JPH09268534A - 除雪車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 除雪板を必要に応じて昇降し能率的な除雪作
業が行える除雪車を提供する。 【構成】 無端クローラ２により走行する圃場内運搬機
３の前部に、任意の傾斜角度に起伏する一対のリフトア
ーム４を回転自在に固定し、これら一対のリフトアーム
４の先端に除雪板５を掛け渡すと共に、前後方向に延び
る螺子棒６を圃場内運搬機３の後部に設け、螺子棒６に
変位自在に一端を螺合した連結棒７の他端を、片側のリ
フトアーム４の基端と固定連結したクランク８に連結す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、農地や畑等のよ
うな平地の積雪を除去する除雪車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、無端クローラにより走行する圃場
内運搬機の前部に、任意の傾斜角度に起伏するリフトア
ームを設け、該リフトアームの先端に除雪板を取り付け
た除雪車が周知である（実開昭63−194925号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記例示の除雪車は、
前記圃場内運搬機の上部に、油圧シリンダの伸縮に伴っ
て起伏する荷台を設け、この荷台と共に前記リフトアー
ムが起伏するように構成しているので、荷台上に荷物を
積載するには荷台を水平に保持しなければならず、除雪
板を適切な位置に昇降できないという問題がある。ま
た、リフトアームに除雪板が固定されているため、リフ
トアームの傾斜角度を変化させると除雪板の姿勢も変化
することになり、除雪作業を能率よく行えないという問
題がある。

【０００４】この発明の目的は、除雪板を必要に応じて
昇降し能率的な除雪作業が行える除雪車を提供すること
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の除雪車
は、無端クローラにより走行する圃場内運搬機の前部
に、任意の傾斜角度に起伏するリフトアームを回転自在
に固定し、該リフトアームの先端に除雪板を取り付ける
と共に、前後方向に延び且つハンドルによって回転する
螺子棒を前記圃場内運搬機に設け、該螺子棒に一端を前
後方向に変位自在に螺合した連結棒の他端を、前記リフ
トアームの基端と連結固定しているクランクに連結した
ものである。

【０００６】請求項２記載の除雪車は、前記リフトアー
ムに除雪板を回転自在に固定し、且つ、前記リフトアー
ムに爪を設け、該爪に掛止する鉤を上下方向に所定間隔
毎に形成した多段ラッチ片の一端を回動自在に前記除雪
板に連結することにより、リフトアームに対する除雪板
の角度を調整自在としたものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１及び図２に示すように、この
発明の実施の形態に係る除雪車１は、無端クローラ２に
より走行する圃場内運搬機３の前部に、任意の傾斜角度
に起伏する一対のリフトアーム４を回転自在に固定し、
これら一対のリフトアーム４の先端に除雪板５を掛け渡
すと共に、前後方向に延びる螺子棒６を圃場内運搬機３
の後部に設け、前記螺子棒６に変位自在に一端を螺合し
た連結棒７の他端を、前記片側のリフトアーム４の基端
と固定連結したクランク８に連結したものである。

【０００８】前記圃場内運搬機３は、車台３ａの上部に
荷台９を取り付け、該荷台９の後側に、無端クローラ２
を減速機１０を介して駆動する原動機１１と操向ハンド
ル１２とを配置している。該操向ハンドル１２及びその
付近には、減速機１０及び原動機１１を制御して無端ク
ローラ２を正転，反転又は停止させる図外の握爪等が取
り付けられている。

【０００９】前記一対のリフトアーム４は、それぞれの
基端が車台３ａの前端に水平姿勢で軸支されたアームボ
トムピン４ａにより結合され、車台３ａの前方へ延出す
る先端に、車幅方向へ水平に延びる筒状の軸受ホルダ１
３を固定している。前記除雪板５は、断面が略円弧状の
ブレード５ａの両側に一対のフィン５ｂを各々固定する
と共に、ブレード５ａの裏面に、撓み剛性を確保するリ
ブ５ｃ，５ｄと、軸受ホルダ１３の両端から突出したボ
ルトからなるアームトップピン４ｂに回動自在に軸支さ
れる一対の梃子片１４とを各々溶接している。

【００１０】前記螺子棒６は、車台３ａの後部にブラケ
ット１５で支持されたギアボックス１６の出力軸１７の
周面に雄ねじを形成したものである。前記ギアボックス
１６は、周知の技術であるため内部の図説は省略する
が、手回しハンドル１８を有する手動入力軸１９を側部
に設け、該手動入力軸１８の内方端に固定した一の笠歯
車と、前記螺子棒６の内方端に固定した他の笠歯車を直
交して噛み合わせることにより、手回しハンドル１８の
回転に応じて螺子棒６が従動するように構成したもので
ある。

【００１１】前記連結棒７は、図１及び図３に示すよう
に、螺子棒６を挿通するアウタチューブ２０の後端開口
に螺子棒６を螺合するナット２１を溶接し、ヒンジボル
ト２２を挿通するピン挿通孔７ａを先端に形成したもの
である。前記クランク８は、前記ヒンジボルト２２を挿
通する縦長のピン挿通孔８ａを上端に形成し、図１及び
図２によく表れているように、下端が短管２３を介して
片側のリフトアーム４の基端に溶接されている。前記ヒ
ンジボルト２２には、ピン挿通孔７ａ，８ａから抜け落
ちないようにロックナット２４が締結されているが、連
結棒７とクランク８の間には僅かに隙間が残されている
ため両者は自在に回動できる。

【００１２】前記手回しハンドル１８を正転させて、螺
子棒６をナット２１に対して締め付ける方向へ回動する
と、連結棒７が後退することになり図１の仮想線で表す
ようにクランク８の上端が後方へ引き寄せられ、これに
伴ってリフトアーム４が起立し除雪板５が上昇する。逆
に、手回しハンドル１８を反転させて、螺子棒６をナッ
ト２１に対して緩む方向へ回動すると、連結棒７が前進
することになりクランク８の上端が前方へ押し出され、
これに伴ってリフトアーム４が平伏し除雪板５が下降す
る。この場合に、手回しハンドル１８が圃場内運搬機３
の後部に配置されているため、運転者は操向ハンドル１
２から離れることなく螺子棒６を正転又は反転すること
ができる。

【００１３】また、図２及びそのＡ−Ａ断面を表した図
４に示すように、リフトアーム４の軸受ホルダ１３の外
面には爪２５が固定され、除雪板５の裏面には、爪２５
を掛止する複数の鉤２６を形成した多段ラッチ片２７の
一端が回動自在に連結されている。そして、爪２５を多
段ラッチ片２７のいずれか一の鉤２６に掛止することに
より、除雪板５を積雪の表面に対して所望の角度になる
ように調節することができる。

【００１４】具体的には、前記爪２５は、軸受ホルダ１
３の外面に間隔を開けて溶接した一対のピンステー２８
の間に掛け渡されたピンであり、前記多段ラッチ片２７
は、爪２５を掛止する切欠からなる鉤２６を上下方向に
所定間隔毎に形成すると共に上方へ把手２９を延出した
鋼製板である。一方、除雪板５の裏面には、前記多段ラ
ッチ片２７の一端を軸支するヒンジピン３０ａを掛け渡
したナックル対片３０と、前記多段ラッチ片２７が爪２
５から離反するのを阻止するコイルスプリング３１を掛
止するフック３１ａとが溶接されている。

【００１５】前記除雪板５の角度を調整するには、コイ
ルスプリング３１に抗して把手２９を前方へ手で倒すこ
とにより爪２５から多段ラッチ片２７を離反する。これ
によって除雪板５をアームトップピン４ｂ廻りに自在に
回動できるので、例えば図１に表すように除雪板５をそ
の下縁部が圃場内運搬機３を前進させたときに積雪の表
面に斜め上方から食い込むような姿勢にする。更に、前
記把手２９から手を放すと、多段ラッチ片２７がコイル
スプリング３１の弾性力で爪２５に押し付けられる。こ
の状態で、多段ラッチ片２７が爪２５に当接する部分に
最も近い位置にある鉤２６に爪２５を掛止すると、除雪
板５を略所望の角度に固定できる。

【００１６】尚、多段ラッチ片２７の段数は任意であ
り、鉤２６のピッチを狭めて除雪板５の角度を細かく設
定できるようにしてよい。また、荷台９は、主に収穫物
や肥料等を積載するものであるが、除雪作業を行うに際
して除雪板５が積雪の反力を受けて浮き上がるのを防止
するために重りを載置してもよい。また、除雪板５は土
砂を移送するためのブレードとして使用してもよい。

【００１７】更にまた、リフトアーム４の先端に軸受ホ
ルダ１３をボルトとナットにより着脱自在に接続し、且
つ、ブラケット１５とギアボックス１６を着脱自在にボ
ルトとナットで接続すると共に、アームボトムピン４ｂ
を圃場内走行車３に抜き差し自在に設けることにより、
除雪板を不使用時に取り外せるようにすれば、圃場内運
搬機として利用し易くなる。

【００１８】

【発明の効果】請求項１記載の除雪車によれば、螺子棒
を正転させるとリフトアームが起立して除雪板が上昇
し、螺子棒を反転させるとリフトアームが平伏して除雪
板を下降させることができる。従って、従来例のように
荷台を傾斜させることなく独立的に除雪板を昇降できる
ため、必要に応じて除雪板をその下縁部が積雪の表面よ
り僅かに低く位置するように調整することができる。

【００１９】請求項２記載の除雪車によれば、多段ラッ
チ片の一の鉤を選択し、該一の鉤に爪に掛止することに
よって除雪板を所望の姿勢に固定することができるの
で、リフトアームの傾斜角度に係わりなく、除雪板をそ
の下縁部が圃場内運搬機を前進させたときに積雪の表面
に斜め上方から食い込むような姿勢に保持できるという
利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態に係る除雪車の側面図。

【図２】この発明の実施の形態に係る除雪車の平面図。

【図３】この発明の実施の形態に係る除雪車の要部の水
平断面図。

【図４】図２のＡ−Ａ断面図。

【符号の説明】

１ 除雪車 ２ 無端クローラ ３ 圃場内運搬機 ４ リフトアーム ５ 除雪板 ６ 螺子棒 ７ 連結棒 ８ クランク １８ 手回しハンドル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端クローラにより走行する圃場内運搬
   機の前部に、任意の傾斜角度に起伏するリフトアームを
   回転自在に固定し、該リフトアームの先端に除雪板を取
   り付けると共に、前後方向に延び且つハンドルによって
   回転する螺子棒を前記圃場内運搬機に設け、該螺子棒に
   一端を前後方向に変位自在に螺合した連結棒の他端を、
   前記リフトアームの基端と連結固定しているクランクに
   連結したことを特徴とする除雪車。
2. 【請求項２】 前記リフトアームに除雪板を回転自在に
   固定し、且つ、前記リフトアームに爪を設け、該爪に掛
   止する鉤を上下方向に所定間隔毎に形成した多段ラッチ
   片の一端を回動自在に前記除雪板に連結することによ
   り、リフトアームに対する除雪板の角度を調整自在とし
   た請求項１記載の除雪車。