JPH09278479A - モールドプレス用光学ガラス - Google Patents

モールドプレス用光学ガラス

Info

Publication number
JPH09278479A
JPH09278479A JP11328796A JP11328796A JPH09278479A JP H09278479 A JPH09278479 A JP H09278479A JP 11328796 A JP11328796 A JP 11328796A JP 11328796 A JP11328796 A JP 11328796A JP H09278479 A JPH09278479 A JP H09278479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
preform
devitrification
optical
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11328796A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3157458B2 (ja
Inventor
Mitsugi Korekawa
貢 是川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ohara Inc
Original Assignee
Ohara Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=14608363&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH09278479(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Ohara Inc filed Critical Ohara Inc
Priority to JP11328796A priority Critical patent/JP3157458B2/ja
Publication of JPH09278479A publication Critical patent/JPH09278479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3157458B2 publication Critical patent/JP3157458B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リン酸亜鉛系のモールドプレス用光学ガラス
を提供する。 【解決手段】 SiO2 0〜2%、B23 1〜3
%、Al23 1〜 5%、P25 45〜55%、Y
23 0〜1.3%、La23 0.2〜1.5%、G
23 0〜1.3%、但しY23+La23+Gd2
3=0.2〜1.5%、TiO2 0〜5%、Nb25
0〜5%、Ta25 0〜5%、ZnO2 20〜4
0%、MgO 0〜5%、CaO 0〜5%、SrO
0〜5%、BaO 0〜5%、Li2O 1〜5%、N
2O 0〜10%、K2O 0〜20%、但しLi2
+Na2O+K2O=6〜25%、Sb23 0〜0.5
%、F2 0〜5%の範囲の各成分からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐失透性や化学的耐
久性が良好で、有害物質も含まずに、モールドプレス性
を向上させた光学ガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学機器の小型化・高性能化が著しく進
行している現在、光学レンズに対しても軽量・小型・高
性能が求められている。この課題を解決する方法に非球
面レンズがある。これによってレンズ枚数の削減を図る
ことができるため、光学設計においては主流になりつつ
ある。非球面レンズの製造方法は、ゴブあるいはガラス
ブロックを切断・研磨したプリフォーム材を加熱軟化さ
せ、これを高精度な面を持つ金型で加圧成形するもので
ある。この方法の特徴は、成形後に研削・研磨工程を省
略できるために、低コスト・大量生産が実現できること
にある。
【0003】ところで、この非球面レンズの低コスト・
大量生産という大きな目的を達成するためには、以下の
諸条件について十分検討する必要がある。まずモールド
プレスに用いられる金型が繰り返し使用できなければ、
低コスト・大量生産という目的には合致し得ない。その
ためには金型の表面酸化を極力抑えるべく、モールドプ
レス時の温度をできるだけ低く設定する必要がある。現
在モールドプレスの上限温度は650〜700℃、また
これに伴いガラスの転移温度の上限は550〜600℃
程度となっているが、これらの温度は低ければ低い程金
型の表面酸化の進行が抑えられ、寿命の観点から好まし
い。しかし、低いガラス転移温度を持つガラスは、一般
的に化学的耐久性が良好でない。したがって、如何にし
て低いガラス転移温度を持ちながらも化学的耐久性の良
好なガラスを得るかがカギとなる。更に、モールド成形
の前段階であるプリフォーム材の製造についても十分な
コスト検討を行う必要がある。
【0004】現在、プリフォームの製造方法として、ガ
ラス融液を滴下し冷却する方法がある。この方法はプリ
フォーム材自体の量産性が高く、製造コストについても
現在最も安価であり、しかもこの方法にて得られたプリ
フォームは球形あるいは両凸のレンズ形状に近いため、
モールドプレス時の形状変化量が小さくでき、レンズ自
体の量産性も格段に向上させる効果を有している。
【0005】一方、ガラスブロック材から切断によりプ
リフォーム材を得る方法もあるが、この方法ではブロッ
ク材の切断工程からボールへの加工工程が必要であった
り、あるいは加工しない場合には直方体からレンズ形状
に成形する際、成形時の変化量が大きくなり成形時間が
かかるため、コスト的にも量産性の観点からも、ガラス
融液を滴下し冷却して得られるプリフォーム材を使用す
る方が格段に優れている。この方法によってプリフォー
ムを得る代表的な例が特開平6−122526号公報に
記載されている。
【0006】ところで、ガラス融液を滴下してプリフォ
ーム材を生産する場合、その製造時の条件とガラス自体
の特性について相互的に最適化されなければならない。
つまり、この成形法にてプリフォーム材を成形する際、
粘性が低いと表面の曲面が滑らかで均一な、球形あるい
は両凸のレンズに近い形状を得られ難い。その一方で粘
性が高いとガラス融液を流出管先端から切り離すことが
できず、やはり均一で滑らかな曲面を有するプリフォー
ムを得ることはできない。したがって、プリフォーム成
形時のガラス融液の粘性は十分検討されなければならな
い。
【0007】また失透温度はプリフォーム時の温度より
低い、つまり滴下時に失透しないガラスでなければなら
ない。つまり、ガラス融液の粘性が低いと、ガラス融液
の粘性を上げるべく、ガラス融液の温度を下げなければ
ならなくなるが、そうすると失透温度を下回ってしま
い、即ちプリフォーム材に失透を生じてしまう。特に粘
性の低いガラスではその傾向が顕著となる。その反面、
粘性が高いからといって、粘性を下げるべくガラスの温
度を高温すると、失透の問題は解消するが、今度はガラ
スの金型への焼き付きや金型の表面酸化による早期消耗
等の問題か発生する。特に粘性の高いガラスではその傾
向が顕著となる。実験によれば、1,000℃以下でプ
リフォームを作れば、全く問題がない。
【0008】以上のように、モールドプレス用光学ガラ
スの組成は、所望の光学恒数および低いガラス転移温度
を持ち、十分な化学的耐久性を有するのは勿論のこと、
滴下にてプリフォームが成形可能となる高い耐失透性を
有するという、各特性の相互的最適化が必要である。
【0009】従来、低いガラス転移温度を有するガラス
としては、PbOあるいはTeO2含有させたものが知
られているが、これらの成分は環境上好ましくない成分
であり、またアッベ数(νd)が小さいものしか得られ
ない。
【0010】PbOを含有せずに低ガラス転移温度を実
現したガラスでは、例えばP25−RO−R2O系が知
られているが、この系は低いガラス転移温度を得るべく
2O成分を増加させているため、化学的耐久性が良好
でない。
【0011】この点を改善すべく、La23を含有させ
て化学的耐久性を向上させたP25−B23−Al23
−La23−RO−R2O系ガラスが、特開昭60−1
71244号公報に記載されているが、モールドプレス
性という観点からすると、数値の限定が不十分であり前
記の諸条件を満たす組成の実施例も開示されていないた
め、モールドプレスという目的には必ずしも合致し得な
い。
【0012】また特開平3−40934号公報には、同
じく希土類元素を含有させたP25−RE2Ox−Zn
O−R2O系ガラス(RE2OxはY23および/または
ランタノイドグループから選択される、1種以上の希土
類金属酸化物)が記載されているが、耐失透性を改善す
る成分であるB23が含有されていないため、耐失透性
が良好でない。しかもその実施例においては、希土類元
素含有率の合計が重量%で2%を超えたものしか開示さ
れておらず、このような場合は耐失透性が更に悪化す
る。このようなガラスでは、ガラス融液の粘性が滴下法
によってプリフォームを得るに適する温度で既に失透を
発生するため、良好なプリフォームを成形することは不
可能である。これはこの組成がブロック材を適当な大き
さにカットしてプリフォームを製造することを前提とし
ているためであり、ガラス融液の滴下によりプリフォー
ムを得るモールドプレス用ガラスとしては不適格であ
る。このように、上記これらのガラスは滴下法によりプ
リフォームを製造するにおいて、製造時のガラス融液の
粘性および失透温度の最適化について明確な解決策を見
いだせていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低いガラス
転移温度を有し、化学的耐久性にも優れ、環境上好まし
くない物質も含まない、モールドプレス性の良い、即ち
表面の曲面が滑らかで均一なプリフォームが得られる、
リン酸亜鉛系光学ガラスを提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意試験研究を重ねた結果、屈折率(nd)が
1.5〜1.6およびアッベ数(νd)が55〜65の
光学恒数を有するガラスにおいて、ガラス転移温度(T
g)、1,000℃におけるガラス融液の粘性、失透温
度を規定することにより、プリフォームの生産性とプリ
フォーム自体の特性、モールドプレス性が良好なリン酸
亜鉛系光学ガラスを得ること、更に従来知られている特
開昭60−171244号公報の請求項に記載された組
成範囲(但し、R2O成分については範囲外の部分があ
る。)における、ごく限られた特定の成分範囲について
のみ、前記の所望の光学恒数と低いガラス転移温度と良
好な耐失透性と化学的耐久性を持ち、かつ環境上好まし
くない物質を含まず、モールドプレス性が極めて良好で
あるという、諸特性が総合的に優れた、光学ガラスが得
られることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0015】前記の目的を達成すべく、本発明の一つ
は、屈折率(nd)=1.5〜1.6およびアッベ数
(νd)が55〜65の光学恒数を有し、ガラス転移温
度(Tg)が300〜400℃であり、1,000℃に
おいてガラス融液の粘性η(ポアズ)がLogη≦2.0
であり、しかも失透温度はこのガラス融液の粘性ηがLo
gη=0.6の時の温度以下である、リン酸亜鉛系用光
学ガラスがモールドプレス用として好適であるというこ
と、もうひとつはこれらすべての条件を満足し得るモー
ルドプレス用光学ガラスの組成としては、重量%で、 SiO2 0 〜 2%、 B23 1 〜 3%、 Al23 1 〜 5%、 P25 45 〜55%、 Y23 0 〜 1.3%、 La23 0 〜 1.5%、 Gd23 0 〜 1.3%、 但し、Y23+La23+Gd23=0.2〜1.5
%、 TiO2 0 〜 5%、 Nb25 0 〜 5%、 Ta25 0 〜 5%、 ZnO 20 〜40%、 MgO 0 〜 5%、 CaO 0 〜 5%、 SrO 0 〜 5%、 BaO 0 〜 5%、 Li2O 1 〜 5%、 Na2O 0 〜10%、 K2O 0 〜20%、 但し、Li2O+Na2O+K2O=6〜25%、 Sb23 0 〜 0.5%、 F2 0 〜 5%、 の範囲の各成分からなること、以上が本発明のを特徴で
ある。この様に各成分の組成範囲を限定した理由は次の
通りである。
【0016】SiO2は光学恒数を調整するために添加
するが、その量が2%を超えると所望のガラス転移温度
が得られない。したがって、0〜2%の範囲に限定され
る。
【0017】B23は耐失透性向上のために添加される
必須成分であるが、その量が1%未満ではその効果を発
揮せず、また3%を超えると所望のガラス転移温度が得
られない。したがって、1〜3%の範囲に限定される。
【0018】Al23は化学的耐久性を向上させるのに
有効な必須成分であるが、その量が1%未満ではその効
果を発揮せず、5%を超えると所望のガラス転移温度が
得られない。したがって、1〜5%の範囲に限定され
る。
【0019】P25はガラスを形成するのに必須な成分
であるが、45%未満では耐失透性が悪く、55%を超
えると化学的耐久性が低下する。したがって、45〜5
5%の範囲に限定される。
【0020】La23は比較的少量で化学的耐久性を向
上させる必須な成分であり、0.2%未満ではその効果
が十分でない。しかしLa23はP25系ガラスにおい
て、急激に耐失透性を悪化させる成分でもある。本発明
者の実験による、B23=1.5%,Al23=3%,
25=50%, La23=0→1.5%,ZnO=
30→28.5%,Li2O=3%,Na2O=5%,K
2O=7.5%の組成における失透温度の変化を図1に
示す。図1に示す通り、La23が重量%で1.5%に
て失透温度Tcは945℃であり、1.5%を超えると
急激に失透温度が上昇する。図2は上記組成の中のLa
23=1.5%の時のガラス融液の粘性曲線を示す。図
2に示す通り950℃におけるガラス融液の粘性Logη
(ポアズ)は、本発明のLa23範囲の上限である1.
5%において、概ね0.6となった。つまりLa23
分が重量%で1.5%を超えるとプリフォーム成形時に
下限粘性Logη=0.6において失透が発生してしま
い、良好なプリフォームを得ることができない。したが
って、0.2〜1.5%の範囲に限定される。
【0021】La23以外のランタノイド系酸化物につ
いても化学的安定性を向上させる効果を有する成分は種
々あるが、可視光域における発光・吸収特性や原料コス
トを考慮すると、光学ガラスとしてはGd23が最も適
している。
【0022】Gd23の他、Y23も光学恒数の調整お
よび化学的耐久性を向上させる効果を有する。しかし化
学的耐久性の向上という面ではGd23やY23よりも
La23の方がその効果が大きく、少量で有効である。
したがって、La23を優先して用いた方が好ましい。
【0023】上記3成分についてはLa23+Y23
Gd23の合計量が、0.2%未満ではその効果が十分
でなく、1.5%を超えるとLa23を単独で用いた場
合と同様に失透温度が急激に上昇するという理由で、良
好なプリフォームを得ることができない。したがって、
0.2〜1.5%の範囲に限定される。またこれらの成
分の合計量の限定により、Y23,Gd23の各成分は
0〜1.3%の範囲に限定される。
【0024】ZnOはガラスを形成し、低いガラス転移
温度を得るために、必要な成分であるが、20%未満で
は耐久性を維持しつつ所定の転移温度を得ることができ
ず、40%を超えると耐失透性を維持しながら所望のガ
ラス転移温度を得ることができなくなる。したがって、
20〜40%の範囲に限定される。
【0025】TiO2、Nb23、Ta25、MgO、
CaO、SrO、BaOの各成分は光学恒数の調整のた
め添加し得るが、それぞれ5%を超えると耐久性を維持
しつつも所望のガラス転移温度を得ることができなくな
る。したがって、これら各成分はそれぞれ0〜5%の範
囲に限定される。
【0026】Li2Oはガラス転移温度を下げる効果を
有する必須成分であるが、1%未満ではその効果が得ら
れず、5%を超えると耐失透性が急激に低下する。した
がって、1〜5%の範囲に限定される。
【0027】Na2O,K2OはLi2Oと同様、ガラス
転移温度を下げる効果を有し、Li2Oと共に用いられ
る必須成分であるが、Li2O+Na2O+K2Oの合計
量が6%未満では所望のガラス転移温度が得られず、2
5%を超えると化学的耐久性が急激に低下する。またN
2Oは10%を超えると、K2Oは20%を超えると耐
失透性が急激に低下する。したがって、Na2Oは0〜
10%、K2Oは0〜20%の範囲に限定され、かつL
2O+Na2O+K2Oの合計量は6〜25%の範囲に
限定される。
【0028】Sb23は、脱泡のため添加し得るが、そ
の量は0.5%までで十分である。したがって、Sb2
3は0〜0.5%の範囲に限定される。
【0029】F2は光学恒数の調整およびガラス転移温
度を下げる効果を有するが、5%を超えると、プリフォ
ーム成形の際にガラス融液の表面層から揮発し、成形さ
れたプリフォームに曇りを生じさせる。したがって、0
〜5%の範囲に限定される。
【0030】
【発明の実施の形態】表1に、本発明によるモールドプ
レス用光学ガラスの好適な実施組成例(No.1〜1
0)および比較例として従来の光学ガラス組成例(比較
例A,B)とこれら光学ガラスの屈折率(nd),アッ
ベ数(νd),ガラス転移温度(Tg),失透試験結
果,化学的耐久性(RW,RA)を示す。ここ比較例A
は特開昭60−171244号公報に記載の実施例N
o.6であり、比較例Bは特開平3−40934号公報
に記載の実施例No.3である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表1】
【0033】
【表1】
【0034】表記のガラスは、いずれも通常のガラス原
料を用いて調合・混合後、白金坩堝を用いて約1,10
0〜1,300℃にて約2〜5時間加熱溶融し、脱泡・
攪拌等により均質化した後、ブロック形状に鋳込み成形
し、徐冷工程を経て得られたものである。
【0035】失透試験は、白金製50CCポットにガラス
試料80gを入れて約1,100〜1,300℃にて2
時間加熱溶融後、950℃にて2時間保温したものを冷
却して失透の有無を顕微鏡により確認したもので、この
試験にて失透が認められないガラスは○印を、失透が認
められたガラスは×印とした。また、化学的耐久性につ
いては、日本光学硝子工業会規格にあるJOGIS06
−1975「光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉
末法)」に基づくもので、耐水性(RW)はガラス粉末
を100℃の沸騰水に1時間浸漬した後の重量減少率を
表し、耐酸性(RA)はガラス粉末を100℃の0.0
1N硝酸に1時間浸漬した後の重量減少率を表してい
る。RW,RA共に、重量減少率が小さい程、化学的耐
久性が優れていることになり、RWが0.2%以下,R
Aが2.0%以下であれば、実用に十分耐え得るものと
なる。
【0036】表1に見られる通り、実施例1〜10のガ
ラスは屈折率(nd)が1.5〜1.6、アッベ数(ν
d)が55〜65の範囲の光学恒数を有し、ガラス転移
温度(Tg)は300〜400℃の範囲にあって、モー
ルドプレス性に優れている。また、950℃の失透試験
でも失透が発生しておらず、化学的耐久性についても良
好であり、ガラス融液の滴下によるプリフォームの成形
用光学ガラスとして最適である。これに対し、比較例A
はガラス転移温度(Tg)が本請求よりも高温であり、
しかもLa23成分を多く含有するために失透が生じて
いる。比較例Bについても、La23成分を多く含有す
るため、低いガラス転移温度を有し、化学耐久性につい
ても良好であるが、失透を生じており、いずれの比較例
共ガラス融液の滴下によってプリフォームを成形するこ
とはできない。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明はモールドプ
レス用プリフォーム材を製造する際、ガラス融液の粘性
ηをLogη=0.6〜2.0の範囲内で一定に制御する
ことにより、従来よりも表面の曲面が滑らかで均一な、
モールドプレスに好適な形状を得ることができたと同時
に、この光学ガラス自身も従来のモールドプレス用ガラ
スが持っていた諸欠点を総合的に改善したものである。
即ち、屈折率(nd)が1.5〜1.6、アッベ数(ν
d)が55〜65なる光学恒数を有しながらも、ガラス
転移温度が300〜400℃と低温であり、耐失透性お
よび化学的耐久性にも優れ、環境上好ましくない物質も
含んでいない、溶融プリフォーム成形ならびにモールド
プレス性の良い光学ガラスを提供するものである。この
ガラスを用いて溶融滴下法によりプリフォームを得、こ
のプリフォームをモールドプレス成形してレンズを製造
することによって、所望の光学恒数と化学的耐久性や耐
失透性やプリフォーム成形性やモールド成形性を得つ
つ、更に従来より低温での成形が可能なため、金型の表
面酸化による消耗が減少し、結果として製造コストを格
段に低減することができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガラスのLa23含有%と失透温
度の関係の一例を示したものである。
【図2】本発明によるガラスの温度−粘性曲線の一例と
そのガラスの失透温度、およびガラス融液の滴下による
プリフォーム成形時の粘性範囲を示したものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】追加
【補正内容】 モールドプレス用光学ガラス ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月23日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】前記の目的を達成すべく、本発明の一つ
は、屈折率(nd)=1.5〜1.6およびアッベ数
(νd)が55〜65の光学恒数を有し、ガラス転移温
度(Tg)が300〜400℃であり、1,000℃に
おいてガラス融液の粘性η(ポアズ)がLogη≦2.0
であり、しかも失透温度はこのガラス融液の粘性ηがLo
gη=0.6の時の温度以下である、リン酸亜鉛系用光
学ガラスがモールドプレス用として好適であるというこ
と、もうひとつはこれらすべての条件を満足し得るモー
ルドプレス用光学ガラスの組成としては、重量%で、 SiO2 0 〜 2%、 B23 1 〜 3%、 Al23 1 〜 5%、 P25 45 〜55%、 Y23 0 〜 1.3%、 La23 0.2〜 1.5%、 Gd23 0 〜 1.3%、 但し、Y23+La23+Gd23=0.2〜1.5
%、 TiO2 0 〜 5%、 Nb25 0 〜 5%、 Ta25 0 〜 5%、 ZnO 20 〜40%、 MgO 0 〜 5%、 CaO 0 〜 5%、 SrO 0 〜 5%、 BaO 0 〜 5%、 Li2O 1 〜 5%、 Na2O 0 〜10%、 K2O 0 〜20%、 但し、Li2O+Na2O+K2O=6〜25%、 Sb23 0 〜 0.5%、 F2 0 〜 5%、 の範囲の各成分からなること、以上が本発明の特徴であ
る。この様に各成分の組成範囲を限定した理由は次の通
りである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率(nd)が1.5〜1.6および
    アッベ数(νd)が55〜65の光学恒数を有し、ガラ
    ス転移温度(Tg)が300〜400℃であり、1,0
    00℃においてガラス融液の粘性η(ポアズ)がLogη
    ≦2.0であり、しかも失透温度はこのガラス融液の粘
    性ηがLogη=0.6の時の温度以下であることを特徴
    とするリン酸亜鉛系のモールドプレス用光学ガラス。
  2. 【請求項2】 重量%で、 SiO2 0 〜 2%、 B23 1 〜 3%、 Al23 1 〜 5%、 P25 45 〜55%、 Y23 0 〜 1.3%、 La23 0.2〜 1.5%、 Gd23 0 〜 1.3%、 但し、Y23+La23+Gd23=0.2〜1.5
    %、 TiO2 0 〜 5%、 Nb25 0 〜 5%、 Ta25 0 〜 5%、 ZnO 20 〜40%、 MgO 0 〜 5%、 CaO 0 〜 5%、 SrO 0 〜 5%、 BaO 0 〜 5%、 Li2O 1 〜 5%、 Na2O 0 〜10%、 K2O 0 〜20%、 但し、Li2O+Na2O+K2O=6〜25%、 Sb23 0 〜 0.5%、 F2 0 〜 5%、 の範囲の各成分からなる、請求項1に記載のリン酸亜鉛
    系のモールドプレス用光学ガラス。
JP11328796A 1996-04-10 1996-04-10 モールドプレス用光学ガラス Expired - Fee Related JP3157458B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11328796A JP3157458B2 (ja) 1996-04-10 1996-04-10 モールドプレス用光学ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11328796A JP3157458B2 (ja) 1996-04-10 1996-04-10 モールドプレス用光学ガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09278479A true JPH09278479A (ja) 1997-10-28
JP3157458B2 JP3157458B2 (ja) 2001-04-16

Family

ID=14608363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11328796A Expired - Fee Related JP3157458B2 (ja) 1996-04-10 1996-04-10 モールドプレス用光学ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3157458B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10316447A (ja) * 1997-05-14 1998-12-02 Nikon Corp 光学ガラス
EP1275622A1 (en) * 2001-07-13 2003-01-15 Sumita Optical Glass, Inc. An optical glass for molding
GB2392153A (en) * 2002-08-23 2004-02-25 Zeiss Stiftung Lead-free zinc phosphate optical dense crown glasses
EP1555247A1 (de) 2004-01-16 2005-07-20 Schott AG Optisches Glas insbesondere für blankgepresste optische Elemente
JP2005306733A (ja) * 2000-06-30 2005-11-04 Hoya Corp 光学ガラス及びそれを用いた光学製品
US7151064B2 (en) 2001-10-30 2006-12-19 Sumita Optical Glass, Inc. Optical glass suitable for mold forming
JP2010037154A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Konica Minolta Opto Inc 光学ガラス及び光学素子
DE102009011508A1 (de) 2009-03-06 2010-09-09 Schott Ag Optisches Glas
WO2012119820A1 (de) * 2011-03-04 2012-09-13 Schott Ag Lithiumionen leitende glaskeramik und verwendung der glaskeramik
CN107151096A (zh) * 2017-06-20 2017-09-12 成都光明光电有限责任公司 低熔点玻璃
JP2019026549A (ja) * 2017-08-02 2019-02-21 Hoya株式会社 光学ガラスおよび光学素子

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10316447A (ja) * 1997-05-14 1998-12-02 Nikon Corp 光学ガラス
JP2005306733A (ja) * 2000-06-30 2005-11-04 Hoya Corp 光学ガラス及びそれを用いた光学製品
EP1275622A1 (en) * 2001-07-13 2003-01-15 Sumita Optical Glass, Inc. An optical glass for molding
US6784128B2 (en) 2001-07-13 2004-08-31 Sumita Optical Glass, Inc. Optical glass for molding
US7151064B2 (en) 2001-10-30 2006-12-19 Sumita Optical Glass, Inc. Optical glass suitable for mold forming
GB2392153A (en) * 2002-08-23 2004-02-25 Zeiss Stiftung Lead-free zinc phosphate optical dense crown glasses
JP2004083408A (ja) * 2002-08-23 2004-03-18 Carl-Zeiss-Stiftung 鉛フリー、好ましくは砒素フリーの光学重クラウンガラス
JP4494738B2 (ja) * 2002-08-23 2010-06-30 ショット アクチエンゲゼルシャフト 鉛フリー、好ましくは砒素フリーの光学重クラウンガラス
GB2392153B (en) * 2002-08-23 2006-01-04 Zeiss Stiftung Lead-free and preferably arsenic-free optical dense crown glasses
US7141524B2 (en) 2002-08-23 2006-11-28 Schott Ag Lead-free and preferably arsenic-free dense optical crown glass
US7396787B2 (en) 2004-01-16 2008-07-08 Schott Ag Optical glass and process for making precise-pressed optical elements therefrom as well as said optical elements
EP1555247A1 (de) 2004-01-16 2005-07-20 Schott AG Optisches Glas insbesondere für blankgepresste optische Elemente
JP2010037154A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Konica Minolta Opto Inc 光学ガラス及び光学素子
DE102009011508A1 (de) 2009-03-06 2010-09-09 Schott Ag Optisches Glas
US8168553B2 (en) 2009-03-06 2012-05-01 Schott Ag Optical glass, method of making the optical glass, optical elements made with the optical glass and uses thereof
DE102009011508B4 (de) * 2009-03-06 2017-03-09 Schott Ag Optisches Glas und seine Verwendung
WO2012119820A1 (de) * 2011-03-04 2012-09-13 Schott Ag Lithiumionen leitende glaskeramik und verwendung der glaskeramik
CN107151096A (zh) * 2017-06-20 2017-09-12 成都光明光电有限责任公司 低熔点玻璃
JP2019026549A (ja) * 2017-08-02 2019-02-21 Hoya株式会社 光学ガラスおよび光学素子
CN109467312A (zh) * 2017-08-02 2019-03-15 Hoya株式会社 光学玻璃及光学元件
CN114890668A (zh) * 2017-08-02 2022-08-12 Hoya株式会社 光学玻璃及光学元件

Also Published As

Publication number Publication date
JP3157458B2 (ja) 2001-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3377454B2 (ja) モールドプレス用光学ガラス
JP5108209B2 (ja) 光学ガラス
JP3995641B2 (ja) 光学ガラス、プレス成形用被成形ガラス体、光学素子およびその製造方法
TWI404690B (zh) 不含鉛及鉮之光學硼酸鑭玻璃
JP5313440B2 (ja) 光学ガラス
JP3194835B2 (ja) 光学ガラス
CN107663011B (zh) 光学玻璃
JP2001348244A (ja) 光学ガラスおよび光学製品の製造方法
JP4034589B2 (ja) 光学ガラス
JP2011057554A (ja) 光学ガラス
CN101337768B (zh) 高折射率光学玻璃
CN114772924A (zh) 光学玻璃
JPH0492834A (ja) 精密プレス用光学ガラス
JP7331092B2 (ja) 光学ガラス、プリフォーム、光学素子及びその光学機器
JP3157458B2 (ja) モールドプレス用光学ガラス
CN112159098B (zh) 光学玻璃、光学元件和光学仪器
JP3130245B2 (ja) 光学ガラス
JP2004168593A (ja) 光学ガラス
JP2002211949A (ja) プレス成形用光学ガラス、プレス成形用プリフォーム材およびこれを用いた光学素子
JPH0492835A (ja) 精密プレス用光学ガラス
JP3122236B2 (ja) 精密プレス用光学ガラス
CN110316958B (zh) 光学玻璃和光学元件
CN111253066B (zh) 光学玻璃、光学预制件、光学元件和光学仪器
TW202114956A (zh) 光學玻璃及光學元件
CN111320383A (zh) 光学玻璃、玻璃预制件、光学元件和光学仪器

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350