JPH09267196A - 粉末成形プレス装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉末成形プレスのダイセット交換作業の際に
障害となるフィーダ駆動装置の着脱操作を無くして作業
の迅速化と安全化を図る。 【解決手段】 粉末成形プレスの後方に配設されたリン
ク機構及びシリンダを有するフィーダ手段を用いてダイ
セットの設置高さに影響無い高さまで、移動させるよう
に成した粉末成形プレス装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は金型を収納するダイ
セットを粉末成形プレス装置より交換する際に用いる外
段取り方式の粉末成形プレス装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、粉末成形プレス装置で粉末成
形体をプレス成形するための金型は、成形品の形状に応
じて種々の金型を用意し、その変更に伴って金型を交換
する場合に、金型を収納するダイセットを粉末成形プレ
ス装置の本体から取り出さずに行う内段取り方式、並び
にダイセットを粉末成形プレス装置の本体より取り出し
て金型交換を行う外段取り方式とが知られている。

【０００３】又、上述の外段取り方式の金型交換方法に
おいては、ダイセットをプレス装置の本体から取り出す
方向によって、プレス本体の前面に取り出す場合と、プ
レス本体の後方に取り出す場合とが提案されている。

【０００４】然し、最近では粉末成形プレス装置で成形
後に行なわれる焼結、サイジング等の一連の工程を全自
動化する傾向が多く成った為、粉末成形プレス装置の前
面には成形後の成形プレス成形体を取り出す為の装置、
成形品の重量を測定する秤量装置、成形体を一定に整列
させる整列装置等の次工程用の装置を取り付ける様に成
っている。更にダイセットを粉末成形プレス装置から取
り出し、外部で金型を交換する際に交換した金型の動き
を予めシュミレートするシュミレー装置等が粉末成形プ
レス装置の前面に配設される場合もある。

【０００５】又、成形体の形状が頻繁に変わる場合に１
台の粉末成形プレス装置本体に対し、複数のダイセット
を用意し、交換しながら使用する場合等もあり、この様
な事からダイセットを取り出す場合は外段取り方式のう
ち、後方に取り出すほうが、レイアウトも有利で且つ作
業性、交換時間も短縮出来る。

【０００６】この様に粉末成形プレス装置の金型に粉末
を充填し、粉体の払い出しを行なうために用いるフィー
ダは粉末成形プレス装置の本体の後方に取り付けられた
フィーダ駆動機構によってダイプレート上を摺動自在に
成されている。

【０００７】即ち、この様な構成ではダイプレートに回
動自在にフィーダを支える様にフィーダ駆動機構から突
出し、ダイプレートに平行に移動する様に成されたロッ
ドがダイセット取出しの際に邪魔になり、ダイセット交
換作業のときはこのロッド等も取り外さなければならな
いため、作業量が増大し、頻雑となる。

【０００８】この様な欠点を除くために図５に示す様に
フィーダ駆動機構のロッドをダイセット取り出しの際に
邪魔にならない位置に移動させることが出来る様に成し
たフィーダ駆動機構も提案されている。

【０００９】図５Ａ及びＢはこのフィーダ駆動機構を粉
末成形プレス装置の背面及び側面から視たリンク機構部
を示すものであり、プレス本体１の後部のブラケット９
等に橋絡した軸２に枢着したフィーダアーム３の他端に
フィーダロッド４が軸支されている。該フィーダロッド
４はフィーダアーム３と略直交する様に回動可能に枢着
されその先端部にはダイセットを構成するダイプレート
５上を摺動するフィーダキャップ６が配設されている。

【００１０】このフィーダキャップ６内に図示しない成
形用粉体供給フィーダから成形用粉体が供給されて金型
内に粉体を掻き落す為にフィーダ駆動機構を構成するフ
ィーダロッド４がプレス本体１の前後（ＡーＡ方向）方
向に摺動する。

【００１１】この様なフィーダ駆動装置を軸２を中心に
Ａ−Ａ方向に摺動させるためにフィーダアーム３の中間
点に図５Ｂの様に枢着した駆動アーム７によってフィー
ダ機構を揺動させる様に成されている。

【００１２】更に、フィーダ機構にはフィーダカップ６
からの粉体漏れを防止するために該フィーダカップを上
側から押圧するエアシリンダ８を有する。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来機構で説明
した粉末成形プレス装置のフィーダ駆動機構によると、
図５Ａに示す様にプレス本体１の背面の略中央に配され
たフィーダアーム３及びエアシリンダ８から成るフィー
ダ機構１０を一点鎖線で示す様に軸２に沿って横方向に
移動して、フィーダアーム３″、エアシリンダ８″で示
すフィーダ機構１０″位置に移動するためには、図５Ｂ
で示す側面図でフィーダアーム３及びエアシリンダ８を
前方位置のダイプレート５上にフィーダキャップ６が載
置されている状態からフィーダロッド４の先端がプレス
本体１の背面１ａより後方に来る様にフィーダアーム３
及びエアシリンダ８を軸２を中心に時計方向に回転させ
て持ち上げなければならない。

【００１４】然し、実際の運転時にフィーダキャップ６
がダイプレート５上を摺動して粉末を金型内に掻き落す
ためには、フィーダアーム３及びエアシリンダ８は図５
Ｂで一点鎖線で示すフィーダアーム３′及びエアシリン
ダ８′位置に回動する程度であるためにフィーダロッド
４のスパン分だけ後方に持ち上げ、且つ軸２を中心に回
転させなければならず後方に大きなスペースをとるだけ
でなく、運転時の機械をそのまま用いて上述の条件を満
足させることは困難となる。

【００１５】又、この場合、各部品を着脱させることも
考えられるが、作業が狭い場所で行なわれ、部品着脱及
びダイプレートの入れ換え作業時間が長くなり、困難な
作業となる問題があった。

【００１６】本発明は叙上の問題点を解消した粉末成形
プレス装置を提供しようとするもので、その課題はフィ
ーダ駆動機構の取り外しや、横方向への移動を行なうこ
となく、フィーダ駆動機構をダイセットの設置位置に邪
魔にならない位置まで簡単に移動出来る様に成した粉末
成形プレス装置を得るにある。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明の粉末成形プレス
装置はその例が図１乃至図４に示されている様に、粉末
をダイプレート金型内にフィーダカップを介して掻き落
し、圧縮成形する粉末成形プレス装置において、該プレ
ス装置本体背面に配設された第１のブラケットと、該第
１のブラケットに一端を回動自在に枢着し他端を２枚の
第２のブラケット間に橋絡した第１及び第２の軸に回動
自在に枢着したフィーダアーム及びサポートと、前記第
１及び第２の軸に回動自在に枢着したくの字状のレバー
とで構成されたリンク機構と、前記２枚の第２のブラケ
ットに一端を回動自在に枢着したエアシリンダと、前記
レバーに設けられた軸に一端を回動自在に枢着したフィ
ーダアームと、該フィーダアームの略中間位置に前記エ
アシリンダの他端を回動自在に枢着して成ることを特徴
とする。また、前記エアシリンダは、ばねを介在してフ
ィーダアームに枢着されていることを特徴とする。

【００１８】本発明の粉末成形プレス装置によると、フ
ィーダアーム駆動機構の解体や横方向への移動を行なう
必要なく、ダイセットの交換時間を短縮可能で作業性も
簡略化出来る。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の粉末成形プレス装
置の実施の形態を図１乃至図４について説明する。図１
は本発明の粉末成形プレス装置の背面図、図２は給粉時
の側面図、図３はダイセット収納準備（フィーダレバー
収納）時の側面図、図４はダイセット収納時の側面図を
示すものである。

【００２０】図１乃至図４において、粉末成形プレス装
置のプレス本体１１は上台１１ａ及び下台１１ｂ等で構
成され、上台１１ａに上ラム１２ａ及び上パンチ１２ｂ
等が上下動可能に枢着され、下台１１ｂにはダイセット
等を構成するダイプレート１３が枢着されている。

【００２１】プレス本体１１の上台１１ａには第１のブ
ラケット１４が固定される。この第１のブラケット１４
の略中間位置に軸支された軸１５に回動自在に枢着した
フィーダアーム１６と、該第１のブラケット１４の端部
に軸支した軸１７に同じく回動自在に枢着したサポート
１８とを有し、該フィーダアーム１６の他端はレバー１
９に回動自在に枢着され、同様にサポート１８の他端も
レバー２２の一端に回動自在に枢着されている。即ちレ
バー２２は略くの字状に形成され第１の直線部２２ａ及
び屈曲部２２ｂより構成されている。

【００２２】フィーダアーム１６の他端はアームの先端
がコ字状の二又部１６ａと成され、更にこの二又部１６
ａを覆う様に左右側板１９Ｌ及び１９Ｒが配設される。
この左右側板１９Ｌ及び１９Ｒは正方形状の板材の対向
する左右辺の上辺を傾斜させて切断した略三角形状と成
され、この左右側板１９Ｌ及び１９Ｒ間に挾着したフィ
ーダアーム１６の二又部１６ａを貫通する様に左右側板
１９Ｌ及び１９Ｒ間に橋絡して軸支された軸２０にレバ
ー２２の直線部２２ａの一端が回動自在に枢着されてい
る。

【００２３】同様にサポート１８のサポートアームの先
端もコ字状の二又部１８ａと成され、この二又部１８ａ
を覆う様に左右側板１９Ｌ及び１９Ｒが配設される。こ
の左右側板１９Ｌ及び１９Ｒ間に挾着したサポート１８
の二又部１８ａを貫通する様に左右側板１９Ｌ及び１９
Ｒ間に橋絡して軸支された軸２１にレバー２２の直線部
２２ａの他端が回動自在に枢着されている。

【００２４】左右側板１９Ｌ及び１９Ｒは軸２３及び２
３によって所定間隔に保持されて上述の各パーツと共に
第２のブラケット２４を構成する。即ち、第２のブラケ
ット２４は第１のブラケット１４、フィーダアーム１
６、サポート１８並びに第２のブラケット２４内のレバ
ー２２（直線部２２ａ）によって平行四辺形のリンク機
構を構成する様に成されている。

【００２５】第２のブラケット２４を構成する左右側板
１９Ｌ及び１９Ｒの頂部にはこれら両側板１９Ｌ及び１
９Ｒ間を橋絡する軸２５を貫通させ、両側板１９Ｌ及び
１９Ｒの左右の外側にエアシリンダ２６の一端を係止
し、他端に必要に応じてコイルスプリング２７を介して
フィーダアーム２８の略中間位置に係止され、該フィー
ダアーム２８の一端はレバー２２を構成する屈曲部２２
ｂの一端に軸支され、フィーダアーム２８を軸支した軸
２９に該屈曲部２２ｂの一端は回動可能に枢着されてい
る。

【００２６】レバー２２を構成する屈曲部２２ｂの終端
部には盲孔が穿たれ、該盲孔に挿通したレバー軸３０の
一端を軸２９に枢着させ、セットスクリュ又は図１に示
す様に調整レバー３１等で屈曲部２２ｂの長さ微調整が
出来る様に成されている。エアシリンダ２６にも同様の
調整レバー３２を設けている。

【００２７】上述の構成に於ける本例の粉末成形プレス
装置のフィーダアーム機構の動作を説明する。図２およ
び図３で３３はフィーダカップを示すものとすると、図
示しない給粉ホッパ等から給粉フィーダを介してフィー
ダカップ３３に入れられ、ダイプレートの台に粉体を掻
き落してプレス動作を行う場合におけるリンク機構及び
フィーダアーム２８はサーボモータからの駆動力を減速
した減速機を介して行われる。

【００２８】ブラケット１４に橋絡した軸１５及び１７
を中心に回動自在に揺動されるフィーダアーム１６及び
サポート１８並びにレバー２２から構成されたリング機
構は、通常の粉体成形時にはサーボモータを時計方向に
駆動させ、この駆動力に基づいてレバー２２の屈曲部２
２ｂの先端は“Ｂ”位置から“Ａ”位置の間を往復移動
し、金型内に成形粉末を給粉する。この時フィーダアー
ム２８の先端はエアシリンダ２６及びスプリング２７の
動作に基づいてフィーダカップ３３を押圧する動作をす
るので粉漏れは生じない。

【００２９】次にダイセットを取り出す際には、まず、
図３に示すようにエアシリンダ２６及びスプリング２７
を縮めることでフィーダアーム２８の先端を“ａ”の位
置から“ｂ”の位置に移動する。このままの状態で次に
サーボモータの反時計方向の駆動によってリング機構を
反時計方向に後退させることでフィーダアーム２８はダ
イセットの取り出しに影響されない高さまで後方に移動
する（図４参照）。従って、フィーダ駆動機構を解体さ
せたり脱着させることなくダイセットを容易に取り出す
ことが可能となる。

【００３０】尚、上述の説明ではサーボモータによって
ダイセットの取り出しに影響されない位置まで後退させ
たが、これを入力によって行うように成してもよい。

【００３１】

【発明の効果】本発明の粉末成形プレス装置によればダ
イセットの金型の交換に際して、従来のフィーダ機構で
必要であったフィーダ駆動機構の解体や横方向への移動
は必要なく、ダイセットの交換時間を大幅に短縮可能と
なり、特に解体等のために技術者が作業する必要が無く
なったために、ダイセットのプレス本体への組み付けは
誰にもできる作業となり、人の作業によらないダイセッ
トの自動交換も可能となり、自動化に寄与する点での効
果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の粉末成形プレス装置のフィーダ駆動機
構部分を示す背面図である。

【図２】本発明の粉末成形プレス装置のフィーダ駆動機
構の給粉動作を説明するための側面図である。

【図３】同じくフィーダ駆動機構のフィーダレバー収納
動作を説明するための側面図である。

【図４】同じくフィーダ駆動機構のダイセット収納時の
動作を説明するための側面図である。

【図５】従来の粉末成形プレス装置のフィーダ駆動機構
部分の背面図（図５Ａ）及び側面図（図５Ｂ）である。

【符号の説明】

１１ プレス本体 １４ ブラケット １６ フィーダアーム １８ サポート ２２ レバー ２６ エアシリンダ ２８ フィーダアーム

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 粉末をダイプレート金型内にフィーダカ
   ップを介して掻き落し、圧縮成形する粉末成形プレス装
   置において、 該プレス装置本体背面に配設された第１のブラケット
   と、該第１のブラケットに一端を回動自在に枢着し他端
   を２枚の第２のブラケット間に橋絡した第１及び第２の
   軸に回動自在に枢着したフィーダアーム及びサポート
   と、前記第１及び第２の軸に回動自在に枢着したくの字
   状のレバーとで構成されたリンク機構と、 前記２枚の第２のブラケットに一端を回動自在に枢着し
   たエアシリンダと、 前記レバーに設けられた軸に一端を回動自在に枢着した
   フィーダアームと、 該フィーダアームの略中間位置に前記エアシリンダの他
   端を回動自在に枢着して成ることを特徴とする粉末成形
   プレス装置。
2. 【請求項２】 前記エアシリンダは、ばねを介在してフ
   ィーダアームに枢着されていることを特徴とする請求項
   １記載の粉末成形プレス装置。