JPH09269685A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH09269685A
JPH09269685A JP9957496A JP9957496A JPH09269685A JP H09269685 A JPH09269685 A JP H09269685A JP 9957496 A JP9957496 A JP 9957496A JP 9957496 A JP9957496 A JP 9957496A JP H09269685 A JPH09269685 A JP H09269685A
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JP
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toner
image forming
image
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charging
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JP9957496A
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Tsutomu Kukimoto
力 久木元
Koji Yamazaki
晃司 山崎
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アモルファス感光体に圧接する部材の汚染に
よる帯電異常がなく、転写性に優れた画像形成方法を提
供することにある。 【解決手段】 帯電部材102でアモルファスシリコン
感光体101を有する像担持体を帯電する帯電工程、帯
電された該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工
程、該静電潜像をトナーによって顕像化する現像工程、
該トナー像を転写材Pに転写するための転写手段106
を該転写材を介して感光体と接触させた状態で該トナー
像を該転写材に転写する転写工程を少なくとも有する画
像形成方法において、該トナーは液体潤滑剤を含有して
いるトナーであり、該転写手段の表面電圧が該アモルフ
ァスシリコン感光体の絶縁耐圧より低いことを特徴とす
る画像形成方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法を用い
た画像形成方法に関し、プリンター、複写機、ファクシ
ミリ等に適用される。
【0002】具体的には、電圧を帯電部材に印加しこの
帯電部材の帯電面を像担持体であるアモルファスシリコ
ン感光体に接触させて帯電し、その帯電面に可視光やラ
イン走査レーザー光により画像情報の書き込みをして画
像形成を実行し、被帯電体から転写材裏面に、電圧を印
加した転写手段を当接させてトナー像を転写する方式の
画像形成方法に関する。
【0003】
【従来の技術】画像形成装置は従来の原稿を複写するい
わゆる複写機のみならず、近年需要の伸びの著しいコン
ピュータ、ワードプロセッサの出力手段としてのプリン
ターを加え広く利用されている。こうしたプリンターは
従来のオフィスユースのみならず、パーソナルユースが
増大した為、低コスト、メンテナンスフリーといった経
済性が重視される。
【0004】更に、エコロジーの観点から、両面コピ
ー、再生紙利用等紙の消費低減、消費電力低減の省エネ
ルギー、オゾン量低減等近隣生物への影響対策が、経済
性と同様の重要度で求められている。
【0005】中でも、紙の消費低減及びリサイクルは熱
帯雨林の森林保護の観点から、行政においても強力に推
進している状況にある。したがって、画像形成装置にお
いては両面、多重複写機能の追加、同品質の向上、安定
性が以前に増して強く求められている。
【0006】こうした状況下、画像形成装置の両面機能
の安定化の為に、転写材給紙経路中において転写材の静
電気を除去する除電ブラシが多用されている。
【0007】図4は複写機の画像形成プロセスの一例を
示す概略図であって、矢印の方向に回転する、面状内面
ヒータ423によって温度コントロールされた、感光体
401の周辺には、主帯電器402、静電潜像形成部位
403、現像器404、転写材供給系405、転写帯電
器406(a)、分離帯電器406(b)、クリーナ4
07、搬送系408、除電光源409などが配設されて
いる。
【0008】以下、さらに具体例を以て画像形成プロセ
スを説明すると、感光体401は+6〜8kVの高電圧
を印加した主帯電器402によリ一様に帯電され、これ
に静電潜像形成部位、すなわちランプ410から発した
光が原稿台ガラス411上に置かれた原稿412に反射
し、ミラー413、414、415を経由し、レンズユ
ニット417のレンズ418によって結像され、ミラー
416を経由し、導かれ投影された静電潜像が形成され
る。この潜像に現像器404からネガ極性トナーが供給
されてトナー像となる。
【0009】一方、転写材供給系405を通って、レジ
ストローラ422によって先端タイミングを調整され、
感光体方向に供給される転写材Pは+7〜8kVの高電
圧を印加した転写帯電器406(a)と感光体401の
間隙において背面から、トナーとは反対極性の正電界を
与えられ、これによって感光体表面のネガ極性トナー像
は転写材Pに転移する。12〜14kVpp、300〜
600Hzの高圧AC電圧を印加した分離帯電器406
(b)により、転写材Pは転写材搬送系408を通って
定着装置424に至り、トナー像は定着されて装置外に
排出される。感光体401上に残留するトナーはクリー
ナーユニット407のクリーニングブレード421によ
ってかき落とされ、残留する静電潜像は除電光源409
によって消去される。
【0010】両面複写又は多重複写の場合、定着された
転写材は、定着ローラの間を通り定着器から排出される
際に剥離帯電により転写材には数kVもの静電気を帯び
るので、接地乃至バイアスを印加した除電ブラシ425
により除電する。次いで、両面複写、多重複写の用途に
応じて、転写材を反転させる場合、反転経路426を経
由し、中間トレイ428に収納する。この際、反転経路
等での転写材の摩擦帯電を除電ブラシ427によって除
去する。中間トレイ428から給紙ローラ429により
再度転写材供給系405に送られ、両面2面目乃至多重
面の複写が実行される。
【0011】この工程の中で、転写材に除電ブラシ42
5、427の導電繊維が絡み、これが転写分離帯電器4
06と感光体401の間に入り込んで、ストリーマーコ
ロナや火花放電等の異常放電を発生させることがあっ
た。
【0012】また、主帯電器においてもサービス時に帯
電器レールから切り粉が落下してストリーマーコロナや
火花放電等の異常放電を起こすことがあった。
【0013】また、従来の帯電方式の主流であったコロ
ナ帯電器は、50〜100μm程度の金属ワイヤーに5
〜10kV程度の高電圧を印加し、雰囲気を電離し対向
物に帯電を付与する。均一性に優れ、構成も簡易な為、
従来から広く用いられてきている。
【0014】しかし、その過程において、帯電ワイヤー
と対向物の間に導電性物質が入り込むと、異常放電、具
体的にはストリーマーコロナや火花放電を発生し、対向
物に放電破壊を起こす潜在的間題がある。特に放電の均
一性、安定性の高いスコロトロンと呼ばれる対向面側に
グリッドを有するコロナ帯電器は、グリッド上に前述の
様な導電性物質が引っかかった場合ストリーマーコロナ
や火花放電が比較的長い時間(0.05〜1秒)持続
し、対向物をひどく痛める潜在的問題を有している。
【0015】また、こうして放電破壊を起こした感光体
をコロナ主帯電により潜像形成すると、放電破壊部を起
こした抵抗が、他の正常な感光層に比べ著しく抵抗が低
い為、電離したコロナ流が放電破壊部に集中して流れ込
む。そして、放電破壊部が30μmから150μm程度
ときわめて小さいにもかかわらず、この放電破壊部の回
りが他の正常部よりかえって電位が高くなり、放電破壊
部が白抜けし、その周囲をかぶったような中間調が数m
mの大きさで取り囲むといった非常に目立つ画像欠陥に
なってしまう。こうした事から、コロナ帯電方式は、画
像欠陥に対して二重の潜在的問題となっていた。
【0016】また最近では、エコロジーの観点からもオ
ゾンの発生を大幅に低減できる、帯電ローラのごとき感
光体当接部材を用いた一次帯電、転写プロセスが用いら
れてきている。
【0017】感光体当接部材を用いた一次帯電、転写プ
ロセスについては、例えば、特開昭63−149669
号公報や特開平2−123385号公報が提案されてい
る。これらは、接触帯電方法や接触転写方法に関するも
のであるが、静電潜像担持体に導電性弾性ローラを当接
し、該導電性ローラに電圧を印加しながら該静電潜像担
持体を一様に帯電し、次いで露光、現像工程によってト
ナー像を得た後、該静電潜像担持体に電圧を印加した別
の導電性ローラを押圧しながらその間に転写材を通過さ
せ、該静電潜像担持体上のトナー画像を転写材に転写し
た後、定着工程を経て複写画像を得ている。
【0018】しかしながら、このようなコロナ放電を用
いないローラ転写方式においては、転写手段が転写時に
転写材を介して感光体に当接されるため、感光体上に形
成されたトナー像を転写材へ転写する際にトナー像が圧
接され、所謂転写中抜けと称される部分的な転写不良の
問題が生じる。
【0019】従って、このような画像形成方法に用いら
れるトナーは離型性、潤滑性に優れたものであることが
要求される。その為に特公昭57−13868号公報、
特開昭54−58245号公報、特開昭59−1970
48号公報、特開平2−3073号公報、特開平3−6
3660号公報、米国特許第4,517,272号等に
シリコーン化合物を含有させる方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法はシリコーン化合物をトナ
ー中に直接添加している為、結着樹脂と相溶性のないシ
リコーン化合物はトナー中の分散が悪く、トナー粒子の
帯電性が不均一となり長期繰り返しの使用で現像性が悪
くなると言う問題がある。
【0020】電子写真において、感光体における感光層
を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光
電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁
波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有する
こと、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、
使用時において人体に対して無害であること等の特性が
要求される。特に、事務機としてオフィスで使用される
画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の
場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点で
ある。
【0021】この様な点に優れた性質を示す光導電材料
に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:
H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−350
59号公報には画像形成装置用感光体としての応用が記
載されている。
【0022】このような画像形成装置用感光体は、一般
的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該
支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCV
D法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成
する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガス
を直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によ
って分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法
が好適なものとして実用に付されている。
【0023】また、特開昭54−83746号公報にお
いては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素とし
て含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)
光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されてい
る。当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1
乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、
画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、
光学的特性を得ることができるとしている。
【0024】また、特開昭57−11556号公報に
は、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さら
には経時的安定性について改善を図るため、シリコン原
子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層
上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のア
モルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が
記載されている。更に、特開昭60−67951号公報
には、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含
有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光
体についての技術が記載され、特開昭62−16816
1号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子
と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非
晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0025】更に、特開昭60−67951号公報に
は、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有
してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体
についての技術が記載され、特開昭62−168161
号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と
41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶
質材料を用いる技術が記載されている。
【0026】さらに、特開昭57−158650号公報
には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペク
トルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの
吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導
電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置
用感光体が得られることが記載されている。
【0027】これらの技術により、画像形成装置用感光
体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が
向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。こうし
た状況において、アモルファスシリコン感光体の耐圧は
+1.0〜+2.0kV、−0.5〜−1.0kV程度
であった。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきた様に、
アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置にお
いて、両面多重の需要が増えると共に、以下の問題が提
起されるに至った。
【0029】第1に、両面給紙経路に代表される給紙経
路の増大に伴い、導電性物質の感光体周囲への持ち込み
の可能性が増えたことであり、これが、コロナ帯電器と
感光体の間に入り込みストリーマーコロナや火花放電等
の異常放電の可能性を増した。これにより、アモルファ
スシリコン感光体が放電破壊され、画像欠陥を生じやす
くなった問題である。
【0030】第2に、こうして発生した放電破壊部が、
コロナ帯電においてはコロナ流の集中により、微小な放
電破壊部の周囲をかぶったような中間調が数mmの大き
さで取り囲むといった非常に目立つ画像欠陥になってし
まうといった問題である。
【0031】第3に、環境保護の観点から、従来から使
用されているコロナ放電を利用した一次帯電及び転写プ
ロセスから、感光体当接部材を用いた一次帯電、転写プ
ロセスによリオゾンの発生を低減させた帯電装置を用い
ると、文字やラインにおいて、転写中抜けが生じやすい
といった問題である。
【0032】(本発明の目的)本発明の目的は、上記問
題点を解決した画像形成方法を提供することにある。
【0033】即ち、本発明の目的は、アモルファスシリ
コン感光体に当接する部材を用いて一次帯電、転写を行
い、オゾンの発生量を低減した画像形成方法を提供する
ことにある。
【0034】また本発明の目的は、転写性に優れ、当接
転写方式においても転写中抜けが発生しないか、又はこ
れらの現象が抑制された磁性トナーを用いる画像形成方
法を提供することにある。
【0035】さらに本発明の目的は、離型性並びに滑り
性に優れ、これら機能が長期間および多数枚プリント後
においても維持持続され、トナー融着やクリーニング不
良が発生しないか、又はこれらの現象が抑制された画像
形成方法を提供することにある。
【0036】さらに本発明は、アモルファスシリコン感
光体に圧接する部材の汚染による帯電異常や画像欠陥が
発生しないか、又はこれらの現象が抑制された磁性トナ
ーを用いる画像形成方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、帯電
部材でアモルファスシリコン感光体を有する像担持体を
帯電する帯電工程、帯電された該像担持体上に静電潜像
を形成する潜像形成工程、該静電潜像をトナーによって
顕像化する現像工程、該トナー像を転写材に転写するた
めの転写手段を該転写材を介して感光体と接触させた状
態で該トナー像を該転写材に転写する転写工程を少なく
とも有する画像形成方法において、該トナーは液体潤滑
剤を含有しているトナーであり、該転写手段の表面電圧
が該アモルファスシリコン感光体の絶縁耐圧より低いこ
とを特徴とする画像形成方法に関する。
【0038】即ち、本発明は、下記の手段により上記問
題点を解決するものである。
【0039】第1に、アモルファスシリコン感光体の耐
電圧以下の帯電電圧により転写を行なう当接転写手段
と、液体潤滑剤を含有しているトナーを用いることで、
感光体表面に液体潤滑剤が供給され、当接転写によって
生じやすくなる転写中抜けを防止し、転写性を向上させ
ることが可能である。即ち、 トナー担持体上のトナーの適切な静電的凝集力及び粒
子個々の潤滑性、加えてトナー担持体への適切な磁気拘
束力により現像領域空間において、トナーが穂の状態か
らむしろ個々のトナーに近い形態となり、トナの静電潜
像への忠実な飛翔が達成されること。
【0040】転写材/磁性トナー/静電潜像担持体の
3者が存在する転写部位において、液体潤滑剤の静電潜
像担持体表面への付着、ならびにトナーの有する良好な
離型性により、トナー群が静電潜像担持体表面から転写
材へ均一に移行できること。
【0041】クリーニングブレード/転写残トナー/
静電潜像担持体の3者が存在するクリーニング部位にお
いて、トナー同士の静電的凝集力と静電潜像担持体への
静電的付着力を低く押さえることができ、さらに液体潤
滑剤の静電潜像担持体及びクリーニングブレード表面へ
の被覆、その結果より軽微なブレード当接圧でも静電潜
像担持体表面からトナーや紙粉等が除去され、放電によ
リダメージを受けた静電潜像担持体表面へのトナー融着
防止、ならびに静電潜像担持体のクリーニング不良が抑
制されること。
【0042】液体潤滑剤の静電潜像担持体及びクリー
ニングブレード表面の被覆、更に磁性トナー同士の静電
的凝集力が低くかつ潤滑性が良好な為、トナーがクリー
ニングブレードのエッジ部分で個々の粒子に分散され易
く、より軽微なブレード当接圧で均一に感光体表面が研
磨されること。等が達成され、従来問題であった微粒子
トナー使用時の画像汚れ、飛び散り、地カブリ、反転カ
ブリを実質的に防止した高解像、高精細の画像が得られ
ると同時に、クリーニング不良やトナー融着が抑制さ
れ、静電潜像担持体の長寿命化が達成された。
【0043】第2に、帯電方式の変更で帯電電圧を低下
させることにより解決させる。具体的には、アモルファ
スシリコン感光体の耐電圧以下の帯電電圧により帯電可
能な新規な帯電手段を用いる。また、本発明に用いられ
るアモルファスシリコン感光体の絶縁耐圧は+2.0〜
+3.0kV、−0.8〜−1.5kVのものが好まし
い。
【0044】第3に、帯電方式の変更で放電破壊部への
帯電電流の集中をなくすことにより解決させる。具体的
には、放電破壊部に集中しない新規な直接帯電方式を用
いる。
【0045】また、コロナ帯電の様にオゾン生成物が発
生しない為、いわゆる「高湿流れ」対策が不要になり、
ドラムヒーター等の除去に伴い、夜間通電や消費電力が
低減されエコロジーの点からも有効である。
【0046】
【発明の実施の形態】 〔帯電工程〕最初に本発明において重要な要素である帯
電方式について述べる。
【0047】まず導電性ローラについてであるが、特開
昭63−208878号公報に記載されている様な接触
帯電は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させ
て被帯電面を所用の電位に帯電するもので、帯電部装置
として広く利用されているコロナ帯電装置に比べ、第1
に、被帯電体面に所望の電位を得るのに必要とされる印
加電圧の低電圧化が図れること;第2に、帯電過程で発
生するオゾン量が無乃至極微量であリオゾン除去フィル
ターの必要性が無くなるり、そのため装置の排気系の構
成が簡素化され、メンテナンスフリーであること;第3
に、帯電過程において発生したオゾン並びにオゾン生成
物が被帯電体面である像担持体、例えば感光体表面に付
着し、コロナ生成物の影響で感光体表面が湿度に敏感と
なり水分を吸着し易くなることによる、表面の低抵抗化
による画像流れを防止する為、終日行われている加熱ヒ
ーターによる除湿の必要性が無くなり、そのため夜間通
電等の電力消費の大幅な低減が図れること等の長所を有
している。
【0048】そこで例えば、画像形成装置(複写機、レ
ーザービームプリンター)、静電記録装置等の画像形成
装置において、感光体、誘電体等の像担持体、その他の
被帯電体を帯電処理する手段としてコロナ放電装置に代
わるものとして注目され、実用化もされている。
【0049】従来、接触帯電手段としては、ブレードや
シート状の固定式の帯電部材を被帯電体に当接させ、こ
れにバイアスを印加して帯電を行うものが周知である。
【0050】図8にその一実施態様を示す。801は感
光ドラムであり、矢印Aの時計方向に所定の周速度(プ
ロセススピード)にて回転駆動されるドラム型の電子写
真感光体である。802は接触帯電部材であり、電極8
02−1、及びその帯電面に形成した抵抗層802−2
とからなる。
【0051】電極802−1は、通常アルミニウム、ア
ルミニウム合金、真鍮、銅、鉄、ステンレス等の金属
や、樹脂、セラミック等の絶縁材料に導電処理、すなわ
ち、金属をコーティングしたり、導電性塗料を塗布した
りしたものを用いる。
【0052】抵抗層802−2は、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等の樹脂や、シリコーンゴム、ウレタンゴム
等のエラストマーに、酸化チタン、炭素粉、金属粉等の
導電性フィラーを分散したものが一般的に用いられる。
【0053】該抵抗層の抵抗値は、HIOKI社製のM
Ωテスターで250〜1kVの印加電圧における測定に
て、1×103〜1×1012Ωcmなる抵抗を有する。
【0054】803は帯電部材に対する電圧印加電源で
あり、この電源803により帯電開始電圧の2倍以上の
ピーク間電圧Vppを有する振動電圧Vacと直流電圧
Vdcとを重畳した電圧(Vac+Vdc)が帯電部材
の電極802−2に印加されて、回転駆動されている感
光ドラム801の外周面が均一に帯電される。具体的印
加電圧は0.8〜1.5kV程度である。
【0055】更に、画像信号に応じて強度変調されるレ
ーザービームプリンター光805が走査されることによ
って該感光ドラム上に静電潜像が形成される。この潜像
は、現像剤が塗布された現像スリーブ806によって顕
画像化された後、転写材807上に転写ローラ808を
介して転写される。転写残トナーは、クリーニングブレ
ード809によって感光ドラム上から除去されると共に
該転写像は、不図示の定着装置によって定着された後、
出力される。
【0056】次に導電性磁気ブラシについて説明する。
【0057】接触帯電部材のさまざまな改善といった進
み方の中で、特開昭59−133569号公報等の様
に、磁性体と磁性粉体(或いは粒子)からなる磁気ブラ
シ状の接触帯電部材が像担持体に接触、帯電を付与する
機構の新方式が提案されている。
【0058】図9にその一実施態様を示す。901は像
担持体である感光ドラムであり、矢印Aの時計方向に所
定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動されるド
ラム型の電子写真感光体である。902は帯電部材であ
り、多極磁性体902−2及びその帯電面に磁性粉体に
より形成した磁気ブラシ層902−1とからなる。
【0059】多極磁性体902−2は、通常フェライト
磁石、ゴムマグネット等の磁性材料を用い、円筒状の、
いわゆるマグネットローラーのごとく構成される。
【0060】磁気ブラシ層902−1は、磁性酸化鉄
(フェライト)粉、マグネタイト粉、周知の磁性トナー
材等が一般的に用いられる。
【0061】該帯電部材の抵抗値は1×104〜1×1
10Ωcmが好ましく、その使用される環境、高帯電効
率、或いは該感光体の表面層の耐圧特性等に応じて適宜
選択されることが望ましい。
【0062】像担持体901と接触帯電部材902の最
近接間隙は、該磁気ブラシ層902−1の接触幅(以下
ニップと称する)を安定に制御する為、一定の距離に安
定的に設定される必要がある。該距離は50〜2000
μmの範囲が好ましく、より好ましくは100〜100
0μmである。
【0063】903は帯電部材に対する電圧印加電源で
あり、この電源903により直流電圧Vdcが帯電部材
の多極磁性体902−2、磁気ブラシ層902−1に印
加されて、回転駆動されている感光ドラム901の外周
面が均一に帯電される。
【0064】更に、画像信号に応じて強度変調されるレ
ーザービームプリンター光905が走査されることによ
って該感光ドラム上に静電潜像が形成される。この潜像
は、現像剤が塗布された現像スリーブ906によって顕
画像化された後、転写材907上に転写ローラー908
を介して転写される。転写残トナーは、クリーニングブ
レード909によって感光ドラム上から除去されると共
に該転写像は、不図示の定着装置によって定着された
後、出力される。
【0065】導電性ファーブラシについても接触帯電部
材のさまざまな改善といった進み方の中で、特開昭58
−139156号公報に複数個の接触子(ワイヤーブラ
シ)に電圧印加し、帯電する方式が提案されている。そ
の後もさまざまな改良が進められている。
【0066】図10にその一実施態様を示す。1001
は像担持体である感光ドラムであり、矢印Aの時計方向
に所定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動され
るドラム型の電子写真感光体である。1002は帯電部
材であり、導電性軸1002−2及びその帯電面に導電
性繊維により形成したファーブラシ層1002−1とか
らなる。
【0067】導電性軸1002−2は、通常全属を用い
る。
【0068】ファーブラシ層1002−1は、ステンレ
ススチールファイバー、アクリルカーボン、ナイロンカ
ーボン、ポリプロピレンカーボン、ポリエチレンテレフ
タレートカーボン、アクリル硫化銅、レーヨンカーボン
等の繊維が一般的に用いられる。
【0069】該帯電部材の抵抗値は、その使用される環
境、高帯電効率、或いは該感光体の表面層の耐圧特性等
に応じて適宜選択されることが望ましい。
【0070】像担持体1001と接触帯電部材1002
の最近接間隙は、該磁気ブラシ層1002−1のニップ
を安定に制御する為、一定の距離に安定的に設定される
必要がある。
【0071】1003は帯電部材に対する電圧印加電源
であり、この電源1003により直流電圧Vdcが帯電
部材の導電性軸1002−2、ファーブラシ層1002
−1に印加されて、回転駆動されている感光ドラム10
01の外周面が均一に帯電される。
【0072】更に、画像信号に応じて強度変調されるレ
ーザービームプリンター光1005が走査されることに
よって該感光ドラム上に静電潜像が形成される。この潜
像は、現像剤が塗布された現像スリーブ1006によっ
て顕画像化された後、転写材1007上に転写ローラ1
008を介して転写される。転写残トナーは、クリーニ
ングブレード1009によって感光ドラム上から除去さ
れると共に該転写像は、不図示の定着装置によって定着
された後、出力される。
【0073】本発明においては、磁性粉体により形成さ
れた導電性磁気ブラシ乃至導電性繊維により形成された
導電性ファーブラシが、ブラシ表面のトナー汚染防止の
観点から好ましい。
【0074】また、本発明に係わる装置の給紙経路除電
ブラシ材料の材質としては、上記ファーブラシ導電性繊
維と同様のものが用いられる。例えば、直径10〜10
0μmの金属繊維(ステンレススチールファイバー)、
アクリルカーボン、ナイロンカーボン、ポリプロピレン
カーボン、ポリエチレンテレフタレートカーボン、アク
リル硫化銅、レーヨンカーボン等の半導体繊維が用いら
れる。このブラシを直接接地、乃至バイアス電圧を印加
して、転写材の静電気を除去する。
【0075】〔感光体〕次に本発明に係わるアモルファ
スシリコン系感光体(a−Si)について説明する。
【0076】アモルファスシリコン感光体の光導電層の
キャリアの挙動に着目し、バンドギャップ内の局在状態
分布と帯電能の温度依存性や光メモリーとの関係につい
て鋭意検討した結果、光導電層の少なくとも光の入射す
る部分において、特定のエネルギー範囲の局在状態密度
を一定範囲に制御することにより上記目的を達成できる
という知見を得た。すなわち、シリコン原子を母体と
し、水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単
結晶材料で構成された光導電層を有する感光体におい
て、その層構造を特定化するように設計されて作製され
た感光体は、実用上著しく優れた特性を示すばかりでな
く、従来の感光体と比べてみてもあらゆる点において凌
駕していること、特に画像形成装置用の感光体として優
れた特性を有していることを見いだした。
【0077】本発明の画像形成装置用感光体は、導電性
支持体と、シリコン原子を母体とする非単結晶材料から
成る光導電層を有する感光層とから構成され、光導電層
は10〜30原子%の水素を含み、光吸収スペクトルの
指数関数裾(アーバックテイル)の特性エネルギーが5
0〜60meVであって、かつ伝導帯端下0.45〜
0.95eVの局在状態密度が1×1014〜1×1015
cm-3であることを特徴としている。
【0078】上記したような構成をとるように設計され
た本発明の画像形成装置用感光体は、前記した諸問題点
の全てを解決し得、極めて優れた電気的、光学的、光導
電的特性、画像品質、耐久性及び使用環境特性を示す。
また、感光体の絶縁耐圧は+2.0〜+3.0kV、−
0.8〜−1.5kVのものが得られる。
【0079】一般的に、a−Si:Hのバンドギャップ
内には、Si−Si結合の構造的な乱れにもとづくテイ
ル(裾)準位と、Siの未結合手(ダングリングボン
ド)等の構造欠陥に起因する深い準位が存在する。これ
らの準位は電子、正孔の捕獲、再結合中心として働き素
子の特性を低下させる原因になることが知られている。
【0080】このようなバンドギャップ中の局在準位の
状態を測定する方法として、一般に深準位分光法、等温
容量過渡分光法、光熱偏向分光法、一定光電流法等が用
いられている。中でも一定光電流法(Constant
PhotocurrentMethod:以後、「C
PM」と略記する)は、a−Si:Hの局在準位に基づ
くサブギャップ光吸収スペクトルを簡便に測定する方法
として有用である。
【0081】本発明者らは、CPMによって測定された
光吸収スペクトルから求められる指数関数裾(アーバッ
クテイル)の特性エネルギー(以下、「Eu」と略記す
る)や局在状態密度(以下、「DOS」と略記する)と
感光体特性との相関を種々の条件に渡って調べた結果、
EuおよびDOSがa−Si感光体の温度特性や光メモ
リーと密接な関係にあることを見いだし、本発明を完成
するに至った。
【0082】ドラムヒーター等で感光体を加熱したとき
に帯電能が低下する原因として、熱励起されたキャリア
(以下、熱励起キャリアと呼ぶ)が帯電時の電界に引か
れてバンド裾の局在準位やバンドギャップ内の深い局在
準位への捕獲、放出を繰り返しながら表面に走行し、表
面電荷を打ち消してしまうことが挙げられる。この時、
帯電器を通過する間に表面に到達する熱励起キャリアに
ついては帯電能の低下にはほとんど影響がないが、深い
準位に捕獲された熱励起キャリアは、帯電器を通過した
後に表面へ到達して表面電荷を打ち消すために温度特性
として観測される。また、帯電器を通過した後に熱励起
された熱励起キャリアも表面電荷を打ち消し帯電能の低
下を引き起こす。したがって、感光体の使用温度領域に
おける熱励起キャリアの生成を抑え、なおかつ該熱励起
キャリアの走行性を向上させることが温度特性の向上の
ために必要である。
【0083】さらに、光メモリーはブランク露光や像露
光によって生じた光キャリアがバンドギャップ内の局在
準位に捕獲され、光導電層内に該光キャリアが残留する
ことによって生じる。すなわち、ある複写工程において
生じた光キャリアのうち光導電層内に残留した光キャリ
アが、次回の帯電時あるいはそれ以降に表面電荷による
電界によって掃き出され、光の照射された部分の電位が
他の部分よりも低くなり、その結果画像上に濃淡が生じ
る。したがって、光キャリアが光導電層内に残留するこ
となく、1回の複写工程で走行するように、光キャリア
の走行性を改善しなければならない。
【0084】したがって、本発明のごとくEuおよび特
定のエネルギー範囲のDOSを制御することにより、熱
励起キャリアの生成が抑えられ、なおかつ熱励起キャリ
アや光キャリアが局在準位に捕獲される割合を小さくす
ることができるために上記キャリア(以下、電荷キャリ
アと呼ぶ)の走行性が著しく改善される。その結果、感
光体の使用温度領域での温度特性が飛躍的に改善され、
同時に光メモリーの発生を抑制することができるため
に、感光体の使用環境に対する安定性が向上し、ハーフ
トーンが鮮明に出てかつ解像力の高い高品質の画像を安
定して得ることができる。
【0085】図11は、本発明の画像形成装置用感光体
の層構成を説明するための模式的構成図である。
【0086】図11(a)に示す画像形成装置用感光体
1100は、感光体用としての支持体1101の上に、
感光層1102が設けられている。該感光層1102
は、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電
層1103で構成されている。
【0087】図11(b)は、本発明の画像形成装置用
感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図であ
る。図11(b)に示す画像形成装置用感光体1100
は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1
102が設けられている。該感光層1102は、a−S
i:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103
と、アモルファスシリコン系表面層1104とから構成
されている。
【0088】図11(c)は、本発明の画像形成装置用
感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図であ
る。図11(c)に示す画像形成装置用感光体1100
は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1
102が設けられている。該感光層1102は、a−S
i:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103
と、アモルファスシリコン系表面層1104と、アモル
ファスシリコン系電荷注入阻止層1105とから構成さ
れている。
【0089】図11(d)は、本発明の画像形成装置用
感光体のさらに他の層構成を説明するための模式的構成
図である。図11(d)に示す画像形成装置用感光体1
100は、感光体用としての支持体1101の上に、感
光層1102が設けられている。該感光層1102は、
光導電層1103を構成するa−Si:H,Xからなる
電荷発生層1108ならびに電荷輸送層1107と、ア
モルファスシリコン系表面層1104とから構成されて
いる。
【0090】(1)支持体:本発明において使用される
感光体の支持体1101としては、導電性でも電気絶縁
性であってもよい。導電性支持体としては、Al、C
r、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、
Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステ
ンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチ
レン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミ
ド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラ
ミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成
する側の表面を導電処理した支持体も用いることができ
る。
【0091】本発明において使用される支持体1101
の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板
状、無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望
通りの画像形成装置用感光体1100を形成し得るよう
に適宜決定するが、画像形成装置用感光体1100とし
ての可撓性が要求される場合には、支持体1101とし
ての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くする
ことができる。しかしながら、支持体1101は製造上
および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μ
m以上とされる。
【0092】特にレーザー光などの可干渉性光を用いて
像記録を行う場合には、可視画像において現われる、い
わゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消す
るために、帯電キャリアの減少が実質的にない範囲で支
持体1101の表面に凹凸を設けてもよい。支持体11
01の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−1681
56号公報、同60−178457号公報、同60−2
25854号公報等に記載された公知の方法により作製
される。
【0093】また、レーザー光などの可干渉光を用いた
場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消す
る別の方法として、帯電キャリアの減少が実質的にない
範囲で支持体1101の表面に複数の球状痕跡窪みによ
る凹凸形状を設けてもよい。即ち、支持体1101の表
面が画像形成装置用感光体1100に要求される解像力
よりも微少な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の球状
痕跡窪みによるものである。支持体1101の表面に設
けられる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、特開昭61
−231561号公報に記載された公知の方法により作
製される。
【0094】また、レーザー光等の可干渉光を用いた場
合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する
さらに別の方法として、感光層1102内、或いは該層
1102の下側に光吸収層等の干渉防止層或いは領域を
設けても良い。
【0095】(2)光導電層:次に本発明に係わる感光
体の光導電層について説明する。
【0096】本発明において、その目的を効果的に達成
するために支持体1101上、必要に応じて下引き層
(不図示)上に形成され、感光層1102の一部を構成
する光導電層1103は真空堆積膜形成方法によって、
所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値
条件が設定されて作製される。具体的には、例えばグロ
ー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイ
クロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放
電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数
々の薄膜堆積法によって形成することができる。これら
の薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程
度、製造規模、作製される画像形成装置用感光体に所望
される特性等の要因によって適宜選択されて採用される
が、所望の特性を有する画像形成装置用感光体を製造す
るに当たっての条件の制御が比較的容易であることから
グロー放電法、特にRF帯またはVHF帯の電源周波数
を用いた高周波グロー放電法が好適である。
【0097】グロー放電法によって光導電層1103を
形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給
し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給
し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子
(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧
にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反
応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位
置に設置されてある所定の支持体1101上にa−S
i:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0098】また、本発明において光導電層1103中
に水素原子または/及びハロゲン原子が含有されること
が必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償
し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を
向上させるために必須不可欠であるからである。よって
水素原子またはハロゲン原子の含有量、または水素原子
とハロゲン原子の和の量はシリコン原子と水素原子また
は/及びハロゲン原子の和に対して10〜30原子%、
より好ましくは15〜25原子%とされるのが望まし
い。
【0099】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH4、Si26、Si3
8、Si410等のガス状態の又はガス化し得る水素化珪
素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げら
れ、更に層作製時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ
等の点でSiH4、Si26が好ましいものとして挙げ
られる。
【0100】そして、形成される光導電層1103中に
水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御
をいっそう容易になるように図り、本発明の目的を達成
する膜特性を得るために、これらのガスに更にH2およ
び/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガ
スも所望量混合して層形成することが必要である。ま
た、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合しても差し支えないものである。
【0101】また本発明において使用されるハロゲン原
子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲ
ンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化
合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状の
又はガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構
成要素とするガス状の又はガス化し得る、ハロゲン原子
を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げること
ができる。本発明において好適に使用し得るハロゲン化
合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、
ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7
のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原
子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換され
たシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF
4、Si26等の弗化珪素が好ましいものとして挙げる
ことができる。
【0102】光導電層1103中に含有される水素原子
または/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば
支持体1101の温度、水素原子または/及びハロゲン
原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器
内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0103】本発明においては、光導電層1103には
必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが
好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層1103
中に万偏なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があってもよい。
【0104】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表Vb族に属する原子(以
後「第Vb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を
与える周期律表IIIb族に属する原子(以後「第II
Ib族原子」と略記する)を用いることができる。
【0105】第IIIb族原子としては、具体的には、
硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(G
a)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があ
り、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモ
ン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、As
が好適である。
【0106】光導電層103に含有される伝導性を制御
する原子の含有量としては、好ましくは1×10-2〜1
×104原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×
103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子
ppmとされるのが望ましい。
【0107】伝導性を制御する原子、たとえば、第II
Ib族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するに
は、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質
あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反
応容器中に、光導電層103を形成するための他のガス
とともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用
の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質とな
り得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少な
くとも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用さ
れるのが望ましい。
【0108】そのような第IIIb族原子導入用の原料
物質として具体的には、硼素原子導入用としては、B2
6、B410、B59、B511、B610、B612
614等の水素化硼素;BF3、BCl3、BBr3等の
ハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3
GaCl3、Ga(CH33、InC13、TlCl3
も挙げることができる。
【0109】第Vb族原子導入用の原料物質として有効
に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2
4等の水素化燐;PH4I、PF3、PF5、PCl3
PCl5、PBr3、PBr5、Pl3等のハロゲン化燐が
挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsCl3
AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、S
bCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3
等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして
挙げることができる。
【0110】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2および/またはHeに
より希釈して使用してもよい。
【0111】さらに本発明においては、光導電層110
3に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原
子を含有させることも有効である。炭素原子及び/また
は酸素原子及び/または窒素原子の含有量は、シリコン
原子,炭素原子,酸素原子及び窒素原子の和に対して好
ましくは1×10-5〜10原子%、より好ましくは1×
10-4〜8原子%、最適には1×10-3〜5原子%が望
ましい。炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒
素原子は、光導電層中に万遍なく均一に含有されても良
いし、光導電層の層厚方向に含有量が変化するような不
均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0112】本発明において、光導電層1103の層厚
は、所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果
等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは
20〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最適
には25〜40μmとされるのが望ましい。
【0113】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する光導電層1103を形成するには、Si供給用のガ
スと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電
力ならびに支持体温度を適宜設定することが必要であ
る。
【0114】希釈ガスとして使用するH2および/また
はHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選
択されるが、Si供給用ガスに対しH2および/または
Heを、通常の場合3〜20倍、好ましくは4〜15
倍、最適には5〜10倍の範囲に制御することが望まし
い。
【0115】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1.3
3×10-2〜1.33×103Pa(1×10-4〜10
Torr)、好ましくは6.65×10-2〜6.65×
102Pa(5×10-4〜5Torr)、最適には1.
33×10-1〜1.33×102Pa(1×10-3〜1
Torr)とするのが好ましい。
【0116】放電電力もまた同様に層設計にしたがって
適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量
に対する放電電力を、通常の場合2〜7倍、好ましくは
2.5〜6倍、最適には3〜5倍の範囲に設定すること
が望ましい。
【0117】さらに、支持体1101の温度は、層設計
にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場
合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは23
0〜330℃、最適には250〜310℃とするのが望
ましい。
【0118】本発明においては、光導電層を形成するた
めの支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記
した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に
決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を
形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を
決めるのが望ましい。
【0119】(3)表面層:次に本発明に係わる感光体
の表面層について説明する。
【0120】本発明においては、上述のようにして支持
体1101上に形成された光導電層1103の上に、更
にアモルファスシリコン系の表面層1104を形成する
ことが好ましい。この表面層1104は自由表面110
6を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的
耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を
達成するために設けられる。
【0121】また、本発明においては、感光層1102
を構成する光導電層1103と表面層1104とを形成
する非晶質材料の各々がシリコン原子という共通の構成
要素を有しているので、積層界面において化学的な安定
性の確保が十分成されている。
【0122】表面層1104は、アモルファスシリコン
系の材料であればいずれの材質でも可能であるが、例え
ば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を
含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子
(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に
酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−
SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/
またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含
有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,
X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素
原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材
料が好適に用いられる。
【0123】本発明において、その目的を効果的に達成
するために、表面層1104は真空堆積膜形成方法によ
って、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーター
の数値条件が設定されて作製される。具体的には、例え
ばグロー放電法(低周波CVD法,高周波CVD法また
はマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは
直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法
などの数々の薄膜堆積法によって形成することができ
る。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下
の負荷程度、製造規模、作製される画像形成装置用感光
体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採
用されるが、感光体の生産性から光導電層と同等の堆積
法によることが好ましい。
【0124】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H,Xよりなる表面層1104を形成するには、基
本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用
の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の
原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原
料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX
供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に
所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電
を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電
層1103を形成した支持体1101上にa−SiC:
H,Xからなる層を形成すればよい。
【0125】本発明において用いる表面層の材質として
はシリコンを含有するアモルファス材料ならば何れでも
良いが、炭素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なくと
も1つ含むシリコン原子との化合物が好ましく、特にa
−SiCを主成分としたものが好ましい。
【0126】表面層をa−SiCを主成分として構成す
る場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対し
て30%〜90%の範囲が好ましい。
【0127】また、本発明において表面層1104中に
水素原子または/及びハロゲン原子が含有されることが
必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償
し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特
性を向上させるために必須不可欠である。水素含有量
は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子
%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原
子%とするのが望ましい。また、弗素原子の含有量とし
て、通常の場合は0.01〜15原子%、好適には0.
1〜10原子%、最適には0.6〜4原子%とされるの
が望ましい。
【0128】これらの水素及び/または弗素含有量の範
囲内で形成される感光体は、実際面において従来にない
格段に優れたものとして充分適用させ得るものである。
すなわち、表面層内に存在する欠陥(主にシリコン原子
や炭素原子のダングリングボンド)は画像形成装置用感
光体としての特性に悪影響を及ぼすことが知られてい
る。例えば自由表面から光導電層への電荷の注入による
帯電特性の劣化、使用環境、例えば高い湿度のもとで表
面構造が変化することによる帯電特性の変動、更にコロ
ナ帯電時や光照射時に光導電層により表面層に電荷が注
入され、前記表面層内の欠陥に電荷がトラップされるこ
とにより繰り返し使用時の残像現象の発生等がこの悪影
響として挙げられる。
【0129】しかしながら、表面層内の水素含有量を3
0原子%以上に制御することで表面層内の欠陥が大幅に
減少し、その結果、従来に比べて電気的特性面及び高速
連続使用性において飛躍的な向上を図ることができる。
【0130】一方、前記表面層中の水素含有量が71原
子%以上になると表面層の硬度が低下するために、繰り
返し使用に耐えられなくなる。従って、表面層中の水素
含有量を前記の範囲内に制御することが格段に優れた所
望の電子写真特性を得る上で非常に重要な因子の1つで
ある。表面層中の水素含有量は、H2ガスの流量、支持
体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。
【0131】また、表面層中の弗素含有量を0.01原
子%以上の範囲に制御することで表面層内のシリコン原
子と炭素原子の結合の発生を、より効果的に達成するこ
とが可能となる。さらに、表面層中の弗素原子の働きと
して、コロナ等のダメージによるシリコン原子と炭素原
子の結合の切断を効果的に防止することができる。
【0132】一方、表面層中の弗素含有量が15原子%
を超えると表面層内のシリコン原子と炭素原子の結合の
発生の効果およびシリコン原子と炭素原子の結合の切断
を防止する効果がほとんど認められなくなる。さらに、
過剰の弗素原子が表面層中のキャリアの走行性を阻害す
るため、残留電位や画像メモリーが顕著に認められてく
る。従って、表面層中の弗素含有量を前記範囲内に制御
することが所望の電子写真特性を得る上で重要な因子の
一つである。表面層中の弗素含有量は、水素含有量と同
様にH2ガスの流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧
等によって制御し得る。
【0133】本発明の表面層の形成において使用される
シリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、
SiH4、Si26、Si38、Si410等のガス状態
の、又はガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に
使用されるものとして挙げられ、更に層作製時の取り扱
い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2
6が好ましいものとして挙げられる。また、これらのS
i供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、
Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0134】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C26、C38、C410等のガス状態の又はガ
ス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げ
られ、更に層作製時の取り扱い易さ、Si供給効率の良
さ等の点でCH4、C26が好ましいものとして挙げら
れる。また、これらのC供給用の原料ガスを必要に応じ
てH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用
してもよい。
【0135】窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質
としては、NH3、NO、N2O、NO2、H2O、O2
CO 、CO2、N2等のガス状態の又はガス化し得る化合
物が有効に使用されるものとして挙げられる。また、こ
れらの窒素または酸素供給用の原料ガスを必要に応じて
2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用し
てもよい。
【0136】また、形成される表面層1104中に導入
される水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になる
ように図るために、これらのガスに更に水素ガスまたは
水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形
成することが好ましい。また、各ガスは単独種のみでな
く所定の混合比で複数種混合しても差し支えないもので
ある。
【0137】ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効
なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲ
ンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシ
ラン誘導体等のガス状の又はガス化し得るハロゲン化合
物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原子
とハロゲン原子とを構成要素とするガス状の又はガス化
し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効な
ものとして挙げることができる。本発明において好適に
使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガ
ス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、Br
5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げること
ができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハ
ロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的
には、たとえばSiF4、Si26等の弗化珪素が好ま
しいものとして挙げることができる。
【0138】表面層1104中に含有される水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支
持体1101の温度、水素原子または/及びハロゲン原
子を含有させるために使用される原料物質の反応容器内
へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0139】炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子は、表面層中に万遍なく均一に含有されても
良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するような不
均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0140】さらに本発明においては、表面層1104
には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させるこ
とが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層110
4中に万偏なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があってもよい。
【0141】前記の伝導性を制御する原子としては、半
導体分野における、いわゆる不純物を挙げることがで
き、p型伝導特性を与える周期律表IIIb族に属する
原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn
型伝導特性を与える周期律表Vb族に属する原子(以後
「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
【0142】第IIIb族原子としては、具体的には、
硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(G
a)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があ
り、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモ
ン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、As
が好適である。
【0143】表面層1104に含有される伝導性を制御
する原子の含有量としては、好ましくは1×10-3〜1
×103原子ppm、より好ましくは1×10-2〜5×
102原子ppm、最適には1×10-1〜1×102原子
ppmとされるのが望ましい。
【0144】伝導性を制御する原子、たとえば、第II
Ib族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するに
は、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質
あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反
応容器中に、表面層1104を形成するための他のガス
とともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用
の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質とな
り得るものとしては、常温常圧でガス状の又は少なくと
も層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用される
のが望ましい。そのような第IIIb族原子導入用の原
料物質として具体的には、硼素原子導入用としては、B
26、B410、B59、B511、B610、B612
614等の水素化硼素;BF3、BCl3、BBr3等の
ハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3
GaCl3、Ga(CH33、InCl3、TlCl3
も挙げることができる。
【0145】第Vb族原子導入用の原料物質として、有
効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3
24等の水素化燐;PH4l、PF3、PF5、PC
3、PCl5、PBr3、PBr5、Pl3等のハロゲン
化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsC
3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、Sb
5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、B
iBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なも
のとして挙げることができる。
【0146】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2、He、Ar、Ne等
のガスにより希釈して使用してもよい。
【0147】本発明における表面層1104の層厚とし
ては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μ
m、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいもの
である。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用
中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μ
mを超えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下が
みられる。
【0148】本発明による表面層1104は、その要求
される特性が所望通りに与えられるように注意深く形成
される。即ち、Si、C及び/またはN及び/または
O、H及び/またはXを構成要素とする物質はその形成
条件によって構造的には結晶からアモルファスまでの形
態を取り、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁性
までの間の性質を、また、光導電的性質から非光導電的
性質までの間の性質を各々示すので、本発明において
は、目的に応じた所望の特性を有する化合物が形成され
る様に、所望に従ってその形成条件の選択が厳密になさ
れる。
【0149】例えば、表面層1104を耐圧性の向上を
主な目的として設けるには、使用環境において電気絶縁
性的挙動の顕著な非単結晶材料として作製される。
【0150】また、連続繰り返し使用特性や使用環境特
性の向上を主たる目的として表面層1104が設けられ
る場合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和さ
れ、照射される光に対して有る程度の感度を有する非単
結晶材料として形成される。
【0151】更に、本発明に係る帯電機構においては、
表面層の低抵抗による画像流れを防止し、或いは残留電
位等の影響を防止する為に、一方では帯電効率を良好に
する為に、層作製に際して、その抵抗値を適宜に制御す
ることが好ましい。
【0152】本発明の目的を達成し得る特性を有する表
面層1104を形成するには、支持体1101の温度、
反応容器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定する
必要がある。
【0153】支持体1101の温度(Ts)は、層設計
にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場
合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは23
0〜330℃、最適には250〜300℃とするのが望
ましい。
【0154】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ま
しくは1.33×10-2〜1.33×103Pa(1×
10-4〜10Torr)、より好ましくは6.65×1
-2〜6.65×102Pa(5×10-4〜5Tor
r)、最適には1.33×10-1〜1.33×102
a(1×10-3〜1Torr)とするのが好ましい。
【0155】本発明においては、表面層を形成するため
の支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記し
た範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決
められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形
成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決
めるのが望ましい。
【0156】さらに本発明においては、光導電層と表面
層の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表
面層より減らしたブロッキング層(下部表面層)を設け
ることも帯電能等の特性を更に向上させるためには有効
である。
【0157】また表面層1104と光導電層1103と
の間に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素
原子の含有量が光導電層1103に向かって減少するよ
うに変化する領域を設けても良い。これにより表面層と
光導電層の密着性を向上させ、界面での光の反射による
干渉の影響をより少なくすることができる。
【0158】(4)注入阻止層:次に本発明の感光体に
係わる注入阻止層について説明する。
【0159】本発明の画像形成装置用感光体において
は、導電性支持体1101と光導電層1103との間
に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きの
ある電荷注入阻止層1105を設けるのがいっそう効果
的である(図11(c))。すなわち、電荷注入阻止層
は感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた
際、支持体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻
止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際には
そのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を
有している。そのような機能を付与するために、電荷注
入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比
較的多く含有させる。
【0160】該層に含有される伝導性を制御する原子
は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、ある
いは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。分
布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するよ
うに含有させるのが好適である。
【0161】しかしながら、いずれの場合にも支持体の
表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく
含有されることが面内方向における特性の均一化を図る
点からも必要である。
【0162】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純
物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表
III族に属する原子(以後「第III族原子」と略記
する)またはn型伝導特性を与える周期律表Vb族に属
する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いる
ことができる。
【0163】第IIIb族原子としては、具体的には、
B(ほう素),Al(アルミニウム),Ga(ガリウ
ム),In(インジウム),Ta(タリウム)等があ
り、特にB,Al,Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的にはP(リン),As(砒素),Sb
(アンチモン),Bi(ビスマス)等があり、特にP,
Asが好適である。
【0164】本発明において電荷注入阻止層中に含有さ
れる伝導性を制御する原子の含有量としては、本発明の
目的が効果的に達成できるように所望にしたがって適宜
決定されるが、好ましくは10〜1×104原子pp
m、より好適には50〜5×103原子ppm、最適に
は1×102〜1×103原子ppmとされるのが望まし
い。
【0165】さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、
窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有させるこ
とによって、該電荷注入阻止層に直接接触して設けられ
る他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図ること
ができる。
【0166】該層に含有される炭素原子または窒素原子
または酸素原子は該層中に万偏なく均一に分布されても
良いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されてはい
るが、不均一に分布する状態で含有している部分があっ
てもよい。しかしながら、いずれの場合にも支持体の表
面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含
有されることが面内方向における特性の均一化を図る点
からも必要である。
【0167】本発明における電荷注入阻止層の全層領域
に含有される炭素原子及び/または窒素原子および/ま
たは酸素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成
されるように適宜決定されるが、一種の場合はその量と
して、二種以上の場合はその総和として、好ましくは1
×10-3〜50原子%、より好適には5×10-3〜30
原子%、最適には1×10-2〜10原子%とされるのが
望ましい。
【0168】また、本発明における電荷注入阻止層に含
有される水素原子および/またはハロゲン原子は層内に
存在する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。
電荷注入阻止層中の水素原子またはハロゲン原子あるい
は水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適には1
〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適には
10〜30原子%とするのが望ましい。
【0169】本発明において、電荷注入阻止層の層厚は
所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等
の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは
0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが
望ましい。
【0170】本発明において電荷注入阻止層を形成する
には、前述の光導電層を形成する方法と同様の真空堆積
法が採用される。
【0171】本発明の目的を達成し得る特性を有する電
荷注入阻止層105を形成するには、光導電層1103
と同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反
応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体1101の
温度を適宜設定することが必要である。
【0172】希釈ガスであるH2および/またはHeの
流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択される
が、Si供給用ガスに対しH2および/またはHeを、
通常の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適に
は5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0173】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1.3
3×10-2〜1.33×103Pa(1×10-4〜10
Torr)、好ましくは6.65×10-2〜6.65×
102Pa(5×10-4〜5Torr)、最適には1.
33×10-1〜1.33×102Pa(1×10-3〜1
Torr)とするのが好ましい。
【0174】放電電力もまた同様に層設計にしたがって
適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量
に対する放電電力を、通常の場合1〜7倍、好ましくは
2〜6倍、最適には3〜5倍の範囲に設定することが望
ましい。
【0175】さらに、支持体1101の温度は、層設計
にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場
合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは23
0〜330℃、最適には250〜300℃とするのが望
ましい。
【0176】本発明においては、電荷注入阻止層を形成
するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、支持
体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げら
れるが、これらの層作製ファクターは通常は独立的に別
々に決められるものではなく、所望の特性を有する表面
層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて各層
作製ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
【0177】このほかに、本発明の画像形成装置用感光
体においては、感光層1102の前記支持体1101側
に、少なくともアルミニウム原子、シリコン原子、水素
原子または/及びハロゲン原子が層厚方向に不均一な分
布状態で含有する層領域を有することが望ましい。
【0178】また、本発明の画像形成装置用感光体にお
いては、支持体1101と光導電層1103あるいは電
荷注入阻止層105との間の密着性の一層の向上を図る
目的で、例えば、Si34、SiO2、SiO、あるい
はシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロ
ゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を
設けても良い。更に、前述のごとく、支持体からの反射
光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設
けても良い。
【0179】(5)膜形成方法:次に、感光層を形成す
るための装置および膜形成方法について詳述する。
【0180】図2は電源周波数としてRF帯を用いた高
周波プラズマCVD法(以後「RF−PCVD」と略記
する)による画像形成装置用感光体の製造装置の一例を
示す模式的な構成図である。図2に示す製造装置の構成
は以下の通りである。
【0181】この装置は大別すると、堆積装置(210
0)、原料ガスの供給装置(2200)、反応容器(2
111)内を減圧にするための排気装置(図示せず)か
ら構成されている。堆積装置(2100)中の反応容器
(2111)内には円筒状支持体(2112)、支持体
加熱用ヒーター(2113)、原料ガス導入管(211
4)が設置され、更に高周波マッチングボックス(21
15)が接続されている。
【0182】原料ガス供給装置(2200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガス
のボンベ(2221〜2226)とバルブ(2231〜
2236,2241〜2246,2251〜2256)
およびマスフローコントローラー(2211〜221
6)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(22
60)を介して反応容器(2111)内のガス導入管
(2114)に接続されている。
【0183】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行なうことができる。
【0184】まず、反応容器(2111)内に円筒状支
持体(2112)を設置し、不図示の排気装置(例えば
真空ポンプ)により反応容器(2111)内を排気す
る。続いて、支持体加熱用ヒーター(2113)により
円筒状支持体(2112)の温度を200℃〜350℃
の所定の温度に制御する。
【0185】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(21
11)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(223
1〜2237)、反応容器のリークバルブ(2117)
が閉じられていることを確認し、また、流入バルブ(2
241〜2246)、流出バルブ(2251〜225
6)、補助バルブ(2260)が開かれていることを確
認して、まずメインバルブ(2118)を開いて反応容
器(2111)およびガス配管内(2116)を排気す
る。
【0186】次に真空計(2119)の読みが約6.6
5×10-4Pa(5×10-6Torr)になった時点で
補助バルブ(2260)、流出バルブ(2251〜22
56)を閉じる。
【0187】その後、ガスボンベ(2221〜222
6)より各ガスをバルブ(2231〜2236)を開い
て導入し、圧力調整器(2261〜2266)により各
ガス圧を2kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ
(2241〜2246)を徐々に開けて、各ガスをマス
フローコントローラー(2211〜2216)内に導入
する。
【0188】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。
【0189】円筒状支持体(2112)が所定の温度に
なったところで流出バルブ(2251〜2256)のう
ちの必要なものおよび補助バルブ(2260)を徐々に
開き、ガスボンベ(2221〜2226)から所定のガ
スをガス導入管(2114)を介して反応容器(211
1)内に導入する。次にマスフローコントローラー(2
211〜2216)によって各原料ガスが所定の流量に
なるように調整する。その際、反応容器(2111)内
の圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空
計(2119)を見ながらメインバルブ(2118)の
開口を調整する。内圧が安定したところで、周波数1
3.56MHzのRF電源(不図示)を所望の電力に設
定して、高周波マッチングボックス(2115)を通じ
て反応容器(2111)内にRF電力を導入し、グロー
放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応容
器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状支持体
(2112)上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜
が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行われ
た後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応
容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
【0190】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の感光層が形成される。
【0191】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器(211
1)内、流出バルブ(2251〜2256)から反応容
器(2111)に至る配管内に残留することを避けるた
めに、流出バルブ(2251〜2256)を閉じ、補助
バルブ(2260)を開き、さらにメインバルブ(21
18)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を
必要に応じて行う。
【0192】また、膜形成の均一化を図るために、層形
成を行なっている間は、支持体(2112)を駆動装置
(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効
である。
【0193】さらに、上述のガス種およびバルブ操作は
各々の層の作成条件にしたがって変更が加えられること
は言うまでもない。
【0194】次に、電源にVHF帯の周波数を用いた高
周波プラズマCVD(以後「VHF−PCVD」と略記
する)法によって形成される画像形成装置用感光体の製
造方法について説明する。
【0195】図2に示した製造装置におけるRF−PC
VD法による堆積装置(2100)を図3(a)に示す
堆積装置(3100)に交換して原料ガス供給装置(2
200)と接続することにより、図3(b)に示すVH
F−PCVD法による以下の構成の画像形成装置用感光
体製造装置を得ることができる。
【0196】この装置は大別すると、真空気密化構造を
成した減圧にし得る反応容器(3111)、原料ガスの
供給装置(2200)、および反応容器内を減圧にする
ための排気装置(不図示)から構成されている。反応容
器(3111)内には円筒状支持体(3112)、支持
体加熱用ヒーター(3113)、原料ガス導入管(31
14)、電極が設置され、電極には更に高周波マッチン
グボックス(3120)が接続されている。また、反応
容器(3111)内は排気管(3121)を通じて不図
示の拡散ポンプに接続されている。
【0197】原料ガス供給装置(2200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガス
のボンベ(2221〜2226)とバルブ(2231〜
2236,2241〜2246,2251〜2256)
およびマスフローコントローラー(2211〜221
6)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(22
60)を介して反応容器(3111)内のガス導入管
(3114)に接続されている。また、円筒状支持体
(3115)によって取り囲まれた空間(3130)が
放電空間を形成している。
【0198】VHF−PCVD法によるこの装置での堆
積膜の形成は、以下のように行なうことができる。
【0199】まず、反応容器(3111)内に円筒状支
持体(3115)を設置し、駆動装置(3120)によ
って支持体(3115)を回転し、不図示の排気装置
(例えば真空ポンプ)により反応容器(3111)内を
排気管(3121)を介して排気し、反応容器(311
1)内の圧力を1.33×10-5Pa(1×10-7To
rr)以下に調整する。続いて、支持体加熱用ヒーター
(3116)により円筒状支持体(3115)の温度を
200℃〜350℃の所定の温度に加熱保持する。
【0200】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(31
11)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(223
1〜2236)、反応容器のリークバルブ(不図示)が
閉じられていることを確認し、また、流入バルブ(22
41〜2246)、流出バルブ(2251〜225
6)、補助バルブ(2260)が開かれていることを確
認して、まずメインバルブ(不図示)を開いて反応容器
(3111)およびガス配管(3122)内を排気す
る。
【0201】次に真空計(不図示)の読みが約6.65
×10-4Pa(5×10-6Torr)になった時点で補
助バルブ(2260)、流出バルブ(2251〜225
6)を閉じる。
【0202】その後、ガスボンベ(2221〜222
6)より各ガスをバルブ(2231〜2236)を開い
て導入し、圧力調整器(2261〜2266)より各ガ
ス圧を196Pa(2kg/cm2)に調整する。次
に、流入バルブ(2241〜2246)を徐々に開け
て、各ガスをマスフローコントローラー(2211〜2
216)内に導入する。
【0203】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下のようにして円筒状支持体(3115)上に各
層の形成を行う。
【0204】円筒状支持体(3115)が所定の温度に
なったところで流出バルブ(2251〜2256)のう
ちの必要なものおよび補助バルブ(2260)を徐々に
開き、ガスボンベ(2221〜2226)から所定のガ
スをガス導入管(3117)を介して反応容器(311
1)内の放電空間(3130)に導入する。次にマスフ
ローコントローラー(2211〜2216)によって各
原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、
放電空間(3130)内の圧力が133Pa(1Tor
r)以下の所定の圧力になるように真空計(不図示)を
見ながらメインバルブ(不図示)の開口を調整する。
【0205】圧力が安定したところで、周波数500M
HzのVHF電源(不図示)を所望の電力に設定して、
マッチングボックス(3120)を通じて放電空間(3
130)にVHF電力を導入し、グロー放電を生起させ
る。かくして支持体(3115)により取り囲まれた放
電空間(3130)において、導入された原料ガスは、
放電エネルギーにより励起されて解離し、円筒状支持体
(3115)上に所定の堆積膜が形成される。この時、
層形成の均一化を図るため支持体回転用モーター(31
20)によって、所望の回転速度で回転させる。
【0206】所望の膜厚の形成が行われた後、VHF電
力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガス
の流入を止め、堆積膜の形成を終える。
【0207】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の感光層が形成される。
【0208】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器(311
1)内、流出バルブ(2251〜2256)から反応容
器(3111)に至る配管内に残留することを避けるた
めに、流出バルブ(2251〜2256)を閉じ、補助
バルブ(2260)を開き、さらにメインバルブ(不図
示)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必
要に応じて行う。
【0209】上述のガス種およびバルブ操作は各々の層
の作成条件にしたがって変更が加えられることは言うま
でもない。
【0210】いずれの方法においても、堆積膜形成時の
支持体温度は、特に200℃以上350℃以下、好まし
くは230℃以上330℃以下、より好ましくは250
℃以上300℃以下が好ましい。
【0211】支持体の加熱方法は、真空仕様である発熱
体であればよく、より具体的にはシース状ヒーターの巻
き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等
の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の
熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱交換手
段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質
は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属
類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用すること
ができる。
【0212】それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の
容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で支持体
を搬送する等の方法が用いられる。
【0213】また、特にVHF−PCVD法において、
放電空間の圧力として、好ましくは1.33×10-1
a(1mTorr)以上66.5Pa(500mTor
r)以下、より好ましくは4×10-1Pa(3mTor
r)以上40Pa(300mTorr)以下、最も好ま
しくは6.65×10-1Pa(5mTorr)以上1
3.3Pa(100mTorr)以下に設定することが
望ましい。
【0214】VHF−PCVD法において放電空間に設
けられる電極の大きさ及び形状は、放電を乱さないなら
ばいずれのものでも良いが、実用上は直径1mm以上1
0cm以下の円筒状が好ましい。この時、電極の長さ
も、支持体に電界が均一にかかる長さであれば任意に設
定できる。
【0215】電極の材質としては、表面が導電性となる
ものならばいずれのものでも良く、例えば、ステンレス
Al,Cr,Mo,Au,In,Nb,Te,V,T
i,Pt,Pb,Fe等の金属、これらの合金または表
面を導電処理したガラス、セラミック、プラスチック等
が通常使用される。
【0216】〔転写工程〕次に、本発明の画像形成方法
に適用可能な接触転写工程について具体的に説明する。
【0217】接触転写工程とは、静電荷像担持体と転写
材を介して転写手段を当接しながら現像画像を転写材に
静電転写するものであるが、転写手段の当接圧力として
は線圧2.9N/m(3g/cm)以上であることが好
ましく、より好ましくは19.6N/m(20g/c
m)以上である。当接圧力としての線圧が2.9N/m
(3g/cm)未満であると、転写材の搬送ずれや転写
不良の発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0218】また、接触転写工程における転写手段とし
ては、図13に示すように、転写ローラ1303あるい
は転写ベルト1320を有する装置が使用される。転写
ローラ1303は少なくとも芯金1303aと導電性弾
性層1303bからなり導電性弾性層はカーボン等の導
電材を分散させたウレタンやEPDM等の、体積抵抗1
6〜1010Ωcm程度の弾性体で作られている。
【0219】転写手段には、転写バイアス電源1314
により、感光体1301の絶縁耐圧より低い表面電圧と
なるよう電圧が印加される。具体的印加電圧は0.8〜
3.0kV程度である。
【0220】〔トナー〕次に本発明に係わるトナーにつ
いて具体的に説明する。
【0221】本発明に係わるトナーは、該トナー中に液
体潤滑剤を含有していることを特徴とする。
【0222】本発明においては、液体潤滑剤は磁性体な
どの担体粒子に吸着、造粒、凝集、含浸、内包等の手段
で担持させトナー粒子中に含有させることが好ましい。
これによリトナー粒子表面に液体潤滑剤を均一かつ適性
量存在させることができ、トナー粒子の離型性、潤滑性
を安定化することができる。
【0223】本発明に係わるトナーに離型性、潤滑性を
与える液体潤滑剤としては、動物油、植物油、石油系潤
滑油、合成潤滑油等が用いられ、その安定性から合成潤
滑油が好ましく用いられる。合成潤滑油としては、ジメ
チルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、各種変性
シリコーン等のシリコーン;ペンタエリスリトールエス
テル、トリメチロールプロパンエステル等のポリオール
エステル; ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリα−オレフィン等のポリオレフィン;ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリグ
リコール;テトラデシルシリケート、テトラオクチルシ
リケート等のケイ酸エステル;ジ−2−エチルヘキシル
セバケート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等のジ
エステル;トリケレシルホスフェート、プロピルフェニ
ルホスフェート等の燐酸エステ;ポリクロロトリフルオ
ロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化
ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のフッ化炭化水素化
合物;ポリフェニルエーテル、アルキルナフテン、アル
キル芳香族等が挙げられる。中でも熱安定性、酸化安定
性の面からシリコーン、フッ化炭化水素が好ましい。ま
たシリコーンとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カ
ルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、
メルカプト変性、フェノール変性、異種官能基変性等の
反応性シリコーン;ポリエーテル変性、メチルスチリル
変性、アルキル変性、脂肪酸変性、アリコキシ変性、フ
ッ素変性等の非反応性シリコーン;ジメチルシリコー
ン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェン
シリコーン等のストレートシリコーン等が用いられる。
【0224】本発明においては、磁性体表面あるいは担
持体表面の液体潤滑剤が一部遊離してトナー粒子表面に
存在することによりその効果を発揮するので、硬化型の
シリコーンはその性質上効果は薄れる。また反応性シリ
コーンや極性基を持つシリコーンは液体潤滑剤担持媒体
への吸着が強くなったり、結着樹脂に対する相溶性が現
われる等、その程度によっては遊離量が少なくなり、効
果が劣る場合がある。また非反応性シリコーンでも、側
鎖の構造によっては結着樹脂に対する相溶性が現われ効
果が劣る場合がある。従ってジメチルシリコーン、フッ
素変性シリコーン、フッ化炭化水素等が反応性、極性が
少なく吸着も強固でなく、結着樹脂への相溶性も無いの
で好ましく用いられる。
【0225】本発明に用いられる液体潤滑剤は25℃に
おける粘度が10〜20万cStであることが好まし
く、より好ましくは20〜10万cSt、特には50〜
7万cStであることが良い。10cSt未満の場合で
は、低分子量成分が多くなるため現像性、保存性に問題
が生じやすい。また、20万cStを超える場合では、
トナー粒子中での移行や分散が不均一になり現像性、転
写性、対汚染性等において問題が生じやすくなる。本発
明における液体潤滑剤の粘度測定は、ビスコテスターV
T500(ハーケ社製)を用いて行なう。
【0226】いくつかあるVT500用粘度センサーの
ひとつを任意に選び、そのセンサー用のセルに測定試料
を入れて測定する。装置上に表示された粘度(pas)
はcStに換算する。
【0227】本発明では、液体潤滑剤を磁性体もしくは
潤滑粒子に担持せしめて使用されるので、単にシリコー
ン等の液体潤滑剤をそのまま添加するよりも分散性に優
れる。しかしながら本発明においては、単に分散性を向
上させるのが目的ではなく、担体粒子から液体潤滑剤を
遊離させてその離型性、潤滑性を発揮させると同時に、
適度な液体潤滑剤の吸着強度を持たせ、過度の遊離を防
止する必要がある。
【0228】担体の表面に液体潤滑剤を保持せしめ、ト
ナー粒子表面あるいは、表面近傍に存在せしめることで
トナー粒子表面の液体潤滑剤量を適度に調整することが
できる。
【0229】本発明に係わるトナーに含有される液体潤
滑剤を磁性体表面に担持させる具体的方法としては、ホ
イール型混練機又はらいかい機が用いられる。ホイール
型混練機又はらいかい機を用いた場合には、圧縮作用に
よって磁性体粒子間に介在している液体潤滑剤を磁性体
粒子表面に押しつけるとともに、粒子間隙を通して押し
広げて粒子表面との密着性を増し、せん断作用によって
液体潤滑剤を引き延ばしながら粒子群に対してはせん断
力により位置を変えてばらばらに凝集を解きほぐし、更
に、へらなで作用により粒子表面に存在する液体潤滑剤
を均一に広げると言う、上記3つの作用が繰り返される
ことによって磁性体粒子間の凝集がときほぐされて粒子
1個1個ばらばらの状態で個々の粒子表面に均一に担持
されるので特に好ましい。なおホイール型混練機として
は、シンプソンミックスマーラー、マルチマル、ストッ
ツミル、アイリッヒミル、逆流混練機等が好ましく使用
できる。
【0230】しかしながら、ヘンシェルミキサー、ボー
ルミルのような混合機を用いて液体潤滑剤をそのまま、
あるいは溶剤等で希釈して磁性体粒子と直接混合し担持
させたり、磁性体粒子に直接スプレーして担持させたり
する方法も知られているが、これらの方法は磁性体粒子
の場合には、少量の液体潤滑剤を担体に均一に担持させ
ることが難しかったり、局部的にせん断力、熱等が加わ
り液体潤滑剤が強固に吸着したり、シリコーンの場合な
どは焼きつきを起こしたりするため、液体潤滑剤の担体
からの遊離が効果的に行われないことがある。
【0231】磁性体に対する液体潤滑剤の担持量につい
ては、その効果の点からトナーの結着樹脂に対する液体
潤滑剤の量が重要である。その最適範囲は、液体潤滑剤
量としては結着樹脂100質量部に対し0.1〜7質量
部となるように磁性体に担持させ添加することが重要で
あり好ましく、さらに好ましくは0.2〜5質量部であ
り、特には0.3〜2質量部が好ましい。
【0232】本発明に用いられる液体潤滑剤を含有する
潤滑粒子としては、前記磁性体の他には、有機化合物も
しくは無機化合物の微粒子を液体潤滑剤により造粒ある
いは凝集させたものが潤滑粒子として使用される。
【0233】有機化合物としては、スチレン樹脂、アク
リル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素樹
脂等の樹脂粒子や顔料等の有機粒子等が挙げられる。ま
た、無機化合物としては、SiO2,GeO2,Ti
2,SnO2,Al23,B23,P25等の酸化物、
ケイ酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、ホウケイ酸塩、アルミ
ノケイ酸塩、アルミノホウ酸塩、アルミノホウケイ酸
塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、テルル酸塩等
の金属酸化物塩、及びこれらの複合化合物、炭化硅素、
窒化硅素、アモルファスカーボン等が挙げられる。これ
らは単独あるいは混合して使用できる。
【0234】無機化合物微粉体としては、乾式法及び湿
式法で製造した無機化合物微粉体が使用できる。ここで
言う乾式法とはハロゲン化物の蒸気相酸化により生成す
る無機化合物微粉体の製造法である。例えばハロゲン化
物ガスの酸素水素中における熱分解酸化反応を利用する
方法で基礎となる反応式は次のようなものである。
【0235】
【数1】 この式において、例えばMは金属,半金属元素、Xはハ
ロゲン元素、nは整数を表す反応式である。具体的に
は、AlCl3、TiCl4、GeCl4、SiCl4、P
OCl3、BBr3を用いればそれぞれAl23、TiO
2、GeO2、SiO2、P25、B23が得られる。こ
の時ハロゲン化物を混合して用いれば複合化合物が得ら
れる。
【0236】他には、熱CVD、プラズマCVD等の製
造法を応用して、乾式による微粉体を得ることができ
る。なかでも、SiO2、Al23、TiO2等が好まし
く用いられる。
【0237】一方、本発明に用いられる無機化合物微粉
体を湿式法で製造する方法は、従来公知である種々の方
法が適用できる。例えば下式に示すようなケイ酸ナトリ
ウムの酸による分解、
【0238】
【数2】 またケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類又はアルカリ塩
類による分解、ケイ酸ナトリウムよリアルカリ土類金属
ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸とする方
法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂によリケイ
酸とする方法、天然ケイ酸又はケイ酸塩を利用する方法
等がある。その他には金属アルコキシドの加水分解によ
る方法がある。この一般反応式を以下に示す。
【0239】
【数3】 この式において例えばMは金属,半金属元素、Rはアル
キル基、nは整数を表す。また、この時2種以上の金属
アルコキシドを用いれば複合物が得られる。
【0240】これらのなかでも適度な電気抵抗値を有す
る点から無機化合物が特には金属酸化物が良い。特に、
Si,Al,Tiの酸化物、複酸化物が好ましい。
【0241】また表面をカップリング剤等により予め疎
水化したものを用いてもよい。しかしながら、液体潤滑
剤のなかにはトナー粒子表面を覆うと帯電過剰となりや
すいものもある。疎水化していないものを担体として用
いると電荷の適切なリークを行うことができ、良好な現
像性を維持することが可能である。従って、疎水化処理
を行っていない担体を用いることも好ましい形態のひと
つである。
【0242】担体微粒子の粒径としては、好ましくは
0.001〜20μm、特に0.005〜10μmが良
い。BET法で測定した窒素吸着による比表面積として
は、5〜500m2/g、より好ましくは10〜400
2/g、さらに好ましくは20〜350m2/gが良
い。5m2/g未満では本発明の液体潤滑剤を好適な粒
径の潤滑粒子として保持することが困難となりやすい。
【0243】また潤滑粒子における液体潤滑剤の量は、
20〜90質量%、好ましくは27〜87質量%、特に
好ましくは40〜80質量%が良い。液体潤滑剤の量が
20質量%未満ではトナー粒子に良好な潤滑性、離型性
が与えらず、またその為に多量に潤滑粒子をトナー中に
添加すると現像性が不安定になりやすい。90質量%を
超える場合では均一に液体潤滑剤を含有する潤滑粒子が
得られにくい。
【0244】従来より、SiO2、Al23、TiO等
にシリコーンを吸着させる方法が提案されているが、こ
れらの方法は吸着が強すぎ液体潤滑剤がトナー粒子表面
に現われにくくトナーに充分な潤滑性、離型性を付与す
ることができず、本発明の潤滑粒子とはならない。本発
明は、液体潤滑剤を保持しつつ遊離を行えるように潤滑
粒子の粒径が0.5μm以上であることが好ましく、さ
らには1μm以上が良く、その体積基準分布による主成
分がトナー粒子の粒径より大きいことも好ましい。これ
らの潤滑粒子は液体潤滑剤を多量に含有しもろいのでト
ナーの製造中にその一部は崩れトナー粒子に均一に分散
すると共に、液体潤滑剤を遊離しトナー粒子に潤滑性、
離型性を与えることができる。その一方で、潤滑粒子は
液体潤滑剤の保持能力を維持した状態でトナー粒子中に
存在するのでトナー粒子中でのその粒径等は限定されな
い。
【0245】従って、液体潤滑剤を過度にトナー粒子表
面に移行させることもなくトナーの流動性、現像性の劣
化も生じない。一方、トナー粒子表面から液体潤滑剤が
一部離脱しても潤滑粒子から補充することが可能である
ので、トナー粒子の離型性、潤滑性を長期間維持可能で
ある。これらの潤滑粒子は、混合機中で液体潤滑剤ある
いは任意の溶媒で希釈した溶液等の液滴を担体微粒子に
吸着させる方法で造粒することができ、溶媒は造粒後揮
発させさらに必要に応じ粉砕しても良い。あるいは混練
機等を用いて担体粒子に液体潤滑剤あるいはその希釈物
を加え混練し、必要に応じて粉砕し造粒することがで
き、溶媒はその後揮発させる方法が用いられる。
【0246】以上の様な潤滑粒子は結着樹脂100質量
部に対し、0.01〜50質量部含有することが好まし
く、より好ましくは0.05〜50質量部、特には0.
1〜20質量部が好ましい。0.01質量部未満では潤
滑、離型効果が得られず、50質量部を超える場合では
帯電安定性、生産性に問題が生じやすい。
【0247】本発明の潤滑粒子は多孔質粉体に液体潤滑
剤を含浸、内包させたものを用いることができる。
【0248】本発明において用いられる多孔質粉体とし
ては、ゼオライトに代表されるモレキュラーシーブ、ベ
ントナイト等の粘土鉱物、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、樹脂ジェル等がある。多孔質粉体でも樹
脂ジェルの如きトナー製造時の混練工程でその粒子が崩
壊するものは、その粒径は限定されない。一方、崩壊困
難な多孔質粉体の粒径としては、一次粒径として15μ
m以下が好ましい。15μmを超える場合ではトナー粒
子中ヘの分散が不均一になりやすい。また、液体潤滑剤
を含浸する前の多孔質粉体のBET法で測定した窒素吸
着による比表面積は10〜50m2/gであるものが好
ましい。10m2/g未満では多量の液体潤滑剤を保持
することが難しく、50m2/gを超えると細孔径が細
かく細孔内に液体潤滑剤が充分含浸できなくなる。多孔
質粉体を含浸させる方法としては、多孔質粉体を減圧処
理しこれを液体潤滑剤に浸す方法で製造できる。
【0249】液体潤滑剤を含浸させた多孔質粉体は結着
樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部の範囲で
混合するのが好ましい。0.1質量部未満では潤滑性、
離型性改善に効果がなく、20質量部を超えるとトナー
の帯電安定性に問題が生じやすい。またこれらの他に
も、液体潤滑剤を内包するカプセル型潤滑粒子や内部に
液体潤滑剤を分散、内包、膨潤、含浸させた樹脂粒子等
も使用できる。
【0250】本発明では液体潤滑剤を潤滑粒子としてト
ナー粒子中に分散させる必要があるが、潤滑粒子やその
崩壊物はトナー粒子中に均一に分散するので、液体潤滑
剤もトナー粒子ひとつひとつに均一に分散できる。従来
よりシリコーンをトナー中に均一に分散させるため各種
担体に吸着させて用いることがあり、単にシリコーン等
を直接添加する方法より均一分散性に優れている。しか
しながら本発明では単に分散性を向上させることが目的
ではなく、担体より液体潤滑剤を遊離させその潤滑効
果、離型効果を有効に発揮させなければならないのと同
時に、適度の保持強度をもたせ液体潤滑剤の過剰の遊離
を防止することが重要である。その為には本発明には潤
滑粒子を用いることが好ましく、液体潤滑剤を各種担体
に担持させた潤滑粒子が用いられる。
【0251】磁性体や他の微粒子がトナー粒子表面ある
いは表面近傍に存在することで、トナー粒子表面の液体
潤滑剤量を適度に調整することが可能である。また、液
体潤滑剤は潤滑粒子より遊離しトナー粒子表面に移行す
るが、担体の保持力が強ければ、液体潤滑剤は遊離しに
くく、従ってトナー粒子表面への移行が少なくトナー粒
子の潤滑性、離型性は得られない。これとは逆に担体の
保持力が弱ければ、液体潤滑剤は容易に遊離し、従って
トナー粒子表面への移行が過剰となり帯電性が不安定と
なり現像性に問題を生じる。また流動性も悪化し画像濃
度ムラ等の問題が生じやすい。さらに液体潤滑剤が担体
から遊離しきってしまえば潤滑性、離型性の効果は失わ
れる。本発明では、潤滑粒子の保持力が適度であるため
液体潤滑剤は担体から適度に遊離され、従ってトナー粒
子表面から液体潤滑剤が離脱しても徐々に補給されるの
でトナー粒子の潤滑性、離型性は持続される。またトナ
ー粒子表面あるいは表面近傍に磁性体、微粒子等の担体
が存在するためトナー粒子表面に移行した液体潤滑剤を
再吸着することもでき、液体潤滑剤の過度の染み出しを
防止できる。従って、担体がトナー粒子表面あるいは表
面近傍に存在することは、液体潤滑剤をトナー粒子表面
に適量保持するのに重要である。即ち、余分な液体潤滑
剤は吸収するが消費された液体潤滑剤は速やかに補給さ
れる機能を補助することができる。
【0252】以上のことからも本発明のトナーは、ある
程度時間を経ることでその潤滑性、離型性の効果は平衡
状態に達しかつその効果は最大となる。従ってトナー製
造後保存期間を経ることでその効果は向上するが、担体
による吸着と平衡状態となるので液体潤滑剤が過剰にト
ナー粒子表面に出てくることはない。一方、30〜45
℃の熱履歴を与えることでその期間を早め安定した状態
で最大の効果を発揮できるトナーとなるので好ましい。
また熱履歴によっても平衡状態となるので一定の効果を
保ち弊害を生じることはない。熱履歴を加えるのはトナ
ー粒子製造後であればいつでもよく粉砕法の場合では粉
砕後になる。
【0253】液体潤滑剤量としては結着樹脂100質量
部に対し、液体潤滑剤が0.1〜7質量部となるように
磁性体あるいは潤滑粒子を添加することが重要であり好
ましく、さらに好ましくは0.2〜5質量部であり、特
には0.3〜2質量部が好ましい。
【0254】本発明に用いられるトナーはトナー粒子表
面に少なくとも無機微粉体を添加したものであり、他に
トナー粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する有
機微粉体、樹脂微粉体などを添加したものも好ましい形
態の一つである。
【0255】本発明に用いる無機微粉体としては以下の
ようなものが用いられる。例えば、コロイダルシリカ、
酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化マグネシ
ウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン
酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化セリウ
ム、酸化ジルコニウム等が使用できる。これらのもの一
種類あるいは二種類以上を混合して使用することが出来
る。好ましくはチタニア、アルミナ、シリカ等の酸化物
あるいは複酸化物が好ましい。
【0256】トナーの表面上に無機微粉体を存在させる
ことによる効果は、現像効率、潜像再現性、転写効率を
向上させ、カブリを減少させることである。また本発明
に係わるトナーは、環境安定性、帯電安定性、現像性、
流動性、保存性向上の為、有機処理せしめた無機微粉体
をヘンシェルミキサー等の混合器により攪拌、混合する
ことにより本発明の特徴とするトナーが得られる。
【0257】本発明に用いられる無機微粉体としては、
特にケイ酸微粉体が好ましく、例えば、かかるケイ酸微
粉体は硅素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された
いわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シ
リカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリ
カの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の
内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3
2-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。
また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、
塩化アルミニウム、塩化チタン等、他の金属ハロゲン化
合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、
シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能
でありそれらも包含する。
【0258】本発明では、有機処理された無機微粉体を
用いることを特徴とするが、このような有機処理方法と
しては、前記無機微粉体と反応あるいは物理吸着するシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金
属化合物で処理する方法、もしくはシランカップリング
剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理
すると同時にシリコーンオイルの如き有機硅素化合物で
処理する方法が挙げられる。
【0259】有機処理に使用されるシランカップリング
剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチ
ルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキ
シシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロル
シラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニル
ジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロ
ムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリ
クロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、ク
ロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリル
メルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオ
ルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及
び1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し末端
に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合した
水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられ
る。
【0260】また、窒素原子を有するアミノプロピルト
リメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルア
ミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルト
リメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキ
シシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、
ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチル
アミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリ
ル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル
−γ−プロピルベンジルアミン等のシランカップリング
剤も単独あるいは併用して使用される。好ましいシラン
カップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(H
MDS)が挙げられる。
【0261】また、有機硅素化合物としては、シリコー
ンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとし
ては、25℃における粘度が0.5〜10000センチ
ストークス、好ましくは1〜1000センチストークス
のものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン
変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。シ
リコーンオイル処理の方法としては、例えばシランカッ
プリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイ
ルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合
してもよいし、ベースとなるシリカ微粉体にシリコーン
オイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な
溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた
後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でも
よい。
【0262】本発明に用いられる有機処理された無機微
粉体は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が
30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のも
のが良好な結果を与える。また本発明に用いられる疎水
化処理された無機微粉体は、トナー粒子100質量部に
対して0.01〜8質量部使用されるのが良く、好まし
くは0.1〜5質量部、特に好ましくは0.2〜3質量
部が良い。0.01質量部末満では、トナー凝集を改善
する効果が乏しくなり、8質量部を超える場合では、細
線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や磨耗
等の問題が生じやすい傾向がある。
【0263】本発明に係わるトナーの平均粒径は、体積
平均粒径Dv(μm)が3μm≦Dv≦8μmであり、
重量平均粒径D4(μm)が3.5μm≦D4≦9μm
であることが好ましい。体積平均粒径Dv(μm)では
8μmを、重量平均粒径D4(μm)では9μmを超え
ると100μm程度ラインにおいて飛び散りが生じやす
い。体積平均粒径Dv(μm)では3μm、重量平均粒
径D4(μm)では3.5μm未満であると、トナーの
製造が困難となり、ハンドリングも悪化する傾向にあ
る。
【0264】本発明に使用されるトナーの結着樹脂の種
類としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置
換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合
体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビ
ニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使
用できる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい
結着樹脂である。
【0265】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有する
ジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢
酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル
類、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のよう
なエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;
例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテ
ル類;等のビニル単量体が単独もしくは組み合わせて用
いられる。ここで架橋剤としては、主として2個以上の
重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル
基を有する化合物が単独もしくは混合物として使用でき
る。
【0266】塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を早めることで低分子量の重合体を得ることもで
きるが反応をコントロールしにくい問題点がある。溶液
重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用し
て、また開始剤量や反応温度を調節することで低分子量
重合体を温和な条件で容易に得ることができ、本発明で
用いる樹脂組成物のなかで低分子量体を得るときには好
ましい。
【0267】溶液重合で用いる溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピル
アルコール、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマ
ー混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好ま
しい。重合生成するポリマーによって適宜選択される。
【0268】また、圧力定着用に供せられるトナー用の
結着樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリア
ミド樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは単
独又は混合して用いることが好ましい。
【0269】また、定着時の定着部材からの離型性の向
上、定着性の向上の点から次のようなワックス類をトナ
ー中に含有させることも好ましい。パラフィンワックス
及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びそ
の誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘
導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナ
バワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物
や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト
変性物を含む。
【0270】その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、
エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物
系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロ
ラクタム等も利用できる。
【0271】着色剤としても従来より知られている無
機,有機の染料・顔料が使用可能であり、例えば、カー
ボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラッ
ク、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダムン
レーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニン
ブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは通
常、結着樹脂100質量部に対し0.5〜20質量部使
用される。
【0272】本発明のトナーには荷電制御剤をトナー粒
子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して
用いることができ好ましい。荷電制御剤によって、現像
システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能とな
り、特に本発明では粒度分布と荷電量とのバランスを更
に安定したものとすることが可能である。
【0273】トナーを負荷電性に制御するものとして、
例えば、下記物質がある。有機金属錯体、キレート化合
物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン
金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイ
カルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイド
ロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及び
その金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等の
フェノール誘導体類等がある。
【0274】また、正荷電性に制御するものとして下記
物質が例示される。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によ
る変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒド
ロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアン
モニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム
塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニ
ウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染
料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タ
ングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブ
デン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシ
アン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属
塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイ
ド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノス
ズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズ
ボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガ
ノスズボレート類;これらを単独あるいは2種類以上組
み合わせて用いることができる。
【0275】上述した荷電制御剤は微粒子状として用い
ることが好ましく、この場合これらの荷電制御剤の個数
平均粒径は4μm以下さらには3μm以下が特に好まし
い。これらの荷電制御剤をトナーに内添する場合は、結
着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、特に
0.2〜10質量部使用することが好ましい。
【0276】また、本発明に係わるトナーは磁性トナー
が好ましい。磁性体を用いる場合、磁性体としては、磁
場79.6kA/m(1000エルステッド)における
磁化の強さが50Am2/kg(emu/g)を超える
金属酸化物で形成された磁性体であることが好ましく、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガ
ン、アルミニウム、珪素などの元素を含む金属酸化物な
どがある。これら磁性粒子は、窒素吸着法によるBET
比表面積が好ましくは1〜30m2/g、特に2.5〜
26m2/g、更にモース硬度が5〜7の磁性粉が好ま
しい。磁性体の平均粒径としては0.05〜1.0μm
が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.6μm、さ
らには、0.1〜0.4μmが好ましい。
【0277】磁性体量は結着樹脂100質量部に対し5
0〜200質量部、特には60〜150質量部が好まし
い。50質量部未満では搬送性が不十分でトナー担持体
上のトナー層にムラが生じ画像ムラとなる傾向があり、
さらにトナートリボの上昇に起因する画像濃度の低下が
生じ易い傾向があった。一方、200質量部を超えると
定着性に問題が生ずる傾向があった。
【0278】本発明に係わるトナーには、実質的な悪影
響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン
粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉
末の如き滑剤粉末;あるいは酸化セリウム粉末、炭化硅
素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;あ
るいは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末な
どの流動性付与剤;ケーキング防止剤;あるいは例えば
カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等
の導電性付与剤;また、逆極性の有機微粒子、及び無機
微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0279】本発明に係るトナーを作製するには、公知
の方法が用いられるが、例えば、結着樹脂、ワックス、
金属塩ないしは金属錯体、着色剤としての顔料、染料又
は磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等
をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十
分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダ
ーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互い
に相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を
分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕、分級を行なっ
て本発明に係るトナーを得ることが出来る。分級工程に
おいては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ま
しい。
【0280】更に本発明中のトナーは磁性トナーが好ま
しいが、キャリア粒子と混合して二成分トナーとして用
いても良い。
【0281】トナーの平均粒径及び粒度分布はコールタ
ーカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサ
イザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であ
るが、本発明においてはコールターマルチサイザー(コ
ールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力する
インターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソ
ナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1
級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。たとえば、ISOTON R−ll(コールターサ
イエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定
法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分
散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンス
ルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2
〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散
器で約1〜3分間分散処理を行ない前記コールターマル
チサイザーによりアパーチャーとして100μmアパー
チャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測
定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、該
体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4:各
チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)と、
個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を
求めた。
【0282】〔画像形成プロセス〕以上述べてきた、課
題を解決するための手段及び作用を単独、組み合わせで
用いることにより、優れた効果を引き出すことが可能で
ある。図1は複写機の画像形成プロセスの一例を示す概
略図であり、帯電工程、潜像形成工程、現像工程及び定
着工程を有し、さらに転写材の両面にトナー像を定着・
形成するための部材を備えたものである。
【0283】図1において、101は像担持体である感
光ドラムであり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロ
セススピード)にて回転駆動されるドラム型のアモルフ
ァスシリコン感光体である。
【0284】102は前記帯電キャリアを用いた接触型
帯電部材であり、多極磁性体及びその面上に形成した帯
電キャリアよりなるブラシ層とからなる。
【0285】ブラシ層は、前述のごとく磁性フェライト
や磁性マグネタイド、磁性トナーのキャリア等の帯電キ
ャリアで構成される。
【0286】該帯電部材102のブラシ層の抵抗値は、
良好な帯電効率を保持するため、一方ではピンホール防
止のためにHIOKI社製のMΩテスターで250〜1
kVの印加電圧における測定にて、1×103〜1×1
12Ωcmなる抵抗を有することが好ましい。より好ま
しくは1×104〜1×108Ωcmである。
【0287】像担持体101と接触帯電部材102の最
近接間隙は、そのニップ制御のために50〜2000μ
mの範囲にスペーサー(不図示)等で安定的に設定され
ることが好ましく、より好ましくは100〜1000μ
mである。その他にニップ調整用にブレード等の機構を
設けても良い。
【0288】106(a)は転写帯電に用いている接触
帯電部材であり、電極及びその帯電面に形成した抵抗層
とからなる。
【0289】電極は、通常アルミニウム、アルミニウム
合金、真鍮、銅、鉄、ステンレス等の金属や、樹脂、セ
ラミック等の絶縁材料に導電処理、すなわち、金属をコ
ーティングしたり、導電性塗料を塗布したりしたものを
用いる。
【0290】抵抗層は、ポリプロピレン、ポリエチレン
等の樹脂や、シリコーンゴム、ウレタンゴム等のエラス
トマーに、酸化チタン、炭素粉、金属粉等の導電性フィ
ラーを分散したものが一般的に用いられる。該抵抗層の
抵抗値は、HIOKI社製のMΩテスターで250〜1
kVの印加電圧における測定にて、1×103〜1×1
12Ωcmなる抵抗を有する。
【0291】以下、さらに具体例を以て画像形成プロセ
スを説明すると、感光体101は+0.4〜1.0kV
の電圧を印加した主帯電器102により一様に帯電さ
れ、これに静電潜像形成部位103、すなわちランプ1
10から発した光が原稿台ガラス111上に置かれた原
稿112に反射し、ミラー113、114、115を経
由し、レンズユニット117のレンズ118によって結
像され、ミラー116を経由し、導かれ投影された静電
潜像が形成される。この潜像に現像器104からネガ極
性トナーが供給されてトナー像となる。
【0292】一方、転写材供給系105を通って、レジ
ストローラ122によって先端タイミングを調整され、
感光体方向に供給される転写材Pは+0.8〜1.5k
Vの電圧を印加した転写帯電器106(a)と感光体1
01の間隙において背面から、トナーとは反対極性の正
電界を与えられ、これによって感光体表面のネガ極性ト
ナー像は転写材Pに転移する。転写材Pは転写材搬送系
108を通って定着装置124に至り、トナー像は定着
されて装置外に排出される。感光体101上に残留する
トナーはクリーナーユニット107のクリーニングブレ
ード121によってかき落とされ、残留する静電潜像は
除電光源109によって消去される。
【0293】両面、多重複写の場合、定着された転写材
は、定着ローラの間を通り定着器から排出される際に剥
離帯電により転写材には数kVもの静電気を帯びるの
で、接地乃至バイアスを印加した除電ブラシ125によ
り除電する。次いで、両面複写、多重複写の用途に応じ
て、転写材を反転させる場合、反転経路126を経由
し、中間トレイ128に収納する。この際、反転経路等
での転写材の摩擦帯電を除電ブラシ127によって除去
する。中間トレイ128から給紙ローラ129により再
度転写材供給系105に送られ、両面2面目乃至多重面
の複写が実行される。
【0294】この工程の中で、転写材に除電ブラシ12
5、127の導電繊維が絡み込み、これが転写帯電器1
06と感光体101の間に入り込んでも、ストリーマー
コロナや火花放電等の異常放電は発生せず、かつ導電繊
維が仲立ちをしたとしても、アモルファスシリコン感光
体の耐電圧以下であり、放電破壊は発生しない。
【0295】何らかの別の理由によって放電破壊と同等
の破壊がアモルファスシリコン感光体に発生したとして
も、導電ブラシによる直接帯電により、放電破壊部が白
抜けし、その周囲をかぶったような中間調が数mmの大
きさで取り囲むといった非常に目立つ画像欠陥は発生し
ない。
【0296】
【実施例】以下、本発明を製造例及び実施例により具体
的に説明するが、これは本発明をなんら限定するもので
はない。なお、以下の配合における部数は全て質量部で
ある。
【0297】(液体潤滑剤担持磁性体の製造例)磁性酸
化鉄(BET値7.8m2/g、σs=60.5Am2
kg(emu/g))100部に対し、液体潤滑剤の所
定量をシンプソンミックスマーラー(MPVU−2松本
鋳造社製)に投入し、室温にて30分間作動させた後、
さらにハンマーミルによりほぐし処理を加えて液体潤滑
剤を担持した磁性体aを得た。同様にして、各種液体潤
滑剤を各種磁性体に担持させた。得られた液体潤滑剤を
担持した磁性体a〜dの物性値を表1に示す。また磁性
体aの末処理品を未処理磁性体eとし、磁性体dの未処
理品を未処理磁性体fとした。
【0298】(液体潤滑剤担持潤滑微粒子の製造例)液
体潤滑剤を担持させる担体微粒子(シリカ)をヘンシェ
ルミキサー中で攪拌しつつ、液体潤滑剤をn−ヘキサン
で希釈したものを滴下する。滴下終了後攪拌しつつ減圧
しn−ヘキサンを除去し次いでハンマーミルで粉砕し液
体潤滑剤を担持した潤滑微粒子aを得た。同様にして、
各種液体潤滑剤を各種担体微粒子に担持させた。得られ
た液体潤滑剤を担持した潤滑粒子a〜dの物性値を表1
に示す。また、潤滑粒子aの製造に用いたシリカの未処
理品を粒子eとした。
【0299】
【表1】
【0300】(トナー製造例1) ・磁性体a 100部 ・スチレン−n−ブチルアクリレート−マレイン酸n−ブチルハーフエステル 共重合体(共重合比8:2 Mw=26万) 100部 ・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2部 ・低分子量ポリオレフィン(離型剤) 3部 上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した
二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェトミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機にて分級して黒色
微粉体を得た。得られた黒色微粉体100部に対し疎水
性シリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理BET比
表面積200m2/g)を1.2部添加し、ヘンシェル
ミキサーにて攪拌・混合した後150メッシュの篩で粗
粒を除去し磁性トナーAを得た。得られた磁性トナーA
の重量平均粒径は7.0μmであった。
【0301】(トナー製造例2,3)磁性体aのかわり
に磁性体b,cを用い、粒径および粒度分布を変化させ
る以外は、製造例1と同様にして黒色微粉体を得た。こ
の黒色微粉体100部に対して疎水性シリカ微粉体(製
造例1と同じもの)を1.5部加え、製造例1と同様に
して磁性トナーB,Cを得た。得られた磁性トナーB,
Cの重量平均粒径はそれぞれ6.5μm、7.5μmで
あった。
【0302】(トナー製造例4) ・磁性体d 70部 ・ポリエステル樹脂 100部 ・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2部 ・低分子量ポリオレフィン(離型剤) 3部 上記材料を用い、得られた黒色微粉体100部に対して
疎水性シリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理BE
T比表面積380m2/g)を1.0部加える以外はト
ナー製造例1と同様にして磁性トナーDを得た。得られ
た磁性トナーDの重量平均粒径は7.0μmであった。
【0303】(トナー比較製造例1,2)磁性体として
未処理の磁性体e,fを100部用いる以外はトナー製
造例1と同様にして、磁性トナーE,Fを得た。得られ
た磁性トナーE,Fの重量平均粒径はそれぞれ8.0μ
m、10.0μmであった。
【0304】(トナー製造例5) ・磁性体e 100部 ・スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合比8:2 Mw=26万) ・潤滑粒子a 1部 ・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 3部 上記成分を用いて、製造例1と同様にして黒色微粉体を
得た。この黒色微粉体100部に対して疎水性シリカ微
粉体(製造例1と同じもの)を1.2部加え、製造例1
と同様にして磁性トナーGを得た。得られた磁性トナー
Gの重量平均粒径は7.0μmであった。
【0305】(トナー製造例6,7)潤滑粒子aに変え
てそれぞれ潤滑粒子b,cとし、トナー粒径並びに有機
処理された無機微粉体の添加量を変えることの他はトナ
ー製造例5と同様にしてトナーH,Iを得た。得られた
磁性トナーH,Iの重量平均粒径はそれぞれ6.8μ
m、8.0μmであった。
【0306】(トナー製造例8) ・磁性体e 100部 ・ポリエステル樹脂 100部 ・潤滑粒子d 1部 ・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2部 ・低分子量ポリオレフィン(離型剤) 3部 上記成分を用いて、製造例1と同様にして黒色微粉体を
得た。この黒色微粉体100部に対して疎水性シリカ微
粉体(製造例1と同じもの)を1.2部加え、製造例1
と同様にして磁性トナーJを得た。得られた磁性トナー
Jの重量平均粒径は7.0μmであった。
【0307】(トナー比較製造例3)潤滑粒子aに変え
て未処理粒子eとすることの他はトナー製造例8と同様
にしてトナーKを得た。得られた磁性トナーKの重量平
均粒径は6.8μmであった。
【0308】(トナー製造例9) ・磁性体d 100部 ・スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合比8:2 Mw=26万) 下記構造で示すトリフェニルメタン化合物 2部
【0309】
【化1】
【0310】 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 3部 上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した
二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェトミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機にて分級して黒色
微粉体を得た。得られた黒色微粉体100部に対し正帯
電性疎水性シリカ微粉体(γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン処理BET比表面積130m2/g)を1.
2部添加し、ヘンシェルミキサーにて攪拌・混合した後
100メッシュの篩で粗粒を除去し磁性トナーLを得
た。得られた磁性トナーLの重量平均粒径は7.0μm
であった。
【0311】〈実施例1〉図2に示すRF−PCVD法
による画像形成装置用感光体の製造装置を用い、直径8
0mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上
に、表2に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面
層からなる感光体を作製した。さらに光導電層のSiH
4とH2との混合比ならびに放電電力を変えることによっ
て、種々の感光体を作製した。
【0312】
【表2】
【0313】一方、円筒形のサンプルホルダーに設置し
たガラス基板(コーニング社 7059)ならびにS
iウエハー上に、光導電層の作製条件で膜厚約1μmの
a−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはCr
の串型電極を蒸着し、CPMにより指数関数裾の特性エ
ネルギー(Eu)と局在準位密度(DOS)を測定し、
Siウエハー上の堆積膜はFTIRにより含有水素量を
測定した。
【0314】感光体の試験結果を、図5,図6にまとめ
る。図5,図6から明らかなように、Eu=50〜60
meV、DOS=1×1014〜5×1015cm-3の範囲
にすることにより更に良好な電子写真特性を得られるこ
とがわかった。
【0315】これに、図9に示したような磁気ブラシロ
ーラを主帯電部材として図1に示す装置に適用した。
【0316】磁気ブラシローラからなる接触型帯電部材
を以下の条件で製作した。
【0317】多極磁性体はプラスチックマグネットを前
述の要領でφ18mmのローラ状に構成した。その磁極
数はニップ幅内で複数存在する様に12極に構成した。
【0318】ブラシ層は、5〜35μmの磁性酸化鉄等
のキャリアと1〜5μmの小粒径マグネタイト等の磁性
粉混合したものを帯電用磁性粒子として該マグネットロ
ーラに保持させ磁気ブラシを形成させ使用した。
【0319】具体的には平均粒径30μm,体積抵抗値
1×106ΩcmのZn−Cuフェライト粒子と、平均
粒径2μm,体積抵抗値7×106Ωcmのマグネタイ
ト粒子を、9:1の割合で混合してそれぞれの平均粒径
の位置にピークを有する平均粒径28μmのフェライト
粒子を帯電部材として用いた。
【0320】磁性粒子の体積抵抗値の測定は、絶縁され
た測定セルに磁性体粒子を充填し、該充填磁性体粒子に
接するように上下から電極を配し、該電極間に電圧を印
加し、その時流れる電流を測定することにより求めた。
その測定条件は、23℃,65%の環境で充填磁性体粒
子のセルとの接触面積S=2cm2、厚みd=1mm、
上部電極の荷重10kg、印加電圧100Vである。
【0321】該磁性粒子保持マグネットローラと感光体
との間隙は約500μmとした。またマグネットロール
は表面が感光体表面の周速に対して2倍の早さで逆方向
に摺擦するように回転させ、感光体と磁気ブラシが均一
に接触するようにした。なお磁気ブラシと感光体の間に
周速差を設けない場合には、磁気ブラシ自体は物理的な
復元力を持たないため、感光体のフレ、偏心等で磁気ブ
ラシが押し退けられた場合、磁気ブラシのニップが確保
できなくなって帯電不良を起こす。このため、常に新し
い磁気ブラシの面を当てる必要から、本実施例では2倍
の早さで逆方向に回転させた。また、ニップ幅は6〜7
mmとした。
【0322】転写帯電部材としては、電極にステンレ
ス、抵抗層はシリコーンゴムのエラストマーに炭素粉の
導電性フィラーを分散したものを用いた。
【0323】該抵抗層の抵抗値は、HIOKI社製のM
Ωテスターで250〜1kVの印加電圧における測定に
て、1×109Ωcmなる抵抗を有していた。
【0324】また、図14(a)のような転写ローラ1
403(導電性カーボンを分散したエチレン−プロピレ
ンゴム製、導電性弾性層の体積抵抗値108Ωcm、表
面ゴム硬度24°、直径20mm、当接圧49N/m
(50g/cm))を感光体周速(350mm/se
c)に対して等速とし、転写バイアスとして+2000
Vを印加した。
【0325】前記表2の感光体(絶縁耐圧2.8kV)
を用い、帯電部材を図1に示した様な画像形成装置にセ
ットして、トナーとして磁性トナーAを使用し、23
℃,60%RHの環境で評価した。転写材としては75
g/m2の紙を使用した。帯電部材への印加電圧条件は
+600Vdcであり、プロセススピードは300mm
/secで行った。
【0326】現像部においては感光ドラムと現像スリー
ブとの間隙を300μmとし、トナー担持体として表面
をブラストした直径20φのアルミニウム円筒を現像ス
リーブとして使用し、内包する固定マグネットの現像磁
極950ガウス、トナー規制部材としてSUS板を用い
て磁気カットにより規制を行なった。
【0327】次いで、現像バイアスとして直流バイアス
成分Vdc=+200V、重畳する交流バイアス成分V
pp=1400V、f=2000Hzを用いた。また、
現像スリーブの周速は感光体周速に対して感光体対向部
で順方向に120%のスピードとした。
【0328】画像評価の結果、耐久50000枚で表5
に示すように転写中抜けのない充分な画像濃度かつ飛び
散りの少ない良好な画像が得られた。また、感光体上を
観察したところ、トナーの融着は認められなかった。
【0329】なお、本発明中において飛び散りの評価
は、グラフィカルな画像の画質に関わる微細な細線での
飛び散り評価であり、文字ラインにおける飛び散りより
もより飛び散りやすい約100μmラインでの飛び散り
評価である。
【0330】また、転写中抜けについてはOHT用紙に
おける約250μmの縦と横のライン及び該ライン幅で
書かれた”驚”の文字を評価した。図14(a)が転写
中抜けのない良好な画像を示し、図14(b)が転写中
抜けが生じている不良な画像を示している。
【0331】〈実施例2〉図2に示す製造装置を用い、
表3に示す作製条件で画像形成装置用感光体(絶縁耐圧
3.0kV)を作製した。このときの光導電層のEuと
DOSは、それぞれ55meV、2×1015cm-3であ
った。
【0332】これに、図10に示したようなファーブラ
シローラを主帯電部材として図1に示す装置に適用し
た。該ファーブラシローラはレーヨン導電繊維(ユニチ
カ製REC−B)で、6デニール、10万本/inch
2、抵抗5×104Ω(250V印加にて測定)からなる
ブラシ層を有するファーブラシを使用した。
【0333】主帯電部材への印加電圧条件は+600V
dcであり、プロセススピードは350mm/sec
で、帯電部材を感光体との当接面で周速比が200%と
なる様に同方向に回転させた(当接面では各々逆方向に
移動する)。
【0334】図12に示す様に、転写帯電器は、実施例
1と同様のものを用い、実施例1と同様の評価をしたと
ころ、耐久に渡り良好な画像が得られた。
【0335】また、画像評価の結果、表5に示すように
転写中抜けのない充分な画像濃度かつ飛び散りの少ない
良好な画像が得られた。
【0336】
【表3】
【0337】〈実施例3〉図1に示すような構成で、図
8に示したような弾性帯電ローラを主帯電部材として図
1に示す装置に適用した。
【0338】弾性帯電ローラとして抵抗5×107Ω
(250V印加にて測定)の弾性帯電ローラを用いた。
帯電部材への印加電圧条件は、放電を用いる実施例1と
同電位に帯電するためにローラの放電開始電圧を加えた
+1100Vdcで行なった。転写手段に図13(b)
のような抵抗8×108Ω(250V印加にて測定)の
転写ベルト1320を使用した。該帯電部材を所定の速
度で、感光体と同方向に回転させる(感光体との当接面
では各々逆方向に移動する)様にした。また、プロセス
スピードは200mm/secで行った。
【0339】これに、実施例2と同様の感光体を用い、
実施例1と同様の評価をしたところ、やや飛び散りが多
いものの良好な画像が得られた。
【0340】また、画像評価の結果、表5に示すように
転写中抜けのない充分な画像濃度かつ飛び散りの少ない
良好な画像が得られた。
【0341】〈実施例4〉図3に示すVHF−PCVD
法による画像形成装置用感光体の製造装置を用い、実施
例1と同様に直径80mmの鏡面加工を施したアルミニ
ウムシリンダー(支持体)上に表4に示す条件で電荷注
入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製し
た。
【0342】さらに光導電層のSiH4とH2との混合
比、放電電力、支持体温度ならびに内圧を変えることに
より、種々の感光体を作製した。
【0343】一方、光導電層の作製条件で、円筒形のサ
ンプルホルダーに設置したガラス基板(コーニング社
7059)ならびにSiウエハー上に膜厚約1μmのa
−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはCrの
串型電極を蒸着して、CPMにより指数関数裾の特性エ
ネルギー(Eu)と局在準位密度(DOS)を測定し、
Siウエハー上の堆積膜はFTIRにより含有水素量な
らびにSi−H2結合とSi−H結合の吸収ピーク強度
比を測定した。
【0344】次いで、図1に示したものと同様の装置構
成にて、実施例1と同様の評価を行った。
【0345】Eu、DOSと放電破壊発生率との関係は
実施例1と同様であり、良好な電子写真特性のためには
Eu=50〜60meV、DOS=1×1014〜5×1
15cm-3であることが必要であることがわかった。
【0346】さらに、図7に示すSi−H2/Si−H
と放電破壊発生率との関係から、Si−H2/Si−H
=0.2〜0.5の範囲にすることが更に良好であるこ
とがわかった。
【0347】また、表4の感光体(絶縁耐圧2.7k
V)の画像評価の結果、表5に示すように転写中抜けの
ない充分な画像濃度かつ飛び散りの少ない良好な画像が
得られた。
【0348】
【表4】
【0349】〈比較例1〉トナーとしてトナーEを使用
し、実施例1と同様の装置・条件で画出しを行った。そ
の結果、表5に示すように文字周りに飛び散りが目立
ち、文字転写中抜けの目立つ画像(図14(b)参照)
であった。また連続50000枚画出し後の画像上には
画像欠陥は認められなかったものの、感光体表面には若
干のトナーの融着が認められた。
【0350】〈比較例2〉トナーとしてトナーFを使用
し、実施例1と同様の装置・条件で画出しを行った。そ
の結果、表5に示すように文字転写中抜けの目立つ飛び
散りの多い画像であった。
【0351】〈実施例5〜11〉トナーとしてトナーB
〜D、G〜Jを使用し、実施例1と同様の装置・条件で
画出しを行った。その結果を表5に示す。
【0352】〈比較例3〉トナーとしてトナーKを使用
し、実施例1と同様の装置・条件で画出しを行った。そ
の結果、表5に示すように文字周りに飛び散りの多い、
文字転写中抜けの目立つ画像であった。
【0353】〈実施例12〉トナーとしてトナーLを使
用し、図1の装置を図8のようなレーザー光でイメージ
スキャンを行なう二値のデジタル複写機に改造し、主帯
電部材としては実施例1と同様のものを用い、感光体の
明部電位(VL)を=+150Vとした。また、次い
で、現像バイアスとして直流バイアス成分Vdc=+3
50V、重畳する交流バイアス成分Vpp=1400
V、f=2000Hzを用い、現像スリーブの周速は感
光体周速に対して感光体対向部で順方向に150%のス
ピードとして反転現像により現像を行った。また、転写
は転写手段に印加する電圧を−1.3kVとすることで
転写材への転写を行った。これら以外は実施例1と同様
の装置・条件で画出しを行った。その結果を表5に示
す。
【0354】
【表5】
【0355】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明はトナー像
を、転写材を介して感光体と転写手段を接触させた状態
で転写する転写工程と、前述のごとき改良されたアモル
ファスシリコン感光体とアモルファスシリコン感光体の
耐電圧より低い帯電印加電位にするといった特定の構成
とし、液体潤滑剤を含有するトナーを用いることによっ
て、極めて好適な画像安定化が達成された。
【0356】さらに導電性ローラ、導電性磁気ブラシ、
導電性ファーブラシ等を用いた接触型帯電部材にて帯電
工程を構成することが好ましい。
【0357】これにより感光体への放電破壊等による画
質の低下が防止され、かつ、別の要因で類似の欠陥が発
生した場合も画質の低下がなく、きわめて安定したシス
テムの構築が可能となった。また、オゾンの発生を大幅
に低減したため画像流れが防止された。
【0358】さらに、トナー中に液体潤滑剤を含有させ
たトナーを用いることで、トナーの感光体への融着やク
リーニング不良、転写中抜け、尾引きが無く、良好な画
像濃度を有する画像を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施態様例の構成を説明するた
めの模式的構成図である。
【図2】RF帯の高周波を用いたグロー放電法による画
像形成装置用感光体の製造装置の模式的説明図である。
【図3】VHF帯の高周波を用いたグロー放電法による
画像形成装置用感光体の製造装置の模式的説明図であ
る。
【図4】本発明の画像形成装置用感光体における光導電
層のアーバックテイルの特性エネルギー(Eu)と温度
特性との関係を示す図である。
【図5】本発明の画像形成装置用感光体における光導電
層のアーバックテイルの特性エネルギー(Eu)と温度
特性との関係を示す図である。
【図6】本発明の画像形成装置用感光体における光導電
層の局在状態密度(DOS)と光メモリーとの関係を示
す図である。
【図7】本発明の画像形成装置用感光体における光導電
層のSi−H2結合とSi−H結合の吸収ピーク強度比
とハーフトーン濃度ムラ(ガサツキ)との関係を示す図
である。
【図8】本発明に関する接触帯電の好適な実施態様例の
構成を説明するための模式的構成図である。
【図9】本発明に関する磁気ブラシを用いた好適な実施
態様例の構成を説明するための模式的構成図である。
【図10】本発明に関するファーブラシを用いた好適な
実施態様例の構成を説明するための模式的構成図であ
る。
【図11】本発明の画像形成装置用感光体の好適な実施
態様例の層構成を説明するための模式的層構成図であ
る。
【図12】本発明の別の好適な実施態様例の構成を説明
するための模式的構成図である。
【図13】本発明に使用される転写ローラ(a)又は転
写ベルト(b)を有する転写手段の概略図である。
【図14】”転写中抜け”のない良好な画像(b)およ
び”転写中抜け”が生じている不良な画像(a)を示す
図である。
【符号の説明】
101 アモルファスシリコン感光体 102 接触帯電器(帯電部材) 106 接触転写帯電器(転写手段) 124 除電ブラシ 126、128 両面給紙ユニット 2100、3100 堆積装置 2111、3111 反応容器 2112、3112 円筒状支持体 2113、3113 支持体加熱用ヒーター 2114 原料ガス導入管 2115、3116 マッチングボックス 2116 原料ガス配管 2117 反応容器リークバルブ 2118 メイン排気バルブ 2119 真空計 2200 原料ガス供給装置 2211〜2216マスフローコントローラー 2221〜2226 原料ガスボンベ 2231〜2236 原料ガスボンベバルブ 2241〜2246 ガス流入バルブ 2251〜2256 ガス流出バルブ 2261〜2266 圧力調整器 3115 電極 3120 支持体回転用モーター 3121 排気管 3130 放電空間 801 被帯電体 802 接触ローラ帯電部材 803 電源 901 被帯電体 902 接触磁気ブラシ帯電部材 903 電源 1001 被帯電体 1002 接触ファー帯電部材 1003 電源 1100 感光体 1101 支持体 1102 感光層 1103 光導電層 1104 表面層 1105 電荷注入阻止層 1106 自由表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/02 101 G03G 13/08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電部材でアモルファスシリコン感光体
    を有する像担持体を帯電する帯電工程、帯電された該像
    担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、該静電潜
    像をトナーによって顕像化する現像工程、該トナー像を
    転写材に転写するための転写手段を該転写材を介して感
    光体と接触させた状態で該トナー像を該転写材に転写す
    る転写工程を少なくとも有する画像形成方法において、 該トナーは液体潤滑剤を含有しているトナーであり、該
    転写手段の表面電圧が該アモルファスシリコン感光体の
    絶縁耐圧より低いことを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 該帯電工程が、帯電部材に電圧を印加
    し、この帯電部材の帯電面をアモルファスシリコン感光
    体に接触させて帯電し、該帯電部材の表面電圧が該アモ
    ルファスシリコン感光体の絶縁耐圧より低いことを特徴
    とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 該帯電部材が、導電性磁性粉体により形
    成されたブラシ又は導電性繊維によるブラシを用いた帯
    電部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    画像形成方法。
  4. 【請求項4】 該転写手段が中抵抗の導電性部材であ
    り、ローラ、ベルト又はブラシから選ばれる転写手段で
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 該トナーが少なくとも結着樹脂及び着色
    剤を含有するトナー粒子と有機処理された無機微粉体と
    を外添混合してなるトナーであり、該トナー粒子表面に
    液体潤滑剤を有することを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 該液体潤滑剤が、攪拌作用、圧縮作用、
    せん断作用又はへらなで作用により着色剤に担持されて
    いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 該着色剤が磁性体であることを特徴とす
    る請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 該液体潤滑剤が、液体潤滑剤を潤滑粒子
    全質量に対して20〜90質量%含有した潤滑粒子の形
    態でトナー中に含有されていることを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 該液体潤滑剤の25℃における粘度が1
    0cSt〜20万cStであることを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 該トナーが少なくとも結着樹脂及び着
    色剤を含有するトナー粒子と有機処理された無機微粉体
    及び固体潤滑剤微粉末を混合してなるトナーであること
    を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  11. 【請求項11】 該トナーに混合される無機微粉体の表
    面が少なくともシリコーンオイル又はワニスで処理され
    ていることを特徴とする請求項5又は10に記載の画像
    形成方法。
  12. 【請求項12】 前記像担持体は、(i)導電性支持体
    及び、(ii)シリコン原子として水素原子及び/又は
    ハロゲン原子を含有する非単結晶材料によって形成され
    た光導電性を示す光導電層を有する光受容層を有する画
    像形成装置用感光体であって、該光導電層が10〜30
    原子%の水素を含有し、少なくとも光の入射する部分に
    おいて、サブバンドギャップ光吸収スペクトルから得ら
    れる指数関数裾の特性エネルギーが50〜60meV、
    局在状態密度が1×1014〜5×1015cm-3であり、
    その上にシリコン原子を母体として水素原子及び/又は
    ハロゲン原子と炭素原子を含有する非単結晶材料からな
    る電荷注入阻止層を設けてなることを特徴とする請求項
    1乃至11のいずれかに記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 該転写材に転写された該トナー像を該
    転写材に定着する定着工程をさらに有することを特徴と
    する請求項1乃至12のいずれかに記載のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 該帯電工程、該潜像形成工程、該現像
    工程、該転写工程及び該定着工程を順次行ない該転写材
    の一方の面に定着したトナー像を形成した後、該転写材
    の該トナー像の定着されている面と反対の面に定着した
    トナー像を形成するため、該帯電工程、該潜像形成工
    程、該現像工程、該転写工程及び該定着工程を順次行な
    い、該転写材の両面に定着したトナー像を形成する画像
    形成方法において、 該転写材の一方の面に定着したトナー像を形成した後、
    次の該転写材の該トナー像の定着されている面と反対の
    面にトナー像を転写する転写工程の前までに該転写材に
    付与された電荷を除去又は減少させることを特徴とする
    請求項13に記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 該転写材に除電ブラシを接触させるこ
    とにより該転写材に付与された電荷を除去又は減少させ
    ることを特徴とする請求項14に記載の画像形成方法。
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