JPH09270568A - 多重波長発振レーザ - Google Patents

多重波長発振レーザ

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JPH09270568A
JPH09270568A JP10426396A JP10426396A JPH09270568A JP H09270568 A JPH09270568 A JP H09270568A JP 10426396 A JP10426396 A JP 10426396A JP 10426396 A JP10426396 A JP 10426396A JP H09270568 A JPH09270568 A JP H09270568A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各波長を正確に制御しながら、多波長を同時に
一つの素子で発振させるレーザ素子であって、波長分割
多重通信分野で使用される実験用および評価用光源であ
る。 【構成】本発明の多重波長発振レーザは,発光領域2と
2個以上の同じ回折格子とそれと交互に配置された複数
の同じ平坦部とを有する導波路を含む反射領域3とを有
し、回折格子の実効的光学長とは無関係に、複数の平坦
部の実効的光学長をそれぞれ一様に制御する平坦部屈折
率制御手段4とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】このレーザは 各波長を正確に制
御しながら、多波長を同時に1つの素子で発振させるレ
ーザ素子であって、波長分割多重(Wavelength Divisio
n Multiplexing 以下、WDMという。)通信分野で使
用される、実験および評価用の光源である。主として分
波器の評価など、波長ごとに異なる変調をかけることを
しない光源としての実験や装置の性能評価などに用いら
れる。また、物質の吸収線周波数に限定される周波数基
準光を所望の周波数で得ることができる周波数間隔の可
変な光周波数コム発生器としても用いられる。
【従来の技術】
【0002】通信の大容量化に伴い、WDM通信が注目
されてきており、この分野で使用できる任意の波長間隔
で発振する多重波長発振レーザが求められている。WD
M通信では波長間隔を狭くするほど通信容量は増える
が、分波が難しくなるため波長を用途別に最適化するこ
とが望ましい。
【0003】これまでは、主として波長可変の単一波長
発振レーザが研究されてきた。従来は波長ごとに異なる
変調をかけることが常に必要と考えられ、一波長一素子
が当然と思われていたためであり、波長を任意に設定で
きるレーザを複数個用いて波長多重光を得てきている。
WDMでは波長帯域が広いほど大容量通信が可能になる
ため、様々な手法で波長可変幅の拡大が図られた。その
なかでも複数の波長を反射する反射器を2つ組合せて二
つの反射器に共通する反射波長で発振させる方式のレー
ザは、二つの反射器の等価屈折率をそれぞれ一様に制御
することでバーニア効果を利用した広帯域波長可変特性
を実現した。
【0004】このような複数の反射波長を有する反射器
としては、サンプルドグレーティングと呼ばれるものが
まず提案された(Vijaysekhar Jayaraman 他 IEEE Jour
nalof Quantum Electronics Vol.29 No.6(1993年)P.18
24)。半導体光導波路で用いられる反射器は通常、ある
特定のピッチΛ0 で導波路内にコラゲーション状の波形
の凹凸(以下、回折格子、またはグレーティングと呼
ぶ)を設け、ピッチΛ0と導波路の等価屈折率neffとの
積で決定される関係
【0005】
【数1】
【0006】で光の選択的な反射が生じる。ここではm
は自然数であるが、簡単のためにm=1の場合について
議論する。これに対しサンプルドグレーティングは、図
1中の反射領域内に示すようにある周期ΛSを持って回
折格子のある部分とない部分とを繰り返すものであり、
回折格子の長さLB と平坦部の長さLF とはどの部分で
も等しい。この構造では、上記波長λB を中心に波長間
【0007】
【数2】
【0008】で複数の反射波長が得られる。サンプルド
グレーティングを用いた反射器の反射特性を図12に模
式的に示す。縦軸は光強度であり、横軸は反射波長であ
る。
【0009】さらに、回折格子のピッチを連続的に変化
させそれを周期ΛSで繰り返す超周期構造も提案されて
いる(Yuichi Tohmori他 IEEE Journal of Quantum El
ectronics Vol.29 No.6 (1993 年)P.1817 )。
【0010】単一波長の波長可変レーザに複数の反射波
長を有する反射器を用いる場合、波長を変化させるため
に導波路に電流注入経路を設け、導波路内のキャリア密
度の変化が誘き起こす屈折率変化(プラズマ効果)を利
用するのが一般的である。また、導波路の近傍にヒータ
を形成し、屈折率の温度依存性を利用して波長を変化さ
せることも行われている(森 他 信学技報 OPE9
4−112)。
【発明が解決しようとする課題】
【0011】しかし、WDM通信分野で使用される分波
器等の評価には、必ずしも波長別に異なる変調をかける
必要がない。むしろ、単一波長発振レーザより中心波長
と波長間隔とを正確に制御した多波長同時発振レーザの
方がレーザ素子が1個で済むので有利である。
【0012】しかしながら、これまで、単純なマルチモ
ードで発振するレーザでなく中心波長と波長間隔とをナ
ノメートル(10-9m)以下の精度で制御できる多重波
長発振レーザは、実現されていなかった。一方、単一波
長の波長可変レーザに使用されていた複数の反射波長を
持つ反射器は、このような反射器を2つ組み合わせて波
長可変動作を行っていたため、反射器全体にわたるキャ
リア注入や温度制御によってしか波長を変えることがで
きず、多波長同時発振レーザに用いると中心反射波長λ
B と波長間隔△λが常に同時に変化してしまうという問
題が生じていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に図1に示す多重波長発振レーザを開発した。すなわ
ち、所望の中心波長と波長間隔で多重波長発振するレー
ザを得るために、電流注入手段5及び活性層21とを含
む発光領域2と、2個以上の同じ回折格子とそれと交互
に配置された複数の同じ平坦部とを有する導波路を含む
反射領域3とを半導体基板1の上に形成した構造とし
た。すなわち反射領域3は、導波路32の内部に回折格
子31と回折格子のない平坦部33と交互に配置された
サンプルドグレーティングの構造にする。なお、以下導
波路とは、活性層を除いた部分として定義する。
【0014】そして、本発明では反射領域3に、平坦部
33の屈折率のみを制御する平坦部屈折率制御手段4を
形成する。この平坦部屈折率制御手段4によって平坦部
33の長さを実効的に可変とし、式2のサンプリング周
期ΛSが回折格子31のピッチΛ0 と無関係に制御可能
となって波長間隔が制御される。なお、平坦部の屈折率
を変化させる平坦部屈折率制御手段4としては所望の部
分にのみ電流を注入する電極であってもよいし、局所的
に加熱するヒータなどであってもよい。
【0015】さらに、本発明では中心波長も波長間隔と
独立に制御することが可能であり、この場合には、反射
領域3に、回折格子31のある部分の屈折率のみを平坦
部33とは無関係に制御する回折格子屈折率制御手段8
を備える(図1においては図示せず。)。
【0016】なお、本発明の説明における平坦部33と
は光の屈折率が実質的に一様であることをいい、導波路
32の実効的屈折率分布が波形、すなわち周期的に変化
する回折格子31の部分に対して、屈折率がほぼ一様と
見なせる部分のことを指すのであり、機械的な意味で厳
密に平坦であることは必ずしも必要ではない。
【0017】
【作用】次に、図2と図3を用いて本発明の作用を説明
する。図2は、図1の構造における素子のそれぞれの部
分の長さを示した図であり、図2で数値と図面上の長さ
とは正確には一致していない。図3は、本素子の反射特
性スペクトルを示した図である。2個以上の同じ回折格
子31と、それと交互に配置された複数の同じ平坦部3
3とを有する反射領域3は、図3に示すような反射特性
スペクトルを持つ。図3の縦軸は反射率、横軸は光の波
長(単位はミクロン)である。計算に用いた結合係数
κ、導波路損失α、サンプリング周期ΛS、回折格子の
長さLB、反射領域3の長さL、導波路の等価屈折率n
eff、回折格子のピッチΛ0はそれぞれ、以下の値とな
る。結合係数κ=100cm-1、導波路損失α=5cm-1
サンプリング周期ΛS =50μm、回折格子の長さLB
=5μm、反射領域3の長さL=500μm、導波路の
等価屈折率neff=3.28、回折格子のピッチΛ0=2
36.3nmである。この場合、図3に示すように約
7.3nm間隔で複数の波長が反射された。
【0018】図3に反射特性スペクトルを示した構造は
回折格子31が10回繰り返して形成されているもので
あるが、回折格子31の繰り返し回数が少ないと反射す
べき波長とそうでない波長との反射率の差が小さくな
り、十分な効果が得にくくなる。反射率は上に述べた結
合係数κや導波路損失αなど多数の物理量に依存してい
るため、回折格子31の繰り返し回数の最小値も一概に
は決定できないが、以下にいくつかの計算例を挙げて説
明する。また、反射領域3の長さLが短くなり反射率が
低下すると、反射領域3の端面の影響が生じて反射特性
スペクトルが劣化するが、以下の議論は反射領域3の端
面の反射率を無視して計算した結果に基づく。
【0019】図4は先に示したのと同じ数値を用い、反
射領域3の長さLを200μmとし、回折格子31の繰
り返し回数を4回とした場合の反射領域3の反射特性ス
ペクトルを示した図である。他の値は図3に示した場合
と同じである。図4からは反射すべき波長の反射率がそ
うでない波長の反射率に近づいて、波長選択性が劣化し
ていることがわかる。
【0020】図5は反射領域3の長さLを図3と同様に
100μmとし、回折格子31の繰り返しを2回とした
場合の反射領域3の反射特性スペクトルを示した図であ
る。この場合も他の値は図3の場合と同様である。図5
をみると本発明で想定している用途には使用できるとは
言いがたくも見えるが、反射率の低下は回折格子31の
結合係数κを大きくすることで一部補うことが可能であ
る。
【0021】図6は回折格子31の繰り返しが2回で、
結合係数κを200cm-1にした場合の反射領域3の反
射特性スペクトルを示した図である。反射領域3の長さ
Lは図3と同様100μmである。図6を見ると反射率
の向上が図れたことがわかる。ただし、各反射ピークの
半値幅は図3のそれに比べて広くなっており、共振器長
が長く縦モード間隔が狭い場合には各反射ピークの中で
複数のモードが同時発振してしまう可能性が高く、使用
には注意を要するが、この場合も本発明が想定している
用途に使用できなくもない。
【0022】図7は回折格子31の繰り返しが1回のみ
で、結合係数κを200cm-1にした場合の反射領域3
の反射特性スペクトルを示した図である。また、反射領
域3の長さLは50μmとした。図7からわかるように
実際上の使用は困難である。
【0023】以上は回折格子31の繰り返し回数と結合
係数κを変化させた場合の作用の変化に関する例である
が、この他にも回折格子31の長さLB と平坦部の長さ
Fとの比を変えれば各反射波長の反射率ピークの包絡
線が変化する。すなわちサンプリング周期ΛS に占める
回折格子31の長さLB の比率を大きくすれば、反射率
の分布は中心波長の近傍に集中し、発振波長は中心波長
近傍に限られる。
【0024】このような特性を有する反射領域3に、回
折格子31のない平坦部33のみの屈折率を制御する平
坦部屈折率制御手段4を備えることで、中心波長とは無
関係に波長間隔が制御可能な多重波長発振レーザが得ら
れる。
【0025】
【実施例】本発明を実施した素子の例を図1を用いて説
明する。なお、詳しい作製手順は後述する。図1は本発
明の素子を活性層21および導波路32の位置で割った
断面図を表している。素子はp型InPからなる半導体
基板1上にバンドギャップ波長1.55μmのInGa
AsP活性層21と同1.3μmのInGaAsPから
なるガイド層を同一平面上にバットジョイント形成す
る。そして、活性層とガイド層の上面にはn型InPか
らなるクラッド層7を成長させる。このクラッド層7は
電流狭窄を行うとともに、光の横方向に対する閉じ込め
のための埋込構造を備えている。図示しないが活性層2
1と、ガイド層からなる導波路32とは上下左右をIn
Pからなるクラッドにより囲まれ、埋込型半導体レーザ
となる。活性層21を有する領域を発光領域2とし、そ
れと結合したガイド層からなる導波路32を有する領域
を反射領域3とする。導波路32にはピッチ約240n
mの回折格子31が長さ5μmにわたって形成され、こ
れと長さ50μmの平坦部33とが交互に繰り返されて
サンプルドグレーティングを形成する。反射領域3の長
さLを500μmとした場合の反射率を図3に示す。こ
の場合の反射波長間隔は約7nmである。平坦部屈折率
制御手段4である電極が注入する電流によって引き起こ
される電流注入部分の屈折率変化は約1%である。な
お、この例では、中心波長を制御する手段である回折格
子屈折率制御手段8は備わっていないが、半導体レーザ
では通常ペルチェ効果等を利用したクーラ素子上のヒー
トシンクを介してマウントされることが多く、クーラ素
子の制御温度を変えることで波長を全体的にシフトさせ
ることは可能である。
【0026】平坦部屈折率制御手段4による波長間隔の
制御に加えて、それとは無関係に中心波長も制御する素
子の例を図8及び図9に示す。図8は素子の斜視図であ
る。また図9は活性層21および導波路32の位置で割
った断面図を表している。図8及び図9に示す例では、
回折格子31のある部分の導波路32にのみ電流を一様
に注入する回折格子屈折率制御手段8である電極を形成
する。回折格子31の実効的ピッチは屈折率によって決
まるため、領域内の位置によって屈折率にばらつきがあ
ると中心波長が制御できなくなるので、電流注入は一様
になる必要がある。平坦部屈折率制御手段4である電極
との分離抵抗は大きいほど良いので、エッチングやプロ
トン打ち込みなどによる高抵抗化が望ましい。エッチン
グによる分離抵抗の増大はエッチング深さを深くするほ
ど効果があるが、導波路まで届いてしまうと共振器内に
望ましくない反射を引き起こすので、クラッド層の厚さ
及び導波路の光閉じ込め特性とを勘案して最適値を決定
しなければならない。中心波長が可変となることで、ク
ーラ素子に頼らなくても波長の絶対値を所望の値に制御
することができる。すなわち、クーラ素子による波長制
御の欠点であるクーラ素子の消費電力の増大や、半導体
レーザの活性層21の温度上昇により素子特性が劣化し
たりするという問題は発生せず、積極的には中心波長を
高速に変化させることができるという利点がある。クー
ラ素子による波長変化は通常1秒前後ろかかるのに対
し、回折格子屈折率制御手段8にヒータを使用した場合
で数ミリ秒程度、電流注入による場合には1マイクロ秒
以下という高速応答が可能となる。
【0027】上記の実施例はいずれも平坦部屈折率制御
手段4および回折格子屈折率制御手段8として電流注入
のための電極を設けたものであり、屈折率は導波路内の
キャリア密度の変化によるプラズマ効果によって制御さ
れる。しかし導波路32の屈折率制御方法はこれに限ら
ず、他にも逆方向電圧による電気光学効果や歪による音
響光学効果、磁場によるファラデー効果、温度による熱
膨張利用などがある。以上の方法の中でも特に屈折率が
温度依存性を有することを利用した方法が最も大きな屈
折率変化を期待できる。特に導波路32の近傍に加熱用
ヒータを形成すれば、発光領域2への熱の流入を抑えな
がら効率よく反射領域3に備えられた導波路32の温度
を制御することが可能である。
【0028】ヒータによる屈折率制御を実施した例を図
10及び図11に掲げる。図10は素子の斜視図であ
る。また図11は活性層21および導波路32の位置で
割った断面図を表している。この例では、導波路32を
絶縁膜10を介してヒータ9により一様に加熱して回折
格子31のある部分と平坦部33との屈折率を一様に制
御し、これに加えて回折格子31のある部分の上部にの
みに電極を設け、電流注入して屈折率変化を相殺するよ
うになっている。温度が上がれば屈折率は大きくなる
が、電流注入によってキャリア濃度が上がると屈折率は
逆に小さくなるので、両者を組み合わせることで回折格
子31の部分と平坦部33の部分との屈折率制御が個別
に可変でき中心波長と波長間隔の独立制御が可能とな
る。
【0029】この例以外にも、やはり反射領域3を一様
に加熱し、平坦部33の上部にのみ電極を設け、電流を
注入して波長間隔の制御を電流で行う方法ももちろん可
能である。
【0030】さらに平坦部33の長さがある程度長けれ
ば、平坦部33のみを加熱することも可能である。ま
た、いずれの実施例においても、発光領域2と反射領域
3の他に位相制御領域を設けることも考えられる。位相
制御領域は通常平坦な屈折率分布を持つ導波路を有し、
導波路の屈折率を変えることで実効的光学長を変化さ
せ、所望の波長の光が共振条件を満足するように光の位
相を制御する。本発明においても、反射波長と内部縦モ
ードとの位相整合を図ることで、より安定な多重波長レ
ーザ発振が得られる。
【0031】実際の素子の作製方法を、図1の素子を例
に説明する。p型InPからなる半導体基板1上にバン
ドギャップ波長1.55μmのInGaAsPからなる
活性層21を厚さ150nm成長させる。次いでSiO
2 膜を発光領域2となる部分の上面にのみ形成し、露出
した他の領域の活性層はエッチングによって除去する。
その後レジストを塗布し、2光束干渉露光法によりレジ
ストを240nmピッチの縞状に露光する。続けて回折
格子を残す部分のみを覆うマスクを用いて露光し、現像
する。この残留レジストをエッチングマスクとしてエッ
チングする事で、回折格子31のある部分とない平坦部
33とが交互に連続するサンプルドグレーティングが形
成される。
【0032】次にバンドギャップ波長1.3μmのIn
GaAsPのガイド層を厚さ250nmで成長させ、活
性層21とバットジョイント接合を形成する。
【0033】この後で発光領域2に残ったSiO2膜を
除去し、全面にn型InPを厚さ約2μm成長させる。
【0034】次いで導波路32となる部分にストライプ
状にSiO2膜を形成して、これをエッチングマスクに
メサ状のエッチングを行う。
【0035】メサ形成後、n型InPをメサ側面の活性
層露出部に達するまで成長させ、続けてp型InPをメ
サ上部と平坦になるまで成長させる。その後、導波路ス
トライプ上に残っているSiO2膜を除去する。
【0036】次いでAuを主体としGeをドープした金
属電極を、発光領域2の上面及び反射領域3の上面に蒸
着により形成する。発光領域2の上面に形成された電極
は電流注入手段5となる。反射領域3の上の電極は、平
坦部33の部分の導波路32の上部にのみ形成し、互い
に等しい屈折率変化を得るような形状にする。例えば櫛
形の状態に電極を配置した櫛型電極と呼ばれる形状がそ
れである。図1に示す実施例では、平坦部33の屈折率
のみを変化させる例で説明しており、平坦部屈折率制御
手段4として電極を設けている。なお中心波長をも制御
するために回折格子屈折率制御手段8も同時に設けた例
が上述した図8及び図9に示した実施例である。この例
では、回折格子屈折率制御手段8と平坦部屈折率制御手
段4として櫛型電極が設けられている。この場合、各電
極間はエッチングやプロトン打ち込みなどにより高抵抗
化されていることが望まれる。
【0037】半導体基板1側、すなわち、素子の底面側
は厚さ100μm程度に研磨し、Auを主体としZnを
ドープした半導体基板側電極11を蒸着により形成す
る。素子はへき開によりチップ化されるが、その端面を
へき開した状態のままにしておく場合と、端面に誘電体
多層膜による低反射コート、あるいは高反射コートを施
す場合もある。反射領域3中の回折格子31の繰り返し
回数が少ない場合は、発光領域2が存在しない側の端
面、すなわち後端面による反射の影響が出やすいため、
この端面を低反射コートした方がよい。また発光領域2
側の端面(位相制御領域と反射領域3とが発光領域2を
挟むような配置で位相制御領域を形成した場合には位相
制御領域側の端面)を高反射コートし、光出力を反射領
域3側の端面から得るようにすれば、より大きな光出力
を得ることが出来る。
【0038】反射領域3中の回折格子31の繰り返し回
数を増やせばより選択性の良い反射器が得られることは
明らかであるが、反射領域3の長さが長くなるため素子
の収率を下げ、また導波路32に欠陥が発生する確率も
高くなるため、歩留りが低下するという問題が生じる。
従って、図4から図7で説明したように用途に合わせた
最適化をすべきである。
【0039】以上、p型InPの半導体基板1上にpn
接合埋込構造で作製された電流注入による波長間隔制御
を行う素子の例を述べたが、他の導伝性でも同様であ
る。
【0040】またInP/InGaAsPに限らず、G
aAs系レーザでもよく、構造もFeドープなどの高抵
抗埋込やポリイミド等の絶縁性の高分子樹脂を埋め込ん
だ構造、リッジ導波路構造などでも実施可能である。
【0041】結晶成長方法は明記しなかったが、液相成
長法でも気相成長法でも作製可能である。また、活性層
21及び導波路32の構造も、クラッド層7と活性層2
1または導波路32の間に両者の中間の屈折率を持つ光
閉じ込め層を形成してもよい。さらに、集積型素子への
応用としては、方向性結合器型WDMカプラとモノリシ
ックに結合させて、波長毎に異なるポートから出力させ
ることも可能である。
【0042】
【発明の効果】中心波長λB と波長間隔△λとがそれぞ
れ独立に可変である多重波長発振レーザが得られる。
【0043】とくに、波長間隔が制御可能であるため、
内部縦モードとの整合を図り、単一モード発振状態にお
ちいることなく、多重発振状態を単一のデバイスで実現
できるのが、この発明のレーザの特徴であり、したがっ
て光通信関連の実験用の光源として光デバイスの性能試
験もしくは評価用の光源として有用である。
【0044】一方、素子が出射した光を外部でフィルタ
を用いて中心波長の光のみを取り出し、アセチレンガス
やシアンガスなどの吸収線にロックして周波数基準とし
ながら波長間隔を制御すれば、任意の波長の基準光を得
ることができる。さらに、2本の吸収線によって波長を
ロックさせれば、極めて高い精度で波長間隔が制御でき
るようになり、WDM光源には最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の素子の活性層及び導波路部分における
断面図である。
【図2】本発明の素子の活性層及び導波路部分における
断面図である。
【図3】本発明の素子の作用を計算に基づき示す図であ
る。
【図4】本発明の素子の作用を示す図である。
【図5】本発明の素子の作用を示す図である。
【図6】本発明の素子の作用を示す図である。
【図7】本発明の素子の作用を示す図である。
【図8】波長間隔の制御ともにそれと無関係に中心波長
も制御する素子の斜視図である。
【図9】波長間隔の制御ともにそれと無関係に中心波長
も制御する素子の図であって、活性層及び導波路部分に
おける断面図である。
【図10】本発明の素子のヒータによる屈折率制御を実
施した例を示す斜視図である。
【図11】本発明の素子のヒータによる屈折率制御を実
施した例を示す図であって活性層及び導波路部分におけ
る断面図である。
【図12】サンプルドグレーティングを用いた反射器の
反射特性を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 発光領域 3 反射領域 4 平坦部屈折率制御手段。 5 電流注入手段。 7 クラッド層。 8 回折格子屈折率制御手段。 9 ヒータ。 10 絶縁膜。 11 半導体基板側電極。 21 活性層。 31 回折格子。 32 導波路。 33 平坦部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板(1)上に形成された多重波長
    発振レーザであって、電流注入手段及び活性層とを含む
    発光領域(2)と2個以上の同じ回折格子とそれと交互
    に配置された複数の同じ平坦部とを有する導波路を含む
    反射領域(3)と前記回折格子の実効的光学長とは無関
    係に、前記複数の平坦部の実効的光学長をそれぞれ一様
    に制御する平坦部屈折率制御手段(4)とを備えたこと
    を特徴とする多重波長発振レーザ。
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