JPH09267278A - マイクロマニピュレータおよび圧電アクチュエータ製造方法 - Google Patents

マイクロマニピュレータおよび圧電アクチュエータ製造方法

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JPH09267278A
JPH09267278A JP8079012A JP7901296A JPH09267278A JP H09267278 A JPH09267278 A JP H09267278A JP 8079012 A JP8079012 A JP 8079012A JP 7901296 A JP7901296 A JP 7901296A JP H09267278 A JPH09267278 A JP H09267278A
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JP
Japan
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piezoelectric
piezoelectric actuator
columnar member
micromanipulator
actuator
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JP8079012A
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English (en)
Inventor
Atsushi Yamamoto
敦司 山本
Toshiki Isogai
俊樹 磯貝
Hitoshi Kanayama
斎 金山
Koji Idogaki
孝治 井戸垣
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗動と微動とができ、小型・軽量・低廉かつ
堅牢なマイクロマニピュレータを提供することと、その
圧電アクチュエータを、簡便かつ廉価に製造する方法を
提供すること。 【解決手段】 角度変位が可能なジョイントである関節
1と、関節1に一端が支持されており印荷電圧により曲
げ変形する柱状の圧電アクチュエータ5と、その他端に
保持されているエンドエフェクタ6とを有する。圧電ア
クチュエータ5は、三角柱状の金属製の柱状部材7と、
その各側面に二つずつ接合している圧電素子とからな
り、印荷電圧を制御して曲げ変形と捩じり変形Tができ
るので、微動ができ、さらにインパクト駆動により粗動
も可能である。圧電アクチュエータ5は、圧電材料8お
よび表面電極9をそれぞれ真空蒸着等で一括して柱状部
材7の全側面に形成し、一括して分極処理をした後、表
面電極9を区分する製造方法で容易かつ安価に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミリメートルオー
ダやナノメートルオーダの微小操作を行うマイクロマニ
ピュレータと、その主要構成要素である圧電アクチュエ
ータの製造方法とに関し、マイクロマシン(より詳しく
はマイクロマニピュレータ)の技術分野と圧電アクチュ
エータの製造技術分野とに属する。
【0002】
【従来の技術】アクチュエータの急激な作動により慣性
力が支配的である運動と、アクチュエータの緩慢な作動
により摩擦力が支配的である運動とを、交互に繰り返す
ことによって所定の方向への移動もしくは運動を行う駆
動方法を、本明細書中ではインパクト駆動と呼ぶことに
する。
【0003】所定の摩擦モーメントで支持されている関
節を有し、インパクト駆動によってアーム(腕状部材)
の軸方向を変え、軸回りに所定の回転変位を与えること
ができる装置が、特公平6−43040号公報(従来技
術1)に公告されている。同装置は、腕部材が関節で所
定の摩擦モーメントで支持されており、この腕部材には
圧電アクチュエータを介して複数の質量体が接合されて
いる。同装置は、圧電アクチュエータの伸縮で質量体を
移動させ、その反力として得られる慣性力と関節の摩擦
力とを利用してインパクト駆動を行い、腕部を粗動およ
び微動することができる。
【0004】しかし、同装置は、腕部とは別個に圧電ア
クチュエータおよび質量体とを有する構成であるから、
小型化・軽量化・低廉化のいずれも困難であった。一
方、特開平6−143163号公報(従来技術2)に
は、三角柱の側面に複数の圧電素子を形成して圧電アク
チュエータとし、印加電圧を制御することにより、所望
の方向に曲げ変形および捩じり変形させる技術が開示さ
れている。また、同技術の応用として、上記三角柱の一
端を固定し、他端に把握機構を装備してマイクロマニピ
ュレータとする構想も開示されている。
【0005】しかし、同技術では、関節が構成要素に導
入されていないので、微動はできても粗動ができないと
いう問題を抱えていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本願発明者ら
(一部共通)は、上記問題点に鑑み、微小なマニピュレ
ーションと傾斜や旋回などの粗動動作とを可能にすべ
く、関節機構をもつマイクロマニピュレータを発明し、
特願平7−121365号(先願)として出願した。同
先願には、曲げ変形する圧電アクチュエータと、その一
端を摩擦モーメントで支持する関節と、アクチュエータ
の他端に固定されている質量体とからなるマイクロマニ
ピュレータが記載されている。先願技術のマイクロマニ
ピュレータによれば、インパクト駆動により関節を摺動
させて十分に大きな粗動が可能であり、同時に積層型圧
電アクチュエータやFMA(流体アクチュエータの一
種)の曲げ変形により微動が可能である。また、従来技
術1に比べれば、先願技術のマイクロマニピュレータ
は、小型・軽量・低廉であると言える。
【0007】しかしながら、先願技術では、曲げ変形可
能なアクチュエータに積層型圧電アクチュエータやFM
Aを使用しているので、小型化・軽量化・低廉化の点で
はなお改善の余地があった。なんとなれば、積層型圧電
アクチュエータは積層構造をもつゆえに組み立ての工程
を必要とし、FMAも流体アクチュエータであるがゆえ
にポンプ等の圧力源とバルブ等の制御装置とを必要とす
るからである。また、予期しない荷重がかかった場合
や、周囲の異物等と衝突した場合の堅牢性の点からも、
先願技術に改善の余地無しとは断言できなかった。
【0008】そこで本発明は、粗動と微動とのいずれも
可能でありながら、小型・軽量・低廉かつ堅牢なマイク
ロマニピュレータを提供することを解決すべき課題とす
る。本発明はまた、同マイクロマニピュレータの主要構
成要素である圧電アクチュエータを、簡便かつ廉価に製
造することができる圧電アクチュエータ製造方法を提供
することをも解決すべき課題とする。
【0009】
〔装置発明〕
(第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載のマイ
クロマニピュレータである。
【0010】本手段では、印加電圧を制御し、緩急をつ
けて圧電アクチュエータを曲げ変形させることによりイ
ンパクト駆動を行い、所望の方向に関節を曲げて圧電ア
クチュエータの先端の方向を変え、粗動を行うことがで
きる。また、慣性力のモーメントが関節での摩擦モーメ
ントより大きくならない程度に緩やかに、圧電アクチュ
エータを曲げ変形することにより、微動も可能である。
さらに、圧電アクチュエータを伸縮変位させれば、伸縮
微動操作を行うことも可能である。
【0011】圧電アクチュエータの先端にはエンドエフ
ェクタが保持されていて、操作対象物に対し所定の作用
を施すことができる。エンドエフェクタの質量は、圧電
アクチュエータの先端付近の質量と相まって、インパク
ト駆動の際に慣性質量として作用するので、インパクト
駆動をするうえで質量体を別途に用意する必要はない。
ただし、これは本手段で質量体を装備することを妨げる
ものではない。
【0012】なお、積層構造をとっていないので圧電ア
クチュエータの構成は簡素であり、前述のように別途質
量体を必要としないことや、圧電アクチュエータが腕部
材を兼用してエンドエフェクタを保持しているとと相ま
って、本手段のマイクロマニピュレータは、小型・軽量
・低廉かつ堅牢である。したがって、本手段によれば、
粗動と微動とのいずれも可能でありながら、小型・軽量
・低廉かつ堅牢なマイクロマニピュレータを提供するこ
とができるという効果がある。
【0013】(第2手段)本発明の第2手段は、請求項
2記載のマイクロマニピュレータである。本手段では、
関節の構成が極めて簡素であるうえ、同関節で縦横の傾
きと軸回りの回転との3軸まわりの変位が可能である。
それゆえ、圧電アクチュエータの印加電圧を制御するこ
とにより、圧電アクチュエータを曲げ変形させてインパ
クト駆動を利用し、圧電アクチュエータおよびエンドエ
フェクタの先端を縦横に(X方向およびY方向に)変位
させることができる。なおかつ、印加電圧の制御により
圧電アクチュエータの捩じり変形を起こし、圧電アクチ
ュエータの軸回りのインパクト駆動を行えば、同軸回り
(Z軸回り)に所定の回転変位を与えることも可能であ
る。
【0014】また、バネの押圧力でボールの摺動部がソ
ケットに押しつけられており、摺動部での摩擦力は、バ
ネの押圧力を調整することにより容易に調整される。そ
れゆえ、エンドエフェクタを交換してその質量が変わっ
た場合や、経年変化等により摺動部での摩擦係数が変わ
った場合などに、バネの押圧力を調節することにより摺
動部での摩擦力を容易に調整することができる。
【0015】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、簡素で信頼性の高い構成でありなが
ら、関節で圧電アクチュエータおよびエンドエフェクタ
の向きを自在に変えることができるという効果がある。 (第3手段)本発明の第3手段は、請求項3記載のマイ
クロマニピュレータである。
【0016】本手段では、圧電素子への印加電圧を制御
することにより、柱状部材の側面に接合して形成されて
いる圧電素子を伸縮させ、もって柱状部材の側面を伸縮
させる。柱状部材の側面の軸方向の伸縮が偏って起きる
と、柱状部材は曲げ変形するので、柱状部材と圧電素子
とをもって曲げ変形可能な圧電アクチュエータを構成す
ることができる。
【0017】ここで、柱状部材は一体部材で形成されう
るので、一端で関節に他端でエンドエフェクタに接続す
る以外は、内部に接合部や組み立て部を有することな
く、圧電アクチュエータを製造することが可能になる。
その結果、圧電アクチュエータの構成はいっそう簡素に
なり、組み立てを要さない分製造コストが少ないばかり
か、接合部もないので堅牢で信頼性が向上する。
【0018】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、構成が簡素で故障しにくいばかりで
はなく、いっそう小型・軽量・低廉かつ堅牢なマイクロ
マニピュレータを提供することができるという効果があ
る。 (第4手段)本発明の第4手段は、請求項4記載のマイ
クロマニピュレータである。
【0019】本手段では、柱状部材が導電性で各圧電素
子の共通の一極を形成しているので、圧電アクチュエー
タの配線は半減する。したがって、各圧電素子の両極に
配線がある場合に比べて軽量安価になるうえ、断線の可
能性が減る分、信頼性も向上する。したがって本手段に
よれば、前述の第3手段の効果に加えて、いっそう軽量
・安価で信頼性が高いマイクロマニピュレータを提供す
ることができるという効果がある。
【0020】なお、柱状部材が中空であればより軽量に
なり、中実であればより堅牢になるという効果もある。 (第5手段)本発明の第5手段は、請求項5記載のマイ
クロマニピュレータである。本手段では、柱状部材が三
角柱状で、各側面に形成されている圧電素子は、三角柱
の中心線に平行な境界線で二分割されている。
【0021】それゆえ、同一側面の二つの圧電素子に符
号が同じ電圧を印加すれば、圧電アクチュエータは所定
の方向に曲げ変形する。その際、各圧電素子による曲げ
変形の量は、線型結合(単なる足し合わせ・重ね合わ
せ)で予測可能であるから、圧電アクチュエータを所望
の方向に所望の量(距離または角度)だけ、曲げ変形さ
せることができる。
【0022】また、三つの側面での各々二つの圧電素子
に正負が逆の電圧が印加され、各角部を挟んで隣り合う
圧電素子への印加電圧も逆符号であれば、角部を挟んで
一方が伸長し他方が収縮しているので、圧電アクチュエ
ータは捩じり変形をする。それゆえ、印加電圧を制御す
ることにより、圧電アクチュエータを柱状部材の弾性軸
回りに所望の向きに所望の角度だけ捩じり変形させるこ
とができる。
【0023】なお、上記所望の変形量は、圧電素子の特
性、柱状部材の剛性、および圧電アクチュエータの寸法
などの諸元により、所定範囲に制限される。また、各曲
げ変形と捩じり変形とは互いに線型結合されるので、印
加電圧の制御ロジックの構成は容易である。したがって
本手段によれば、前述の第3手段の効果に加えて、圧電
素子の数は6つという簡素な構成でありながら、曲げ変
形と捩じり変形とを自在に加えることができ、その際の
印加電圧の制御も容易であるという効果がある。
【0024】(第6手段)本発明の第6手段は、請求項
6記載のマイクロマニピュレータである。本手段では、
柱状部材は軸対称形状をしているから、圧電素子への印
加電圧と圧電アクチュエータの曲げ変形との関係が直截
であり、印加電圧の制御ロジックを容易に構成すること
ができる。また、単純な形状であるから、製造も容易で
あり、小型化し易いという長所もある。
【0025】したがって本手段によれば、前述の第3手
段の効果に加えて、いっそう小型で安価であり、印加電
圧の制御が容易なマイクロマニピュレータを提供するこ
とができるという効果がある。 (第7手段)本発明の第7手段は、請求項7記載のマイ
クロマニピュレータである。
【0026】本手段では、軸心から矩形の板が放射状
(またはアステリスク(*)状)に伸びた形状の断面を
もつ柱状部材と、各板の表裏両面に接合されている圧電
素子とから、圧電アクチュエータが構成されている。各
板の表裏両面の圧電素子のうち一方が伸長し他方が収縮
する場合には、比較的薄い板厚を挟んで一方の面が伸び
他方の面が縮むので、柱状部材の板は比較的大きく曲げ
変形する。それゆえ、圧電アクチュエータの曲げ変形量
は、角柱状や円柱状の柱状部材をもつものよりも大き
い。また、各板の曲げ方向を例えば時計回りに統一すれ
ば、同様の理由で大きな捩じり変形を生じることができ
る。
【0027】本手段には、矩形の板が2枚、180°の
角度を開いて接合している柱状部材も含まれ、同柱状部
材の採用は、巾が倍の一枚板の柱状部材の両面に二つず
つ接合されている圧電アクチュエータの採用と等価であ
る。この構成の圧電アクチュエータでは、板の表裏両方
向への曲げ変形を拘束する部材が柱状部材にないので、
特に大きな曲げ変形を得ることができる。しかも、柱状
部材が一枚板であるから、製造は極めて容易であるとい
う効果がある。
【0028】したがって本手段によれば、前述の第3手
段の効果に加えて、比較的大きな曲げ変形および捩じり
変形を得ることができ、マイクロマニピュレータの粗動
速度が向上し、微動範囲が拡大するという効果がある。 〔装置要部の製法発明〕 (第8手段)本発明の第8手段は、請求項8記載の圧電
アクチュエータ製造方法である。
【0029】本手段は、少なくとも圧電材料定着工程と
表面電極形成工程と圧電素子区画工程とからなり、前述
のマイクロマニピュレータを構成している圧電アクチュ
エータを製造する方法である。なお、本手段で製造され
る圧電アクチュエータの用途は、前述のマイクロマニピ
ュレータだけに限定されるものではない。本手段では、
圧電材料定着工程で導電性の柱状部材の側面全体に圧電
材料を定着し、表面電極形成工程で圧電材料の表面全体
に表面電極を形成する。それゆえ、上記2工程では、柱
状部材の側面上に圧電素子を形成する領域や、圧電素子
の平面形状などを考慮すること無く、一様にあるいは一
括して処理を施すことができる。選択的に定着処理や形
成処理をする必要がないので、量産に適し、製造コスト
も低廉に抑制することができる。
【0030】また、圧電素子区画工程では、表面電極だ
けを一部除去し、表面電極の覆う範囲を区画することに
よって、圧電素子を区画することができる(電極がない
部分では、圧電材料は機能しない)。ここで、表面電極
は薄膜であるから、その除去は容易であり、所望の平面
形状に圧電素子を区画することが可能である。所望の形
状に表面電極を除去する手段としては、レーザーで除去
する方法が適当であるが、その他にも、研削なり切削な
りといった機械的に除去する手段や、化学的に除去する
手段をとってもかまわない。なお、圧電素子区画工程で
不要な部分の膜を除去する際に、表面電極と一緒に圧電
材料が除去されても構わないし、場合によっては柱状部
材の一部にまで切れ込みが入っても許されることもあ
る。
【0031】したがって本手段によれば、前述のマイク
ロマニピュレータに適した圧電アクチュエータを、安価
に量産することが可能になるという効果がある。また、
圧電素子の区画形状の自由度も増して設計が容易になる
という効果もある。 (第9手段)本発明の第9手段は、請求項9記載の圧電
アクチュエータ製造方法である。
【0032】本手段では、圧電材料の定着と表面電極の
形成とが、蒸着によりそれぞれ一括して処理される。そ
れゆえ、多数の柱状部材を一度に処理できるうえ、柱状
部材の各側面にもほぼ一様な厚さの圧電材料の層と表面
電極の膜とが形成される。また、蒸着は電子材料などで
確立されている加工技術であり、信頼性も高いので、製
品の歩留りも高くなる。
【0033】したがって本手段によれば、前述の第8手
段の効果に加えて、よりいっそう安価に圧電アクチュエ
ータを大量生産することが可能になるという効果があ
る。 (第10手段)本発明の第10手段は、請求項10記載
の圧電アクチュエータ製造方法である。
【0034】本手段では、導電性の膜で圧電材料の外表
面に表面電極を形成するに先立って、後の圧電素子区画
工程で表面電極の膜を除去して圧電素子を区画する部分
に、マスキングが施されている。それゆえ、圧電素子区
画工程で、マスキングされている部分の導電性の膜を除
去する処理は極めて容易になり、例えばブラシで周囲の
表面電極部分と均等に摩擦する程度の処理でも、所望の
形状の表面電極を残して導電性の膜を除去することがで
きる。
【0035】したがって本手段によれば、前述の第8手
段の効果に加えて、圧電素子区画工程が簡素化されると
いう効果がある。
【0036】
〔実施例1〕
(実施例1としてのマイクロマニピュレータの構成)本
発明の実施例1としてのマイクロマニピュレータは、図
1に示すように、大きく分けて、関節1と圧電アクチュ
エータ5とエンドエフェクタ6との三つの部材からな
り、各部材はそれぞれ異なる機能をもつ。
【0037】関節1は、ボール2とソケット4とバネ3
とからなるジョイントであり、ソケット4で所定の支持
手段(図示せず)に固定されて、マイクロマニピュレー
タ全体を支持している。ここで、ボール2は、球形の金
属部材であって、圧電アクチュエータ5の一端と連結部
材21を介して接合されており、ボール2の外周面に
は、ソケット4との摺動部20(特別な処理はされてい
ない)が形成されている。ソケット4は、内部空間にボ
ール2およびバネ3とを収容している略中空円筒体状の
金属部材で、その内周面は円筒面とその一端の円錐面と
で形成されており、この円錐面でボール2の摺動部20
と摺接する。バネ3は、コイルスプリングであって、ソ
ケット4の上記内部空間の他端から伸びてボール2に当
接し、ボール2をソケット4の一端に押圧付勢してい
る。ソケット4の上記内部空間の他端は、ネジ(図略)
により封止されており、バネ3の一端は同ネジの先端に
当接しているので、同ネジによりバネ3の押圧力を調整
して、ボール2とソケット4との摩擦力(摩擦モーメン
ト)を適正に調整することができる。
【0038】関節1は、以上のように構成されているの
で、縦横への傾動(X軸・Y軸回りの回転変位)と、連
結部材21の中心軸回りの回転変位(Z軸回りの回転変
位)Tとの、直交3軸まわりに所定の範囲で回転変位が
可能である。エンドエフェクタ6は、マイクロマニピュ
レータの作業対象物に作用する機能部品であり、マイク
ロマニピュレータの役割は、エンドエフェクタ6を作業
対象物に対して所定の位置に移動させることである。し
たがって、多様なエンドエフェクタ6があり得るが、本
実施例では、針61とこれを圧電アクチュエータ5の他
端に固定支持する固定部材62をもって、エンドエフェ
クタ6とする。
【0039】圧電アクチュエータ5は、関節1に一端が
支持されており、印加電圧により曲げ変形する三角柱状
の圧電アクチュエータである。圧電アクチュエータ5の
一端は、連結部材21を介して関節1のボール2に接合
されており、他端にはエンドエフェクタ6が接合されて
いる。圧電アクチュエータ5は、図2に示すように、軸
に垂直な断面(水平断面と呼ぶ)の中心に位置する柱状
部材7と、その全側面に形成されている圧電材料8の層
と、その外表面に形成されている複数の電極9とから構
成されている。
【0040】柱状部材7は、水平断面形が正三角形の角
柱の外形を持つ中実なステンレス鋼からなる金属部材で
あり、所定の導電性とバネ弾性とを備えている。柱状部
材7の一端面には接合孔70が形成されており、関節1
と接続している連結部材21が接合孔70に嵌合して接
合(図4(b)参照)されている。一方、柱状部材7の
多端面にはエンドエフェクタ6が接合されている。した
がって、柱状部材7の曲げ変形およびねじり変形が、す
なわち圧電アクチュエータ5の変形であって、連結部材
21とエンドエフェクタ6との間の相対位置関係は、柱
状部材7の変形で規定される。
【0041】圧電材料8は、分極しているPZTの層で
あって、柱状部材7の全側面にほぼ均等の厚さで形成さ
れている。電極9(91,92,・・・,96)は、各
側面に中央で縦割りに二つずつ、3面合わせて6個が、
圧電材料8の外表面に導電性の金属蒸着膜(銀や白金
等)で形成されている。ここで、各電極9はそれぞれ独
立した配線で制御装置(図示せず)に接続されており、
一方、柱状部材7は共通電極として同制御装置に接続さ
れている。
【0042】それゆえ、各電極9は、共通電極である柱
状部材7との間にそれぞれ一対の電極対を形成してい
る。柱状部材7と各電極9との間には圧電材料8の層が
介在しているので、各電極9についてそれぞれ圧電素子
(例えば電極91に対応して圧電素子81)が形成さ
れ、合計6つの圧電素子が柱状部材7の側面に接合して
形成されている。上記6つの圧電素子には、それぞれ独
立して印加電圧が制御装置から供給されうる。
【0043】一方、共通電極である柱状部材7は、上端
で連結部材21に溶接されており、連結部材21、ボー
ル2を介してソケット4に導通しており、ソケット4か
らリード線(図示せず)を介して制御装置に接続されて
いる。 (実施例1のマイクロマニピュレータの微動作用)本実
施例のマイクロマニピュレータは、以上のように構成さ
れているので、各電極9への印加電圧を制御し、関節1
の角度変位(すなわちボール2とソケット4との間の摺
動)なしに、微動を行うことが可能である。すなわち、
圧電アクチュエータ5が生じる慣性力のモーメントが、
関節1での摩擦モーメントより大きくならない程度に緩
やかに、圧電アクチュエータ5を曲げ変形することによ
り、エンドエフェクタ6の微動が可能である。
【0044】例えば、電極94,95と電極91.92
と(図2参照)に逆符号の印加電圧を加えれば、一方が
伸びて他方が縮むので電極91.92に沿って曲げ変形
が生じ、図3に示すように、圧電アクチュエータ5は曲
げ微動する。また、電極91,93,95と電極92,
94,96と(図2参照)に逆符号の印加電圧を加えれ
ば、柱状部材7の各頂点を挟み一方が伸びて他方が縮む
ので、圧電アクチュエータ5は捩じれ微動する。さら
に、全ての電極91〜96に同電圧を印加し、圧電アク
チュエータ5を伸縮変位させれば、伸縮微動操作を行う
ことも可能である。
【0045】なお、各電極91〜96のそれぞれの伸縮
作用による圧電アクチュエータ5の変形(縦曲げ・横曲
げ・捩じり)について、線型結合による重ね合わせが可
能である。それゆえ、圧電アクチュエータ5に所望の動
作をさせるには、6本の連立方程式を解くだけでこと足
りるので、制御装置の制御ロジックの設計は容易であ
る。さらに、連立方程式の特性が十分に把握できれば、
数値表を用意して制御装置の演算時間の低減を図ること
も可能である。
【0046】(実施例1のマイクロマニピュレータの粗
動作用)本実施例のマイクロマニピュレータは、各電極
9への印加電圧を制御し、緩急をつけて圧電アクチュエ
ータ5を曲げ変形させることによりインパクト駆動を行
い、粗動を行うことができる。すなわち、次のようにし
て所望の方向に関節1を曲げ、圧電アクチュエータ5の
先端の方向を変えることができる。
【0047】先ず、図4(a)に示すように、電極9
5,96と電極92.93とに、十分に高い電圧の印加
電圧を逆符号で急激に加えると、図4(b)に示す変形
なしの状態から、図4(c)に示す曲げ変形をした状態
に、瞬時に移行する。この際、変形が急激に起こるので
大きな慣性力が生じ、関節1での摩擦力(摩擦力のモー
メント)を慣性力(慣性力のモーメント)が凌駕する。
その結果、ボール2とソケット4との間に摺動が生じ、
ボール2と連結部材21とを貫く中心軸は、ボール2の
球心を中心に傾きを変える。
【0048】次に、印加した電圧をゆっくりとゼロにも
どし、圧電アクチュエータ5を図4(c)に示す曲げ変
形をした状態から、図4(d)に示す変形なしの状態へ
ゆるやかにもどす。この際、圧電アクチュエータ5が曲
げ変形した状態から伸びて真っ直ぐな状態に戻るのに、
変形速度も変形加速度も緩やかであるので、大きな慣性
力は生じない。それゆえ、関節1に作用する慣性力のモ
ーメントは、摩擦力のモーメントを越えることがなく、
関節1では摩擦力(摩擦力のモーメント)が支配的にな
り、ソケット4に対してボール2は摺動しない。すなわ
ち、ボール2および連結部材21の中心軸は傾きを変え
ないので、圧電アクチュエータ5が曲げ変形から回復す
るにつれてエンドエフェクタ6は移動し、再び図4
(d)に示すようにその位置と方向とを変更する。
【0049】以上のように圧電アクチュエータ5を緩急
を付けて変形させることにより、エンドエフェクタ6を
関節1回りに傾けたり回転させたりして粗動することが
できる。なお、回転粗動は、圧電アクチュエータ5のね
じり変形と回復とを、緩急をつけて行うことにより、前
述の傾きの粗動と同様、容易に行うことができる。ま
た、一方向への変形とその回復との動作によるよりも、
同方向への変形と逆方向への変形とを緩急を付けて行う
ことにより、より大きな変形の行程が得られるので、一
回の変形当たりの粗動を大きくすることもできる。
【0050】こうして、本実施例のマイクロマニピュレ
ータは、簡素な構成でありながら、粗動と微動とを行
い、エンドエフェクタ6を所望の位置に移動させて所望
の操作を行うことができる。 (実施例1のマイクロマニピュレータの効果)以上の構
成と作用を持つので、本実施例のマイクロマニピュレー
タには、以下に述べる効果がある。
【0051】第1に、圧電アクチュエータ5の構成は簡
素で別途質量体を必要としないので、本実施例のマイク
ロマニピュレータは粗動と微動とのいずれも可能であ
り、従来技術と比較して小型・軽量・低廉かつ堅牢であ
るという効果がある。第2に、関節1の構成が極めて簡
素でありながら、関節1で縦横の傾きと軸回りの回転と
の3自由度の運動が可能であり、圧電アクチュエータ5
の曲げ変形および捩じり変形により3自由度の粗動が可
能であるという効果がある。また、摺動部20での摩擦
力は、ネジ(図略)でバネ3の押圧力を調整することに
より容易に調整できつという効果もある。
【0052】第3に、柱状部材7は一体部材あるので、
両端で関節1およびエンドエフェクタ6に接続する以外
は、圧電アクチュエータ5の内部に接合部や組み立て部
がないので、製造コストが少なく堅牢で信頼性が向上す
るという効果がある。第4に、柱状部材7が共通電極を
形成しているので、圧電アクチュエータ5の配線は約半
分で済み、軽量安価になるうえ、断線の可能性が減る分
信頼性も向上するという効果がある。
【0053】第5に、圧電アクチュエータ5は圧電素子
の数が6つという簡素な構成でありながら、曲げ変形と
捩じり変形とを自在に加えることができ、その際の印加
電圧の制御も容易であるという効果がある。 (実施例1の圧電アクチュエータ製造方法)前述の本実
施例のマイクロマニピュレータの圧電アクチュエータ5
は、以下に述べる製造方法によって製造することができ
る。
【0054】すなわち、本実施例の圧電アクチュエータ
製造方法は、工程の順に圧電材料定着工程、表面電極形
成工程、分極処理行程、および圧電素子区画工程とから
なる。先ず、図5(a)に示す柱状部材7は、本製造方
法の材料の一つであり、前述のように、バネ弾性をもつ
導電性の金属材料からなる。圧電材料定着工程では、図
5(b)に示すように、真空蒸着により柱状部材3の三
つの側面の全体に一括して圧電材料80(未分極)を定
着させる。さらに、表面電極形成工程では、再び真空蒸
着により、図5(c)に示すように、圧電材料80の三
つの側面全体に一括して導電性の銀の薄膜で表面電極9
0(未区分)を形成する。つづく分極処理行程では、図
5(d)に示すように、柱状部材7と表面電極90との
間に所定の電位差Eを与え、両者7,90に挟まれてい
る層状の圧電材料80(未分極)を一括して分極し、圧
電材料8とする。
【0055】次に、圧電素子区画工程では、三つの側面
の中央と各頂点とにレーザーを照射してその部分Gだけ
圧電材料8および表面電極90を除去し、圧電材料8お
よび表面電極90を各面二つの矩形の形状に分割する。
すると、各表面電極91〜96と柱状部材7との間にそ
れぞれ圧電素子が形成され、三つの側面にそれぞれ二つ
ずつに区画された六つの圧電素子が形成されて、圧電ア
クチュエータ5単体としての完成を見る。
【0056】しかるのち、再び図1に示すように、柱状
部材7の一端に連結部材21を、他端にエンドエフェク
タ6の固定部材62を接合する。そして、各表面電極9
1〜96および関節1とをそれぞれ制御装置(図示せ
ず)に接続すれば、前述の本実施例のマイクロマニピュ
レータとして完成する。 (実施例1の圧電アクチュエータ製造方法の効果)前述
の本実施例の圧電アクチュエータ製造方法によれば、次
のような効果が得られる。
【0057】第1に、圧電材料定着工程での圧電材料8
0の定着と、表面電極形成工程での表面電極90の形成
とが、真空蒸着によりそれぞれ一括して処理されるの
で、多数の柱状部材7を一度に処理できる。その際、柱
状部材7の各側面にもほぼ一様な厚さの圧電材料80の
層と表面電極90の膜とが形成される。真空蒸着はすで
に確立されている加工技術であり、信頼性も高いので、
製品の歩留りも高くなる。したがって本製造方法によれ
ば、よりいっそう安価に圧電アクチュエータ5を大量生
産することが可能になるという効果がある。
【0058】第2に、分極処理行程でも柱状部材7の全
周囲の圧電材料8が一括処理されるので、これによって
も生産性が向上しコストは低減されるという効果があ
る。第3に、圧電素子区画工程では、レーザで表面電極
90を一部除去し、残った表面電極91〜96の覆う範
囲を区画するので、所望の形状の圧電素子を容易に形成
することができ、少量生産の場合にも低コストになると
いう効果がある。
【0059】(実施例1の変形態様1)本実施例の各種
の変形態様のうちから一例を取り上げると、不導体の弾
性材料で柱状部材7を製造することも可能である。本変
形態様では、圧電材料定着工程の前に真空蒸着等の手段
で導電性の電極膜を柱状部材の全側面に形成し、共通電
極として実施例1と同様に印加電圧を与えることができ
る。本変形態様によれば、柱状部材の材料が導電性の制
限無しに選べるので、材料選定の幅が広がり、より高い
微動能力および粗動能力をもつマイクロマニピュレータ
を構成できる可能性がある。
【0060】(実施例1の変形態様2)前述の製造方法
において、圧電材料定着工程と表面電極形成工程との間
にマスキング工程が施される変形態様も可能である。マ
スキング工程では、柱状部材7の全側面に一様に定着し
ている圧電材料80の外表面のうち、圧電素子区画工程
で導電性の電極膜90を除去したい所定の部分に、IC
製造技術の印刷方法等によりマスキング剤を塗布する。
マスキング剤は、圧電材料80と剥離し易い(または表
面電極の導電性膜90と剥離し易い)材料の膜を形成す
る物質である。
【0061】マスキング工程の後、表面電極形成工程が
施されると、マスキング剤が形成している膜の上にも表
面電極の導電性膜90が形成される。次の圧電素子区画
工程では、マスキング剤の膜の上に浮いていて剥離し易
い導電性膜90のみが容易に除去されて、圧電素子は所
望の形状に区画される。導電性膜90と一緒にマスキン
グ剤も剥離する場合もあるが、不都合は生じない。
【0062】マスキング工程で、マスキング剤の塗布に
代えてマスキングテープを貼付する変形態様も可能であ
り、上記変形態様2と同様の作用が得られる。本変形態
様によれば、何らかの理由でレーザによる導電性膜90
の部分的な除去が難しい場合にも、本実施例の圧電アク
チュエータ製造方法に近い製造方法を実施することがで
き、その効果もおおむね同様とすることができる。
【0063】(実施例1の変形態様3)前述の実施例1
および変形態様1〜2では、柱状部材7に中実の三角柱
を採用しているが、柱状部材7を中空部材で構成する変
形態様も可能である。マイクロマニピュレータに強い軽
量化の要求が課せられている場合には、本変形態様は特
に有用である。
【0064】〔実施例2〕 (実施例2としてのマイクロマニピュレータ)本実施例
のマイクロマニピュレータは、図6に示すように、円筒
体形状の圧電アクチュエータ5’を構成要素とする点が
実施例1と異なり、その他の点(関節1およびエンドエ
フェクタ6)はおおむね実施例1と同じである。
【0065】圧電アクチュエータ5’は、バネ弾性を持
つ金属材料からなる柱状部材7’と、その外周面に定着
している圧電材料8と、圧電材料8の外周面に形成され
ている導電性の膜からなる4つの表面電極91’〜9
4’とからなる。表面電極91’〜94’は、圧電アク
チュエータ5’の外周面である円筒面を90°ごとに区
分して、いずれも矩形の表面形状に形成されている。し
たがって、本実施例のマイクロマニピュレータは、圧電
アクチュエータ5’を所望の方向に曲げ変形して所望の
微動および粗動を行うことができる。
【0066】本実施例の圧電アクチュエータ5’は、円
筒形状をしているので、実施例1の三角柱形状の圧電ア
クチュエータ5よりも、いくらか製造が容易であるとい
う長所を持つ。ただし、圧電アクチュエータ5’には捩
じり変形ができないので、マイクロマニピュレータの捩
じりに関しては、微動も粗動も難しい。 (実施例2の変形態様1)前述の実施例2のように、圧
電アクチュエータ5’の中心線の延長が、関節1のボー
ル2の中心とエンドエフェクタ6の重心とを通っている
場合には、捩じりの運動は難しい。
【0067】しかし、圧電アクチュエータ5”の質量中
心が、図7に示すように、ボール2からエンドエフェク
タ6の針61まで引いた軸線(70−61”)から偏心
している場合には、捩じり運動と曲げ運動との連成を生
じて、所望の捩じり粗動をすることができる。すなわ
ち、本変形態様では、上記軸線と圧電アクチュエータ
5”の質量中心とを通る直線に垂直な方向に、圧電アク
チュエータ5”が曲げ変形すると、着力点が重心を外れ
ているので回転モーメントを生じ、圧電アクチュエータ
5”は一方へ捩じれる。この捩じれ運動を利用してイン
パクト駆動すれば、縦横に振る操作のほかに、上記軸線
まわりに回転運動を生じて所望の回転変位が得られる。
【0068】したがって本変形態様によれば、円筒体形
状の圧電アクチュエータ5”をもつマイクロマニピュレ
ータによっても、実施例1のマイクロマニピュレータに
準ずる機能をもつことができる。なお、本変形態様のマ
イクロマニピュレータを構成している圧電アクチュエー
タ5”も、実施例1またはその変形態様とほぼ同様の圧
電アクチュエータ製造方法により、製造することができ
る。
【0069】(実施例2の変形態様2)本変形態様のマ
イクロマニピュレータは、圧電アクチュエータ5’の表
面電極の矩形形状を変更し、図8に示すように、表面形
状がスパイラル状の表面電極91A,92Aが圧電材料
8の外周面に形成されている圧電アクチュエータ5Aを
有する。本変形態様のように、表面電極は必ずしも矩形
形状である必要はない。また、表面電極の軸線に沿う長
さも、必ずしも圧電アクチュエータの一端付近から他端
付近まである必要は必ずしも無く、中間部で区画されて
いるなどしてもよい。
【0070】〔実施例3〕 (実施例3としてのマイクロマニピュレータの構成)本
実施例のマイクロマニピュレータは、図9に示すよう
に、所定の厚さがある矩形平板状の圧電アクチュエータ
5Bを構成要素の一つとしている。圧電アクチュエータ
5Bは、矩形平板状の金属材料からなる柱状部材7B
と、柱状部材7Bの少なくとも表裏両面に均等な厚さで
定着している圧電材料8と、圧電材料8の表裏両面の4
枚の表面電極91B〜94Bとから構成されている。こ
こで、柱状部材7Bの形状は、二枚の矩形の板W1,W
2が軸心で180°の角度を互いに空けて接合している
形状であり、各板W1,W2の表裏両面にそれぞれ圧電
素子が接合されている。すなわち、各板W1,W2の表
裏両面をそれぞれ覆っている表面電極91B〜94Bに
より、各板W1,W2のほぼ全面に圧電素子が形成され
ている。
【0071】(実施例3としてのマイクロマニピュレー
タの作用)圧電アクチュエータ5Bの各圧電素子への印
加電圧は、実施例1と同様に、柱状部材7Bを共通電極
とし、各表面電極91B〜94Bへ導線などで接続し
て、制御装置(図示せず)から加えられる。柱状部材7
Bの表裏両面に垂直な方向へ圧電アクチュエータ5Bを
曲げ変形したいときには、表裏両面のうち一方の面の表
面電極91B,92Bに正負のうち一方の電圧を印加
し、他方の面の表面電極93B,94Bに正負のうち他
方の電圧を印加する。すると、表裏両面のうち一方の面
で伸びて他方の面で縮むので、板状の圧電アクチュエー
タ5Bは面に曲率を生じて曲げ変形する。その際、実施
例1および実施例2と比較して、圧電アクチュエータ5
Bの板厚が薄く、互いに背向して形成されている圧電素
子の間隔が短いので、圧電アクチュエータ5Bの変位は
かなり大きくなる。それゆえ、圧電アクチュエータ5B
の先端につけられているエンドエフェクタ6(図示せ
ず)の変位は極めて大きく、微動の範囲が大きいほか、
より素早く粗動をすることが可能である。
【0072】また、先程とは垂直の方向、すなわち柱状
部材7Bの表裏両面に平行な方向へ圧電アクチュエータ
5Bを曲げ変形したいときには、矩形板W1の両面の表
面電極91B,94Bに一方の符号の電圧を印加し、矩
形板W2の両面の表面電極92B,93Bに他方の符号
の電圧を印加する。すると、二つの矩形板W1,W2の
うち一方が縮み、他方が伸びるので、板状の圧電アクチ
ュエータ5Bはわずかながら面内変形して曲げ変位が得
られる。
【0073】さらに、圧電アクチュエータ5Bを捩じり
変形する場合には、一方の符号の印加電圧を表面電極9
1B,93Bにかけ、他方の符号の印加電圧を表面電極
92B,94Bにかければよい。すると、矩形板W1と
矩形板W2とは互いに逆方向に曲げ変形しようとするの
で、結果として圧電アクチュエータ5Bは捩じれ変形す
る。
【0074】したがって、本実施例のマイクロマニピュ
レータによっても、各曲げ方向と捩じりとで振幅が異な
るけれども、実施例1と同様に微動と粗動とが可能であ
る。さらに、実施例1に比較して、少なくとも一方向へ
の曲げ変形が大きく、その方向に関してはより素早い粗
動操作が可能である。また、捩じり変形により軸回りの
回転運動ができるので、曲げ変形の大きい方向を所望の
進行方向に合わせれば、所望の方向へ傾ける粗動が実施
例1より高速で行えるという効果がある。
【0075】なお、本実施例の圧電アクチュエータ5の
製造は、実施例1の製造方法と同様の方法で簡便かつ安
価に行うことができる。ここで、図9では表面電極の形
成されていない表面には表面電極が省略されて描かれて
いないが、圧電素子区画工程で各表面電極91B〜94
Bを区画する際に、各表面電極91B〜94Bを独立さ
せるだけ導電膜を除去するだけでよい。したがって、圧
電アクチュエータ5Bの両面の間の狭い側面にも、導電
膜は残留していてよいので、圧電素子区画工程の工数は
実施例1より大幅に増えることはない。
【0076】(実施例3の変形態様1)前述の本実施例
では、矩形板の数は2枚で180°づつ接合していた
が、図10に示すように、矩形板W1〜W4の数は4枚
でそれぞれ直角に接合して十字型の断面をもつ圧電アク
チュエータ5Cを備えた変形態様も可能である。圧電ア
クチュエータ5の操作は、各表面電極9にかける印加電
圧の制御によって行い、圧電アクチュエータ5Cの曲げ
変形および捩じり変形の作用は、実施例3と同様であ
る。ただし、実施例3と異なり、全方位についてほぼ同
程度の曲げ変形が得られるという効果がある。
【0077】なお、本変形態様では、柱状部材7Cの断
面を厚さ一様の十字形状としたが、柱状部材7Cの断面
の厚さを中心部で厚く先端部で細く(テーパ)した十字
手裏剣状の断面をもつ柱状部材を使用してもよい。この
場合には、曲げ変形および捩じり変形に対する柱状部材
の剛性が減るので、圧電アクチュエータはより大きな変
形を生じることができる。
【0078】(実施例3の変形態様2)本変形態様のマ
イクロマニピュレータでは、図11に示すように、圧電
アクチュエータ5Dは、厚さがテーパしている矩形板W
1〜W3を120°ずつ角度等間隔で配設した断面形状
をもつ。すなわち、同断面形状に相似の断面形状をもつ
柱状部材7Dと、その全周囲の側面に定着している圧電
材料8と、その六つの側面にそれぞれ接合されている表
面電極9とから、圧電アクチュエータ5Dは構成されて
いる。
【0079】圧電アクチュエータ5Dは、実施例1と同
様の印加電圧の制御により、実施例1と同様に曲げ変形
および捩じり変形を行うことができる。それだけではな
く、圧電アクチュエータ5Dは、実施例1の圧電アクチ
ュエータ5よりも各矩形板W1〜W3を挟んでの圧電素
子の間隔が狭いので、より大きな行程(ストローク)で
曲げ変形をすることができる。また、三角柱よりも柱状
部材7Dの捩じり剛性が低下しているので、捩じり変形
も実施例1よりも大きくとれる。したがって、本変形態
様によれば、実施例1よりもより速い微動および粗動を
行うことができるマイクロマニピュレータを提供するこ
とができる。
【0080】なお、本変形態様の柱状部材7Dの各矩形
板W1〜W3のテーパの度合いを調整することにより、
一様な厚さの矩形板で構成されている柱状部材から、実
施例1で示した三角柱の柱状部材7に至るまでの変形態
様があり得る。さらにテーパの度合いを増せば、極限で
は六角柱の柱状部材に至り、実施例2の円筒体(円柱)
の柱状部材7’とほぼ同様の特性を持つ圧電アクチュエ
ータが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としてのマイクロマニピュレータの
構成を示す斜視図
【図2】 実施例1の圧電アクチュエータの構成を示す
水平断面図
【図3】 実施例1のマニピュレータの曲げ微動作用を
示す斜視図
【図4】 実施例1のマニピュレータの縦の粗動作用を
示す組図 (a)各表面電極の位置を示す圧電アクチュエータの断
面図 (b)初期状態を示す側面図 (c)中間状態を示す側面図 (d)終端状態を示す側面図
【図5】 実施例1の圧電アクチュエータ製造方法を示
す組図 (a)柱状部材の形状を示す水平断面図 (b)圧電材料定着工程を示す水平断面図 (c)表面電極形成工程を示す水平断面図 (d)分極処理工程を示す水平断面図 (e)圧電素子区画工程を示す水平断面図
【図6】 実施例2の圧電アクチュエータの構成を示す
斜視図
【図7】 実施例2変形態様1の圧電アクチュエータの
構成を示す斜視図
【図8】 実施例2変形態様2の圧電アクチュエータの
構成を示す斜視図
【図9】 実施例3の圧電アクチュエータの構成を示す
斜視図
【図10】実施例3変形態様1の圧電アクチュエータの
構成を示す断面図
【図11】実施例3変形態様2の圧電アクチュエータの
構成を示す断面図
【符号の説明】
1:関節 2:ボール 20:摺動部 21:連
結部材 3:バネ 4:ソケット 41:円錐面(内周面) 5,5’,5”,5A,5B,5D:圧電アクチュエー
タ 6:エンドエフェクタ 61:針 62:固定部材 7:柱状部材(三角柱) 7’:柱状部材(円筒体)
70:接合孔 8:圧電材料 80:圧電材料(未分極) 9,91〜96:表面電極 90:表面電極(未区
分) E:電位差(電圧) G:間隙 T:捩じり変形 W1〜W4:矩形板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井戸垣 孝治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方向に傾く角度変位が可能な
    ジョイントである関節と、 該関節に一端が支持されており、印加電圧により曲げ変
    形する柱状の圧電アクチュエータと、 該アクチュエータの他端に保持され所定の質量をもつエ
    ンドエフェクタと、を有するマイクロマニピュレータ
  2. 【請求項2】前記関節は、 前記アクチュエータの前記一端に接合され外周面に摺動
    部を持つボールと、 該ボールを保持し該ボールの該摺動部に内周面で当接し
    ているソケットと、 該ソケットの内周面に該ボールの該摺動部を押圧付勢し
    ているバネと、を持ち、直交3軸まわりに所定の回転変
    位が可能である請求項1記載のマイクロマニピュレー
    タ。
  3. 【請求項3】前記アクチュエータは、バネ弾性材料から
    なり前記一端と前記他端とを結合している柱状部材と、
    該柱状部材の側面に接合して形成されている少なくとも
    一つの圧電素子とから構成されており、 該圧電素子は、所定の厚さの分極している圧電材料と、
    該圧電材料の両面にそれぞれ当接する一対の電極とから
    なる請求項1記載のマイクロマニピュレータ。
  4. 【請求項4】前記柱状部材は、導電性の金属材料からな
    る中空または中実の部材で、前記圧電素子の前記電極の
    うち一極を兼ねている請求項3記載のマイクロマニピュ
    レータ。
  5. 【請求項5】前記柱状部材の形状は三角柱状をしてお
    り、該柱状部材の各側面にはそれぞれ長手方向に沿って
    二つの前記圧電素子が接合されている請求項3記載のマ
    イクロマニピュレータ。
  6. 【請求項6】前記柱状部材の形状は円柱状で、該柱状部
    材の外周面に軸方向に沿って複数の前記圧電素子が接合
    されており、 前記アクチュエータの質量中心は所定距離だけ偏心して
    いる請求項3記載のマイクロマニピュレータ。
  7. 【請求項7】前記柱状部材の形状は、複数の矩形の板が
    軸心で角度等間隔に接合している形状であり、各該板の
    表裏両面にそれぞれ圧電素子が接合されている請求項3
    記載のマイクロマニピュレータ。
  8. 【請求項8】バネ弾性をもつ導電性の金属材料からなる
    柱状部材の側面の略全体に、圧電材料を定着させる圧電
    材料定着工程と、 該圧電材料の外表面の略全体に、導電性の薄膜で表面電
    極を形成する表面電極形成工程と、 該圧電材料および該表面電極のうち、少なくとも表面電
    極を所定の形状に分割して圧電素子を区画する圧電素子
    区画工程と、を有する圧電アクチュエータ製造方法。
  9. 【請求項9】前記圧電材料定着工程および前記表面電極
    形成工程では、いずれも蒸着により前記圧電材料の定着
    と前記薄膜による表面電極の形成とが、それぞれ一括し
    てなされる請求項8記載の圧電アクチュエータ製造方
    法。
  10. 【請求項10】前記圧電材料定着工程と前記表面電極形
    成工程との間に、前記圧電材料の外表面の所定部分に、
    前記圧電材料と剥離し易いマスキング剤を塗布するか、
    またはマスキングテープを貼付するマスキング工程を有
    し、 圧電素子区画工程では、該マスキング剤または該マスキ
    ングテープの上に形成されている薄膜が除去される請求
    項8記載の圧電アクチュエータ製造方法。
JP8079012A 1996-04-01 1996-04-01 マイクロマニピュレータおよび圧電アクチュエータ製造方法 Pending JPH09267278A (ja)

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JP8079012A JPH09267278A (ja) 1996-04-01 1996-04-01 マイクロマニピュレータおよび圧電アクチュエータ製造方法

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