JPH09272852A - 耐熱性の改良されたフィルム接着剤とその製造方法 - Google Patents
耐熱性の改良されたフィルム接着剤とその製造方法Info
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- JPH09272852A JPH09272852A JP8379896A JP8379896A JPH09272852A JP H09272852 A JPH09272852 A JP H09272852A JP 8379896 A JP8379896 A JP 8379896A JP 8379896 A JP8379896 A JP 8379896A JP H09272852 A JPH09272852 A JP H09272852A
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Abstract
材料として工業的に極めて利用価値が高い、耐熱性と低
温短時間接着性を両立させた信頼性の高いフィルム接着
剤を提供する。 【解決手段】 式(1)で表されるシリコーンジアミン
aモルと式(2)で表されるシリコーンジアミンbモル
および他のジアミンcモルをアミン成分、4,4’−オ
キシジフタル酸二無水物dモルと他の酸二無水物eモル
を酸成分とし、かつ0.02≦a/(a+b+c)≦
0.50かつb/(a+b+c)≦0.02かつ0.6
≦d/(d+e)かつ0.96≦(d+e)/(a+b
+c)≦1.04のモル比で両成分を反応させイミド閉
環せしめた有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を主たる構
成成分とするフィルム接着剤。 【化1】 【化2】
Description
性を併せもち、エレクトロニクス用途、特に半導体実装
材料として適したシリコン基板や金属に対する接着力に
優れたフィルム接着剤と、その製造方法に関するもので
ある。
よって大型化する一方、パッケージの大きさはプリント
回路設計上の制約、電子機器小型化の要求などから従来
と変わらない、あるいはむしろ小さな外形を要求されて
いる。この傾向に対応して、半導体チップの高密度化と
高密度実装に対応した新しい実装方式が幾つか提案され
ている。一つはメモリー素子に提案されているダイ・パ
ッドのないリードフレームの上にチップを載せるCOL
(チップ・オン・リード)構造と、その発展形であるチ
ップの上にリードを載せるLOC(リード・オン・チッ
プ)構造である。一方、論理素子には電源、グランドを
別フレームにし、さらに放熱のための金属プレートを多
層化した多層リードフレーム構造がある。これらによる
とチップ内配線やワイヤー・ボンディングの合理化、配
線短縮による信号高速化、消費電力の増大に伴って発生
する熱の放散等と素子サイズの小型化を図ることができ
る。
リードフレーム、リードフレームとプレート、リードフ
レーム同士など同種異種材質の接着界面が存在し、その
接着信頼性が素子の信頼性に非常に大きな影響を与え
る。素子組立作業時の工程温度に耐える信頼性は勿論の
こと、吸湿時、湿熱時などの接着信頼性である。さらに
接着作業性も重要な項目である。
剤や耐熱性基材に接着剤を塗布したものが使用されてい
た。エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ゴム−フェノー
ル樹脂系の熱硬化性樹脂が接着剤として使用されている
が、イオン性不純物が多い、加熱硬化に高温長時間を必
要とし生産性が悪い、加熱硬化時に多量の揮発分が発生
しリードを汚染する、吸湿性が高い、など高信頼性接着
剤としての要求を満たしているとは言い難く、満足でき
る材料が見当らない。新しい実装形態に適した接着剤の
開発が求められている。その一つの方法としてポリイミ
ド樹脂を用いたホットメルト型のフィルム接着剤が挙げ
られる(特開平5-105850,112760,112761号 公報参
照)。ホットメルトタイプの接着剤であれば、短時間に
被着体に熱圧着することが可能であり、接着後の加熱硬
化工程が必要ではなくなり、生産性、信頼性の向上に大
きく寄与すると考えられる。しかしながら、ホットメル
ト型であるがため接着剤樹脂のガラス転移温度が高いと
加工に非常に高温を要し、被着材に熱損傷を与える恐れ
が大きい。一方、低温加工性を付与するためフレキシブ
ルな基を導入するなどしてガラス転移温度を下げると耐
熱性が下がり、よって信頼性が低下するという問題点が
あった。
で接着可能でかつ高温での耐熱性に優れたフィルム接着
剤を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定構造のポリイ
ミド樹脂が上記課題を解決することができることを見出
し、本発明に到達したものである。
リイミド樹脂を接着剤の主成分とするフィルム接着剤お
よびその製造方法に関する。
(1)で表されるシリコーンジアミンaモルと式(2)
で表されるシリコーンジアミンbモルおよび他のジアミ
ンcモルをアミン成分、4,4’−オキシジフタル酸二
無水物dモルと他の酸二無水物eモルを酸成分とし、か
つ0.02≦a/(a+b+c)≦0.50かつb/
(a+b+c)≦0.02かつ0.6≦d/(d+e)
かつ0.96≦(d+e)/(a+b+c)≦1.04
のモル比で両成分を反応させイミド閉環せしめた有機溶
剤に可溶なポリイミド樹脂あるいは該ポリイミド樹脂の
分子末端を一般式(4)で表される酸無水物fモルでエ
ンドキャップし、かつ0.02≦a/(a+b+c)≦
0.50かつb/(a+b+c)≦0.02かつ0.6
≦d/(d+e+0.5f)かつ0.002≦0.5f
/(d+e+0.5f)≦0.05かつ0.96≦(d
+e+0.5f)/(a+b+c)≦1.04のモル比
で両成分を反応させイミド閉環せしめた有機溶剤に可溶
なポリイミド樹脂あるいは該ポリイミド樹脂の分子末端
を一般式(5)で表される芳香族アミンgモルでエンド
キャップし、かつ0.02≦a/(a+b+c+0.5
g)≦0.50かつb/(a+b+c+0.5g)≦
0.02かつ0.002≦0.5g/(a+b+c+
0.5g)≦0.05かつ0.6≦d/(d+e)かつ
0.96≦(d+e)/(a+b+c+0.5g)≦
1.04のモル比で両成分を反応させイミド閉環せしめ
た有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂である。
ル、ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシもしくはフェノキシ基の中から選ばれた少
なくとも1種類の基)
れるシリコーンジアミンは、1,3−ビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルシロキサンなどであって、低吸
水性、低温接着性を付与するために用いる。またこれら
の短鎖シリコーンジアミンは耐熱性に優れ他のシリコー
ンジアミンを用いるよりも高温での信頼性の高い接着剤
が製造できる。該シリコーンジアミンは全アミン成分の
2〜50モル%の範囲で用いることが好ましい2モル%
より少ないと低吸湿性、低温接着性が発現せず、50モ
ル%を越えるとガラス転移温度が著しく低下し耐熱性に
問題が生じる。より好ましい添加量は低吸湿性、低温接
着性、高温での耐熱性の点から全アミン成分の10モル
%〜35モル%である。
コーンジアミンは、α,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリジメチルシロキサンなどであり式(1)のもの
と併用することによって低吸水性、低温接着性を著しく
向上させる。特にnが4〜13の範囲がガラス転移温
度、接着性の点から好ましい。ただしこのシリコーンジ
アミンは高温で分解するため多く添加すると張り付け時
に分解物が発泡、被着物の汚染を引き起こすおそれがあ
り、樹脂の耐熱性の点からその添加量は全アミン成分の
2モル%以下でなければならない。より好まい添加量は
低吸湿性、低温接着性、高温での耐熱性の点から全アミ
ン成分の0.2〜0.8モル%である。
オキシジフタル酸二無水物の量比は、得られるポリイミ
ド樹脂の溶解性に極めて重要で、上記の範囲内にないと
低沸点溶剤に溶解するという本発明の特徴が失われる。
2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ヘキサフルオロプロパン、
ビス−4−(4−アミノフェノキシ)フェニルスルフォ
ン、ビス−4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスル
フォン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスル
フォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニルなどの中の1種類
もしくは2種類を組み合わせて用いることが出来る。中
でも接着性を重視する応用分野ではアミノフェノキシ構
造を持つジアミンを用いることが好ましい。
は3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸
などの中の1種類もしくは2種類を組み合わせて用いる
ことが出来る。
ス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンや1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼンなどであり、特に
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを用い
る事は低沸点溶媒への溶解性や低温接着性の面で好まし
い。
合、分子末端をエンドキャップし分子量をコントロール
する事により、被着剤との接着に適した溶融粘度を得る
ことができ、塗れ性を向上させ、接着力を高めることが
できる。エンドキャップ剤である酸無水物、あるいは芳
香族アミンの量比は上記の範囲にあることが好ましい。
この範囲より少ないと分子量が高くなりすぎて、本発明
の特徴である低沸点溶剤への溶解性が低下し、また接着
性を重視する用途では溶融粘度の上昇により濡れ性が低
下し好ましくない。またこの範囲以上では分子量が著し
く低下し、耐熱性に問題を生じる。さらに低温接着性、
耐熱性、機械強度の点からエンドキャップ剤が全酸性分
あるいは全アミン成分の0.4〜2.4モル%の範囲に
あることがより好ましい。
表される酸無水物および一般式(5)で表される芳香族
アミンが挙げられる。酸無水物としては、無水フタル
酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸など、芳香族アミ
ンとしては、p−メチルアニリン、p−メトキシアニリ
ン、p−フェノキシアニリンなどが用いられる。
量比は、得られるポリアミック酸の分子量を決定する重
要な因子である。ポリマの分子量と物性、特に数平均分
子量と機械的性質の間に相関があることはよく知られて
いる。数平均分子量が大きいほど機械的性質が優れてい
る。従って、実用的に優れた強度を得るためにはある程
度高分子量で有ることが必要である。本発明では酸性分
とアミン成分の当量比rが0.96≦r≦1.04のモ
ル比であることが好ましい。また0.98≦r≦1.0
2の範囲であることは機械的強度および耐熱性の両面か
らより好ましい。
反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われ
る。非プロトン性極性溶媒は、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テ
トラヒドロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキ
サノン、1,4−ジオキサン(1,4−DO)などであ
る。非プロトン性極性溶媒は、一種類のみ用いてもよい
し、二種類以上を混合して用いてもよい。この時、上記
非プロトン性極性溶媒と相溶性がある非極性溶媒を混合
して使用しても良い。トルエン、キシレン、ソルベント
ナフサなどの芳香族炭化水素が良く使用される。混合溶
媒における非極性溶媒の割合は、30重量%以下である
ことが好ましい。これは非極性溶媒が30重量%以上で
は溶媒の溶解力が低下しポリアミック酸が析出する恐れ
があるためである。テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンとの反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製し
た前述反応溶媒に溶解し、これに閉環率98%、より好
ましくは99%以上の良く乾燥したテトラカルボン酸二
無水物を添加して反応を進める。
を、続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポ
リイミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環
反応を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に
加えて共沸させてディーン・スターク(Dean-Stark)管
などの装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない
有機溶剤としてはジクロルベンゼンが知られているが、
エレクトロニクス用としては塩素成分が混入する恐れが
あるので、好ましくは前記芳香族炭化水素を使用する。
また、イミド化反応の触媒として無水酢酸、β-ピコリ
ン、ピリジンなどの化合物を使用することは妨げない。
ほど良く、イミド化率が低いと使用時の熱でイミド化が
起こり水が発生して好ましくないため、95%以上、よ
り好ましくは98%以上のイミド化率が達成されている
ことが望ましい。
ワニスとしてそのまま用いることができる。また該ポリ
イミド溶液を貧溶媒中に投入してポリイミド樹脂を再沈
殿析出させて未反応モノマーを除去精製し、乾燥させた
ものを再び有機溶剤に溶解し塗布用ワニスにすることも
可能である。特に揮発分や不純物、異物などを嫌う用途
においてはそのようにして製造したワニスを濾過して用
いることが好ましい。このとき使用する溶剤は加工作業
性を考え、沸点の低い溶剤を用いることが好ましい。
滑剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添加剤を必要に
応じて添加することができる。また、溶剤の蒸発速度を
調節するために均一に溶解する範囲で芳香族炭化水素系
溶剤を使用することもできる。
剤とするには、樹脂ワニスを流延あるいは塗布して得ら
れ、例えば耐熱性フィルム基材を支持体として用い、そ
の片面または両面に同様にフィルム層を形成させ、支持
体と共にフィルム接着剤としたり、ロールや金属シー
ト、ポリエステルシートなどの離型シートの上にフロー
コーター、ロールコーターなどによりフィルムを形成さ
せ、加熱乾燥後、剥離して単層のフィルム接着剤とする
などの方法で得ることができる。
材は、ポリイミド樹脂フィルムが熱膨張係数が小さく温
度変化に対する寸法安定性に優れていること、可撓性に
富み取り扱い易いこと、本発明の樹脂との密着力が優れ
ている点で好ましい。特にガラス転移温度 350℃以上の
ポリイミド樹脂は、塗布ワニスを乾燥する工程での作業
性、安定性の点で優れている。
ースフィルムには離型剤および基材の耐熱性が乾燥温度
以上で有ることが要求される。基材は、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィ
ルム、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイ
ドフィルム、アルミ箔、又はステンレスフィルムが好ま
しい。離型剤は炭化水素系のものでは耐熱が不十分であ
りシリコーン、シリコーン変性エポキシ、フッ素樹脂な
どの耐熱樹脂が好ましい。特に高沸点の溶媒を用いる場
合やガラス転移温度の高いポリイミド樹脂のフィルム化
においては250℃以上の乾燥温度が必要になる場合が
ある。このような場合には基材には耐熱性、コストの面
からアルミ箔を用いることが好ましい。このとき離型剤
は耐熱性、剥離性の面からはポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)などのフッ素樹脂が好ましく、アルミ箔
と離型剤の密着性の面からはシリコーン変性エポキシが
好ましい。樹脂ワニスの塗布・乾燥は、フローコータ
ー、ロールコーターなどの塗布設備と熱風乾燥炉を組み
合わせた装置などを用いることができる。樹脂ワニスを
支持体に塗工後、熱風乾燥炉に導きワニスの溶剤を揮散
させるに十分な温度と風量で乾燥する。
限定されるものではないが、所定の形状に切断して加熱
したヒートブロックで熱圧着して接着するなど、接着テ
ープとして使用することができる。
溶な特定構造のほぼ完全にイミド化されたポリイミド樹
脂を主たる構成成分とすることを特徴とする。ポリイミ
ドの原料であるシリコーンジアミンの鎖長と量比を限定
することによって低温接着性と耐熱性を両立する事がで
きる。また化学反応を伴う熱硬化性接着剤に比べると極
めて短時間に接着可能である。
性、接着部の寸法精度を優れたものにすることができ
る。さらに低吸水性にも優れている。以下実施例により
本発明を詳細に説明するが、これらの実施例に限定され
るものではない。
拌機を備えた四口フラスコに脱水精製したNMP384
gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混
ぜる。次に2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル)プロパン30.665g(0.075モ
ル)と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
21.838g(0.075モル)と1,3−ビス(ア
ミノプロピル)テトラメチルシロキサン9.050g
(0.036モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリジメチルシロキサン0.782g(平均分子量
837、0.001モル)を投入し、系を60℃に加熱
し均一になるまでかき混ぜる。均一に溶解後、系を氷水
浴で5℃に冷却し、4,4’−オキシジフタル酸二無水
物45.884g(0.149モル)と3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物11.
915g(0.037モル)を粉末状のまま10分間か
けて添加し、その後5時間撹拌を続けポリアミド酸溶液
を得た。この間フラスコは5℃に保った。
キシレンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに
装着し、系にキシレンを添加した。氷水浴から油浴に替
えて系を加熱し発生する水を系外に除いた。4時間加熱
したところ、系からの水の発生は認められなくなった。
冷却後この反応溶液を大量のメタノール中に投入しポリ
イミド樹脂を析出させた。固形分を濾過後、80℃で1
2時間減圧乾燥して固形樹脂を得た。KBr錠剤法で赤
外吸収スペクトルを測定したところ、環状イミド結合に
由来する5.60μmの吸収を認めたが、アミド結合に
由来する6.06μmの吸収を認めることができず、こ
の樹脂はほぼ100%イミド化していることが確認でき
た。
ロヘキサノンに溶解し、固形分25%のポリイミド樹脂
ワニスを調整した。
ポリイミドフィルム(商品名ユーピレックスSGA、厚
み50μm、宇部興産株式会社製)の片面に塗布し、接
着剤層の厚みが30μmの接着テープを得た。乾燥温度
は最高180℃で乾燥時間6分であった。この接着テー
プを42アロイのプレートに熱圧着して試験片を作製し
(300℃2秒間熱圧着し、圧を開放後300℃で30
秒間アニールした。接着面にかかる圧力はゲージ圧力と
接着面積から計算の結果4kgf/cm2であっ
た。)、この試験片の180度ピール強度は2.0kg
f/cmであり、優れた接着力を示した。また貼り付け
時のテープからの分解ガスによる汚染の有無を調べるた
めにテープ貼り付け部近傍の42アロイ面に対する純水
の接触角を貼り付け前後で測定したが前後とも60゜で
変化は見られなかった。さらにTG−MS法で室温から
350℃までの発生ガスの有無を定性的に調べたが発生
ガスは未検出だった。
ルコーターでシリコーン離型処理二軸延伸ポリエステル
フィルム(商品名ダイヤホイルMR、厚さ100μm、
三菱レイヨン(株)製)に塗布し、乾燥後シリコーン離
型処理二軸延伸ポリエステルフィルムから剥離し、30
μmの厚みの支持体なしの均一な単層フィルム接着剤を
得た。剥離は容易で特に支障はなかった。実施例1と同
様の評価を行った結果を表1に示す。
フタル酸二無水物を、BTDAは3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を、PAは無
水フタル酸を,BAPPは2,2−ビス(4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル)プロパンを、APBは1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを、APD
Sは1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルシロ
キサンを、APPSはα,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリジメチルシロキサンを、PPAはp−フェノキ
シアニリンをそれぞれ略記したものである。
ミドフィルム(商品名ユーピレックスSGA、厚み50
μm、宇部興産株式会社製)を、100MRはシリコー
ン離型処理二軸延伸ポリエステルフィルム(商品名ダイ
ヤホイルMR、厚さ100μm、三菱レイヨン(株)
製)を、50F1CはPTFE離型処理アルミ箔(商品
名フッ素処理アルミ50F1C、厚さ50μm、サンア
ルミニウム工業(株)社製)を、70B1Cはシリコー
ン変性エポキシ離型処理アルミ箔(商品名セパニウム7
0B1C、厚さ70μm、サンアルミニウム工業(株)
社製)をそれぞれ表すものとする。
1に示す配合にて耐熱性樹脂溶液を調整し、実施例1あ
るいは実施例2と同様の方法で接着テープを得た。得ら
れた評価結果を表1に示す。
2に示す配合にて耐熱性樹脂溶液を調整し、実施例1あ
るいは実施例2と同様の方法で接着テープを得た。得ら
れた評価結果を表2に示す。
可溶で高温での耐熱性の優れたポリイミド樹脂とその樹
脂を原料とする耐熱性と低温短時間接着性の両立するフ
ィルム接着剤が得られることが示される。
着性を両立させた信頼性の高いフィルム接着剤を提供す
ることが可能である。低沸点溶媒に可溶であるため残留
溶媒をほぼ完全になくすことが可能で、また既にイミド
化されているため、加工時にイミド化のための高温過程
が不要で水分の発生も無い。またタックのないフィルム
として使用することができるので連続作業性やクリーン
な環境を必要とする場合に非常に有効である。このため
高信頼性と耐熱性を要求するエレクトロニクス用材料と
して工業的に極めて利用価値が高い。
Claims (8)
- 【請求項1】 式(1)で表されるシリコーンジアミン
aモルと式(2)で表されるシリコーンジアミンbモル
および他のジアミンcモルをアミン成分、4,4’−オ
キシジフタル酸二無水物dモルと他の酸二無水物eモル
を酸成分とし、かつ0.02≦a/(a+b+c)≦
0.50かつb/(a+b+c)≦0.02かつ0.6
≦d/(d+e)かつ0.96≦(d+e)/(a+b
+c)≦1.04のモル比で両成分を反応させイミド閉
環せしめた有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を主たる構
成成分とするフィルム接着剤。 【化1】 (式中R1は2価の炭化水素基) 【化2】 (式中R2は2価の炭化水素基、nは2〜20の整数) - 【請求項2】 式(1)で表されるシリコーンジアミン
aモルと式(2)で表されるシリコーンジアミンbモル
および式(3)で表されるジアミンcモルをアミン成
分、4,4’−オキシジフタル酸二無水物dモルを酸成
分とし、かつ0.02≦a/(a+b+c)≦0.50
かつb/(a+b+c)≦0.02かつ0.5≦c/
(a+b+c)かつ0.96≦d/(a+b+c)≦
1.04のモル比で両成分を反応させイミド閉環せしめ
た有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を主たる構成成分と
するフィルム接着剤。 【化3】 - 【請求項3】 式(1)で表されるシリコーンジアミン
aモルと式(2)で表されるシリコーンジアミンbモル
および他のジアミンcモルをアミン成分、4,4’−オ
キシジフタル酸二無水物dモルと他の酸二無水物eモル
を酸成分とし、該ポリイミド樹脂の分子末端を一般式
(4)で表される酸無水物fモルでエンドキャップし、
かつ0.02≦a/(a+b+c)≦0.50かつb/
(a+b+c)≦0.02かつ0.6≦d/(d+e+
0.5f)かつ0.002≦0.5f/(d+e+0.
5f)≦0.05かつ0.96≦(d+e+0.5f)
/(a+b+c)≦1.04かつのモル比で両成分を反
応させイミド閉環せしめた有機溶剤に可溶なポリイミド
樹脂を主たる構成成分とするフィルム接着剤。 【化4】 - 【請求項4】 式(1)で表されるシリコーンジアミン
aモルと式(2)で表されるシリコーンジアミンbモル
および他のジアミンcモルをアミン成分、4,4’−オ
キシジフタル酸二無水物dモルと他の酸二無水物eモル
を酸成分とし、該ポリイミド樹脂の分子末端を一般式
(5)で表される芳香族アミンgモルでエンドキャップ
し、かつ0.02≦a/(a+b+c+0.5g)≦
0.50かつb/(a+b+c+0.5g)≦0.02
かつ0.002≦0.5g/(a+b+c+0.5g)
≦0.05かつ0.6≦d/(d+e)かつ0.96≦
(d+e)/(a+b+c+0.5g)≦1.04のモ
ル比で両成分を反応させイミド閉環せしめた有機溶剤に
可溶なポリイミド樹脂を主たる構成成分とするフィルム
接着剤。 【化5】 (式中Yは水素原子、あるいはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシもしくはフェノキシ基の中から選ばれた少
なくとも1種類の基) - 【請求項5】 式(1)で表されるシリコーンジアミン
aモルと式(2)で表されるシリコーンジアミンbモル
および式(3)で表されるジアミンcモルをアミン成
分、4,4’−オキシジフタル酸二無水物dモルを酸成
分とし、該ポリイミド樹脂の分子末端を一般式(4)で
表される酸無水物fモルでエンドキャップし、かつ0.
02≦a/(a+b+c)≦0.50かつb/(a+b
+c)≦0.02かつ0.5≦c/(a+b+c)かつ
0.002≦0.5f/(d+0.5f)≦0.05か
つ0.96≦(d+0.5f)/(a+b+c)≦1.
04のモル比で両成分を反応させイミド閉環せしめた有
機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を主たる構成成分とする
フィルム接着剤。 - 【請求項6】 式(1)で表されるシリコーンジアミン
aモルと式(2)で表されるシリコーンジアミンbモル
および式(3)で表されるジアミンcモルをアミン成
分、4,4’−オキシジフタル酸二無水物dモルを酸成
分とし、該ポリイミド樹脂の分子末端を一般式(5)で
表される芳香族アミンgモルでエンドキャップし、かつ
0.02≦a/(a+b+c+0.5g)≦0.50か
つb/(a+b+c+0.5g)≦0.02かつ0.5
≦c/(a+b+c+0.5g)かつ0.002≦0.
5g/(a+b+c+0.5g)≦0.05かつ0.9
6≦d/(a+b+c+0.5g)≦1.04のモル比
で両成分を反応させイミド閉環せしめた有機溶剤に可溶
なポリイミド樹脂を主たる構成成分とするフィルム接着
剤。 - 【請求項7】 ポリアミド酸を有機溶剤中で加熱脱水し
てイミド閉環反応を完結させたポリイミド樹脂の有機溶
剤溶液を支持体の片面または両面に流延成形、乾燥する
請求項1〜6記載のフィルム接着剤の製造方法。 - 【請求項8】 ポリアミド酸を有機溶剤中で加熱脱水し
てイミド閉環反応を完結させたポリイミド樹脂の有機溶
剤溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリ
エチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、
ポリフェニレンサルファイドフィルム、アルミ箔、及び
ステンレスフィルムからなる群から選択された1種類の
基材にシリコーン、シリコーン変性エポキシ、又はフッ
素樹脂のいずれかの離型剤により離型処理したフィルム
の上に流延成形、乾燥後、支持体から剥離する請求項1
〜6記載のフィルム接着剤の製造方法。
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JP08379896A JP3526130B2 (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | 耐熱性の改良されたフィルム接着剤とその製造方法 |
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JPH09272852A true JPH09272852A (ja) | 1997-10-21 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009046629A (ja) * | 2007-08-22 | 2009-03-05 | Hitachi Chem Co Ltd | 接着剤組成物、フィルム状接着剤、及びそれを用いた半導体装置 |
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-
1996
- 1996-04-05 JP JP08379896A patent/JP3526130B2/ja not_active Expired - Fee Related
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