JPH09272149A - 液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板の製法 - Google Patents

液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板の製法

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JPH09272149A
JPH09272149A JP8238796A JP8238796A JPH09272149A JP H09272149 A JPH09272149 A JP H09272149A JP 8238796 A JP8238796 A JP 8238796A JP 8238796 A JP8238796 A JP 8238796A JP H09272149 A JPH09272149 A JP H09272149A
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JP
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thermoplastic resin
liquid crystal
substrate
crystal display
smooth surface
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Application number
JP8238796A
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Inventor
Toru Ueda
亨 上田
Kenji Matsumoto
賢次 松本
Yoichi Hosokawa
洋一 細川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で耐衝撃性にすぐれるうえ、リターデー
ション値が小さく、うねりやそりがほとんどないきわめ
て平滑な表面を有する液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板
を容易に製造することができる方法を提供すること。 【解決手段】 光学的に透明な熱可塑性樹脂シートを、
該熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し、
平滑面を有する基材と接触させて加圧下で該ガラス転移
温度よりも20℃低い温度以下の温度に冷却することを
特徴とする液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子用熱
可塑性樹脂基板の製法に関する。さらに詳しくは、軽量
で耐衝撃性にすぐれるうえ、リターデーション値が小さ
く、うねりやそりがほとんどないきわめて平滑な表面を
有し、たとえば液晶表示装置の分野でガラス基板と代替
可能な液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板を容易に製造し
うる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器はますます小型化され、
たとえばノート型パソコン、ワードプロセッサー、携帯
情報端末などで代表されるように、軽量かつコンパクト
という特徴を生かした液晶表示素子が多用されるように
なってきている。かかる液晶表示素子は、一般に、液晶
層の両側を透明導電層を有する基板で挟んだ構造を有し
ている。
【0003】前記基板としては、光学的透明性、光学的
等方性および耐熱性にすぐれることから、ガラス基板が
汎用されている。しかしながら、かかるガラス基板は、
耐衝撃性に劣るうえ、比重が大きいため、機器の重量が
増大化するという欠点がある。とくに、液晶表示素子を
携帯機器に組込むばあいには、軽量化を図るために、通
常厚さが0.4mm程度の薄いガラス基板が用いられる
が、ガラスの脆性のため、液晶表示素子の組立てプロセ
ス中に割れが生じて歩留まりが低下したり、携帯機器の
使用時にガラスの破損がしばしば起こることが大きな問
題となっている。
【0004】このように、近年、とくに液晶表示素子の
基板の強靭化および軽量化が強く望まれている。そこ
で、軽量であり、かつ耐衝撃性にすぐれるという点か
ら、かかる基板としてプラスチック基板を用いることが
提案されており、たとえば0.4mm程度の厚さを有す
るプラスチック基板の使用が試みられている。
【0005】一般に、耐熱性が高く、表面性が良好なプ
ラスチック基板をうる方法としては、溶剤キャスティン
グ法や溶融押出法などがある。しかしながら、前記溶剤
キャスティング法を採用したばあいには、えられる基板
に剛性が付与されるようにフィルムを厚膜化すると、発
泡などの欠陥が生じやすいほか、生産性が大幅に低下し
て工業的実施が困難となるため、200μm程度の厚さ
にまで厚膜化することが限界である。一方、前記溶融押
出法を採用したばあいには、フィルムを厚膜化すると、
光学的等方性が損なわれるほか、押出成形時のダイライ
ンによって表面性や外観が低下してしまう。したがっ
て、かかる従来のプラスチック基板をそのまま液晶表示
素子の基板として用いることは困難である。
【0006】さらに、プラスチック基板を液晶表示素子
用の基板として用いるばあいには、前記耐熱性や剛性の
ほかにも、リターデーション、すなわち光学異方性、お
よび表面の平滑性が大きな問題となる。
【0007】プラスチック基板は、本質的にリターデー
ションを有するものであるが、かかるリターデーション
値が大きい材料を液晶表示素子用の基板として用いたば
あいには、コントラストの低下が起こり、液晶表示素子
としての品質が劣るようになるため、できるかぎりリタ
ーデーション値が小さい材料を用いなければならない。
【0008】一方、液晶表示素子用の基板で問題とされ
る表面の平滑性には、「表面粗度」、「うねり」および
「そり」の3つがある。
【0009】前記「表面粗度」とは、JIS−B060
1で規定されている表面粗さのことであり、通常1〜2
mm以下の範囲で多数回にわたって繰返し現れる凹凸
で、一般に人の目の分解能よりも細かい変化であること
から、むしろ基板の表面に形成された膜の特性、液晶の
配向、パターンエッジの切れなどに影響されるミクロな
凹凸である。
【0010】これに対して、前記「うねり」とは、周期
が1mm以上である表面の凹凸であり、通常5〜20m
m程度の周期を有し、表示の背景色などに周期的なむら
を引起こす可能性を有するものである。
【0011】また、前記「そり」とは、通常基板内に1
〜2回程度現れる長周期の凹凸のことである。したがっ
て、かかるうねりやそりは、液晶表示素子の製造工程
中、作業盤上に基板を真空吸着させる際に不都合が生じ
ない程度、また表示全体の背景などに大きなムラを発生
させない程度に抑制されていることが要求される。
【0012】ここで、前記表示全体の背景の色は、基板
のあいだに封入する液晶の屈折率の異方性(Δn)と液
晶層の厚さ(d)との積(Δn×d)によって変化す
る。このとき、前記液晶がたとえばツイステッド・ネマ
チック(TN)液晶であるばあいには、組立てた液晶表
示パネルは無彩色であり、濃淡が明確でさえあればパネ
ルとして合格であるため、透明電極が形成されている基
板の表面に多少のうねりやそりが存在していたとして
も、液晶表示素子としての品質にはほとんど影響を及ぼ
さない。
【0013】ところが、近年、その電界に対する立ち上
がり特性が非常に急峻であり、走査線数を増加させても
コントラストが低下せず、えられる液晶表示素子の表示
性能を高めることができるという点から、前記TN液晶
が改良されたスーパー・ツイステッド・ネマチック(S
TN)液晶が単純マトリクス方式における主流となって
きている。
【0014】しかしながら、前記STN液晶は、通常そ
の間隔が5〜6μm程度の基板のあいだに封入されてい
るにもかかわらず、270°程度にツイストするため、
透明電極が形成されている基板の表面にうねりやそりが
存在しているばあいには、表示が紫色や黒色に着色し、
画面が非常に見えにくくなるといった問題が生じる。
【0015】そこで、当業者のあいだでは、封入するS
TN液晶層の厚さをより均一にすることで画面の見えに
くさを低減させることも試みられてはいるが、やはりか
かる液晶層の厚さを均一にするなどの液晶表示素子の組
立技術を向上させるだけでは、画面の見えにくさを充分
に低減させることができないため、基板の表面にうねり
やそりができるかぎり存在しないようにすることが必要
であると考えられている。
【0016】このように、従来、液晶表示素子用の基板
として好適に使用しうる程度にリターデーション値が小
さく、うねりやそりがほとんど存在しないプラスチック
基板がえられていないのが実情であり、かかる特性を有
する基板を容易に製造しうる方法の開発が待ち望まれて
いる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、軽量で耐衝撃性にすぐ
れるうえ、リターデーション値が小さく、うねりやそり
がほとんどないきわめて平滑な表面を有する熱可塑性樹
脂基板を容易に製造することができる方法を提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、光学的に透明
な熱可塑性樹脂シートを、該熱可塑性樹脂のガラス転移
温度以上の温度に加熱し、平滑面を有する基材と接触さ
せて加圧下で該ガラス転移温度よりも20℃低い温度以
下の温度に冷却することを特徴とする液晶表示素子用熱
可塑性樹脂基板の製法に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の液晶表示素子用熱可塑性
樹脂基板の製法は、前記したように、光学的に透明な熱
可塑性樹脂シートを、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度
(以下、Tgという)以上の温度に加熱し、平滑面を有
する基材と接触させて加圧下で該Tgよりも20℃低い
温度以下の温度に冷却することを特徴とするものであ
る。
【0020】本明細書において、光学的に透明とは、自
記分光光度計((株)島津製作所製、UV−3100)
を用いて測定した光線透過率(波長550nm)が80
%以上であり、かつヘイズメーター(日本電装(株)
製、NDH−300A)を用いて測定したヘイズ(ha
ze)が5%以下であることをいう。
【0021】うねりとは、JIS−B0610に規定さ
れた方法に準じ、表面粗さ計((株)東京精密製、サー
フコム1500A)を用いて測定された値WCA(ろ波
中心線うねり)であり、fhが0.8mm、flが8m
mであることを示す。
【0022】そりとは、JIS−B0610に規定され
方法に準じ、表面粗さ計((株)東京精密製、サーフコ
ム1500A)を用いて測定された値Rmax(最大高
さ)を示す。
【0023】さらに、リターデーション値とは、自動複
屈折計(KSシステムズ(株)製、KOBRA−21S
DH)を用いて測定された値のことを示す。
【0024】本発明の製法において、まず光学的に透明
な熱可塑性樹脂シートを、該熱可塑性樹脂のTg以上の
温度に加熱する。
【0025】本発明に用いられる熱可塑性樹脂シートと
しては、液晶表示素子の製造プロセスで要求される耐熱
温度よりも充分に高い耐熱性を有するという点から、た
とえばそのTgが好ましくは100℃以上、さらに好ま
しくは140℃以上、とくに好ましくは180℃以上で
ある熱可塑性樹脂のシートを好適に用いることができ
る。
【0026】前記熱可塑性樹脂としては、たとえばポリ
アリレート(Tg:215℃)、ポリカーボネート(T
g:150〜206℃)などのポリエステル系樹脂、ポ
リスルホン(Tg:190℃)、ポリエーテルスルホン
(Tg:230℃)などのポリスルホン系樹脂などがあ
げられる。
【0027】前記熱可塑性樹脂は、単独でまたは2種以
上を組合わせて用いることができ、かかる組合わせの形
態としてはブレンド、アロイおよび共重合のいずれであ
ってもよい。
【0028】また、前記熱可塑性樹脂のなかでは、該熱
可塑性樹脂から光学的に透明なシートをうる際の成形性
や、工業的な入手可能性を考慮すると、主鎖に芳香族基
を有する非晶性ポリアリレートおよび非晶性ポリカーボ
ネートがとくに好ましく、具体的には、置換されていて
もよいヒドロキシプロパン、置換されていてもよいヒド
ロキシフェニルメタン、置換されていてもよいヒドロキ
シシクロアルカンなどを重合成分として用いてえられた
重合体や、これからなるポリマーブレンド、ポリマーア
ロイなどが好ましく用いられる。
【0029】なお、前記ポリアリレートとは、芳香族ジ
カルボン酸と二価のフェノール類とからえられるポリマ
ーを示し、ポリカーボネートとは、二価のフェノール類
の炭酸エステルからなるポリマーを示す。
【0030】また、前記のごとく例示した熱可塑性樹脂
としては、たとえば複数種の特定ビスフェノール類のア
ルカリ金属塩とテレフタル酸クロライドとを、相間移動
触媒を用いて反応させてえられた、耐熱性にすぐれた芳
香族ポリエステル系共重合体(特開昭57−73021
号公報)、フェノールとケトン化合物とを反応させてえ
られた、耐熱性にすぐれ、高分子量を有する熱可塑性ポ
リカーボネート(特開平2−88634号公報)などの
ポリマーを用いることが可能である。
【0031】本発明に用いられる光学的に透明な熱可塑
性樹脂シートを製造するには、前記熱可塑性樹脂を、た
とえば溶剤キャスティング法によって成膜させる方法、
溶融押出法によって成形させる方法などを採用すること
ができるが、生産性にすぐれ、コストが低減されるとい
う点から、熱可塑性樹脂を溶融押出法によって成形させ
る方法を採用することが好ましい。
【0032】光学的に透明な熱可塑性樹脂シートの厚さ
は、液晶表示素子用の基板として充分な剛性が付与さ
れ、液晶表示素子の製造プロセスにおける使用が困難と
なるおそれがないという点から、0.2mm以上、好ま
しくは0.4mm以上であることが望ましく、また液晶
表示素子用熱可塑性樹脂基板の軽量化という点から、1
mm以下、好ましくは0.7mm以下であることが望ま
しい。
【0033】つぎに、熱可塑性樹脂シートを、該熱可塑
性樹脂のTg以上の温度に加熱する。
【0034】加熱する際の加熱温度は、前記したよう
に、熱可塑性樹脂のTg以上の温度であればよいが、短
時間でえられる熱可塑性樹脂基板のリターデーション値
を小さくすることができるという点から、Tgよりも1
0℃以上高い温度、好ましくはTgよりも20℃以上高
い温度であることが望ましい。また熱可塑性樹脂の変性
およびそれに伴う変色という点を考慮すると、かかる加
熱温度は、Tgよりも50℃高い温度以下であることが
好ましい。
【0035】なお、本発明において、熱可塑性樹脂シー
トの加熱は、該熱可塑性樹脂シートと、後述する平滑面
を有する基材とをあらかじめ接触させておき、加圧下で
行なってもよい。
【0036】また、加熱時間にはとくに限定がなく、熱
可塑性樹脂シートが適度に軟化する時間であればよい。
【0037】つぎに、前記のごとく加熱された熱可塑性
樹脂シートを、平滑面を有する基材と接触させて加圧下
で熱可塑性樹脂のTgよりも20℃低い温度以下の温度
に冷却する。
【0038】前記平滑面を有する基材としては、えられ
る熱可塑性樹脂基板の表面にうねりやそりがほとんど存
在しないようにするためには、その平滑面のうねりが
0.1μm以下、好ましくは0.05μm以下のもので
あることが望ましく、またそりが200μm以下、好ま
しくは170μm以下のものであることが望ましい。か
かる基材としては、たとえばガラス板、金属板、たとえ
ば射出成形によってえられるポリカーボネート板、表面
研磨が施されたアクリル板などの合成樹脂板などがあげ
られる。これらのなかでは、その平滑面のうねりがきわ
めて小さいという点からガラス板および金属板が好まし
く、とくに液晶基板用表面研磨ガラス板や表面研磨ステ
ンレス鋼(SUS)製プレス板などが好ましい。
【0039】また、熱可塑性樹脂シートとの剥離性を向
上させるために、たとえば表面処理を施した基材を用い
てもよい。
【0040】熱可塑性樹脂シートを平滑面を有する基材
と接触させて加圧する際の加圧力は、熱可塑性樹脂シー
トの表面に存在するうねりやそりを充分になくすために
は、0.5kg/cm2以上、好ましくは1kg/cm2
以上であることが望ましい。また熱可塑性樹脂シートの
厚さが極端に減少してしまうことおよび軟化した熱可塑
性樹脂が、加圧する際に用いられる平滑面を有する基材
からはみ出してしまうことを考慮すると、かかる加圧力
は、10kg/cm2以下であることが好ましい。
【0041】前記加圧の方法にはとくに限定がないが、
たとえばダブルベルトプレス装置などを用いた連続式
や、たとえばプレス装置などを用いたバッチ式などを採
用することができる。
【0042】熱可塑性樹脂シートを加圧下で冷却する際
の温度は、熱可塑性樹脂のTgよりも20℃低い温度以
下であるが、軟化した熱可塑性樹脂シートをより充分に
硬化させるという点から、Tgよりも40℃低い温度以
下であることが望ましい。なお、かかる熱可塑性樹脂シ
ートの冷却は、たとえば加圧下で室温まで放冷させるな
どして行なえばよい。
【0043】つぎに、冷却後の熱可塑性樹脂シートから
圧力を開放させ、平滑面を有する基材を取除くことによ
って液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板をうることができ
る。
【0044】本発明の製法によってえられた液晶表示素
子用熱可塑性樹脂基板は、軽量で耐衝撃性にすぐれるう
え、リターデーション値が小さく、うねりやそりがほと
んどないきわめて平滑な表面を有するものである。した
がって、かかる液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板は、従
来ガラス基板が用いられていたような液晶表示素子用の
基板として好適に用いることができるほか、たとえば該
熱可塑性樹脂基板の一方の表面にペン入力装置を構成す
るための透明導電層を形成させ、他方の表面にガスバリ
ア層および液晶表示装置駆動用の透明導電層を逐次形成
させることにより、ペン入力装置が一体化された液晶表
示装置用の基板として好適に使用することもできる。
【0045】
【実施例】つぎに、本発明の液晶表示素子用熱可塑性樹
脂基板の製法を実施例に基づいてさらに詳細に説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0046】実施例1 ビスフェノールAを重合成分として重合させてえられた
非晶性ポリカーボネート(Tg:150℃)を溶融押出
法によって成形させたポリカーボネートシート(光線透
過率:92%、ヘイズ:0.3%、厚さ:0.4mm)
を、2枚の液晶基板用表面研磨ガラス板(平滑面のうね
り:0.02μm、平滑面のそり:150μm、旭硝子
(株)製、インジウムスズ複合酸化物(ITO)膜コー
ティングガラス)で挟み込み、加圧装置を用いて1kg
/cm2の加圧下で20分間、185℃に加熱圧着させ
た。
【0047】つぎに、加圧した状態でポリカーボネート
シートを室温(20℃)まで放冷したのち、圧力を開放
させ、ガラス板を取除いて厚さ0.4mmのポリカーボ
ネート基板をえた。
【0048】えられたポリカーボネート基板の表面のう
ねり、そりおよびリターデーション値を以下の方法にし
たがって調べた。その結果を表1に示す。
【0049】(イ)うねり 表面粗さ計((株)東京精密製、サーフコム1500
A)を用い、ポリカーボネート基板の表面のうねり(W
CA(μm))を測定した。
【0050】(ロ)そり 表面粗さ計((株)東京精密製、サーフコム1500
A)を用い、ポリカーボネート基板の表面のそり(Rm
ax(μm))を測定した。
【0051】(ハ)リターデーション値 自動複屈折計(KSシステムズ(株)製、KOBRA−
21SDH)を用い、ポリカーボネート基板のリターデ
ーション値(nm)を測定した。
【0052】実施例2 ビスフェノールAを重合成分として重合させてえられた
非晶性ポリカーボネート(Tg:150℃)を溶融押出
法によって成形させたポリカーボネートシート(光線透
過率:92%、ヘイズ:0.3%、厚さ:0.4mm)
を、2枚の液晶基板用表面研磨ガラス板(平滑面のうね
り:0.02μm、平滑面のそり:150μm、旭硝子
(株)製、インジウムスズ複合酸化物(ITO)膜コー
ティングガラス)で挟み込み、加圧装置を用いて3kg
/cm2の加圧下で20分間、185℃に加熱圧着させ
た。
【0053】つぎに、加圧した状態でポリカーボネート
シートを室温(20℃)まで放冷したのち、圧力を開放
させ、ガラス板を取除いて厚さ0.4mmのポリカーボ
ネート基板をえた。
【0054】えられたポリカーボネート基板の表面のう
ねり、そりおよびリターデーション値を実施例1と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0055】実施例3 ビスフェノールAを重合成分として重合させてえられた
非晶性ポリカーボネート(Tg:150℃)を溶融押出
法によって成形させたポリカーボネートシート(光線透
過率:92%、ヘイズ:0.3%、厚さ:0.4mm)
を、2枚の液晶基板用表面研磨ガラス板(平滑面のうね
り:0.02μm、平滑面のそり:150μm、旭硝子
(株)製、インジウムスズ複合酸化物(ITO)膜コー
ティングガラス)で挟み込み、加圧装置を用いて1kg
/cm2の加圧下で20分間、200℃に加熱圧着させ
た。
【0056】つぎに、加圧した状態でポリカーボネート
シートを室温(20℃)まで放冷したのち、圧力を開放
させ、ガラス板を取除いて厚さ0.4mmのポリカーボ
ネート基板をえた。
【0057】えられたポリカーボネート基板の表面のう
ねり、そりおよびリターデーション値を実施例1と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0058】実施例4 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールAとを重
合成分として重合させてえられた非晶性ポリカーボネー
ト(Tg:206℃、バイエル社製、Apec HT
KUI−9371(登録商標))を溶融押出法によって
成形させた高耐熱性ポリカーボネートシート(光線透過
率:93%、ヘイズ:0.3%、厚さ:0.4mm)
を、2枚の液晶基板用表面研磨ガラス板(平滑面のうね
り:0.02μm、平滑面のそり:150μm、旭硝子
(株)製、インジウムスズ複合酸化物(ITO)膜コー
ティングガラス)で挟み込み、加圧装置を用いて1kg
/cm2の加圧下で20分間、230℃に加熱圧着させ
た。
【0059】つぎに、加圧した状態で高耐熱性ポリカー
ボネートシートを室温(20℃)まで放冷したのち、圧
力を開放させ、ガラス板を取除いて厚さ0.4mmのポ
リカーボネート基板をえた。
【0060】えられたポリカーボネート基板の表面のう
ねり、そりおよびリターデーション値を実施例1と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0061】比較例1 ビスフェノールAを重合成分として重合させてえられた
非晶性ポリカーボネート(Tg:150℃)を溶融押出
法によって成形させたポリカーボネートシート(基板)
(光線透過率:92%、ヘイズ:0.3%、厚さ:0.
4mm)について、その表面のうねり、そりおよびリタ
ーデーション値を実施例1と同様にして調べた。その結
果を表1に示す。
【0062】比較例2 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールAとを重
合成分として重合させてえられた非晶性ポリカーボネー
ト(Tg:206℃、バイエル社製、Apec HT
KUI−9371(登録商標))を溶融押出法によって
成形させた高耐熱性ポリカーボネートシート(基板)
(光線透過率:93%、ヘイズ:0.3%、厚さ:0.
4mm)について、その表面のうねり、そりおよびリタ
ーデーション値を実施例1と同様にして調べた。その結
果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示された結果から、実施例1〜4で
えられたポリカーボネート基板は、比較例1〜2のよう
にポリカーボネートを溶融押出成形させただけのポリカ
ーボネートシート(基板)と比べて、うねり、そりおよ
びリターデーション値ともにきわめて小さいものである
ことがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明の製法によれば、軽量で耐衝撃性
にすぐれるうえ、リターデーション値が小さく、うねり
やそりがほとんどないきわめて平滑な表面を有する液晶
表示素子用熱可塑性樹脂基板を容易に製造することがで
きる。
【0066】また、本発明の製法によってえられた熱可
塑性樹脂基板は、前記したようなすぐれた特性を有する
ものであるので、たとえば液晶表示装置の分野でガラス
基板に代わる光学基板としてきわめて有用なものであ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に透明な熱可塑性樹脂シートを、
    該熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し、
    平滑面を有する基材と接触させて加圧下で該ガラス転移
    温度よりも20℃低い温度以下の温度に冷却することを
    特徴とする液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板の製法。
  2. 【請求項2】 基材の平滑面のうねりが0.1μm以下
    である請求項1記載の液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板
    の製法。
  3. 【請求項3】 基材がガラス板または金属板である請求
    項1または2記載の液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板の
    製法。
  4. 【請求項4】 加熱温度が熱可塑性樹脂のガラス転移温
    度よりも10℃以上高い温度である請求項1、2または
    3記載の液晶表示素子用熱可塑性樹脂基板の製法。
  5. 【請求項5】 加圧力が0.5kg/cm2以上である
    請求項1、2、3または4記載の液晶表示素子用熱可塑
    性樹脂基板の製法。
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WO2000048820A1 (fr) * 1999-02-16 2000-08-24 Sumitomo Bakelite Company Limited Procede de fabrication de feuille polymere thermoplastique et de feuille optique
JP2001212878A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd 高分子フィルムシートの製造方法、製造装置、およびこれを用いた高分子フィルムシート

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