JPH09276712A - 重質油の水素化脱メタル触媒およびその製造方法 - Google Patents

重質油の水素化脱メタル触媒およびその製造方法

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JPH09276712A
JPH09276712A JP8114423A JP11442396A JPH09276712A JP H09276712 A JPH09276712 A JP H09276712A JP 8114423 A JP8114423 A JP 8114423A JP 11442396 A JP11442396 A JP 11442396A JP H09276712 A JPH09276712 A JP H09276712A
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alumina
carrier
metal
weight
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JP8114423A
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Ryutaro Koide
隆太郎 小出
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Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い脱メタル活性を有し、かつ十分な脱硫活
性を有し、活性劣化に対する触媒寿命が長く、しかも強
度が高い触媒およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 アルミナ43〜80重量%、シリカ20
〜55重量%、マグネシア2〜10重量%を含有させた
担体に、周期律表第VI族金属及び/又は第VIII族金属を
担持し、かつ水銀圧入法による平均細孔直径が190〜
350Åからなる重質油の水素化脱メタル触媒、および
アルミナ43〜80重量%、シリカ20〜55重量%、
マグネシア2〜10重量%をアンモニア水の存在下に混
練した後、成形、乾燥、焼成して得た担体に、周期律表
第VI族金属及び/又は第VIII族金属を担持し、乾燥、焼
成して、水銀圧入法による平均細孔直径を190〜35
0Åとすることからなる重質油の水素化脱メタル触媒の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バナジウム、ニッ
ケル、鉄等のメタル分を含有した重質油の水素化脱メタ
ル触媒およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製油所においては、重質油を水素化脱
硫、水素化脱窒素、水素化分解などの水素化精製、軽質
化処理を行うことにより付加価値の高い燃料油を得てい
る。このような水素化精製、軽質化処理は触媒の存在下
に行われるが、重質油中に含まれるバナジウム、ニッケ
ル、鉄等のメタル分は、水素化処理の際に、触媒の活性
点上に堆積し触媒を失活させる。原油の常圧蒸留残油や
減圧蒸留残油等、メタル分が高濃度で含まれる重質油を
水素化処理すると触媒劣化が著しくなり、触媒交換のた
めの費用が膨大となる。このため、一般に、脱メタル機
能を有するが、水素化精製、軽質化機能が抑制された、
いわゆる脱メタル触媒を、前段に充填して触媒活性を劣
化させる重金属を予め除去した後、水素化精製、軽質化
機能に優れた触媒で、所望の精製、軽質化を行い、長時
間にわたって、安定運転ができるようにしている。
【0003】この脱メタル触媒を用いた脱メタル反応で
は、取り除かれた原料油中のメタル分が触媒細孔内に堆
積し、新たな原料油の細孔内への拡散が妨げられる。こ
のため、細孔の入口付近の閉塞を防止するために大きな
細孔径を、また、細孔内部の堆積による失活を防ぐため
に大きい細孔容量を有する触媒が求められる。
【0004】従来、この種の脱メタル触媒として、細孔
径や細孔容積を調整したアルミナ担体に、モリブデン、
タングステン等のVI族元素またはニッケル、コバルト等
のVIII族元素から選定された特定の金属を担持した触媒
が用いられてきた(例えば、特公平5-26542号公報
参照)。しかし、従来のアルミナ担体触媒では細孔径を
大きく、しかも細孔容量も大きくした触媒は、空隙が大
きくなり、触媒の機械的強度が低下するため、アルミナ
にジルコニアを添加した担体を用い、強度を損なうこと
なく細孔径を大きくした触媒が提案された(特開昭60
−38036号公報)。しかし、この触媒は、細孔径が
増大したため、表面積が著しく減少し、脱メタル活性お
よび脱硫活性が著しく、低下するという欠点があった。
【0005】また、粘土化合物等を用いて触媒の細孔構
造を変化させ、脱アスファルテン、脱メタル活性が高い
セピオライトを担体として用いた触媒が提案されている
(特公昭57−100号公報等)。しかし、この触媒は
脱硫活性が著しく低く、後段の水素化精製、軽質化触媒
に過度の負担がかかり、後段触媒の劣化を早める結果に
なり、好ましいものではなかった。
【0006】さらに、アルミナ-チタニア-ジルコニア系
担体を用い、大細孔径を有する触媒が提案されている
(特公平2−54396号公報)。この触媒は、細孔容
積が小さく、脱メタル活性は高いが、脱硫活性が著しく
低く、好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近、処理原油の劣質
化による金属含有量の増大や水素化脱硫、水素化脱窒
素、水素化分解等の触媒の性能向上による運転期間の延
長や運転条件の過酷化によって、メタル除去能力の大幅
な向上が求められ、原料となる重質油の量も増え、処理
量の増加に対処できる触媒、すなわち脱メタル活性を向
上させ、かつ、後段の水素化精製、軽質化触媒に過度の
負担をかけない、適度の脱硫活性を有する触媒が求めら
れていた。
【0008】また、細孔直径を大きくし、かつ細孔容積
を増大させて金属及びコークの堆積許容量を増加させる
と、一般に、触媒の強度が低下し、触媒を充填する際に
触媒の一部が壊れて粉化し、触媒床の差圧を上昇させ、
装置の運転ができなくなるという問題があった。
【0009】すなわち、本発明が解決しようとする課題
は、高い脱メタル活性を有し、かつ十分な脱硫活性を有
し、活性劣化に対する触媒寿命が長く、しかも強度が高
い触媒を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の1つは、アルミ
ナ43〜80重量%、シリカ20〜55重量%、マグネ
シア2〜10重量%を含有させた担体に、周期律表第VI
族金属及び第VIII族金属を担持し、かつ水銀圧入法によ
る平均細孔直径が190〜350Åからなる重質油の水
素化脱メタル触媒である。
【0011】また、他の1つの本発明は、アルミナ43
〜80重量%、シリカ20〜55重量%、マグネシア2
〜10重量%をアンモニア水の存在下に混練した後、成
形、乾燥、焼成して得た担体に、周期律表第VI族金属及
び第VIII族金属を担持し、乾燥、焼成して、水銀圧入法
による平均細孔直径を190〜350Åとすることから
なる重質油の水素化脱メタル触媒の製造方法である。
【0012】上記本発明にいう水銀圧入法とは、水銀圧
入式細孔分布測定器を用いて、水銀圧入量を測定し、Wa
shburnの式 P・r=−2・γ・cosθ ここで、P:圧力(psi) r:細孔半径(Å) γ:水銀の表面張力=480dyn/cm θ:水銀の接触角=140° により細孔径(細孔半径×2)と細孔容積との関係から
細孔分布を求め、これから細孔容量、平均細孔径(細孔
容量の中央値を示す細孔径)を算出するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の重質油の水素化脱メタル
触媒は、上記水銀圧入法による平均細孔径が、190〜
350Å、特には、195〜250Åの範囲にあるもの
が好ましい。さらに、上記重質油の水素化脱メタル触媒
は、同測定法による細孔容積が0.95〜1.20cc/g、
特には0.99〜1.10cc/gの範囲内にあるものが、メ
タル劣化に対して強く、触媒寿命を長くすることができ
るため、好ましい。
【0014】また、上記本発明にいう周期律表第VI族金
属としては、モリブデン、タングステンが好適で、第VI
II族金属としてはコバルト、ニッケル、鉄が好適に用い
られる。これらの金属は、1種または2種以上を組み合
わせて用いられる。これらの金属の担持量は、VI族金属
で、0.5〜10wt%の範囲から、VIII族金属では、0.
2〜5wt%の範囲から適宜選定される。
【0015】本発明の重質油の水素化脱メタル触媒の製
造方法について、より具体的に説明する。
【0016】本触媒の担体のアルミナ源としては、従来
のアルミナ担体やシリカアルミナ、その他アルミナ系の
触媒の調製に用いられる多くの種類のアルミナが使用可
能である。具体的には、硫酸アルミニウム、硝酸アルミ
ニウム、アルミナ類(例えば、水酸化アルミニウム、水
和アルミナ、アルミナゾル等)、アルミニウムアルコキ
シド、アルミン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの
中でも、アルミナ類が好適であり、特に水和アルミナが
好適である。水和アルミナは市販品でも、他のアルミニ
ウム化合物から加水分解、乾燥を経て製造したものでも
良い。なお、これらのアルミナ原料は、単独で用いて
も、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
【0017】シリカ源もアルミナ源と同様に、多種多様
なものを用いることができる。具体的には、シリカゲ
ル、シリカゾル、水酸化ケイ素、水ガラス、さらに各種
のケイ酸塩、四塩化ケイ素等を用いることができる。こ
れらの中でも、シリカゲルが好適である。シリカゲルは
市販品でも、他のケイ素化合物から加水分解、乾燥を経
て製造したものでも良い。なお、これらのシリカ原料
は、単独で用いても、あるいは2種以上を混合して用い
ても良い。
【0018】マグネシア源も同様に、多種多様なものを
用いることができる。具体的には、酸化マグネシウム、
水酸化マグネシウム、さらに各種のマグネシウム塩、例
えば、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグ
ネシウム、酢酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、
塩化マグネシウム等を用いることができる。これらの中
でも、酸化マグネシウムが好適である。酸化マグネシウ
ムは市販品でも、他のマグネシウム化合物から加水分
解、乾燥、焼成を経て製造したものでも良い。なお、こ
れらのマグネシア原料は、1種で用いても、あるいは2
種以上を混合して用いても良い。
【0019】これらの原料の混合に際し、それぞれの原
料は粉体状で用いる。水、または水系溶媒によるスラリ
ーで用いても良い。原料の一部を粉体、一部をスラリー
で用いることもできる。粉体状のものはそのまま、ゾル
などの分散系ものはスラリーで用いた方が良い。
【0020】各原料の混合割合は、灼熱減量換算でアル
ミナを43〜80重量%、シリカを20〜55重量%、
マグネシアを2〜10重量%とする。アルミナ含量が前
記範囲未満では脱硫、脱メタル活性が低下し、前記範囲
を越えると脱メタル触媒として望ましい細孔構造を有し
ない。シリカ含量に関しては、前記範囲未満では細孔構
造の不備を伴い、前記範囲を越える場合は混練、成形性
の低下と脱硫活性の低下が著しい。マグネシア含量に関
しては、前記範囲未満では、強度低下、脱硫、脱メタル
活性の低下を伴う。前記範囲を越えるとアルミナおよび
シリカ含量の低下を伴い、脱硫、脱メタル活性の低下ま
たは細孔構造の不備を招く。このように脱メタル触媒と
して好ましい性能を有する触媒担体を製造するために
は、前記の範囲で各原料を混合する必要がある。
【0021】各原料の混合に際しては、全ての原料を同
時に混合しても、また2種類の原料を先に混合、混練を
行い、その後に残る1種類を添加しても良い。また、そ
の逆に1種類を混練し、その後に他の2種類を同時、ま
たは別々に添加しても良い。この際の原料の組み合わせ
はどのように行っても特に支障はない。
【0022】各原料の混合に際しては、アンモニア水の
存在下で混練を行うことが重要である。アンモニア水
は、アルミナ、シリカ、マグネシアの各原料の和に対し
て、アンモニアが0.01〜5重量%、好適には、0.1
〜2重量%となる量を用いる。このアンモニア水は、
0.05〜5重量%濃度に調製したものを用いることが
望ましい。このアンモニア水は混練の初期から存在させ
ることが好ましい。その際に、初期に高濃度のアンモニ
ア水を添加し、その後水を添加して前記所望量のアンモ
ニア濃度に調節しても良い。
【0023】この混練に際して、アンモニア水が存在し
ないと細孔径、細孔容積が小さくなり、脱メタル触媒と
しては不適当である。
【0024】一方、この混練において、混練物の水分量
が少ないと必要な粘度・接着性がなく成形できにくく、
細孔容積が小さくなる傾向にある。また、水分量が多す
ぎると乾燥、焼成の際に多量の水分の蒸発により必要以
上の細孔が生成し、強度低下を招くため、水分量を適
宜、調整することが好ましい。この水分量としては、乾
燥状態(130℃、6時間)で、混練生成物(ドウ)重
量の48〜58%の範囲が好適である。
【0025】混練は、通常の混練機を用いて行ってもよ
いし、撹拌機等も使用可能である。混練温度の調節は特
に必要とはしないが、加熱、冷却等の処置を行っても良
い。混練時間は、各原料が均一に混合され、ほぼ均一の
ドウが得られることが必要である。
【0026】次に、このようにして得られたドウを成形
するが、押出、または射出成形してペレット状の成型物
として得ることが好ましい。その際に用いる成型機は、
通常の押出、射出成型機を用い、既知の方法で行うこと
ができる。また、ペレット状の成形物は、通常用いられ
る円柱形や三つ葉、四つ葉形、またはリング形等にする
と好適である。
【0027】得られた成形物は80〜200℃で10分
〜12時間、乾燥する。そして、それに続いて焼成を行
う。焼成温度は600〜850℃の範囲で、γ−アルミ
ナが生成する領域である。その際に焼成雰囲気中に水蒸
気を存在させることにより、細孔構造を良好に調整する
ことができる。焼成時間は、前記焼成温度までの昇温時
間を30〜120分、前記焼成温度での保持時間を30
〜180分とするのが、脱メタル触媒に好ましい細孔構
造を作る上で好適である。
【0028】上記のようにして得られた担体に、水素化
活性を有する金属成分を担持することにより優れた水素
化脱メタル触媒とすることができる。担持金属成分は、
周期律表の第VI族金属または第VIII族金属のいずれか1
種以上である。第VI族金属としてはモリブデン、タング
ステンが、また第VIII族金属としてはコバルト、ニッケ
ル、鉄等が好適であり、これらの金属の1種、または2
種以上を組み合わせて用いられる。
【0029】これらの金属はどのような形態のものを用
いても特に支障はなく、例えば、硝酸塩、炭酸塩、硫酸
塩、酢酸塩等の塩類や、塩化物、酸化物、水酸化物、カ
ルボニル錯体等を用いることができる。通常、モリブデ
ン、タングステンは、パラモリブデン酸アンモニウム、
パラタングステン酸アンモニウムを始めとするモリブデ
ン酸塩やタングステン酸塩が好適に用いられる。コバル
ト、ニッケル及び鉄は、硝酸塩、炭酸塩や酢酸塩が好適
に用いられる。
【0030】これらの金属成分の担持量は、最終的に調
製される触媒に対して、第VI族金属については通常、
0.5〜10重量%の範囲になるように調製することが
好適である。また、第VIII族金属については、通常0.
2〜5重量%の範囲になるように調製することが好適で
ある。
【0031】前記の金属成分の担持方法に対しては特に
制限は無く、通常用いられる含浸法(pore-filling法、
加熱含浸法、真空含浸法等を含む)、浸漬法、混練法等
の公知の手法を用いて担持できる。混練法等では触媒担
体製造時に金属成分を添加するが、各原料の組成に影響
のない範囲で用いることができる。
【0032】次に金属成分を担持した後、乾燥、焼成を
行う。この時の乾燥温度は80〜200℃が好適であ
る。また、焼成温度は400〜600℃、好ましくは4
50〜550℃の範囲で行うのが好適である。焼成温度
までの昇温時間は、15〜120分、焼成温度での保持
時間は15〜300分の範囲が好適である。
【0033】本発明の水素化脱メタル触媒は、従来の共
沈法、ゾルゲル法等で製造する触媒担体に比べ、細孔径
および細孔容量が大きいことが特徴である。このような
物理的特性を有することからメタル劣化に強くなってい
る。すなわち、メタル堆積による閉塞の抑制やメタル許
容量の増大によって、従来以上の長寿命触媒となってい
る。しかもこのような大細孔径、大細孔容量の細孔構造
を有しながら、実用上問題のない強度を有する。そして
本触媒はアルミナ-シリカ系触媒やアルミナ-ジルコニア
系触媒等の同様な大細孔径触媒と比較して、高い脱メタ
ル活性および脱硫活性を有している。
【0034】本発明の水素化脱メタル触媒は、担体の脱
メタル反応に適した細孔構造と担持金属成分との協奏効
果で、高い脱メタル活性を有すると共に、メタル堆積に
耐えうる細孔構造を持ち、実用上問題のない機械的強度
を有しており、脱硫触媒を保護するガード触媒として優
れた性能を有している。
【0035】上記本触媒は、各種重質油、例えば、常圧
残油、減圧残油、オイルサンド油、シェールオイル、石
炭液化油等の重質油の処理に好適に用いられる。
【0036】本触媒は、反応温度が300〜500℃、
好ましくは350〜450℃、反応圧力が、水素圧とし
て20〜250kg/cm2、好ましくは50〜200kg/c
m2、液空間速度(LHSV)が0.05〜7hr-1、好ま
しくは0.1〜2hr-1、水素ガスと原料油の供給割合(H
2/Oil)が300〜3000Nm3/kl、好ましくは500
〜1500Nm3/klで使用することが好適である。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を具体
的に説明する。しかし、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0038】(実施例1) [担体調製]アルミナとして75重量%を含む水和アル
ミナ1400gに、アンモニアを0.5重量%含むアンモ
ニア水1400mlを添加、混練してドウを調製した。こ
のドウにシリカとして95重量%を含むシリカゲル55
0g、マグネシアとして92重量%を含む酸化マグネシ
ウム90g、および水870gを添加して、さらに混練を
行い、最終的なドウを調製した。このドウを1/16イ
ンチのシリンダー状に成形し、130℃で6時間乾燥し
た。さらに800℃で1時間焼成し(昇温時間1時間)
て、担体A1を得た。
【0039】[触媒調製]上記担体A1の150gに、モ
リブデン水溶液(モリブデン酸アンモニウム6水和物
7.76gを担体A1150gの吸水量見合いの水に溶解し
て調製)をスプレー含浸させた後、130℃で6時間乾
燥した。さらに500℃で30分焼成し(昇温時間30
分)、触媒A1を得た。
【0040】[物性測定]上記触媒A1の比表面積はB
ET法により、細孔容量、平均細孔径は水銀圧入法(マ
イクロメリチックス社製オートポア9200)で、γ=
480dyn/cm、θ=140°として測定、算出した。ま
た、ペレットの機械的強度の指標として、SCS(Side
Crushing Strength:側面破壊強度)を、富山産業社製
錠剤破壊強度測定器を用いて測定した。この結果を表1
に示した。
【0041】[性能評価]触媒の性能評価を流通式固定
床高圧反応装置を用いて行った。原料油には中東系減圧
残油と常圧残油の混合油(50重量%:50重量%)を
用いた。反応器に上記触媒A1100ccを充填し、反応
温度380℃、液空間速度(LHSV)1.0hr-1、水
素圧120kg/cm2、水素/オイル比1000 l/lで反応
試験を行った。この結果を表2に示す。
【0042】(実施例2)実施例1において、酸化マグ
ネシウム90gおよび水870gに代えて、酸化マグネシ
ウム17.4gおよび水800gを用い、他は全く実施例
1と同様の方法で触媒担体をA2を得た。
【0043】この担体に、実施例1と同様の方法で、モ
リブデンを担持して触媒A2を得、この物性を測定し
た。この結果を表1に示した。
【0044】(実施例3)実施例1において、酸化マグ
ネシウム90gおよび水870gに代えて、酸化マグネシ
ウム217gおよび水1000gを用い、他は全く実施例
1と同様の方法で触媒担体をA3を得た。
【0045】この担体に、実施例1と同様の方法で、モ
リブデンを担持して触媒A3を得、この物性を測定し
た。この結果を表1に示した。
【0046】(比較例1)実施例1で用いた水和アルミ
ナ2000gに、0.5重量%濃度のアンモニア水200
0mlを添加し、混練してドウを調製した。このドウを1
/16インチシリンダー状に成形し、130℃で6時間
乾燥した。さらに800℃で1時間焼成し(昇温時間1
時間)、触媒担体Bを得た。
【0047】この担体に、実施例1と同様の方法で、モ
リブデンを担持して触媒Bを得、この物性を測定した。
この結果を表1に示した。
【0048】この触媒Bを用いて、実施例1に記載した
のと同じ方法により性能の評価を行った。この結果を表
2に示した。
【0049】(比較例2)実施例1で用いた水和アルミ
ナ2000gに、0.5重量%濃度のアンモニア水220
0mlを添加し、混練してドウを調製した。このドウを1
/16インチシリンダー状に成形し、130℃で6時間
乾燥した。さらに900℃で1時間焼成し(昇温時間1
時間)、触媒担体Cを得た。
【0050】この担体に、実施例1と同様の方法で、モ
リブデンを担持して触媒Cを得、この物性を測定した。
この結果を表1に示した。
【0051】(比較例3)実施例1で用いた水和アルミ
ナ1400gに、0.5重量%濃度のアンモニア水140
0mlを添加し、混練してドウを調製、これに実施例1で
用いたシリカゲル550g及び水790gを添加し、さら
に混練を行い、最終的なドウを調製した。このドウを1
/16インチのシリンダー状に成形し、130℃で6時
間乾燥した。さらに800℃で1時間焼成し(昇温時間
1時間)、触媒担体Dを得た。
【0052】この担体に、実施例1と同様の方法で、モ
リブデンを担持して触媒Dを得、この物性を測定した。
この結果を表1に示した。
【0053】この触媒Dを用い、実施例1に記載したの
と同じ方法により性能の評価を行った。この結果を表2
に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】これらの結果から明らかなように、本発明
の触媒A1〜A3は、従来の触媒Bより細孔径、細孔容量
が大きく、脱メタル触媒担体として好適な細孔構造を有
していて、しかも側面破壊強度が向上している。また、
触媒A1は、触媒B、Dに比べて高い脱メタル(バナジ
ウム、ニッケル)率、脱硫率を示し、優れた脱メタル触
媒であることが分かる。
【0057】
【発明の効果】本発明の触媒は、従来の脱メタル触媒と
比べて細孔径が大きく重質油の拡散が良いことから脱メ
タル触媒として優れており、細孔容量が大きいことから
従来の触媒より大量のメタルを触媒中に捕捉することが
できる。しかもこのような大細孔径、大細孔容量を有し
ているにもかかわらず、高い触媒強度を有している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ43〜80重量%、シリカ20
    〜55重量%、マグネシア2〜10重量%を含有させた
    担体に、周期律表第VI族金属及び/又は第VIII族金属を
    担持し、かつ水銀圧入法による平均細孔直径が190〜
    350Åからなる重質油の水素化脱メタル触媒。
  2. 【請求項2】 アルミナ43〜80重量%、シリカ20
    〜55重量%、マグネシア2〜10重量%をアンモニア
    水の存在下に混練した後、成形、乾燥、焼成して得た担
    体に、周期律表第VI族金属及び第VIII族金属を担持し、
    乾燥、焼成して、水銀圧入法による平均細孔直径を19
    0〜350Åとすることを特徴とする重質油の水素化脱
    メタル触媒の製造方法。
JP8114423A 1996-04-12 1996-04-12 重質油の水素化脱メタル触媒およびその製造方法 Pending JPH09276712A (ja)

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US6306289B1 (en) 1998-03-16 2001-10-23 Tonen Corporation Catalyst for hydrogenation treatment and method for hydrogenation treatment of hydrocarbon oil
JP2006205141A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 炭化水素油の水素化処理触媒組成物および該触媒組成物を使用した炭化水素油の水素化処理方法
JP2012139617A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 炭化水素油の水素化処理触媒及びそれを用いた水素化処理方法

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