JPH09279435A - 仮撚機の冷却プレート - Google Patents
仮撚機の冷却プレートInfo
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- JPH09279435A JPH09279435A JP9099996A JP9099996A JPH09279435A JP H09279435 A JPH09279435 A JP H09279435A JP 9099996 A JP9099996 A JP 9099996A JP 9099996 A JP9099996 A JP 9099996A JP H09279435 A JPH09279435 A JP H09279435A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 糸外れが発生せず安定に走行させることが出
来る仮撚機の冷却プレートを提供する。 【解決手段】 Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与されて
走行する糸条（Ｙ）の走行方向に沿って凸状の曲率をも
って形成されたＵ字状又はＶ字状溝を有し、該溝の底部
に糸条（Ｙ）を接触走行させて該糸条を冷却する仮撚機
の冷却プレート（２）において、糸条（Ｙ）の走行方向
に沿った前記の曲率を維持しながら、前記のＵ字状又は
Ｖ字状溝を、糸条のＳ撚り又はＺ撚りに対応させて糸条
（Ｙ）が走行する下流方向から見てそれぞれ右又は左に
弓状に屈曲（Ｃ）させた仮撚機の冷却プレート（２）で
ある。
来る仮撚機の冷却プレートを提供する。 【解決手段】 Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与されて
走行する糸条（Ｙ）の走行方向に沿って凸状の曲率をも
って形成されたＵ字状又はＶ字状溝を有し、該溝の底部
に糸条（Ｙ）を接触走行させて該糸条を冷却する仮撚機
の冷却プレート（２）において、糸条（Ｙ）の走行方向
に沿った前記の曲率を維持しながら、前記のＵ字状又は
Ｖ字状溝を、糸条のＳ撚り又はＺ撚りに対応させて糸条
（Ｙ）が走行する下流方向から見てそれぞれ右又は左に
弓状に屈曲（Ｃ）させた仮撚機の冷却プレート（２）で
ある。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性合成繊維
マルチフィラメント糸（以下、単に「糸条」と称する）
に仮撚りを付与し、仮撚りを熱セットするために加熱手
段に引き続き設けられた仮撚加工機又は延伸仮撚加工機
（以下、単に「仮撚機」と称する）の冷却プレートに関
する。
マルチフィラメント糸（以下、単に「糸条」と称する）
に仮撚りを付与し、仮撚りを熱セットするために加熱手
段に引き続き設けられた仮撚加工機又は延伸仮撚加工機
（以下、単に「仮撚機」と称する）の冷却プレートに関
する。
【０００２】
【従来の技術】一般に、仮撚機に供給される糸条は、仮
撚加工工程の前工程である紡糸工程及び／又は延伸工程
において、単繊維切れ等が生じて工程通過性が悪化しな
いように油剤が付与されている。このような糸条に付着
した油剤は、仮撚機のヒーターで加熱され、その一部は
気化して油煙となる。この気化した油煙は、走行糸条に
随伴する気流とともに輸送され、ヒーターの糸条出口部
に設けられた吸煙パイプへ吸煙される。
撚加工工程の前工程である紡糸工程及び／又は延伸工程
において、単繊維切れ等が生じて工程通過性が悪化しな
いように油剤が付与されている。このような糸条に付着
した油剤は、仮撚機のヒーターで加熱され、その一部は
気化して油煙となる。この気化した油煙は、走行糸条に
随伴する気流とともに輸送され、ヒーターの糸条出口部
に設けられた吸煙パイプへ吸煙される。
【０００３】しかしながら、吸煙パイプへ吸煙されなか
った一部の油剤は、加熱されて高温低粘度の油剤とな
り、糸条に付着したまま走行し、油剤を飛散させる。ま
た、ヒーター出口部に設けられた糸ガイドやヒーターに
引き続いて設けられた冷却プレートの糸条接触部で油剤
の凝縮を起こす。このような油剤の凝縮が起こると、油
剤がガイドや冷却プレートにそのまま付着し、付着した
油剤中に含まれる水分も蒸発して、粘度の高い油だけが
長期に渡って残留することとなる。
った一部の油剤は、加熱されて高温低粘度の油剤とな
り、糸条に付着したまま走行し、油剤を飛散させる。ま
た、ヒーター出口部に設けられた糸ガイドやヒーターに
引き続いて設けられた冷却プレートの糸条接触部で油剤
の凝縮を起こす。このような油剤の凝縮が起こると、油
剤がガイドや冷却プレートにそのまま付着し、付着した
油剤中に含まれる水分も蒸発して、粘度の高い油だけが
長期に渡って残留することとなる。
【０００４】また、一般に糸条を冷却するための前記の
冷却プレートは、接触熱伝導による方法が最も熱伝達効
率が高いため、糸条の走行方向に沿って凸状の曲率をも
って形成されたＵ字状又はＶ字状溝を設け、該溝の底部
に糸条の走行位置を規制しながら糸条を接触冷却させる
方法が使用されている。このような冷却プレートの溝底
部を、糸条を走行させると、粘度の高くなった油剤が付
着した溝壁と走行糸条との間の動摩擦係数が上昇し、仮
撚りを付与されて回転する糸条が溝壁を登って溝から外
れるという現象が生じる。このような糸外れが生じる
と、糸条の冷却不足や冷却斑による染斑や捲縮斑を惹起
する。このため、糸外れを防止するための冷却プレート
がいろいろ提案されている（例えば、特開平５−３３１
７２６号公報、特開平５−３３１７２７号公報、実開平
５−５６９７６号公報等）が、何れも決定的なものとは
なっていない。
冷却プレートは、接触熱伝導による方法が最も熱伝達効
率が高いため、糸条の走行方向に沿って凸状の曲率をも
って形成されたＵ字状又はＶ字状溝を設け、該溝の底部
に糸条の走行位置を規制しながら糸条を接触冷却させる
方法が使用されている。このような冷却プレートの溝底
部を、糸条を走行させると、粘度の高くなった油剤が付
着した溝壁と走行糸条との間の動摩擦係数が上昇し、仮
撚りを付与されて回転する糸条が溝壁を登って溝から外
れるという現象が生じる。このような糸外れが生じる
と、糸条の冷却不足や冷却斑による染斑や捲縮斑を惹起
する。このため、糸外れを防止するための冷却プレート
がいろいろ提案されている（例えば、特開平５−３３１
７２６号公報、特開平５−３３１７２７号公報、実開平
５−５６９７６号公報等）が、何れも決定的なものとは
なっていない。
【０００５】このため、冷却プレートの溝からの糸外れ
の原因となる紡糸工程等において糸条に付着した油剤を
極限まで落とすことが行われている。しかしながら、上
述のように糸条の油剤付着量を極限まで落とす場合に
は、糸条が擦過され損傷するため強伸度の低下や毛羽の
発生が起こる。また、油剤の付着レベルを管理すること
が難しいという問題もある。
の原因となる紡糸工程等において糸条に付着した油剤を
極限まで落とすことが行われている。しかしながら、上
述のように糸条の油剤付着量を極限まで落とす場合に
は、糸条が擦過され損傷するため強伸度の低下や毛羽の
発生が起こる。また、油剤の付着レベルを管理すること
が難しいという問題もある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた諸問題に
鑑み、本発明が解決しようとする課題は、冷却プレート
からの糸外れが発生せず、従って、冷却斑や冷却不足が
生じることがなく安定して仮撚が付与された糸条が冷却
プレートの溝底部を走行する仮撚装置の冷却プレートを
提供することにある。
鑑み、本発明が解決しようとする課題は、冷却プレート
からの糸外れが発生せず、従って、冷却斑や冷却不足が
生じることがなく安定して仮撚が付与された糸条が冷却
プレートの溝底部を走行する仮撚装置の冷却プレートを
提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】ここに、請求項１に係る
発明によれば、Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与されて
走行する糸条の走行方向に沿って凸状の曲率をもって形
成されたＵ字状又はＶ字状溝を有し、該溝の底部に糸条
を接触走行させて該糸条を冷却する仮撚機の冷却プレー
トにおいて、糸条の走行方向に沿った前記の曲率を維持
しながら、前記のＵ字状又はＶ字状溝を、糸条のＳ撚り
又はＺ撚りに対応させて糸条が走行する下流方向から見
てそれぞれ右又は左に弓状に屈曲させた仮撚機の冷却プ
レートが提供される。
発明によれば、Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与されて
走行する糸条の走行方向に沿って凸状の曲率をもって形
成されたＵ字状又はＶ字状溝を有し、該溝の底部に糸条
を接触走行させて該糸条を冷却する仮撚機の冷却プレー
トにおいて、糸条の走行方向に沿った前記の曲率を維持
しながら、前記のＵ字状又はＶ字状溝を、糸条のＳ撚り
又はＺ撚りに対応させて糸条が走行する下流方向から見
てそれぞれ右又は左に弓状に屈曲させた仮撚機の冷却プ
レートが提供される。
【０００８】また、請求項２に係る発明によれば、Ｓ撚
り又はＺ撚りの仮撚りが付与されて走行する糸条の走行
方向に沿って凸状の曲率をもって形成されたＵ字状又は
Ｖ字状溝を有し、該溝の底部に糸条を接触走行させて該
糸条を冷却する仮撚機の冷却プレートにおいて、前記の
Ｕ字状又はＶ字状溝の左右壁の高さを糸条のＳ撚り又は
Ｚ撚りに対応させて、糸条が走行する下流方向から見た
右側壁又は左側壁をそれぞれ左側壁又は右側壁より高く
した仮撚機の冷却プレートが提供される。
り又はＺ撚りの仮撚りが付与されて走行する糸条の走行
方向に沿って凸状の曲率をもって形成されたＵ字状又は
Ｖ字状溝を有し、該溝の底部に糸条を接触走行させて該
糸条を冷却する仮撚機の冷却プレートにおいて、前記の
Ｕ字状又はＶ字状溝の左右壁の高さを糸条のＳ撚り又は
Ｚ撚りに対応させて、糸条が走行する下流方向から見た
右側壁又は左側壁をそれぞれ左側壁又は右側壁より高く
した仮撚機の冷却プレートが提供される。
【０００９】そして、請求項３に係る発明によれば、仮
撚りが付与されて走行する糸条の走行方向に沿って凸状
の曲率をもって形成されたＵ字状又はＶ字状溝を有し、
該溝の底部に糸条を接触走行させて該糸条を冷却する仮
撚機の冷却プレートにおいて、前記のＵ字状又はＶ字状
溝の底部に対向させて、その天井部に該溝の左右の両側
壁とその両端が接触するアーチ状ガイドを該溝の糸条走
行部に沿った中央部及び／又は糸条出入口部に設けた仮
撚機の冷却プレートが提供される。
撚りが付与されて走行する糸条の走行方向に沿って凸状
の曲率をもって形成されたＵ字状又はＶ字状溝を有し、
該溝の底部に糸条を接触走行させて該糸条を冷却する仮
撚機の冷却プレートにおいて、前記のＵ字状又はＶ字状
溝の底部に対向させて、その天井部に該溝の左右の両側
壁とその両端が接触するアーチ状ガイドを該溝の糸条走
行部に沿った中央部及び／又は糸条出入口部に設けた仮
撚機の冷却プレートが提供される。
【００１０】更に、請求項４に係る発明によれば、前記
の加熱手段を走行する糸条の糸道とほぼ一直線になるよ
うに配設された仮撚機の冷却プレートが提供される。
の加熱手段を走行する糸条の糸道とほぼ一直線になるよ
うに配設された仮撚機の冷却プレートが提供される。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１２】図１は、本発明が適用される仮撚機の主要
構成を示した正面図であって、符号Ｙは、Ｓ撚り又はＺ
撚りの仮撚りが付与された糸条を示す。
構成を示した正面図であって、符号Ｙは、Ｓ撚り又はＺ
撚りの仮撚りが付与された糸条を示す。
【００１３】該図において、糸条（Ｙ）は、矢印で示し
た方向へ走行する。また、符号１〜５は、接触式あるい
は非接触式の加熱手段（以下、単に「ヒーター」と称す
る）、第一冷却プレート、糸条ガイド、第二冷却プレー
ト、及び仮撚付与手段をそれぞれ示す。なお、該図の第
一冷却プレート（２）には、Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚り
が付与されて走行する糸条の走行方向に沿って凸状の曲
率（Ｒ）が形成されたＵ字状又はＶ字状溝が形成されて
いる。
た方向へ走行する。また、符号１〜５は、接触式あるい
は非接触式の加熱手段（以下、単に「ヒーター」と称す
る）、第一冷却プレート、糸条ガイド、第二冷却プレー
ト、及び仮撚付与手段をそれぞれ示す。なお、該図の第
一冷却プレート（２）には、Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚り
が付与されて走行する糸条の走行方向に沿って凸状の曲
率（Ｒ）が形成されたＵ字状又はＶ字状溝が形成されて
いる。
【００１４】以上のように構成された仮撚機において、
紡糸工程及び／又は延伸工程において油剤を付与された
糸条（Ｙ）は、クリール（図示せず）から供給されて、
ヒーター（１）で繊維の可塑化温度に迄加熱される。こ
のとき、外接又は内接フリクションディスク、スピナー
等の仮撚付与手段（５）によって付与される仮撚りは、
第二冷却プレート（４）、糸ガイド（３）、及び第一冷
却プレート（２）を遡及し前記のヒーター（１）内に達
する。このようにしてヒーター（１）及び第一冷却プレ
ート（２）で熱セットされることにより、糸条（Ｙ）に
付与されたＳ撚り又はＺ撚りの仮撚りが固定される。そ
の後、仮撚付与手段（５）を仮撚りが付与された糸条が
通過すると、糸条に与えられた仮撚りが解撚されて糸条
に捲縮が発現する。
紡糸工程及び／又は延伸工程において油剤を付与された
糸条（Ｙ）は、クリール（図示せず）から供給されて、
ヒーター（１）で繊維の可塑化温度に迄加熱される。こ
のとき、外接又は内接フリクションディスク、スピナー
等の仮撚付与手段（５）によって付与される仮撚りは、
第二冷却プレート（４）、糸ガイド（３）、及び第一冷
却プレート（２）を遡及し前記のヒーター（１）内に達
する。このようにしてヒーター（１）及び第一冷却プレ
ート（２）で熱セットされることにより、糸条（Ｙ）に
付与されたＳ撚り又はＺ撚りの仮撚りが固定される。そ
の後、仮撚付与手段（５）を仮撚りが付与された糸条が
通過すると、糸条に与えられた仮撚りが解撚されて糸条
に捲縮が発現する。
【００１５】このとき、糸条に付着した油剤は、ヒータ
ー（１）内で高温に加熱され、気化して糸条の随伴気流
と共にヒーター（１）の糸条出口から排出される。ま
た、一部の油剤は、第一冷却プレート（２）や糸ガイド
（３）に凝縮して付着し、水分が蒸発して油剤粘度が極
めて高くなった状態で残留する。このような事態が生じ
ると、本来なら糸条と冷却プレート壁との間の走行摩擦
係数（動摩擦係数）が低い状態にあるため、スリップし
て冷却プレート壁を攀じ登ることがない糸条が、冷却プ
レートを攀じ登り、冷却プレートに形成された溝から外
れるという事態が発生する。
ー（１）内で高温に加熱され、気化して糸条の随伴気流
と共にヒーター（１）の糸条出口から排出される。ま
た、一部の油剤は、第一冷却プレート（２）や糸ガイド
（３）に凝縮して付着し、水分が蒸発して油剤粘度が極
めて高くなった状態で残留する。このような事態が生じ
ると、本来なら糸条と冷却プレート壁との間の走行摩擦
係数（動摩擦係数）が低い状態にあるため、スリップし
て冷却プレート壁を攀じ登ることがない糸条が、冷却プ
レートを攀じ登り、冷却プレートに形成された溝から外
れるという事態が発生する。
【００１６】このような現象は、図１に示すように、ヒ
ーター（１）を走行する糸条の糸道とほぼ一直線になる
ように冷却プレートが配設されたとき最も顕著になる。
何故ならば、ヒーター（１）から出た糸条に随伴する気
流に含まれる油剤は、このようにヒーター（１）と冷却
プレート（２）とがほぼ一直線上に配置された時、冷却
プレート（２）へもたらされ易いからである。
ーター（１）を走行する糸条の糸道とほぼ一直線になる
ように冷却プレートが配設されたとき最も顕著になる。
何故ならば、ヒーター（１）から出た糸条に随伴する気
流に含まれる油剤は、このようにヒーター（１）と冷却
プレート（２）とがほぼ一直線上に配置された時、冷却
プレート（２）へもたらされ易いからである。
【００１７】ところで、本発明者等は、このような冷却
プレートからの糸外れが糸条に付与された仮撚りがＳ撚
りの場合は、極めて高い確率で溝の右側壁から外れ、Ｚ
撚りの場合には、溝の左側壁から外れることを見出し
た。この現象を知れば、本発明の技術思想とこの技術思
想を具現化するための手段を容易に理解できるであろ
う。これに関しては、図２（本発明の第１実施例）及び
図３（本発明の第２実施例）を参照しながら、詳細に説
明する。なお、図２-(A)は、２錘の仮撚機の実施態様を
示した正面図であり、図２-(B)は、冷却プレート（２）
を部分的に拡大した斜視図である。
プレートからの糸外れが糸条に付与された仮撚りがＳ撚
りの場合は、極めて高い確率で溝の右側壁から外れ、Ｚ
撚りの場合には、溝の左側壁から外れることを見出し
た。この現象を知れば、本発明の技術思想とこの技術思
想を具現化するための手段を容易に理解できるであろ
う。これに関しては、図２（本発明の第１実施例）及び
図３（本発明の第２実施例）を参照しながら、詳細に説
明する。なお、図２-(A)は、２錘の仮撚機の実施態様を
示した正面図であり、図２-(B)は、冷却プレート（２）
を部分的に拡大した斜視図である。
【００１８】すなわち、先ず請求項１に係る本発明で
は、図２に示すように、糸条の走行方向に沿った凸状の
曲率を糸条（Ｙ）と冷却プレート（２）との接触を確実
に確保するために維持しながら、Ｕ字状又はＶ字状溝
を、糸条のＳ撚り又はＺ撚りに対応させて糸条が走行す
る下流方向から見てそれぞれ右又は左に弓状に屈曲（図
１における符号Ｃ）させてある。ここで、図２に示した
本実施例は、Ｚ撚りの仮撚りが付与された場合であっ
て、このため、溝は左に弓状に屈曲させてある。なお、
溝を弓状に屈曲させない従来の糸道を図１では、Ｆとし
て二点鎖線で表してある。
は、図２に示すように、糸条の走行方向に沿った凸状の
曲率を糸条（Ｙ）と冷却プレート（２）との接触を確実
に確保するために維持しながら、Ｕ字状又はＶ字状溝
を、糸条のＳ撚り又はＺ撚りに対応させて糸条が走行す
る下流方向から見てそれぞれ右又は左に弓状に屈曲（図
１における符号Ｃ）させてある。ここで、図２に示した
本実施例は、Ｚ撚りの仮撚りが付与された場合であっ
て、このため、溝は左に弓状に屈曲させてある。なお、
溝を弓状に屈曲させない従来の糸道を図１では、Ｆとし
て二点鎖線で表してある。
【００１９】以上に述べた冷却プレート（２）において
は、Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与された糸条が移動
しようとする方向に糸条が十分に移動できる糸道を確保
して、走行糸条が最早溝壁を攀じ登らなくすることが肝
要である。このような弓状の屈曲として、仮撚加工の条
件にもよるが、一般的には、曲率半径が２０〜４０ｍ、
より好ましくは、２５〜３５ｍとすることが望ましい。
は、Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与された糸条が移動
しようとする方向に糸条が十分に移動できる糸道を確保
して、走行糸条が最早溝壁を攀じ登らなくすることが肝
要である。このような弓状の屈曲として、仮撚加工の条
件にもよるが、一般的には、曲率半径が２０〜４０ｍ、
より好ましくは、２５〜３５ｍとすることが望ましい。
【００２０】次に、請求項２に係る本発明について説明
すると、この場合は、Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与
された糸条が移動しようとする方向に溝の右又は左側壁
を高くしてある。すなわち、請求項１に係る発明のよう
に、溝を左に弓状に屈曲させる代わりに、糸条が攀じ登
ろうとする側の側壁を高くすることが肝要である。
すると、この場合は、Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与
された糸条が移動しようとする方向に溝の右又は左側壁
を高くしてある。すなわち、請求項１に係る発明のよう
に、溝を左に弓状に屈曲させる代わりに、糸条が攀じ登
ろうとする側の側壁を高くすることが肝要である。
【００２１】つまり、図３に基づいて説明すると、図３
は、冷却プレートの溝底部（Ｇ）を走行する糸条にＺ撚
りの仮撚りが付与されている場合の冷却プレート（２）
の横断面を例示してあるが、該図に示すように、この場
合には左側の溝側壁（２ｂ）を右側の溝側壁（２ａ）よ
りも高くしてある。このため、糸条が攀じ登ろうとする
側壁側は、高い障壁となっているため、糸条がこの側壁
を越えて外れることがなくなるのである。なお、このと
き糸条を冷却プレートへ押し付けようとする方向とは逆
の方向へ障壁（２ａ）を高くすることが好ましいこと
は、言うまでもない。
は、冷却プレートの溝底部（Ｇ）を走行する糸条にＺ撚
りの仮撚りが付与されている場合の冷却プレート（２）
の横断面を例示してあるが、該図に示すように、この場
合には左側の溝側壁（２ｂ）を右側の溝側壁（２ａ）よ
りも高くしてある。このため、糸条が攀じ登ろうとする
側壁側は、高い障壁となっているため、糸条がこの側壁
を越えて外れることがなくなるのである。なお、このと
き糸条を冷却プレートへ押し付けようとする方向とは逆
の方向へ障壁（２ａ）を高くすることが好ましいこと
は、言うまでもない。
【００２２】更に、請求項３に係る本発明について図４
を参照しながら詳細に説明するが、該図において、
（Ａ）図は、請求項３に係る発明を説明するための正面
図であって、（Ｂ）図は、本発明の一大特徴をなすアー
チ状ガイド（６）を示した冷却プレート（２）の横断面
図を拡大したものである。
を参照しながら詳細に説明するが、該図において、
（Ａ）図は、請求項３に係る発明を説明するための正面
図であって、（Ｂ）図は、本発明の一大特徴をなすアー
チ状ガイド（６）を示した冷却プレート（２）の横断面
図を拡大したものである。
【００２３】該図において、アーチ状ガイド（６）は、
ガイド本体（６ａ）、固定部材（６ｂ）及びヒンジ（６
ｃ）を含んで構成されており、ガイド全体（６）は、固
定部材（６ｂ）を介して冷却プレートに固設されてい
る。また、ヒンジ（６ｃ）は、Ｕ字状又はＶ字状溝の底
部に糸通しするに際して、アーチ状形状を有するガイド
本体（６ａ）を起こし、糸を溝底部に導入した後、該ガ
イド本体（６ａ）を閉じるための役割を果たす。この閉
じられた状態においては、ガイド本体（６ａ）は、該溝
の糸条走行部に沿った中央部及び／又は糸条出入口部に
設けることが肝要である。このようにすることで、該溝
の側壁を攀じ登った糸条（Ｙ）は、ガイド本体（６ａ）
のアーチ形状に下面壁に沿って（Ｂ）図の矢印に示した
ように移動し、結局溝底部に糸条が復帰走行することと
なる。このため、冷却プレート（２）からの糸外れの発
生がなくなることは、言うまでもない。
ガイド本体（６ａ）、固定部材（６ｂ）及びヒンジ（６
ｃ）を含んで構成されており、ガイド全体（６）は、固
定部材（６ｂ）を介して冷却プレートに固設されてい
る。また、ヒンジ（６ｃ）は、Ｕ字状又はＶ字状溝の底
部に糸通しするに際して、アーチ状形状を有するガイド
本体（６ａ）を起こし、糸を溝底部に導入した後、該ガ
イド本体（６ａ）を閉じるための役割を果たす。この閉
じられた状態においては、ガイド本体（６ａ）は、該溝
の糸条走行部に沿った中央部及び／又は糸条出入口部に
設けることが肝要である。このようにすることで、該溝
の側壁を攀じ登った糸条（Ｙ）は、ガイド本体（６ａ）
のアーチ形状に下面壁に沿って（Ｂ）図の矢印に示した
ように移動し、結局溝底部に糸条が復帰走行することと
なる。このため、冷却プレート（２）からの糸外れの発
生がなくなることは、言うまでもない。
【００２４】最後に、請求項４に係る本発明について説
明すると、冷却プレート（２）への油剤の凝縮付着は、
図１に示すように、ヒーター（１）を走行する糸条の糸
道とほぼ一直線になるように冷却プレートが配設された
とき最も顕著になることは、既に述べた通りである。こ
のため、「ヒーター（１）から出る糸条の糸道」の延在
方向と「冷却プレート（２）へ入る糸条の糸道」の延在
方向とを一致させずに大きな角度で交差するようにヒー
ター（１）と冷却プレート（２）を配設することが好ま
しい。
明すると、冷却プレート（２）への油剤の凝縮付着は、
図１に示すように、ヒーター（１）を走行する糸条の糸
道とほぼ一直線になるように冷却プレートが配設された
とき最も顕著になることは、既に述べた通りである。こ
のため、「ヒーター（１）から出る糸条の糸道」の延在
方向と「冷却プレート（２）へ入る糸条の糸道」の延在
方向とを一致させずに大きな角度で交差するようにヒー
ター（１）と冷却プレート（２）を配設することが好ま
しい。
【００２５】しかしながら、このような配置とすれば、
ヒーター（１）への糸条に付与される仮撚りの遡及とい
う面でみると、糸道が屈曲させられるため、好ましくな
い。従って、請求項３に記載のような実施の態様とする
ことが好ましい。このような態様としても、本発明は、
図２及び図３を参照して既に詳細に説明したように、冷
却プレート（２）からの糸外れは、生じないのである。
ヒーター（１）への糸条に付与される仮撚りの遡及とい
う面でみると、糸道が屈曲させられるため、好ましくな
い。従って、請求項３に記載のような実施の態様とする
ことが好ましい。このような態様としても、本発明は、
図２及び図３を参照して既に詳細に説明したように、冷
却プレート（２）からの糸外れは、生じないのである。
【００２６】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
冷却プレートからの糸外れが発生せず、従って、冷却斑
や冷却不足が生じることがなく安定して仮撚が付与され
た糸条が冷却プレートの溝底部を走行する仮撚装置の冷
却プレートを提供することができるという極めて顕著な
効果を奏する。
冷却プレートからの糸外れが発生せず、従って、冷却斑
や冷却不足が生じることがなく安定して仮撚が付与され
た糸条が冷却プレートの溝底部を走行する仮撚装置の冷
却プレートを提供することができるという極めて顕著な
効果を奏する。
【図１】本発明の仮撚機の各装置配置を示す側面図であ
る。
る。
【図２】（Ａ）本発明の冷却プレートの一実施態様を示
す正面図である。 （Ｂ）冷却プレートを部分拡大した斜視図である。
す正面図である。 （Ｂ）冷却プレートを部分拡大した斜視図である。
【図３】本発明の冷却プレートの他の実施態様を示した
横断面図である。
横断面図である。
【図４】（Ａ）本発明のアーチ状ガイドの一実施態様を
示す正面図である。 （Ｂ）本発明のアーチ状ガイドを部分拡大した横断面図
である。
示す正面図である。 （Ｂ）本発明のアーチ状ガイドを部分拡大した横断面図
である。
１ ヒーター ２ 第一冷却プレート ３ 糸ガイド ４ 第二冷却プレート ５ 仮撚付与装置 Ｃ 屈曲させた溝 Ｆ 従来の溝形成位置 Ｙ 糸条
Claims (4)
- 【請求項１】 Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与されて
走行する糸条の走行方向に沿って凸状の曲率をもって形
成されたＵ字状又はＶ字状溝を有し、該溝の底部に糸条
を接触走行させて該糸条を冷却する仮撚機の冷却プレー
トにおいて、 糸条の走行方向に沿った前記の曲率を維持しながら、前
記のＵ字状又はＶ字状溝を、糸条のＳ撚り又はＺ撚りに
対応させて糸条が走行する下流方向から見てそれぞれ右
又は左に弓状に屈曲させた仮撚機の冷却プレート。 - 【請求項２】 Ｓ撚り又はＺ撚りの仮撚りが付与されて
走行する糸条の走行方向に沿って凸状の曲率をもって形
成されたＵ字状又はＶ字状溝を有し、該溝の底部に糸条
を接触走行させて該糸条を冷却する仮撚機の冷却プレー
トにおいて、 前記のＵ字状又はＶ字状溝の左右壁の高さを糸条のＳ撚
り又はＺ撚りに対応させて、糸条が走行する下流方向か
ら見た右側壁又は左側壁をそれぞれ左側壁又は右側壁よ
り高くした仮撚機の冷却プレート。 - 【請求項３】 仮撚りが付与されて走行する糸条の走行
方向に沿って凸状の曲率をもって形成されたＵ字状又は
Ｖ字状溝を有し、該溝の底部に糸条を接触走行させて該
糸条を冷却する仮撚機の冷却プレートにおいて、 前記のＵ字状又はＶ字状溝の底部に対向させて、その天
井部に該溝の左右の両側壁とその両端が接触するアーチ
状ガイドを該溝の糸条走行部に沿った中央部及び／又は
糸条出入口部に設けた仮撚機の冷却プレート。 - 【請求項４】 前記の加熱手段を走行する糸条の糸道と
ほぼ一直線になるように配設された請求項１〜３の何れ
かに記載の仮撚機の冷却プレート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9099996A JPH09279435A (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 仮撚機の冷却プレート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9099996A JPH09279435A (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 仮撚機の冷却プレート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09279435A true JPH09279435A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=14014202
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9099996A Pending JPH09279435A (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 仮撚機の冷却プレート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09279435A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104233556A (zh) * | 2013-06-08 | 2014-12-24 | 苏州联优织造有限公司 | 纺线的冷却装置 |
-
1996
- 1996-04-12 JP JP9099996A patent/JPH09279435A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104233556A (zh) * | 2013-06-08 | 2014-12-24 | 苏州联优织造有限公司 | 纺线的冷却装置 |
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