JPH09277234A - ハニカム構造体の成形装置及び成形方法 - Google Patents
ハニカム構造体の成形装置及び成形方法Info
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Abstract
ることができ,外皮の成形不良を防止することができ
る,ハニカム構造体の成形装置及び成形方法を提供する
こと。 【解決手段】 ハニカム構造を形成するためのスリット
11を有する金型10と,金型11の下流側に設けられ
たガイドリング2とよりなり,ガイドリング2は,成形
品の外径を規制するための開口縁21を有すると共に開
口縁21よりも上流側にハニカム構造体の外皮形成用の
プール部22を有する,セラミック性のハニカム構造体
8の成形装置1である。ガイドリング2には,温度調整
装置3を設けた。
Description
の成形装置及び成形方法に関する。
れる触媒担体として,図5,図7に示すごとく,コーデ
ィエライト等のセラミック材料により作製したハニカム
構造体8がある。このハニカム構造体8は,図6に示す
ごとく,多数のセル80を形成するハニカム構造を有す
る本体部81と,その外周を被覆する外皮82とから構
成されている。
法としては,図5に示すごとく,ハニカム構造を形成す
るためのスリット11を有する金型10と,該金型10
の下流側に設けたガイドリング92とよりなる成形装置
9を用いて,連続的に押出し成形する方法がある。上記
ガイドリング92には,図5に示すごとく,外皮形成用
のプール部922を設けてある。尚,符号95は,金型
10とガイドリング92とをセットするためのホルダー
である。
は,図5に示すごとく,金型10の上流側からスクリュ
ー式押出し機(図示略)等によってセラミック原料が金
型10を通じて押出される。そして,押出されたセラミ
ック材料は,その本体部81においては多数のセル80
を有するハニカム構造を形成する。
ラミック材料は,図5に示すごとく,上記ガイドリング
92のプール部922の作用によって,ハニカム形状が
潰されると共に,押出し方向から内周方向へと進行方向
を変え,次いでガイドリング2の開口縁921において
再び押出し方向へと進行方向を変えつつ,上記本体部8
1を取り囲む外皮82を形成する。
ニカム構造体の成形装置及び成形方法においては,次の
問題がある。即ち,セラミック材料の流れ性には,様々
な要因が影響する。例えば,原料粒子の粒径や形状のば
らつき,水分量,混練度合,気温,湿度の微妙な変化等
が影響する。そのため,セラミック材料の流れ性は,例
えば1日の間においても,刻々と変化し,常時一定の状
態を保つことは極めて困難である。
出し成形性に大きく影響する。また,上記ガイドリング
92におけるプール部922の寸法形状等は,セラミッ
ク材料の流れ性によって最適な寸法等が異なる。そのた
め,例えば,成形開始段階において複数種類のガイドリ
ング92から最適な形状のガイドリング92を選択しな
ければならない。また,成形装置9を最適状態にセット
しておいても,上記セラミック材料の流れ性は,使用時
の環境変化や原料バラツキ等の変化によってその時,そ
の時の成形状態が変化し,必ずしも安定して良好な外皮
を形成できるとは限らない。
外皮82の成形速度のバランスが崩れた場合には,ササ
クレ不良88(図8),又はシワ不良89(図9)が発
生するようになる。ササクレ不良88は,外皮82の成
形速度が本体部81の成形速度よりも遅くなっているた
めに発生すると考えられ,一方シワ不良89は外皮82
の成形速度が本体部81の成形速度よりも速くなってい
るために発生すると考えられる。
直して,ガイドリング92の交換を行ったり,金型91
上流に流れ性阻害用抵抗板を配設したりすることが必要
となる。
時の環境などの条件に一時的に対応するものではあって
も環境が変われば対応ができなくなる。また,成形条件
を階段状に変更するものであり,その中間的な連続的な
条件設定ができない。例えば,ガイドリング92を交換
する場合には,交換前後のガイドリング92の中間的な
条件を設定することができず,いわゆる微調整を行うこ
とが困難である。さらにガイドリングの交換等の対策
は,比較的長時間を要するため,何度もこの対策を講じ
ると生産性の大幅なロスにつながる。
されたごとく,スクリュー式押出機によりセラミック材
料を押出す場合において,金型に到達する前のセラミッ
ク材料を外方から加熱することにより,その温度を調整
する方法が知られている。しかしながら,この方法は,
セラミック材料の均熱化を狙ったものであり,全体的な
流れ性の改善を実施することはできるが,上記ササクレ
不良やシワ不良の有効な対策とはならない。それは,上
記温度調整が,ササクレ不良やシワ不良をフィードバッ
クして制御されるものではないことからも明らかであ
る。
体部と外皮との成形速度の違いにより発生していると考
えられ,この成形速度の違いは,必ずしもセラミック材
料全体の温度が均一である場合に解消されるものではな
いからである。
されたもので,ハニカム構造体の外皮の成形速度を微調
整することができ,外皮の成形不良を防止することがで
きる,ハニカム構造体の成形装置及び成形方法を提供し
ようとするものである。
を成形するためのスリットを有する金型と,該金型の下
流側に設けられたガイドリングとよりなり,該ガイドリ
ングは,成形品の外径を規制するための開口縁を有する
と共に該開口縁よりも上流側にハニカム構造体の外皮形
成用のプール部を有する,セラミック製のハニカム構造
体を成形する装置において,上記ガイドリングには,温
度調整装置を設けたことを特徴とするハニカム構造体の
成形装置にある。
記ガイドリングには,上記温度調整装置を設けたことで
ある。上記ガイドリングにおける開口縁は,ハニカム構
造体の外径,即ち外皮の外径寸法を規制するためのもの
である。また,上記プール部は,上記開口縁よりも大径
の空間部を形成する溝であって,上記開口縁の上流側に
形成さている。
する。本例のハニカム構造体の成形装置においては,上
記ガイドリングに上記温度調整装置を有する。そして,
該温度調整装置を操作することにより,上記ガイドリン
グのプール部を加熱又は冷却することができる。
を押出し成形する際には,成形されてくるハニカム構造
体の外皮部分の成形状態の変化に応じて,上記温度調整
装置により,上記ガイドリングのプール部に滞留中の外
皮形成用セラミック材料の温度を制御することができ
る。
形速度が本体部よりも遅くなってきた場合には,上記温
度調整装置によりガイドリングを介してプール部に位置
する外皮形成用セラミック材料を加熱し,流れ性を向上
させる。これにより,外皮の成形速度を速めて本体部の
成形速度と一致させることができ,ササクレ不良の発生
を防止することができる。
すぎるため,外皮成形速度が本体部よりも速くなってき
た場合には,上記温度調整装置によりガイドリングを介
してプール部に位置する外皮形成用セラミック材料を冷
却し,流れ性を低下させる。これにより,外皮の成形速
度を遅くして本体部の成形速度と一致させることがで
き,シワ不良の発生を防止することができる。
るハニカム構造体の外皮の成形状態に応じて,外皮成形
用のセラミック材料を局部的に温度制御することができ
る。そのため,セラミック材料の性状がその時,その時
で変化しても,外皮形成用のセラミック材料の流れ性を
適宜変化させることにより,外皮と本体部との成形バラ
ンスを保つことができる。それ故,従来のように頻繁に
ガイドリングの交換等を行う必要がなく,生産性も格段
に向上させることができる。
造体の外皮の成形速度を微調整することができ,外皮の
成形不良を防止することができる,ハニカム構造体の成
形装置を提供することができる。
調整装置は,加熱装置又は冷却装置の一方又は双方とす
ることができる。即ち,成形装置の環境,特性等によ
り,外皮部分の成形速度が常に本体部よりも遅い傾向の
場合には,上記温度調整装置は,加熱装置のみとし,加
熱度合いを変化させることにより上記作用効果を発揮す
ることができる。
常に本体部よりも速い傾向がある場合には,上記温度調
整装置は,冷却装置のみとし,冷却度合いを変化させる
ことにより,上記作用効果が得られる。また,加熱装置
と冷却装置の双方とした場合には,様々な状態に対応す
ることができる。また,加熱装置と冷却装置とは,1本
の熱交換用パイプ内に温水又は冷水を通すことにより温
度調節する,加冷一体型とすることもできる。
調整装置は,上記ガイドリングの上記プール部に面する
位置に埋設してあることが好ましい。これにより,プー
ル部に滞留中の外皮形成用のセラミック材料を効率よく
加熱又は冷却することができる。
ドリングには,温度検出器を配設してあることが好まし
い。これにより,温度調整装置の制御を精度良く行うこ
とができる。
ル部は,上記ガイドリングにおける上記金型との対面側
において,上記開口縁から外方側へ向かう切り欠き部と
上記金型との間に形成することができる。即ち,上記ガ
イドリングの上流側に上記開口縁の内径よりも大きい径
の切り欠き部を設け,これを上記金型に対面させること
により上記プール部を形成する。これにより,金型のス
リットから押し出されたセラミック材料は,上記プール
部において,まず上記ガイドリングの上記切り欠き部に
衝突してプール部に滞溜し,容易に外皮形成用の材料と
なる。
ム構造体を成形する方法として,次の方法がある。即
ち,請求項6の発明のように,金型の下流側に外皮形成
用のプール部を有するガイドリングを設けた成形装置を
用いて,上記金型を通じてセラミック材料を押出しハニ
カム構造体を成形すると共に該ハニカム構造体の外周に
上記ガイドリングにより外皮を形成する方法において,
上記ガイドリングの温度を調整しながら上記セラミック
材料の押出しを行うことを特徴とするハニカム構造体の
成形方法がある。
記ガイドリングの温度を調整しながら上記押出しを行う
ことである。これにより,ガイドリングを介して上記プ
ール部に滞留する外皮形成用のセラミック材料を温度制
御でき,その流れ性を微調整することができる。
造体の外皮の成形速度を微調整することができ,外皮の
成形不良を防止することができる,ハニカム構造体の成
形方法を提供することができる。
及び成形方法につき,図1〜図4を用いて説明する。本
例のハニカム構造体の成形装置1は,図1に示すごと
く,ハニカム構造を形成するためのスリット11を有す
る金型10と,金型10の下流側に設けられた金属製の
ガイドリング2とよりなる。
るため,テーパ状に形成された開口縁21を有すると共
に開口縁21よりも上流側にハニカム構造体の外皮形成
用のプール部22を有する。ガイドリング2には,温度
調整装置3を設けてある。以下,これを詳述する。
ドリング押さえ17と第1ホルダー18及び第2ホルダ
ー19によって一体的に固定してある。これらのホルダ
ー類を取り外せばガイドリング2,金型10の交換が可
能である。また多種類の金型10等に対応するために,
金型10と第1ホルダー18との間にはスペーサ16を
介在させてある。
すごとく,その上流側に段状の切り欠き部223を設け
ると共に,これを金型10に対面させてプール部22を
形成している。そして,ガイドリング22は,プール部
22に面する位置に温度調整装置3を埋設している。具
体的には,図3,図4に示すごとく,ガイドリング2の
下流側の面に蓋部26(図3)を設けると共に,プール
部22に面する面の裏側に温度調整装置埋設用の溝23
を設けている。そして,リング状の溝23内に温度調整
装置3を配設して蓋部26を被せてある。
すごとく,加熱装置であるヒータ32と冷却装置である
冷却パイプ31とより構成されている。尚,本例のヒー
タ3はいわゆるシーズヒータを用いている。また,冷却
パイプ31は別途設けたチラーに連結されており,これ
により冷却水が循環される。
度調整装置3の埋設部の上流側には,温度測定用の熱電
対4を埋設してある。この熱電対4により検出されたガ
イドリング2の温度は,温度調整装置3の制御に用いら
れる。
造体を成形するに当たっては,まず図1に示すごとく,
金型1の上流側からスクリュー式押出機(図示略)によ
ってセラミック材料800を金型1を通じて押出す。即
ち,セラミック材料800は金型1に向かって常に一定
の圧力によって加圧されつつ押し出される。
材料800は,プール部22において進行方向を内周側
へ変えさらに開口縁21において再び押出し方向へ変え
つつ,外皮82を形成する。即ち,ハニカム構造体8の
周部にはプール部22より増量されたセラミック材料8
00が供給され,これによって外皮82が形成される。
8の外皮82の成形状態に応じてガイドリング2の温度
を調整しながら上記押出しを行う。即ち,ガイドリング
2の温度調整をすることにより,プール部22に滞留中
の外皮形成用の材料温度を調整する。
又は湿度の他,原料粒子の粒径や形状のばらつき,混練
度合等の種々の要因の微妙な変化の影響を受けることに
よって,成形されてくる外皮の成形速度が本体部側より
も遅くなり,ササクレ不良の兆候が現れてきたような場
合には,温度調整装置3のヒータ32によって,ガイド
リング2を介してプール部22に滞留中の外皮形成用の
材料を加熱する。これにより,外皮形成用の材料は流れ
性が向上し,成形速度が速まって本体部の成形速度と合
致し,ササクレ不良の発生が防止される。
響を受けることによって,成形されてくる外皮の成形速
度が本体部側よりも速くなり,シワ不良の兆候が現れて
きたような場合には,温度調整装置3の冷却パイプ31
に冷却水を流すことにより,ガイドリング2を介してプ
ール部22に滞留中の外皮形成用の材料を冷却する。こ
れにより,外皮形成用の材料は流れ性が低下し,成形速
度が遅くなって本体部と合致し,シワ不良の発生が防止
される。
るハニカム構造体の外皮の成形状態に応じて,外皮形成
用の材料のみを上記プール部22において加熱又は冷却
することにより,その流れ性を制御することができる。
そのため,セラミック材料全体の性状が徐々に変化して
も,外皮部分と本体部分との成形速度を同様に保つこと
ができ,種々の成形不良の発生を防止することができ
る。
よれば,従来よりも大幅に成形装置の組み替え回数等を
減少させることができ,生産性の大幅な向上を図ること
ができる。
造体の外皮の成形速度を微調整することができ,外皮の
成形不良を防止することができる,ハニカム構造体の成
形装置及び成形方法を提供することができる。
図。
図。
造及び外皮を示す説明図。
図。
カム構造体を示す説明図。
構造体を示す説明図。
Claims (6)
- 【請求項1】 ハニカム構造体を成形するためのスリッ
トを有する金型と,該金型の下流側に設けられたガイド
リングとよりなり,該ガイドリングは,成形品の外径を
規制するための開口縁を有すると共に該開口縁よりも上
流側にハニカム構造体の外皮形成用のプール部を有す
る,セラミック製のハニカム構造体の成形装置におい
て,上記ガイドリングには,該ガイドリングの温度を調
整する温度調整装置を設けたことを特徴とするハニカム
構造体の成形装置。 - 【請求項2】 請求項1において,上記温度調整装置
は,加熱装置及び冷却装置の少なくとも一方であること
を特徴とするハニカム構造体の成形装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記温度調整
装置は,上記ガイドリングの上記プール部に面する位置
に埋設してあることを特徴とするハニカム構造体の成形
装置。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
上記ガイドリングには,温度検出器を配設してあること
を特徴とするハニカム構造体の成形装置。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
上記プール部は,上記ガイドリングにおける上記金型と
の対面側において,上記開口縁から外方側へ向かう切り
欠き部と上記金型との間に形成されていることを特徴と
するハニカム構造体の成形装置。 - 【請求項6】 金型の下流側に外皮形成用のプール部を
有するガイドリングを設けた成形装置を用いて,上記金
型を通じてセラミック材料を押出しハニカム構造体を成
形すると共に該ハニカム構造体の外周に上記ガイドリン
グにより外皮を形成する方法において,上記ガイドリン
グの温度を調整しながら上記セラミック材料の押出しを
行うことを特徴とするハニカム構造体の成形方法。
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