストークを実質的に回避することができ、精
度の高い測定を行うことができる。また、第2実施例で
は、周波数ω2 の光と周波数ω3 の光とを用いた屈折率
変動測定をヘテロダイン干渉方式で行っている。このた
め、電気的または光学的にヘテロダイン周波数のみ取り
出すことができるので、光源1の出力の変動による誤差
を受けにくく、位相差{D(ω3 )−D(ω2 )}を正
確に検出することができる。その結果、真の変位量Dの
検出精度を向上させることができる。
【0067】また、第2実施例では、周波数ω3 の光だ
けを周波数ω3'の光に周波数シフトしているが、周波数
ω2 の光および周波数ω3 の光をそれぞれ周波数ω2'の
光および周波数ω3'の光に周波数シフトしてもよい。ま
た、周波数ω2 の光だけを周波数ω2'の光に周波数シフ
トしてもよい。このように、周波数シフターを設けるこ
とにより、光源1への戻り光が回避され、光源1への戻
り光による測定誤差を低減することができる。
【0068】また、上述の各実施例では、コーナーキュ
ーブプリズムからなる固定鏡および移動鏡を用いている
が、コーナーキューブプリズムに代えて、平面鏡やキャ
ッツアイ等を用いてもよい。さらに、上述の各実施例で
は、測長用光源12が偏光方位が互いに直交し且つ周波
数が互いにわずかに異なる2つの光を射出し、この2周
波光に基づいて移動鏡6の変位をヘテロダイン干渉方式
を用いて測定している。しかしながら、測長用光源から
の単一の周波数を有する光に基づいて、ホモダイン干渉
方式により移動鏡6の変位を測定しても良い。
【0069】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、偏光方
位回転手段とSHG変換素子との組み合わせ作用によ
り、第3漏れ光と第2の光との干渉が回避される。さら
に、第2漏れ光の強度は極めて小さいので、第2漏れ光
と第3の光との干渉によるクロストークの影響は極めて
小さく、測定精度は実質的に低下しない。その結果、偏
光ビームスプリッターにおける漏れ光に起因するクロス
トークの低減された、測定精度の高い光波干渉測定装置
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる光波干渉測定装置
の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の波長板21および22の作用について説
明する図であって、(a)は比較のために波長板を備え
ていない従来例を、(b)は波長板を備えた第1実施例
をそれぞれ示している。
【図3】本発明の第2実施例にかかる光波干渉測定装置
の構成を概略的に示す図である。
【図4】特願平6−335696号明細書および図面に
開示の光波干渉測定装置の構成を概略的に示す図であ
る。
【図5】従来の光波干渉測定装置の構成を概略的に示す
図である。
【符号の説明】
1 光源 2、8、9 SHG変換素子 3 周波数結合素子 4、20 偏光分離素子 5、6 コーナーキューブプリズム 7 周波数分離素子 10、11 受光素子 14、16 受光素子 12 測長用光源 13 ビームスプリッター 17、18 位相計 19 演算器 21、22 波長板 23 周波数フィルター 24 音響光学素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の周波数を有する第1の光と、第2
    の周波数を有する第2の光と、前記第2の周波数とは異
    なる第3の周波数を有する第3の光とを同一光路に沿っ
    て出力するための光源部と、 前記光源部から出力された前記第1の光、前記第2の光
    および前記第3の光を、固定鏡までの参照光路に沿って
    導かれる参照光と、移動鏡までの測定光路に沿って導か
    れる測定光とにそれぞれ偏光分離するための第1偏光ビ
    ームスプリッターと、 前記測定光路および前記参照光路を介して前記第1偏光
    ビームスプリッターから同一光路に沿って射出された前
    記第1の光に基づいて、前記測定光路を介した測定光と
    前記参照光路を介した参照光との第1干渉光を生成する
    ための第1干渉光生成系と、 前記測定光路および前記参照光路を介して前記第1偏光
    ビームスプリッターから同一光路に沿って射出された前
    記第2の光および前記第3の光を、前記測定光路を介し
    た前記第2の周波数を有する第2の測定光および前記第
    3の周波数を有する第3の測定光と、前記参照光路を介
    した前記第2の周波数を有する第2の参照光および前記
    第3の周波数を有する第3の参照光とに偏光分離するた
    めの第2偏光ビームスプリッターと、 前記第2偏光ビームスプリッターによって分離された前
    記第2の測定光および前記第3の測定光のうち前記第2
    の測定光の周波数を前記第3の測定光の周波数とほぼ一
    致させて第2干渉光を生成するための第2干渉光生成系
    と、 前記第2偏光ビームスプリッターによって分離された前
    記第2の参照光および前記第3の参照光のうち前記第2
    の参照光の周波数を前記第3の参照光の周波数とほぼ一
    致させて第3干渉光を生成するための第3干渉光生成系
    と、 前記第1干渉光に基づいて測定された前記移動鏡の変位
    量を、前記第2干渉光および前記第3干渉光に基づいて
    測定された前記測定光路中の屈折率変動情報に基づいて
    補正するための補正手段とを備え、 前記第2干渉光生成系は、前記第2の測定光の偏光方位
    を所定角度回転させるための第1偏光方位回転手段と、
    前記第1偏光方位回転手段を介した前記第2の測定光を
    前記第2の周波数とは異なる周波数を有し且つ前記偏光
    方位回転手段を介した前記第3の測定光の偏光方位と平
    行な偏光方位を有する光に変換するための第1周波数変
    換素子とを有し、 前記第3干渉光生成系は、前記第2の参照光の偏光方位
    を所定角度回転させるための第2偏光方位回転手段と、
    前記第2偏光方位回転手段を介した前記第2の参照光を
    前記第2の周波数とは異なる周波数を有し且つ前記偏光
    方位回転手段を介した前記第3の参照光の偏光方位と平
    行な偏光方位を有する光に変換するための第2周波数変
    換素子とを有することを特徴とする光波干渉測定装置。
  2. 【請求項2】 前記第1偏光方位回転手段は、前記第2
    の測定光に対して1/2波長板として作用するとともに
    前記第3の測定光に対して1波長板として作用し、 前記第1周波数変換素子は、前記第3の測定光の偏光方
    位と平行な異常光線方位を有する負の非線形結晶からな
    り、 前記第2偏光方位回転手段は、前記第2の参照光に対し
    て1/2波長板として作用するとともに前記第3の参照
    光に対して1波長板として作用し、 前記第2周波数変換素子は、前記第3の参照光の偏光方
    位と平行な異常光線方位を有する負の非線形結晶からな
    ることを特徴とする請求項1に記載の光波干渉測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記光源部は、周波数が互いにわずかに
    異なり且つ偏光方位が互いに直交する周波数ω1 の光と
    周波数ω1'の光とを含んだ光を前記第1の光として出力
    し、 前記偏光ビームスプリッターは、前記周波数ω1 の光を
    前記測定光に、前記周波数ω1'の光を前記参照光にそれ
    ぞれ偏光分離することを特徴とする請求項1または2に
    記載の光波干渉測定装置。
  4. 【請求項4】 前記光源部は、 前記第1の光を出力するための第1光源部と、 前記第2の光および前記第3の光を出力するための第2
    光源部と、 前記第2光源部からの前記第2の光および前記第3の光
    と、前記第1光源部からの前記第1の光とを同一光路上
    に結合させるための周波数結合素子とを有することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光波干
    渉測定装置。
  5. 【請求項5】 前記第2光源部は、前記第2の光を出力
    するための光源と、前記光源からの前記第2の光の一部
    を周波数変換し、該周波数変換した光を前記第3の光と
    して出力するための周波数変換手段とを有することを特
    徴とする請求項4に記載の光波干渉測定装置。
  6. 【請求項6】 前記第2光源部は、前記第2の光および
    前記第3の光のうち少なくともいずれか一方の光の周波
    数をわずかにシフトさせるための周波数シフト手段をさ
    らに有することを特徴とする請求項4または5に記載の
    光波干渉測定装置。
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