JPH09271441A - パイプレール用摺動フック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レールを強度の高いパイプで形成し、このパ
イプレールに回動自在に当接する複数のボールをフック
本体に取付けて、多数のフックをパイプレールに掛けて
も滑らかに左右に摺動することができる。 【解決手段】 フック本体２の上部に、パイプレール３
を掛ける円弧状のパイプ引掛部４を設け、このパイプ引
掛部４の下部側方に、これに連通するパイプ挿入孔５を
開孔し、前記パイプ引掛部４の内周に沿って間隔をおい
て複数個のステンレスボール10を、その一部が内周に突
設するように回転自在に取付け、且つフック本体２の下
部に丸孔状の引掛孔11を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はパイプレールに引っ
掛ける摺動フックに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に葉たばこを乾燥させる場合、ロー
プの両端に、針金を折曲して形成したフックを取付け、
この両フックを乾燥室内に平行に配置したパイプに引っ
掛けてロープを横に渡して、ここに葉たばこを吊して乾
燥させている、この乾燥過程で、乾燥状態を均一にする
ために、数日毎にフックをずらせて吊した葉たばこの間
隔を変えている。この場合、多数のフックをパイプ上を
滑らせて移動させているが、葉たばこを吊して重くなっ
ている針金製のフックが滑らかに滑らず重労働となって
いた。

【０００３】またカーテンのレールは金属板をチャンネ
ル状に折曲し、ここにカーテンランナーを取付けて、ラ
ンナーに接続したフックにカーテンを吊すようになって
いる。しかしながらカーテンが厚く長いと重量が重いた
め、チャンネル状のカーテンレールが変形してカーテン
ランナーが滑らず、カーテンを滑らかに開閉できない問
題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を除
去し、レールを強度の高いパイプで形成し、多数のフッ
クを掛けても滑らかに摺動できるパイプレール用摺動フ
ックを提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
パイプレール用摺動フックは、フック本体の上部にパイ
プレールに掛ける円弧状のパイプ引掛部を設け、このパ
イプ引掛部の下部側方に、これに連通するパイプ挿入孔
を開孔し、前記パイプ引掛部の内周に沿って間隔をおい
て複数個のボールを、その一部が内周に突設するように
回転自在に取付け、且つフック本体の下部に取付部を設
けたことを特徴とするもので、パイプレールの任意の所
で着脱することができる。

【０００６】更に請求項２記載のパイプレール用摺動フ
ックは、フック本体の上部にパイプレールに掛けるリン
グ状または円弧状のパイプ引掛部を設け、このパイプ引
掛部の内周に沿って間隔をおいて複数個のボールを、そ
の一部が内周に突設するように回転自在に取付け、且つ
フック本体の下部に取付部を設けたことを特徴とするも
ので、パイプレールの端部から挿入して取り付けるよう
になっている。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図１
および図２を参照して詳細に説明する。図において１は
パイプレール用摺動フックで、これは例えばポリアセタ
ールやナイロンなどのプラスチックで形成されたフック
本体２の上部に、パイプレール３を挿入する円弧状のパ
イプ引掛部４が形成され、このパイプ引掛部４の下部側
方に、これに連通するパイプ挿入孔５を開孔し、ここか
らパイプレール３を挿入してパイプ引掛部４に支持する
ようになっている。またフック本体２の内部構造は図２
に示すように、内部に補強リブ６を設けた中空状の二つ
割り構造になっており、これを組合せてボス７を溶着ま
たはネジ止めして一体に接合するようになっている。

【０００８】また前記パイプ引掛部４の内周は、これに
沿って間隔をおいて球体を一部切欠した形状をなす３個
のボール保持溝９…が間隔をおいて形成され、ここにス
テンレスボール10が回動自在に支持され、その一部が内
周に突設するように取付けられている。またフック本体
２の下部には取付部となる丸孔の引掛孔11が開孔されて
いる。

【０００９】上記構成のパイプレール用摺動フック１
は、壁に取付けた図示しない取付金具にパイプレール３
の両端を固定して支持する。次にパイプレール用摺動フ
ック１を手に持ってパイプレール３をパイプ挿入孔５か
ら挿入し、上部のパイプ引掛部４に掛けて吊す。このよ
うにしてから丸孔状の引掛孔11に洋服ハンガーのフック
や吊具のフックを通して引っ掛けて吊すようになってい
る。

【００１０】従って、重いものを吊した多数のフックを
パイプレール３に掛けた状態でも、パイプ引掛部４の内
周に一部突設させたステンレスボール10が、パイプレー
ル３の外周に当接しながらボール保持溝９内で回転する
ので、抵抗が少なく滑らかにパイプレール３に沿って左
右に摺動させることができる。またパイプ挿入孔５はパ
イプ引掛部４の下部に連通して側方に開孔されているの
で、パイプレール３への挿入や取外しが容易であり、ま
たパイプレール３上を走行する時に前後に揺らせても外
れを防止することができる。

【００１１】図３は本発明の他の実施の形態を示すもの
で、２個のパイプレール用摺動フック１、１を平行に配
置した３本の連結棒13…で一体に連結し、下部側の太い
連結棒13を取付部としたものである。この摺動フック１
は、間隔をおいて配置した２本のパイプレール３、３に
掛けてパイプ引掛部４、４で支持させてから、ロープ14
の両端を、針金で形成した吊りフック15、15に結んで、
これを摺動フック１の連結棒13に掛けて、複数本のロー
プ14…をパイプレール３と直交して架ける。次にロープ
14…に葉たばこ16を吊り下げて乾燥させる。乾燥状態を
均一にするために、数日毎にパイプレール用摺動フック
１、１を手で押すことにより、連結棒13に支持した複数
の吊りフック15…に取付けた葉たばこ16を同時に円滑に
移動させることができる。

【００１２】またこの連結棒13…で２個のパイプレール
用摺動フック１、１を一体連結したものは、上部の２本
の連結棒13、13を取っ手としてここを手で持つことがで
きるので、ハンガーホルダーとしても使用できる。例え
ば多数の洋服を吊した洋服ハンガーを連結棒13に掛け
て、そのまま運搬できると共に、パイプレール３に着脱
できるので、商品の運搬や管理、展示も容易に行なうこ
とができる。

【００１３】図４は本発明の他の実施の形態を示すもの
で、フック本体２の下部側のパイプ挿入孔５と反対の背
面側に、取付部となる斜めの引掛溝17を形成したもので
ある。この構造ではロープ14の端部をループ状に結んだ
ものをそのまま引掛溝17に掛けることができる。

【００１４】図５は本発明の異なる他の実施の形態を示
すもので、四角枠状の吊下げ部18の上部に円板部19をプ
ラスチックで一体に形成し、この円板部19をフック本体
２の下部に設けた中空円筒状の保持溝20内に回動自在に
取付けたものである。この構造では、洋服ハンガーなど
のフックを四角枠状の吊下げ部18に引っ掛けて吊すと、
洋服ハンガーは水平方向に自由に回転できると共に、パ
イプレール３に沿って同時に多数の洋服を滑らかに移動
できるので、洋服店や縫製工場、クリーニング店など多
数の洋服を吊り下げておく場所で使用すると便利であ
る。

【００１５】図６は本発明の異なる他の実施の形態を示
すもので、フック本体２の下部に洋服ハンガー21を一体
に形成したものである。この構造は、洋服をパイプレー
ル用摺動フック１に直接、吊り下げることができる。

【００１６】図７は本発明の異なる他の実施の形態を示
すもので、フック本体２の上部にパイプレール３に掛け
るリング状のパイプ引掛部４を設け、このパイプ引掛部
４の内周に沿って間隔をおいて３数個のステンレスボー
ル10を、その一部が内周に突設するように回転自在に取
付けると共に、フック本体２の下部に取付部となる丸孔
の引掛孔11が開孔されている。

【００１７】この構造は建設現場で足場パイプを組む時
に、横パイプの端部からパイプレール用摺動フック１の
リング状のパイプ引掛部４を挿入して、予め取付けてお
く。高所で作業する場合、作業者の体に取付けた安全ロ
ープ22の開閉フック23を、パイプレール３となる横パイ
プに、予め取付けてあるパイプレール用摺動フック１の
引掛孔11に着脱自在に取付けることにより、体を保持し
て落下事故を防止することができる。この場合、摺動フ
ック１の移動範囲は縦パイプのピッチ間隔となるが、更
に移動する時には開閉フック23を取外し、別の横パイプ
に取付けられている摺動フック１に開閉フック23を取付
ける。

【００１８】またこのパイプレール用摺動フック１を小
形に作成してカーテンランナーとし、パイプレール３を
直径が20〜30mm程度のパイプを用いてこれをカーテンレ
ールとすれば、重いカーテンを吊しても撓むことがな
く、滑らかに移動できるのでカーテンの開閉が容易であ
る。

【００１９】図８および図９はカーテンランナーとして
使用した場合を示すものである。これは窓の上の天井24
にパイプレール３を取付ける。このパイプレール３は、
所定の間隔で上面にビス孔25…が開孔され、この下方に
ドライバー挿入孔26…が夫々開孔されている。先ずビス
27をドライバー挿入孔26からビス孔25を通して突出させ
てから、ドライバー28を差し込んでビス27を天井24に固
定し、パイプレール３を水平に取付ける。

【００２０】図９はカーテンランナー30で、フック本体
２の上部にパイプレール３に掛ける円弧状のパイプ引掛
部４を設け、このパイプ引掛部４の内周に沿って間隔を
おいて３個のステンレスボール10を、その一部が内周に
突設するように回転自在に取付けると共に、フック本体
２の下部に丸孔の引掛孔11が開孔されている。

【００２１】このカーテンランナー30はパイプレール３
の端部から、パイプ引掛部４を挿入してスライドさせ、
カーテンに取付けた針金フック31を引掛孔11に通して吊
り下げる。この構造では、従来の金属板をチャンネル状
に折曲したカーテンレールに比べ、レールがパイプで形
成されているので強度が高い。またカーテンランナー30
はパイプレール３を囲むように通してあるので重いカー
テンを吊しても撓むことがなく、しかもステンレスボー
ル10により滑らかに移動できるのでカーテンの開閉が容
易である。

【００２２】またこの構造では、パイプレール３は直状
に限らず波形や段違い、または円形に設置してもカーテ
ンランナー30が移動できるので、カーテンに限らず、デ
ィスプレーの背面装飾や、パーティー会場のテーブルの
縁に沿って側面を覆うテーブルクロスの取付けにも利用
することができる。

【００２３】なお上記説明ではステンレスボール10を用
いた場合について示したが、ナイロンやテフロン、ポリ
アセタール、ポリアミド樹脂などプラスチックで形成し
たボールを用いても良い。またパイプ引掛部４の内周に
取付けるボールの数は２個以上複数個であれば良い。

【００２４】

【発明の効果】以上説明した如く本発明に係るパイプレ
ール用摺動フックによれば、レールを強度の高いパイプ
で形成し、このパイプレールの外周に回動自在に当接す
る複数のボールがフック本体に取付けられているので、
多数のフックをパイプレールに掛けても滑らかに左右に
摺動させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態によるパイプレール用摺
動フックの側面図である。

【図２】図１に示すパイプレール用摺動フックの断面図
である。

【図３】図１に示すパイプレール用摺動フックを２個連
結した状態を示す斜視図である。

【図４】本発明の他の実施の形態による引掛溝を設けた
パイプレール用摺動フックの側面図である。

【図５】本発明の他の実施の形態による四角枠状の吊下
げ部を部分的に破断して示したパイプレール用摺動フッ
クの側面図である。

【図６】本発明の他の実施の形態による洋服ハンガーを
形成したパイプレール用摺動フックの側面図である。

【図７】本発明の他の実施の形態による足場パイプに安
全ロープを取付けるパイプレール用摺動フックの側面図
である。

【図８】本発明の他の実施の形態によるカーテンレール
となるパイプレールを天井に取付けている状態を示す断
面図である。

【図９】図８のカーテンレールに本発明の他の実施の形
態によるカーテンランナーを取付けた状態を示す側面図
である。

【符合の説明】

１ パイプレール用摺動フック ２ フック本体 ３ パイプレール ４ パイプ引掛部 ５ パイプ挿入孔 ９ ボール保持溝 10 ステンレスボール 11 引掛孔 13 連結棒 15 吊りフック 17 引掛溝 18 吊下げ部 21 洋服ハンガー 22 安全ロープ 24 天井 25 ビス孔 27 ビス 28 ドライバー 30 カーテンランナー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フック本体の上部に、パイプレールに掛
   ける円弧状のパイプ引掛部を設け、このパイプ引掛部の
   下部側方に、これに連通するパイプ挿入孔を開孔し、前
   記パイプ引掛部の内周に沿って間隔をおいて複数個のボ
   ールを、その一部が内周に突設するように回転自在に取
   付け、且つフック本体の下部に取付部を設けたことを特
   徴とするパイプレール用摺動フック。
2. 【請求項２】 フック本体の上部にパイプレールに掛け
   るリング状または円弧状のパイプ引掛部を設け、このパ
   イプ引掛部の内周に沿って間隔をおいて複数個のボール
   を、その一部が内周に突設するように回転自在に取付
   け、且つフック本体の下部に取付部を設けたことを特徴
   とするパイプレール用摺動フック。