JPH09268233A - ガラス長繊維強化ノルボルネン系樹脂成形品 - Google Patents

ガラス長繊維強化ノルボルネン系樹脂成形品

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JPH09268233A
JPH09268233A JP8104348A JP10434896A JPH09268233A JP H09268233 A JPH09268233 A JP H09268233A JP 8104348 A JP8104348 A JP 8104348A JP 10434896 A JP10434896 A JP 10434896A JP H09268233 A JPH09268233 A JP H09268233A
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JP
Japan
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norbornene
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JP8104348A
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Masao Torii
正夫 鳥居
Katsuo Suzuki
勝雄 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品全体に亘って均一で且つ高い機械的強
度を有し、しかも、機械的強度の経時劣化が非常に小さ
い繊維強化ノルボルネン樹脂成形品を提供する。 【解決手段】 塊状重合したノルボルネン系樹脂成形品
であって、末端にエチレン性二重結合を有するシランカ
ップリリング剤で表面処理したガラス繊維のコンティニ
ュアスマットを20〜50重量%含有し、且つ曲げ強度
150MPa以上を有するガラス長繊維強化ノルボルネ
ン系樹脂成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス繊維強化ノ
ルボルネン系樹脂成形品に関し、さらに詳しくは、ガラ
ス長繊維を含有することにより機械的強度に優れたガラ
ス繊維強化ノルボルネン系樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ジシクロペンタジエンやメチルテトラシ
クロドデセンなどのノルボルネン系単量体を反応射出成
形(RIM)によって、すなわち、金型内で開環塊状重
合させて成形品を得る方法は公知である。その際、充填
剤やガラス繊維その他の補強材を配合することも知られ
ている。例えば、特開昭59−51911号公報には、
メタセシス触媒系を用いるRIM法によるノルボルネン
系単量体の塊状重合法が記載されており、この重合に際
して、補強材としてガラス長繊維を配合することも開示
されている。しかしながら、ガラス長繊維を用いるとノ
ルボルネン系単量体の重合が阻害される傾向がみられ、
特に高充填の場合にその傾向が顕著に現われ、物性が不
十分な成形品しか得られない。
【0003】RIM法によるノルボルネン系単量体の塊
状重合において補強材としてガラス長繊維を配合するに
際し、アミノ基含有シラン系カップリング剤で表面処理
したガラス繊維を用いると、単量体の重合阻害が小さ
く、機械的強度の向上も良好である(特開平1−263
124号)。しかしながら、アミノ基含有シラン系カッ
プリング剤で表面処理したガラス繊維で強化したノルボ
ルネン系樹脂成形品は長期間経過するとその機械的強度
が低下する傾向がみられ、長期的な信頼性が不十分とい
う問題点があった。
【0004】また、エチレン性二重結合を有するシラン
カップリング剤で表面処理したガラス繊維その他の無機
材料を含有させたノルボルネン系樹脂成形品が、特開平
2−276852号公報に記載されている。この公報に
は、具体例として、末端にエチレン性二重結合を有する
種々のシランカップリング剤で表面処理したガラス織布
を含有させたノルボルネン樹脂成形品が開示されてい
る。しかしながら、ガラス織布は密度が高いため、一定
の厚さに充填しようとするとガラス繊維含量が高くな
り、ガラス繊維間への成形材料の充填が困難になる。特
に、固形の充填剤を含む反応原液を使用する場合にその
傾向は著しい。また、充填が容易な比較的少量を充填す
ると、厚さが限られているため、密度の偏りを生じ、強
化された部分と強化されなかった部分ができ、強度が均
一でなくなるという欠点があった。
【0005】一方、結合剤として可溶性ナイロンを用い
たガラス繊維のコンティニュアスマットを含有する反応
射出成形品も知られている(特開平5−69440)。
しかし、この技術において、ナイロンに代えてノルボル
ネン単量体を用い反応射出成形を行ったところ、ガラス
繊維の間隙に充填できず、重合阻害も認められ、充分な
強度を有する成形品は到底得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
品全体に亘って均一で且つ高い機械的強度を有し、しか
も、機械的強度の経時劣化が非常に小さいガラス長繊維
強化ノルボルネン系樹脂成形品を提供することにある。
本発明者らは、従来技術の有する欠点を克服するために
鋭意研究した結果、特定のシランカップリング剤で表面
処理した特定のガラス繊維充填材料を用いることによ
り、上記目的が達成できることを見いだし、本発明を完
成させるに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、塊状重合したノルボルネン系樹脂成形品であって、
末端にエチレン性二重結合を有するシランカップリング
剤で表面処理したガラス繊維のコンティニュアスマット
を20〜50重量%含有し、且つ曲げ強度150MPa
以上を有することを特徴とするガラス長繊維強化ノルボ
ルネン系樹脂成形品が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
(ノルボルネン系単量体)本発明に用いられるノルボル
ネン系単量体は、ノルボルネン環を有するものであれば
特に限定されないが、耐熱性に優れた成形品が得られる
ことから、三環体以上の多環ノルボルネン系単量体を用
いることが好ましい。ノルボルネン系単量体の具体例と
しては、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二環
体;ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジ
エンなどの三環体;テトラシクロドデセンなどの四環
体;トリシクロペンタジエンなどの五環体;テトラシク
ロペンタジエンなどの七環体;これらのメチル、エチ
ル、プロピル、ブチルなどのアルキル、ビニルなどのア
ルケニル、エチリデンなどのアルキリデン、フェニル、
トリル、ナフチルなどのアリールなどの置換体;さらに
これらのエステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン
原子などの炭素、水素以外の元素を含有する基、いわゆ
る極性基を有する置換体などが例示される。これらの単
量体は、単独で、または複数種を組み合わせて用いられ
る。入手が容易であり、反応性に優れ、得られる樹脂成
形品の耐熱性に優れる点から、三環体、四環体、および
五環体の単量体が好ましい。
【0009】また、ノルボルネン系樹脂成形品は熱硬化
型であることが好ましく、そのためには、用いる単量体
の10重量%以上、好ましくは30重量%以上の架橋性
単量体を使用すればよい。架橋性単量体は、反応性の二
重結合を2個以上有する多環ノルボルネン系単量体であ
り、その具体例としてジシクロペンタジエン、トリシク
ロペンタジエン、テトラシクロペンタジエンなどが例示
される。なお、本発明の目的を損なわない範囲で、ノル
ボルネン系単量体と開環共重合し得るシクロブチン、シ
クロペンチン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、
シクロドデセンなどの単環シクロオレフィンなどをコモ
ノマーとして用いてもよい。
【0010】(メタセシス触媒)本発明のノルボルネン
系樹脂成形品の製造において、ノルボルネン系単量体を
重合するのに用いられる触媒は、メタセシス触媒であ
る。メタセシス触媒は、塊状重合によりノルボルネン系
単量体を開環重合できるものであれば特に限定されず、
公知のものでよい。例えば、タングステン、モリブデ
ン、タンタルなどのハロゲン化物、オキシハロゲン化
物、酸化物、有機アンモニウム塩などがあげられる。
【0011】メタセシス触媒の使用量は、反応液全体で
使用する単量体1モルに対し、通常、0.01ミリモル
以上、好ましくは0.1ミリモル以上、50ミリモル以
下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシス触
媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に時
間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎると反
応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化し
たり、触媒が析出し易くなり均質に保存することが困難
になる。メタセシス触媒は、通常、単量体に溶解して用
いるが、塊状重合した樹脂成形品の性質を本質的に損な
われない範囲であれば、少量の溶剤に懸濁させ溶解させ
たうえで、単量体と混合することにより、析出し難くし
たり、溶解性を高めて用いてもよい。
【0012】(活性剤)ノルボルネン系樹脂成形品の製
造においては、メタセシス共触媒とも言われる活性剤を
メタセシス触媒と共に用いて塊状重合を行う。活性剤は
塊状重合でノルボルネン系単量体を開環重合できるメタ
セシス触媒を活性化できるものであれば特に限定され
ず、公知のものでよい。例えば、アルキルアルミニウ
ム、アルキルアルミニウムハライド、アルコキシアルキ
ルアルミニウムハライド、アリールオキシアルキルアル
ミニウムハライド、有機スズ化合物などが挙げられる。
【0013】活性剤の使用量は、特に限定されないが、
通常、反応液全体で使用するメタセシス触媒1モルに対
して、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、かつ1
00モル以下、好ましくは10モル以下用いられる。活
性剤の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に
時間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎると
反応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化
することがある。活性剤も、単量体に溶解して用いる
が、塊状重合による成形品の性質を本質的に損なわない
範囲であれば、少量の溶剤に懸濁または溶解させたうえ
で、単量体と混合することにより、析出し難くしたり、
溶解性を高めて用いてもよい。さらに、活性調節剤を併
用することによって、反応速度や、反応液の混合から反
応開始までの時間、反応活性などを変化させることがで
きる。活性調節剤としては、メタセシス触媒を還元する
作用をもつ化合物などが用いられる。
【0014】(任意成分)所望により、酸化防止剤、充
填剤、顔料、着色剤、発泡剤、摺動付与剤、難燃化剤、
可燃剤、エラストマー、ジシクロペンタジエン系熱重合
樹脂およびその水添物など種々の添加剤を成形用反応原
液に配合することができ、それにより得られるRIM製
品の特性を改質することができる。酸化防止剤として
は、フェノール系、燐系、アミン系など各種のプラスチ
ック・ゴム用酸化防止剤が用いられ、また、充填剤とし
ては、ガラス、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシ
ウム、雲母などの無機質充填剤が用いられる。
【0015】また、反応原液の粘度調節の目的で反応原
液にエラストマーを配合してもよい。用いられるエラス
トマーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソ
プレン−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジ
エン系共重合体などのジエン系エラストマーや、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、およびこれらの水素化物など
が例示される。好ましくはジエン系エラストマー、より
好ましくはブタジエン系エラストマー、特に好ましくは
スチレンとブタジエンのブロック共重合体やシス−1、
4−ポリブタジエンを用いる。これらのエラストマーを
反応原液に添加することにより、得られる成形品の耐衝
撃性が向上する。エラストマーの添加量は5cps以
上、好ましくは50cps以上、1000cps以下、
好ましくは500cps以下である。
【0016】(反応原液)ノルボルネン系樹脂成形品の
製造に用いられる反応原液としては、ノルボルネン系単
量体、メタセシス触媒、活性剤および任意成分を、2液
以上に分けて調製したものが用いられる。これらの反応
原液は、1液のみでは塊状重合しないが、全ての液を混
合すると各成分が所定の割合となり、ノルボルネン系単
量体が塊状重合する。例えば、ノルボルネン系単量体、
メタセシス触媒および任意成分からなる反応原液と、ノ
ルボルネン系単量体、活性剤および任意成分からなる反
応原液は、それぞれそのままでは重合しない。2液に含
まれる各成分の総量が本発明における各成分の使用量で
あれば、この2液はそれぞれ本発明で用いられる反応原
液であり、両者を混合すると塊状重合が開示される。
【0017】作業性のよいように、通常2液の反応原液
を用いて塊状重合させているが、3液以上の反応原液を
用いてもよい。反応原液の混合後に、ノルボルネン系単
量体中にその他の成分が十分に拡散できるように、通
常、どの反応原液にもノルボルネン系単量体が含有され
ており、その他の成分は、ノルボルネン系単量体中に溶
解または分散していることが好ましいが、ノルボルネン
系単量体が含有されていない反応原液があってもよい。
なお、反応原液はメタセシス触媒などの失活を防ぐため
などの理由で、通常、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気
下で調製、保管、移送されることが好ましい。
【0018】(ガラス長繊維)本発明で用いるガラス長
繊維は、末端にエチレン性二重結合を有するシランカッ
プリング剤で表面処理したコンティニュアスマットであ
る。本発明で用いる末端にエチレン性二重結合を有する
シランカップリング剤として、具体的には、ビニル−ト
リス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリル−トリエ
トキシシラン、およびそれらの塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩
またはプロピオン酸塩などの塩類などがが挙げられる。
【0019】本発明に用いるコンティニュアスマットと
しては、末端にエチレン性二重結合を有するシランカッ
プリング剤をガラス長繊維に対し0.1重量%以上、好
ましくは0.5重量%以上、かつ5重量%以下、好まし
くは3重量%以下の割合で付着させたものが用いられ
る。付着量が少なすぎるとガラス長繊維による機械的強
度の向上効果が少なく、多すぎても物性の向上が期待で
きず、効率的ではない。シランカップリング剤をコンテ
ィニュアスマットに付着させる方法は特に限定されず、
一般にガラス長繊維に付着させる常法に従えばよく、例
えば、カップリング剤を水または水と親水性溶媒の混合
溶媒に溶解または分散させた溶液中にコンティニュアス
マットを浸漬する、コンティニュアスマットにするガラ
ス長繊維製造時に炉から引きだしたガラス長繊維に直接
ローラーで該溶液を塗布する、などの処理の後、乾燥す
る方法が用いられる。カップリング剤溶液の濃度を調節
することにより、ガラス長繊維に付着するカップリング
剤の付着量を調節することができる。
【0020】(塊状重合)ノルボルネン系樹脂成形品の
製造においては、表面処理したコンティニュアスマット
の存在下に反応原液を混合した反応液を硬化させる。一
般的には、金型内に表面処理したコンティニュアスマッ
トを予め充填しておき、次いで2またはそれ以上の反応
原液をミキシングヘッドなどを用いて瞬間的に混合し、
直ちに、混合した反応液を金型内に注入して塊状重合を
開始せしめ、硬化させる方法が用いられる。ここで使用
される金型は金属製に限定されることはなく、ガラス
製、木型、樹脂型であってもよい。表面処理したガラス
長繊維コンティニュアスマットは、吸着水を含まないよ
うに予め乾燥するなどの手段によって吸着水を除去して
用いることが好ましい。
【0021】ガラス繊維コンティニュアスマットは、全
体にふわっとしたものであり、金型に充填する場合は、
圧縮して充填する。金型を閉じると金型内でコンティニ
ュアスマットはほぼ均一になるため、成形品は均一な機
械的強度を有する。なお、金型内に挿入体を固定して塊
状重合する場合、挿入体表面と金型内面の間でも、コン
ティニュアスマットはほぼ均一に充填されるので、この
ような場合も均一な機械的強度を有する樹脂成形品を容
易に得ることができる。
【0022】本発明においては、表面処理したコンティ
ニュアスマットの充填量については、樹脂重量の20重
量%以上、好ましくは25重量%以上、より好ましくは
30重量%以上、かつ50重量%以下、好ましくは45
重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。充
填量が少なければ、機械的強度の強化の割合が小さい。
充填量が多すぎると、均一に充填せずにむらができた
り、重合阻害が起こったりする。なお、ここでいう樹脂
重量は、挿入体などがある場合は樹脂成形品から挿入体
を除いた、ガラス長繊維強化樹脂重量のことである。な
お、塊状重合工程は、触媒の失活などの問題を避けるた
めに、型内を窒素ガスなどの不活性ガスをパージするな
どして不活性な雰囲気にすることが好ましい。
【0023】(ガラス長繊維強化ノルボルネン系樹脂成
形品)本発明のガラス長繊維強化ノルボルネン系樹脂成
形品は、硬化反応時に重合阻害がなく、機械的強度に優
れており、均一な成形品が得られる。また、長期間使用
しても機械的強度の劣化が小さい。本発明のガラス長繊
維強化ノルボルネン系樹脂成形品は、JIS K−70
55に従って測定させる曲げ強度150MPa以上、好
ましくは170MPa以上を有する。しかも、成形品全
体に亘って一様な機械的強度をもつため、曲げ強度のバ
ラツキが小さい。さらに、曲げ強度の測定中、試料の破
壊荷重の1/2に達するまでの過程で表面の部分的剥離
などを生じることがない。
【0024】
【実施例】以下、実施例について、本発明のガラス繊維
強化ノルボルネン系樹脂成形品を具体的に説明する。 実施例1 ジシクロペンタジエン90重量%とシクロペンタジエン
3量体(非対称型3量体)10重量%からなるノルボル
ネン系単量体を2つの容器に入れ、一方には単量体に対
しジエチルアルミニウムクロリドを40ミリモル濃度、
1、3−ジクロロ−2−プロパノール48ミリモル濃度
になるように添加した(A液)。他方には、単量体に対
しトリ(トリドデシル)アンモニウムモリブデートを1
0ミリモル濃度になるように添加し、その100重量部
に赤燐粒子(燐化学社製、ノーバエクセルF−5、平均
粒径2.1μm、全量の80重量%以上が平均粒径の2
倍以下の粒子からなる)10重量部を添加した(B
液)。
【0025】200mm×200mm×5mmの平板成
形用型の鉄製のキャビティー内に200mm×200m
mに裁断したガラス長繊維のコンティニュアスマット
(旭ファイバーグラス社製:M9600,ビニル−トリ
ス(2−メトキシエトキシ)シランをガラス長繊維表面
に約1重量%付着)5プライを設置した。なお、このガ
ラスマットは110℃で1時間で予め乾燥処理を施し、
コアにはガラス型を使用した。
【0026】A液、B液の同容量を低圧混合注入機によ
り混合して直ちに型内に注入し、反応液の充填が完了
後、直ちに型ごと150℃イナートオーブン内で10分
間硬化反応させ、型から取り出して、ガラス長繊維強化
樹脂成形品である平板を得た。成形品中のガラス繊維量
は約33重量%であった。この平板を15mm×100
mmに切断して試料を作成し、各試料について、曲げ試
験(スパン間80mm、曲げ速度2.5mm/min)
の測定を行ったところ、硬化不良や未硬化部分は認めら
れず、曲げ強度は成形品全体に亘って一様に約180M
Paであった。成形品を切断して断面を観察したとこ
ろ、ガラス繊維は均一に分散していた。
【0027】比較例1 コンティニュアスマットを用いない以外は実施例1と同
様に処理して成形品を得たところ、硬化不良や未硬化部
分は認められず、曲げ強度は成形品全体に亘って一様に
約70MPaであった。
【0028】比較例2 コンティニュアスマットの代わりにガラス織布(実施例
1と同様にビニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シ
ランで表面処理したもの)5プライを用いる以外は実施
例1と同様に処理してガラス繊維強化樹脂成形品を得
た。硬化不良や未硬化部分は認められず、曲げ強度を測
定したところ、約190MPaとの測定結果を得たが、
測定中に約40MPaで表面の一部が剥離した。成形品
を切断して断面を観測してみると、5プライのガラス織
布が分散している部分と集まっている部分があり、成形
品全体で均一ではなかった。成形品中のガラス繊維量は
約35重量%であった。
【0029】
【発明の効果】本発明のガラス長繊維コンティニュアス
マットで補強したノルボルネン系樹脂成形品は、成形品
全体に亘って均一で且つ高い機械的強度を有し、しか
も、機械的強度の経時変化が非常に小さい。
【0030】(好ましい実施態様)塊状重合したノルボ
ルネン系樹脂成形品であって、末端にエチレン性二重結
合を有するシランカップリング剤で表面処理したガラス
繊維のコンティニュアスマットを、20〜50重量%含
有し、且つ曲げ強度150MPa以上を有することを特
徴とする本発明のガラス長繊維強化ノルボルネン系樹脂
成形品の好ましい実施態様をまとめると以下のとおりで
ある。
【0031】(1)ガラス長繊維コンティニュアスマッ
トの量が25〜45重量%、より好ましくは30〜40
重量%である。 (2)末端にエチレン性二重結合を有するシランカップ
リング剤がガラス長繊維に対し0.1〜5重量%、より
好ましくは0.5〜3重量%付着している。 (3)ノルボルネン系単量体が三環体以上の多環ノルボ
ルネン系単量体である。 (4)ノルボルネン系単量体が、2個以上の反応性二重
結合を有する架橋性多環ノルボルネン系単量体を10重
量%以上、より好ましくは30重量%以上含む単量体混
合物である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塊状重合したノルボルネン系樹脂成形品
    であって、末端にエチレン性二重結合を有するシランカ
    ップリング剤で表面処理したガラス繊維のコンティニュ
    アスマットを20〜50重量%含有し、且つ曲げ強度1
    50MPa以上を有することを特徴とするガラス長繊維
    強化ノルボルネン系樹脂成形品。
JP8104348A 1996-03-29 1996-03-29 ガラス長繊維強化ノルボルネン系樹脂成形品 Pending JPH09268233A (ja)

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