JPH09268282A - 蛍光体の再生方法 - Google Patents

蛍光体の再生方法

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JPH09268282A
JPH09268282A JP7906896A JP7906896A JPH09268282A JP H09268282 A JPH09268282 A JP H09268282A JP 7906896 A JP7906896 A JP 7906896A JP 7906896 A JP7906896 A JP 7906896A JP H09268282 A JPH09268282 A JP H09268282A
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JP
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phosphor
fluorescent
component
fluorescent substance
zinc sulfide
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JP7906896A
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Tadashi Wakatsuki
正 若月
Fumiyasu Yanagisawa
史泰 柳沢
Yoshinori Funayama
欣能 舩山
Hiroyasu Yashima
博泰 八島
Masanori Otake
真典 大竹
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェースプレート内面と蛍光体との接着力
(付着力)を強くし、さらに、切れの良好な蛍光膜を形
成可能とした蛍光体の再生方法を提供すること。 【解決手段】 蛍光膜の形成過程で生じた廃液中から蛍
光体成分を回収する工程と、前記回収された蛍光体成分
から有機物を除去する工程と、前記有機物が除去された
蛍光体成分を 3〜15%の硫化ソーダ水溶液にて処理する
工程とを具備したことを特徴とした蛍光体の再生方法に
よる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、カラーテ
レビジョン用として使用される青、緑および赤色発光蛍
光体等の蛍光体を再生する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラーテレビジョンの蛍光膜面
の形成は、次のように行われている。すなわち、青、緑
あるいは赤色発光蛍光体、ポリビニールアルコール(以
下、PVAとする)、重クロム酸アンモニウム(以下、
ADCとする)および少量の界面活性剤を含んだ蛍光体
スラリーを作成し、この蛍光体スラリーをカラーテレビ
ジョンのフェースプレート内面に均一に塗布したのち、
シャドウマスクを通して紫外線を照射して露光する。こ
のとき、紫外線が照射された領域に存在する蛍光体スラ
リーのみが、光化学反応により硬化する。次に、水洗現
像により、フェースプレート内面から硬化していない蛍
光体スラリーを洗い流し、ドット状あるいはストライプ
状等の蛍光膜面を形成する。
【0003】また、資源の有効利用と、特に、赤色発光
蛍光体(Y2 2 S:Eu、Y2 3 :Eu)に用いら
れる高価な希土類元素の再利用を図るために、水洗後に
生じた現像廃水中に含まれる蛍光体は、スラリーを構成
する物質等とともに回収されている。
【0004】ところで、回収された蛍光体には、スラリ
ーの作成時に用いたPVA、ADC等が付着しており、
しかも、紫外線によりPVAとADCとが反応し、硬化
していることが多く、回収された蛍光体をそのまま用い
て蛍光膜を形成した場合には均一な蛍光膜を得ることが
できない。
【0005】したがって、均一な蛍光膜を得るために、
回収された蛍光体の再利用に際しては蛍光体に対し再生
処理を施す必要がある。例えば、特開昭49−5957
0にはベーキング処理による再生方法、特公昭61−2
3836には酸化剤で処理する再生方法、特願昭55−
94985号には水酸化カルシウム水溶液中で処理する
再生方法、特公昭57−29505にはコバルト、ニッ
ケルの少なくとも1種を微量添加してベーキング処理す
る再生方法、特公昭60−12382号には、顔料被覆
蛍光体を過酸化水素、次亜塩素酸ソーダ、過ヨウ素酸ナ
トリウム、亜臭素酸ナトリウムの少なくとも1種の酸化
剤水溶液中で処理する再生方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
再生方法により再生処理された蛍光体を用いて蛍光膜を
作成した場合には、満足できる蛍光膜を得ることが困難
であるため、再生した蛍光体の品質向上が望まれてい
た。
【0007】すなわち、従来の再生方法により処理され
た蛍光体では、フェースプレート内面と蛍光体との接着
力(付着力)が弱く、蛍光体がフェースプレート内面か
ら剥離しやすいという問題があった。
【0008】また、フェースプレート内面と蛍光体との
接着力(付着力)が弱いため、ドット状またはストライ
プ状に形成された蛍光膜の切れ(ドットまたはストライ
プのエッジの状態のことで、エッジに生じるギザギザの
大きさ(幅)が小さい程切れが良好であるという)が悪
くなるという問題があった。
【0009】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、フェースプレート内面と蛍光体との接着力
(付着力)を強くし、また、切れの良好な蛍光膜を形成
可能とした蛍光体の再生方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蛍光体の再
生方法は、蛍光膜の形成過程で生じた廃液中から蛍光体
成分を回収する工程と、前記回収された蛍光体成分から
有機物を除去する工程と、前記有機物が除去された蛍光
体成分を 3〜15%の硫化ソーダ水溶液にて処理する工程
とを具備したことを特徴としている。
【0011】本発明の蛍光体の再生方法においては、は
じめに、蛍光膜の形成過程で生じた廃液、特に、水洗現
像により生じた現像廃液から蛍光体成分が回収される。
次いで、蛍光体成分から有機物が除去され、最後に、有
機物が除去された蛍光体成分が 3〜15%の硫化ソーダ水
溶液にて処理されて、蛍光体成分から蛍光体が分離・再
生される。
【0012】本発明においては、有機物が除去された蛍
光体成分を硫化ソーダ水溶液中で処理することにより、
蛍光体表面に付着していた遊離の硫黄が除去されるの
で、再生された蛍光体はフェースプレート内面への付着
力が向上し、また、切れの良好な蛍光膜を形成すること
ができると推測される。
【0013】本発明において、廃液中の蛍光体成分を回
収する方法としては、溶液を遠心して遠心力により回収
する方法等、特に限定はされないが、溶液を濾過するこ
とにより蛍光体成分を回収する方法が一般的である。
【0014】また、蛍光体成分からの有機物の除去は、
通常、蛍光体成分をベーキングしたり、酸化剤により処
理することにより実施されるが、蛍光体成分から有機物
を効率的に除去できる方法であれば、特に限定されるも
のではない。
【0015】本発明において、蛍光体成分とは、蛍光体
と蛍光体表面に付着したスラリーを構成する物質とから
構成されるものであり、蛍光体表面に付着したスラリー
を構成する物質としてはPVA−ADC硬化膜等の有機
物や遊離の硫黄等が挙げられる。
【0016】また、本発明において、蛍光体成分に含ま
れる蛍光体としては銀付活硫化亜鉛蛍光体、銀およびア
ルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体、コバルトブルー顔料被
覆銀付活硫化亜鉛蛍光体、コバルトブルー顔料被覆銀お
よびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体等の青色発光蛍光
体、銅およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体、銅、金
およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体等の緑色発光蛍
光体、ユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体、ベ
ンガラ顔料被覆ユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍
光体等の赤色発光蛍光体等が挙げられる。
【0017】本発明において、硫化ソーダ水溶液の濃度
が 3%より低い場合には、蛍光体に対する処理効果がほ
とんど認められず、したがって、フェースプレート内面
への蛍光体の付着力を強固にし、切れの良好な蛍光膜を
形成することが困難となる。また、硫化ソーダ水溶液の
濃度が15%より高い場合には、再生後の蛍光体の混色品
位が低下する傾向にある。なお、本発明の蛍光体の再生
方法においては、顔料被覆蛍光体の再生に際しても、フ
ェースプレート内面への付着力が強く、また、切れの良
好な蛍光膜を形成可能な蛍光体を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施するための
一実施形態について説明する。
【0019】本発明の蛍光体の再生方法は、蛍光膜の形
成過程で生じた廃液、特に現像廃液に含まれる蛍光体成
分を回収し、一般的に実施されているベーキング処理あ
るいは酸化剤による処理等を施したのち、 3〜15%の硫
化ソーダ水溶液で洗浄処理するものである。
【0020】すなわち、第1の実施形態としては、現像
廃液等から固形成分として回収した蛍光体成分を純水ま
たは温純水により数回洗浄したのち、ろ過し乾燥する。
次いで、 400〜 480℃で 2時間ベーキング処理して、蛍
光体成分中に含まれスラリーを構成する物質であるPV
A等の有機物を分解除去する。そして、ベーキング処理
した蛍光体成分を純水中に懸濁し、これに硫化ソーダを
加えて 3〜15%の溶液として約 1時間攪拌する。撹拌
後、得られた蛍光体を純水にて数回洗浄する。なお、こ
の後、必要に応じて無機あるいは有機顔料を被覆したの
ちボールミル等によりよく分散させ、再生した蛍光体を
得ることができる。
【0021】また、第2の実施形態としては、現像廃液
等から固形成分として回収した蛍光体成分を純水又は温
純水により数回洗浄したのち、例えば、NaOClやK
IO4 等の酸化剤の水溶液中で処理し、蛍光体成分中に
含まれるPVA−ADC硬化膜を分解・除去する。次い
で、PVA−ADC硬化膜が分解・除去された蛍光体成
分を十分に水洗したのち、 3〜15%の硫化ソーダ水溶液
中で約 1時間処理し、得られた蛍光体を純水にて数回洗
浄する。なお、この後、必要に応じて無機あるいは有機
顔料を被覆したのちボールミル等によりよく分散させ、
再生した蛍光体を得ることができる。また、無機あるい
は有機顔料を被覆したのち、必要に応じてケイ酸亜鉛、
ケイ酸、酸化亜鉛あるいは水酸化亜鉛等による表面処理
を施すことも可能である。さらに、本発明においては、
上記実施の形態以外に他の形態をもとり得ることはいう
までもない。
【0022】以下、実施例を示し、さらに詳細に本発明
を説明する。
【0023】(実施例1および比較例1)銀付活硫化亜
鉛蛍光体(ZnS:Ag)により、フェースプレート内
面に蛍光面を形成した際に排出された現像廃液中から固
形成分(蛍光体成分)を回収し、この固形成分 1kgを
50〜60℃の温純水に懸濁させた後、 200メッシュの篩い
を通して異物を除去した。続いて、この固形成分を60℃
の温純水で 5回洗浄してろ過したのち、 150℃で12時間
乾燥した。乾燥後、固形成分をシリカ製の容器に入れて
450℃で 2時間ベーキングした。ベーキングの後、純水
に懸濁して 1回水洗洗浄した後、蛍光体を沈降させて上
澄液を排水した。次いで、再度純水を加えて全体量を 5
lとし、これに硫化ソーダ 150gを加えて(溶液濃度 3
%) 1時間撹拌した。撹拌終了後、静置して蛍光体を沈
降させ、上澄液を排水した。
【0024】次に、10lの純水を加えて 5回水洗した
後、ボールミルにより分散させてケイ酸亜鉛による表面
処理を施したのち、 140℃の温度で乾燥し、 400メッシ
ュの篩いで篩別することにより、再生されたZnS:A
g蛍光体を得た。
【0025】一方、従来の蛍光体の再生処理を模して硫
化ソーダによる処理を省略した以外は、実施例1と同様
にして再生されたZnS:Ag蛍光体を得た(比較例
1)。続いて、これらの蛍光体に純水、PVA、ADC
および界面活性剤を加えて感光性スラリーを作成し、こ
の感光性スラリーを通常の回転塗布方法により陰極線管
用パネルのフェースプレート内面上に塗布して、ストラ
イプ幅80μmの蛍光膜を形成した。そして、これら2
つのパネルを紫外線下、ショップマイクロにて目視し、
得られた蛍光膜を観察した。
【0026】(実施例2および比較例2)コバルトブル
ー顔料被覆銀付活蛍光体(ZnS:Ag+CoO・nA
2 3)により、フェースプレート内面に蛍光面を形
成した際に排出された現像廃液中から固形成分(蛍光体
成分)を回収した後、固形成分 1kgを実施例1と同様
にして、硫化ソーダ処理まで行った。次いで、処理中に
剥離した顔料分を添加するために、アクリルエマルジョ
ン樹脂をバインダーとしてコバルトブルー顔料を再被覆
し、ボールミルでよく分散した後、ケイ酸亜鉛による表
面処理を施して 140℃の温度で乾燥した。最後に、 400
メッシュの篩いで篩別することにより、再生されたコバ
ルトブルー顔料被覆銀付活蛍光体(ZnS:Ag+Co
O・nAl2 3 )を得た。
【0027】一方、従来の蛍光体の再生処理を模して、
硫化ソーダによる処理を省略した以外は実施例2と同様
にして、再生されたコバルトブルー顔料被覆銀付活蛍光
体(ZnS:Ag+CoO・nAl2 3 )を得た(比
較例2)。
【0028】続いて、これらの蛍光体に純水、PVA、
ADCおよび界面活性剤を加えて感光性スラリーを作成
し、この感光性スラリーを通常の回転塗布方法により陰
極線管用パネルのフェースプレート内面上に塗布して、
ストライプ幅80μmの蛍光膜を形成した。そして、こ
れら2つのパネルを紫外線下、ショップマイクロにて目
視し、得られた蛍光膜を観察した。
【0029】(実施例3および比較例3)銅およびアル
ミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Al)に
より、フェースプレート内面に蛍光面を形成した際に排
出された現像廃液中から固形成分(蛍光体成分)を回収
し、この固形成分 1kgを50〜60℃の温純水に懸濁させ
た後、 200メッシュの篩いを通して異物を除去した。続
いて、この固形成分を60℃の温純水で 5回洗浄してろ過
したのち 150℃で12時間乾燥した。乾燥後、固形成分を
シリカ製の容器に入れて 450℃で 2時間ベーキングし
た。ベーキングの後、純水に懸濁して 1回水洗洗浄した
後、蛍光体を沈降させて上澄液を排水した。次いで、再
度純水を加えて全体量を 5lとし、これに硫化ソーダ 4
00gを加えて(溶液濃度 8%) 1時間撹拌した。撹拌終
了後、静置して蛍光体を沈降させ、上澄液を排水した。
【0030】次に、10lの純水を加えて 5回水洗した
後、ボールミルにより分散させてケイ酸亜鉛による表面
処理を施したのち、 140℃の温度で乾燥し、 400メッシ
ュの篩いで篩別することにより、再生されたZnS:C
u,Al蛍光体を得た。
【0031】一方、従来の蛍光体の再生処理を模して、
硫化ソーダによる処理を省略した以外は、実施例3と同
様にして再生されたZnS:Cu,Ag蛍光体を得た
(比較例3)。
【0032】続いて、これらの蛍光体に純水、PVA、
ADCおよび界面活性剤を加えて感光性スラリーを作成
し、この感光性スラリーを通常の回転塗布方法により陰
極線管用パネルのフェースプレート内面上に塗布して、
ストライプ幅80μmの蛍光膜を形成した。そして、こ
れら2つのパネルを紫外線下、ショップマイクロにて目
視し、得られた蛍光膜を観察した。
【0033】(実施例4および比較例4)ユーロピウム
付活酸硫化蛍光体(Y2 2 S:Eu)によりフェース
プレート内面に蛍光面を形成した際に排出された現像廃
液中から固形成分(蛍光体成分)を回収し、この固形成
分 1kgを50〜60℃の温純水に懸濁させた後、 200メッ
シュの篩いを通して異物を除去した。続いて、この固形
成分に70℃の温純水 6lを加え、70℃に保温しながら次
亜塩素酸ソーダ 600ccを加えて(溶液濃度10%)3時
間撹拌し、PVA−ADC硬化膜を分解除去した。撹拌
終了後、60℃の温純水で 5回洗浄して静置し、蛍光体を
沈降させて上澄液を排水した。次に、純水 5lを加えた
後、さらに塩酸溶液 100ccを加え、70℃に加温および
保温しながら1時間撹拌し、固形成分に僅かに含有され
る青および緑色発光蛍光体を溶解・除去した。
【0034】そして純水にて十分に洗浄したのち、純水
を 5l加え、これに硫化ソーダ 600gを加え(溶液濃度
12%)、 1時間撹拌した。撹拌終了後、静置させ、蛍光
体を沈降させた後、上澄液を排水した。
【0035】次に、10lの純水を加えて 5回水洗した
後、ボールミルにより分散させて酸化亜鉛による表面処
理を施したのち、 140℃の温度で乾燥し、 400メッシュ
の篩いで篩別することにより、再生されたY2 2 S:
Eu蛍光体を得た。
【0036】一方、従来の蛍光体の再生処理を模して、
硫化ソーダによる処理を省略した以外は、実施例4と同
様にして再生されたY2 2 S:Eu蛍光体を得た(比
較例4)。
【0037】続いて、これらの蛍光体に純水、PVA、
ADCおよび界面活性剤を加えて感光性スラリーを作成
し、この感光性スラリーを通常の回転塗布方法により陰
極線管用パネルのフェースプレート内面上に塗布して、
ストライプ幅80μmの蛍光膜を形成した。そして、こ
れら2つのパネルを紫外線下、ショップマイクロにて目
視し、得られた蛍光膜を観察した。
【0038】(実施例5および比較例5)ベンガラ顔料
被覆ユーロピウム付活酸硫化蛍光体(Y2 2 S:E
u)によりフェースプレート内面に蛍光面を形成した際
に排出された現像廃液中から固形成分(蛍光体成分)を
回収し、この固形成分 1kgを50〜60℃の温純水に懸濁
させた後、 200メッシュの篩いを通して異物を除去し
た。続いて、この固形成分を60℃の温純水で 5回洗浄
後、ろ過し、 150℃で12時間乾燥した。乾燥後、シリカ
製の容器に入れ、 450℃で 2時間ベーキングし、その
後、純水に懸濁して 1回洗浄して静置し、蛍光体を沈降
させて上澄液を排水した。次に、純水 5lを加えた後70
℃に加温し、さらに塩酸溶液 100ccを加え、70℃に加
温および保温しながら1時間撹拌し、固形成分に僅かに
含有される青および緑色発光蛍光体を溶解・除去した。
【0039】次に、純水にて十分に洗浄したのち、純水
を 5l加え、さらに硫化ソーダ 300gを加えて(溶液濃
度 6%) 1時間撹拌した。撹拌終了後、静置させ、蛍光
体を沈降させた後、上澄液を排水した。
【0040】また、蛍光体の表面から一部ベンガラ顔料
が剥離するので、上記の処理終了後一部の蛍光体を抜き
取って反射率を測定することにより、ベンガラ顔料の剥
離量を算定した。そして、算定された結果から、ベンカ
ラ顔料の再被覆量を決定し、アクリルエマルジョン樹脂
をバインダーとしてベンカラ顔料を再被覆した。
【0041】次いで、ボールミルによりよく分散させて
酸化亜鉛による表面処理を施したのち、 140℃の温度で
乾燥し、 400メッシュの篩いで篩別することにより、再
生されたベンガラ顔料被覆Y2 2 S:Eu蛍光体を得
た。
【0042】一方、従来の蛍光体の再生処理を模して、
硫化ソーダによる処理を省略した以外は、実施例5と同
様にして再生されたベンガラ顔料被覆Y2 2 S:Eu
蛍光体を得た(比較例5)。
【0043】続いて、これらの蛍光体に純水、PVA、
ADCおよび界面活性剤を加えて感光性スラリーを作成
し、この感光性スラリーを通常の回転塗布方法により陰
極線管用パネルのフェースプレート内面上に塗布して、
ストライプ幅80μmの蛍光膜を形成した。そして、こ
れら2つのパネルを紫外線下、ショップマイクロにて目
視し、得られた蛍光膜を観察した。
【0044】ここで、表1に、実施例1〜5および比較
例1〜5において観察されたフェイスパネル上への蛍光
体の付着率と蛍光膜のストライプの幅とを示す。
【0045】
【表1】 なお、表1において、フェイスパネル上への蛍光体の付
着率は、フェイスパネルの有効面の面積とパネルの有効
面上に対し蛍光体の残留が認められる領域の面積との比
として表されている。また、蛍光膜のストライプの幅
は、計測されたストライプ幅の最大値および最小値を表
している。
【0046】表1から明らかなように、本発明により再
生された蛍光体によれば、従来の再生処理を模して再生
された比較例の蛍光体と比べて付着率が高くなってお
り、フェイスパネル上への蛍光体の付着力が増加してい
ることが認められた。
【0047】また、蛍光膜のストライプ切れについて
も、本発明により再生された蛍光体によれば、従来の再
生処理を模して再生された比較例の蛍光体と比べて最大
値と最小値との差が小さく(ギザギザが小さい)、良好
であることが認められた。
【0048】さらに、本発明により再生された蛍光体
は、発光色および色純度の点においても、従来の再生処
理を模して再生された比較例の蛍光体と比べて遜色のな
いものであった。
【0049】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、有機物が除去された蛍光体成分を 3〜15%の硫化ソ
ーダ水溶液にて処理するので、蛍光体表面に残留する不
純物をほぼ完全に除去することができる。したがって、
従来の蛍光体の再生方法に比べてフェイスパネルに対す
る付着力を増させ、また、切れの良好な蛍光膜を形成可
能とした蛍光体の再生方法を提供することができる。
【0050】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舩山 欣能 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社東 芝堀川町工場内 (72)発明者 八島 博泰 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 大竹 真典 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光膜の形成過程で生じた廃液中から蛍
    光体成分を回収する工程と、 前記回収された蛍光体成分から有機物を除去する工程
    と、 前記有機物が除去された蛍光体成分を 3〜15%の硫化ソ
    ーダ水溶液にて処理する工程とを具備したことを特徴と
    する蛍光体の再生方法。
  2. 【請求項2】 前記蛍光体が銀付活硫化亜鉛蛍光体、銀
    およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体、コバルトブル
    ー顔料被覆銀付活硫化亜鉛蛍光体あるいはコバルトブル
    ー顔料被覆銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体で
    あることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体の再生方
    法。
  3. 【請求項3】 前記蛍光体が銅およびアルミニウム付活
    硫化亜鉛蛍光体あるいは銅、金およびアルミニウム付活
    硫化亜鉛蛍光体であることを特徴とする請求項1に記載
    の蛍光体の再生方法。
  4. 【請求項4】 前記蛍光体がユーロピウム付活酸硫化イ
    ットリウム蛍光体あるいはベンガラ顔料被覆ユーロピウ
    ム付活酸硫化イットリウム蛍光体であることを特徴とす
    る請求項1に記載の蛍光体の再生方法。
JP7906896A 1996-04-01 1996-04-01 蛍光体の再生方法 Withdrawn JPH09268282A (ja)

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