JPH09271634A - ガスエンジンにおける燃料ガス脱臭方法 - Google Patents

ガスエンジンにおける燃料ガス脱臭方法

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JPH09271634A
JPH09271634A JP8111135A JP11113596A JPH09271634A JP H09271634 A JPH09271634 A JP H09271634A JP 8111135 A JP8111135 A JP 8111135A JP 11113596 A JP11113596 A JP 11113596A JP H09271634 A JPH09271634 A JP H09271634A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス燃料中から付臭剤を長期に安定して除去
し、ガスエンジンの燃焼室、排気通路及び潤滑部の腐食
されないようにするとともに、三元触媒や酸化触媒を用
いた排ガス浄化を可能にするガスエンジンにおける燃料
ガス脱臭方法を提供する。 【解決手段】 Mn系触媒、Mn−Fe系触媒又はMn
−Cu系触媒のいずれかを主成分とし、添加金属として
Mg、Ca、Sr、Zn、Y、La、Ce、Pr、A
l、Zr、Ti、Ru、Ni、Coから選ばれた少なく
とも一つの金属を含有させた触媒を用いて、ガス燃料中
の臭気成分を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は都市ガスやプロパンガス
等のガス燃料を使用するガスエンジンにおいて、燃料ガ
ス中の付臭剤を除去する脱臭方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ガスやLPG、市販の天然ガスに
は、器具からガスが漏れたときにすぐ気づくようにメル
カプタン、脂肪族硫化物、環状硫黄化合物などを含む付
臭剤が添加されている。しかし、内燃機関であるガスエ
ンジンではこのような付臭剤の存在が不都合を来すこと
になる。
【0003】すなわち付臭剤が混入したガス燃料がガス
エンジンに供給されると、硫黄化合物が高温燃焼室内で
酸化されてSOxが発生する。このSOxは水蒸気と反応
して硫酸となり、燃焼室や排気経路の腐食を引き起こす
という問題があった。また燃焼室からクランク室に漏れ
るブローバイガス中にこのSOxが混入すると、やはり
ブローバイガス中の水蒸気と反応して硫酸、亜硫酸など
の強酸を生じ、これがクランク室中のオイルと共にエン
ジン各部の潤滑部に送られ、潤滑部を腐食してしまうこ
とになる。さらに、排ガス浄化のために三元触媒等を用
いようとしても、排ガス中に含まれるSOxが負触媒と
して作用するため、三元触媒を用いた排ガス浄化が行え
ないという問題もあった。
【0004】このようなSOx発生源となる付臭剤を燃
焼前に除去するため、触媒を使用して硫黄化合物(付臭
剤)を除去する脱臭方法・装置が提案されている。例え
ば、本出願人が先に提案した特願平6−202615号
の脱臭装置は、ガスエンジンの燃料供給路中に触媒を介
在させ、この触媒によってガス燃料中の臭気成分(付臭
剤)を除去する構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の脱臭方
法で使用する触媒は付臭剤除去能力を維持する時間が十
分でないという問題があった。また、複数の付臭剤が添
加されている燃料ガスに対しては、付臭剤毎の触媒が必
要になり脱臭装置が複雑になるという問題もあった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、ガス燃料中から付臭剤を長期に安定して除
去し、ガスエンジンの燃焼室、排気通路及び潤滑部の腐
食されないようにするとともに、三元触媒や酸化触媒を
用いた排ガス浄化を可能にするガスエンジンにおける燃
料ガス脱臭方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような本発明の目的
は、Mn系触媒、Mn−Fe系触媒又はMn−Cu系触
媒のいずれかを主成分とし、添加金属としてMg、C
a、Sr、Zn、Y、La、Ce、Pr、Al、Zr、
Ti、Ru、Ni、Coから選ばれた少なくとも一つの
金属を含有させた触媒を用いて、ガス燃料中に添加され
た臭気成分を除去することを特徴とする燃料ガス脱臭方
法により達成される。
【0008】本発明者は、Mn触媒、Cu−Mn触媒、
Mn−Fe触媒等を使用して付臭剤の除去を検討してき
たが、いずれも脱臭できる時間が十分ではなかった。そ
こでこれらの触媒をさらに検討した結果、これらの触媒
に主な酸化状態が2価、3価、4価を示す金属のうちII
族A(Mg,Ca,Sr)、II族B(Zn)、III族A
(Y,La,Ce,Pr)、III族B(Al)、IV族A
(Zr,Ti)、VIII族A(Ru,Ni,Co)を単独
又は複合して添加した触媒を使用すると、付臭剤除去可
能時間が大幅に向上することを見い出した。このような
知見に基づき、本発明を完成したものである。
【0009】Mn系触媒とは、二酸化マンガン(MnO
2)を主成分とする酸化物触媒であり、触媒表面に吸着
された付臭剤成分(硫黄化合物)を、触媒表面の活性化
された酸素により酸化分解するものである。Mn−Fe
系触媒、Mn−Cu系触媒は、それぞれ二酸化マンガン
(MnO2)を主成分として、鉄(Fe)、銅(Cu)
を添加した複合酸化物触媒である。
【0010】本発明で使用する触媒は、これらMn系触
媒、Mn−Fe系触媒又はMn−Cu系触媒のいずれか
を主成分とし、さらに主な酸化状態が2価、3価、4価
を示す金属を添加したものである。具体的には以下の3
つの態様がある。
【0011】(a)100重量部の二酸化マンガンと;
0.1〜30重量部のMg、Ca、Sr、Zn、Y、L
a、Ce、Pr、Al、Zr、Ti、Ru、Ni、Co
から選ばれた少なくとも一つの金属とを含有する触媒。
【0012】(b)100重量部の二酸化マンガンと;
0.1〜30重量部のFe又はCuのいずれか一方の金
属と;0.1〜30重量部のMg、Ca、Sr、Zn、
Y、La、Ce、Pr、Al、Zr、Ti、Ru、N
i、Coから選ばれた少なくとも一つの金属とを含有す
る触媒。
【0013】(c)100重量部の二酸化マンガンと;
0.1〜30重量部のFeと;0.1〜30重量部のC
uとを含有する触媒。
【0014】上記添加金属の添加量は、金属成分とし
て、上記のように0.1〜30重量部、好ましくは1〜
10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。
【0015】このような触媒は、マンガン金属塩と、添
加金属の金属塩とを混合し焼成することによりMnO2
の複合酸化物として得ることができる。例えば純水又は
酸性水にMn金属塩と添加金属の金属塩とを溶解し、こ
れに過剰当量数の(NH4)2CO3溶液を加えて中和し、
生じた沈殿を集め洗浄後、乾燥し、乾燥生成物を焼成炉
で例えば250から500℃で焼成することにより複合
酸化物として得ることができる。金属塩の溶解度を考慮
すると金属塩は硝酸塩であることが望ましい。硝酸塩は
多くの金属塩で水に対する溶解度が高く、また炭酸アン
モニア溶液と中和することにより生成する炭酸塩は水に
不溶あるいは難溶であるので沈殿として濾別することが
できる。さらに炭酸塩中の−CO3は焼成により炭酸ガ
スとして離脱するので、焼成後の複合酸化物中には残存
せず都合がよい。
【0016】本発明の脱臭方法では、ガス燃料の付臭剤
として通常使用されているメルカプタン類及びスルフィ
ド系化合物からなる付臭剤のいずれも、効率よく長期間
にわたって除去することができる。付臭剤として使用さ
れているメルカプタン類(R-SH)としては、例えば
4級ブチルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、
n−プロピルメルカプタン、3-メチル-3-ペンタチオ
ール等がある。スルフィド系化合物(R-S-R)には、
鎖状スルフィド類、環状スルフィド類、鎖状ジメチルス
ルフィド類、鎖状メチルエチルスルフィド、環状テトラ
ヒドロチオフェン等がある。
【0017】本発明で使用する触媒は、80℃以下の温
度下で使用する。好ましくは30℃以下の温度で使用す
る。前記温度範囲以上の場合には、触媒活性が低下し付
臭剤を除去するのが困難となるので好ましくない。触媒
をこのような温度下で使用するには、エンジン冷却水に
よって冷却してもよい。或いは別の冷却装置を用いても
よい。
【0018】触媒は付臭剤を除去できればよくその形態
は特に限定されないが、触媒の表面積を大きくして付臭
剤の除去効率を上げるには、例えばハニカム構造とする
のが好ましい。触媒は、SV値を102〜105-1
使用し、好ましくは102から103-1で使用する。
なおSVとは空間速度(space velocity)のことで、単
位触媒量あたり(あるいは単位有効反応容積あたり)か
つ単位時間当たりのガス供給量のことであり、次元は[h
r-1]である。
【0019】触媒による付臭剤の除去は、燃料ガスが空
気と混合される前に行う方が効率がよい。ミキサーでガ
ス燃料と空気とを混合し、この混合気を吸気ポートから
シリンダ内に導くガスエンジンの場合には、触媒をミキ
サー上流側の燃料通路に配置するのが効率がよく好まし
い。また、ガス燃料と空気とを独立にシリンダに導くタ
イプのガスエンジンでは、ガス燃料をシリンダに供給す
る燃料通路に触媒を配置するのが好ましい態様である。
【0020】
【実施態様の説明】
【0021】図1は、本発明の第1実施態様による脱臭
方法を示すフローチャート図である。この図において、
Aはゼロガバナ、Bは付臭剤を除去する前述の触媒を納
めた付臭剤除去装置、Cはミキサー、Dはエンジン、E
は排気ガス触媒である。燃料ガスはゼロガバナAによっ
て圧力調整された後、付臭剤除去装置Bによって付臭剤
が除かれ、ミキサーCによって空気と混合される。そし
てエンジンD内で燃焼して排気ガスとなり、その後触媒
EによってCO、HC、NOx等が除去され、浄化され
る。
【0022】排ガス触媒Eは、排気ガスを浄化できるも
のであればどのような種類のものを用いてもよく、例え
ば三元触媒、酸化触媒又は還元触媒等を用いることがで
きる。燃料ガスから硫黄化合物である付臭剤を除去して
いない場合には、燃焼室で発生する硫黄酸化物(SO)
が負触媒になるので前記のような排ガス触媒を使用する
ことはできなかったが、本発明のように排ガス触媒の上
流において付臭剤を除去することにより、これら通常の
排ガス触媒を使用することができる。
【0023】三元触媒としては、例えば、Pt/Pd/
Rh系触媒、Pt/Pd系触媒、Pt/Rh系触媒、P
d/Rh系触媒などが使用できる。酸化触媒としては、
例えばゼオライト触媒、Al23触媒、Pt触媒、Pd
触媒、Pt/Pd系触媒、Au系触媒などが挙げられ
る。還元触媒としては、例えばPt/Al23触媒、C
u−ZSM−5触媒、ペブロスカイト系触媒、Au系触
媒などが挙げられる。
【0024】なお、付臭剤除去装置BはゼロガバナAと
ミキサーCとの間(図1の位置a)の代わりに、ミキサ
ーCとエンジンDの間(位置b)あるいはゼロガバナA
上流(位置c)のいずれかに配置してもよい。また以上
の3つの位置の複数に配置してもよい。そして、位置a
又はbに配置する場合には、位置bに配置する場合のよ
うに混合気中の空気によって臭気成分の濃度が低下する
ことがないので、除去の効率がよい。位置a、bあるい
はcのいずれに付臭剤除去装置Bを配置しても、付臭剤
に起因するSOxがエンジンに悪影響することを防止で
きる。また、位置bに配置する場合には付臭剤を検知す
ることにより燃料ガスあるいは混合気の漏れを検知でき
る管路の範囲が長くなるという効果がある。なおさら
に、上流位置a、b、cのいずれかに付臭剤除去装置B
を配置するのに加え、ミキサーC上流の空気吸入通路中
(位置c)にも付臭剤除去装置Bを配置すると、エンジ
ン始動時あるいは停止時など混合気の逆流が起きる場合
に付臭剤を除去できるので、周囲の人に不快感を与えな
い。
【0025】図2は、本発明の第2の実施態様による脱
臭方法を示すフローチャートである。この図において、
Fは熱交換器,Gは刺激臭除去装置を表す。本実施例で
は、燃料ガスは、ゼロガバナAによって圧力を調整され
た後、付臭剤除去装置Bによって付臭剤が除かれ、ミキ
サーCにより空気と混合される。そしてエンジンD内で
燃焼して排気ガスとなり、その後触媒Eによって浄化さ
れる。排気ガスはこの後、熱交換器Fにより冷却され
る。これにより排気管等の熱応力緩和を図ることができ
る。この冷却は、エンジン冷却水によって行うことがで
きる。
【0026】最後に排気ガスは刺激臭除去装置Gに導か
れ、排気ガス中の刺激臭が除去される。排気ガスには、
通常NOx、有機酸等、刺激臭の原因となる酸性物質が
含まれている。本実施態様ではこれを刺激臭削除装置G
により中和・除去する。これら酸性物質を中和・除去す
るには、潮解性アルカリ固体物質(水に溶けるとアルカ
リ性を示す固体)や、アルカリ水溶液、又はそれらを組
み合わせて使用すればよい。
【0027】潮解性アルカリ固体物質としては、例え
ば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ
る。炭酸カルシウムは、方解石、石灰石、サンゴ等を用
いてもよい。また、アルカリ水溶液としては、水酸化カ
リウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カルシ
ウム水溶液、炭酸カルシウム水溶液、炭酸ナトリウム水
溶液等を用いることができる。
【0028】前記アルカリ固体を使用する場合は、粉状
体、球状体、ハニカム形状等、所望の形状で用いればよ
く、粉状体のようにガスの通過により拡散するおそれの
あるものの場合には、フィルター等を適宜使用すればよ
い。一方、水溶液を使用する場合は、当該水溶液中に排
気ガスを直接通すように用いればよい。このような処理
を施すことにより、排気ガスの刺激臭を除去することが
できる。
【0029】次に、本発明のガスエンジンにおける脱臭
装置(付臭剤除去装置)について説明する。図3は本発
明に係る脱臭方法を採用したガスエンジン式空調装置の
一実施例を示す構成図である。図3において、1は水冷
式4サイクル型のガスエンジン、2はこのガスエンジン
1を動力源として構成された空調装置である。ガスエン
ジン1は、ガス燃料送給管3から供給される都市ガス、
プロパンガス等のガス燃料燃料をシリンダ4内で燃焼爆
発させ、排気ガスを排気管5に排出する。エンジンの出
力はクランク軸6に連結された空調装置2の圧縮機13
に伝えられる。
【0030】7はこのガスエンジン1のピストン、8は
吸・排気弁を駆動するための動弁装置、9は点火プラ
グ、10はクランク室に潤滑油を溜めるためのオイルパ
ンである。このオイルパン10に溜められた潤滑油は、
オイルポンプ11により吸い出されてオイルフィルター
12によって異物が除去された後、クランク軸6の軸受
部分や動弁装置9等に供給される。また、このガスエン
ジン1から排出された排気ガスは、排気管5に接続され
た排気熱交換器5aを介して大気中に排出されるように
なっている。
【0031】排気熱交換器5aは後述するエンジン冷却
水によって排気ガスを冷却する構造になっている。ま
た、この排気熱交換器5aにはドレイン水通路5bを介
して中和器5cが接続され、排気熱交換器5a内に溜ま
った酸性のドレイン水が中和器5cで中和された後に排
出されるように構成されている。
【0032】前記ガスエンジン式空調装置2は、フレオ
ン、アンモニア、ハイドロカーボン等の冷媒を圧縮する
圧縮機13と、凝縮器14と、膨張弁15と、蒸発器1
6とからなる冷媒回路を備えている。圧縮機13はエン
ジン1のクランク軸6によって駆動される。冷媒は圧縮
機13によって圧縮されて高圧ガスとなり、凝縮器14
において凝縮液化されて凝縮熱を放熱する。放熱によっ
て液化した冷媒は、膨張弁15において膨張され、一部
がガス化した低圧低温の冷媒となって、蒸発器16にお
いてファン16aにより強制送風される外気から熱を吸
収してこれを冷却する。吸熱によってガス化した冷媒
は、再び圧縮機13に戻って上記のサイクルを繰り返
す。
【0033】ガスエンジン1にガス燃料を供給する燃料
供給装置は、ガス供給管21に接続されたガス元栓22
と、このガス元栓22から流出するガス燃料をガスエン
ジン1に供給するに当たり最適な圧力に減圧させる圧力
調整器(ゼロガバナ)23と、この圧力調整器23と前
記ガス燃料送吸管との間に介装された脱臭装置24とか
ら構成されている。
【0034】ガス元栓22にはガスセンサー26を備え
た緊急ガス遮断装置25が接続され、機関室27内にガ
ス漏れが生じたときには、遮断装置25によりガス元栓
22が閉動作される。ガスセンサー26は機関室27内
であって脱臭装置24の近傍に配設される。このガスセ
ンサーは、赤外線吸収方式、光干渉方式、半導体方式、
熱伝導方式など従来一般に使用されているものを使用で
きる。
【0035】脱臭装置(付臭剤除去装置)24は、内部
がガス燃料通路となる内筒31と、この内筒の外周部を
覆う外筒32とによって二重管構造となっている。そし
て、内筒31内に、ガス燃料中の付臭剤を除去する触媒
33が装填される。触媒33はハニカム構造状に形成さ
れている。内筒31の上流側端部は圧力調整器23に連
通し、下流側端部はガス燃料送吸管3に嵌合固着されて
いる。
【0036】内筒31と外筒32との間の空間には、エ
ンジン冷却水が循環されている。すなわち触媒33はエ
ンジン冷却水によってその外周部からその全周にわたっ
て冷却されることになり、触媒性能の劣化を防止してい
る。これに関連して、ガスエンジン1の冷却系の構成に
ついて以下説明する。
【0037】ガスエンジン1の運転時、ラジエータ35
或いは冷媒との熱交換器である二重管熱交換器90によ
って冷却された冷却水は、まず脱臭装置24に導かれ、
この脱臭装置24を冷却した後に、冷却水ポンプ36に
よってシリンダ4内の冷却水通路4aに供給される。そ
してシリンダ4を冷却した後にサーモスタット37に送
られる。エンジン冷却水は、予め設定した温度よりも低
温であるときには冷却水ポンプ36の吸込口に戻され
る。冷却水が設定温度以上であるときには、排気熱交換
器5a内の冷却通路に送られた後、リニア三方弁91に
おいて分岐或いは切り替えられて、ラジエータ35の入
口あるいはラジエータ35の入口及び二重管熱交換器9
0に戻るようになっている。
【0038】すなわち、エンジン冷却水は、エンジン冷
却水温度がサーモスタット37の設定温度に達するまで
はガスエンジン1内を循環し、設定温度以上になったと
きには、ラジエータ35→脱臭装置24→冷却水ポンプ
36→シリンダ4内→サーモスタット37→排気熱交換
器5a→リニア三方弁91→ラジエータ35あるいは二
重管熱交換器90という循環経路をたどるようになる。
なお、リニア三方弁91は、凝縮器14又は蒸発器16
の負荷が増大するほど二重管熱交換器90へより多くの
温水を流す一方、ラジエータ35への温水量をより減ら
すように調整する。
【0039】このような冷却系により所定温度以下に保
たれた脱臭装置24に、ガス元栓22、圧力調整器23
を介してガス燃料が供給され、ガス燃料中の付臭剤(メ
ルカプタン類及びスルフィド系化合物などの硫黄化合
物)は触媒33により除去されることになる。付臭剤が
除去されたガス燃料は、ミキサ102により空気と混合
される。すなわち、吸気通路100を通りサイレンサ機
能付きエアクリーナ101によって清浄された空気と、
燃料ガスノズル102bから噴射されたガス燃料とが、
ベンチュリー部102aで混合される。この混合ガス
は、スロットル弁102cによって流量調節された後、
吸気通路103を通り、吸気ポート104からガスエン
ジン1のシリンダ4内に流入する。シリンダ4内で燃焼
後の排気ガスは排気管5に排出される。燃焼した燃料ガ
ス中の付臭剤である含硫化合物は脱臭装置24により長
期にわたり除去されるので、排ガス中にはSOxはほと
んど存在しない。このため排ガス中で硫酸などの腐食物
質が発生せず、燃焼室内や排気系の腐食を防止できる
【0040】また燃焼時にシリンダ4とピストン7との
間を吹き抜けたブローバイガス(図3中、矢印Lで示
す)にも、SOx成分はきわめて微量に抑えられてい
る。従って、クランク室内でSOx由来の酸化物が生成
されないので、オイルパン10に溜められた潤滑油が潤
滑先に供給されても、潤滑部を腐食することがない。
【0041】なお図3のガスエンジンでは、全てのガス
燃料が触媒33を通過するように構成したが、ガス燃料
通路を主燃料通路、副燃料通路の2つに分け、主燃料通
路のみに脱臭装置24を介装するようにしてもよい。こ
の場合には、ガスエンジンに供給されるガス燃料中の臭
気成分を全て除去することはできないが、主・副燃料通
路の流量比や、脱臭装置24内の触媒量などを調整する
ことにより、潤滑部の腐食が実用上問題のないレベルま
で低下させることは可能である。また触媒が介在するこ
とにより増大する流路抵抗を軽減するため、副燃料通路
を用いて流路抵抗の軽減をはかることができ、例えばエ
ンジンの過渡応答性を向上させることができる。主・副
燃料通路の流量比を可変にして、必要時のみ副燃料通路
を使用するようにしてもよい。
【0042】
【実施例】脱臭装置に使用する触媒として表1、2に示
す実施例1〜12及び比較例1〜3の触媒を調製し、そ
れぞれについて付臭剤除去維持時間を調べた。
【0043】例えば、実施例1の触媒は以下のように調
製した。純水100mLに50gのMn(NO3)2を溶解
した後、別容器に純水50mLに5gのAl(NO3)2
溶解した液と混合した。この溶液に(NH4)2CO3
4.0g加え、生成した沈殿を濾別し純水25mLで洗
浄した。洗浄生成物を120℃で1時間乾燥した後、電
気炉に入れ300℃で1時間焼成した。このような調製
を10数回行い、500gのペレット状の触媒を得て、
これをガラス管に入れ前後をグラスウールで固定した。
付臭剤を含有する燃料ガスを通過させて、付臭剤除去時
間を調べた。なお表1、2の各欄に記載された数字は、
1回あたりの触媒調製に使用した各金属の硝酸塩の重量
(g)である。添加金属のの硝酸塩が複数ある場合(実
施例9〜12)、いずれの硝酸塩もそれぞれ純水50m
Lに溶解して純水100mLに50gのMn(NO3)2
溶解した液に混合した。(NH4)2CO3はいずれも4g
使用した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】燃料ガスとしてプロパン(C38)を使用
した。付臭剤として、TBM(t−ブチルメルカプタ
ン)を 1.0 ppm、DMS(ジメチルスルフィド)を 0.
5 ppmを添加し、各実施例、比較例の触媒を詰めたガラ
ス管に流した。触媒はいずれも多孔質の凝集物である。
ガス流量はSV値104-1であり、そのときの温度は
室温であり18から25℃であった。触媒通過後の燃料
ガスのTBMが 0.1 ppm、DMSが 0.1 ppm 以下を維
持している時間をガスクロマトグラフィで調べた。なお
この濃度は、燃焼後の排気ガスにおいて付臭剤の臭気が
感じられなくなる程度の濃度であり、またエンジン内の
排気系や潤滑部に腐食の問題を与えない程度の濃度であ
る。ガスクロマトグラフィの検出系にはFPD(フレー
ム光度検出器)を使用した。結果を表1、2の最下欄に
示す。
【0047】MnO2系触媒である比較例1では付臭剤
除去時間は150時間であったが、これに各金属を添加
した複合酸化物触媒(実施例1〜9)では、いずれも2
50時間から450時間と、付臭剤を効果的に除去でき
る時間が2、3倍に増大していた。銅あるいは鉄を添加
したMn−Fe系触媒又はMn−Cu系触媒(比較例
2、3)の場合には、Mn単独の酸化物触媒(比較例
1)よりも付臭剤除去時間は改善されているが、それで
も200時間までにしか延長されなかった。これに対し
て、Mn−Fe系触媒又はMn−Cu系触媒にさらに他
の金属を添加した実施例9〜12では400から450
時間と大幅な付臭剤除去時間の改善が見られた。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明の燃料ガス脱臭方法
は、Mn系触媒、Mn−Fe系触媒又はMn−Cu系触
媒のいずれかを主成分とし、添加金属としてMg、C
a、Sr、Zn、Y、La、Ce、Pr、Al、Zr、
Ti、Ru、Ni、Coから選ばれた少なくとも一つの
金属を含有させた触媒を用いたものであり、ガス燃料中
の臭気成分を長期に安定して除去することができる。従
って、ガスエンジンの燃焼室、排気通路及び潤滑部の腐
食されることがない。また負触媒となるSOxの発生を
微量にできるので、三元触媒や酸化触媒を用いた排ガス
浄化が可能になる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様の脱臭方法を示す概念
図である。
【図2】本発明の第2の実施態様の脱臭方法を示す概念
図である。
【図3】本発明の脱臭方法を適用したガスエンジン式空
調装置の一実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
A ゼロガバナ(圧力調整器) B 付臭剤除去装置 C ミキサー D エンジン E 排気ガス触媒 F 熱交換器 G 刺激臭除去装置 1 ガスエンジン 3 ガス燃料送吸管 24 脱臭装置 33 触媒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn系触媒、Mn−Fe系触媒又はMn
    −Cu系触媒のいずれかを主成分とし、添加金属として
    Mg、Ca、Sr、Zn、Y、La、Ce、Pr、A
    l、Zr、Ti、Ru、Ni、Coから選ばれた少なく
    とも一つの金属を含有させた触媒を用いて、ガス燃料中
    に添加された臭気成分を除去することを特徴とする燃料
    ガス脱臭方法。
  2. 【請求項2】 ガス燃料中に添加された前記臭気成分
    が、メルカプタン類或いはスルフィド系化合物からなる
    付臭剤であることを特徴とする請求項1記載の燃料ガス
    脱臭方法。
  3. 【請求項3】 前記ガスエンジンはガス燃料と空気とを
    混合するミキサーを有しこのミキサーで混合された混合
    気を吸気ポートからシリンダ内に導くガスエンジンであ
    り、前記触媒を前記ミキサーの上流側の燃料通路あるい
    はミキサーと吸気ポートの間の混合気が流れる吸気通路
    に配置することにより前記臭気成分を除去することを特
    徴とする請求項1記載の燃料ガス脱臭方法。
  4. 【請求項4】 前記ガスエンジンはガス燃料と空気とを
    独立にシリンダに導くエンジンであり、前記ガス燃料を
    シリンダに供給する燃料通路に前記触媒を配置すること
    により前記臭気成分を除去することを特徴とする請求項
    1記載の燃料ガス脱臭方法。
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