JPH09275011A - 吸着用磁石ユニットおよびそれを用いた磁石ベルト、磁石付きチェーン - Google Patents
吸着用磁石ユニットおよびそれを用いた磁石ベルト、磁石付きチェーンInfo
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- JPH09275011A JPH09275011A JP8278496A JP8278496A JPH09275011A JP H09275011 A JPH09275011 A JP H09275011A JP 8278496 A JP8278496 A JP 8278496A JP 8278496 A JP8278496 A JP 8278496A JP H09275011 A JPH09275011 A JP H09275011A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 迅速かつ容易にほぼ最大吸着力が得られると
ともに、小型軽量化に最適の吸着用磁石ユニット、磁石
ベルト、磁石付きチェーン等を提供する。 【解決手段】 コの字状の磁路を有するヨークと、その
ヨーク底部に一方の磁極を固定した永久磁石とからなる
とともに、上記永久磁石の他方の磁極および上記ヨーク
の2つの磁極は被吸着物に対向するように位置している
吸着用磁石ユニットであって、ヨークの厚み寸法(t)
および飽和磁束密度(Bs)と、永久磁石の幅寸法の半
分(w)および残留磁束密度(Br)とによって、α=
(t×Bs)/(Br×w)で定義されるパラメータ
(α)が0.16以上でかつ1未満の範囲に設定される
ことを特徴とする吸着用磁石ユニット。
ともに、小型軽量化に最適の吸着用磁石ユニット、磁石
ベルト、磁石付きチェーン等を提供する。 【解決手段】 コの字状の磁路を有するヨークと、その
ヨーク底部に一方の磁極を固定した永久磁石とからなる
とともに、上記永久磁石の他方の磁極および上記ヨーク
の2つの磁極は被吸着物に対向するように位置している
吸着用磁石ユニットであって、ヨークの厚み寸法(t)
および飽和磁束密度(Bs)と、永久磁石の幅寸法の半
分(w)および残留磁束密度(Br)とによって、α=
(t×Bs)/(Br×w)で定義されるパラメータ
(α)が0.16以上でかつ1未満の範囲に設定される
ことを特徴とする吸着用磁石ユニット。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石とヨーク
とを用いた吸着用磁石ユニット、およびその磁石ユニッ
トを用いた磁石ベルト、磁石付きチェーン等に関する。
とを用いた吸着用磁石ユニット、およびその磁石ユニッ
トを用いた磁石ベルト、磁石付きチェーン等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、永久磁石とヨークなどで構成
される吸着用磁石ユニットを搭載した磁気吸着装置とし
て磁石ベルトなどがあり、さらに発展させた方式として
磁気吸着型の搬送用ベルトコンベアや磁石ベルト式輸送
システム(以後、BTMという。)等がある。例えば、
従来のBTMでは無端状の磁石ベルトが使用され、その
ベルトの全周にわたって多数の吸着用磁石ユニットを取
付け、その磁石ベルトをBTM車両の下部に設けたプー
リに掛け回し、そのプーリを回転させることにより、磁
石ベルトの磁石ユニットが強磁性のレールに磁気吸着し
ながら回転移動して、そのレールに対して磁石ベルトが
設けられたBTM車両に推力を発生するようになってい
る。
される吸着用磁石ユニットを搭載した磁気吸着装置とし
て磁石ベルトなどがあり、さらに発展させた方式として
磁気吸着型の搬送用ベルトコンベアや磁石ベルト式輸送
システム(以後、BTMという。)等がある。例えば、
従来のBTMでは無端状の磁石ベルトが使用され、その
ベルトの全周にわたって多数の吸着用磁石ユニットを取
付け、その磁石ベルトをBTM車両の下部に設けたプー
リに掛け回し、そのプーリを回転させることにより、磁
石ベルトの磁石ユニットが強磁性のレールに磁気吸着し
ながら回転移動して、そのレールに対して磁石ベルトが
設けられたBTM車両に推力を発生するようになってい
る。
【0003】上記磁気吸着装置の高性能化(例えば、吸
着用磁石ユニットの吸着力の向上や小型軽量化など。)
を図る手段としては、吸着用磁石ユニットが発生する磁
束量を吸着力として最大限に活用し得る磁気回路を構成
することや、吸着力に寄与する磁束量を一定レベルに維
持しながら吸着用磁石ユニットを極力小型軽量化するこ
となどである。
着用磁石ユニットの吸着力の向上や小型軽量化など。)
を図る手段としては、吸着用磁石ユニットが発生する磁
束量を吸着力として最大限に活用し得る磁気回路を構成
することや、吸着力に寄与する磁束量を一定レベルに維
持しながら吸着用磁石ユニットを極力小型軽量化するこ
となどである。
【0004】しかし、上記従来の磁気吸着装置において
は、もっぱら経験に基づいて吸着用磁石ユニットの磁気
回路形状が決定されてきており、磁石ユニットの単位重
量あたりの吸着力(後述のF2に相当する。)または磁
石ユニットに配設される永久磁石の単位重量あたりの吸
着力(後述のF1に相当する。)を期待されたほどに大
きくできなかった。したがって、上記従来の磁気吸着装
置では、吸着用磁石ユニット(磁気回路)の全体に占め
る重量の割には吸着性能が低いという問題を有してい
る。さらに、磁石ベルトあるいは磁気吸着型の搬送用コ
ンベア、BTMなどの高性能化や小型軽量化を図る場合
に、数回にわたる試作を繰り返した後に得られた結果に
基づいて設計製作を行わねばならず、その最適の磁気回
路構造を迅速かつ容易に設計製作することが困難であっ
た。
は、もっぱら経験に基づいて吸着用磁石ユニットの磁気
回路形状が決定されてきており、磁石ユニットの単位重
量あたりの吸着力(後述のF2に相当する。)または磁
石ユニットに配設される永久磁石の単位重量あたりの吸
着力(後述のF1に相当する。)を期待されたほどに大
きくできなかった。したがって、上記従来の磁気吸着装
置では、吸着用磁石ユニット(磁気回路)の全体に占め
る重量の割には吸着性能が低いという問題を有してい
る。さらに、磁石ベルトあるいは磁気吸着型の搬送用コ
ンベア、BTMなどの高性能化や小型軽量化を図る場合
に、数回にわたる試作を繰り返した後に得られた結果に
基づいて設計製作を行わねばならず、その最適の磁気回
路構造を迅速かつ容易に設計製作することが困難であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、迅速かつ容易にほぼ最大吸着力が得られるとと
もに、小型軽量化に最適の吸着用磁石ユニット、磁石ベ
ルト、磁石付きチェーン等を提供することである。
課題は、迅速かつ容易にほぼ最大吸着力が得られるとと
もに、小型軽量化に最適の吸着用磁石ユニット、磁石ベ
ルト、磁石付きチェーン等を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、コの字状の磁路を有するヨークと、そ
のヨーク底部に一方の磁極を固定した永久磁石とからな
るとともに、上記永久磁石の他方の磁極および上記ヨー
クの2つの磁極は被吸着物に対向するように位置してい
る吸着用磁石ユニットであって、ヨークの厚み寸法
(t)および飽和磁束密度(Bs)と、永久磁石の幅寸
法の半分(w)および残留磁束密度(Br)とによっ
て、α=(t×Bs)/(Br×w)で定義されるパラ
メータ(α)が0.16以上でかつ1未満の範囲に設定
される吸着用磁石ユニットを採用した。上記本発明で
は、寸法(t)が0.1(mm)以上でかつ0.5(mm)
以下のときにはα=0.16〜0.70であり、寸法
(t)が0.5(mm)を超えるとともに1.0(mm)以
下のときにはα=0.26〜0.75であり、寸法
(t)が1.0(mm)を越えるとともに1.5(mm)以
下のときにはα=0.30〜0.90であり、寸法
(t)が1.5(mm)を越えるとともに2.0(mm)以
下のときにはα=0.35〜0.95であり、寸法
(t)が2.0(mm)を越えるとともに2.5(mm)以
下のときにはα=0.37〜0.99であり、寸法
(t)が2.5(mm)を越えるとともに3.2(mm)以
下のときにはα=0.41〜0.99であり、寸法
(t)が3.2(mm)を越えるとともに10.0(mm)
以下のときにはα=0.44〜0.99であることで最
大吸着力の85%以上を確保できる。
に、本発明では、コの字状の磁路を有するヨークと、そ
のヨーク底部に一方の磁極を固定した永久磁石とからな
るとともに、上記永久磁石の他方の磁極および上記ヨー
クの2つの磁極は被吸着物に対向するように位置してい
る吸着用磁石ユニットであって、ヨークの厚み寸法
(t)および飽和磁束密度(Bs)と、永久磁石の幅寸
法の半分(w)および残留磁束密度(Br)とによっ
て、α=(t×Bs)/(Br×w)で定義されるパラ
メータ(α)が0.16以上でかつ1未満の範囲に設定
される吸着用磁石ユニットを採用した。上記本発明で
は、寸法(t)が0.1(mm)以上でかつ0.5(mm)
以下のときにはα=0.16〜0.70であり、寸法
(t)が0.5(mm)を超えるとともに1.0(mm)以
下のときにはα=0.26〜0.75であり、寸法
(t)が1.0(mm)を越えるとともに1.5(mm)以
下のときにはα=0.30〜0.90であり、寸法
(t)が1.5(mm)を越えるとともに2.0(mm)以
下のときにはα=0.35〜0.95であり、寸法
(t)が2.0(mm)を越えるとともに2.5(mm)以
下のときにはα=0.37〜0.99であり、寸法
(t)が2.5(mm)を越えるとともに3.2(mm)以
下のときにはα=0.41〜0.99であり、寸法
(t)が3.2(mm)を越えるとともに10.0(mm)
以下のときにはα=0.44〜0.99であることで最
大吸着力の85%以上を確保できる。
【0007】また、本発明では、コの字状の磁路を有す
るヨークと、そのヨーク底部に一方の磁極を固定した永
久磁石とからなるとともに、上記永久磁石の他方の磁極
および上記ヨークの2つの磁極は被吸着物に対向するよ
うに位置している複数の吸着用磁石ユニットが、無端状
のベルト基体に配置されて構成される磁石ベルトであっ
て、ヨークの厚み寸法(t)および飽和磁束密度(B
s)と、永久磁石の幅寸法の半分(w)および残留磁束
密度(Br)とによって、α=(t×Bs)/(Br×
w)で定義される上記吸着用磁石ユニットのパラメータ
(α)が0.16以上でかつ1未満の範囲に設定される
磁石ベルトを採用した。上記本発明では、寸法(t)が
0.1(mm)以上でかつ0.5(mm)以下のときにはα
=0.16〜0.70であり、寸法(t)が0.5(m
m)を超えるとともに1.0(mm)以下のときにはα=
0.26〜0.75であり、寸法(t)が1.0(mm)
を越えるとともに1.5(mm)以下のときにはα=0.
30〜0.90であり、寸法(t)が1.5(mm)を越
えるとともに2.0(mm)以下のときにはα=0.35
〜0.95であり、寸法(t)が2.0(mm)を越える
とともに2.5(mm)以下のときにはα=0.37〜
0.99であり、寸法(t)が2.5(mm)を越えると
ともに3.2(mm)以下のときにはα=0.41〜0.
99であり、寸法(t)が3.2(mm)を越えるととも
に10.0(mm)以下のときにはα=0.44〜0.9
9であることで最大吸着力の85%以上を確保できる。
また、上記本発明では、複数の吸着用磁石ユニットは、
その長手方向が無端状のベルト基体上の短尺方向に平行
に配置されるとともに、そのベルト基体の長手方向に平
行に相互に間隔をあけて配置されて有用な磁石ベルトが
構成される。
るヨークと、そのヨーク底部に一方の磁極を固定した永
久磁石とからなるとともに、上記永久磁石の他方の磁極
および上記ヨークの2つの磁極は被吸着物に対向するよ
うに位置している複数の吸着用磁石ユニットが、無端状
のベルト基体に配置されて構成される磁石ベルトであっ
て、ヨークの厚み寸法(t)および飽和磁束密度(B
s)と、永久磁石の幅寸法の半分(w)および残留磁束
密度(Br)とによって、α=(t×Bs)/(Br×
w)で定義される上記吸着用磁石ユニットのパラメータ
(α)が0.16以上でかつ1未満の範囲に設定される
磁石ベルトを採用した。上記本発明では、寸法(t)が
0.1(mm)以上でかつ0.5(mm)以下のときにはα
=0.16〜0.70であり、寸法(t)が0.5(m
m)を超えるとともに1.0(mm)以下のときにはα=
0.26〜0.75であり、寸法(t)が1.0(mm)
を越えるとともに1.5(mm)以下のときにはα=0.
30〜0.90であり、寸法(t)が1.5(mm)を越
えるとともに2.0(mm)以下のときにはα=0.35
〜0.95であり、寸法(t)が2.0(mm)を越える
とともに2.5(mm)以下のときにはα=0.37〜
0.99であり、寸法(t)が2.5(mm)を越えると
ともに3.2(mm)以下のときにはα=0.41〜0.
99であり、寸法(t)が3.2(mm)を越えるととも
に10.0(mm)以下のときにはα=0.44〜0.9
9であることで最大吸着力の85%以上を確保できる。
また、上記本発明では、複数の吸着用磁石ユニットは、
その長手方向が無端状のベルト基体上の短尺方向に平行
に配置されるとともに、そのベルト基体の長手方向に平
行に相互に間隔をあけて配置されて有用な磁石ベルトが
構成される。
【0008】また、本発明では、コの字状の磁路を有す
るヨークと、そのヨーク底部に一方の磁極を固定した永
久磁石とからなるとともに、上記永久磁石の他方の磁極
および上記ヨークの2つの磁極は被吸着物に対向するよ
うに位置している複数の吸着用磁石ユニットが、無端状
のチェーンに配置されて構成される磁石付きチェーンで
あって、ヨークの厚み寸法(t)および飽和磁束密度
(Bs)と、永久磁石の幅寸法の半分(w)および残留
磁束密度(Br)とによって、α=(t×Bs)/(B
r×w)で定義される上記吸着用磁石ユニットのパラメ
ータ(α)が0.16以上でかつ1未満の範囲に設定さ
れる磁石付きチェーンを採用した。上記本発明では、寸
法(t)が0.1(mm)以上でかつ0.5(mm)以下の
ときにはα=0.16〜0.70であり、寸法(t)が
0.5(mm)を超えるとともに1.0(mm)以下のとき
にはα=0.26〜0.75であり、寸法(t)が1.
0(mm)を越えるとともに1.5(mm)以下のときには
α=0.30〜0.90であり、寸法(t)が1.5
(mm)を越えるとともに2.0(mm)以下のときにはα
=0.35〜0.95であり、寸法(t)が2.0(m
m)を越えるとともに2.5(mm)以下のときにはα=
0.37〜0.99であり、寸法(t)が2.5(mm)
を越えるとともに3.2(mm)以下のときにはα=0.
41〜0.99であり、寸法(t)が3.2(mm)を越
えるとともに10.0(mm)以下のときにはα=0.4
4〜0.99であることで最大吸着力の85%以上を確
保できる。また、上記本発明では、複数の吸着用磁石ユ
ニットは、その長手方向が無端状チェーンの移動方向に
対して垂直に配置されるとともに、そのチェーンの移動
方向に相互に間隔をあけて配置されて有用な磁石付きチ
ェーンが構成される。
るヨークと、そのヨーク底部に一方の磁極を固定した永
久磁石とからなるとともに、上記永久磁石の他方の磁極
および上記ヨークの2つの磁極は被吸着物に対向するよ
うに位置している複数の吸着用磁石ユニットが、無端状
のチェーンに配置されて構成される磁石付きチェーンで
あって、ヨークの厚み寸法(t)および飽和磁束密度
(Bs)と、永久磁石の幅寸法の半分(w)および残留
磁束密度(Br)とによって、α=(t×Bs)/(B
r×w)で定義される上記吸着用磁石ユニットのパラメ
ータ(α)が0.16以上でかつ1未満の範囲に設定さ
れる磁石付きチェーンを採用した。上記本発明では、寸
法(t)が0.1(mm)以上でかつ0.5(mm)以下の
ときにはα=0.16〜0.70であり、寸法(t)が
0.5(mm)を超えるとともに1.0(mm)以下のとき
にはα=0.26〜0.75であり、寸法(t)が1.
0(mm)を越えるとともに1.5(mm)以下のときには
α=0.30〜0.90であり、寸法(t)が1.5
(mm)を越えるとともに2.0(mm)以下のときにはα
=0.35〜0.95であり、寸法(t)が2.0(m
m)を越えるとともに2.5(mm)以下のときにはα=
0.37〜0.99であり、寸法(t)が2.5(mm)
を越えるとともに3.2(mm)以下のときにはα=0.
41〜0.99であり、寸法(t)が3.2(mm)を越
えるとともに10.0(mm)以下のときにはα=0.4
4〜0.99であることで最大吸着力の85%以上を確
保できる。また、上記本発明では、複数の吸着用磁石ユ
ニットは、その長手方向が無端状チェーンの移動方向に
対して垂直に配置されるとともに、そのチェーンの移動
方向に相互に間隔をあけて配置されて有用な磁石付きチ
ェーンが構成される。
【0009】上記の通り、本発明では、パラメータ
(α)の最適範囲を特定することで、吸着用磁石ユニッ
トを構成する永久磁石の幅寸法(Wmag)の半分の寸
法(w)および残留磁束密度(Br)と、その磁石ユニ
ットに備えられた強磁性を有するヨークの厚み寸法
(t)と飽和磁束密度(Bs)とが既知であれば、少な
くとも形成される磁石ユニットの最大吸着力の85%以
上を確保できるとともに、迅速かつ容易に吸着用磁石ユ
ニットを設計製作することができる。
(α)の最適範囲を特定することで、吸着用磁石ユニッ
トを構成する永久磁石の幅寸法(Wmag)の半分の寸
法(w)および残留磁束密度(Br)と、その磁石ユニ
ットに備えられた強磁性を有するヨークの厚み寸法
(t)と飽和磁束密度(Bs)とが既知であれば、少な
くとも形成される磁石ユニットの最大吸着力の85%以
上を確保できるとともに、迅速かつ容易に吸着用磁石ユ
ニットを設計製作することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を下記態様により説明す
る。図1は本発明の吸着用磁石ユニット10の要部断面
図を示しており、左右対称になっている。図1におい
て、1は直方体板状の永久磁石(例えば、日立金属
(株)製Nd−Fe−B系異方性燒結磁石HS37BH
等であり、その代表的なBr=1.21(T)、(B
H)max=37(MGOe)。)であり、図示される磁化方
向(M)に着磁されている。2は強磁性ヨーク(例え
ば、SS400製で代表的なBs=1.8(T)。)で
あり、断面がコの字形で、厚みは一様に寸法(t)に形
成されて、永久磁石1から発生する磁束を通すコの字状
の磁路を構成している。そして、例えばエポキシ系接着
剤(アラルダイトAV138等。)を用いてヨーク2の
底部(凹部)に永久磁石1の一方の磁極(例えばN
極。)が固定されて本発明の吸着用磁石ユニット10が
形成されている。また、2a,2aは上記磁石ユニット
10が被吸着物3に吸着する場合の吸着面であり、永久
磁石1の端面1aに比べてその吸着面2a,2aが被吸
着物3の方向に突出して形成されて吸着時の衝撃等から
永久磁石1を保護するようになっている。3は上記磁石
ユニット10に吸着可能な被吸着物である。したがっ
て、上記磁石ユニット10では、永久磁石1の他方の磁
極(例えばS極。)と、ヨーク2の2つの磁極2a,2
a(例えば、その2磁極がともにN極。)とが被吸着物
3に対向して位置している。なお、上記磁石ユニット1
0は例えば磁石ベルトの主要部であるベルト基体(図示
省略)に公知の締結手段(螺着、かしめ、溶接手段な
ど。)によって固定されるともに、その磁石ユニット1
0を備えた磁気吸着装置は移動自在にまたは固定されて
構成することができる。また、被吸着物3は固定構造物
(例えば、鉄合金製の強磁性レール等。)であっても、
あるいは移動自在の物体(例えば、鉄合金製の強磁性を
有する箱形の搬送用バケット等。)でもよいことは勿論
である。また、永久磁石1において、一方の磁極がS極
で他方の磁極がN極でもよく、さらに上記の一方および
/または他方の磁極が複数極で構成されてもよいことは
勿論である。次に、上記磁石ユニット10の斜視図を図
2に示す。図2では、上記磁石ユニット10の長手方向
に平行に、直方体板状の永久磁石1の長手方向が配置さ
れ、その長手方向寸法(l)を有する。永久磁石1は、
例えば、一体のものあるいは分割された永久磁石のブロ
ックを点線のように貼合わせたものを使用できる。
る。図1は本発明の吸着用磁石ユニット10の要部断面
図を示しており、左右対称になっている。図1におい
て、1は直方体板状の永久磁石(例えば、日立金属
(株)製Nd−Fe−B系異方性燒結磁石HS37BH
等であり、その代表的なBr=1.21(T)、(B
H)max=37(MGOe)。)であり、図示される磁化方
向(M)に着磁されている。2は強磁性ヨーク(例え
ば、SS400製で代表的なBs=1.8(T)。)で
あり、断面がコの字形で、厚みは一様に寸法(t)に形
成されて、永久磁石1から発生する磁束を通すコの字状
の磁路を構成している。そして、例えばエポキシ系接着
剤(アラルダイトAV138等。)を用いてヨーク2の
底部(凹部)に永久磁石1の一方の磁極(例えばN
極。)が固定されて本発明の吸着用磁石ユニット10が
形成されている。また、2a,2aは上記磁石ユニット
10が被吸着物3に吸着する場合の吸着面であり、永久
磁石1の端面1aに比べてその吸着面2a,2aが被吸
着物3の方向に突出して形成されて吸着時の衝撃等から
永久磁石1を保護するようになっている。3は上記磁石
ユニット10に吸着可能な被吸着物である。したがっ
て、上記磁石ユニット10では、永久磁石1の他方の磁
極(例えばS極。)と、ヨーク2の2つの磁極2a,2
a(例えば、その2磁極がともにN極。)とが被吸着物
3に対向して位置している。なお、上記磁石ユニット1
0は例えば磁石ベルトの主要部であるベルト基体(図示
省略)に公知の締結手段(螺着、かしめ、溶接手段な
ど。)によって固定されるともに、その磁石ユニット1
0を備えた磁気吸着装置は移動自在にまたは固定されて
構成することができる。また、被吸着物3は固定構造物
(例えば、鉄合金製の強磁性レール等。)であっても、
あるいは移動自在の物体(例えば、鉄合金製の強磁性を
有する箱形の搬送用バケット等。)でもよいことは勿論
である。また、永久磁石1において、一方の磁極がS極
で他方の磁極がN極でもよく、さらに上記の一方および
/または他方の磁極が複数極で構成されてもよいことは
勿論である。次に、上記磁石ユニット10の斜視図を図
2に示す。図2では、上記磁石ユニット10の長手方向
に平行に、直方体板状の永久磁石1の長手方向が配置さ
れ、その長手方向寸法(l)を有する。永久磁石1は、
例えば、一体のものあるいは分割された永久磁石のブロ
ックを点線のように貼合わせたものを使用できる。
【0011】次に、本発明を詳説するために、上記図1
において、各部の寸法の一例を下記のように設定する。
永久磁石1からヨーク2を通る磁束の流れ(磁路)が左
右対称であることから、永久磁石1の幅寸法(Wma
g)の半分を(w)とする。また、その厚み寸法(a)
は3(mm)とする。また、コの字形ヨーク2の厚み寸法
は一様に(t)とする。また、コの字形ヨーク2の凹部
に固着されている永久磁石1の側面と、その側面に対向
する両側のヨーク2との間隙の寸法(b)は1(mm)で
ある。なお、この寸法(b)はb>0(mm)であるこ
とが吸着用磁石ユニット10の吸着力を大にする上で好
ましいが、b=0(mm)であっても本発明に含まれる
ことは勿論である。また、永久磁石1の端面1aと被吸
着物3との間隔(c)は吸着状態において1(mm)であ
る。また、被吸着物3の厚み寸法(d)を10(mm)と
している。
において、各部の寸法の一例を下記のように設定する。
永久磁石1からヨーク2を通る磁束の流れ(磁路)が左
右対称であることから、永久磁石1の幅寸法(Wma
g)の半分を(w)とする。また、その厚み寸法(a)
は3(mm)とする。また、コの字形ヨーク2の厚み寸法
は一様に(t)とする。また、コの字形ヨーク2の凹部
に固着されている永久磁石1の側面と、その側面に対向
する両側のヨーク2との間隙の寸法(b)は1(mm)で
ある。なお、この寸法(b)はb>0(mm)であるこ
とが吸着用磁石ユニット10の吸着力を大にする上で好
ましいが、b=0(mm)であっても本発明に含まれる
ことは勿論である。また、永久磁石1の端面1aと被吸
着物3との間隔(c)は吸着状態において1(mm)であ
る。また、被吸着物3の厚み寸法(d)を10(mm)と
している。
【0012】次に、上記吸着用磁石ユニット10が吸着
面2a,2aにおいて、吸着可能な被吸着物3に吸着し
ている状態での単位長さ当たりの吸着力(F)と、永久
磁石1の上記幅寸法(w)との関係を図3に示してい
る。なお、図3では、検討例としてヨーク2の厚み寸法
(t)を0.5(mm),1.0(mm),1.5(mm),
2.0(mm),2.5(mm),3.2(mm),5.0
(mm)として、それらの各々について寸法(w)と吸着
力(F)との関係を調べている。図3より、吸着力
(F)は永久磁石1の幅寸法(w)に比例する傾向を示
している。また、この傾向はヨーク2の厚み寸法(t)
に大きく依存し、吸着力(F)を大きくするためには、
永久磁石1の幅寸法(w)に合わせてヨーク2の厚み寸
法(t)を大きくする必要があることが分かる。さら
に、永久磁石1の幅寸法(w)を任意の一定値に固定し
たときに、吸着力(F)の最大値を得られるヨーク2の
厚み寸法(t)が存在することは特に注目すべきことで
ある。
面2a,2aにおいて、吸着可能な被吸着物3に吸着し
ている状態での単位長さ当たりの吸着力(F)と、永久
磁石1の上記幅寸法(w)との関係を図3に示してい
る。なお、図3では、検討例としてヨーク2の厚み寸法
(t)を0.5(mm),1.0(mm),1.5(mm),
2.0(mm),2.5(mm),3.2(mm),5.0
(mm)として、それらの各々について寸法(w)と吸着
力(F)との関係を調べている。図3より、吸着力
(F)は永久磁石1の幅寸法(w)に比例する傾向を示
している。また、この傾向はヨーク2の厚み寸法(t)
に大きく依存し、吸着力(F)を大きくするためには、
永久磁石1の幅寸法(w)に合わせてヨーク2の厚み寸
法(t)を大きくする必要があることが分かる。さら
に、永久磁石1の幅寸法(w)を任意の一定値に固定し
たときに、吸着力(F)の最大値を得られるヨーク2の
厚み寸法(t)が存在することは特に注目すべきことで
ある。
【0013】次に、図4に、上記寸法(w)と、吸着力
(F1)との関係を示している。ここで、吸着力(F
1)はF1=(F/永久磁石1の単位長さあたりの重
量)で定義される。なお、図4では、上記図3と同様に
してヨーク2の厚み寸法(t)を変化させて、上記寸法
(w)と吸着力(F1)との関係を調べている。図4か
ら、検討したヨーク2の各厚み寸法(t)ごとに、吸着
力(F1)の最大値が得られる永久磁石1の幅寸法
(w)が存在することは特に注目すべきことである。
(F1)との関係を示している。ここで、吸着力(F
1)はF1=(F/永久磁石1の単位長さあたりの重
量)で定義される。なお、図4では、上記図3と同様に
してヨーク2の厚み寸法(t)を変化させて、上記寸法
(w)と吸着力(F1)との関係を調べている。図4か
ら、検討したヨーク2の各厚み寸法(t)ごとに、吸着
力(F1)の最大値が得られる永久磁石1の幅寸法
(w)が存在することは特に注目すべきことである。
【0014】次に、図5に、上記寸法(w)と、吸着力
(F2)との関係を示している。ここで、吸着力(F
2)はF2=(F/吸着用磁石ユニット10の単位長さ
あたりの重量)で定義される。なお、図5では、上記図
3と同様にしてヨーク2の厚み寸法(t)を変化させ
て、上記寸法(w)と吸着力(F2)との関係を調べて
いる。図5から、検討したヨーク2の各厚み寸法(t)
ごとに、吸着力(F2)の最大値が得られる永久磁石1
の幅寸法(w)が存在することは特に注目すべきことで
あり、更にヨーク2の厚み寸法(t)が2.0(mm),
永久磁石の幅寸法(w)が5.0(mm)のときに、吸着
力(F2)の最大値が存在することは最も注目すべきこ
とである。
(F2)との関係を示している。ここで、吸着力(F
2)はF2=(F/吸着用磁石ユニット10の単位長さ
あたりの重量)で定義される。なお、図5では、上記図
3と同様にしてヨーク2の厚み寸法(t)を変化させ
て、上記寸法(w)と吸着力(F2)との関係を調べて
いる。図5から、検討したヨーク2の各厚み寸法(t)
ごとに、吸着力(F2)の最大値が得られる永久磁石1
の幅寸法(w)が存在することは特に注目すべきことで
あり、更にヨーク2の厚み寸法(t)が2.0(mm),
永久磁石の幅寸法(w)が5.0(mm)のときに、吸着
力(F2)の最大値が存在することは最も注目すべきこ
とである。
【0015】次に、上記の図1の構成のもとに、図3,
図4,図5の結果を反映させた本発明のパラメータ
(α)と、上記の吸着力(F1),(F2)および上記
寸法(w),(t)との相関を表1、表2に一括して示
している。従来は、例えば、上記磁石ユニット10の最
適の磁気回路形状の決定に際し、上記図1に模式的に示
しているヨーク2を通る磁束量分(Φy)と永久磁石1
から発生する磁束量分(Φmag)とを等しくバランス
するように経験的に決められてきた。すなわち、ヨーク
2を通る磁束量(Φy)と永久磁石1の半分(例えば永
久磁石1の右半分のハッチ部分。)から発生する磁束量
(Φmag)との比でもって上記パラメータ(α)をα
=(Φy/Φmag)で定義すると、α=1が経験的に
決められていたが、実際には表1および表2に示す通
り、α=1では吸着力(F1)および(F2)が最大値
にならないことが本発明により明らかとなった。また、
ヨーク2を通る磁束量(Φy)は、ヨーク2の飽和磁束
密度(Bs)とヨーク2の厚み寸法(t)との積で表わ
され、また永久磁石1の左半分または右半分が発生する
磁束量(Φmag)は、永久磁石1の残留磁束密度(B
r)とその幅寸法の半分(w)との積で表わされる。こ
のように、パラメータ(α)は、ヨーク2の厚み寸法
(t)および飽和磁束密度(Bs)と、永久磁石1の幅
寸法の半分(w)および残留磁束密度(Br)とによっ
て、α=(t×Bs)/(Br×w)で定義できる値で
ある。
図4,図5の結果を反映させた本発明のパラメータ
(α)と、上記の吸着力(F1),(F2)および上記
寸法(w),(t)との相関を表1、表2に一括して示
している。従来は、例えば、上記磁石ユニット10の最
適の磁気回路形状の決定に際し、上記図1に模式的に示
しているヨーク2を通る磁束量分(Φy)と永久磁石1
から発生する磁束量分(Φmag)とを等しくバランス
するように経験的に決められてきた。すなわち、ヨーク
2を通る磁束量(Φy)と永久磁石1の半分(例えば永
久磁石1の右半分のハッチ部分。)から発生する磁束量
(Φmag)との比でもって上記パラメータ(α)をα
=(Φy/Φmag)で定義すると、α=1が経験的に
決められていたが、実際には表1および表2に示す通
り、α=1では吸着力(F1)および(F2)が最大値
にならないことが本発明により明らかとなった。また、
ヨーク2を通る磁束量(Φy)は、ヨーク2の飽和磁束
密度(Bs)とヨーク2の厚み寸法(t)との積で表わ
され、また永久磁石1の左半分または右半分が発生する
磁束量(Φmag)は、永久磁石1の残留磁束密度(B
r)とその幅寸法の半分(w)との積で表わされる。こ
のように、パラメータ(α)は、ヨーク2の厚み寸法
(t)および飽和磁束密度(Bs)と、永久磁石1の幅
寸法の半分(w)および残留磁束密度(Br)とによっ
て、α=(t×Bs)/(Br×w)で定義できる値で
ある。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】まず、表1において、パラメータ(α)と
吸着力(F1)との関係を説明する。t=0.5(m
m)、w=0.5〜5.0(mm)の条件下で、吸着力
(F1)の最大値を与えるパラメータ(α)の値は0.
30〜0.40である。なお、表1および表2の最下欄
に、本発明のパラメータ(α)の特定範囲を決定するた
めに参酌された吸着力(F1)および(F2)の各最大
値の85(%)換算値すなわちパラメータ(α)の下限
値を示している。また、本発明における吸着力(F1)
および(F2)の単位はともに(kgf/mm・g)である。
本発明によれば、吸着用磁石ユニットの設計製作に際し
て、その基準として、設計製作上の自由度およびばらつ
き等を考慮して、吸着力F1の最大値の85(%)以上
を確保すれば、吸着用磁石ユニットとして十分実用に耐
え得るとともに、この知見から吸着力F1の最大値の8
5(%)以上に相当する上記パラメータ(α)の範囲を
特定し、その特定されたパラメータ(α)の範囲を基準
として、迅速かつ容易に吸着用磁石ユニットを製作でき
ることを見出した。この知見に従い、表1において、t
=0.5(mm)、w=0.5〜4.0(mm)の条件下
で、吸着力(F1)の最大値の85(%)以上に相当す
るパラメータ(α)の範囲を特定すると、α=0.20
〜0.70になる。同様に、上記表1および表2におい
て、t=1.0(mm),1.5(mm),2.0(mm),
2.5(mm),3.2(mm),5.0(mm)の各条件の
もとに寸法(w)を変化させたときの、吸着力(F1)
の85(%)以上を確保し得るパラメータ(α)の特定
範囲は表3に示すようになる。
吸着力(F1)との関係を説明する。t=0.5(m
m)、w=0.5〜5.0(mm)の条件下で、吸着力
(F1)の最大値を与えるパラメータ(α)の値は0.
30〜0.40である。なお、表1および表2の最下欄
に、本発明のパラメータ(α)の特定範囲を決定するた
めに参酌された吸着力(F1)および(F2)の各最大
値の85(%)換算値すなわちパラメータ(α)の下限
値を示している。また、本発明における吸着力(F1)
および(F2)の単位はともに(kgf/mm・g)である。
本発明によれば、吸着用磁石ユニットの設計製作に際し
て、その基準として、設計製作上の自由度およびばらつ
き等を考慮して、吸着力F1の最大値の85(%)以上
を確保すれば、吸着用磁石ユニットとして十分実用に耐
え得るとともに、この知見から吸着力F1の最大値の8
5(%)以上に相当する上記パラメータ(α)の範囲を
特定し、その特定されたパラメータ(α)の範囲を基準
として、迅速かつ容易に吸着用磁石ユニットを製作でき
ることを見出した。この知見に従い、表1において、t
=0.5(mm)、w=0.5〜4.0(mm)の条件下
で、吸着力(F1)の最大値の85(%)以上に相当す
るパラメータ(α)の範囲を特定すると、α=0.20
〜0.70になる。同様に、上記表1および表2におい
て、t=1.0(mm),1.5(mm),2.0(mm),
2.5(mm),3.2(mm),5.0(mm)の各条件の
もとに寸法(w)を変化させたときの、吸着力(F1)
の85(%)以上を確保し得るパラメータ(α)の特定
範囲は表3に示すようになる。
【0019】
【表3】
【0020】したがって、表3より、吸着力(F1)の
85(%)以上を確保する必要条件は、パラメータ
(α)の範囲が0.20以上でかつ1未満であることで
ある。
85(%)以上を確保する必要条件は、パラメータ
(α)の範囲が0.20以上でかつ1未満であることで
ある。
【0021】また、本発明では、吸着用磁石ユニットの
設計製作に際して、その基準として、上記吸着力(F
1)と同様に、吸着力(F2)の最大値の85(%)以
上を確保すれば、吸着用磁石ユニットとして十分実用に
耐え得るとともに、吸着力(F2)の最大値の85
(%)以上に相当するパラメータ(α)の範囲を特定
し、その特定されたパラメータ(α)の範囲を基準とし
て、迅速かつ容易に吸着用磁石ユニットを設計製作でき
ることを見出した。この知見に従い、表1において、t
=0.5(mm)、w=0.5〜5.0(mm)の条件下
で、吸着力(F2)の最大値の85(%)以上に相当す
るパラメータ(α)の特定範囲は0.16〜0.40で
ある。同様に、表1および表2において、t=1.0
(mm),1.5(mm)、2.0(mm),2.5(mm),
3.2(mm),5.0(mm)の各条件のもとに寸法
(w)を変化させたときの、吸着力(F2)の最大値の
85(%)以上に相当するパラメータ(α)の特定範囲
は表4に示すようになる。
設計製作に際して、その基準として、上記吸着力(F
1)と同様に、吸着力(F2)の最大値の85(%)以
上を確保すれば、吸着用磁石ユニットとして十分実用に
耐え得るとともに、吸着力(F2)の最大値の85
(%)以上に相当するパラメータ(α)の範囲を特定
し、その特定されたパラメータ(α)の範囲を基準とし
て、迅速かつ容易に吸着用磁石ユニットを設計製作でき
ることを見出した。この知見に従い、表1において、t
=0.5(mm)、w=0.5〜5.0(mm)の条件下
で、吸着力(F2)の最大値の85(%)以上に相当す
るパラメータ(α)の特定範囲は0.16〜0.40で
ある。同様に、表1および表2において、t=1.0
(mm),1.5(mm)、2.0(mm),2.5(mm),
3.2(mm),5.0(mm)の各条件のもとに寸法
(w)を変化させたときの、吸着力(F2)の最大値の
85(%)以上に相当するパラメータ(α)の特定範囲
は表4に示すようになる。
【0022】
【表4】
【0023】したがって、表4を考慮すると吸着力(F
2)の85(%)以上を確保し得る必要条件は、パラメ
ータ(α)の範囲が0.16以上でかつ1未満であるこ
とである。
2)の85(%)以上を確保し得る必要条件は、パラメ
ータ(α)の範囲が0.16以上でかつ1未満であるこ
とである。
【0024】さらに、上記表3および表4から、吸着力
(F1)または(F2)の85%以上を必要条件で満足
するパラメータ(α)の特定範囲は、表5に示すように
なる。
(F1)または(F2)の85%以上を必要条件で満足
するパラメータ(α)の特定範囲は、表5に示すように
なる。
【表5】 したがって、表5の結果を考慮すると、吸着力(F1)
または(F2)の85(%)以上を必要条件で確保し得
るパラメータ(α)の範囲は、0.16以上でかつ1未
満である。また、本発明では、特に必要十分条件とし
て、表3のパラメータ(α)の特定範囲と表4のパラメ
ータ(α)の特定範囲とが各寸法(t)において同時に
満足される範囲(両者が重なり合う範囲)に設定するこ
とすなわち各寸法(t)において吸着力(F1)および
(F2)の85(%)以上を確保し得るパラメータ
(α)の範囲を選択設定することが最も好ましい。な
お、上記表3、表4、表5において、t=0.5(mm)
は寸法(t)が0.1(mm)を越えて0.5(mm)以下
の範囲を表わし、t=1.0(mm)は寸法(t)が0.
5(mm)を越えて1.0(mm)以下の範囲を表わし、t
=1.5(mm)は寸法(t)が1.0(mm)を越えて
1.5(mm)以下の範囲を表わし、t=2.0(mm)は
寸法(t)が1.5(mm)を越えて2.0(mm)以下の
範囲を表わし、t=2.5(mm)は寸法(t)が2.0
(mm)を越えて2.5(mm)以下の範囲を表わし、t=
3.2(mm)は寸法(t)が2.5(mm)を越えて3.
2(mm)以下の範囲を表わし、t=5.0(mm)は寸法
(t)が3.2(mm)を越えて5.0(mm)以下の範囲
を表わしている。
または(F2)の85(%)以上を必要条件で確保し得
るパラメータ(α)の範囲は、0.16以上でかつ1未
満である。また、本発明では、特に必要十分条件とし
て、表3のパラメータ(α)の特定範囲と表4のパラメ
ータ(α)の特定範囲とが各寸法(t)において同時に
満足される範囲(両者が重なり合う範囲)に設定するこ
とすなわち各寸法(t)において吸着力(F1)および
(F2)の85(%)以上を確保し得るパラメータ
(α)の範囲を選択設定することが最も好ましい。な
お、上記表3、表4、表5において、t=0.5(mm)
は寸法(t)が0.1(mm)を越えて0.5(mm)以下
の範囲を表わし、t=1.0(mm)は寸法(t)が0.
5(mm)を越えて1.0(mm)以下の範囲を表わし、t
=1.5(mm)は寸法(t)が1.0(mm)を越えて
1.5(mm)以下の範囲を表わし、t=2.0(mm)は
寸法(t)が1.5(mm)を越えて2.0(mm)以下の
範囲を表わし、t=2.5(mm)は寸法(t)が2.0
(mm)を越えて2.5(mm)以下の範囲を表わし、t=
3.2(mm)は寸法(t)が2.5(mm)を越えて3.
2(mm)以下の範囲を表わし、t=5.0(mm)は寸法
(t)が3.2(mm)を越えて5.0(mm)以下の範囲
を表わしている。
【0025】図6は、本発明の吸着用磁石ユニット10
を構成するヨーク2の厚み寸法(t)が一様でない態様
の要部断面図を示しており、左右対称になっている。な
お、図6において、図1と同一の符号部分は図1と同一
の構成部分である。図6において、ヨーク2は、永久磁
石1を固定している底部の厚み寸法(t3)と、両側の
2b部分の厚み寸法(t2)と、吸着面2aから2b部
分に至る厚み寸法(t1)とを有しており、t1≦t3
でかつt2>t3となるように形成されている。この構
成では、上記パラメータ(α)を算出するためのヨーク
2の厚み寸法(t)はt=t3で与えられる。すなわ
ち、上記寸法(t)が一様でない場合には、通常、磁路
を形成しているヨークの断面積が最小となる部分の厚み
寸法(不定形断面の場合にはその最小部分の厚み寸法の
平均値)が上記パラメータ(α)算出用の寸法(t)と
して与えられる。しかし、図6(上記図1も同様。)の
ように、ヨーク2に固着されている永久磁石1の両端部
直下のヨーク2c部分で永久磁石1からの磁束が集中し
ており、この磁束集中部分2cの厚み寸法(t3)が上
記パラメータ(α)算出用の寸法(t)となる。
を構成するヨーク2の厚み寸法(t)が一様でない態様
の要部断面図を示しており、左右対称になっている。な
お、図6において、図1と同一の符号部分は図1と同一
の構成部分である。図6において、ヨーク2は、永久磁
石1を固定している底部の厚み寸法(t3)と、両側の
2b部分の厚み寸法(t2)と、吸着面2aから2b部
分に至る厚み寸法(t1)とを有しており、t1≦t3
でかつt2>t3となるように形成されている。この構
成では、上記パラメータ(α)を算出するためのヨーク
2の厚み寸法(t)はt=t3で与えられる。すなわ
ち、上記寸法(t)が一様でない場合には、通常、磁路
を形成しているヨークの断面積が最小となる部分の厚み
寸法(不定形断面の場合にはその最小部分の厚み寸法の
平均値)が上記パラメータ(α)算出用の寸法(t)と
して与えられる。しかし、図6(上記図1も同様。)の
ように、ヨーク2に固着されている永久磁石1の両端部
直下のヨーク2c部分で永久磁石1からの磁束が集中し
ており、この磁束集中部分2cの厚み寸法(t3)が上
記パラメータ(α)算出用の寸法(t)となる。
【0026】図7は、例えば上記図2の永久磁石1を吸
着用磁石ユニット10の上側から見たときに、永久磁石
1の上記幅寸法(w)が吸着用磁石ユニット10の長手
方向において一様でない場合を示している。図7では、
永久磁石1の幅寸法(Wmag)はその長手寸法(l)
方向で変化している。永久磁石1の磁化方向(M)は紙
面に垂直であり、(M)方向に着磁されている。また、
永久磁石1の磁化方向の断面積はその磁化方向で一定に
なっている。この構成では、上記パラメータ(α)を算
出するために必要な永久磁石1の幅寸法の半分(w)
は、上記図7の点線で示す通り、永久磁石1の磁化方向
の全断面積(S)を上記寸法(l)で徐することで平均
化された値として与えられる。すなわち、w=(S/2
l)で与えられる。
着用磁石ユニット10の上側から見たときに、永久磁石
1の上記幅寸法(w)が吸着用磁石ユニット10の長手
方向において一様でない場合を示している。図7では、
永久磁石1の幅寸法(Wmag)はその長手寸法(l)
方向で変化している。永久磁石1の磁化方向(M)は紙
面に垂直であり、(M)方向に着磁されている。また、
永久磁石1の磁化方向の断面積はその磁化方向で一定に
なっている。この構成では、上記パラメータ(α)を算
出するために必要な永久磁石1の幅寸法の半分(w)
は、上記図7の点線で示す通り、永久磁石1の磁化方向
の全断面積(S)を上記寸法(l)で徐することで平均
化された値として与えられる。すなわち、w=(S/2
l)で与えられる。
【0027】上記図6および図7の構成を用いた本発明
の吸着用磁石ユニットにおいて、上記と同様に、吸着力
(F1)とパラメータ(α)、吸着力(F2)とパラメ
ータ(α)との関係を各々調べたところ、上記表3およ
び表4と同様の結果が得られた。なお、この検討では、
永久磁石1の磁化方向の厚み寸法を3(mm)、吸着状態
において永久磁石1の上面から被吸着物(図示省略)ま
での距離を1(mm)とした。
の吸着用磁石ユニットにおいて、上記と同様に、吸着力
(F1)とパラメータ(α)、吸着力(F2)とパラメ
ータ(α)との関係を各々調べたところ、上記表3およ
び表4と同様の結果が得られた。なお、この検討では、
永久磁石1の磁化方向の厚み寸法を3(mm)、吸着状態
において永久磁石1の上面から被吸着物(図示省略)ま
での距離を1(mm)とした。
【0028】次に、上記図1の構成において、永久磁石
1がHS37BH製でヨーク2がSUS430製(例え
ば、Bs=1.7(T)。)の組合せと、永久磁石1が
日立金属(株)製Nd−Fe−B系異方性燒結磁石であ
って例えばBr=1.36(T)でかつ(BH)max=
45(MGOe)であるものとヨーク2がSS400製のも
のとの組合せとでもって、上記表1、表2と同様にして
吸着力(F1)とパラメータ(α)、吸着力(F2)と
パラメータ(α)との関係をそれぞれ調べたところ、上
記表3および表4と同様のパラメータ(α)の特定範囲
が得られた。
1がHS37BH製でヨーク2がSUS430製(例え
ば、Bs=1.7(T)。)の組合せと、永久磁石1が
日立金属(株)製Nd−Fe−B系異方性燒結磁石であ
って例えばBr=1.36(T)でかつ(BH)max=
45(MGOe)であるものとヨーク2がSS400製のも
のとの組合せとでもって、上記表1、表2と同様にして
吸着力(F1)とパラメータ(α)、吸着力(F2)と
パラメータ(α)との関係をそれぞれ調べたところ、上
記表3および表4と同様のパラメータ(α)の特定範囲
が得られた。
【0029】次に、本発明の上記吸着用磁石ユニット1
0を無端状のチェーンに配置する場合の固定手段の一態
様を図8により説明する。図8(a)は、無端状の磁石
付きチェーン20において、そのチェーン20の長手移
動方向から見た要部断面図であり、上記図1と同一符号
部分は図1と同一の構成部分を表している。また、図8
(b)は図8(a)のA−A線断面図を示している。図
8(a)、図8(b)において、コの字形の強磁性ヨー
ク2の厚み寸法(t)は一様に3.2(mm)で薄肉に
形成されている。また、永久磁石1の固着面以外の部分
を被覆するために、非磁性の充填物14(例えば、エポ
キシ樹脂等。)が充填被覆されて永久磁石1表面を保護
するようになっている。また、ヨーク2とベース5(例
えば、SS400製等。)とアタッチメント6(例え
ば、S45C製等。)とが順次図示されるようにさらね
じ9(例えば、SS400製でM5等。)を介して締結
されている。さらねじ9はその頭部にテーパ部9aを有
し、そのテーパ部9aに係合可能に、ヨーク2にはテー
パ部2eが、ベース5にはテーパ部5aが各々形成され
ている。また、ベース5はさらねじ9と螺着可能にその
貫通孔15部分にねじ山が形成されていて、永久磁石1
が固着された薄肉のヨーク2とベース5とを緊密に螺着
可能に構成されている。また、アタッチメント6の反対
側に突き抜けて平座金11とばね座金12とナット13
とによって、チェーンの主要部であるアタッチメント6
部分に、永久磁石1が固着された薄肉のヨーク2とベー
ス5とが緊密に締結されている。また、ピン18を介し
てアタッチメント6とローラ4とに連結される第1リン
クプレート8と第2リンクプレート7とを1組として、
その長手移動方向に必要な組分の長さが連結されて無端
状の磁石付きチェーン20が構成されている。なお、本
発明の磁石付きチェーンは上記構成に限定されず、本発
明の吸着用磁石ユニットを配置可能な公知の全チェーン
に適用できる。
0を無端状のチェーンに配置する場合の固定手段の一態
様を図8により説明する。図8(a)は、無端状の磁石
付きチェーン20において、そのチェーン20の長手移
動方向から見た要部断面図であり、上記図1と同一符号
部分は図1と同一の構成部分を表している。また、図8
(b)は図8(a)のA−A線断面図を示している。図
8(a)、図8(b)において、コの字形の強磁性ヨー
ク2の厚み寸法(t)は一様に3.2(mm)で薄肉に
形成されている。また、永久磁石1の固着面以外の部分
を被覆するために、非磁性の充填物14(例えば、エポ
キシ樹脂等。)が充填被覆されて永久磁石1表面を保護
するようになっている。また、ヨーク2とベース5(例
えば、SS400製等。)とアタッチメント6(例え
ば、S45C製等。)とが順次図示されるようにさらね
じ9(例えば、SS400製でM5等。)を介して締結
されている。さらねじ9はその頭部にテーパ部9aを有
し、そのテーパ部9aに係合可能に、ヨーク2にはテー
パ部2eが、ベース5にはテーパ部5aが各々形成され
ている。また、ベース5はさらねじ9と螺着可能にその
貫通孔15部分にねじ山が形成されていて、永久磁石1
が固着された薄肉のヨーク2とベース5とを緊密に螺着
可能に構成されている。また、アタッチメント6の反対
側に突き抜けて平座金11とばね座金12とナット13
とによって、チェーンの主要部であるアタッチメント6
部分に、永久磁石1が固着された薄肉のヨーク2とベー
ス5とが緊密に締結されている。また、ピン18を介し
てアタッチメント6とローラ4とに連結される第1リン
クプレート8と第2リンクプレート7とを1組として、
その長手移動方向に必要な組分の長さが連結されて無端
状の磁石付きチェーン20が構成されている。なお、本
発明の磁石付きチェーンは上記構成に限定されず、本発
明の吸着用磁石ユニットを配置可能な公知の全チェーン
に適用できる。
【0030】また、上記図8において、さらねじ9とベ
ース5とを用いた締結手段の優れている点は、上記磁石
付きチェーン20の幅寸法(l)と略同一サイズに永久
磁石1の幅寸法(Wmag)を配置できることであり、
従来に比較して、吸着力を飛躍的に増大させることがで
きる。すなわち、従来においては、図8(a)に示す通
り、永久磁石1を1'のハッチ部形状にして配置せざる
を得なかった。従来は、上記のさらねじ9とベース5と
の組合せを採用しなかったため、特にヨーク2の厚み寸
法(t)が5(mm)以下の薄肉ヨークの場合にはその
肉厚不足によって、締結具のボルト等の頭が図8(a)
の永久磁石1の1''位置を占めることになり、本発明の
磁石付きチェーン20のように、その幅寸法(l)と略
同一サイズに永久磁石1の幅寸法(Wmag)を配置で
きなかったのである。なお、例えば厚み寸法(t)が5
(mm)以下の薄肉の強磁性鋼板を必要寸法に切断した
後、プレスなどの公知の曲げ加工によってこの字形とし
て、さらに上記図8の締結手段を用いれば、ヨーク2の
製造コストが低減されるので大幅なコストダウンを達成
し得る。
ース5とを用いた締結手段の優れている点は、上記磁石
付きチェーン20の幅寸法(l)と略同一サイズに永久
磁石1の幅寸法(Wmag)を配置できることであり、
従来に比較して、吸着力を飛躍的に増大させることがで
きる。すなわち、従来においては、図8(a)に示す通
り、永久磁石1を1'のハッチ部形状にして配置せざる
を得なかった。従来は、上記のさらねじ9とベース5と
の組合せを採用しなかったため、特にヨーク2の厚み寸
法(t)が5(mm)以下の薄肉ヨークの場合にはその
肉厚不足によって、締結具のボルト等の頭が図8(a)
の永久磁石1の1''位置を占めることになり、本発明の
磁石付きチェーン20のように、その幅寸法(l)と略
同一サイズに永久磁石1の幅寸法(Wmag)を配置で
きなかったのである。なお、例えば厚み寸法(t)が5
(mm)以下の薄肉の強磁性鋼板を必要寸法に切断した
後、プレスなどの公知の曲げ加工によってこの字形とし
て、さらに上記図8の締結手段を用いれば、ヨーク2の
製造コストが低減されるので大幅なコストダウンを達成
し得る。
【0031】図9に、上記図8の構成による無端状の磁
石付きチェーン20の側面図を示している。図9は、本
発明の吸着用磁石ユニット10を無端状の磁石付きチェ
ーン20の基体部19に取り付けて使用する方式を示し
ている。この場合、基体部19(上記図8におけるロー
ラ4とアタッチメント6と第1リンクプレート8と第2
リンクプレート7とピン18等を備える。)は無端状に
連結されて、上記磁石ユニット10が多数、その基体部
19の外周側に一定間隔で配置されている。なお、上記
磁石ユニット10の長手方向が、無端状の磁石付きチェ
ーン20の移動方向(図示の矢印方向)に対して垂直に
なるように配置されている。そして、この磁石付きチェ
ーン20は2つのスプロケット33,33に巻き回され
て、回転移動させるようになっており、配置されている
多数の磁石ユニット10の上に磁気吸着可能な荷物など
(例えば、鉄製のバケット等。)を落下させることなく
吸着させて搬送できるように構成されている。
石付きチェーン20の側面図を示している。図9は、本
発明の吸着用磁石ユニット10を無端状の磁石付きチェ
ーン20の基体部19に取り付けて使用する方式を示し
ている。この場合、基体部19(上記図8におけるロー
ラ4とアタッチメント6と第1リンクプレート8と第2
リンクプレート7とピン18等を備える。)は無端状に
連結されて、上記磁石ユニット10が多数、その基体部
19の外周側に一定間隔で配置されている。なお、上記
磁石ユニット10の長手方向が、無端状の磁石付きチェ
ーン20の移動方向(図示の矢印方向)に対して垂直に
なるように配置されている。そして、この磁石付きチェ
ーン20は2つのスプロケット33,33に巻き回され
て、回転移動させるようになっており、配置されている
多数の磁石ユニット10の上に磁気吸着可能な荷物など
(例えば、鉄製のバケット等。)を落下させることなく
吸着させて搬送できるように構成されている。
【0032】次に、本発明の上記吸着用磁石ユニット1
0を無端状の歯付きベルトに配置した一態様を、図10
の要部斜視図により説明する。なお、図10において、
図2と同一符号の部分は図2と同一の構成部分である。
図10では、歯付きベルト基体30の片側上面に、複数
の吸着用磁石ユニット10が、その長手方向を歯付きベ
ルト基体30の短尺方向に平行にするともに、相互に一
定間隔をあけて歯付きベルト基体30の長手方向に配置
されている。ここで、歯付きベルト基体30の短尺方向
は、そのベルト基体30と吸着用磁石ユニット10など
で構成される磁石ベルト35の移動方向(B)に垂直に
位置している。歯付きベルト基体30は、例えば、公知
のゴム材料またはプラスチック材料(例えば、ポリウレ
タンゴム等。)を用いるとともに、その基体中に芯体と
して綿、ナイロン、グラスファイバー、スチールコード
などを入れたもので形成される。また、図10におい
て、本発明の上記磁石ベルト35が、例えば図示されな
い略円環状の一対の駆動用プーリの外周側に掛け回され
るとともに、そのプーリの外周面に形成された凹凸に、
歯付きベルト基体30の片側部分が十分に噛み合って、
上記磁石ベルト35が円滑に回転されるように、上記ベ
ルト基体30の片側には、凹部30aと凸部30bと
が、その長手方向の全長にわたって交互に形成されてい
る。吸着用磁石ユニット10は凹部30aの裏面に締結
具50を介して固定されている。なお、吸着用磁石ユニ
ット10を凸部30bの裏面に固定してもよい。
0を無端状の歯付きベルトに配置した一態様を、図10
の要部斜視図により説明する。なお、図10において、
図2と同一符号の部分は図2と同一の構成部分である。
図10では、歯付きベルト基体30の片側上面に、複数
の吸着用磁石ユニット10が、その長手方向を歯付きベ
ルト基体30の短尺方向に平行にするともに、相互に一
定間隔をあけて歯付きベルト基体30の長手方向に配置
されている。ここで、歯付きベルト基体30の短尺方向
は、そのベルト基体30と吸着用磁石ユニット10など
で構成される磁石ベルト35の移動方向(B)に垂直に
位置している。歯付きベルト基体30は、例えば、公知
のゴム材料またはプラスチック材料(例えば、ポリウレ
タンゴム等。)を用いるとともに、その基体中に芯体と
して綿、ナイロン、グラスファイバー、スチールコード
などを入れたもので形成される。また、図10におい
て、本発明の上記磁石ベルト35が、例えば図示されな
い略円環状の一対の駆動用プーリの外周側に掛け回され
るとともに、そのプーリの外周面に形成された凹凸に、
歯付きベルト基体30の片側部分が十分に噛み合って、
上記磁石ベルト35が円滑に回転されるように、上記ベ
ルト基体30の片側には、凹部30aと凸部30bと
が、その長手方向の全長にわたって交互に形成されてい
る。吸着用磁石ユニット10は凹部30aの裏面に締結
具50を介して固定されている。なお、吸着用磁石ユニ
ット10を凸部30bの裏面に固定してもよい。
【0033】図11に、上記図10の磁石ベルト35を
応用した一態様である吸着装置を示している。図11
(a)では、上記磁石ベルト35を一対のプーリ24
a,24bに巻回して構成される磁気吸着装置を示して
いる。この磁気吸着装置はモータ25を駆動源とし、さ
らに、減速機21を介して、鉛直方向の回転軸を有する
駆動側のプーリ24aと従動側のプーリ24bとによっ
て、上記磁石ベルト35を被吸着物であるレール22の
両側面に吸着させながら回転移動させて、固定された強
磁性レール22の両側面に沿って、その磁石ベルト35
が配設されている磁気吸着装置にC方向の推力が与えら
れるのである。図11(b)では、上記磁石ベルト35
の吸着面がレール22の片側上面になる場合であって、
その磁石ベルト35が配設されている磁気吸着装置にD
方向の推力が与えられる。
応用した一態様である吸着装置を示している。図11
(a)では、上記磁石ベルト35を一対のプーリ24
a,24bに巻回して構成される磁気吸着装置を示して
いる。この磁気吸着装置はモータ25を駆動源とし、さ
らに、減速機21を介して、鉛直方向の回転軸を有する
駆動側のプーリ24aと従動側のプーリ24bとによっ
て、上記磁石ベルト35を被吸着物であるレール22の
両側面に吸着させながら回転移動させて、固定された強
磁性レール22の両側面に沿って、その磁石ベルト35
が配設されている磁気吸着装置にC方向の推力が与えら
れるのである。図11(b)では、上記磁石ベルト35
の吸着面がレール22の片側上面になる場合であって、
その磁石ベルト35が配設されている磁気吸着装置にD
方向の推力が与えられる。
【0034】なお、上記図11(a),図11(b)に
おいては、移動自在の磁石ベルト35に対して、被吸着
物であるレール22が固設されている場合を示したが、
上記磁石ベルト35が吸着回転可能に固設されるととも
に固設されているレール22の代わりに移動自在の被吸
着物とする構成においても本発明を適用し得ることは勿
論である。
おいては、移動自在の磁石ベルト35に対して、被吸着
物であるレール22が固設されている場合を示したが、
上記磁石ベルト35が吸着回転可能に固設されるととも
に固設されているレール22の代わりに移動自在の被吸
着物とする構成においても本発明を適用し得ることは勿
論である。
【0035】上記表5において、t=0.5,1.0,
1.5,2.0,2.5,3.2,5.0(mm)でのパ
ラメータ(α)の特定範囲を記載したが、本発明では、
上記のt=0.5,1.0,1.5,2.0,2.5,
3.2,5.0(mm)の場合と同様にして、t=0.1
(mm)およびt=10(mm)において吸着力(F1)ま
たは(F2)の85(%)以上を必要条件で確保し得る
上記パラメータ(α)の範囲を特定したところ、t=
0.1(mm)では上記のt=0.5(mm)の場合と同様
にα=0.16〜0.70であり、t=10(mm)では
上記のt=5.0(mm)の場合と同様にα=0.44〜
0.99であった。なお、t>10(mm)でも、t=1
0(mm)と同様の上記パラメータ(α)の特定範囲が得
られるが、t>10(mm)では寸法(t)の増大ととも
に吸着用磁石ユニットが大型化して大重量となってくる
ので小型軽量化を志向する場合には好ましくない。
1.5,2.0,2.5,3.2,5.0(mm)でのパ
ラメータ(α)の特定範囲を記載したが、本発明では、
上記のt=0.5,1.0,1.5,2.0,2.5,
3.2,5.0(mm)の場合と同様にして、t=0.1
(mm)およびt=10(mm)において吸着力(F1)ま
たは(F2)の85(%)以上を必要条件で確保し得る
上記パラメータ(α)の範囲を特定したところ、t=
0.1(mm)では上記のt=0.5(mm)の場合と同様
にα=0.16〜0.70であり、t=10(mm)では
上記のt=5.0(mm)の場合と同様にα=0.44〜
0.99であった。なお、t>10(mm)でも、t=1
0(mm)と同様の上記パラメータ(α)の特定範囲が得
られるが、t>10(mm)では寸法(t)の増大ととも
に吸着用磁石ユニットが大型化して大重量となってくる
ので小型軽量化を志向する場合には好ましくない。
【0036】上記本発明においては、被吸着物が吸着用
磁石ユニットに接触して吸着される場合を記載したが、
被吸着物が吸着用磁石ユニットに接触しない場合であっ
ても本発明の吸着用磁石ユニットからの磁気吸引力を利
用する状態(例えば、非接触の磁気吸引装置など。)に
なっていれば、本発明を適用し得ることは勿論である。
また、本発明の吸着用磁石ユニットを建築物の高所(例
えば側壁や天井など。)や床下に固設された強磁性部材
に磁気吸着させてその強磁性部材に吸着固定するととも
に、その固定された吸着用磁石ユニットに配設された留
め具(リング状やワイヤー状など。)でもって配管(例
えば、空調用や給排水用など。)等の支持固定をするこ
とができる。この他に、本発明の吸着用磁石ユニットは
磁気吸着(磁気吸引)を利用した公知の分野で使用可能
である。
磁石ユニットに接触して吸着される場合を記載したが、
被吸着物が吸着用磁石ユニットに接触しない場合であっ
ても本発明の吸着用磁石ユニットからの磁気吸引力を利
用する状態(例えば、非接触の磁気吸引装置など。)に
なっていれば、本発明を適用し得ることは勿論である。
また、本発明の吸着用磁石ユニットを建築物の高所(例
えば側壁や天井など。)や床下に固設された強磁性部材
に磁気吸着させてその強磁性部材に吸着固定するととも
に、その固定された吸着用磁石ユニットに配設された留
め具(リング状やワイヤー状など。)でもって配管(例
えば、空調用や給排水用など。)等の支持固定をするこ
とができる。この他に、本発明の吸着用磁石ユニットは
磁気吸着(磁気吸引)を利用した公知の分野で使用可能
である。
【0037】本発明の永久磁石としては公知の永久磁石
を使用できるとともに、その形状等は任意に選択するこ
とができる。また、本発明のヨークは公知の強磁性材料
を用いて形成できるとともに、その形状等は任意に選択
することができ、また、ヨークとして部分的に非磁性部
分を有していても、永久磁石から発生した磁束量を十分
に通し得る磁路部分を有していれば使用可能である。ま
た、本発明のヨークを薄板(例えば、0.01(mm)〜
1.0(mm)。)を積層して形成できることは勿論であ
る。
を使用できるとともに、その形状等は任意に選択するこ
とができる。また、本発明のヨークは公知の強磁性材料
を用いて形成できるとともに、その形状等は任意に選択
することができ、また、ヨークとして部分的に非磁性部
分を有していても、永久磁石から発生した磁束量を十分
に通し得る磁路部分を有していれば使用可能である。ま
た、本発明のヨークを薄板(例えば、0.01(mm)〜
1.0(mm)。)を積層して形成できることは勿論であ
る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、吸着用磁石ユニットを
構成する永久磁石の幅寸法の半分(w)および残留磁束
密度(Br)と、ヨークの厚み寸法(t)および飽和磁
束密度(Bs)とで定義されるパラメータ(α)の最適
範囲を特定することによって、大吸着力が得られるとと
もに小型軽量である高性能な吸着用磁石ユニットおよび
それを用いた磁石ベルト、磁石付きチェーンなどを迅速
かつ簡便に設計製作することができる。すなわち、これ
までのように小型化、高性能化を図るために、数回にわ
たる試作を繰り返し行わなくてもよく、磁気回路の知識
が十分でなくても吸着用磁石ユニットに用いる永久磁石
およびヨークについて上記の磁気特性と寸法さえ分かれ
ば短期間で高性能のものが製作可能となる。このよう
に、磁気吸着装置において、定量的な磁気回路設計基準
を確立した本発明の工業的価値は極めて大きいものがあ
る。
構成する永久磁石の幅寸法の半分(w)および残留磁束
密度(Br)と、ヨークの厚み寸法(t)および飽和磁
束密度(Bs)とで定義されるパラメータ(α)の最適
範囲を特定することによって、大吸着力が得られるとと
もに小型軽量である高性能な吸着用磁石ユニットおよび
それを用いた磁石ベルト、磁石付きチェーンなどを迅速
かつ簡便に設計製作することができる。すなわち、これ
までのように小型化、高性能化を図るために、数回にわ
たる試作を繰り返し行わなくてもよく、磁気回路の知識
が十分でなくても吸着用磁石ユニットに用いる永久磁石
およびヨークについて上記の磁気特性と寸法さえ分かれ
ば短期間で高性能のものが製作可能となる。このよう
に、磁気吸着装置において、定量的な磁気回路設計基準
を確立した本発明の工業的価値は極めて大きいものがあ
る。
【図1】本発明の吸着用磁石ユニットの一態様を示す要
部断面図である。
部断面図である。
【図2】本発明の吸着用磁石ユニットの一態様を示す斜
視図である。
視図である。
【図3】本発明の吸着用磁石ユニットにおける寸法
(w),(t)と吸着力(F)との関係を示す実験結果
である。
(w),(t)と吸着力(F)との関係を示す実験結果
である。
【図4】本発明の吸着用磁石ユニットにおける寸法
(w),(t)と吸着力(F1)との関係を示す実験結
果である。
(w),(t)と吸着力(F1)との関係を示す実験結
果である。
【図5】本発明の吸着用磁石ユニットにおける寸法
(w),(t)と吸着力(F2)との関係を示す実験結
果である。
(w),(t)と吸着力(F2)との関係を示す実験結
果である。
【図6】本発明の吸着用磁石ユニットの他の態様を示す
要部断面図である。
要部断面図である。
【図7】本発明の吸着用磁石ユニットの他の態様に係わ
り、永久磁石の断面形状がその長手方向に変化する場合
を示す図である。
り、永久磁石の断面形状がその長手方向に変化する場合
を示す図である。
【図8】本発明の吸着用磁石ユニットを無端状のチェー
ンに設置する場合の締結手段の一態様であって、その長
手移動方向から見た要部断面図(a)、(a)のA−A
線断面図(b)である。
ンに設置する場合の締結手段の一態様であって、その長
手移動方向から見た要部断面図(a)、(a)のA−A
線断面図(b)である。
【図9】図8の締結手段を用いた無端状の磁石付きチェ
ーンの一態様を示す側面図である。
ーンの一態様を示す側面図である。
【図10】本発明の吸着用磁石ユニットを設置した磁石
ベルトの一態様を示す要部斜視図である。
ベルトの一態様を示す要部斜視図である。
【図11】本発明の磁石ベルトを応用した一態様に係わ
り、磁石ベルトが両側面に吸着する場合(a)、片側面
に吸着する場合(b)である。
り、磁石ベルトが両側面に吸着する場合(a)、片側面
に吸着する場合(b)である。
1,1’,1’’ 永久磁石、2 ヨーク、2a 吸着
面、3 被吸着物、4 ローラ、5 ベース、6 アタ
ッチメント、7 第2リンクプレート、8 第1リンク
プレート、9 さらねじ、2e,5a,9a テーパ
部、10 吸着用磁石ユニット、11 平座金、12
ばね座金、13 ナット、14 被覆層、15 貫通
孔、18 ピン、19 基体部、20 磁石付きチェー
ン、21 減速機、22 レール、24a,24b プ
ーリ、25 モータ、30 ベルト基体、33 スプロ
ケット、35 磁石ベルト。
面、3 被吸着物、4 ローラ、5 ベース、6 アタ
ッチメント、7 第2リンクプレート、8 第1リンク
プレート、9 さらねじ、2e,5a,9a テーパ
部、10 吸着用磁石ユニット、11 平座金、12
ばね座金、13 ナット、14 被覆層、15 貫通
孔、18 ピン、19 基体部、20 磁石付きチェー
ン、21 減速機、22 レール、24a,24b プ
ーリ、25 モータ、30 ベルト基体、33 スプロ
ケット、35 磁石ベルト。
Claims (8)
- 【請求項1】 コの字状の磁路を有するヨークと、その
ヨーク底部に一方の磁極を固定した永久磁石とからなる
とともに、上記永久磁石の他方の磁極および上記ヨーク
の2つの磁極は被吸着物に対向するように位置している
吸着用磁石ユニットであって、ヨークの厚み寸法(t)
および飽和磁束密度(Bs)と、永久磁石の幅寸法の半
分(w)および残留磁束密度(Br)とによって、α=
(t×Bs)/(Br×w)で定義されるパラメータ
(α)が0.16以上でかつ1未満の範囲に設定される
ことを特徴とする吸着用磁石ユニット。 - 【請求項2】 寸法(t)が0.1(mm)以上でかつ
0.5(mm)以下のときにはα=0.16〜0.70で
あり、寸法(t)が0.5(mm)を超えるとともに1.
0(mm)以下のときにはα=0.26〜0.75であ
り、寸法(t)が1.0(mm)を越えるとともに1.5
(mm)以下のときにはα=0.30〜0.90であり、
寸法(t)が1.5(mm)を越えるとともに2.0(m
m)以下のときにはα=0.35〜0.95であり、寸
法(t)が2.0(mm)を越えるとともに2.5(mm)
以下のときにはα=0.37〜0.99であり、寸法
(t)が2.5(mm)を越えるとともに3.2(mm)以
下のときにはα=0.41〜0.99であり、厚み寸法
(t)が3.2(mm)を越えるとともに10.0(mm)
以下のときにはα=0.44〜0.99であることを特
徴とする請求項1に記載の吸着用磁石ユニット。 - 【請求項3】 コの字状の磁路を有するヨークと、その
ヨーク底部に一方の磁極を固定した永久磁石とからなる
とともに、上記永久磁石の他方の磁極および上記ヨーク
の2つの磁極は被吸着物に対向するように位置している
複数の吸着用磁石ユニットが、無端状のベルト基体に配
置されて構成される磁石ベルトであって、ヨークの厚み
寸法(t)および飽和磁束密度(Bs)と、永久磁石の
幅寸法の半分(w)および残留磁束密度(Br)とによ
って、α=(t×Bs)/(Br×w)で定義される上
記吸着用磁石ユニットのパラメータ(α)が0.16以
上でかつ1未満の範囲に設定されることを特徴とする磁
石ベルト。 - 【請求項4】 寸法(t)が0.1(mm)以上でかつ
0.5(mm)以下のときにはα=0.16〜0.70で
あり、寸法(t)が0.5(mm)を超えるとともに1.
0(mm)以下のときにはα=0.26〜0.75であ
り、寸法(t)が1.0(mm)を越えるとともに1.5
(mm)以下のときにはα=0.30〜0.90であり、
寸法(t)が1.5(mm)を越えるとともに2.0(m
m)以下のときにはα=0.35〜0.95であり、寸
法(t)が2.0(mm)を越えるとともに2.5(mm)
以下のときにはα=0.37〜0.99であり、寸法
(t)が2.5(mm)を越えるとともに3.2(mm)以
下のときにはα=0.41〜0.99であり、寸法
(t)が3.2(mm)を越えるとともに10.0(mm)
以下のときにはα=0.44〜0.99であることを特
徴とする請求項3に記載の磁石ベルト。 - 【請求項5】 複数の吸着用磁石ユニットは、その長手
方向が無端状のベルト基体上の短尺方向に平行に配置さ
れるとともに、そのベルト基体の長手方向に平行に相互
に間隔をあけて配置されることを特徴とする請求項3ま
たは請求項4に記載の磁石ベルト。 - 【請求項6】 コの字状の磁路を有するヨークと、その
ヨーク底部に一方の磁極を固定した永久磁石とからなる
とともに、上記永久磁石の他方の磁極および上記ヨーク
の2つの磁極は被吸着物に対向するように位置している
複数の吸着用磁石ユニットが、無端状のチェーンに配置
されて構成される磁石付きチェーンであって、ヨークの
厚み寸法(t)および飽和磁束密度(Bs)と、永久磁
石の幅寸法の半分(w)および残留磁束密度(Br)と
によって、α=(t×Bs)/(Br×w)で定義され
る上記吸着用磁石ユニットのパラメータ(α)が0.1
6以上でかつ1未満の範囲に設定されることを特徴とす
る磁石付きチェーン。 - 【請求項7】 寸法(t)が0.1(mm)以上でかつ
0.5(mm)以下のときにはα=0.16〜0.70で
あり、寸法(t)が0.5(mm)を超えるとともに1.
0(mm)以下のときにはα=0.26〜0.75であ
り、寸法(t)が1.0(mm)を越えるとともに1.5
(mm)以下のときにはα=0.30〜0.90であり、
寸法(t)が1.5(mm)を越えるとともに2.0(m
m)以下のときにはα=0.35〜0.95であり、寸
法(t)が2.0(mm)を越えるとともに2.5(mm)
以下のときにはα=0.37〜0.99であり、寸法
(t)が2.5(mm)を越えるとともに3.2(mm)以
下のときにはα=0.41〜0.99であり、寸法
(t)が3.2(mm)を越えるとともに10.0(mm)
以下のときにはα=0.44〜0.99であることを特
徴とする請求項6に記載の磁石付きチェーン。 - 【請求項8】 複数の吸着用磁石ユニットは、その長手
方向が無端状チェーンの移動方向に対して垂直に配置さ
れるとともに、そのチェーンの移動方向に相互に間隔を
あけて配置されることを特徴とする請求項6または請求
項7に記載の磁石付きチェーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8278496A JPH09275011A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 吸着用磁石ユニットおよびそれを用いた磁石ベルト、磁石付きチェーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8278496A JPH09275011A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 吸着用磁石ユニットおよびそれを用いた磁石ベルト、磁石付きチェーン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09275011A true JPH09275011A (ja) | 1997-10-21 |
Family
ID=13784050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8278496A Pending JPH09275011A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 吸着用磁石ユニットおよびそれを用いた磁石ベルト、磁石付きチェーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09275011A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012041145A (ja) * | 2010-08-19 | 2012-03-01 | Tsubakimoto Chain Co | 搬送チェーン |
EP2433883A1 (en) | 2010-09-28 | 2012-03-28 | Tsubakimoto Chain Co. | Conveyor chain |
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DE102012104562A1 (de) | 2011-06-06 | 2012-12-06 | Tsubakimoto Chain Co. | Kettenförderersystem |
JP2017050469A (ja) * | 2015-09-03 | 2017-03-09 | トヨタ車体株式会社 | 磁気吸着装置 |
-
1996
- 1996-04-04 JP JP8278496A patent/JPH09275011A/ja active Pending
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TWI558634B (zh) * | 2011-03-24 | 2016-11-21 | 椿本鏈條股份有限公司 | 鏈條式輸送機裝置 |
DE102012104562A1 (de) | 2011-06-06 | 2012-12-06 | Tsubakimoto Chain Co. | Kettenförderersystem |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Effective date: 20040525 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20041115 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050613 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051012 |