JPH09273537A - コネクティングロッド軸受 - Google Patents
コネクティングロッド軸受Info
- Publication number
- JPH09273537A JPH09273537A JP10868096A JP10868096A JPH09273537A JP H09273537 A JPH09273537 A JP H09273537A JP 10868096 A JP10868096 A JP 10868096A JP 10868096 A JP10868096 A JP 10868096A JP H09273537 A JPH09273537 A JP H09273537A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bearing
- connecting rod
- slit
- oil film
- cap
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
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- Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の課題は、従来のコネクティングロッ
ド軸受に比べてクローズインの発生を抑制し、軸受の耐
焼付きを防止し、機関の要点である軸受強度の向上が実
現できるコネクティングロッド軸受を提供するにある。 【解決手段】 往復動内燃機関のコネクティングロッド
軸受において、大端部軸受合せ面よりキャップ側のみに
クランクピン方向で周方向にわたる部分スリットを設け
て軸受の半径方向の剛性を減少させて、ある程度低いレ
ベル油膜圧力に対しても軸受の弾性変形が容易に得られ
油膜形成が有利に働きクローズインの低減を図るにあ
る。
ド軸受に比べてクローズインの発生を抑制し、軸受の耐
焼付きを防止し、機関の要点である軸受強度の向上が実
現できるコネクティングロッド軸受を提供するにある。 【解決手段】 往復動内燃機関のコネクティングロッド
軸受において、大端部軸受合せ面よりキャップ側のみに
クランクピン方向で周方向にわたる部分スリットを設け
て軸受の半径方向の剛性を減少させて、ある程度低いレ
ベル油膜圧力に対しても軸受の弾性変形が容易に得られ
油膜形成が有利に働きクローズインの低減を図るにあ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は往復動内燃機関のコ
ネクティングロッド大端部軸受の構造に関する。
ネクティングロッド大端部軸受の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に従来のコネクティングロッドの一
例を示す。図において、1はコネクティングロッド本体
でその大端部軸受4と小端部軸受、5はそれぞれクラン
クピン2とピストンピン3とに連結されピストンに加わ
る爆発圧力を桿部6を介してピストンピン3からクラン
クピン2に伝達する。大端部軸受4はコネクティングロ
ッド本体1とキャップ7の2つ割り構造となっており、
前記本体及びキャップの内面にはそれぞれ半円弧状の裏
金メタル8が装着されるとともに、大端部軸受合せ面1
1において、キャップボルト9により強固に締結されて
いる。また小端部軸受5には軸受プッシュ10が圧入さ
れている。
例を示す。図において、1はコネクティングロッド本体
でその大端部軸受4と小端部軸受、5はそれぞれクラン
クピン2とピストンピン3とに連結されピストンに加わ
る爆発圧力を桿部6を介してピストンピン3からクラン
クピン2に伝達する。大端部軸受4はコネクティングロ
ッド本体1とキャップ7の2つ割り構造となっており、
前記本体及びキャップの内面にはそれぞれ半円弧状の裏
金メタル8が装着されるとともに、大端部軸受合せ面1
1において、キャップボルト9により強固に締結されて
いる。また小端部軸受5には軸受プッシュ10が圧入さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが特に4サイク
ル内燃機関の運転中には、往復動運動部分の慣性力によ
り大端部には周期的なキャップ方向のクランクピンによ
る反力、すなわちキャップ側である軸受下半部への荷重
が作用する。
ル内燃機関の運転中には、往復動運動部分の慣性力によ
り大端部には周期的なキャップ方向のクランクピンによ
る反力、すなわちキャップ側である軸受下半部への荷重
が作用する。
【0004】この荷重によりキャップ7内のすべり軸受
である大端部軸受には、上下方向に引張り状の弾性変形
をもたらすが、これを一般にクローズインと呼び、前記
大端部軸受において油膜形成を困難にしている。
である大端部軸受には、上下方向に引張り状の弾性変形
をもたらすが、これを一般にクローズインと呼び、前記
大端部軸受において油膜形成を困難にしている。
【0005】特に近年の高回転の高出力型の機関では過
大な慣性力が作用するため、大端部が大きく弾性変形
し、クローズインによって軸受が焼損するなどのトラブ
ルが懸念される。
大な慣性力が作用するため、大端部が大きく弾性変形
し、クローズインによって軸受が焼損するなどのトラブ
ルが懸念される。
【0006】本発明の目的は従来のコネクティングロッ
ド軸受に比べてクローズインの発生が抑制され、軸受の
耐焼付き性が向上し健全な作動が可能となるコネクティ
ングロッド軸受を提供するにある。
ド軸受に比べてクローズインの発生が抑制され、軸受の
耐焼付き性が向上し健全な作動が可能となるコネクティ
ングロッド軸受を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のコネクティング
ロッド軸受は往復動内燃機関のピストンとクランクピン
を結ぶコネクティングロッドの大端部において、大端部
軸受合せ面よりキャップ側のみにクランクピン軸方向で
周方向に沿った部分スリットを設けて軸受半径方向の剛
性を減少させて、従来より低いレベルの油膜圧力に対し
ても軸受の弾性変形が容易に得られ、油膜形成に有利に
働きクローズインによる悪影響の低減を図ったことを特
徴としている。
ロッド軸受は往復動内燃機関のピストンとクランクピン
を結ぶコネクティングロッドの大端部において、大端部
軸受合せ面よりキャップ側のみにクランクピン軸方向で
周方向に沿った部分スリットを設けて軸受半径方向の剛
性を減少させて、従来より低いレベルの油膜圧力に対し
ても軸受の弾性変形が容易に得られ、油膜形成に有利に
働きクローズインによる悪影響の低減を図ったことを特
徴としている。
【0008】
【作用】前記発明においてキャップ側軸受の軸受合せ付
近の軸受半径方向の剛性を低下させることで、ある程度
低いレベルの油膜圧力に対しても軸受の弾性変形が容易
に得られ、油膜形成に有利に働きクローズインの低減が
図られる。
近の軸受半径方向の剛性を低下させることで、ある程度
低いレベルの油膜圧力に対しても軸受の弾性変形が容易
に得られ、油膜形成に有利に働きクローズインの低減が
図られる。
【0009】
【発明の実施の形態】一般にすべり軸受は、軸と軸受の
間に存在する潤滑油に発生する油膜圧力により軸を浮か
せて支持するものであるが、その油膜圧力によって軸受
自身は弾性変形を受ける。適度な軸受の弾性変形は、油
膜圧力の発生範囲を拡大するとともに、油膜厚さの均一
化による油膜形成の面で大きく貢献するものであり、一
般に潤滑性能の面で好ましい結果をもたらす。
間に存在する潤滑油に発生する油膜圧力により軸を浮か
せて支持するものであるが、その油膜圧力によって軸受
自身は弾性変形を受ける。適度な軸受の弾性変形は、油
膜圧力の発生範囲を拡大するとともに、油膜厚さの均一
化による油膜形成の面で大きく貢献するものであり、一
般に潤滑性能の面で好ましい結果をもたらす。
【0010】強制油圧潤滑の往復動内燃機関においては
潤滑油は通常クランク軸内の油孔を経てクランクジャー
ナル部よりクランクピン部に流れ、コネクティングロッ
ド大端部の本体側軸受の縦みぞをへてキャップ側の軸受
に潤滑油が流れるものであるが、該キャップ側軸受面の
油膜圧力分布は図6に示すように軸受合せ面に近寄るに
つれて発生する油膜圧力レベルが下がる傾向にある。
潤滑油は通常クランク軸内の油孔を経てクランクジャー
ナル部よりクランクピン部に流れ、コネクティングロッ
ド大端部の本体側軸受の縦みぞをへてキャップ側の軸受
に潤滑油が流れるものであるが、該キャップ側軸受面の
油膜圧力分布は図6に示すように軸受合せ面に近寄るに
つれて発生する油膜圧力レベルが下がる傾向にある。
【0011】しかも特に4サイクル往復動機関が高速で
運転され排気行程の上死点においては、前記キャップ側
軸受面には往復動慣性力に起因する前記機関が爆発燃焼
時コネクティングロッド大端軸受面にかかる軸受圧力よ
りさらに大きな力が作用するため、図5に示すようなク
ローズインという現象が起ると内側に引き寄せられた油
圧により軸受面を外側に変形させることが困難となる。
そこで図1〜3に示すように大端部合せ面よりキャップ
側に一部周方向の部分スリット13a、13bを設けて
軸受半径方向の剛性を減少させ、その箇所での弾性変形
が得られ易くして潤滑油取入口の面積を広くするような
構成とした。
運転され排気行程の上死点においては、前記キャップ側
軸受面には往復動慣性力に起因する前記機関が爆発燃焼
時コネクティングロッド大端軸受面にかかる軸受圧力よ
りさらに大きな力が作用するため、図5に示すようなク
ローズインという現象が起ると内側に引き寄せられた油
圧により軸受面を外側に変形させることが困難となる。
そこで図1〜3に示すように大端部合せ面よりキャップ
側に一部周方向の部分スリット13a、13bを設けて
軸受半径方向の剛性を減少させ、その箇所での弾性変形
が得られ易くして潤滑油取入口の面積を広くするような
構成とした。
【0012】以下図1〜3を参照し本発明の実施の形態
に係るコネクティングロッド軸受について説明する。図
1はコネクティングロッドの構成図、図2はキャップ正
面図及び合せ面の平面図、図3は本発明の作用説明図で
ある。
に係るコネクティングロッド軸受について説明する。図
1はコネクティングロッドの構成図、図2はキャップ正
面図及び合せ面の平面図、図3は本発明の作用説明図で
ある。
【0013】図1において13は部分スリットであり、
キャップ合せ面11から軸受周方向に沿ってクランクピ
ン方向のスリット状の空間がその一部に形成されてい
る。また図2のキャップ合せ面に示すように、部分スリ
ット13は軸方向に一様に削設されている。その結果部
分スリット3を設けた周方向範囲では、軸受の半径方向
の剛性は部分スリットのない従来例に比べ低下してい
る。
キャップ合せ面11から軸受周方向に沿ってクランクピ
ン方向のスリット状の空間がその一部に形成されてい
る。また図2のキャップ合せ面に示すように、部分スリ
ット13は軸方向に一様に削設されている。その結果部
分スリット3を設けた周方向範囲では、軸受の半径方向
の剛性は部分スリットのない従来例に比べ低下してい
る。
【0014】従って、較来品に比べ比較的低レベルの潤
滑油圧力の場合でも、部分スリット13上の軸受面では
図3に示すように軸受半径方向の弾性変形が容易に得ら
れるため、軸受のクローズインによる潤滑性能の低下を
緩和し、油膜の形成に有利に働く。
滑油圧力の場合でも、部分スリット13上の軸受面では
図3に示すように軸受半径方向の弾性変形が容易に得ら
れるため、軸受のクローズインによる潤滑性能の低下を
緩和し、油膜の形成に有利に働く。
【0015】
【発明の効果】本発明に係るコネクティングロッド大端
部軸受では、そのキャップ部分に構成要素である軸受半
径方向の剛性を低下させる部分スリットを設けたので、
キャップ方向にクランクピンからの荷重が作用した場
合、軸受自身の弾性変形がキャップボルトから働いて
も、油膜の形成を困難にするクローズインの度合いを低
減することを可能とする。またこれにより従来のコネク
ティングロッド軸受に比べてクローズインの発生による
悪影響が抑制され、軸受の耐焼付き性が向上し、軸受強
度が大幅に向上する。
部軸受では、そのキャップ部分に構成要素である軸受半
径方向の剛性を低下させる部分スリットを設けたので、
キャップ方向にクランクピンからの荷重が作用した場
合、軸受自身の弾性変形がキャップボルトから働いて
も、油膜の形成を困難にするクローズインの度合いを低
減することを可能とする。またこれにより従来のコネク
ティングロッド軸受に比べてクローズインの発生による
悪影響が抑制され、軸受の耐焼付き性が向上し、軸受強
度が大幅に向上する。
【図1】本発明の実施の形態に係るコネクティングロッ
ドの構成図。
ドの構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係るキャップ正面図並び
に合せ面の平面図。
に合せ面の平面図。
【図3】本発明の実施の形態に係るコネクティングロッ
ド大端部軸受の効果を説明する模式図。
ド大端部軸受の効果を説明する模式図。
【図4】従来のコネクティングロッド構成図。
【図5】従来のコネクティングロッド大端部軸受におけ
るクローズインの発生を説明する模式図。
るクローズインの発生を説明する模式図。
【図6】図5に示したクローズイン発生時の周方向油膜
圧力を表した模式図。
圧力を表した模式図。
1…コネクティングロッド本体、2…クランクピン、3
…ピストンピン、4…大端部軸受、5…小端部軸受、6
…桿部、7…キャップ、8…裏金メタル、9…キャップ
締結ボルト、10…軸受プッシュ、11…大端部軸受合
せ面、12…キャップ締結ボルト穴、13…部分スリッ
ト。
…ピストンピン、4…大端部軸受、5…小端部軸受、6
…桿部、7…キャップ、8…裏金メタル、9…キャップ
締結ボルト、10…軸受プッシュ、11…大端部軸受合
せ面、12…キャップ締結ボルト穴、13…部分スリッ
ト。
Claims (1)
- 【請求項1】 往復動内燃機関のピストンピンとクラン
クピンを結ぶコネクティングロッドの大端部において、
大端部軸受合せ面よりキャップ側のみにクランクピン軸
方向で周方向に沿った部分スリットを設けて軸受の半径
方向の剛性を減少させ、従来より低レベルの油膜圧力に
対しても軸受の弾性変形が容易に得られて油膜形成に対
し有利に働き、クローズインの悪影響を抑制することを
特徴とするコネクティングロッド軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10868096A JP3241265B2 (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | コネクティングロッド軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10868096A JP3241265B2 (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | コネクティングロッド軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09273537A true JPH09273537A (ja) | 1997-10-21 |
JP3241265B2 JP3241265B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=14490955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10868096A Expired - Fee Related JP3241265B2 (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | コネクティングロッド軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3241265B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021152880A1 (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | エンジン用軸受メタル |
-
1996
- 1996-04-05 JP JP10868096A patent/JP3241265B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021152880A1 (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | エンジン用軸受メタル |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3241265B2 (ja) | 2001-12-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010918 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |