JPH095025A - 光波干渉測定装置 - Google Patents

光波干渉測定装置

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JPH095025A
JPH095025A JP7153420A JP15342095A JPH095025A JP H095025 A JPH095025 A JP H095025A JP 7153420 A JP7153420 A JP 7153420A JP 15342095 A JP15342095 A JP 15342095A JP H095025 A JPH095025 A JP H095025A
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JP
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light
optical system
beam splitting
frequency
interference
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JP7153420A
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English (en)
Inventor
Akira Ishida
明 石田
Koichi Tsukihara
浩一 月原
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光路上の気体の屈折率変動によって発生する測
定誤差の補正をより正確に行うことができる光波干渉測
定装置を提供する。 【構成】移動鏡6の変位を測定するための光束を発する
光源16と、光路中の気体の屈折率変動を測定するため
の光束を発する光源1と、光源16からの光束を参照光
と測定光とに分割する偏光ビームスプリッタ4と、偏光
ビームスプリッタ4から出射された参照光を透過させ、
偏光ビームスプリッタ4から出射された測定光を反射す
る偏光ビームスプリッタ25と、偏光ビームスプリッタ
25で反射された測定光を偏光ビームスプリッタ25に
戻すコーナーキューブ27と、偏光ビームスプリッタ2
5を透過した参照光を偏光ビームスプリッタ25に戻す
コーナーキューブ8とを有し、さらに、波長フィルタ2
4、偏光ビームスプリッタ26、波長フィルタ23によ
って偏光ビームスプリッタ4で発生した誤差光を低減す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気等の気体中で高精
度な計測を行うための光波干渉測定装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光路上の気体の屈折率変動を考慮した光
波干渉測定装置が従来から知られているが、本出願人
は、光路上の局所的な屈折率変動に伴う測定誤差を補正
可能な、特願平6−335696号公報に記載の「光波
干渉測定装置」を提案した。
【0003】この光波干渉測定装置は、図4に示すよう
な構成を有しており、測長用干渉計の測長用光源16か
ら出射される光と同じ光路上に2つの異なる周波数ω2
(基本波)、ω3(第2高調波、2ω2=ω3)のレーザ
光を通すことにより光路中での空気や他の気体等による
屈折率変動を求めることができる。さらに、この光波干
渉測定装置は、測長用干渉計によって測定された移動台
等の変位量を前記屈折率変動に応じて補正し、真の変位
を求めることができる。
【0004】測長用光源16は、周波数ω1の光と、周
波数ω1’の光とを含む光を出射する。この2つの光
は、互いに周波数がわずかに異なり(ω1’=ω1+Δω
1)、偏光方位が互いに直交している。この2つの光
は、偏光ビームスプリッタ4に入射し、周波数ω1’の
光と、周波数ω1の光とに分離される。周波数ω1’の光
は、参照光となり、固定鏡5で反射されたのち、再び偏
光ビームスプリッタ4に戻る。また、周波数ω1の光
は、測定光となり、移動鏡6で反射されたのち、再び偏
光ビームスプリッタ4に戻る。偏光ビームスプリッタ4
に戻ってきた参照光及び測定光は、同軸で偏光ビームス
プリッタ4から出射する。
【0005】偏光ビームスプリッタ4から同一な光路で
出射した参照光及び測定光は、偏光素子30で干渉す
る。偏光素子30は、具体的には、参照光と測定光の各
偏光方位に対して45°傾けて配置された偏光板であ
る。偏光素子30で干渉した干渉光は、光電変換素子1
8で受光される。光電変換素子18で変換された測定ビ
ート信号(周波数Δω1)は、位相計19に入力され
る。
【0006】また、測長用光源16から出射した2つの
光の一部は、ビームスプリッタ15によって反射され、
偏光素子29を透過し、光電変換素子17によって検出
され、参照ビート信号(周波数Δω1)として位相計1
9に入力される。なお、偏光素子29は、偏光素子30
と同様、2つの光を偏光干渉させるものである。
【0007】位相計19は、参照ビート信号に対する測
定ビート信号の位相変化を測定することによって、移動
鏡6の変位(D(ω1))を求め、これを信号として演
算器21に出力する。
【0008】一方、光源1からは、周波数ω2、ω3(=
2ω2)の2つの周波数の光が同軸で出射される。この
とき、周波数ω2、ω3の光の偏光方位は、測長用光源1
2から出射される光の偏光方位に対して予め定めた角度
(例えば45°)に設定される。周波数ω2、ω3の光
は、波長結合素子3により、測長用光源16から出射さ
れた周波数ω1、ω1’の光と結合し、同じ光路上を進行
する。その後、周波数ω2、ω3の光は、偏光ビームスプ
リッタ4によって分割される。なお、偏光ビームスプリ
ッタ4で反射される光と、偏光ビームスプリッタ4を透
過する光は、互いに偏光方位が直交しており、どちら
も、周波数ω2の光と周波数ω3の光とを含んでいる。そ
して、固定鏡5で反射した周波数ω2、ω3の光と、移動
鏡6で反射した周波数ω2、ω3の光は、偏光ビームスプ
リッタ4に入射し、同一光路で出射する。
【0009】偏光ビームスプリッタ4で結合された周波
数ω2、ω3の光は、波長分離素子109で反射されるこ
とにより、周波数ω1、ω1’の光と分離され、偏光ビー
ムスプリッタ110に入射する。偏光ビームスプリッタ
110は、移動鏡6で反射された周波数ω2、ω3の光を
透過し、固定鏡5で反射された周波数ω2、ω3の光を反
射する。偏光ビームスプリッタ110を透過した周波数
ω2、ω3の光のうち、周波数ω2の光はSHG変換素子
11によって周波数ω3(2ω2=ω3)の光に変換され
る。このため、この周波数ω3の光と移動鏡6で反射し
た周波数ω3の光とが干渉し、その干渉光が光電変換素
子13によって検出される。
【0010】また、偏光ビームスプリッタ110で反射
した周波数ω2、ω3の光も、SHG変換素子12を透過
するため、周波数ω2の光は、周波数ω3の光に変換さ
れ、周波数ω3の光の干渉光として光電変換素子14で
検出される。
【0011】このようにして光電変換素子13、14で
検出された信号は、それぞれ、位相計20に入力され
る。位相計20は、光電変換素子14からの参照信号に
対する、光電変換素子13からの測定信号の位相変化を
測定することによって、偏光ビームスプリッタ4と移動
鏡6との間における、周波数ω3の光に対する光路長D
(ω3)と、周波数ω2の光に対する光路長D(ω2)と
の差である(D(ω3)−D(ω2))を求め、これを信
号として演算器21に出力する。
【0012】演算器21は、位相計19からの信号と、
位相計20からの信号を取得し、移動鏡6の真の変位D
を演算する。具体的には、以下の処理を実行する。
【0013】すなわち、それぞれの周波数ω1、ω2、ω
3に対する光路長をD(ω1)、D(ω2)、D(ω3)と
すると、それぞれの光路長は、次式により表される。
【0014】
【数1】
【0015】
【数2】
【0016】
【数3】
【0017】ここで、Dは幾何学的な距離、Nは空気の
密度、F(ω)は空気の構成比が変らなければ、空気の
密度によらず光の周波数ωのみによって決まる関数であ
る。上式より幾何学的距離Dは次式によって与えられ
る。
【0018】
【数4】
【0019】(式4)において右辺第2項のD(ω3
−D(ω2)は、上記したように位相計20によって求
めることができる。また、D(ω1)は、位相計19に
よって求めることができる。
【0020】演算器21は、これらを信号として取得
し、(式4)を用いて演算を行い、移動鏡6の真の変位
Dを出力する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】さて、上記の光波干渉
測定装置では、参照光と測定光の分離・結合手段として
偏光ビームスプリッタ4が用いられている。この偏光ビ
ームスプリッタ4は、3つの異なる周波数ω1、ω2、ω
3の光に対して機能しなければならないが、現実的に
は、各周波数に対して完全に機能する偏光ビームスプリ
ッタを製作することは不可能に近い。
【0022】したがって、偏光ビームスプリッタ4の消
光比の低さのために、本来ならば完全に透過すべき光が
反射してしまったり、それとは逆に、反射すべき光が透
過してしまったりする現象が発生する。このような光
は、一般に誤差光と呼ばれている。誤差光が発生する
と、検出すべき干渉信号にクロストークがのってしま
い、前述の変位の補正処理に誤差が生じる。
【0023】また、上記の光波干渉測定装置では、参照
光路と測定光路の両方に、2つの周波数の光を通さなけ
ればならないので、その分、誤差光が多く発生する。
【0024】なお、波長によらず消光比の高い偏光ビー
ムスプリッタとして、方解石を材質としたものを用いて
もよいが、材質自体にかぎりがあり、非常に高価であ
る。特に、光波干渉測定装置を量産するような場合には
不向きである。
【0025】そこで本発明は、光路上の気体の屈折率変
動によって発生する測定誤差の補正をより正確に行うこ
とができる光波干渉測定装置の提供を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの本発明の第1の態様によれば、第1の光源と、前記
第1の光源から出射された光束を参照光と測定光とに分
割する第1の光束分割手段と、前記参照光が通過する固
定光学系と、前記測定光が通過する移動光学系と、前記
第1の光束分割手段から出射された前記参照光を前記第
1の光束分割手段に戻すことで、前記固定光学系と前記
第1の光束分割手段との間で前記参照光を少なくとも2
往復させ、前記第1の光束分割手段から出射された前記
測定光を前記第1の光束分割手段に戻すことで、前記移
動光学系と前記第1の光束分割手段との間で前記測定光
を少なくとも2往復させる中継光学系と、前記固定光学
系及び前記中継光学系を通過した前記参照光と、前記移
動光学系及び前記中継光学系を通過した前記測定光とを
干渉させて干渉光を発生させる第1の干渉光学系と、前
記干渉光を検出する第1の検出手段と、前記第1の検出
手段の検出結果に基づいて前記移動光学系の位置に関す
る情報を出力する演算手段と、屈折率変動測定光を前記
第1の光束分割手段に出射する第2の光源と、前記移動
光学系及び前記中継光学系を通過した前記屈折率変動測
定光をもとに、前記屈折率変動測定光の光路中の気体の
屈折率変動を測定する測定手段と、前記測定手段で測定
した前記屈折率変動に基づいて前記移動光学系の位置に
関する情報を補正する補正手段とを有し、前記中継光学
系は、前記第1の光束分割手段で発生した誤差光を取り
除く手段を有することを特徴とする光波干渉測定装置が
提供される。
【0027】上記問題点を解決するための本発明の第2
の態様によれば、第1の光源と、前記第1の光源から出
射された光束を互いに偏光方位が異なる参照光と測定光
とに分割する第1の光束分割手段と、前記第1の光束分
割手段から出射された前記参照光を受けて、当該参照光
の偏光方位を変換し、変換した参照光を前記第1の光束
分割手段に出射する固定光学系と、前記第1の光束分割
手段から出射された前記測定光を受けて、当該測定光の
偏光方位を変換し、変換した測定光を前記第1の光束分
割手段に出射する移動光学系と、前記固定光学系から出
射されたのち前記第1の光束分割手段を通過した前記参
照光を前記第1の光束分割手段に戻すとともに、前記移
動光学系から出射されたのち前記第1の光束分割手段を
通過した前記測定光を前記第1の光束分割手段に戻す中
継光学系と、前記固定光学系及び前記中継光学系を通過
した前記参照光と、前記移動光学系及び前記中継光学系
を通過した前記測定光とを干渉させて干渉光を発生させ
る第1の干渉光学系と、前記干渉光を検出する第1の検
出手段と、前記第1の検出手段の検出結果に基づいて前
記移動光学系の位置に関する情報を出力する演算手段
と、前記第1の光源から出射された前記光束が前記参照
光と前記測定光とに分割された時点の当該測定光と同じ
偏光方位を有する屈折率変動測定光を前記第1の光束分
割手段に出射する第2の光源と、前記移動光学系及び前
記中継光学系を通過した前記屈折率変動測定光をもと
に、前記屈折率変動測定光の光路中の気体の屈折率変動
を測定する測定手段と、前記測定手段で測定した前記屈
折率変動に基づいて前記移動光学系の位置に関する情報
を補正する補正手段とを有し、前記中継光学系は、前記
固定光学系から出射されたのち前記第1の光束分割手段
を通過した前記参照光を予め定めた第1の方向に案内す
るとともに、前記移動光学系から出射されたのち前記第
1の光束分割手段を通過した前記測定光を前記第1の方
向と異なる第2の方向に案内する第2の光束分割手段
と、前記第2の光束分割手段で案内された前記参照光を
前記第2の光束分割手段に向けて反射する第1の反射手
段と、前記第2の光束分割手段で案内された前記測定光
を前記第2の光束分割手段に向けて反射する第2の反射
手段と、前記第2の光束分割手段と前記第1の反射手段
との間に配置され、前記参照光と異なる周波数を有する
誤差光を取り除く第1のフィルタ手段とを含んで構成さ
れていることを特徴とする光波干渉測定装置が提供され
る。
【0028】上記問題点を解決するための本発明の第3
の態様によれば、第1の態様において、前記参照光およ
び前記測定光は、互いに偏光方位が異なっており、前記
屈折率変動測定光は、前記第1の光源から出射された前
記光束が前記参照光と前記測定光とに分割された時点の
当該測定光と同じ偏光方位を有しており、前記中継光学
系は、前記固定光学系から出射されたのち前記第1の光
束分割手段を通過した前記参照光を予め定めた第1の方
向に案内するとともに、前記移動光学系から出射された
のち前記第1の光束分割手段を通過した前記測定光を前
記第1の方向と異なる第2の方向に案内する第2の光束
分割手段と、前記第2の光束分割手段で案内された前記
参照光を前記第2の光束分割手段に向けて反射する第1
の反射手段と、前記第2の光束分割手段で案内された前
記測定光を前記第2の光束分割手段に向けて反射する第
2の反射手段と、前記第2の光束分割手段と前記第1の
反射手段との間に配置され、前記参照光と異なる周波数
を有する誤差光を取り除く第1のフィルタ手段とを含ん
で構成されていることを特徴とする光波干渉測定装置が
提供される。
【0029】上記問題点を解決するための本発明の第4
の態様によれば、第1、第2、または第3の態様におい
て、前記光波干渉測定装置は、さらに、前記第1の光源
から出射された前記光束の一部を取り込み、前記干渉光
の基準となる基準干渉光を発生させる第2の干渉光学系
と、前記基準干渉光を検出する第2の検出手段とを有
し、前記演算手段は、前記第1の検出手段の検出結果お
よび前記第2の検出手段の検出結果に基づいて前記移動
光学系の位置に関する情報を出力することを特徴とする
光波干渉測定装置が提供される。
【0030】上記問題点を解決するための本発明の第5
の態様によれば、第2、第3または第4の態様におい
て、前記中継光学系は、さらに、前記第2の光束分割手
段と前記第2の反射手段との間に配置されて前記誤差光
を取り除く第2のフィルタ手段を有することを特徴とす
る光波干渉測定装置が提供される。
【0031】上記問題点を解決するための本発明の第6
の態様によれば、第5の態様において、前記第2のフィ
ルタ手段は、前記誤差光を透過させる、一つ以上の偏光
ビームスプリッタを備えていることを特徴とする光波干
渉測定装置が提供される。
【0032】上記問題点を解決するための本発明の第7
の態様によれば、第2、第3、第4、第5または第6に
おいて、前記光波干渉測定装置は、さらに、前記固定光
学系と前記第1の光束分割手段との間に配置されて前記
誤差光を取り除く第3のフィルタ手段を有することを特
徴とする光波干渉測定装置が提供される。
【0033】上記問題点を解決するための本発明の第8
の態様によれば、第7の態様において、前記測定光は、
周波数ω1の光であり、前記参照光は、周波数ω1’の光
であり、前記屈折率変動測定光は、周波数ω2の光と周
波数ω3の光を含んでおり、前記第1のフィルタ手段お
よび第3のフィルタ手段のそれぞれは、少なくとも前記
周波数ω2の光及び前記周波数ω3の光を取り除くことを
特徴とする光波干渉測定装置が提供される。
【0034】上記問題点を解決するための本発明の第9
の態様によれば、第8において、前記周波数ω3の光
は、前記周波数ω2の光の第2高調波であることを特徴
とする光波干渉測定装置が提供される。
【0035】上記問題点を解決するための本発明の第1
0の態様によれば、第8または第9において、前記周波
数ω1と前記周波数ω1’は、値が僅かに異なることを特
徴とする光波干渉測定装置が提供される。
【0036】上記問題点を解決するための本発明の第1
1の態様によれば、第8、第9または第10の態様にお
いて、前記測定手段は、前記第2の光源と前記第1の光
束分割手段との間に配置され、前記第2の光源から出射
された前記屈折率変動測定光の一部を取り込み、当該屈
折率変動測定光の一部に含まれる周波数ω2の光と周波
数ω3の光とを干渉させる第3の干渉光学系と、前記第
3の干渉光学系で得られた干渉光を検出する第3の検出
手段と、前記移動光学系及び前記中継光学系を通過した
前記屈折率変動測定光に含まれる周波数ω2の光と周波
数ω3の光とを干渉させる第4の干渉光学系と、前記第
4の干渉光学系で得られた干渉光を検出する第4の検出
手段と、前記第3の検出手段の検出結果および前記第4
の検出手段の検出結果に基づいて前記屈折率変動に関す
る情報を算出する手段と、を有することを特徴とする光
波干渉測定装置が提供される。
【0037】上記問題点を解決するための本発明の第1
2の態様によれば、第1、第2、第3、第4、第5、第
6、第7、第8、第9、第10または第11において、
前記光波干渉測定装置は、さらに、前記固定光学系を少
なくとも収容し、当該固定光学系における気体の屈折率
変動を低減させる収容器を有することを特徴とする光波
干渉測定装置が提供される。
【0038】
【作用】本発明の第1の態様によれば、第1の光源から
出射された光束は、第1の光束分割手段によって参照光
と測定光とに分割される。分割された参照光は、固定光
学系を通過し、測定光は、移動光学系を通過することに
なるが、この際、中継光学系は、第1の光束分割手段か
ら出射された参照光を第1の光束分割手段に戻し、第1
の光束分割手段から出射された測定光を第1の光束分割
手段に戻す。これにより、参照光が、固定光学系と第1
の光束分割手段との間で少なくとも2往復し、測定光
が、移動光学系と第1の光束分割手段との間で少なくと
も2往復することになる。
【0039】第1の干渉光学系は、固定光学系及び中継
光学系を通過した参照光と、移動光学系及び中継光学系
を通過した測定光とを干渉させて干渉光を発生させる。
この干渉光は、第1の検出手段で検出される。演算手段
は、第1の検出手段の検出結果に基づいて移動光学系の
位置に関する情報を出力する。
【0040】第2の光源は、屈折率変動測定光を第1の
光束分割手段に出射し、測定手段は、移動光学系及び中
継光学系を通過した屈折率変動測定光をもとに、屈折率
変動測定光の光路中の気体の屈折率変動を測定する。補
正手段は、測定手段で測定した前記屈折率変動に基づい
て移動光学系の位置に関する情報を補正する。
【0041】そして、第1の光束分割手段で発生した誤
差光については中継光学系で取り除かれることになる。
【0042】本発明の第2の態様によれば、第1の光源
から出射された光束は、第1の光束分割手段により、互
いに偏光方位が異なる参照光(例えばs偏光)と測定光
(例えばp偏光)とに分割される。このとき、例えば、
参照光は、第1の光束分割で反射し、測定光は第1の光
束分割を透過する。
【0043】参照光は、固定光学系を通過する度に、そ
の偏光方位が変換される。例えば、参照光が第1の光束
分割手段から出射された際にs偏光ならば、p偏光とし
て第1の光束分割手段に戻される。戻された参照光は、
p偏光なので、第1の光束分割を透過する。
【0044】測定光は、移動光学系を通過する度に、そ
の偏光方位が変換される。例えば、測定光が第1の光束
分割手段から出射された際にp偏光ならば、s偏光とし
て第1の光束分割手段に戻される。戻された測定光は、
s偏光なので、第1の光束分割で反射する。
【0045】第2の光束分割手段は、固定光学系から出
射されたのち第1の光束分割手段を通過した参照光を予
め定めた第1の方向に案内するとともに、移動光学系か
ら出射されたのち第1の光束分割手段を通過した測定光
を第1の方向と異なる第2の方向に案内する。第1の反
射手段は、第2の光束分割手段で案内された参照光を第
2の光束分割手段に向けて反射する。第2の反射手段
は、第2の光束分割手段で案内された測定光を第2の光
束分割手段に向けて反射する。
【0046】そして、参照光と異なる周波数を有する誤
差光については、第1のフィルタ手段によって取り除か
れる。
【0047】なお、第1の干渉光学系は、固定光学系及
び中継光学系を通過した参照光と、移動光学系及び中継
光学系を通過した測定光とを干渉させて干渉光を発生さ
せる。この干渉光は、第1の検出手段で検出される。演
算手段は、第1の検出手段の検出結果に基づいて移動光
学系の位置に関する情報を出力する。
【0048】また、第2の光源は、第1の光源から出射
された前記光束が参照光と測定光とに分割された時点の
当該測定光と同じ偏光方位を有する屈折率変動測定光を
第1の光束分割手段に出射する。測定手段は、移動光学
系及び中継光学系を通過した屈折率変動測定光をもと
に、屈折率変動測定光の光路中の気体の屈折率変動を測
定する。補正手段は、測定手段で測定した屈折率変動に
基づいて移動光学系の位置に関する情報を補正する。
【0049】本発明の第3の態様の作用については、第
2の態様と同様であるので説明を省略する。
【0050】本発明の第4の態様によれば、第2の干渉
光学系は、第1の光源から出射された光束の一部を取り
込み、前記干渉光の基準となる基準干渉光を発生させ
る。この基準干渉光は、第2の検出手段で検出される。
演算手段は、第1の検出手段の検出結果および第2の検
出手段の検出結果に基づいて移動光学系の位置に関する
情報を出力する。
【0051】本発明の第5の態様によれば、第2のフィ
ルタ手段は、第2の光束分割手段と第2の反射手段との
間に配置されて前記誤差光を取り除く。
【0052】本発明の第6の態様によれば、偏光ビーム
スプリッタは、誤差光を透過させ、これ以外の光を反射
することでフィルタとして機能する。
【0053】本発明の第7の態様によれば、第3のフィ
ルタ手段は、固定光学系と第1の光束分割手段との間に
配置されて前記誤差光を取り除く。
【0054】本発明の第8の態様によれば、第1のフィ
ルタ手段および第3のフィルタ手段のそれぞれは、少な
くとも周波数ω2の光及び周波数ω3の光を取り除く。
【0055】本発明の第11の態様によれば、第3の干
渉光学系は、第2の光源と第1の光束分割手段との間に
配置され、第2の光源から出射された屈折率変動測定光
の一部を取り込み、当該屈折率変動測定光の一部に含ま
れる周波数ω2の光と周波数ω3の光とを干渉させる。第
3の干渉光学系で得られた干渉光は、第3の検出手段で
検出される。
【0056】第4の干渉光学系は、移動光学系及び中継
光学系を通過した屈折率変動測定光に含まれる周波数ω
2の光と周波数ω3の光とを干渉させる。第4の干渉光学
系で得られた干渉光は、第4の検出手段で検出される。
【0057】そして、第3の検出手段の検出結果および
第4の検出手段の検出結果に基づいて前記屈折率変動に
関する情報が算出される。
【0058】本発明の第12の態様によれば、収容器
は、固定光学系における気体の屈折率変動を低減させ
る。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0060】図1には、本発明の第1の実施例の光波干
渉測定装置が示されている。この光波干渉測定装置は、
移動鏡6の変位を測定するものであるが、ホモダイン干
渉方式で光路中の屈折率変動を測定し、その測定結果で
移動鏡6の変位の測定値を補正することができる。
【0061】光軸101上には、光源16、ビームスプ
リッタ15、波長結合素子(例えば、ダイクロイックミ
ラー)3、ビームスプリッタ22、偏光ビームスプリッ
タ4、1/4波長板7、移動鏡6が配置されている。波
長結合素子3につながる光軸上には、光源1が配置され
ている。
【0062】偏光ビームスプリッタ4を中心として光軸
101の直交方向には、順に、固定鏡(参照鏡)5、波
長フィルタ23、1/4波長板10、偏光ビームスプリ
ッタ25、波長フィルタ24、コーナーキューブ8が配
置され、さらに、これらと平行に、偏光ビームスプリッ
タ26と、コーナーキューブ27が配置されている。な
お、固定鏡5、波長フィルタ23、及び、1/4波長板
10は、気体の屈折率変動を低減させるための収容器、
例えばエアチューブ31に収容されている。
【0063】光軸102上には、波長分離素子9(例え
ば、ダイクロイックミラー)、ミラー28、SHG変換
素子11、光電変換素子13が配置されている。ビーム
スプリッタ22の反射光の光軸上には、SHG変換素子
12、光電変換素子14が配置されている。
【0064】また、波長分離素子9の反射光の光軸上に
は、偏光素子30、光電変換素子18が、ビームスプリ
ッタ15の反射光の光軸上には、偏光素子29、光電変
換素子17が配置されている。
【0065】光電変換素子13、14には、位相計20
が接続され、光電変換素子17、18には、位相計19
が接続されている。位相計19および位相計20には、
演算器21が接続されている。
【0066】光源1からは、周波数ω2、ω3(=2
ω2)の2つの周波数の光が同軸で出射される。この2
つの周波数の光は、光路上の気体の屈折率変動を測定す
るためのものであり、光源1を出射したのち、偏光ビー
ムスプリッタ4に入射する。このとき2つの周波数の光
の偏光方位は紙面と平行になっている。この偏光方位に
ついては、光源1の内部で予め設定される。なお、偏光
方位が紙面と平行な光をp偏光、偏光方位が紙面と垂直
な光をs偏光と呼ぶことにする。
【0067】一方、偏光ビームスプリッタ4は、図1の
ように配置された場合、p偏光を透過させ、s偏光を反
射する。これについては、偏光ビームスプリッタ25、
26も同様である。
【0068】したがって、光源1を出射した2つの周波
数の光は、偏光ビームスプリッタ4を透過し、さらに、
1/4波長板7、移動鏡6、1/4波長板7を経由して
s偏光となり、再び、偏光ビームスプリッタ4に戻る。
このs偏光は、偏光ビームスプリッタ4で反射される。
反射されたs偏光は、さらに、偏光ビームスプリッタ2
5、26で反射されて、コーナーキューブ27に到達
し、ここで、進行方向を反転させる。その後、このs偏
光は、偏光ビームスプリッタ26、偏光ビームスプリッ
タ25、偏光ビームスプリッタ4と進行する。偏光ビー
ムスプリッタ4では、s偏光は反射され、さらに、1/
4波長板7、移動鏡6、1/4波長板7を経由してp偏
光となり、再び、偏光ビームスプリッタ4に入射する。
このp偏光は、偏光ビームスプリッタ4、波長分離素子
9を透過してミラー28で反射し、SHG変換素子11
に入射する。SHG変換素子11では、周波数が小さい
ω2の光が周波数ω3(=2ω2)の光に変換される。こ
の周波数ω3の光は、光源1から出射された周波数ω3
光と干渉し、その干渉光が光電変換素子13によって検
出される。
【0069】一方、ビームスプリッタ22は、光源1か
ら出射された周波数ω2、ω3の光の一部を反射する。反
射された周波数ω2、ω3の光の一部は、SHG変換素子
12に入射する。SHG変換素子12では、周波数が小
さいω2の光が周波数ω3(=2ω2)の光に変換され
る。この周波数ω3の光は、光源1から出射された周波
数ω3の光と干渉し、その干渉光が光電変換素子14に
よって検出される。
【0070】このようにして光電変換素子13、14で
検出された干渉信号は、それぞれ、位相計20に入力さ
れる。位相計20は、光電変換素子14からの干渉信号
(参照信号)に対する、光電変換素子13からの干渉信
号(測定信号)の位相変化を測定することによって、偏
光ビームスプリッタ4と移動鏡6との間における、周波
数ω3の光に対する光路長D(ω3)と、周波数ω2の光
に対する光路長D(ω2)との差である(D(ω3)−D
(ω2))を求め、これを信号として演算器21に出力
する。
【0071】さて、偏光ビームスプリッタ4が理想的な
ものであるならば、p偏光として入射する2つの周波数
の光は、偏光ビームスプリッタ4を透過するわけである
が、実際には、理想的な偏光ビームスプリッタの製造は
不可能であるため、p偏光が数%程度反射されてしま
う。このような場合、図2(図1の構成の一部のみ図
示)に示すような誤差光40、41が発生し、これによ
って、移動鏡6の変位に対しての本来の干渉光にクロス
トークが生じてしまう。干渉光のクロストークは、すな
わち、屈折率変動による測定誤差の補正処理の精度を低
減させる。
【0072】そこで、本実施例では、偏光ビームスプリ
ッタ25、26、コーナーキューブ27を図1のように
配置するとともに、波長フィルタ23、24を挿入し、
前述の誤差光を低減させている。偏光ビームスプリッタ
25、26は、前述した通り、p偏光を透過させ、s偏
光を反射する。波長フィルタ23、24は、周波数ω1
近傍の光のみを透過させ、これ以外の光をカットする。
具体的には、周波数ω1、ω1’の光を透過させ、周波数
ω2、ω3の光はカットする。
【0073】すなわち、図1において、移動鏡6からの
光の一部が偏光ビームスプリッタ4で反射された場合に
発生する誤差光40(図2参照)は、その大部分が、偏
光ビームスプリッタ25を透過する。この誤差光は、波
長フィルタ24によってカットされる。なお、波長フィ
ルタ24でカットされなかった極少量の誤差光は、コー
ナーキューブ8で反射され、波長フィルタ24でカット
されることになる。
【0074】また、偏光ビームスプリッタ25を透過せ
ずに、ここで反射してしまう一部の誤差光は、偏光ビー
ムスプリッタ26を透過し、図中下方に抜けてしまう。
もちろん、極少量の誤差光がここで反射された場合で
も、この光は、コーナーキューブ27で反射され、偏光
ビームスプリッタ26を透過し、図中左方に抜けてしま
う。
【0075】一方、図1において、光源1からの光の一
部が偏光ビームスプリッタ4で反射された場合に発生す
る誤差光41(図2参照)は、波長フィルタ23によっ
てカットされる。また、波長フィルタ23でカットされ
なかった極少量の誤差光は、固定鏡5で反射され、波長
フィルタ23でカットされることになる。なお、波長フ
ィルタ23で万一カットされなかった場合、この誤差光
は、偏光ビームスプリッタ4を透過する成分と反射する
成分に分けられるが、反射する成分は、光電変換素子1
3、14には向かわない。また、透過する成分は、偏光
ビームスプリッタ25に向かい、その後は、前述したよ
うな段階を経て消滅する。
【0076】なお、偏光ビームスプリッタ4に入射する
p偏光の偏光方位がずれていたとしても、その場合に生
じる誤差光は、前述したような段階を経て消滅する。
【0077】なお、偏光ビームスプリッタ26に、新た
な偏光ビームスプリッタを順次接続するとともに、新た
なフィルタ23、24を順次挿入していけば、その分だ
け誤差光は低減されることになる。
【0078】光源16は、周波数ω1の光と、周波数
ω1’の光とを含む光を出射する。この2つの光は、互
いに周波数がわずかに異なり(ω1’=ω1+Δω1)、
偏光方位が互いに直交している。この2つの光は、波長
結合素子3により、光源1からの2つの周波数の光と同
軸となる。その後、この2つの光は、偏光ビームスプリ
ッタ4に入射し、周波数ω1’の光と、周波数ω1の光と
に分離される。
【0079】周波数ω1の光は、偏光ビームスプリッタ
4を透過したのち、1/4波長板7、移動鏡6、1/4
波長板7、偏光ビームスプリッタ4、偏光ビームスプリ
ッタ25、偏光ビームスプリッタ26、コーナーキュー
ブ27、偏光ビームスプリッタ26、偏光ビームスプリ
ッタ25、偏光ビームスプリッタ4、1/4波長板7、
移動鏡6、1/4波長板7を経て、偏光ビームスプリッ
タ4に戻る。この間、周波数ω1の光は、移動鏡6と偏
光ビームスプリッタ4との間(測定光路)を2往復する
ことになる。
【0080】一方、周波数ω1’の光は、偏光ビームス
プリッタ4で反射したのち、1/4波長板10、波長フ
ィルタ23、固定鏡5、波長フィルタ23、1/4波長
板10、偏光ビームスプリッタ4、偏光ビームスプリッ
タ25、波長フィルタ24、コーナーキューブ8、波長
フィルタ24、偏光ビームスプリッタ25、偏光ビーム
スプリッタ4、1/4波長板10、波長フィルタ23、
固定鏡5、波長フィルタ23、1/4波長板10を経
て、偏光ビームスプリッタ4に戻る。この間、周波数ω
1’の光は、固定鏡5と偏光ビームスプリッタ4との間
(参照光路)を2往復することになる。
【0081】参照光路を通過した周波数ω1’の光と、
測定光路を通過した周波数ω1の光は、偏光ビームスプ
リッタ4を同一な光路で出射し、波長分離素子9に向か
う。これらの光は、波長分離素子9にて、先程の周波数
ω2、ω3の光と分離され、偏光素子30を透過すること
によって干渉する。偏光素子30は、具体的には、周波
数ω1の光と周波数ω1’の光の各偏光方位に対して45
°傾けて配置された偏光板である。偏光素子30で干渉
した干渉光は、光電変換素子18で受光される。光電変
換素子18で変換された測定ビート信号(周波数Δ
ω1)は、位相計19に入力される。
【0082】一方、光源16の直後には、ビームスプリ
ッタ15が配置されており、光源16から出射された周
波数ω1、ω1’の光の一部を反射する。反射した周波数
ω1、ω1’の光は、偏光素子30と同様な偏光素子29
を透過することによって干渉する。偏光素子29で干渉
した干渉光は、光電変換素子17で変換され、参照ビー
ト信号(周波数Δω1)として位相計19に入力され
る。位相計19は、参照ビート信号に対する測定ビート
信号の位相変化を測定することによって、移動鏡6の変
位(D(ω1))を求め、これを信号として演算器21
に出力する。
【0083】演算器21は、位相計19からの信号と、
位相計20からの信号を取得し、(式4)に基づいて移
動鏡6の真の変位Dを演算する。
【0084】以上が本発明の第1の実施例であるが、本
実施例では、測定光路にのみ、気体の屈折率変動を測定
するための周波数ω2、ω3の光を通している。したがっ
て、図4の光波干渉測定装置のような、測定光路と参照
光路の両方に2つの周波数の光を通す場合と比較して、
誤差光の発生が少なくなる。また、図4に示した偏光ビ
ームスプリッタ110は、測定光路を通過した周波数ω
2、ω3の光と、参照光路を通過した周波数ω2、ω3の光
を分離するための光学素子であるが、本実施例では不要
となる。
【0085】なお、参照光路に2つの周波数の光を通さ
ない場合、この部分の気体の屈折率変動については、測
定できなくなるが、本実施例のようにエアチューブ31
を設けて外部の影響を排除すれば、光源1の直後のビー
ムスプリッタ22で取りだした2つの周波数の光を、そ
のまま参照信号として用いることができる。なお、固定
鏡5と偏光ビームスプリッタ4との距離が小さい場合に
は、エアチューブ31は不要になる。
【0086】尚、図1の干渉測定機では、測定光路にお
ける空気の揺らぎの屈折率変動量を求めることはできる
が、その変動の方向を判別することができない。つま
り、(式4)のD(ω3)−D(ω2)の絶対値を求める
ことはできるが、D(ω3)に対してD(ω2)が小さい
のか大きいのかを判別することができない。
【0087】そこで、変動の方向を判別する場合は、図
1の光電変換素子13、14からの2つの信号のそれぞ
れに対して90度位相がずれた信号を得る必要がある。
【0088】この方法については、一般によく知られて
いるが、例えば、光電変換素子13、14の前におい
て、それぞれの干渉光を2つの干渉光に分割し、その分
割された干渉光の一方に対して、他方の干渉光の位相を
90度ずらして検出し、その2つの干渉光によって得ら
れた2つの信号から方向を判別すればよい。
【0089】なお、このように一方の干渉光に対して他
方の干渉光の位相を90度ずらすためには、波長板や偏
光素子等を用いればよい。また、SHG変換素子11、
12のそれぞれに入射する2つの周波数の光のどちらか
一方の周波数の光の光路長をある周波数ωで変調させ、
その周波数ωに基づいて同期検波を行うことによっても
90度位相のずれた2つの信号を得ることができ、同様
に変動の方向を判別することができる。
【0090】図3には、本発明の第2の実施例の光波干
渉測定装置が示されている。この光波干渉測定装置は、
第1の実施例と同様、移動鏡6の変位を測定するもので
あるが、ヘテロダイン干渉方式で光路中の気体の屈折率
変動を測定する。
【0091】したがって、ここでは、周波数ω2の光と
周波数ω3の光による干渉光を検出するために、光源1
と波長結合素子3との間に、波長分離素子32、ミラー
35、36、波長結合素子37、周波数シフタ33を設
けている。これら以外については、第1の実施例とほぼ
同様であるので、第1の実施例と同じ構成要素について
は、同じ符号を付して説明を省略する。なお、周波数シ
フタ34については、最初、使用しないものとして話し
を進める。
【0092】光源1から出射した周波数ω2、ω3の光
は、波長分離素子32に入射し、この波長分離素子32
によって周波数ω3の光は透過し、周波数ω2の光は反射
する。波長分離素子32を透過した周波数ω3の光は、
周波数シフタ33を透過することによって、周波数ω3
から僅かに周波数がずれた周波数ω3’の光(ω3’=ω
3+Δω3)となる。なお、周波数シフタ33は、例え
ば、音響光学素子である。周波数ω3’の光と、周波数
ω2の光は、波長結合素子37によって再び、同一光路
上に結合される。これらの光は、前述の実施例と同様、
光路中の気体の屈折率変動を測定するための光となる。
【0093】また、図3に示すように、周波数シフタ3
4をさらに設け、基本波(周波数ω2の光)、第2高調
波(周波数ω3の光)の周波数の両方の周波数をシフト
させてもよい。
【0094】このように周波数シフタ33、34を配置
すれば、光源への戻り光が除去され、戻り光によるクロ
ストークが低減される。
【0095】以上、本発明の第1、第2の実施例につい
て説明したが、いずれの実施例においても、変位測定の
ための光が、参照光路と測定光路を2往復する、いわゆ
るダブルパス方式を用いている。この方式は、図4に示
すような、変位測定のための光が参照光路と測定光路を
1往復しかしない、いわゆるシングルパス方式と比較し
て、測定値の分解能がほぼ2倍になるという効果があ
る。
【0096】なお、本発明の光波干渉測定装置では、測
定光路中の気体の屈折率変動を測定して、測長用干渉計
によって測定された移動鏡6の変位量を、その屈折率変
動に応じて補正し、真の変位を求めるものであるので、
測定光路以外での気体の屈折率変動は、極力抑えておく
必要がある。具体的には、波長結合素子22からSHG
変換素子12までの光路、波長結合素子22から偏光ビ
ームスプリッタ4までの光路、偏光ビームスプリッタ4
からSHG変換素子11までの光路が極力短くなるよう
な光学系の配置が望ましい。また、これらの間隔を短く
できない場合には、これらの光路をエアチューブ31と
同様なチューブで覆えばよい。これにより高精度な測定
が可能となる。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、参照光路と測定光路と
の間に配置された偏光ビームスプリッタで発生する誤差
光が低減されるため、高精度な光波干渉計測を行なうこ
とができる。
【0098】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック
図。
【図2】偏光ビームスプリッタの誤差光に関する説明
図。
【図3】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック
図。
【図4】光波干渉測定装置の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
1、16:光源 11、12:SHG変換素子 3、37:波長結合素子 4、25、26、110:偏光ビームスプリッタ 5:固定鏡 6:移動鏡 7、10:1/4波長板 8、27:コーナーキューブ 9、32、109:波長分離素子 13、14、17、18:光電変換素子 15、22:ビームスプリッタ 19、20:位相計 21:演算器 23、24:波長フィルタ 28、35、36:ミラー 29、30:偏光素子 31:エアチューブ 33、34:位相シフタ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の光源と、 前記第1の光源から出射された光束を参照光と測定光と
    に分割する第1の光束分割手段と、 前記参照光が通過する固定光学系と、 前記測定光が通過する移動光学系と、 前記第1の光束分割手段から出射された前記参照光を前
    記第1の光束分割手段に戻すことで、前記固定光学系と
    前記第1の光束分割手段との間で前記参照光を少なくと
    も2往復させ、前記第1の光束分割手段から出射された
    前記測定光を前記第1の光束分割手段に戻すことで、前
    記移動光学系と前記第1の光束分割手段との間で前記測
    定光を少なくとも2往復させる中継光学系と、 前記固定光学系及び前記中継光学系を通過した前記参照
    光と、前記移動光学系及び前記中継光学系を通過した前
    記測定光とを干渉させて干渉光を発生させる第1の干渉
    光学系と、 前記干渉光を検出する第1の検出手段と、 前記第1の検出手段の検出結果に基づいて前記移動光学
    系の位置に関する情報を出力する演算手段と、 屈折率変動測定光を前記第1の光束分割手段に出射する
    第2の光源と、 前記移動光学系及び前記中継光学系を通過した前記屈折
    率変動測定光をもとに、前記屈折率変動測定光の光路中
    の気体の屈折率変動を測定する測定手段と、 前記測定手段で測定した前記屈折率変動に基づいて前記
    移動光学系の位置に関する情報を補正する補正手段とを
    有し、 前記中継光学系は、前記第1の光束分割手段で発生した
    誤差光を取り除く手段を有することを特徴とする光波干
    渉測定装置。
  2. 【請求項2】第1の光源と、 前記第1の光源から出射された光束を互いに偏光方位が
    異なる参照光と測定光とに分割する第1の光束分割手段
    と、 前記第1の光束分割手段から出射された前記参照光を受
    けて、当該参照光の偏光方位を変換し、変換した参照光
    を前記第1の光束分割手段に出射する固定光学系と、 前記第1の光束分割手段から出射された前記測定光を受
    けて、当該測定光の偏光方位を変換し、変換した測定光
    を前記第1の光束分割手段に出射する移動光学系と、 前記固定光学系から出射されたのち前記第1の光束分割
    手段を通過した前記参照光を前記第1の光束分割手段に
    戻すとともに、前記移動光学系から出射されたのち前記
    第1の光束分割手段を通過した前記測定光を前記第1の
    光束分割手段に戻す中継光学系と、 前記固定光学系及び前記中継光学系を通過した前記参照
    光と、前記移動光学系及び前記中継光学系を通過した前
    記測定光とを干渉させて干渉光を発生させる第1の干渉
    光学系と、 前記干渉光を検出する第1の検出手段と、 前記第1の検出手段の検出結果に基づいて前記移動光学
    系の位置に関する情報を出力する演算手段と、 前記第1の光源から出射された前記光束が前記参照光と
    前記測定光とに分割された時点の当該測定光と同じ偏光
    方位を有する屈折率変動測定光を前記第1の光束分割手
    段に出射する第2の光源と、 前記移動光学系及び前記中継光学系を通過した前記屈折
    率変動測定光をもとに、前記屈折率変動測定光の光路中
    の気体の屈折率変動を測定する測定手段と、 前記測定手段で測定した前記屈折率変動に基づいて前記
    移動光学系の位置に関する情報を補正する補正手段とを
    有し、 前記中継光学系は、 前記固定光学系から出射されたのち前記第1の光束分割
    手段を通過した前記参照光を予め定めた第1の方向に案
    内するとともに、前記移動光学系から出射されたのち前
    記第1の光束分割手段を通過した前記測定光を前記第1
    の方向と異なる第2の方向に案内する第2の光束分割手
    段と、 前記第2の光束分割手段で案内された前記参照光を前記
    第2の光束分割手段に向けて反射する第1の反射手段
    と、 前記第2の光束分割手段で案内された前記測定光を前記
    第2の光束分割手段に向けて反射する第2の反射手段
    と、 前記第2の光束分割手段と前記第1の反射手段との間に
    配置され、前記参照光と異なる周波数を有する誤差光を
    取り除く第1のフィルタ手段とを含んで構成されている
    ことを特徴とする光波干渉測定装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記参照光および前記測定光は、互いに偏光方位が異な
    っており、 前記屈折率変動測定光は、前記第1の光源から出射され
    た前記光束が前記参照光と前記測定光とに分割された時
    点の当該測定光と同じ偏光方位を有しており、 前記中継光学系は、 前記固定光学系から出射されたのち前記第1の光束分割
    手段を通過した前記参照光を予め定めた第1の方向に案
    内するとともに、前記移動光学系から出射されたのち前
    記第1の光束分割手段を通過した前記測定光を前記第1
    の方向と異なる第2の方向に案内する第2の光束分割手
    段と、 前記第2の光束分割手段で案内された前記参照光を前記
    第2の光束分割手段に向けて反射する第1の反射手段
    と、 前記第2の光束分割手段で案内された前記測定光を前記
    第2の光束分割手段に向けて反射する第2の反射手段
    と、 前記第2の光束分割手段と前記第1の反射手段との間に
    配置され、前記参照光と異なる周波数を有する誤差光を
    取り除く第1のフィルタ手段とを含んで構成されている
    ことを特徴とする光波干渉測定装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3において、 前記光波干渉測定装置は、さらに、 前記第1の光源から出射された前記光束の一部を取り込
    み、前記干渉光の基準となる基準干渉光を発生させる第
    2の干渉光学系と、 前記基準干渉光を検出する第2の検出手段とを有し、 前記演算手段は、前記第1の検出手段の検出結果および
    前記第2の検出手段の検出結果に基づいて前記移動光学
    系の位置に関する情報を出力することを特徴とする光波
    干渉測定装置。
  5. 【請求項5】請求項2、3または4において、 前記中継光学系は、さらに、前記第2の光束分割手段と
    前記第2の反射手段との間に配置されて前記誤差光を取
    り除く第2のフィルタ手段を有することを特徴とする光
    波干渉測定装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記第2のフィルタ手段は、前記誤差光を透過させる、
    一つ以上の偏光ビームスプリッタを備えていることを特
    徴とする光波干渉測定装置。
  7. 【請求項7】請求項2、3、4、5または6において、 前記光波干渉測定装置は、さらに、 前記固定光学系と前記第1の光束分割手段との間に配置
    されて前記誤差光を取り除く第3のフィルタ手段を有す
    ることを特徴とする光波干渉測定装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、 前記測定光は、周波数ω1の光であり、 前記参照光は、周波数ω1’の光であり、 前記屈折率変動測定光は、周波数ω2の光と周波数ω3
    光を含んでおり、 前記第1のフィルタ手段および第3のフィルタ手段のそ
    れぞれは、少なくとも前記周波数ω2の光及び前記周波
    数ω3の光を取り除くことを特徴とする光波干渉測定装
    置。
  9. 【請求項9】請求項8において、 前記周波数ω3の光は、前記周波数ω2の光の第2高調波
    であることを特徴とする光波干渉測定装置。
  10. 【請求項10】請求項8または9において、前記周波数
    ω1と前記周波数ω1’は、値が僅かに異なることを特徴
    とする光波干渉測定装置。
  11. 【請求項11】請求項8、9または10において、 前記測定手段は、 前記第2の光源と前記第1の光束分割手段との間に配置
    され、前記第2の光源から出射された前記屈折率変動測
    定光の一部を取り込み、当該屈折率変動測定光の一部に
    含まれる周波数ω2の光と周波数ω3の光とを干渉させる
    第3の干渉光学系と、 前記第3の干渉光学系で得られた干渉光を検出する第3
    の検出手段と、 前記移動光学系及び前記中継光学系を通過した前記屈折
    率変動測定光に含まれる周波数ω2の光と周波数ω3の光
    とを干渉させる第4の干渉光学系と、 前記第4の干渉光学系で得られた干渉光を検出する第4
    の検出手段と、 前記第3の検出手段の検出結果および前記第4の検出手
    段の検出結果に基づいて前記屈折率変動に関する情報を
    算出する手段と、を有することを特徴とする光波干渉測
    定装置。
  12. 【請求項12】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10または11において、 前記光波干渉測定装置は、さらに、 前記固定光学系を少なくとも収容し、当該固定光学系に
    おける気体の屈折率変動を低減させる収容器を有するこ
    とを特徴とする光波干渉測定装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002535637A (ja) * 1999-01-20 2002-10-22 ライトラブ イメージング イメージングシステムにおける高速縦方向走査方法および装置

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