JPH09280022A - 4サイクルディーゼル機関の動弁装置 - Google Patents

4サイクルディーゼル機関の動弁装置

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JPH09280022A
JPH09280022A JP8088090A JP8809096A JPH09280022A JP H09280022 A JPH09280022 A JP H09280022A JP 8088090 A JP8088090 A JP 8088090A JP 8809096 A JP8809096 A JP 8809096A JP H09280022 A JPH09280022 A JP H09280022A
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exhaust
valve
cam
diesel engine
exhaust valve
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Kishirou Akiba
機四郎 秋葉
Sondesu Obaia
ソンデス オバイア
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 吸気行程中に排気弁を開くことでポンピン
グロスを低減でき、しかも排気弁を開くことで不具合を
生じるような運転状態時には、排気弁の開きをキャンセ
ルすることで、その不具合を防止できる4サイクルディ
ーゼル機関の動弁装置を提供する。 【解決手段】 排気弁を開閉する排気カム22,23を
設け、各排気カム22,23の排気行程で排気弁を開弁
する第1のカム山52,53を設け、一方の排気カム2
2に吸気行程で排気弁を開弁する第2のカム山54を設
け、第2のカム山54により弁リフト量を第1のカム山
52によるものより小さく設定し、さらに、第2のカム
山54の開弁のキャンセル機構60と、そのキャンセル
機構60を機関の運転状態に応じて働かせるコントロー
ラ100を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として過給機付
4サイクルディーゼル機関におけるポンピングロスを逓
減して燃費の悪化を防止すると共に、排気ブレーキ作動
時の吸気行程中の、バルブジャンピングによるピストン
頂部と排気バルブの破損を防止できる動弁装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の4サイクルディーゼル機関におい
ては、排気行程におけるシリンダ内圧が吸気行程におけ
るシリンダ内圧よりも高く、この差圧がポンピングロス
としてその機関の燃費を悪化させる原因となっており、
しかも、このポンピングロスは例えば図8に示すPV線
図において、斜線Xで示す如く大きな領域を形成してい
る。このポンピングロスは、特に過給機付の機関では自
然吸気機関(ガソリンエンジン)よりも大きなポンピン
グロスを生じている。
【0003】従って、前記のような排気行程と吸気行程
との間の差圧を小さくしてポンピングロスを低減するこ
とが、特に過給機付ディーゼル機関における更なる燃費
低減のために必要である。一方、前記ポンピングロス低
減のために、吸気行程において排気弁を開き、この時の
排気ポート内圧がシリンダ内圧よりも高くなっているこ
とにより生じる排気ガスの逆流を利用して、吸気行程に
おけるシリンダ内圧を上昇させ、その結果、前記の差圧
を小さくさせてポンピングロスの低減をはかる装置が特
開平3−124951号公報及び特開平7−12740
3号公報で提案されている。
【0004】特開平3−124951号の発明における
内燃機械の排気吸入装置は、クランク軸の回転に同期し
て開閉し、かつ排気終期と吸気初期にオーバラップして
開放される吸気弁及び排気弁を備え、排気口に断面積が
ほぼ一定の排気管を接続すると共に、その排気弁にはオ
ーバラップの後の吸気行程中に再度短期間開放されるリ
フト機構を備え、排気管は端末部に絞りを有することを
特徴としており、排気弁が一旦閉じた吸気行程中に、排
気カムの小カム面により排気弁の再開放が強制的に行わ
れて内部EGRを行うようにしたものである。
【0005】また、特開平7−127403号の発明に
おける内燃機関の動弁装置は、排気弁の閉じ遅れ角度
を、その一般的角度である10〜30°を越えて、吸気
行程側を大きく設定すると共に、この排気弁が開いてか
ら閉じるまでの排気行程におけるパルブリスト特性を非
対称に設定し、排気行程前半側で排気弁のリフト量が最
大となるように排気弁を駆動するカムのプロフィールを
形成したことを特徴としており、これにより排気行程後
半の排気ガス還流によるポンピングロスの低減を安価に
信頼性良く実現しようとしたものである。
【0006】しかしながら、前記先行技術は、何れも排
気圧の低いガソリン機関を前提とした発明であって、排
気圧の高い過給機付きディーゼル機関においては適用で
きないものである。即ち、前記先行技術においては、全
ての運転状態の吸気行程で排気弁を開くために、排気圧
(燃焼圧)の低いガソリン機関では適用可能な装置であ
るが、排気圧の高い、過給機付きディーゼル機関では、
逆流する排気ガス量が過大となるため、燃焼に寄与する
吸入空気(新気)の量が相対的に不足し、不完全燃焼を
引き起こす欠点がある。
【0007】具体的には、過給圧が低く、即ち、吸入空
気量が少なく、且つ、燃料噴射量の多い、低速・高負荷
時には上記のような不具合を生ずる。また、ディーゼル
機関では排気ブレーキ(排気絞り弁)を備えることが一
般的に行なわれているが、排気ブレーキ作動(絞り弁閉
じ)の時の、吸気行程中に排気弁が開くと、高圧の排気
が逆流するためにバルブジャンピングを引き起こし、ピ
ストン頂面と排気弁が干渉し、両者の破損を招いてしま
うという問題がある。
【0008】本発明は、過給機付きディーゼルエンジン
において、吸気行程中に排気弁を開くことによるポンピ
ングロスの逓減を図ると共に、排気弁を開くことにより
不具合を生ずるような運転状態では、排気弁の開きをキ
ャンセルするように操作してピストン頂面と排気弁との
衝突を防止することができる装置を提供するものであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、過給機付4
サイクルディーゼル機関において、その吸気行程中に排
気弁を開くことによりポンピングロスの低減を図ると共
に、排気弁を開くことにより不具合を生じるような運転
状態時には、排気弁の開きをキャンセルすることでバル
ブジャンプの不具合を防止できる、4サイクルディーゼ
ル機関の動弁装置を提供するたとを解決課題としたもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、過給機付4サ
イクルディーゼル機関の排気弁を開弁駆動する排気カム
に、排気行程において排気弁を開弁する第1のカム山
と、吸気行程において排気弁を開弁する第2のカム山を
設けると共に、この第2のカム山による弁リフト量を第
1のカム山による弁リフト量より小さく設定し、さら
に、第2のカム山による排気弁の開弁をキャンセルする
キャンセル機構及び上記機関の運転状態に応じてキャン
セル機構を働かせるコントローラを設けた4サイクルデ
ィーゼル機関の動弁装置である。
【0011】また、上記コントローラは、機関の低速且
つ高負荷時にキャンセル機構を働かせるように構成して
いる。更に、上記構成に排気ブレーキを装備し、かつ前
記コントローラは、排気ブレーキ作動時にキャンセル機
構を働かせるように構成した4サイクルディーゼル機関
の動弁装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の4サ
イクルディーゼル機関の動弁装置の実施形態を説明する
が、図1及び図2はその一実施形態における動弁装置の
要部の一部を破断して示した斜視図及び制御系統図であ
る。まず、過給機付4サイクルディーゼル機関の動弁装
置においては、1つのシリンダ当たりの図示されていな
い排気弁を開弁駆動する2個の排気カム22,23をカ
ムシャフト6上に設けており、両方の排気カム22,2
3に排気行程において常時排気弁を開弁する第1のカム
山52,53をそれぞれ設けている。
【0013】また、一方の排気カム22には吸気行程に
おいて排気弁を開弁する第2のカム山54を設けてお
り、この第2のカム山54による排気弁の弁リフト量
を、第1のカム山52,53による弁リフト量よりも小
さく設定している。さらに、上記第2のカム山54によ
る排気弁の開弁をキャンセルするキャンセル機構60
と、上記ディーゼル機関の運転状況に応じてキャンセル
機構60を働かせるコントローラ100を設けている。
【0014】すなわち、上記の第2のカム山54による
作動のオン・オフを図1に示すような油圧機構等からな
るキャンセル機構60によって行なっており、その機構
を含む動弁装置について以下に説明する。このディーゼ
ル機関の吸気カム及びその弁系は通常通り1個である
が、本発明の動弁装置における排気側には上記のごとく
2個の排気カム22,23を使用している。そして排気
カム23により排気弁を駆動するロッカーアーム15に
係合腕17を形成し、別の排気カム22により排気弁を
駆動するロッカーアーム16に油圧プランジャ装置18
を組み込み、上記係合腕17に取り付けたパッド57が
プランジャボデー19に当接することによってそれぞれ
のロッカーアーム15と16とを係合させるようにして
いる。
【0015】プランジャボデー19は周囲をフランジ状
に形成し、パッド57側に付勢するスプリング25に当
接させ、このパッド57に接触する部分は僅かに球面状
に形成し、ロッカーアーム15とロッカーアーム16と
が異なる回転運動した際に、軽く運動できるように滑り
易くしている。そして、プランジャボデー19にシリン
ダ21を形成し、内部に筒状のプランジャ26を嵌入
し、シリンダ21とそのプランジャ26とでロック用油
室27を形成している。このロック用油室27は、高圧
油を封じ込め、プランジャボデー19をそのハウジング
18a内に押し込み不能、即ちロックするものであり、
また、シリンダ21は、ロッカーアーム16側から油圧
プランジャ装置18内に伸び出したスリーブハウジング
18bに接して前後動するように取り付けられている。
【0016】次に、プランジャ26の中空部には、ピス
トン28に突設したニードル29が嵌入され、その周囲
及びピストン28のニードル29側の空間によって作動
油室30を形成し、この作動油室30と、隣接するロッ
ク用油室27との間にはボール弁からなる閉止弁31を
設けており、この閉止弁31の周囲には作動油の通過を
可能にするガイド31aを取り付けている。
【0017】また、ピストン28に対し、作動油室30
の反対側にスプリング32を嵌入したスプリング室33
を形成し、スプリング室33内のスプリング32は、ピ
ストン28を常時閉止弁31側に付勢しており、また、
ロック用油室27内にプランジャ26とプランジャボデ
ー19との間に圧縮スプリング27aを装着し、さら
に、スプリング室33を大気に連通させる空気通路35
をロッカーアーム16に穿設している。
【0018】そして、スプール弁からなる切換弁34
を、作動油室30と作動油供給路110との間と前記空
気通路35の中間部に取り付け、上記切換弁34の弁体
をスプリング36によって作動油供給路110側に付勢
するようにした。また、前記作動油供給路110は、ロ
ッカーシャフト4の中空部に形成した油路11に連通す
るようにロッカーアーム16に穿設している。
【0019】この動弁機構の作用をまとめてみると、次
のようになる。 〔ポンピングロスの改善状態〕先ず、第2のカム山を備
えたカム22により排気弁を作動させる場合には、キャ
ンセル機構60に作動油を供給して、油路11及び作動
油供給路110の油圧を高くする。この高い油圧による
力は、スプリング36に抗して切換弁34の弁体を後退
させ、作動油室30と作動油供給路110と油路11を
連通させると共に、切換弁34の弁体の胴部の周方向の
リング溝によってスプリング室33を空気通路35を通
じて大気に連通させる。
【0020】すると、高圧の作動油が作動油室30に入
り、ピストン28をスプリング32に抗してパッド57
の反対側に動かすと共に、シリンダ21をパッド57側
に動かす。この時、ロック用油室27は密閉状態なの
で、閉止弁31が吸引されて開き、ガイド31aを通っ
てロック用油室27に作動油が入る。そして、油路1
1、作動油供給路110、作動油室30、ロック用油室
27が連通するので、作動油の圧力でプランジャボデー
19をパッド57側に押しつける。
【0021】この時に、プランジャボデー19が、作動
油の圧力による力よりも大きい力で、パッド57側から
押されると、ロック用作動油室27の油圧が上昇し、閉
止弁31が押じ込まれで閉じるので、ロック用油室27
は密閉され、プランジャボデー19の動きをロックす
る。こうして、プランジャボデー19が押し出された状
態でロックされ、ロッカーアーム15のパッド57に当
接している状態が保たれ、第2のカム山54を備えたカ
ム22によって、ロッカーアーム16がロッカーシャフ
ト4回りに回動すると、パッド57を押し込んで、排気
弁を作動させることができる。なお、この時、スプリン
グ室33は大気と連通されており、スプリング室33内
の空気の圧力は大気圧に保たれるので、ピストン28に
抗する力にならない。
【0022】〔ロッカーアーム16の通常作動状態〕次
に、第2のカム山54の作動をキャンセルする場合に
は、キャンセル機構60への作動油の供給用の弁を絞っ
て、油路11及び作動油供給路110の油圧を低くす
る。この油圧が低くなると、スプリング32の付勢力に
より、ピストン28がパッド57側に動き、ピストン2
8に連結しているニードル29が閉止弁31を押し開
き、ロック用油室27に溜まっていた作動油はガイド3
1aを通って作動油室30に戻る。従ってプランジャボ
デー19のロックが外れ、プランジャボデー19が、パ
ッド57によって押されると、スリーブハウジング18
bに接しながら後退することになる。
【0023】この時に作動油の圧力は徐々に下がるが、
スプリング36の付勢力より切換弁34を押す圧力が強
い間は、油路11、作動油供給路110、作動油室3
0、ロック用油室27が連通しているので、作動油は油
路11に戻る。さらに作動油の圧力が下がると、スプリ
ング36の付勢力により切換弁34の弁体が前進し、作
動油室30と作動油供給路110を遮断し、作動油室3
0とロック用油室27が連通したまま、両室30,27
が密閉状態となる。そのため、プランジャボデー19が
引っ込んだ状態でロックされる。一方、切換弁34の弁
体の胴部の周方向のリング溝が空気通路35からずれ
て、スプリング室33を密閉する。
【0024】こうして、プランジャボデー19が引き込
まれた状態でロックされるので、カム山54によって、
ロッカーアーム16がロッカーシャフト4回りに回動し
ても、パッド57を押し込むことができないので、排気
弁の作動をキャンセルできることになる。以上の動弁装
置において、排気カム22に設けられた第2のカム山5
4による排気弁の開弁をキャンセルするキャンセル機構
60を、そのディーゼル機関の運転状況に応じて働かせ
るコントローラ100(図1)としては、このディーゼ
ル機関のオイルタンク37の作動油をポンプ38によっ
て汲み上げ、オイルギャラリー39に供給する。そし
て、このオイルギャラリー39ではこのディーゼル機関
の各部にエンジンオイルを供給するライン58に分岐
し、油圧・油量制御弁40からロッカーシャフト4の中
空部に形成した油路11に作動油を供給する。
【0025】なお、油圧・油量制御弁40はこのディー
ゼル機関を制御する電子制御装置(ECU)41によっ
て制御するようにしている。次に、図3は図1及び図2
の実施形態の動弁装置を装備した4サイクルディーゼル
機関のシステム図であり、過給機61により加圧された
吸気は、インタークーラ62を経由してこの4サイクル
ディーゼル機関のシリンダ63の吸気カム66で駆動さ
れる吸気弁64を介して導入され、燃焼により発生した
排気ガスは2個の排気カム22,23により開閉駆動す
る排気弁65を介して排気弁ブレーキ200を経由して
過給機61に導入されるようになっている。
【0026】図3において70で示すのはエンジンオイ
ルポンプであり、排気カム22の第2のカム山54(図
1,2)による排気弁65の開弁をキャンセルするキャ
ンセル機構60を働かせるコントローラ100は、機関
回転数センサー73及び機関負荷センサー74、さらに
は排気ブレーキセンサー75などからの信号によりキャ
ンセル機構60を制御するものである。
【0027】即ち、このコントローラ100は、図4に
示すようなフローチャートで操作するように構成され、
ディーゼル機関の低速且つ高負荷時にキャンセル機構6
0を働かせるようになっており、また、この機関に装備
された排気ブレーキ200作動時にこのコントローラ1
00がキャンセル機構60を働かせるようになってい
る。
【0028】排気カム23の作動は、この例においては
低速回転(アイドリング)から中速回転(1600rp
m)まで、及び排気ブレーキ200の時である。また、
排気カム23と22の両者を作動させる時は、中速回転
以上の時と、低速低負荷(60%以下)の時であるよう
に制御される。従って、排気カム22,23の第1のカ
ム山52,53は、従来技術で問題とされた高速運転時
のバルブのジャンピングを防止し、排気ガスをシリンダ
63から効率良く排出するように設計するものとしてい
る。
【0029】図5はこの排気カム23と吸気カム66の
バルブリフトカーブ線図で、排気カム23の第1のカム
53のリフトカーブをD、そして吸気カム66の第1の
カム52のリフトカーブEでそれぞれ示している。次
に、排気カム22に形成した第2のカム山54は、機関
の低速且つ高負荷時、及び排気ブレーキ200の作動時
を除く運転状態において、油量制御弁40を開放して前
記キャンセル機構60の油圧回路へオイルを供給するこ
とにより、作動させるようにしており、図6に排気カム
22の第1のカム52のリフトカーブDと第2のカム5
4のリフトカーブFとを連続して示し、そして吸気カム
66のリフトカーブをEで示している。
【0030】以上のごとく、本発明の動弁装置の特徴
は、排気カム22に設けた第1のカム山52による弁リ
フト量よりも弁リフト量を小さく設定した、より小さな
第2のカム山54の開閉時期と、その弁リフト量にあ
る。一般に、従来の4サイクルディーゼル機関は図8の
PV線図において斜線Xで示したポンピングロスと呼ば
れる、吸排気行程で通常負の仕事を行なっている。特
に、過給機付のディーゼル機関でこのポンピングロスが
顕著であるが、燃費向上のために、本発明ではこの排気
カム22に第1のカム山52と、このカム山よりも小さ
な第2のカム山54を形成し、この第2のカム山54を
吸気行程の初期に開けることにより、図7に示すガス流
量とクランク角度との関係線図において矢印Rで示す排
気ガスの逆流分が発生する。
【0031】その結果、図8のPV線図に示すように、
吸排気期間におけるポンピングロスが斜線Yで示すよう
に、従来の斜線Xの部分よりも減少し、燃費の向上がは
かれる。この線図は、WAVEと称する吸排気系を脈動
流で解いたコンピュータプログラムによる計算結果であ
り、本発明の第2のカム山54を使用することで、ポン
ピングロスは、図8の各斜線部分Y2 −(Y1 +Y3
となる。前記Y1 とY3は正の仕事となり、従来の斜線
Xで示されるポンピングロスを発生する領域に比べて顕
著に改善されることになる。
【0032】次に、図9に図3の機関のシリンダ圧力と
排気ポート圧力と吸気圧力とを、膨張,排気,吸入及び
圧縮の各行程で示しているが、排気ポート圧力がシリン
ダ圧力より大きくなり、排気ポートからシリンダへの流
れ、即ち矢印Zで示す逆流部分が吸入行程で起きること
を示している。すなわち、排気圧がシリンダ内圧より高
い間に排気弁を開くことで排気ガスが逆流することにな
る。
【0033】なお、図9においては機関回転数を定速回
転とし、負荷を100%として計算している。上記矢印
Zで示す逆流部分は、排気カム22に形成した小さな第
2のカム54の開閉期間により効果的な時期があり、シ
ミュレーション計算で求めたが、この結果により弁開時
期は上死点後20°近辺が望ましく、弁閉時期は弁リフ
トによるが、下死点前30°近辺が望ましい。さらに弁
リフトは耐久性を考慮すると、排気弁リフトの30%前
後が望ましい。
【0034】また、本発明によれば、燃費が高速で3%
前後、中速で4%前後向上するという効果が計算により
予測できた。なお、上記の第2のカム山54の最大リフ
トは、排気ガスの還流量や弁機構の耐久性で決定される
が、各種シミュレーション計算で効果の出る範囲内で、
しかも実用的な範囲内に絞るものとする。
【0035】また、本発明の動弁装置に適用される弁機
構は前記の実施形態のものに限定するものではなく、例
えばOHV型でもOHC型でもよく、また、第2のカム
山54による排気弁の開弁のキャンセル機構60につい
ても図1に示す機構のものに限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】以上に説明した本発明の4サイクルディ
ーゼル機関の動弁装置によれば、特に過給機付4サイク
ルディーゼル機関におけるポンピングロスの低減を図る
ことができる上に、その機関の燃費の向上をはかること
ができる。また、本発明の動弁装置の特徴として設けら
れた、2個の排気カム上の小さな第2のカム山54によ
り排気弁を開くことにより不具合を生じるような機関の
運転状態においては、キャンセル機構60をコントロー
ラ100で働かせることにより、排気弁の開動作をキャ
ンセルでき、不具合の発生を防止でき、機関の信頼性の
向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における動弁装置の一部破
断状態で示した要部斜視図及び制御系統図である。
【図2】図1の動弁装置の側面図である。
【図3】図1の動弁装置を装備した4サイクルディーゼ
ル機関のシステム図である。
【図4】前記3の動弁装置を駆動するフローチャートで
ある。
【図5】図1のディーゼル機関の弁リフトカーブ線図で
ある。
【図6】図3のディーゼル機関の弁リフトカーブ線図で
ある。
【図7】図3のディーゼル機関のガス流量とクランク角
度との関係線図である。
【図8】図2のディーゼル機関と従来の機関とのポンピ
ングロスを対比して示すPV線図である。
【図9】図3の機関のシリンダ圧力、排気ポート圧力、
吸気圧力とクランク角度との関係線図である。
【符号の説明】
22 排気カム 23 排気カ
ム 52 第1のカム山 53 第1の
カム山 54 第2のカム山 60 キャン
セル機構 100 コントローラ 200 排気
ブレーキ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 13/04 F02D 13/04 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過給機付4サイクルディーゼル機関の排
    気弁を開弁駆動する排気カムに、排気行程において排気
    弁を開弁する第1のカム山と、吸気行程において排気弁
    を開弁する第2のカム山を設けると共に、この第2のカ
    ム山による弁リフト量を第1のカム山による弁リフト量
    より小さく設定し、さらに、第2のカム山による排気弁
    の開弁をキャンセルするキャンセル機構及び上記機関の
    運転状態に応じてキャンセル機構を働かせるコントロー
    ラを設けた4サイクルディーゼル機関の動弁装置。
  2. 【請求項2】 コントローラは、機関の低速且つ高負荷
    時にキャンセル機構を働かせるように構成した請求項1
    記載の4サイクルディーゼル機関の動弁装置。
  3. 【請求項3】 排気ブレーキを装備し、かつ前記コント
    ローラは、排気ブレーキ作動時にキャンセル機構を働か
    せるように構成した請求項1記載の4サイクルディーゼ
    ル機関の動弁装置。
JP8088090A 1996-04-10 1996-04-10 4サイクルディーゼル機関の動弁装置 Pending JPH09280022A (ja)

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